本発明の実施の形態を適用することのできる遊技機の例として、まずスロットマシンについて説明する。
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップボタン140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴からなるリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
本発明の実施の形態を適用することのできる他の遊技機の例として、パチンコ機について説明する(図面は省略する)。
パチンコ機は、大別して、外枠と、本体部材と、開口枠扉と、球受皿付き扉とを備えている。
外枠は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備など)へと固定させるための縦長方形状からなる木製の枠部材である。
本体部材は、外枠の内部に備えられ、ヒンジ部を介して外枠に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。この本体部材は、枠状に形成されその内側に空間部を有している。
開口枠扉は、遊技機の前面側となる前記本体部材の前面に、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。
なお、開口枠扉の開口部にガラス製又は樹脂製からなる透明板部材が設けられ、開口部近傍及びその内部に電飾やスピーカなどが取り付けられている。
球受皿付き扉は、遊技機前面において本体部材の下部に、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着され、遊技球を貯留する球受皿を少なくとも備えた扉部材である。球受皿付き扉には、例えば、以下の部材が取り付けられている。
(1)複数の遊技球が貯留可能で且つ図示しない発射駆動装置へと遊技球を案内させる通路が設けられた球受皿。
(2)該貯留され発射駆動装置へと案内された遊技球を遊技盤の盤面に設けられた遊技領域へと打出す操作を行う回動式操作ハンドル。
(3)ブリペイドカード読込み処理関係及び借り受ける遊技球の貸出し処理関係の指示をするボタンを備えた球貸し関係の操作部。
(4)球受皿に貯留させた遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出解除するための球受皿用の貯留球排出操作ボタン。
(5)画面に表示された選択肢の選択を行うために遊技者が操作するジョグダイヤル(演出ボタン)。
パチンコ機の遊技盤は、本体部材の空間部に臨むように、本体部材に所定の固定部材を用いて着脱自在に装着されている。遊技盤の本体部材への装着後は、その遊技領域を前記開口部より観察することができる。
パチンコ機の遊技盤は矩形の盤面を備え、盤面には、誘導レールと、誘導レールで区画された略円形の遊技領域を落下した遊技球を外部へ導く排出口(アウト口)が設けられている。
盤面の遊技領域は、誘導レール(遊技球を滑走させる滑走部と遊技球を規制する規制部を含む)により略円形状となるように区画形成され、打出された遊技球の移動範囲を規制する領域である。前記滑走部に規制部が続くように設けられている。前記滑走部は全体として螺旋をなして盤面に配設されている。
前記排出口(アウト口)は、遊技領域に投入された遊技球が集束する位置に設けられた回収開口部である。
盤面には、遊技領域を移動する遊技球の方向を変化せしめる釘や風車などの障害物が複数個設けられている。障害物としての遊技釘は、遊技球と接触させることにより移動方向を不規則にし、又は移動方向を規制するために、盤面の適宜な位置に打込まれる複数の棒状部材である。
盤面には、さらに、可変表示装置(センター役物)と、そこを遊技球が通過することが抽選契機となるスルーチャッカー(入賞チャッカー)と、普通入賞口を有する普通入賞装置と、始動入賞口を有するスタートチャッカー(始動入賞装置)と、大入賞口を有するアタッカーとが設けられている。
可変表示装置(センター役物)は、遊技領域の中央やや上側に設けられ、演出用表示ランプやLCD(液晶表示装置)などの可変表示部をひとつ又は複数備える。
スルーチャッカー、普通入賞装置、スタートチャッカー(始動入賞装置)及びアタッカーの内部には球通過検出器が設けられている。
スタートチャッカー(始動入賞口)は電チューとも呼ばれ、入賞口の開口範囲の拡縮を行わせる可動片(羽)をその両側に備え、遊技球を入賞させることにより可変表示を行わせると共に賞球を遊技者に獲得させる入賞装置である。
