JP2014233187A - 送電装置およびそれを備える電力伝送システム - Google Patents

送電装置およびそれを備える電力伝送システム Download PDF

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真士 市川
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裕良 金子
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Abstract

【課題】非接触電力伝送において、漏洩電磁界を低減するとともに、特に高調波ノイズを十分に低減する。【解決手段】送電装置200は、電源装置210と、送電部220と、送電ECU240とを含む。送電部220は、送電コイルと、送電コイルを内部に収容し、かつ、受電部110に対向する側が開口した磁性材とを含む。電源装置210は、方形波の交流電圧を生成して送電部220へ供給する。送電ECU240は、交流電圧が1周期中に一定期間(たとえば1周期の1/3や1/4の期間)だけ零または実質的に零となるように送電部220を制御する。【選択図】図1

Description

この発明は、送電装置およびそれを備える電力伝送システムに関し、特に、受電装置へ非接触で送電する送電装置およびそれを備える電力伝送システムに関する。
特開2011−135754号公報(特許文献1)は、送電装置から受電装置へ非接触で電力を伝送する電力伝送システムを開示する。この電力伝送システムにおいては、送電側のコイルユニットおよび受電側のコイルユニットの各々は、コイルケースに収容される。コイルケースは、送電方向または受電方向が開口しており、コイルユニットの内面には、コイルユニットの周囲に生成される電磁界が漏洩するのを防止するために、銅箔などの電磁遮蔽材(シールド)が貼付される(特許文献1参照)。
特開2011−135754号公報 特開2012−170195号公報
上記のような非接触電力伝送では、送電装置の電源部において、伝送周波数を有する方形波の交流電圧を生成して送電部(コイル)へ供給し、それにより送電部から発生する電磁界を介して受電装置の受電部(コイル)へ電力が伝送される。電源部により生成される方形波の交流電圧には、伝送周波数の高調波成分が含まれており、これによる高調波ノイズの低減が要請されている。
それゆえに、この発明の目的は、非接触電力伝送において、漏洩電磁界を低減するとともに、特に高調波ノイズを十分に低減することである。
この発明によれば、送電装置は、送電ユニットと、電磁波抑制部材と、電源部と、制御部とを備える。送電ユニットは、受電装置の受電ユニットへ非接触で送電するためのものである。電磁波抑制部材は、送電ユニットから見て、受電ユニットに対向する側とは反対側の位置、および受電ユニットに対向する方向に沿って送電ユニットを平面視した場合に送電ユニットの外縁よりも外側の位置のうちの少なくとも一方に配置される。電源部は、方形波の交流電圧を生成して送電ユニットへ供給する。制御部は、交流電圧が1周期中に一定期間だけ零または実質的に零となるように電源部を制御する。
好ましくは、電磁波抑制部材は、磁性材である。
また、好ましくは、電磁波抑制部材は、金属シールド材である。
好ましくは、制御部は、電源部の出力電圧が1周期の1/4から1/3の期間だけ零または実質的に零となるように電源部を制御する。
好ましくは、電源部は、交流電圧の周波数に従ってオンオフされるスイッチング素子を含む。制御部は、スイッチング素子のオンデューティが半周期よりも短くなるように電源部を制御する。
さらに好ましくは、制御部は、スイッチング素子のオンデューティが半周期の2/3から3/4となるように電源部を制御する。
好ましくは、電磁波抑制部材は、送電ユニットを内部に収容し、かつ、送電ユニットから見て受電ユニットに対向する側が開口するように構成される。
さらに好ましくは、電磁波抑制部材は、磁性材と、金属シールド材とを含む。磁性材は、送電ユニットを内部に収容し、かつ、送電ユニットから見て受電ユニットに対向する側が開口するように構成される。金属シールド材は、送電ユニットから見て受電ユニットに対向する側とは反対側の位置に配置される。
