以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。全図を通じて同一の要素には同一の符号を付す。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る機器管理システム100は、図1に示すように、住居A,Bにおけるエネルギ消費量を低減するためのシステムであって、そのために収集・管理されるデータを利用して、異なる住居で暮らす者の安否を見守ることができる。
同図に示すように、機器管理システム100は、住居Aに設置されてその住人が使用する機器管理装置101aと、住居Bに設置されてその住人が使用する機器管理装置101bと、機器管理装置101a,101bのそれぞれと外部ネットワーク102を介して通信するサーバ装置103とを備える。なお、本実施の形態では、機器管理システム100が2つの機器管理装置101a,101bを備える例により説明するが、機器管理システム100が備える機器管理装置101a,101bの数は、3つ以上であってもよい。
外部ネットワーク102は、住居A,Bの外部に設けられる有線、無線又はこれらを組み合わせて構築される広域ネットワークであり、典型的にはインターネットである。外部ネットワーク102を介することにより、サーバ装置103は、同図に示すように、端末装置104とも通信することができる。
端末装置104は、例えば住居Aの住人が使用するモバイル型の機器であって、例えばスマートフォン、タブレット型のコンピュータなどである。これにより、例えば端末装置104にインストールされたソフトウェア・プログラムを実行することで、住居Aの住人は、端末装置104を用いて宅外から、サーバ装置103へ情報や指示を送信し、サーバ装置103から提供される情報を閲覧することができる。
なお、端末装置104は、外部ネットワーク102とサーバ装置103とを介して、又は、外部ネットワーク102を介して直接に、例えば機器管理装置101aと通信してもよい。これにより、例えば端末装置104にインストールされたソフトウェア・プログラムを実行することで、住居Aの住人は、端末装置104を用いて宅外から、機器管理装置101aへ情報や指示を送信し、機器管理装置101aから提供される情報を閲覧することができる。
機器管理装置101aは、住居Aにおけるエネルギの消費量を監視し、住居Aに設置されてその住人が使用する電気機器105を必要に応じて制御する装置であって、図2に示すように、有線、無線又はこれらを組み合わせて構築される宅内ネットワーク106を介して、電気機器105及び住居Aにおけるエネルギの消費量を計測するエネルギ計測装置107のそれぞれと通信する。
同図では、電気機器105の例として、テレビジョン受像器(TV)105aと、空調機(RAC;Room Air Conditioner)105bとを示しているが、電気機器105はこれらに限られない。電気機器105の他の例として、照明機器、冷蔵庫、電子レンジ、IH(Induction Heating)クッキングヒータ、温水洗浄便座、電気給湯システム、電気自動車、電気自動車が充放電のために接続される双方向の電力変換装置、蓄電池などを挙げることができる。
エネルギ計測装置107は、ガス、水道水などの流量を計測する流量計108、住居Aにて電気機器105へ電力を供給するための電灯線109を流れる電流の値を計測する電流計110などに接続される。なお、本実施の形態では、電灯線109を流れる電気は、同図に示すように系統電源111から供給されるが、電気給湯システム、電気自動車、蓄電池などが設置される場合には、これらから供給されてもよい。
流量計108は、例えばパルス式の流量計であり、計測した流量を示すデータをエネルギ計測装置107へ出力する。電流計110は、計測した電流値を示すデータをエネルギ計測装置107へ出力する。エネルギ計測装置107は、流量計108及び電流計110から出力されるデータを収集して、電気機器管理装置101aへ出力する。
なお、電気機器105が動作すると高調波が発生することが知られている。この高調波は、電気機器105の種類に応じて特徴的な形状になる。これを利用して、エネルギ計測装置107は、例えば、電流計110から出力されるデータが示す電流値に基づいて、電気機器105の動作状況を示す動作状況データを電気機器管理装置101aへ出力してもよい。
詳細には例えば、エネルギ計測装置107が、電気機器105の種類に応じた高調波の特徴量を予め記憶しておき、電流計110から出力されるデータが示す電流値から高調波成分を抽出し、抽出した高調波成分と予め記憶した高調波の特徴量とを比較するとよい。これによって、動作している電気機器105を検知することができるので、電気機器105の動作状況データを生成することができる。
また、同図では、1つの電流計110が、電灯線109を流れるすべての電流を計測する例を示しているが、電流計110は、例えば分電盤112にて分岐した各電灯線109に設けられてもよい。これによれば、電流計110は、分岐した電灯線109ごとに、電流を計測することができる。さらに、エネルギ計測装置107は、各電気機器105が接続される電灯線109の分岐先を示すデータを予め記憶していてもよい。これによれば、例えば同じ種類の電気機器105であるTV105aが住居Aに複数設けられており、TV105aのいずれかの動作が上述の高調波に基づく方法によって検知された場合、複数のTV105aが電灯線109の同じ分岐先に接続されていなければ、エネルギ計測装置107は、動作が検知されたTV105aが複数あるうちのいずれであるかを特定することができる。したがって、エネルギ計測装置107が、同種の電気機器105が複数、住居Aに設置されている場合であっても、個々の電気機器105が区別された、電気機器105の動作状況データを、計測された電流値に基づいて生成することが可能になる。
同図に示すように、機器管理装置101aは、例えば無線のネットワークを介して端末装置104と通信する。これにより、例えば端末装置104にインストールされたソフトウェア・プログラムを実行することで、住人は、端末装置104を用いて、機器管理装置101aへ情報や指示を送信し、機器管理装置101aから提供される情報を閲覧することができる。
機器管理装置101bも、住居Bにおいて、機器管理装置101aと同様に、宅内ネットワーク106を介してエネルギ計測装置107及び電気機器105のそれぞれと通信できるように接続される。そして、機器管理装置101bも、住居Bにおけるエネルギの消費量を監視し、住居Bに設置されてその住人が使用する電気機器105を必要に応じて制御する。なお、電灯線109に接続される電気機器105の種類や数、電灯線109が分岐する数などは、住居A,Bのそれぞれで適宜変更され得るのはもちろんである。
住居A,Bにおけるエネルギ消費量を低減するために設置される一般的な機器管理システム100では、電気機器105など、住居A,Bに設置される機器の動作状況データを収集し、機器の動作状況の履歴(動作履歴)を示す動作履歴データが収集・管理されることが多い。本実施の形態に係る機器管理システム100では、動作履歴データを利用して、住居Aの住人が見守る者として、見守り対象者である住居Bの住人の安否を見守る。動作状況データに含まれる機器には、例えば、電気機器105、機器管理装置101a,101b、ガス又は水道水を利用する機器などが含まれる。
以下では、本実施の形態に係る機器管理システム100が備える特徴的な機能である見守り機能を実現するために、機器管理システム100(機器管理装置101a,101b及びサーバ装置103)が備える構成及び機器管理システム100が実行する処理を中心に説明する。本実施の形態では、住居Aの住人が住居Bの住人の安否を見守る例により説明するので(図1参照)、機器管理装置101aが見守る側の機器管理装置に相当し、機器管理装置101bが見守り対象側の機器管理装置に相当することになる。
機器管理装置101aは、図3に示すように、例えばボタン、タッチパネルなどであって、ユーザ(機器管理装置101aの場合、住居Aの住人)による入力を受け付ける入力部113と、例えば液晶ディスプレイであって、文字情報、画像情報などをユーザに提示するために画像を表示する表示部114とを備える。表示部114は、第1の表示手段に相当する。
機器管理装置101aは、さらに、物理的には、例えば、1つ又は複数のプロセッサ、Rom(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、外部ネットワーク102及び宅内ネットワーク106それぞれに対応した通信インタフェースなどを備え、機能的には、同図に示すように、処理・制御部115〜125を備える。これらの機能は、例えば予めインストールされたソフトウェア・プログラムを実行するプロセッサ、通信インタフェース、記憶媒体であるSSDなどが協働することにより発揮される機能として実現される。なお、機器管理装置101aは、専用の装置でもあってもよく、汎用のコンピュータなどであってもよい。
以下では、機器管理装置101aを例に、処理・制御部115〜125の機能について説明するが、機器管理装置101bも、物理的・機能的に、機器管理装置101aと同様に構成されるとよい。
動作状況取得部115は、動作状況データをサーバ装置103に収集・管理させるための処理を行う。詳細には、動作状況取得部115は、電気機器105及びエネルギ計測装置107から宅内ネットワーク106を介して動作状況データを取得し、取得した動作状況データを、外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信する。
動作状況データに含まれる動作状況は、例えば、ユーザの操作に応じて変更された機器の動作内容と、その変更が生じた日時とで構成される。
例えば、TV105aの動作状況は、リモートコントローラによるON(動作)とOFF(停止)の切り替えと、その日時とを含む。なお、TV105aの動作状況は、例えば、視聴するチャンネルの変更と、その日時とを含んでもよい。
RAC105bの動作状況は、例えば、ユーザによるリモートコントローラの操作内容(ONとOFFの切り替え、冷房・暖房・除湿・送風などの運転モードの切り替え、設定温度の切り替えなど)と、その操作の日時とを含む。