アタッカー(大入賞装置)は、入賞口を露出させる開口状態と入賞口を閉鎖する閉口状態となる可動扉が駆動制御されるものであり、通常遊技状態に遊技球の入賞を禁止する状態から、予め定められた所定条件が満足された特定遊技状態に遊技球を入賞させることにより他の入賞装置及び入賞口と比較してより多くの賞球を獲得させるものである。
遊技者は、回動式操作ハンドルを回して盤面に球を打ち出す。遊技機は、スルーチャッカーを球が通過すると抽選を行い、この抽選に当選するとスタートチャッカー(始動入賞口)の可動片を開放して始動入賞口に球が入りやすくする。始動入賞口に玉が入ると入賞となって、遊技機は大当り抽選を行うとともに可変表示装置の液晶表示装置上で図柄の変動表示を行う。この抽選に当選すると大当りになり、遊技機はアタッカーを開く。アタッカーに球が入ると賞球が払い出され、大当りの終了条件が来るまで持ち玉が増やせる、そして、遊技機は液晶表示装置での図柄変動中にジョグダイヤル(演出ボタン)の押下を促す演出を行う。遊技者がジョグダイヤル(演出ボタン)を操作すると、遊技機は液晶表示装置で大当りの有無を示唆する演出を行う。
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
なお、パチンコ機の機能ブロック図は省略するが、パチンコ機はメイン基板、サブ基板及びスピーカ基板を備える点でスロットマシンと同じであるので、後述の図5及び図6の構成や図7以降の処理をそのままパチンコ機にも適用することができる。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて、ボーナス役、小役、リプレイ役などの内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンドを受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンドに応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
サブ基板20は、図示しないAT抽選手段がAT(アシストタイム)抽選をしており、後述するレバー音や停止音で、メイン基板10におけるボーナス役の当選の有無やサブ基板20におけるATの当選の有無を示唆している。ATにより、出玉を得るための示唆を行い遊技者の操作の便宜(アシスト)を提供している。当該示唆は常時出されるわけではなく、特定の場合に出される。
ATは、特定の小役が当選しても遊技者が当該当選した小役に対応する図柄の組み合わせを揃えないと払い戻しがないが、小役による払い出しを確実にするために、ビッグボーナス終了後(もしくは成立時)あるいはその他の任意の契機にATを抽選し、これに当選すると一定ゲーム間は特定の小役を揃えさせるための操作を何らかのアクションを伴って遊技者に教えるという機能である。
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(デバイス制御基板)が接続されている。周辺基板とは、サブ基板20により制御されるものであり、主に映像、光、音響により演出を行うものである。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付手段1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、投入受付手段1050は、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技(ボーナス成立状態の遊技)において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技(ボーナス成立状態の遊技)において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップボタン140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
次に、遊技機における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作(レバー押下)されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
スタートスイッチ134がONになったことに起因して、ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始し、各リールの回転速度が所定回転速度(定常回転、その回転速度は約80rpm)に到達するまで加速される。所定回転速度に達したら加速が停止し、そのときの回転速度を維持しつつ定常回転を行う。定常回転になると各リールに対する停止操作が可能となる。3つのリールそれぞれに対応して3つのストップボタン140が設けられているが、あるリールが定常回転に達したとき当該リールに対応するストップボタン140が点灯して操作可能であることを遊技者に知らせるとともに、リール制御手段1300は当該ストップボタン140からの信号を受け付けるようになる。この処理が3つのリールそれぞれについて行われる。そして、次のステップS4に進む。
