JP2014237112A - シアン含有廃液の処理方法及びシアン含有廃液の処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るシアン含有廃液12の処理方法では、廃液流量と全シアン濃度とシアンイオン濃度とを測定する(S1、S2、S3)と共に、測定された全シアン濃度とシアンイオン濃度とから錯体シアン濃度を算出して(S4)、シアンイオン濃度と廃液流量とに基づいてシアンイオン除去薬の注入量を算出し(S5)、その注入量のシアンイオン除去薬を処理するシアン含有廃液12に注入し(S7)、錯体シアン濃度と廃液流量とに基づいて錯体シアン除去薬の注入量を算出し(S6)、その注入量の錯体シアン除去薬を処理するシアン含有廃液12に注入する(S9)。
【選択図】図1
Description
また、特許文献1に係る技術を発展させた技術として、以下で説明する3つの工程を実施する廃液処理方法もある。以下、この3つの工程について、図6を参照しつつ説明する。
第1の工程では、処理槽11の入側(第1処理槽11a)でのシアン含有廃液(以下、単に「処理廃液」ともいう。)12の全シアン濃度(反応前全シアン濃度)を濃度計14で測定するとともに、その流量(以下、単に「廃液流量」ともいう。)を流量計13で測定する。そして、測定した反応前の全シアン濃度と廃液流量とから、シアン化合物を除去する際に標準的に用いられる処理薬液(以下、単に「薬液」ともいう。)52の注入量を決定する。なお、上述の「全シアン濃度」とは、処理廃液12中に含まれる全てのシアン化合物の総量で決まる濃度をいう。
第3の工程では、反応後の処理廃液12を沈殿池2に移動し、その沈殿池2の出側での処理廃液12の全シアン濃度(反応後全シアン濃度)を濃度計38で測定する。そして、反応後の全シアン濃度が基準値よりも高い場合には、フィードバック制御部56によって注入する薬液量を増加するようになっている。
図7は、従来技術に係る処理方法における反応前の全シアン濃度と薬液注入量との関係を示した図である。なお、注入する薬液52は、A液16とB液17とを同じ割合(つまり、1:1)で混合した薬液である。また、図7では、廃液流量を350m3/hとしている。
錯体シアンと錯体シアンの存在比率が等しい処理廃液Cを処理する場合には、処理廃液Cに上述の混合薬液52を予定した量だけ注入することで反応後の全シアン濃度c2は排水基準を満たす濃度となっている(図8(a)参照)。これは、処理廃液C中に含まれるシアンイオンと錯体シアンとが、混合薬液52の注入により処理廃液C中から除去され処理廃液Cが無害化したことを意味している。
このように、従来技術に係るシアン含有廃液の処理方法には、処理廃液12中におけるシアンイオンと錯体シアンとの存在比率が大きく変動した場合には必要以上に混合薬液52を注入しなければならず、薬液の費用が高騰するといった課題がある。
また、上記の処理方法において、前記シアンイオン除去薬及び前記錯体シアン除去薬を前記処理するシアン含有廃液に注入した後の前記処理槽内の前記全シアン濃度である反応後全シアン濃度を測定する工程と、前記シアンイオン除去薬及び前記錯体シアン除去薬を前記処理するシアン含有廃液に注入する前の前記処理槽内の前記全シアン濃度を反応前全シアン濃度とした場合に、前記反応前全シアン濃度と前記反応後全シアン濃度とに基づいて前記シアン化合物の除去率を算出する工程と、前記除去率と予め求めた近似式とに基づいて前記第1係数と前記第2係数とをそれぞれ個別に算出し、前記第1係数と前記処理槽内の前記シアンイオン濃度と前記廃液流量との関係を記憶すると共に前記第2係数と前記処理槽内の前記錯体シアン濃度と前記廃液流量との関係を記憶する工程と、をさらに有することとしてもよい。
また、上記の処理装置において、前記シアンイオン除去薬及び前記錯体シアン除去薬を前記処理する前記シアン含有廃液に注入した後の前記処理槽内の前記全シアン濃度である反応後全シアン濃度を測定する反応後全シアン濃度測定部と、前記反応前全シアン濃度測定部で測定した前記全シアン濃度を反応前全シアン濃度とした場合に、前記反応前全シアン濃度と前記反応後全シアン濃度とに基づいて前記シアン化合物の除去率を算出する除去率算出部と、前記除去率と予め求めた近似式とに基づいて前記第1係数と前記第2係数とをそれぞれ個別に算出し、前記第1係数と前記シアンイオン濃度と前記廃液流量との関係を記憶すると共に前記第2係数と前記錯体シアン濃度と前記廃液流量との関係を記憶する記憶部と、をさらに備えることとしてもよい。