機器管理装置101aの動作状況は、例えば、ユーザによる機器管理装置101aへの操作内容(ONとOFFの切り替え、各種ボタンの押下など)と、その操作の日時とを含む。
ガス又は水道水を利用する機器の動作状況は、ガス又は水道水を利用する機器を使用しているか否かと、その変化が生じた日時とを含む。ガス又は水道水を利用する機器を使用しているか否かは、例えば、ガス管又は水道管におけるガス又は水道水の流れの有無により判定される。なお、ガス又は水道を利用する機器の動作状況は、例えば、予め定められる閾値以上の流量の変化と、その変化が生じた日時とを含んでもよい。
ユーザログインデータ取得部116は、例えば機器管理装置101aの電源が投入されたときに、ユーザが機器管理装置101aにログインするための処理を行う。詳細には、ユーザログインデータ取得部116は、ユーザが機器管理装置101aにログインするためのデータであるユーザログインデータを取得し、そのユーザログインデータを外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信する。
また例えば、ユーザログインデータ取得部116は、入力部113へのユーザ入力に応じて、機器管理装置101aにログインした状態(ユーザログイン状態)であるか否かを示すユーザログイン保持フラグ(例えば、0又は1を示すデータ)を読み書き可能に保持する。「0」のユーザログイン保持フラグは、例えば、ユーザログイン状態でないことを示す。「1」のユーザログイン保持フラグは、例えば、ユーザログイン状態であることを示す。
ユーザログイン保持フラグが「1」である場合、ユーザログインデータ取得部116は、ユーザログイン保持フラグを取得し、その取得したユーザログイン保持フラグをユーザログインデータとしてサーバ装置103へ送信する。ユーザログイン保持フラグが「0」である場合、ユーザログインデータ取得部116は、ユーザを識別するためのログインID(Identification Data)と、そのログインIDに応じたパスワード(ログイン用のパスワード)とを含むユーザログインデータを入力部113から取得してサーバ装置103へ送信する。
見守り申請部117は、見守り対象者へ見守りの申請をするための処理部である。詳細には、見守り申請部117は、見守る者であるユーザ(本実施の形態では住宅Aの住人)による入力部113への入力に応じて、見守りの申請を示す申請データを生成し、その生成した申請データを、外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信する。
見守り承認部118は、見守り対象者が見守りの申請を受け付けた場合に、その申請に対する承認又は拒否の応答をするための処理部である。詳細には、見守り承認部118は、外部ネットワーク102を介してサーバ装置103から申請データを取得すると、その申請データの内容を第1の表示制御部124を介して表示部114に表示させる。見守り承認部118は、申請データの内容を閲覧したユーザ(本実施の形態では住宅Bの住人)による入力部113への入力に応じて応答データを生成し、その生成した応答データを、外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信する。応答データは、見守り承認部118が取得した申請データが示す見守りの申請に対する承認又は拒否を示すデータである。
見守り申請部117による見守りの申請と見守り承認部118による見守りの承認とが、見守る者が見守り対象者の安否を見守るための前提として必要になる。本実施の形態では、見守りの申請が承認されることによって、見守る者は、見守り対象者が安全か否かを示す安否データにより見守り対象者の安否を見守ること(安否データによる見守り)が許される。
安否表示設定データ取得部119は、安否データによる見守りが許された場合に、その安否データの内容の表示に関する設定をするための処理を行う。詳細には、安否表示設定データ取得部119は、入力部113へのユーザ入力に基づいて、安否表示設定データを取得し、取得した安否表示設定データを、外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信する。
安否表示設定データは、安否データの内容の表示に関する設定を示すデータであり、本実施の形態では、安否表示機器と安否表示タイミングとを含む。
安否表示機器は、安否データの内容を表示させる機器であって、見守る者が使用する機器の中から選択される。安否表示タイミングは、安否データの内容を安否表示機器に表示させるタイミングであって、例えば、「21:00以降の電源OFF時」、「21:00以降の電源ON時」などである。
例えば、安否表示機器が「TV」であり、安否表示タイミングの「21:00以降の電源OFF時」である場合、見守る者が21:00以降にTV105aを停止させた時に、安否データの内容が数秒間、TV105aの画面に表示される。例えば、安否表示機器が「TV」であり、安否表示タイミングの「21:00以降の電源ON時」である場合、見守る者が21:00以降でTV105aを動作させている時に、安否データの内容が数秒間、TV105aの画面に表示される。すなわち、安否表示機器と安否表示タイミングとは、見守る者が安否データの内容を確実に閲覧できるように選択されることが望ましい。
見守りログインデータ取得部120は、安否データよりも詳細に見守り対象者の活動量を表す指標(見守り用の指標)により見守り対象者の安否を見守るためのログイン(見守り用のログイン)処理を行う。
ここで、見守り用の指標は、機器の動作履歴に基づいて作成される指標であって、予め定められた時間帯における見守り対象者の活動量に応じて変化するものである。見守り用の指標は、例えば、動作履歴データが示す動作履歴に予め定められた処理を施すことによって作成される。
仮に機器の動作履歴をそのまま見守る者に閲覧させると、機器の動作状況を個別具体的に特定することができるので、見守り対象者の詳細な生活動作が見守る者に明らかになってしまう。詳細な生活動作は、一般的に、他者に知られたくない私生活上の事柄(プライバシ)である。開示先となる見守る者が、介護センタの特定の職員、対象者の家族(例えば、子供)などに限られているとしても、見守り対象者の中には、機器の動作状況を通じてプライバシが開示されることを好まない者もいる。
見守り用の指標であれば、これを閲覧することによって、見守る者は、予め定められた時間帯における見守り対象者の活動量を推定することができる。その一方で、見守り用の指標は動作履歴に処理を施して作成されるので、見守り用の指標を閲覧しても、機器の動作状況を個別具体的に特定することができない。そのため、見守り用の指標を閲覧しても、見守り対象者の詳細な生活動作が見守る者に明らかになるおそれはほとんどない。したがって、本実施の形態によれば、見守り対象者のプライバシを保護することで生活の快適さを損なうことなく、見守り対象者の安否を見守ることが可能になる。
このような見守り用の指標の詳細な例として、見守り対象側の複数の動作履歴に統計的な処理を施すことによって作成される統括的な値を挙げることができる。例えば、本実施の形態に係る見守り用の指標は、一定の時間(24時間)前から現在(例えば、指標を作成する時)までなどの予め定められた時間帯に、機器が使用されていない時間を積算した値である。
ここで「使用されていない」とは、停止していることであってもよいが、本実施の形態では見守り対象者の操作に伴う動作をしていないことであるとする。例えばTV105a及びRAC105bは、いずれも、見守り対象者の操作に伴って動作する電気機器105である。これに対して、例えば冷蔵庫は、通常は常に動作しているので、見守り対象者の操作に伴って動作する電気機器105ではない。したがって、本実施の形態に係る見守り用の指標を作成する際に、TV105a及びRAC105bの動作履歴は参照されるが、冷蔵庫が住宅Aに設置されていたとしてもその動作履歴は参照されない。
詳細には、本実施の形態に係る見守り用の指標は、現在から24時間以内で、TV105a及びRAC105bのそれぞれがOFFであった時間と、ガス及び水道水のそれぞれの流量が0(又は、閾値より小さく、0とみなせる時間)であった時間とを合計した値となる。この場合の安否推定用の指標は、例えば、最大96(=4×24時間)となる。そして、TV105a動作させている(ONにしている)時間、RAC105bを動作させている時間、ガスを使っている時間、水道水を使っている時間のそれぞれが長いほど、見守り用の指標は小さくなる。TV105aを動作させている時間、RAC105bを動作させている時間、ガスを使っている時間、水道水を使っている時間は、それぞれ、見守り対象者が活動している時間であると考えられるので、この見守り用の指標は、見守り対象者の活動が多いほど、小さくなるといえる。
なお、見守り用の指標は、例えば、見守り対象側の機器管理装置101bが管理する機器に対する全ての操作の時間間隔の移動平均であってもよい。例えば、見守り用の指標は、見守り用の指標の作成時に使用している機器の予め定められた時間帯における使用回数などであってもよい。
見守りログインデータ取得部120は、詳細には、入力部113へのユーザ入力に応じて見守り用指標の閲覧指示を受け付けたときに、見守り用のログインをするための見守りログインデータを取得する。見守りログインデータ取得部120は、取得した見守りログインデータを、外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信する。
また例えば、見守りログインデータ取得部120は、入力部113へのユーザ入力に応じて、見守り用のログインをした状態(見守りログイン状態)であるか否かを示す見守りログイン保持フラグ(例えば、0又は1を示すデータ)を保持する。「0」の見守りログイン保持フラグは、例えば、見守りログイン状態でないことを示す。「1」の見守りログイン保持フラグは、例えば、見守りログイン状態であることを示す。
見守りログインデータ取得部120は、見守りログイン状態を保持している場合、さらに、見守り対象者を識別するためのログインIDと、そのログインIDに応じたパスワード(見守り用のパスワード)とを含む見守り対象データを保持する。