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
なお、全てのリールが回転しており、かつストップボタン140の信号を受け付ける状態のときに、最初にいずれかのストップボタン140を操作することを第1停止操作、第1停止操作が行われた後に、第1停止操作が行われたストップボタン140以外のストップボタン140を操作することを第2停止操作、第2停止操作が行われた後に、第1停止操作が行われたストップボタン140及び第2停止操作が行われたストップボタン140以外のストップボタン140を操作することを第3停止操作、第3停止操作が行われたことにより押下している状態(押下状態)となったストップボタン140の押下状態を解除すること(指を離すこと)を第3停止操作離し、と呼ぶことにする。
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
図5(a)は、発明の実施の形態に係る遊技機の音響発生系統のブロック図である。
20は、図3に示したサブ基板であるが、発明の実施の形態に係る遊技機を説明するために書きなおしたものである。図5に示すように、発明の実施の形態に係る遊技機のサブ基板20は、音響制御部SCに対する予め定められた命令を記憶する命令記憶部20Cと、後述する制御処理に用いる1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)及び停止命令要求フラグ(第2フラグ)を記憶するフラグ記憶部20Fとを含む。1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)は、前述した一遊技(遊技単位)において停止命令を発行したかどうかを識別するためのものであり、停止命令要求フラグ(第2フラグ)は停止命令を発行するためのものである。命令記憶部20Cは、例えばサブ基板20に設けられているROMに設けられている。フラグ記憶部20Fは、例えばサブ基板20に設けられているRAMに設けられている。
SCは、スピーカ(音響装置)SPから音響を発声させる音響制御部である。音響制御部SCは、サブ基板20からの指令に基づき所定の音響(台詞、音楽、効果音など)をスピーカSPから出力させる。
音響制御部SCは、例えばスピーカ基板201に内蔵されるか、又は、サブ基板20に内蔵されている。
音響制御部SCは電子回路を備えるものであり、ひとつ又は複数の半導体集積回路(IC)からなるサウンドチップと呼ばれるものである。音響制御部SCは、再生命令、停止命令、音量変化命令など複数の命令に従い、音響を再生する。サブ基板20は、音響制御部SCに対して、それらの命令を所定間隔空けて(例えば16ms単位で)送ることができる。再生命令を送り、これによる音響発生中に別の再生命令を送ると、先の再生命令による音響発生が中断し、後の再生命令による音響発生が直ちに開始される(いわば上書きされる)。これに対し、再生命令、停止命令、再生命令のように、途中に停止命令を挟むと前記間隔に応じて所定の無音期間が生じる。無音期間で発生音が途切れ、ノイズが発生したような状態となる。
なお、停止命令が送られてから、次の再生命令が送られるまでの間に、後述する初期化処理が行われる。
音響制御部SCには、再生命令を発行した後に、続けて再生命令を発行すると動作が異常になることがあるという不具合がある。具体的には音響が再生せず、無音状態になる、ノイズが発生するといった不具合である。
この不具合の発生頻度は高くなく時々しか発生しないが、その発生条件は複雑であり事前にそれを予測することは難しい。音響制御部SCそのものの問題であり、当該不具合の根本的な解決は困難である。しかし、以下に説明するように、発明の実施の形態によれば当該不具合による悪影響を軽減し、遊技機の商品価値の毀損を避けることができる。
図6に示すように、音響制御部SCはそれぞれ独立に音響を発生できる複数のチャンネルを備えるが、いずれかのチャンネルで発生した上記不具合は、他のチャンネルに影響を与えない。例えば、後述の処理において、ワンショット再生命令に基づき音響を発生している再生部とは別の再生部が、ループ再生命令に基づき音響を発生している。このため、図12のT45のようにループ再生命令の前に停止命令が発行されたときでもワンショット再生に影響は生じない。また、ワンショット再生命令に基づき音響を発生している再生部と同じ再生部でループ音が再生される場合であっても同様のことが言える場合がある(この点については後にさらに説明を加える)。