好ましくは、電磁波抑制部材は、背面部と、側壁部とを含む。背面部は、送電ユニットから見て受電ユニットに対向する側とは反対側の位置に配置される。側壁部は、受電ユニットに対向する方向に沿って送電ユニットを平面視した場合に送電ユニットの外縁よりも外側に位置する。
好ましくは、送電ユニットは、送電コイルを含む。送電コイルは、一端から他端に向かうにつれて、巻回軸の周囲を取り囲むとともに巻回軸の延びる方向に移動するように形成される。そして、送電コイルは、巻回軸が受電ユニットに対向する方向に対して交差するように配置される。
好ましくは、電源部は、単相電圧型インバータを含む。
また、この発明によれば、電力伝送システムは、上述したいずれかの送電装置と、送電装置から出力される電力を非接触で受電する受電装置とを備える。
好ましくは、受電装置は、車両に搭載される。
この発明においては、電磁波抑制部材を設けることによって漏洩電磁界が抑制される。さらに、電源部により生成される方形波の交流電圧が1周期中に一定期間だけ零または実質的に零となるように電源部が制御される。これにより、伝送周波数の高調波成分が抑制される。したがって、この発明によれば、非接触電力伝送において、漏洩電磁界を低減するとともに、特に高調波ノイズを十分に低減することができる。
この発明の実施の形態による電力伝送システムの全体構成図である。 図1に示す電力伝送システムの電気的な構成を詳細に示した図である。 電力伝送システムの他の構成を示した図である。 送電装置から車両への電力伝送時の等価回路図である。 送電装置の送電部の斜視図である。 図5中のVI−VI線に沿った矢視断面図である。 図5中のVII−VII線に沿った矢視断面図である。 送電部の平面図である。 図1に示す車両の底面図である。 車両の受電部の斜視図である。 送電部と受電部との間で電力伝送が行なわれている様子を模式的に示す斜視図である。 送電部と受電部との間で電力伝送が行なわれているときの様子を示す断面図である。 図2に示す電源部の構成図である。 単相インバータの出力電圧の波形を示した図である。 磁性材および電磁遮蔽板のシールドを設けず、かつ、インバータ制御による高調波対策を実施しない場合の、送電部の周囲の電界強度を示した図である。 磁性材および電磁遮蔽板のシールドを設け、インバータ制御による高調波対策を実施しない場合の、送電部の周囲の電界強度を示した図である。 磁性材および電磁遮蔽板のシールドを設け、かつ、インバータ制御による高調波対策を実施した場合の、送電部の周囲の電界強度を示した図である。 送電部の変形例を示す平面図である。 図18中のXIX−XIX線に沿った矢視断面図である。 送電部の他の変形例を示す平面図である。 図20中のXXI−XXI線に沿った矢視断面図である。 送電部と車両側の受電部との間で電力伝送が行なわれている様子を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
(電力伝送システムの全体構成)
図1は、この発明の実施の形態による電力伝送システム10の全体構成図である。図1を参照して、電力伝送システム10は、車両100と、送電装置200とを備える。送電装置200は、電源装置210と、送電部220と、通信部230と、送電ECU(Electronic Control Unit)240とを含む。
電源装置210は、外部電源350から電力の供給を受ける。外部電源350は、代表的には商用系統電源であるが、独立した電源装置であってもよい。電源装置210は、送電ECU240からの制御信号によって制御され、所定の伝送周波数を有する交流電力を生成して送電部220へ供給する。送電部220は、電源装置210から交流電力を受け、送電部220の周囲に生成される電磁界を介して、車両100の受電部110(後述)へ非接触で電力を供給する。
送電ECU240は、送電装置200における各機器の制御を行なう。代表的には、送電ECU240は、所定の伝送周波数を有する交流電力を生成するように電源装置210を制御する。通信部230は、送電装置200が車両100と通信を行なうための通信インターフェースである。
車両100は、受電部110と、PCU(Power Control Unit)120と、モータジェネレータ130と、整流部170と、コンバータ180と、蓄電装置190と、エンジン(図示せず)と、通信部160と、車両ECU300とを含む。
受電部110は、車両100が駐車スペース52G内の所定位置に停車して受電部110が送電装置200の送電部220に対向した状態で、送電部220から非接触で電力を受電するように構成される。