見守りログイン保持フラグが「1」である場合、見守りログインデータ取得部120は、見守り対象データを取得し、その取得した見守り対象データを見守りログインデータとしてサーバ装置103へ送信する。見守りログイン保持フラグが「0」である場合、見守りログインデータ取得部120は、見守り対象者を識別するためのログインIDと見守り用のパスワードとを含む見守りログインデータを入力部113から取得してサーバ装置103へ送信する。
見守り対象者を識別するためのログインIDと見守り用のパスワードとが見守る側の機器管理装置101aに正しく入力された場合、又は、見守りログイン状態であることが保持されている場合に、見守り用のログインが成功する。本実施の形態では、見守りの申請が承認されたことを前提に、見守り用のログインが成功したとき、見守る者は、見守り用の指標により見守り対象者の安否を見守ること(見守り用の指標による見守り)が許される。
本実施の形態に係る見守り用のパスワードは、見守り対象者のログインIDに応じたログイン用のパスワードが採用される。なお、見守り対象者を識別するためのログインID及び見守り用のパスワードは、見守り対象者である住居Bの住人が機器管理装置101bにログインするためのログインID及びログイン用のパスワードとは異なるものが設定されてもよい。
ユーザスケジュール取得部121は、ユーザのスケジュール、すなわち日時ごとの予定を示すユーザスケジュールデータをサーバ装置103に収集・管理させるための処理を行う。詳細には、ユーザスケジュール取得部121は、ユーザのスケジュール、すなわち日時ごとの予定を示すユーザスケジュールデータを入力部113から取得する。ユーザスケジュール取得部121は、取得したユーザスケジュールデータを、外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信する。
スケジュールは、入力及び管理を容易にするために、予定の内容、日時などの各項目ごとに、予め定められた内容をリストから選択する方法で入力されてもよく、ユーザがソフトウェアキーボードなどを利用して自由に入力されてもよい。
見守りデータ取得部122は、見守り対象者を見守るための見守りデータをサーバ装置103から外部ネットワーク102を介して取得する。見守りデータは、例えば見守り用の指標を含む。見守りデータ取得部122は、取得した見守りデータを第1の表示制御部124へ出力する。
安否データ取得部123は、安否データをサーバ装置103から外部ネットワーク102を介して取得する。安否データ取得部123は、取得した安否データを第1の表示制御部124及び第2の表示制御部125のそれぞれに出力する。
第1の表示制御部124は、データを取得した場合に、そのデータの内容を表示部114に表示させる。
第2の表示制御部125は、安否データ取得部123から安否データを取得すると、安否データの内容を、第2の表示手段としての機器に表示させる。
詳細には、安否データが安全でないことを示す場合、第2の表示制御部125は、安否表示機器として設定されたTV105aに直ちに表示させる。この場合、第2の表示制御部125は、ユーザからTV105aに予め定められた操作がなされるまで継続して表示させるとよい。なお、この場合、第2の表示制御部125は、ユーザ(見守る者)の端末装置104に電子メールなどを外部ネットワーク102を介して送信するなど、安否表示機器として設定された機器以外の、見守る者が使用する機器に表示させてもよい。
安否データが安全であることを示す場合、第2の表示制御部125は、安否表示機器として設定されたTV105aに安否表示タイミングで、安否データの内容を表示させる。この場合、第2の表示制御部125は、安否表示タイミングが到来すると、その前に安否データ取得部123から取得した安否データの内容(安全であること)を表示させる指示を、宅内ネットワーク106を介してTV105aへ出力する。これによって、TV105aは、見守り対象者が安全であることを、例えば数秒間、画面に表示する。
サーバ装置103は、例えば、キーボード、マウス、液晶ディスプレイ、1つ又は複数のプロセッサ、Rom、RAM、HDD(Hard Disc Drive)、SSD、外部ネットワーク102に対応した通信インタフェースなどで構成される。典型的には、サーバ装置103は、汎用のコンピュータであるが、専用の装置であってもよい。
これまで、本実施の形態に係る機器管理装置101a(101b)の構成について説明した。次に、本実施の形態に係るサーバ装置103の構成について説明する。
サーバ装置103は、図4に示すように、例えばHDD、SSDなどであって、データ126〜131などの各種データを記憶する記憶部132を備える。
ユーザ管理データ126は、外部ネットワーク102を介して接続される機器管理装置101a,101bのユーザを管理するためのデータである。本実施の形態に係るユーザ管理データ126では、例えば図5に示すように、ログインIDと、機器管理装置101a,101bを識別するための機器管理装置IDと、ログイン用のパスワードと、ユーザログイン保持フラグと、端末装置104の外部ネットワーク102におけるアドレスである端末装置アドレスとが関連付けられている。
機器管理装置IDは、外部ネットワーク102を介して接続される機器管理装置101a,101bの各々を識別することができる情報であればよい。本実施の形態では、同図に示すように、機器管理装置IDは、機器管理装置101a,101bの各々の外部ネットワーク102におけるアドレスである。
機器管理装置101aの機器管理装置IDに住居Aの家族の構成員ごとのログインID及びログイン用のパスワードが設定されるなど、1つの機器管理装置IDに複数のログインID及びログイン用のパスワードの組が設定されてもよい。本実施の形態では、同図に示すように、機器管理装置IDの各々に1組のログインID及びログイン用のパスワードが設定される。
動作履歴データ127は、外部ネットワーク102を介して接続される機器管理装置101a,101bのそれぞれが管理する各機器の動作状況データを集めたデータであって、各機器の動作履歴を示す。本実施の形態に係る動作履歴データ127では、図6に示すように、機器の動作が変化した日時と、動作状況データの送信元である機器管理装置101a,101bの機器管理装置IDと、動作が変化した機器と、変化した動作の内容とが関連付けられている。
承認データ128は、承認された見守りの申請に関するデータである。本実施の形態に係る承認データ128では、図7に示すように、見守りの申請をした機器管理装置101aを識別するための見守る側の機器管理装置IDと、その承認をした機器管理装置101bを識別するための見守り対象側の機器管理装置IDとが関連付けられている。
また、見守りの申請が承認されると、上述のように安否データによる見守りが許可されるので、本実施の形態に係る承認データ128では、同図に示すように、安否データの内容の表示に関する設定である安否表示タイミング及び安否表示機器が、さらに関連付けられている。
見守り許可データ129は、見守りログイン状態を保持するためのデータである。本実施の形態に係る見守り許可データ129では、見守り用のログインが成功し、その見守りログイン状態を保持する場合に、図8に示すように、見守る側の機器管理装置101a及び見守り対象側の機器管理装置101bのそれぞれの機器管理装置IDが関連付けられている。
安否閾値データ130は、安否データを作成する際に採用される閾値である安否閾値を示すデータである。本実施の形態に係る安否閾値データ130は、図9に示すように、予め設定される値Cを示す。
ユーザスケジュールデータ131は、外部ネットワーク102を介して接続される機器管理装置101a,101bの各ユーザのスケジュールを示すデータである。本実施の形態に係るユーザスケジュールデータ131では、図10に示すように、機器管理装置IDと、機器管理装置IDが示す機器管理装置101a,101bのユーザのログインIDと、ユーザが入力する予定の内容と、その予定の時期とが関連付けられている。予定の時期は、同図に示すように、ユーザが入力する始期及び終期のそれぞれを示す日時を含む。
さらに、サーバ装置103は、図4に示すように、例えば予めインストールされたソフトウェア・プログラムを実行するプロセッサが発揮する機能として実現される処理・制御部133〜143を備える。
記憶制御部133は、記憶部132が記憶している各種データ(データ126〜131など)の読み書きを行なう。
動作状況受信部134は、外部ネットワーク102を介して動作状況データを取得する。動作状況受信部134は、その取得した動作状況データを送信元である機器管理装置101a,101bの機器管理装置IDを関連付けた動作履歴データ127として、記憶制御部133を介して記憶部132に記憶させる。
ログイン判定部135は、ユーザの機器管理装置101a,101bへのログインを許可するか否かを判定する。
詳細には、ログイン判定部135は、ユーザログインデータを外部ネットワーク102を介して取得する。ログイン判定部135は、そのユーザログインデータとユーザ管理データ126とに基づいて、ユーザの機器管理装置101a,101bへのログインを許可するか否かを判定する。ログイン判定部135は、この判定結果を示すログイン判定結果データを、ユーザログインデータの送信元である機器管理装置101a,101bへ送信する。
承認判定部136は、機器管理装置101a,101bから送信された申請データを外部ネットワーク102を介して取得すると、その申請先である機器管理装置101a,101bへ転送する。また、承認判定部136は、転送先の機器管理装置101a,101bから応答データを外部ネットワーク102を介して取得すると、申請データの送信元である機器管理装置101a,101bへ応答データを転送する。このとき、応答データが承認を示す場合、承認判定部136は、申請データ及び応答データに応じた承認データ128を、記憶制御部133を介して記憶部132に記憶させる。
安否表示設定データ受信部137は、見守りの申請が承認された機器管理装置101a,101bから送信される安否表示設定データを、外部ネットワーク102を介して取得する。安否表示設定データ受信部137は、安否表示設定データの内容に応じた承認データ128を、記憶制御部133を介して記憶部132に更新させる。