図5(b)は、発明の実施の形態に係る命令記憶部20Cの内容を示す。これは例示であり、説明の便宜上簡略化している。図示以外の命令を含むものであってもよい。
命令記憶部20Cは、遊技に係る所定の複数の契機でそれぞれ実行されて対応する音響を予め定められた時間発生させる複数のワンショット再生命令と、発生されている音響を停止させるための停止命令とを記憶している。図5(b)の例では、スタートスイッチ(レバー)134の押下で第1の効果音(レバー音)を発生し、ストップボタン140の押下で第2の効果音(停止音)を発生し、3番目に押したストップボタン140から遊技者が指を離したタイミングで第3の効果音(払い出し音)を発生している。
なお、本発明の実施の形態では、第1の効果音及び第2の効果音は後述するワンショット再生が行われ、第3の効果音は後述するループ再生が行われる。
ワンショット再生命令は、1回で再生が終了し、連続して繰り返し再生を行わないワンショット音を再生する再生方法(ワンショット再生)を行う際に使用する命令である。例えば、スロットマシンにおいてスタートスイッチ押下(レバー押下)時のレバー音、ストップボタン押下時(第1停止、第2停止、第3停止)の停止音を、単発で発生させるための命令である。あるいは、例えば、パチンコ機においてスルーチャッカーに設けられているセンサで遊技球を検知したときの効果音を発生させるための命令である。
なお、上記したスロットマシンにおけるスタートスイッチ(レバー)押下時のレバー音、ストップボタン押下時(第1停止、第2停止、第3停止)の停止音や、パチンコ機においてスルーチャッカーに設けられているセンサで遊技球を検知したときの効果音であっても、所定の終了契機が来るまで連続して繰り返し再生を行う再生方法を行う場合には、この再生は下記のループ再生となる。
ループ再生命令は、1回の再生が終了すると、所定の終了契機が来るまで連続して繰り返し再生を行うループ音を再生する再生方法(ループ再生)を行う際に使用する命令であり、遊技に係る所定の契機で発行され、所定の音響を所定の条件が成立するまでの間繰り返し発生させるための命令である。
ループ再生命令は、例えば、スロットマシンやパチンコ機のメダルあるいは球が払い出される際に、払い出される旨を報知する払い出し音や、スロットマシンやパチンコ機の各遊技状態あるいは各ステージに対応したBGMのような音響を繰り返し発生させるための命令である。所定のステージヘの移行とともに開始され、当該ステージから別のステージに移行するまでの間においてループ再生されるBGMもループ音に含まれる。
所定の条件が成立したとき、例えばタイマーにより音響の再生時間を計測して所定時間を経過したとき、ループ音に対応付けられている処理(遊技の結果に応じたメダル等の払い出しの処理(払い出し処理)など)が終了したとき、新たな遊技又は演出が開始されたとき、遊技状態が移行したとき、いわゆるステージが移行したとき、に当該音響の再生が終了する。
なお、上記したスロットマシンやパチンコ機のメダルあるいは球が払い出される際の払い出し音やスロットマシンやパチンコ機の各遊技状態あるいは各ステージに対応したBGMのような音響であっても、連続して繰り返し再生が行われない再生方法を行う場合には、この再生は上記したワンショット再生となる。
詳しくは後述するが、サブ基板20は次の処理を行っている。
(1)遊技者の操作による契機(あるいは遊技者の操作に起因する契機、パチンコ機において入賞口への遊技球が入ること、そこに設けられているセンサが検知することなど)であって遊技の開始に係る契機(例えば、図5(b)の「レバー押下」、以下、この契機を「最初の契機」と表記する)において、1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)をリセットする第1フラグ初期化処理(図8)
なお、遊技の開始に係る契機とは、例えば、スロットマシンにおいてはスタートスイッチの押下あるいはベットボタンとすることができ、パチンコ機においては始動入賞口への入賞(始動入賞口に設けられたセンサによる球の検知)やハンドルへの遊技者の接触、ハンドルを回して球を打ち出したこと、等が挙げられる。
また、本発明の実施の形態では、遊技の開始に係る契機において必ず第1フラグ初期化処理を行うようにしているが、遊技の開始に係る契機において演出(特に音声をスピーカから出力する演出)が行われる場合に第1フラグ初期化処理を行うようにしてもよい。
