JP2014237171A - フラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シート及びアルミニウム製部材のフラックスレスろう付け方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム材、アルミニウム合金材、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる心材の片面若しくは両面に皮材がクラッドされているクラッド材からなる基板の表面に、0.1μm以上の金属銅層が形成されていることを特徴とするフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シート。
【選択図】なし
Description
該加工材(a)のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シート及び該加工材(b)のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートのいずれもが、アルミニウム材、アルミニウム合金材、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる心材の片面若しくは両面に皮材がクラッドされているクラッド材からなる基板の表面に、0.1μm以上の金属銅層が形成されているフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートであり、
該加工材(a)のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートに形成されている金属銅層の厚みと、該加工材(b)のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートに形成されている金属銅層の厚みの合計が、1.0μm以上であり、
該加工材(a)及び該加工材(b)を、酸素濃度が100ppm以下の不活性ガス雰囲気中、550℃以上でろう付け加熱すること、
を特徴とするアルミニウム製部材のフラックスレスろう付け方法を提供するものである。
該加工材(a)のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シート及び該加工材(b)のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートのいずれもが、アルミニウム材、アルミニウム合金材、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる心材の片面若しくは両面に皮材がクラッドされているクラッド材からなる基板の表面に、0.1μm以上の金属銅層が形成されているフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートであり、
該加工材(a)のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートに形成されている金属銅層の厚みと、該加工材(b)のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートに形成されている金属銅層の厚みの合計が、1.0μm以上であり、
該加工材(a)及び該加工材(b)を、酸素濃度が100ppm以下の不活性ガス雰囲気中、550℃以上でろう付け加熱すること、
を特徴とするアルミニウム製部材のフラックスレスろう付け方法である。
<基板の作製>
連続鋳造により、表1に示す化学組成の合金を準備した。
次いで、熱間圧延及び冷間圧延により、表2示す板厚の基板を作製した。なお、C19については、皮材としてA10を、心材としてA1を用いて、熱間圧延及び冷間圧延により、片面にA10がクラッド率10%でクラッドされた表2に示す板厚の基板を作製した。
上記のようにして得た基板に、表2に示す下地処理を行った。
(1)酸洗浄
・処理液:0.2%HNO3と1.0%H2SO4の混合液
・処理液の温度:60℃
・処理時間:5秒間浸漬
・後処理:60℃で1秒間水洗後、130℃で3秒間熱風乾燥
(2)アルカリ洗浄
・処理液:0.1%NaOH水溶液
・処理液の温度:55℃
・処理時間:5秒間浸漬
・後処理:60℃で1秒間水洗後、130℃で3秒間熱風乾燥
(3)スパッタリング
・スパッタ元素:Ar
・印加電圧:3kV
・印加電流:300mA
・時間:300秒
上記のようにして得た下地処理後の基板の片面に、表2に示す方法で、表2に示す膜厚のCu膜を成膜して、金属銅層が形成されているアルミニウム製シートを得た。なお、C22では、基板の下地処理を行なわずに、成膜を行った。D7では、基板の下地処理のみ行い、成膜を行わなかった。D5及びD6では、Cuの代わりにSiを用いて、Si膜の成膜を行った。
(1)蒸着法
・基板の寸法:50×200mm
・基板温度:室温
・雰囲気圧力:0.001Pa以下
・ヒーター出力:0.5〜5kW
・成膜速度:1〜5nm/s
(2)スパッタリング法
・基板の寸法:50×200mm
・基板温度:室温
・スパッタ元素:Ar
・雰囲気圧力:0.001Pa以下
・印加電圧:3kV
・印加電流:300mA
・成膜速度:0.1nm/s
(3)金属銅層の厚みの測定
得られた金属銅層が形成されているアルミニウム製シートから、10mm×10mm切り出し、金属銅層の厚みの測定対象とした。次いで、アルミニウム製シートをクロスセクションポリッシャ法により断面を露出させ、走査型電子顕微鏡にて倍率2000〜1万倍で観察し、切断面の任意の5か所の銅層の厚みを測定した。次いで、異なる位置で、測定対象となるアルミニウム製シートを切断し、同様に、切断面の任意の5か所の銅の厚みを測定した。得られた測定値を平均して、平均値を金属銅層の厚みとして求めた。