整流部170は、受電部110によって受電された交流電力を整流してコンバータ180へ出力する。コンバータ180は、整流部170から出力される電力の電圧を調整して蓄電装置190へ出力する。なお、コンバータ180は、必須の構成ではなく、必要に応じて用いられるとよい。
蓄電装置190は、再充電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置190は、受電部110により受電された電力をコンバータ180から受けて蓄電する。蓄電装置190は、PCU120とも電気的に接続され、車両駆動力を発生させるための電力をPCU120へ供給する。また、蓄電装置190は、モータジェネレータ130で発電された電力をPCU120から受けて蓄電する。
PCU120は、車両ECU300からの制御信号により制御され、蓄電装置190から出力される電力を用いてモータジェネレータ130を駆動する。また、PCU120は、モータジェネレータ130により発電される電力を電圧変換して蓄電装置190へ出力する。
モータジェネレータ130は、走行用の駆動モータであり、モータジェネレータ130の出力トルクは、駆動輪に伝達される。車両100は、このトルクを用いて走行する。モータジェネレータ130は、車両100の回生制動時には、駆動輪の回転力によって発電することができる。モータジェネレータ130によって発電された電力は、PCU120によって電圧変換されて蓄電装置190に蓄えられる。
通信部160は、車両100が送電装置200と無線通信を行なうための通信インターフェースであり、送電装置200の通信部230と各種情報の授受を行なう。車両ECU300は、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、車両100における各機器の制御を行なう。
図2は、図1に示した電力伝送システム10の電気的な構成を詳細に示した図である。図2を参照して、送電装置200の電源装置210は、電源部250と、整合部260とを含む。電源部250は、送電ECU240からの制御信号MODによって制御され、外部電源350から受ける電力を、所定の伝送周波数を有する交流電力に変換する。電源部250は、整流部と、単相インバータとを含む(いずれも図示せず)。なお、外部電源350が直流電源の場合には、整流部は不要である。単相インバータは、たとえばフルブリッジ回路によって構成される。そして、電源部250は、生成された交流電力を、整合部260を介して送電部220へ供給する。
整合部260は、電源部250と送電部220との間に設けられ、電源部250と送電部220との間のインピーダンスを変換(調整)することによって送電装置200側のインピーダンスを車両100側のインピーダンスと整合させる。整合部260によるインピーダンス調整は、固定的に行なわれてもよいし、可変であってもよい。整合部260が可変である場合には、送電ECU240からの制御信号SE10に基づいてインピーダンスが調整される。なお、電源部250が整合部260の機能を含む構成であってもよい。
送電部220は、コイル221(以下「共振コイル」とも称し、「共鳴コイル」等と適宜称してもよい。)と、キャパシタ222とを含む。共振コイル221は、電源部250から整合部260を介して供給される電力を、車両100の受電部110に含まれるコイル111へ非接触で送電する。キャパシタ222は、共振コイル221に接続されて共振コイル221とLC共振回路を形成する。キャパシタ222は、LC共振回路の固有周波数を調整するために設けられる。キャパシタ222は、共振コイル221に並列に接続してもよい。なお、共振コイル221の浮遊容量を利用して所望の固有周波数が得られる場合には、キャパシタ222を設けない構成としてもよい。送電部220と受電部110との間の非接触電力伝送については、後ほど詳しく説明する。
通信部230は、車両100の通信部160と各種情報の授受を行なう。通信部230は、車両100の通信部160から送信される車両情報や、送電の開始および停止を指示する信号等を受信し、その受信した情報や信号等を送電ECU240へ出力する。