(2)複数のワンショット再生命令の少なくともいずれかを音響制御部SCへ送るときに、当該ワンショット再生命令の前に1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)を調べ、これがリセットされているとき、停止命令要求フラグ(第2フラグ)をセットする第2フラグ設定処理(図9)
(3)停止命令要求フラグ(第2フラグ)を調べ、これがセットされているときは停止命令を音響制御部SCへ送るとともに、1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)をセットし、停止命令要求フラグ(第2フラグ)をリセットする停止命令発行処理(図10)
(4)当該ワンショット再生命令を音響制御部SCへ送るワンショット再生命令発行処理(図7)。
(5)ループ再生命令を実行するときに、第2フラグ設定処理において、1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)の状態によらず、停止命令要求フラグ(第2フラグ)をセットする処理(図9)
停止命令は、音響の発生を停止するとともに、この命令に基づき音響制御部SCは、再生処理に係る部分の初期化処理も行う。このため、音響制御部SCの再生処理に係る部分に不具合が生じていたとしても、停止命令によりリセットでき、当該不具合を解消して正常状態に復帰することができる。このため、停止命令の後であれば再生命令を正しく実行できる。
遊技者の操作による契機は、例えば、スロットマシンにおいてメダルの投入、ベットスイッチ押下、スタートスイッチ(レバー)押下、ストップボタン押下(第1停止、第2停止、第3停止)、ストップボタン離し(ストップボタンを押下した状態(押下状態)から押下状態を解除すること)、一部のスロットマシンに設けられている演出ボタンの押下などである。また、例えば、パチンコ機においてハンドルへの接触、ハンドルの回転(球の発射動作のための操作)、一部のパチンコ機に設けられている演出ボタンの押下、遊技者の手を検出すると所定条件下で所定の演出を行わせるための演出用センサへ手をかざすことなどである。
遊技者の操作に起因する契機は、例えば、スロットマシンにおいて回胴の定常回転到達、停止(ストップボタン押下から若干遅延する)、メダルの払い出しなどである。また、例えば、パチンコ機において各種入賞口やスルーチャッカーに設けられているセンサで遊技球を検知すること、大当たり状態へ移行すること、いわゆるステージの移行をすることなどである。
最初の契機は、例えば、スロットマシンにおいてメダル投入口132からのメダル投入やベットスイッチBETを用いてのメダルの投入、あるいはスタートスイッチ134の押下である。例えば、パチンコ機においてハンドルへの接触、ハンドルの回転(球の発射動作のための操作)、又は始動入賞口への入賞である。遊技機の契機には上記のようにさまざまなものがあるが、最初の契機は、再生中の音響と次に再生しようとする音響の間に空白が生じてノイズのように聞こえたとしても、それほど不自然ではなく、商品価値が損なわれないような契機が選択される。例えば、演出が最初から開始されるような契機であれば、空白はいわゆる「間」のように認識されることが多いから、演出に対する悪影響は少ないと考えられる。また、遊技開始・演出開始の契機とすれば、ノイズのように聞こえるのは1遊技・1演出で1回のみとすることができ、商品価値への影響を軽減できる。最初の契機として、メダルの投入やベットスイッチ押下を採用することもできる。
図6は、音響制御部SCの内部ブロック図を示す。同図は概念図であり、発明の実施の形態に係る音響系統の動作説明に必要な部分のみを示している。
SC1は、少なくともひとつのサウンドデータ(例えばWAV)を予め記憶しているサウンドデータ記憶部である。なお、サウンドデータ記憶部SC1を、音響制御部SCの外部に設けるようにしてもよい。この場合、音響制御部SCとは別個独立の記憶部(ROM)を設け、これをサウンドデータ記憶部SC1とする。
SC2−1乃至SC2−4は、前記サウンドデータに基づきそれぞれ音響信号を発生する複数の再生部である。各再生部SC2−1乃至SC2−4が発生する音響信号は互いに異なるものである。
SC3は、前記複数の音響信号を合成してひとつの合成音響信号を出力する合成部である。図6は4つのチャンネルのサウンドデータを合成してひとつにする装置を示している。合成部SC3はデジタル回路又はアナログ回路で構成される。その入力がデジタル信号のときはデジタル回路、例えば加算器で構成される。その入力がアナログ信号のときはアナログ回路、例えば増幅器(演算増幅器による加算回路)で構成される。合成部SC3の出力はスピーカSPへ送られる。