図1は、本実施形態に係るシアン除去処理装置1と、それに繋がる沈殿池2とをそれぞれ示す概念図である。シアン除去処理装置1は、図1に示すように、処理槽11を備えている。そして、その処理槽11は、上流側から下流側に向かって少なくとも第1処理槽11aと第2処理槽11bと第3処理槽11cとを備えている。第1処理槽11a、第2処理槽11b、第3処理槽11cの各処理槽は、それぞれ接して設けられており、第1処理槽11aから第3処理槽11cに向かって(つまり、上流側から下流側に向かって)順次水位が低くなるように設けられている。換言すると、処理廃液12は第1処理槽11a内に流入し、第1処理槽11aから溢れた処理廃液12は第2処理槽11b内に流入し、第2処理槽11bから溢れた処理廃液12は第3処理槽11c内に流入するように、第1処理槽11a、第2処理槽11b、第3処理槽11cの各処理槽は設けられている。また、第1処理槽11a、第2処理槽11b、第3処理槽11cの各処理槽内には図示しない仕切り板が設けられており、その仕切り板によって流路が形成されている。
処理廃液12に注入するシアンイオン除去薬16の量Za(l/h)(以下、「A液注入量Za」とも表記する。)は、廃液流量V(m3/h)と、シアンイオン濃度x1と、シアンイオン除去薬注入率a(以下、「A液注入率a」とも表記する。)とに基づいて算出される(式1参照)。なお、上記「l」は「リットル」を意味するものである。
A液注入量Za=A液注入率a×廃液流量V×シアンイオン濃度x1・・・(式1)
B液注入量Zb=B液注入率b×廃液流量V×錯体シアン濃度y1 ・・・(式2)
錯体シアン濃度y1=全シアン濃度w1−シアンイオン濃度x1 ・・・(式3)
なお、錯体シアンとは、例えばフェリシアンイオン([Fe(CN)6]3−)やフェロシアンイオン([Fe(CN)6]4−)である。
第3処理槽11cと沈殿池2とは、連結パイプ32で連結されている。そして、この連結パイプ32にはポンプ33が備わっている。連結パイプ32は、凝集剤28が注入された処理廃液12を沈殿池2へと送るためのパイプである。また、ポンプ33は、凝集剤28が注入された処理廃液12を沈殿池2へと送るためのポンプである。なお、図1には、連結パイプ32の一部のみが記載されている。
図2は、シアンイオン除去薬(A液)注入率a及び錯体シアン除去薬(B液)注入率bの算出方法を説明するための図であり、(a)は各除去薬の注入を示す模式図であり、(b)はA液注入率aとシアンイオン除去率Rxとの関係を示し、(c)はB液注入率bと錯体シアン除去率Ryとの関係を示す図である。
A液注入率a=A液注入量Za/(廃液流量V×シアンイオン濃度x1)
・・・(式4)
また、図2(c)の横軸はB液注入率bを示している。このB液注入率bと、廃液流量Vと、錯体シアン濃度y1との間には、以下の関係式が成立している(式5参照)。この式5は、上述の式2を変形することで得られる。
B液注入率b=B液注入量Zb/(廃液流量V×錯体シアン濃度y1)
・・・(式5)
図2(a)に示した場合におけるシアンイオン除去率Rxを反応前のシアンイオン濃度x1と反応後のシアンイオン濃度x2とに基づいて算出する(式6参照)。なお、シアンイオン除去率Rxを算出するシアンイオン除去率算出部は、薬液注入量制御部20内に設けられている。
シアンイオン除去率Rx
=(シアンイオン濃度x1−シアンイオン濃度x2)/シアンイオン濃度x1
・・・(式6)
こうして算出したA液注入率aと、廃液流量Vと、シアンイオン濃度x1とからA液注入量Zaを決定する(式1参照)。
図2(a)に示した場合における錯体シアン除去率Ryを反応前の錯体シアン濃度y1と反応後の錯体シアン濃度y2とに基づいて算出する(式7参照)。なお、錯体シアン除去率Ryを算出する錯体シアン除去率算出部は、薬液注入量制御部20内に設けられている。