送電ECU240は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置、入出力バッファ等を含み(いずれも図示せず)、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、送電装置200における各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路
)で処理することも可能である。
送電ECU240の主要な制御の一つとして、送電ECU240は、所定の周波数を有する交流電力(方形波)を電源部250(インバータ)が生成するように、電源部250のスイッチング制御を行なう。ここで、電源部250のスイッチング動作に伴ない、伝送周波数の整数倍の周波数の高調波ノイズが発生する。この実施の形態では、この高調波ノイズを低減するために、電源部250により生成される交流電圧が1周期中に一定期間だけ零または実質的に零となるように電源部250を制御する。この点については、後ほど詳しく説明する。
一方、車両100の受電部110は、コイル111(以下「共振コイル」とも称し、「共鳴コイル」等と適宜称してもよい。)と、キャパシタ112とを含む。共振コイル111は、送電装置200の共振コイル221から非接触で電力を受電し、その受電された電力を整流部170へ出力する。キャパシタ112は、共振コイル111に接続されて共振コイル111とLC共振回路を形成する。キャパシタ112は、LC共振回路の固有周波数を調整するために設けられる。キャパシタ112は、共振コイル111に並列に接続してもよい。なお、共振コイル111の浮遊容量を利用して所望の固有周波数が得られる場合には、キャパシタ112を設けない構成としてもよい。
整流部170は、受電部110とコンバータ180との間に設けられる。整流部170としては、たとえば、ダイオードブリッジおよび平滑用のキャパシタ(いずれも図示せず)を含む静止型の回路構成とすることができる。整流部170として、スイッチング制御を用いて整流を行なう、いわゆるスイッチングレギュレータを用いることも可能である。
コンバータ180は、整流部170により整流された電力を蓄電装置190の充電電圧に変換する。なお、コンバータ180は、送電装置200と車両100とのインピーダンスを整合させる整合器としての機能を有し、送電装置200の整合部260によってインピーダンスを十分に整合させることが可能であれば省略してもよい。
コンバータ180と蓄電装置190との間には、充電リレー(以下「CHR(CHarging Relay)」とも称する。)185が設けられる。CHR185は、車両ECU300からの制御信号SE2により制御され、コンバータ180から蓄電装置190への電力の供給と遮断とを切換える。
蓄電装置190は、再充電可能な直流電源であり、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池あるいは鉛蓄電池などの二次電池や、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子によって構成される。蓄電装置190は、受電部110により受電された電力を蓄電する。また、蓄電装置190は、システムメインリレー(以下「SMR(System Main Relay)」とも称する。)115を介してPCU120とも接続され、車両駆動力を発生させるための電力をPCU120へ供給する。また、蓄電装置190は、モータジェネレータ130で発電された電力をPCU120から受けて蓄電する。
SMR115は、蓄電装置190とPCU120との間に設けられる。SMR115は、車両ECU300からの制御信号SE1によって制御され、蓄電装置190とPCU120との間での電力の供給と遮断とを切換える。
PCU120は、コンバータやインバータを含む(いずれも図示せず)。コンバータは、車両ECU300からの制御信号PWCにより制御され、蓄電装置190とインバータとの間で電圧変換を行なう。インバータは、車両ECU300からの制御信号PWIにより制御され、コンバータにより電圧変換された電力を用いてモータジェネレータ130を駆動する。なお、コンバータは必須の構成ではなく、蓄電装置190とインバータとの間で電力を直接やり取りしてもよい。