SC4は、再生部SC2−1乃至SC2−4を制御する再生制御部である。
図7〜図10は、発明の実施の形態に係るサブ基板20の動作フローチャートである。これらの図は音響再生に関する処理のみを示している。
以下の説明では、スロットマシンを例に取り説明し、以下の説明においてレバー押下時を「最初の契機」とする。
図7は、音響再生のメインルーチンを示す。図7の処理は、音響再生に係る処理(ワンショット又はループ)を示している。
S10:音響再生時、まず再生処理発生時の停止命令要求フラグ設定処理(図9)を実行する。
S11:次に、再生処理発生時の停止命令発行処理(図10)を実行する。
S12:再生命令(ワンショット再生命令又はループ再生命令)を発行(実行)する。
図8は、レバー押下時(最初の契機)の1遊技内停止発行フラグ初期化処理を示す。レバー押下時(最初の契機)に図8の処理が実行される。
S20:1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)をリセットする(Falseに設定する)。
図9は、再生処理発生時の停止命令要求フラグ設定処理を示す。
S30:1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)の状態を調べる。
リセットされていれば(False)、S31に進む。セットされていれば(True)、S32に進む。
S31:停止命令要求フラグ(第2フラグ)をセットする(Trueに設定する)。そして、図9の処理を抜ける。
S32:実行が要求されている再生命令がループ再生命令かどうか判定する。
ループ再生命令であれば、S33に進む。ループ再生命令でなければ、S34に進む。
S33:停止命令要求フラグ(第2フラグ)をセットする(Trueに設定する)。そして、図9の処理を抜ける。
S34:停止命令要求フラグ(第2フラグ)をリセットする(Falseに設定する)。そして、図9の処理を抜ける。
図10は、再生処理発生時の停止命令発行処理を示す。
S40:停止命令要求フラグ(第2フラグ)の状態を調べる。
リセットされていれば(False)、図10の処理を抜ける。セットされていれば(True)、S41〜S43を実行する。
S41:停止命令を発行する。サブ基板20から音響制御部SCへ停止命令を送る。
停止命令の発行(実行)により、音響制御部SCの再生処理に係る部分の初期化処理が行われる。音響制御部SCの再生処理に係る部分に不具合が生じていたとしても、停止命令によりリセットでき、当該不具合を解消して正常状態に復帰することができる。停止命令の後であれば再生命令を正しく実行できる。
S42:停止命令要求フラグ(第2フラグ)をリセットする(Falseに設定する)。
S43:1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)をセットする(Trueに設定する)。そして、図9の処理を抜ける。
図11及び図12を参照して上記処理による動作を説明する。これらの図は、遊技における複数の契機それぞれについて停止命令が発行(実行)されるかどうか、どの再生命令が発行(実行)されるかを示すものである。上から下へ向かって時間経過に従って配置している。なお、図11及び図12では、スロットマシンを例に説明する。
まず、図11について説明を加える。
T1:1遊技目のレバー押下
レバー押下により1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)がリセットされる(図8)。
ワンショット再生命令が発行されるので図7の処理が開始される。
すなわち、図7のS10で図9に処理が飛び、図9のS30でFalse、S31で停止命令要求フラグ(第2フラグ)がセットされる。次に、図7のS11で図10に飛び、S40でTrue、S41で停止命令が発行(実行)される。そして、S42、S43が実行される。その後、図7のS12でワンショット再生命令が発行(実行)されて、レバー音が発生する。
T2:1遊技目の第1停止操作
3つのストップボタンのいずれかが押下されるとワンショット再生命令が発行され、図7の処理が開始される。
すなわち、図7のS10で図9に処理が飛び、図9のS30でTrue(T1で1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)がセットされている)、S32でループ再生命令かどうか判定されるが、前記のようにワンショット再生命令であるのでNoとなりS34で停止命令要求フラグ(第2フラグ)がリセットされる。次に、図7のS11で図10に飛び、S40でFalse、図10の処理を抜ける。停止命令は発行(実行)されない。そして、図7のS12でワンショット再生命令が発行(実行)されて、停止音が発生する。