安否推定指標作成部138は、承認データ128に含まれる安否表示タイミングに応じた時に、動作履歴データ127に基づいて安否推定用の指標を作成する。本実施の形態に係る安否推定用の指標は、上述の見守り用の指標と同じであるとする。なお、安否推定用の指標は、見守り用の指標と同様に、機器の動作履歴に基づいて作成される指標であって、予め定められた時間帯における見守り対象者の活動量に応じて変化するものであればよく、見守り用の指標と異なるものが採用されもよい。
比較部139は、安否推定指標作成部138によって作成された安否推定用の指標と安否閾値データ130が示す閾値とを比較する。
安否データ作成部140は、比較部139による比較の結果に基づいて、安否データを作成しサーバ装置103へ送信する。
本実施の形態では、安否推定用の指標が閾値Cより大きい場合、所定の時間帯に見守り対象者の活動が少なかった或いはほぼ無かったと推定できるので、安否データ作成部140は、見守り対象者が安全ではないことを示す安否データを作成しサーバ装置103へ送信する。
この場合、安否データ作成部140は、さらに、記憶制御部133を介して、記憶部132に記憶されている見守り対象者のユーザスケジュールデータ131を参照するとよい。見守り対象者が予め定められた時間以上外出していることをユーザスケジュールデータ131が示すときには、安否推定用の指標が閾値Cより大きい場合であっても、安否データ作成部140は、見守り対象者が安全であることを示す安否データを作成しサーバ装置103へ送信するとよい。なお、このとき、外出時間の長さに応じて閾値Cが調整されてもよい。
安否推定用の指標が閾値C以下である場合、所定の時間帯に見守り対象者の活動が有ったと推定できるので、安否データ作成部140は、見守り対象者が安全であることを示す安否データを作成しサーバ装置103へ送信する。
見守り判定部141は、見守り用のログインを許可するか否かを判定する。詳細には、見守り判定部141は、見守りログインデータを外部ネットワーク102を介して取得する。見守り判定部141は、その見守りログインデータと、ユーザ管理データ126又は見守り許可データ129とに基づいて、見守り用のログインを許可するか否かを判定する。
見守りデータ作成部142は、見守り判定部141により許可すると判定された場合に、見守り用の指標を作成しその指標を含む見守りデータを作成する。見守り判定部141により許可しないと判定された場合に、そのことを示す見守りデータを作成する。そして、見守りデータ作成部142は、作成した見守りデータを見守りログインデータの送信元である機器管理装置101aへ送信する。
ユーザスケジュール受信部143は、外部ネットワーク102を介してユーザスケジュールデータ131を取得すると、その取得したユーザスケジュールデータ131を、記憶制御部133を介して記憶部132に記憶させる。ユーザスケジュール受信部143は、ユーザスケジュールデータ131を、機器管理装置101a,101bから取得してもよく、端末装置104から取得してもよい。
これまで、本実施の形態に係る機器管理システム100の構成について説明した。ここから、機器管理システム100の動作について説明する。
機器管理装置101aは、例えば電源ボタンが押下されて電源が投入されると、図11に示すユーザログイン処理を開始する。同図に示すユーザログイン処理の流れは、ユーザログイン状態が保持されていない場合、すなわち、ユーザログインデータ取得部116により保持されるユーザログイン保持フラグが「0」である場合の例である。
同図に示すように、機器管理装置101aのユーザログインデータ取得部116は、ユーザログインデータを取得するために、第1の表示制御部124を介して、表示部114にログイン画面を表示させる(ステップS101)。
ログイン画面の例を図12に示す。例えば、機器管理装置101aのユーザは、機器管理装置101aへログインするために、入力部113により提供されるソフトウェアキーボードを利用して、ログインID及びログイン用のパスワードを入力する。ここで、同図に示す「ログインしたままにする」に対応付けられたチェックボックスは、ユーザログイン状態の保持を指示するためのものである。
入力を間違えた場合などには、同図に示すクリアボタンを押下して、再度、ログインID及びログイン用のパスワードを入力するとよい。本実施の形態のように、入力部113にタッチパネルが採用される場合、ボタンを押下するとは、そのボタンの表示領域にタッチすることを意味する。
ユーザは、同図に示すログイン画面で各項目の入力が完了すると、ログインボタンを押下する。ログインボタンが押下されると、図11に示すように、ユーザログインデータ取得部116は、ログイン画面に入力された内容に応じたログインID及びパスワードを含むユーザログインデータを取得する(ステップS102)。このとき、ログイン画面のチェックボックスがチェックされていると、ユーザログインデータ取得部116は、ユーザログイン状態を保持する指示をさらに含むユーザログインデータを取得する。
ユーザログインデータ取得部116は、取得したユーザログインデータを、外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信する(ステップS103)。
サーバ装置103のログイン判定部135は、外部ネットワーク102を介してユーザログインデータを取得すると、ユーザログイン処理を開始し、ユーザの機器管理装置101aへのログインを許可するか否かを判定する(ステップS104)。
詳細には、ログイン判定部135は、取得したユーザログインデータに含まれるログインIDと同じログインIDを含むユーザ管理データ126が記憶部132に記憶されているか否かを判定する。取得したユーザログインデータに含まれるログインIDと同じログインIDを含むユーザ管理データ126が記憶部132に記憶されていない場合、ログイン判定部135は、ログインを許可しないと判定する。
取得したユーザログインデータに含まれるログインIDと同じログインIDを含むユーザ管理データ126が記憶部132に記憶されている場合、ログイン判定部135は、そのユーザ管理データ126を抽出する。ログイン判定部135は、取得したユーザログインデータ及び抽出したユーザ管理データ126のそれぞれに含まれるログイン用のパスワードを比較する。比較した結果、ログイン用のパスワードが同じである場合、ログイン判定部135は、ログインを許可すると判定する。比較した結果、ログイン用のパスワードが異なる場合、ログイン判定部135は、ログインを許可しないと判定する。
ログイン判定部135は、判定した結果を示すログイン判定結果データを、ユーザログインデータの送信元である機器管理装置101aへ送信する(ステップS105)。
機器管理装置101aのユーザログインデータ取得部116は、外部ネットワークを介してログイン判定結果データを取得し(ステップS106)、ログイン判定結果データがログインの許可を示すか否かを判定する(ステップS107)。ログインの許可を示さないと判定した場合(ステップS107;No)、ユーザログインデータ取得部116は、ログイン画面表示処理(ステップS101)を再び実行する。
ログインの許可を示すと判定した場合(ステップS107;Yes)、ユーザログインデータ取得部116は、ステップS102で取得したユーザログインデータにログイン状態を保持する指示が含まれるか否かを判定する(ステップS108)。
ユーザログイン状態を保持する指示が含まれると判定した場合(ステップS108;Yes)、ユーザログインデータ取得部116は、自身が保持するユーザログイン保持フラグを「1」に更新する。これにより、ユーザログイン状態が機器管理装置101aにて保持される(ステップS109)。
ユーザログイン状態を保持する指示が含まれないと判定した場合(ステップS108;No)、又は、ステップS109を実行した後、ユーザログインデータ取得部116は、第1の表示制御部124を介して表示部114にメイン画面を表示させる(ステップS110)。
ここで表示されるメイン画面の例を図13に示す。同図に示す、メイン画面は、機器管理装置101aの表示部114に表示される画面の例である。この画面には、見守りボタンと、各種設定をするための設定ボタンが表示されている。見守りボタンに含まれる「未承認」は、見守りの承認が未だなされていないことを示す。また、現在日時の下に、その日の消費電力の推移が示されている。さらに、ユーザスケジュールデータ131に含まれる機器管理装置101aのユーザのスケジュールが、カレンダに表示されている。
図11を再び参照する。
サーバ装置103のログイン判定部135は、ステップS104における判定の結果がログインの許可ではない場合(ステップS111;No)、ユーザログイン処理を終了する。ステップS104における判定の結果がログインの許可である場合(ステップS111;Yes)、ログイン判定部135は、ステップS104にて取得したユーザログインデータに、ログイン状態を保持する指示が含まれているか否かを判定する(ステップS112)。
ユーザログイン状態を保持する指示が含まれないと判定した場合(ステップS112;No)、ログイン判定部135は、ユーザログイン処理を終了する。
ユーザログイン状態を保持する指示が含まれていると判定した場合(ステップS112;Yes)、ログイン判定部135は、記憶制御部133を介してユーザ管理データ126を更新することによって、ユーザログイン状態を保持し(ステップS113)、ユーザログイン処理を終了する。
詳細には、ログイン判定部135は、ステップS104にて取得したユーザログインデータに含まれるログインIDと同じログインIDを含むユーザ管理データ126のユーザログイン保持フラグを「1」に更新する。これにより、機器管理装置101aのユーザログイン状態がサーバ装置103にて保持される(ステップS113)。
これにより、ユーザログイン状態が保持されていない場合のユーザログイン処理は、終了する。
ユーザログイン状態が機器管理装置101aにて保持された状態で、機器管理装置101aの電源が投入されると、ユーザログインデータ取得部116は、ステップS101を実行しない。そして、ユーザログインデータ取得部116は、自身が保持するユーザログイン保持フラグをユーザログインデータとして取得し(ステップS102)、そのユーザログインデータを、外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信する(ステップS103)。そのユーザログインデータを取得したログイン判定部135は、ユーザの機器管理装置101aへのログインを許可するか否かを判定する(ステップS104)。