錯体シアン除去率Ry
=(錯体シアン濃度y1−錯体シアン濃度y2)/錯体シアン濃度y1
・・・(式7)
こうして算出したB液注入率bと、廃液流量Vと、錯体シアン濃度y1とからB液注入量Zbを決定する(式2参照)。
錯体シアン濃度y2=全シアン濃度w2−シアンイオン濃度x2 ・・・(式8)
本実施形態に係るシアン含有廃液の処理方法について図1及び図3を参照しつつ説明する。図3は、本実施形態に係るシアン除去処理方法のフローを示す図である。
本実施形態に係るシアン含有廃液の処理方法では、まず、メッキ処理等の実施により生じた処理廃液12を第1処理槽11aに投入する。その際、処理廃液12の流量(廃液流量)Vを流量計13で測定する(S1)。
測定された廃液流量Vとシアンイオン濃度x1とから、処理廃液12中に含まれるシアンイオンの総量を薬液注入量制御部20で算出する。そして、算出されたシアンイオンの総量に基づいて、処理廃液12に注入すべきシアンイオン除去薬16の量Zaを薬液注入量制御部20で決定する(S5)。このシアンイオン除去薬16の量Zaは、上述の式1により決定される。
NaCN + RCH(SO3Na)OH
→ Na2SO3 + RCH(CN)OH + H2O
→ RCH(CONH2)OH + H2O
→ RCH(COOH)OH + NH3 ・・・(式9)
式9に示すように、シアンイオン除去薬16にホルムアルデヒド溶液を用いることで、シアンイオンはアンモニアと低毒性の水溶性物質とに分解する。
pH値の調整がなされた処理廃液12に、B液注入装置19を用いてS6で決定した量の錯体シアン除去薬17を注入する(S9)。処理廃液12中に含まれる錯体シアンは、この錯体シアン除去薬17と反応し、低毒性の固形物に変化する。換言すると、錯体シアン除去薬17で錯体シアンを不溶化(固化)させる。
2Mn2++[Fe(CN)6]4−→ Mn2[Fe(CN)6]↓
・・・(式10)
3Mn2++2[Fe(CN)6]3−→ Mn3[Fe(CN)6]2↓
・・・(式11)
式10、11に示すように、錯体シアン除去薬17にマンガン溶液を用いることで、錯体シアンを低毒性の固形物に変化させることができる。
次に、第3処理槽11c内の処理廃液12に凝集剤注入装置29を用いて凝集剤28を注入する(S10)。凝集剤28を注入することで、不溶化した錯体シアン(固形物)を凝集させることができる。この凝集剤28は、例えば低分子凝集剤や高分子凝集剤である。
このようにして、本実施形態に係るシアン含有廃液12のシアン除去処理が終了する。
(1)本実施形態に係るシアン含有廃液12の処理方法では、シアン除去処理を実施する前に廃液流量V、全シアン濃度w1、シアンイオン濃度x1、錯体シアン濃度y1をそれぞれ個別に測定または算出している。そして、そのシアンイオン濃度x1と廃液流量Vとに基づいてシアンイオン除去薬16の注入量Zaを算出している。また、錯体シアン濃度y1と廃液流量Vとに基づいて錯体シアン除去薬17の注入量Zbを算出している。
このため、本実施形態に係る処理方法であれば、錯体シアン濃度y1自体を個別に測定する必要がないので、処理方法を簡便にすることができる。
従来技術に係るシアン含有廃液の処理方法では、シアンイオンと錯体シアンとの比率が変わった場合にその変化を瞬時に把握することが困難であるため、余剰に除去薬を注入する必要であった。ところが本実施形態に係る処理方法であれば、シアンイオンと錯体シアンとの比率が変わった場合でもその変化を瞬時に把握することができるため、シアンイオンと錯体シアンとの比率に応じて各除去薬を注入することができる。よって、各除去薬の過剰な注入を防ぐことができる。このため、本実施形態に係る処理方法であれば、処理後の全シアン濃度が高めに外れることがなくなり、緊急対応の必要もなくなる。
フィードバック制御しかない処理方法では、処理廃液量の変化に対しては流入量を測定しておき、注入するシアンイオン除去薬16及び錯体シアン除去薬17の量に反映させることが可能であるが、シアン化合物の存在状態が変化した場合にはシアンイオン除去薬16及び錯体シアン除去薬17の増加対応が遅れる場合がある。