T3及びT4(第2停止操作及び第3停止操作)は、T2と同じであるので、それらの説明は省略する。
T5では次の遊技に入るので、上述のように、レバー押下により1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)がリセットされる(図8)。以下、上述T1〜T4の処理が繰り返される。
図11からわかるようにレバー押下(最初の契機)において停止命令が発行されるので、前述の音響制御部SCの不具合(続けて再生命令を送ると異常動作するという不具合)は、T1、T5においては発生しない。T2〜T4では当該不具合が発生する可能性はあるが、その発生頻度は低い。T2〜T4では当該不具合が発生したとしてもそれはT5で解消されるので不具合は継続しない。このためその影響を無視することができ、遊技者が違和感をもつことはそれほどないと考えられる。
次に、図12について説明を加える。図12において、図11と同様の処理については同一符号を付し、その説明は省略する。
T45:1遊技目の第3停止操作離し
1遊技目の第3停止離しは、ループ再生命令を発行(実行)する契機である。
例えば、所定の小役に入賞したことによってメダルが払い出されることを報知する払い出し音の再生が開始されるような場合である。払い出し音を再生する場合には、小役の入賞に伴って、獲得した小役の枚数分、1枚ずつ、クレジットヘ、あるいはホッパーから下皿へ払い出されるが、1枚払い出されるのに合わせて払い出し音を1回鳴らし、それを払い出し枚数分繰り返す(なお、1枚1枚の払い出しの間隔よりも、1回の払い出し音の再生時間の方が短い)。
あるいは、所定のステージヘの移行とともに開始され、当該ステージから別のステージに移行するまでループ再生されるBGMが開始されるような場合である。第3停止操作離し時にステージ移行がなされるとともに、当該BGMの再生が開始される。当該BGMを再生する場合には、特定のステージに移行したことによって再生が開始し、当該ステージから別のステージに移行するまでは、BGMの最後まで再生し終えたとき、また最初から再生を繰り返す。
ループ再生命令が発行されるので図7の処理が開始される。
すなわち、図7のS10で図9に処理が飛び、図9のS30でTrueである(T1における図10のS43の処理で1遊技内停止発行フラグ(第1フラグ)はセットされている)。次に、S32でループ再生命令かどうか判定され、YesとなりS32で停止命令要求フラグ(第2フラグ)がセットされる。次に、図7のS11で図10に飛び、S40でTrue、S41で停止命令が発行(実行)される。そして、S42、S43が実行される。そして、図7のS12でループ再生命令が発行(実行)されて、払い出し音が繰り返し発生する。
図12からわかるようにループ再生命令の発行(実行)前に停止命令が発行されるので、前述の音響制御部SCの不具合は、T45においては発生しない。ループ再生命令が実行されないとその影響は大きく、例えば、払い出し音の場合には、メダルの払い出しが行われているにもかかわらず、無音状態が続いて遊技者が違和感をもつようになるが、発明の実施の形態によればそのような悪影響を生じさせない。
上記例では、ワンショット再生命令に基づき音響を発生する再生部とは別の再生部が、ループ再生命令に基づき音響を発生することを前提にすれば理解しやすい。例えば、再生部SC2−1でワンショット音を再生し、再生部SC2−2でループ音を再生するが、再生部SC2−1ではループ音を再生させない。このため、図12のT45ようにループ再生命令の前に停止命令が発行されたときでもワンショット再生に影響は生じない。
しかし、ワンショット再生命令に基づき音響を発生している再生部と同じ再生部でループ音が再生される場合であっても、同様にワンショット再生に影響が生じないようにできる。例えば、スロットマシンに演出ボタンを設け、ボーナスが当選したゲームのレバー押下時に演出ボタンを押させるように促し、演出ボタンを押下すると、ボーナスに当選している旨の演出Aが行われるようにする(この場合、レバー押下や第1〜第3停止操作を契機にレバー音や停止音などの音響の再生をすることを考慮しないと理解しやすい。このような音響は他のチャンネル、例えば再生部SC2−3などで再生することができる)。その演出Aが行われている途中でもボーナスに入賞してボーナス状態に移行してステージ(演出ステージ)がボーナスステージに移行した場合には演出Aを強制終了させてボーナスステージに対応する演出Bを行うものとする。この場合には、演出ボタンの押下によってワンショット音(演出Aに係る音響)を再生し、その再生途中で停止命令を挟んでループ音(演出B)の再生を開始するようにしても、なんら問題がない。