この場合のログイン判定処理(ステップS104)では、ログイン判定部135は、取得したユーザログインデータの送信元である機器管理装置101aの機器管理装置IDと同じ機器管理装置IDを含むユーザ管理データ126を抽出する。ログイン判定部135は、抽出したユーザ管理データ126に含まれるユーザログイン保持フラグに基づいて、ログインを許可するか否かを判定する。
詳細には、ユーザログイン保持フラグが「1」である場合には、ログイン判定部135は、ログインを許可すると判定する。ユーザログイン保持フラグが「0」である場合には、ログイン判定部135は、ログインを許可しないと判定する。その後、機器管理装置101aとサーバ装置103とは、上述したように、ステップS105〜ステップS113を実行する。
このように、ログイン状態を保持することによって、ユーザが機器管理装置101aにログインする手間を省くことができる。
次に、見守りの申請・承認処理について、図14を参照して説明する。同図では、見守る側の機器管理装置101aから見守り対象側の機器管理装置101bへ見守りの申請をする例を示す。機器管理装置101aは、例えば、図13に示す未承認の状態の見守りボタンが押下されると、見守りの申請処理を開始する。そして、機器管理装置101aの第1の表示制御部124は、例えば図15に示す見守りの申請画面を表示部114に表示させる。ユーザは、同図に示す見守りの申請画面にて、入力部113により提供されるソフトウェアキーボードを利用して、見守り対象者のログインIDを入力することができる。
図14に示すように、機器管理装置101aの見守り申請部117は、ユーザによる入力部113への入力に基づいて、見守りの申請をするか否かを判定する(ステップS121)。
例えば、ユーザが、図15に示す見守りの申請画面にて、キャンセルボタンを押下すると、見守り申請部117は、見守りの申請をしないと判定する(ステップS121;No)。この場合、見守り申請部117は、例えば図13に示す未承認の状態の見守りボタンを含むメイン画面を第1の表示制御部124を介して表示部114に再び表示させ(ステップS138)、見守りの申請処理を終了する。
また例えば、ユーザが申請ボタンを押下すると、見守り申請部117は、見守りの申請をすると判定する(ステップS121;Yes)。この場合、見守り申請部117は、見守りの申請画面に入力されたログインIDを含む申請データを取得し(ステップS122)、その申請データをサーバ装置103へ外部ネットワーク102を介して送信する(ステップS123)。なお、申請データには、さらに、その送信元である機器管理装置101aの機器管理装置IDが含まれる。
サーバ装置103の承認判定部136は、外部ネットワーク102を介して申請データを取得すると、見守りの申請承認処理を開始し、ユーザ管理データ126を参照することによって、申請データの転送先を決定する(ステップS124)。詳細には、承認判定部136は、申請データに含まれるログインIDと同じログインIDを含むユーザ管理データ126を抽出する。承認判定部136は、抽出したユーザ管理データ126に含まれる機器管理装置IDを転送先に決定する。
承認判定部136は、決定した転送先へ申請データを転送する(ステップS125)。本実施の形態では、申請データは、機器管理装置101bへ転送される。
機器管理装置101bの見守り承認部118は、外部ネットワーク102を介して申請データを取得すると、上述のユーザログイン処理によりユーザのログインが許可されたときに見守りの承認処理を開始し、第1の表示制御部124を介して承認確認画面を表示部114に表示させる。図16に、承認確認画面の例を示す。見守り承認部118は、図14に示すように、承認確認画面にて入力された内容に応じて、応答データを取得する(ステップS126)。
例えば、図16に示す承認確認画面にて、「はい」のボタンが押下された場合、それに応じて、見守り承認部118は、承認することを示す応答データを取得する。同図に示す承認確認画面にて、「いいえ」のボタンが押下された場合、それに応じて、見守り承認部118は、拒否することを示す応答データを取得する。
見守り承認部118は、取得した応答データを外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信し(ステップS127)、見守りの承認処理を終了する。応答データには、申請データに含まれていた機器管理装置101aの機器管理装置IDと、応答データの送信元である機器管理装置101bの機器管理装置IDとが含まれる。
サーバ装置103の承認判定部136は、外部ネットワークを介して応答データを取得すると、その応答データを参照することによって、見守りの申請が承認されたか否かを判定する(ステップS128)。詳細には、応答データが承認を示す場合、承認判定部136は、見守りの申請が承認されたと判定する(ステップS128;Yes)。応答データが拒否を示す場合、承認判定部136は、見守りの申請が承認されていないと判定する(ステップS128;No)。
見守りの申請が承認されたと判定した場合(ステップS128;Yes)、承認判定部136は、記憶制御部133を介して承認データ128を更新させる(ステップS129)。ここで更新される承認データ128に含まれる見守る側及び見守り対象側の機器管理装置IDは、それぞれ、申請データの送信元である機器管理装置101a及び応答データの送信元である機器管理装置101bの機器管理装置IDである。
見守りの申請が承認されていないと判定した場合(ステップS128;No)、又は、ステップS129を実行した後、承認判定部136は、ステップS128で取得した応答データに含まれる申請データの送信元(機器管理装置101a)を転送先として決定する(ステップS130)。
承認判定部136は、決定した転送先へ、ステップS128で取得した応答データを転送する(ステップS131)。
機器管理装置101aの見守り申請部117は、外部ネットワーク102を介して応答データを取得すると、その応答データを参照することによって、見守りの申請が承認されたか否かを判定する(ステップS132)。詳細には、応答データが承認を示す場合、見守り申請部117は、見守りの申請が承認されたと判定する(ステップS132;Yes)。応答データが拒否を示す場合、見守り申請部117は、見守りの申請が承認されていないと判定する(ステップS132;No)。
見守りの申請が承認されていないと判定した場合(ステップS132;No)、見守り申請部117は、第1の表示制御部124を介して、見守りの申請が拒否されたことを示す応答確認画面を表示部114に表示させる(ステップS133)。
見守りの申請が拒否された場合の応答確認画面の例を図17に示す。例えば同図に示すOKボタンが押下されると、見守り申請部117は、例えば図13に示す未承認の状態の見守りボタンを含むメイン画面を第1の表示制御部124を介して表示部114に再び表示させ(ステップS138)、見守りの申請処理を終了する。
見守りの申請が承認されたと判定した場合(ステップS132;Yes)、見守り申請部117は、第1の表示制御部124を介して、見守りの申請が承認されたことを示す応答確認画面を表示部114に表示させる(ステップS134)。
見守りの申請が承認された場合の応答確認画面の例を図18に示す。同図に示すように、見守りの申請が承認された場合の応答確認画面では、見守りの申請が承認されたことに加えて、安否表示機器の入力欄と、安否表示タイミングの入力欄とが表示される。
安否表示機器は、例えば、機器管理装置101aが管理する電気機器105のうち、表示機能を備えたもののリストから選択することにより入力されるとよい。このリストは予め設定されるとよい。同図では「TV」が選択された例を示す。
また、安否表示タイミングも、同様に、予め定められたリストから選択することにより入力されるとよい。同図に示す例では、安否表示タイミングについて、時刻と動作とを選択できる。時刻は、例えば予め定められた時間の刻み(例えば10分刻み)で並べられる時刻から選択されるとよい。動作は、例えば、「OFF時」「ON時」など、予め定められた動作を示すリストから選択されるとよい。
例えば図18に示す応答確認画面にてOKボタンが押下されると、その応答確認画面に入力された内容に応じて、安否表示設定データ取得部119は、安否表示設定データを取得する(ステップS135)。図18に示す内容が応答確認画面に入力された場合、安否表示設定データは、安否表示機器として「TV」を含み、安否表示タイミングとして「21:00以降の電源OFF時」を含む。
安否表示設定データ取得部119は、取得した安否表示設定データを、外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信する(ステップS136)。
サーバ装置103の安否表示設定データ受信部137は、外部ネットワーク102を介して安否表示設定データを取得すると、安否表示設定データの内容を関連付けて、ステップS129で更新した承認データ128を更新する(ステップS137)。これにより、安否表示設定データ受信部137は、見守りの申請承認処理を終了する。
機器管理装置101aの見守り申請部117は、例えば図19に示す承認済みの状態の見守りボタンを含むメイン画面を第1の表示制御部124を介して表示部114に表示させ(ステップS138)、見守りの申請処理を終了する。
このような処理によって、見守りの申請が承認されると、見守る者である機器管理装置101aのユーザは、見守り対象者である機器管理装置101bのユーザを、安否データによって見守ることが許される。この場合の安否データによる見守り処理の流れを、図20に示す。
同図に示すように、サーバ装置103の安否推定指標作成部138は、予め定められた時機(安否推定時機)、例えば承認データ128の安否確認表示タイミングに含まれる時刻が到来したか否かを、継続的に(例えば、一定の時間間隔で)、判定する(ステップS141)。例えば、図7に示す承認データ128の場合、安否推定指標作成部138は、21:00になったか否かを継続的に判定する。
現在時刻が安否確認時刻でない場合、安否推定指標作成部138は、安否確認時刻が到来していないと判定し(ステップS141;No)、安否データによる見守り処理を終了する。