しかしながら、本実施形態に係る処理方法であれば、シアンイオン濃度x1、x2及び錯体シアン濃度y1、y2を把握して各除去薬の注入量を決めるので、注入増加のタイミングが遅れて管理濃度以上の処理廃液12が放流される危険性を低減することができる。
上述の実施形態では、シアン含有廃液12にシアンイオン除去薬16を注入(S7)した後に錯体シアン除去薬17を注入(S9)する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、シアン含有廃液12に錯体シアン除去薬17を注入した後にシアンイオン除去薬16を注入してもよい。また、シアン含有廃液12にシアンイオン除去薬16と錯体シアン除去薬17とを同時に注入してもよい。
図4(a)は、本実施例におけるシアンイオン濃度と薬液注入量との関係を示した図である。なお、本実施例では、シアンイオン除去薬16(A液)としてホルムアルデヒド溶液を用いている。図4(b)は、本実施例における錯体シアン濃度と薬液注入量との関係を示した図である。なお、本実施例では、錯体シアン除去薬17(B液)としてマンガン溶液を用いている。また、図4(a)、(b)では、廃液流量を350m3/hとしている。
以上のように、本実施形態に係る処理方法であれば、薬液(ホルムアルデヒド溶液16またはマンガン溶液17)が過剰に注入されるのを防止することができる。よって、薬液の費用を削減することができる。
Claims (8)
- シアン含有廃液に含まれるシアン化合物を除去して前記シアン含有廃液を無害化する処理方法であって、処理するシアン含有廃液の廃液流量と、前記処理するシアン含有廃液に含まれるシアン化合物の総量である全シアン濃度と、前記処理するシアン含有廃液に含まれるシアンイオンの総量であるシアンイオン濃度とを測定すると共に、測定された前記全シアン濃度と前記シアンイオン濃度とから前記処理するシアン含有廃液に含まれる錯体シアンの総量である錯体シアン濃度を算出して、前記シアンイオン濃度と前記廃液流量とに基づいて前記シアンイオンを除去するシアンイオン除去薬の注入量を算出しその注入量の前記シアンイオン除去薬を前記処理するシアン含有廃液に注入し、前記錯体シアン濃度と前記廃液流量とに基づいて前記錯体シアンを除去する錯体シアン除去薬の注入量を算出しその注入量の前記錯体シアン除去薬を前記処理するシアン含有廃液に注入することを特徴とするシアン含有廃液の処理方法。
- 前記処理するシアン含有廃液を処理槽内に投入する工程と、
前記投入する廃液流量を測定する工程と、
前記処理槽内の前記全シアン濃度を測定する工程と、
前記処理槽内の前記シアンイオン濃度を測定する工程と、
前記処理槽内の前記全シアン濃度と前記処理槽内の前記シアンイオン濃度とを測定した後に、前記処理槽内の前記錯体シアン濃度を算出する工程と、
前記処理槽の前記シアンイオン濃度と前記廃液流量と予め求めた係数である第1係数とから前記シアンイオン除去薬の注入量を算出し、その算出した注入量の前記シアンイオン除去薬を前記処理槽内の前記処理するシアン含有廃液に注入する工程と、
前記処理槽の前記錯体シアン濃度と前記廃液流量と予め求めた係数である第2係数とから前記錯体シアン除去薬の注入量を算出し、その算出した注入量の前記錯体シアン除去薬を前記処理槽内の前記処理するシアン含有廃液に注入する工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載のシアン含有廃液の処理方法。 - 前記錯体シアン濃度を算出する工程では、前記処理槽内の前記全シアン濃度の値から前記処理槽内の前記シアンイオン濃度の値を差し引き、その差し引いた値を前記処理槽内の前記錯体シアン濃度の値とすることを特徴とする請求項2に記載のシアン含有廃液の処理方法。
- 前記シアンイオン除去薬及び前記錯体シアン除去薬を前記処理するシアン含有廃液に注入した後の前記処理槽内の前記全シアン濃度である反応後全シアン濃度を測定する工程と、
前記シアンイオン除去薬及び前記錯体シアン除去薬を前記処理するシアン含有廃液に注入する前の前記処理槽内の前記全シアン濃度を反応前全シアン濃度とした場合に、前記反応前全シアン濃度と前記反応後全シアン濃度とに基づいて前記シアン化合物の除去率を算出する工程と、