モータジェネレータ130は、交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機によって構成される。モータジェネレータ130の回転軸は、動力伝達ギヤ140を介して駆動輪150と連結される。なお、エンジン(図示せず)がさらに搭載されるハイブリッド車両の場合は、エンジンおよびモータジェネレータ130を協調的に動作させることによって、必要な車両駆動力が発生される。この場合、エンジンの動力を用いて発電することにより蓄電装置190を充電することも可能である。
車両ECU300は、CPU、記憶装置、入出力バッファ等を含み(いずれも図示せず)、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、車両100における各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
電圧センサ195は、受電部110の受電電圧Vreを検出する。電流センサ196は、受電部110の受電電流Ireを検出する。受電電圧Vreおよび受電電流Ireの各検出値は、車両ECU300に送信され、電力伝送効率の演算等に用いられる。
なお、図3に示すように、送電装置200において、送電部220を電源装置210と絶縁するために、電源装置210と送電部220との間にコイル223,224によって形成されるトランス225を設けてもよい。同様に、車両100において、受電部110を整流部170以降の回路と絶縁するために、受電部110と整流部170との間にコイル113,114によって形成されるトランス116を設けてもよい。
なお、車両100において、受電部110の共振コイル111は、車両の底面(車両外)に設けられ(後述)、一方、トランス116は車両内に設けられる。受電部110のキャパシタ112は、共振コイル111とともに車両外に設けてもよく、トランス116とともに車両内に設けてもよい。
(電力伝送の原理)
図4は、送電装置200から車両100への電力伝送時の等価回路図である。図4を参照して、送電装置200の送電部220において、共振コイル221は、キャパシタ222とともにLC共振回路を形成する。車両100の受電部110においても、LC共振回路が形成される。共振コイル221およびキャパシタ222によって形成されるLC共振回路の固有周波数と、受電部110のLC共振回路の固有周波数との差は、前者の固有周波数または後者の固有周波数の±10%以下である。そして、共振コイル221は、電源装置210から電力を受け、車両100の受電部110へ非接触で送電する。
一方、車両100において、受電部110の共振コイル111は、キャパシタ112とともにLC共振回路を形成する。上述のように、共振コイル111およびキャパシタ112によって形成されるLC共振回路の固有周波数と、送電装置200の送電部220における、共振コイル221およびキャパシタ222によって形成されるLC共振回路の固有周波数との差は、前者の固有周波数または後者の固有周波数の±10%である。そして、共振コイル111は、送電装置200の送電部220から非接触で受電する。電気負荷118は、受電部110によって受電された電力を受ける電気機器であり、具体的には、整流部170(図2)以降の電気機器を包括的に表わしたものである。
送電装置200において、電源装置210から共振コイル221へ交流電力が供給される。そうすると、共振コイル221と車両100の共振コイル111との間に形成される電磁界を通じて共振コイル221から共振コイル111へエネルギ(電力)が移動する。共振コイル111へ移動したエネルギ(電力)は、車両100の電気負荷118へ伝送される。
(送電部の構成)
図5は、送電装置200の送電部220の斜視図である。図6は、図5中のVI−VI線に沿った矢視断面図である。図7は、図5中のVII−VII線に沿った矢視断面図である。図8は、送電部220の平面図である。なお、図5において、「U」は鉛直方向上方を示し、「D」は鉛直方向下方を示す。
図5から図8を参照して、送電部220は、図2に示した共振コイル221を構成するコイルユニット64と、キャパシタ222(図示せず)と、電磁遮蔽板410と、磁性材420とを含む。コイルユニット64は、フェライトコア61と、送電コイル62とを含む。コイルユニット64は、いわゆるソレノイド型のコイルタイプである。
送電コイル62は、キャパシタ222および電源装置210(図示せず)に電気的に接続される。送電コイル62は、一端から他端に向かうにつれて、巻回軸O1の周囲を取り囲むとともに巻回軸O1の延びる方向に移動するように形成される。そして、送電コイル62は、コイルユニット64が受電部110のコイルユニット24(後述)と対向する方向DR1(図5)に対して巻回軸O1が交差するように配置される。