現在時刻が安否確認時刻である場合、安否推定指標作成部138は、安否確認時刻が到来したと判定する(ステップS141;Yes)。この場合、安否推定指標作成部138は、安否確認時刻が到来した承認データ128の見守り対象側の機器管理装置IDを抽出する。安否推定指標作成部138は、抽出した機器管理装置IDと同じ機器管理装置IDであって、予め定められた時間帯(例えば、現在時刻から例えば24時間内)の動作履歴データ127を抽出する。安否推定指標作成部138は、抽出した動作履歴データ127に基づいて安否推定用の指標を作成する(ステップS142)。
比較部139は、安否推定指標作成部138によって作成された安否推定用の指標と安否閾値データ130が示す閾値とを比較する(ステップS143)。安否データ作成部140は、比較部139による比較の結果に基づいて安否データを作成する(ステップS144)。安否データには、見守り対象者の安否に加えて、ステップS141にて安否確認時刻が到来したと判定された承認データ128の安否表示タイミング及び安否表示機器が含まれる。
安否データ作成部140は、ステップS141にて安否確認時刻が到来したと判定された承認データ128の見守る側の機器管理装置IDが示す機器管理装置101aを、作成した安否データの送信先として決定する。安否データ作成部140は、決定した送信先である機器管理装置101aへ、外部ネットワークを介して安否データを送信し(ステップS145)、安否データによる見守り処理を終了する。
機器管理装置101aの安否データ取得部123は、外部ネットワークを介して安否データを取得する(ステップS146)。安否データ取得部123は、安否データを第2の表示制御部125へ出力する。
第2の表示制御部125は、安否データ取得部123から出力された安否データの内容に応じて、見守り対象者の安否を、安否表示機器であるTV105aに表示させる(ステップS147)。詳細には、第2の表示制御部125は、安否データが安全でないことを示す場合、それを直ちにTV105aに表示させる。これにより、安否データ作成部140により安否データが作成されてから直ちに、見守り対象者が安全でないことをTV105aに表示させることができる。見守る者は、TV105aの表示を見ることによって、見守り対象者が安全でないことを早期に知り、適切な措置を講じることが可能になる。
第2の表示制御部125は、安否データが安全であることを示す場合、それを安否表示タイミングでTV105aに表示させる。表示機器及び安否表示タイミングが図7に示す承認データ128に含まれる内容であって、安否データが安全であることを示す場合、第2の表示制御部125は、21:00以降でTV105aが停止する操作を受け付けた時に、見守り対象者が安全であることTV105aの画面に数秒間表示させる。
安否データによる見守り処理では、見守り対象者が安全であるか否かが表示されるので、見守る者は、見守り対象者の安否を容易に知ることが可能になる。
表示機器及び安否表示タイミングは、上述のように、見守る者が指定する。したがって、見守る者が確実に見るであろう表示機器及び安否表示タイミングを設定しておくことができるので、見守り対象者の安否を確実に確認することが可能になる。
見守りの申請が承認されれば、安否データにより見守り対象者を見守ることができる。比較的簡便な処理で見守り対象者を見守ることができるので、見守り対象者の安否を容易に知ることが可能になる。安否データの内容であれば、見守り対象者の生活動作が把握されるおそれは極めて低い。そのため、見守りの申請と承認という比較的簡便な処理で、安否データによる見守りを許容しても、見守り対象者の生活の安全などが脅かされる危険は低い。
なお、安否推定時機は、例えば1時間間隔などに設定されてもよい。1時間ごとに安否推定用の指標が作成され、比較部139が比較する。その結果、見守り対象者が安全でない場合、安否データ作成部140は、安否表示機器に直ちに表示させる安否データを作成し、見守る側の機器管理装置101aへ送信してもよい。これにより、第2の表示制御部125は、見守り対象者が安全でないことを直ちにTV105aに表示させるとよい。これにより、安否データ作成部140によって安否データが作成されてから直ちに、見守り対象者が安全でないことをTV105aに表示させることができる。見守り対象者が安全でないことを、見守る者が早期に知って、適切な措置を講じることが可能になる。また、安否データ作成部140は、見守り対象者が安全でないことを示す電子メールなどを安否データとして、見守る者の端末装置104へ送信してもよい。これにより、見守り対象者が安全でないことを、見守る者が早期に知って、適切な措置を講じることが可能になる。
例えば安否データにより見守り対象者が安全でないことが分かった場合など、見守る者が、見守り対象者の活動をより詳細に知りたい場合に、見守る側の機器管理装置101aのメイン画面(図19参照)において、見守りボタンを押下する。
これにより、機器管理装置101aは、図21に示す見守り用の指標による見守り処理を開始する。同図に示す見守り用の指標による見守り処理の流れは、見守りログイン状態が保持されていない場合、すなわち、見守りログインデータ取得部120により保持されるデータの見守りログイン保持フラグが「0」である場合の例である。
見守りログインデータ取得部120は、見守りログインデータを取得するために、第1の表示制御部124を介して、表示部114に見守りログイン画面を表示させる(ステップS151)。
見守りログイン画面の例を図22に示す。同図に示すように、見守りログイン画面は、ログイン画面(図12参照)と同様の入力欄とボタンとを含んで構成される。見守る者である機器管理装置101aのユーザは、見守り対象者が見守り対象側の機器管理装置101bにログインするためのログインID及び見守り用のパスワードを、見守る側の機器管理装置101aに入力する。
詳細には、「見守り対象者のログインID」に対応付けられた入力欄には、見守り対象者である機器管理装置101bのユーザが機器管理装置101bにログインするためのログインIDが入力される。「見守り対象者のパスワード」に対応付けられた入力欄には、見守り対象者である機器管理装置101bのユーザが機器管理装置101bにログインするためのパスワードが見守り用のパスワードとして入力される。そして、「ログインしたままにする」に対応付けられたチェックボックスは、見守りログイン状態を保持させる場合に、チェックされる。
見守りログインデータ取得部120は、図21に示すように、見守り用指標の閲覧指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS152)。見守り用指標の閲覧指示は、見守る者が見守り用の指標を閲覧する旨の指示である。見守り用指標の閲覧指示を受け付けたか否かは、例えば、図22に示す見守りログイン画面のログインボタンが押下されたか否かに基づいて判定される。
ログインボタンが押下されていない場合、見守りログインデータ取得部120は、見守り用指標の閲覧指示を受け付けていないと判定し(ステップS152;No)、見守り用のログインがキャンセルされたか否かを判定する(ステップS153)。詳細には、見守り用のログインがキャンセルされたか否かは、図22に示す見守りログイン画面のキャンセルボタンが押下されたか否かに基づいて判定される。
キャンセルボタンが押下された場合、見守りログインデータ取得部120は、見守り用のログインがキャンセルされたと判定する(ステップS153;Yes)。この場合、見守りログインデータ取得部120は、第1の表示制御部124を介して、例えば図19に示すメイン画面を表示部114に表示させ(ステップS154)、見守り用の指標による見守り処理を終了する。
キャンセルボタンが押下されない場合、見守りログインデータ取得部120は、見守り用のログインがキャンセルされていないと判定する(ステップS153;No)。この場合、見守りログインデータ取得部120は、第1の表示制御部124を介して、例えば図22に示す見守りログイン画面を表示部114に表示させる(ステップS151)。
ログインボタンが押下された場合、見守りログインデータ取得部120は、図21に示すように、見守り用指標の閲覧指示を受け付けたと判定する(ステップS152;No)。この場合、見守りログインデータ取得部120は、見守りログイン画面入力された内容に応じて、ログインID及び見守り用のパスワードを含む見守りログインデータを取得する(ステップS155)。
このとき、見守りログイン画面のチェックボックスがチェックされていると、見守りログインデータ取得部120は、見守りログインデータ取得部120は、見守りログイン状態を保持する指示をさらに含む見守りログインデータを取得する。そして、見守りログインデータ取得部120は、自身が保持する見守りログイン保持フラグを「1」に更新するとともに、取得したログインID及び見守り用のパスワードを含む見守り対象データを保持する。
見守りログインデータ取得部120は、取得した見守りログインデータを、外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信する(ステップS156)。
サーバ装置103の見守り判定部141は、外部ネットワーク102を介して見守りログインデータを取得すると、見守り用の指標による見守り処理を開始する。見守り判定部141は、取得した見守りログインデータと記憶部132のユーザ管理データ126とに基づいて、見守り用のログインを許可するか否かを判定する(ステップS157)。
詳細には、見守り判定部141は、取得した見守りログインデータに含まれるログインIDと同じログインIDを含むユーザ管理データ126が記憶部132に記憶されているか否かを判定する。取得した見守りログインデータに含まれるログインIDと同じログインIDを含むユーザ管理データ126が記憶部132に記憶されていない場合、見守り判定部141は、見守り用のログインを許可しないと判定する(ステップS157;No)。