図13は、発明の実施の形態における音響発生のタイミングチャートである。この図は、ワンショット再生命令に基づき音響を発生している再生部と、ループ再生命令に基づき音響を発生している再生部が異なる例を示す。レバー音と停止音のチャンネルと払い出し音のチャンネルは別である(なお、上記のように両者が同じチャンネルであってもよい)。この図において、符号Xは停止命令の発行(実行)を示し、符号Yは前記不具合の発生を示す。図13(a)は不具合が発生しない状態を示し、図13(b)は第2停止(図11,図12のT3)で不具合が発生した場合を示す。
図13(a)(b)に示されるように、停止命令の発行(実行)は最初の契機と、ループ音発生直前になされる。
最初の契機は、再生中の音響と次に再生しようとする音響の間に空白が生じてノイズのように聞こえたとしても、それほど不自然ではなく、商品価値が損なわれないような契機が選択される。例えば、演出が最初から開始されるような契機であれば、空白はいわゆる「間」のように認識されることが多い。また、遊技開始・演出開始の契機とすれば、ノイズのように聞こえるのは1遊技・1演出で1回のみとすることができる。
このため、停止命令の発行(実行)による問題、すなわち途中に停止命令を挟むと前記間隔に応じて所定の無音期間が生じ、ノイズが発生したような状態となることの影響を最小限にできる。
図13(b)では、第2停止と第3停止(図11,図12のT3、T4)で不具合が発生しているが、当該不具合が発生したとしてもそれはT5で解消されるので不具合は継続せず、遊技者が違和感をもつことはそれほどない。
図13(b)からわかるようにループ再生命令の発行(実行)前に停止命令が発行されるので、前述の音響制御部SCの不具合は発生しない。ループ再生命令が実行されないとその影響は大きく、遊技者が違和感をもつようになるが、発明の実施の形態によればそのような悪影響を生じさせない。
例えば、所定のステージヘの移行とともに開始され、当該ステージから別のステージに移行するまでループ再生されるBGMが開始されるような場合において、第3停止操作離し時にステージ移行がなされるとともに当該BGMの再生が開始されるが、前述の音響制御部SCの不具合が発生すると、特定のステージに対応する当該BGMの場合には、当該特定のステージが終了するまでBGMに関して無音状態が続くことになって遊技者が違和感を持ってしまうところ、発明の実施の形態によればそのような悪影響を生じさせない。
図14は比較例(停止命令を発行しない遊技機)を示す。図14(a)、図14(b)は、それぞれ図13(a)、図13(b)に対応している。
図14(b)では、第2停止で不具合が発生し、これが解消されることなく継続される。これ以降はレバー押下、ストップボタン押下の際に効果音が発生することがなく、遊技者が違和感をもつようになる。これは商品性に悪い影響を与える。
さらに、図14(b)では、ループ再生命令についても不具合が発生し、繰り返し発生すべき払い出し音が全く再生されない。ループ再生命令が実行されないとその影響は大きく、遊技者が違和感をもつようになる。
以上のように、発明の実施の形態によれば、音響発生において不具合が生じても、それは一遊技又は一演出についてのみであり、次の遊技又は演出に入ることで解消される。また、払い出し音やBGMのようなループ音について不具合が生じることがない。このため発明の実施の形態に係る遊技機によれば、音響制御部に不具合を生じてもその影響を最小限に止め、遊技機の商品価値を毀損することがなくなる。
図15は、発明の実施の形態における音響発生の他のタイミングチャートである。この図は、ワンショット再生命令に基づき音響を発生している再生部とループ再生命令に基づき音響を発生している再生部が同じである例を示す。
スロットマシンに設けられた演出ボタンが押下されることにより演出Aのワンショット音が再生され、ボーナスステージに移行したときに演出Bのループ音が再生される。その直前に停止命令が実行される(符号X)。図15においても、ループ音について不具合が生じることがない。
なお、ワンショット音、ループ音の再生の契機に関して、これらは遊技者の操作による契機のいずれでもよく、また、遊技者の操作に起因する契機のいずれを契機としてもよく、これらは遊技機の設計次第である。
以上の説明において遊技機としてスロットマシンを例に挙げたが、本発明の実施の形態はパチンコ機のような他の遊技機にも適用できる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。