なお、巻回軸O1が方向DR1に対して交差するとは、巻回軸O1が方向DR1に対して直交または実質的に直交していることを意味する。実質的に直交するとは、直交している状態からたとえば0°より大きく±15°以下の範囲でずれた状態で交差している場合を含む。巻回軸O1は、好ましくは、方向DR1に対して80°以上100°以下の角度範囲で交差しているとよい。巻回軸O1は、より好ましくは、方向DR1に対して85°以上95°以下の角度範囲で交差しているとよい。巻回軸O1は、最適には、方向DR1に対して90°の角度で交差しているとよい。
フェライトコア61は、磁極部61A,61Bおよび軸部61Cを有する。フェライトコア61は、全体として平面視H形状を有する(図8)。軸部61Cは、板状に形成され、送電コイル62の巻回軸O1が延びる方向DR2(図5)に沿って延びる形状を有する。
磁極部61Aは、巻回軸O1が延びる方向DR2における軸部61Cの一方の端部に設けられる。磁極部61Aは、板状に形成される。磁極部61Aは、巻回軸O1が延びる方向DR2に対して交差(直交または実質的に直交)する方向に沿って延びる形状を有する。磁極部61Bは、巻回軸O1が延びる方向DR2における軸部61Cの他方の端部に設けられる。磁極部61Bも、板状に形成される。磁極部61Bも、巻回軸O1が延びる方向DR2に対して交差する方向に沿って延びる形状を有する。
電磁遮蔽板410は、平板状の形状を有する。電磁遮蔽板410としては、たとえばアルミ板や銅板(または銅箔)等の金属シールド材を用いることができる。電磁遮蔽板410は、送電コイル62から見て鉛直方向下方Dの側に位置している。すなわち、電磁遮蔽板410は、コイルユニット64から見て受電部110のコイルユニット24と対向する側とは反対側に配置される。
図8に示すように、方向DR1に沿って電磁遮蔽板410を平面視した場合、電磁遮蔽板410の外縁(外形線)は、矩形状を有している。電磁遮蔽板410の外縁は、コイルユニット64の外縁よりも外側に位置している。方向DR1に沿って電磁遮蔽板410を平面視した場合の電磁遮蔽板410の面積は、方向DR1に沿ってコイルユニット64を平面視した場合のコイルユニット64の面積よりも大きい。
磁性材420は、全体として鉛直方向上方Uに向けて開口する形状を有し、背面部421および側壁部422〜425を含む。背面部421および側壁部422〜425は、いずれも平板状の形状を有し、たとえばフェライト、圧粉鉄(圧粉鉄心)、アモルファス(アモルファスコア)、酸化鉄、酸化クロム、またはコバルトなどのいわゆる強磁性材から形成されている。背面部421および側壁部422〜425を作製する場合、背面部421および側壁部422〜425は、分割された複数のフェライトが組み合わされることにより作製されてもよいし、単一のフェライトにより作製されてもよい。
背面部421は、電磁遮蔽板410から見て送電コイル62が位置している側とは反対側に位置する。背面部421は、たとえば地面490(図6,7)に取り付けられる。電磁遮蔽板410は、背面部421と送電コイル62との間において方向DR2に沿って延びている。方向DR1に沿って背面部421を平面視した場合、背面部421の外縁(外形線)は、矩形状を有している。方向DR1に沿って電磁遮蔽板410および背面部421を平面視した場合、背面部421の外縁は、電磁遮蔽板410の外縁よりも外側に位置している(図8)。方向DR1に沿って背面部421を平面視した場合の背面部421の面積は、方向DR1に沿って電磁遮蔽板410を平面視した場合の電磁遮蔽板410の面積よりも大きい。
側壁部422〜425は、全体として矩形環状に配置されており、背面部421の外縁から鉛直方向上方Uの側に立ち上がるように設けられている。方向DR1に沿って側壁部422〜425および送電コイル62を平面視した場合、側壁部422〜425は、送電コイル62の外縁よりも外側に位置し、送電コイル62に間隔を空けて送電コイル62の周囲を取り囲んでいる。
側壁部422は、送電コイル62から見て方向DR2の一方側において、方向DR2に対して交差(本実施の形態においては直交)するように配置される。側壁部424は、送電コイル62から見て方向DR2の他方側において、方向DR2に対して交差(本実施の形態においては直交)するように配置される。