取得した見守りログインデータに含まれるログインIDと同じログインIDを含むユーザ管理データ126が記憶部132に記憶されている場合、見守り判定部141は、そのユーザ管理データ126を抽出する。見守り判定部141は、取得した見守りログインデータ及び抽出したユーザ管理データ126のそれぞれに含まれる見守り用のパスワードを比較する。比較した結果、見守り用のパスワードが同じである場合、ログイン判定部135は、見守り用のログインを許可すると判定する(ステップS157;Yes)。比較した結果、見守り用のパスワードが異なる場合、ログイン判定部135は、見守り用のログインを許可しないと判定する(ステップS157;No)。
見守り用のログインを許可しないと判定した場合(ステップS157;No)、見守り判定部141は、許可しないと判定されたことを示す見守り用のログイン判定結果データを、外部ネットワークを介して機器管理装置101aへ送信する(ステップS158)。
機器管理装置101aの見守りログインデータ取得部120は、外部ネットワーク102を介して見守り用のログイン判定結果データを取得すると、第1の表示制御部124を介して見守りログイン失敗画面を表示させる(ステップS159)。図23に見守りログイン失敗画面の例を示す。
図21に示すように、見守りログインデータ取得部120は、ユーザによる入力部113への入力に基づいて、見守り用のログインを許可しないと判定されたことがユーザにより確認されたか否かを判定する(ステップS160)。詳細には、図23に示すログイン失敗画面のOKボタンが押下されないと、見守りログインデータ取得部120は、確認されていないと判定する(ステップS160;No)。図23に示すログイン失敗画面のOKボタンが押下されると、見守りログインデータ取得部120は、確認されたと判定する(ステップS160;Yes)。
図21に示すように、確認されていないと判定した場合(ステップS160;No)、見守りログインデータ取得部120は、ログイン失敗画面の表示(ステップS159)を継続させる。確認されたと判定した場合(ステップS160;Yes)、見守りログインデータ取得部120は、第1の表示制御部124を介して、見守りログイン画面を表示部114に表示させる(ステップS151)。
サーバ装置103の見守りデータ作成部142は、見守り用のログインを許可すると判定された場合(ステップS157;Yes)、動作履歴データ127に基づいて、見守り用の指標を作成し、その見守り用の指標を含む見守りデータを作成する(ステップS161)。見守りデータ作成部142は、外部ネットワーク102を介して機器管理装置101aへ見守りデータを送信する(ステップS162)。
見守り判定部141は、ステップS157にて取得した見守りログインデータに見守りログイン状態を保持する指示が含まれているか否かを判定する(ステップS163)。見守りログイン状態を保持する指示が含まれていないと判定した場合(ステップS163;No)、見守り判定部141は、見守り用の指標による見守り処理を終了する。
見守りログイン状態を保持する指示が含まれていると判定した場合(ステップS163;Yes)、見守り判定部141は、記憶制御部133を介して見守り許可データ129を更新することによって、見守りログイン状態を保持し(ステップS164)、ユーザログイン処理を終了する。
詳細には、見守り判定部141は、ステップS157にて取得した見守りログインデータに含まれるログインIDと同じログインIDを含むユーザ管理データ126の機器管理装置IDを、記憶制御部133を介して取得する。見守り判定部141は、取得した見守りログインデータの送信元である機器管理装置101aの機器管理装置IDと、記憶制御部133を介して取得した機器管理装置IDとのそれぞれを、見守る側と見守り対象側との機器管理装置IDとする見守り許可データ129を作成する。見守り判定部141は、作成した見守り許可データ129を、記憶制御部133を介して記憶部132に記憶させる。これにより、機器管理装置101aを見守る側とし、機器管理装置101bを見守り対象側とする見守りログイン状態が、サーバ装置103にて保持される(ステップS164)。
機器管理装置101aの見守りデータ取得部122は、外部ネットワーク102を介して見守りデータを取得すると、第1の表示制御部124を介して見守り画面を表示部114に表示させる(ステップS165)。
図24に見守り画面の例を示す。同図では、24時間前から現在までに機器が使用されていない時間を積算した値を見守り用の指標に採用した場合の、見守り用の指標の推移が表示される例を示す。上述のように、24時間前から現在までに機器が使用されていない時間を積算した値が大きいほど、見守り対象者の活動量が少ないと推定できる。したがって、見守り対象者が安全でない可能性が高い値を危険レベルとすることによって、見守る者は、見守り対象者がどの程度安全でないかを視覚により直感的に把握することができる。
同図の例では、見守り用の指標が単調に増加しているので、見守り対象者がほぼ1日、活動していないと予想される。そこで、見守る者は、見守り対象者に電話をかけてみるなど、適切な措置を講じることが可能になる。
図21に示すように、見守りデータ取得部122は、ユーザによる入力部113への入力に基づいて、見守り用の指標がユーザにより確認されたか否かを判定する(ステップS166)。
詳細には、図24に示す見守り画面のOKボタンが押下されないと、見守りデータ取得部122は、確認されていないと判定する(ステップS166;No)。同図に示す見守り画面のOKボタンが押下されると、見守りデータ取得部122は、確認されたと判定する(ステップS166;Yes)。
図21に示すように、確認されていないと判定した場合(ステップS166;No)、見守りデータ取得部122は、見守り画面の表示(ステップS165)を継続させる。確認されたと判定した場合(ステップS166;Yes)、見守りデータ取得部122は、第1の表示制御部124を介して、例えば図19に示すメイン画面を表示部114に表示させ(ステップS167)、見守り用の指標による見守り処理を終了する。
見守りログイン状態が機器管理装置101aにて保持された状態で、例えば見守る側の機器管理装置101aのメイン画面(図19参照)の見守りボタンが押下されると、機器管理装置101aの見守りログインデータ取得部120は、例えば、ステップS151にて、自身が保持する見守り対象データを予め入力した見守りログイン画面を表示させる。その後、機器管理装置101aとサーバ装置103とは、上述したように、ステップS152〜ステップS167を実行する。このように、見守りログイン状態を保持することによって、ユーザが機器管理装置101aに見守り用のログインをする手間を省くことができる。
このように見守り用の指標による見守り処理が実行されることによって、見守り対象者のプライバシを保護しつつ、見守り対象者がどの程度安全でないかを見守る者が確認することが可能になる。
見守り対象者の詳細な生活動作を見守り用の指標から把握することはできなくても、見守り用の指標は見守り対象者の活動量に応じて変化する。そのため、例えば昼間の特定の時間帯に外出していることが多いなどといった、見守り対象者のある程度の生活リズムの傾向などが見守り用の指標から分かることはあり得る。これを不特定の者に開示するのは見守り対象者の生活の安全を脅かす危険がある。
本実施の形態では、見守り対象者を見守り用の指標によって見守るために、見守る者が見守り対象者を識別するためのログインIDと見守り用のパスワードとを入力する必要がある。これにより、見守り対象者の生活の安全を確保しつつ、見守り対象者の安否を見守ることが可能になる。
本実施の形態では、さらに、見守り対象者を識別するためのログインID及び見守り用のパスワードとして、見守り対象者である住居Bの住人が機器管理装置101bにログインするためのログインID及びログイン用のパスワードが採用される。これにより、見守る者である住居Aの住人が、見守る側の機器管理装置101aから見守り対象側の機器管理装置101bに擬似的にログインすることで、見守り用の指標を閲覧して見守り対象者である住居Bの住人を見守ることができる。見守り対象者を識別するためのログインID及び見守り用のパスワードを別個に設定・管理する必要がないため、見守るためのシステムの導入を容易にすることが可能になる。
以上、本発明の実施の形態1について説明した。本実施の形態によれば、機器管理システム100(サーバ装置103、機器管理装置101a,101b)を用いて、見守り対象者の安否を見守ることができる。したがって、独立の見守りシステムを導入しなくても、見守り対象者の安否を見守ることができるので、見守るためのシステム導入のコストを低減することが可能になる。
本実施の形態は、これまで説明したものに限られず、以下のように変更されてもよい。
例えば、本実施の形態では、住居Aの住人が住居Bの住人を見守ることとした。しかし、機器管理装置101aと機器管理装置101bとは、図3を参照して説明したように、同様の機能を備える。そのため、機器管理装置101a,101bを利用することによって、本実施の形態にて説明する例とは異なり、住居Aの住人と住居Bの住人とが相互に見守ること、住居Bの住人が住居Aの住人を見守ることもできる。
例えば、機器管理装置101aが、見守る側にのみ使用される場合、例えば見守り承認部118及びユーザスケジュール取得部121を備えなくてもよい。また、機器管理装置101bが、見守り対象側にのみ使用される場合、例えば、見守り申請部117、見守りログインデータ取得部120、見守りデータ取得部122、安否データ取得部123及び第2の表示制御部125を備えなくてもよい。
例えば、サーバ装置103が記憶するデータ126〜131は、見守る側及び見守り対象側の機器管理装置101a,101bの記憶部(図示せず)に記憶されてもよい。サーバ装置103の処理・制御部133〜143は、見守る側及び見守り対象側の機器管理装置101a,101bに備えられてもよい。これによれば、サーバ装置103が、機器管理装置101a,101bの間でデータの転送のみを行うか、機器管理システム100に備えられなくてもよくなる。そのため、例えば、災害などのために、サーバ装置103及び見守り対象側の機器管理装置101bの一方又は両方に障害が発生した場合であっても、見守る側の機器管理装置101aは、災害が発生するまでの動作履歴データ127に基づいて、例えば見守り用の指標を作成することができる。したがって、障害が発生する直前の見守り対象者の安否を確認することができるので、見守り対象者をより確実に見守ることが可能になる。
実施の形態2.