得られた金属銅層が形成されているアルミニウム製シートを、図1に示す水平板(25mm×60mm)又は垂直板(20mm×55mm)の大きさに切り出し、表3に示す組み合わせで、逆T字に組み立てた。次いで、組み立てた逆T字試験片を、表3に示す酸素濃度の窒素ガス雰囲気で、表3に示す加熱温度でろう付け加熱した。試験後の逆T字試験片を観察し、フィレットの形成状態から、ろう付け性を評価した。その結果を表3に示す。
なお、図1中、逆T字試験片では、図1中の水平板の上面側をCu膜が形成されている側の面にし、図1中の垂直板の向かって右側の面(図1で見えている側の面)をCu膜が形成されている側の面にした。
(フィレット接触角)
逆T字試験片のフィレット形成部を樹脂埋め研磨した後、顕微鏡にて倍率50〜400倍で観察し、図2に示すように、フィレットと水平板との接触角を測定し、接触角が30°以下の場合を合格「○」とし、30°を超えた場合を不合格「×」とした。
(接合率)
逆T字試験片に形成されたフィレットの外観を、顕微鏡にて倍率10〜50倍で観察し、フィレット切れを生じた長さを測定し、下記式(1)により、接合率を計算した。なお、接合率が20%以上の場合が合格である。
接合率(%)=((継手長さ−Σフィレット切れ長さ)/50)×100
(継手長さ=50mm、フィレット切れの少ない方で測定、フィレット切れ長さ:フィレット切れが複数個所で起きている場合、その積算をΣフィレット切れ長さとする。)
Claims (8)
- アルミニウム材、アルミニウム合金材、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる心材の片面若しくは両面に皮材がクラッドされているクラッド材からなる基板の表面に、0.1μm以上の金属銅層が形成されていることを特徴とするフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シート。
- アルミニウム材、アルミニウム合金材、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる心材の片面若しくは両面に皮材がクラッドされているクラッド材からなる基板の表面に、0.9μm以上の金属銅層が形成されていることを特徴とするフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シート。
- 熱交換器のフィン材用、チューブ材用、ヘッダ材用又はタンク材用のアルミニウム製シートであることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シート。
- 厚みが0.01〜3.0mmであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シート。
- 前記金属銅層が、蒸着法又はスパッタリング法により形成された金属銅層であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シート。
- アルミニウム材、アルミニウム合金材、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる心材の片面若しくは両面に皮材がクラッドされているクラッド材からなる基板を、アルカリ洗浄又は酸洗浄、あるいは、スパッタリングにより処理した後に、蒸着法又はスパッタリング法により、該金属銅層の形成面に、前記金属銅層を形成させたものであることを特徴とする請求項5記載のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シート。
- 一方のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートの加工材(a)と他方のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートの加工材(b)とをろう付け接合するアルミニウム製部材のフラックスレスろう付け方法であって、
該加工材(a)のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シート及び該加工材(b)のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートのいずれもが、アルミニウム材、アルミニウム合金材、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる心材の片面若しくは両面に皮材がクラッドされているクラッド材からなる基板の表面に、0.1μm以上の金属銅層が形成されているフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートであり、
該加工材(a)のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートに形成されている金属銅層の厚みと、該加工材(b)のフラックスレスろう付け接合用アルミニウム製シートに形成されている金属銅層の厚みの合計が、1.0μm以上であり、
該加工材(a)及び該加工材(b)を、酸素濃度が100ppm以下の不活性ガス雰囲気中、550℃以上でろう付け加熱すること、
を特徴とするアルミニウム製部材のフラックスレスろう付け方法。 - 前記不活性ガス雰囲気の酸素濃度が10ppm以下であることを特徴とする請求項7記載のアルミニウム製部材のフラックスレスろう付け方法。
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- 2013-06-10 JP JP2013122255A patent/JP2014237171A/ja active Pending
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