前記除去率と予め求めた近似式とに基づいて前記第1係数と前記第2係数とをそれぞれ個別に算出し、前記第1係数と前記処理槽内の前記シアンイオン濃度と前記廃液流量との関係を記憶すると共に前記第2係数と前記処理槽内の前記錯体シアン濃度と前記廃液流量との関係を記憶する工程と、をさらに有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のシアン含有廃液の処理方法。 - シアン含有廃液に含まれるシアン化合物を除去して前記シアン含有廃液を無害化する処理装置であって、処理するシアン含有廃液の廃液流量と、前記処理するシアン含有廃液に含まれるシアン化合物の総量である全シアン濃度と、前記処理するシアン含有廃液に含まれるシアンイオンの総量であるシアンイオン濃度とを測定する測定部と、前記全シアン濃度と前記シアンイオン濃度とから前記処理するシアン含有廃液に含まれる錯体シアンの総量である錯体シアン濃度を算出する錯体シアン濃度算出部と、前記シアンイオン濃度と前記廃液流量とに基づいて前記シアンイオンを除去するシアンイオン除去薬の注入量を算出すると共に、前記錯体シアン濃度と前記廃液流量とに基づいて前記錯体シアンを除去する錯体シアン除去薬の注入量を算出する注入量算出部と、算出した前記注入量の前記シアンイオン除去薬と前記錯体シアン除去薬とを前記処理するシアン含有廃液に注入する除去薬注入部と、を備えることを特徴とするシアン含有廃液の処理装置。
- 前記処理するシアン含有廃液を投入する処理槽と、
前記処理するシアン含有廃液を前記処理槽内に投入する廃液投入部と、
前記投入した廃液流量を測定する廃液流量測定部と、
前記処理槽内の前記全シアン濃度を測定する反応前全シアン濃度測定部と、
前記処理槽内の前記シアンイオン濃度を測定するシアンイオン濃度測定部と、
前記処理槽内の前記錯体シアン濃度を算出する錯体シアン濃度算出部と、
前記処理槽内の前記シアンイオン濃度と前記廃液流量と予め求めた係数である第1係数とから前記シアンイオン除去薬の注入量を算出するシアンイオン除去薬注入量算出部と、
算出した前記注入量の前記シアンイオン除去薬を前記処理槽内の前記処理するシアン含有廃液に注入するシアンイオン除去薬注入部と、
前記処理槽内の前記錯体シアン濃度と前記廃液流量と予め求めた係数である第2係数とから前記錯体シアン除去薬の注入量を算出する錯体シアン除去薬注入量算出部と、
算出した前記注入量の前記錯体シアン除去薬を前記処理槽内の前記処理するシアン含有廃液に注入する錯体シアン除去薬注入部と、を備え、
前記シアンイオン除去薬注入部及び前記錯体シアン除去薬注入部を、前記廃液流量測定部、前記反応前全シアン濃度測定部及び前記シアンイオン濃度測定部の下流側に設けたことを特徴とする請求項5に記載のシアン含有廃液の処理装置。 - 前記錯体シアン濃度算出部では、前記処理槽内の前記全シアン濃度の値から前記処理槽内の前記シアンイオン濃度の値を差し引き、その差し引いた値を前記処理槽内の前記錯体シアン濃度の値とすることを特徴とする請求項6に記載のシアン含有廃液の処理装置。
- 前記シアンイオン除去薬及び前記錯体シアン除去薬を前記処理する前記シアン含有廃液に注入した後の前記処理槽内の前記全シアン濃度である反応後全シアン濃度を測定する反応後全シアン濃度測定部と、
前記反応前全シアン濃度測定部で測定した前記全シアン濃度を反応前全シアン濃度とした場合に、前記反応前全シアン濃度と前記反応後全シアン濃度とに基づいて前記シアン化合物の除去率を算出する除去率算出部と、
前記除去率と予め求めた近似式とに基づいて前記第1係数と前記第2係数とをそれぞれ個別に算出し、前記第1係数と前記シアンイオン濃度と前記廃液流量との関係を記憶すると共に前記第2係数と前記錯体シアン濃度と前記廃液流量との関係を記憶する記憶部と、をさらに備えることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のシアン含有廃液の処理装置。
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