本実施の形態では、機器管理システムが、地震などの事故を検知し、機器の動作履歴及びユーザのスケジュールに基づいて、事故が発生した時に見守り対象者が宅内に居たか否か(在/不在)を推定する。そして、機器管理システムは、見守り対象者の在/不在の推定結果を、見守る者が使用する機器へ通知する。
本実施の形態に係る機器管理システムは、概ね、実施の形態1に係る機器管理システム100と同様に構成される。本実施の形態では、実施の形態1に係る機器管理システム100と異なる点を中心に説明する。
本実施の形態に係る機器管理装置201aは、図25に示すように、実施の形態1に係る機器管理装置101aが備える構成に加えて、事故センサ244を備える。
事故センサ244は、例えば感震センサであって、住居Aの揺れを測定し、測定結果を示す測定データを、外部ネットワーク102を介してサーバ装置203へ送信するセンサである。
なお、事故センサ244は、感震センサに限られず、例えば、浸水を検知するセンサ、ガス漏れを検知するセンサ、煙を検知するセンサなどであってもよい。
機器管理装置201bも、機器管理装置201aと同様に構成されるとよい。
本実施の形態に係るサーバ装置203は、図26に示すように、見守り対象者(本実施の形態では、機器管理装置201bのユーザ)が暮らす住居Bにおける事故としての地震を検知する事故検知部245と、事故検知部245により地震が検知された時に、見守り対象者が住宅Bに居たか否かを推定する存否推定部246と、見守る者(本実施の形態では、機器管理装置201aのユーザ)へ存否推定部246による推定結果を通知する通知部247とを備える。
事故検知部245は、外部ネットワーク102を介して、見守り対象側の機器管理装置201bが備える事故センサ244から測定データを取得する。事故検知部245は、取得した測定データが示す揺れの大きさが閾値以上であるか否かに基づいて、地震の発生を検知する。詳細には、事故検知部245は、揺れの大きさが閾値以上である場合に、測定データの送信元である機器管理装置201bが設置されている住居Bで地震が発生したと判定する。
なお、事故センサ244が浸水を検知するセンサである場合、事故検知部245は、台風、津波などによる浸水事故を検知することができる。事故センサ244がガス漏れを検知するセンサである場合、事故検知部245は、ガス漏れ事故を検知することができる。事故センサ244が煙を検知するセンサである場合、事故検知部245は、火災事故を検知することができる。事故検知部245は、図示しないサーバ装置などから提供される災害情報などに基づいて、事故を検知してもよい。
存否推定部246は、事故検知部245によって地震が検知されると、記憶制御部133を介して記憶部132の動作履歴データ127及びユーザスケジュールデータ131を参照する。ここで、参照する動作履歴データ127及びユーザスケジュールデータ131は、いずれも、事故検知部245により地震が検知された測定データの送信元である機器管理装置201bの機器管理装置IDを含むものである。
存否推定部246は、動作履歴データ127及びユーザスケジュールデータ131に基づいて、地震が発生した時に、住宅Bに見守り対象者が居たか否かを推定する。詳細には、存否推定部246は、動作履歴データ127に基づいて、地震が発生した時に使用されている電気機器105などの機器があるか否かを判定する。
地震が発生した時に使用されている機器があると判定した場合、存否推定部246は、見守り対象者が住宅Bに居たと推定する。地震が発生した時に使用されている機器がないと判定した場合、存否推定部246は、ユーザスケジュールデータ131に基づいて、外出予定があるか否かを判定する。
地震が発生した時に外出予定がないと判定した場合、存否推定部246は、見守り対象者が住宅Bに居ると推定する。地震が発生した時に外出予定があると判定した場合、存否推定部246は、見守り対象者が住宅Bに居ないと推定する。
通知部247は、存否推定部246による推定結果を示す存否推定データを生成する。通知部247は、事故検知部245により地震が検知された測定データの送信元である機器管理装置201bの機器管理装置IDを特定する。通知部247は、特定した機器管理装置IDと同じ機器管理装置IDを、見守り対象側の機器管理装置IDとして含む承認データ128を抽出する。
通知部247は、抽出した承認データ128に、見守る側の機器管理装置IDとして含まれる機器管理装置IDを抽出する。通知部247は、抽出した機器管理装置IDと同じ機器管理装置IDを含むユーザ管理データ126の端末装置アドレスを抽出する。通知部247は、抽出した端末装置アドレスが示す端末装置104へ存否推定データを送信する。
なお、通知部247から端末装置104へは、例えば電子メールで通知されてもよい。
これまで、本実施の形態に係る機器管理システム(機器管理装置201a,201b及びサーバ装置203)の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係る機器管理システムの動作について説明する。
機器管理システムは、動作している間、存否推定処理を実行する。図27は、本実施の形態に係る存否推定処理の流れを示す図である。
同図に示すように、機器管理装置201bの事故センサ244は、住宅Bにおける揺れを測定し(ステップS271)、測定結果を示す測定データを、外部ネットワーク102を介してサーバ装置103へ送信する(ステップS272)。
サーバ装置203の事故検知部245は、外部ネットワーク102を介して事故センサ244から取得すると、その測定データに基づいて、地震が発生したか否かを判定する(ステップS273)。測定データが示す揺れの大きさが閾値より小さい場合、事故検知部245は、地震が発生していないと判定し(ステップS273;No)、存否推定処理を終了する。
測定データが示す揺れの大きさが閾値以上である場合、事故検知部245は、地震が発生したと判定する(ステップS273;Yes)。存否推定部246は、地震発生時、すなわち、事故検知部245により地震が発生したと判定された時に、ステップS272にて取得した測定データの送信元である機器管理装置201bが設置される住宅Bに見守り対象者が居たか否かを推定する(ステップS274)。
通知部247は、存否推定部246による推定結果を取得し、推定結果を含む存否推定データを、見守る者が使用する機器として端末装置104へ外部ネットワーク102を介して送信する(ステップS275)。
端末装置104は、外部ネットワーク102を介して存否推定データを取得すると、その存否推定データに含まれる推定結果を、自身が備える表示部に表示する(ステップS276)。
端末装置104は、ステップS276にて表示した推定結果が見守る者によって確認されたか否かを判定する(ステップS277)。例えば予め定められたボタンが押下されていない場合、端末装置104は、確認されていないと判定し(ステップS277;No)、推定結果の表示(ステップS276)を継続する。
例えば予め定められたボタンが押下された場合、端末装置104は、確認されたと判定し(ステップS277;Yes)、存否推定処理を終了する。
本実施の形態によれば、機器管理システムを利用して、事故発生時に見守り対象者が宅内に居たか否かを推定し、その推定結果を見守る者に通知する。例えば、事故発生時に見守り対象者が宅内に居ると推定された場合、見守る者は、見守り対象者が安全でない可能性が高いと推測して、適切な措置を講じることができる。したがって、独立の見守りシステムを導入しなくても、事故発生時の見守り対象者の安否を見守ることができるので、見守るためのシステム導入のコストを低減することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態及び変形例を適宜組み合わせた形態、それに種々の変更を加えた形態を含む。