側壁部422,424は、巻回軸O1に対して交差(直交または実質的に直交)するように延びる板状の形状を有している。側壁部422,424は、互いに平行に延びる形状を有している。側壁部422,424は、湾曲する板状の形状を有していてもよい。これらが板状の形状を有していない場合であっても、側壁部422,424は、巻回軸O1に交差または直交もしくは実質的に直交する部分を有しているとよい。磁性材420には、側壁部422および側壁部424のうちのいずれかのみが用いられてもよい。
側壁部423,425は、側壁部422,424の間においてこれらと矩形環を形成するように設けられ、送電コイル62に間隔を空けて送電コイル62を両外側から挟み込むように配置されている。側壁部423,425は、互いに平行に延びる形状を有している。側壁部423,425は、湾曲する板状の形状を有していてもよい。側壁部422〜425は、全体として円環状、楕円環状、および多角形の環状に配置されていてもよい。図6,図7に示すように、鉛直方向上方Uにおける側壁部422〜425の上端の位置は、鉛直方向上方Uにおける巻回軸O1の位置よりも上方に位置しているとよい。
なお、電磁遮蔽板410は必須の構成ではなく、磁性材420のみでも漏洩電磁界の抑制効果を有するが、磁性材420とともに電磁遮蔽板410を設けることによって、漏洩電磁界のさらなる抑制効果が得られる。
(受電部の構成)
図9は、図1に示した車両100の底面図である。なお、図9において、「L」は車両左方向を示し、「R」は車両右方向を示す。また、「F」は車両前進方向を示し、「B」は車両後退方向を示す。
図9を参照して、車両100は、車両本体70と、車輪19F,19Bとを備える。車両本体70は、底面76を有する。車両100の底面76とは、車輪19F,19Bが地面に接地した状態において、地面に対して鉛直方向下方に離れた位置から車両100を見たときに、車両100のうちの視認可能な領域である。底面76には、フロアパネル69、サイドメンバ67Sおよびクロスメンバが設けられる。フロアパネル69は、板状の形状を有し、車両100の内部と車両100の外部とを区画する。サイドメンバ67Sおよびクロスメンバは、フロアパネル69の下面に配置される。
受電部110は、底面76に設けられるケース体106に収容される。ケース体106(受電部110)は、後輪19BR,19BLの間に位置している。受電部110の近傍には、蓄電装置190が配置される。
受電部110のコイルは、一端から他端に向かうにつれて、巻回軸O2の周囲を取り囲むとともに巻回軸O2の延びる方向に移動するように形成される。巻回軸O2は、直線状の形状を有し、車両前進方向Fに対して平行な方向に延びるように設けられる。受電部110は、送電装置200の送電部220(図示せず)に対向した状態で、送電部220から非接触で電力を受電する。
図10は、車両100の受電部110の斜視図である。なお、図10において、「U」、「D」、「L」、「R」、「F」および「B」が示す方向は、図5および図9の場合と同様である。
図10を参照して、受電部110は、図2に示した共振コイル111を構成するコイルユニット24と、キャパシタ112(図示せず)と、電磁遮蔽板510と、磁性材520とを含む。コイルユニット24は、フェライトコア21と、受電コイル22とを含む。コイルユニット24は、いわゆるソレノイド型のコイルタイプである。
受電コイル22は、キャパシタ112および整流部170(図示せず)に電気的に接続される。受電コイル22は、コイルユニット24が送電部220のコイルユニット64(図5)と対向する方向DR1に対して交差する巻回軸O2(方向DR2)の周囲を取り囲むように形成される。
フェライトコア21は、磁極部21A,21Bおよび軸部21Cを有する。フェライトコア21は、全体として平面視H形状を有する。軸部21Cは、板状に形成され、受電コイル22の巻回軸O2が延びる方向DR2に沿って延びる形状を有する。
磁極部21Aは、巻回軸O2が延びる方向DR2における軸部21Cの一方の端部に設けられる。磁極部21Aは、板状に形成される。磁極部21Aは、巻回軸O2が延びる方向DR2に対して交差(直交または実質的に直交)する方向に沿って延びる形状を有する。磁極部21Bは、巻回軸O2が延びる方向DR2における軸部21Cの他方の端部に設けられる。磁極部21Bも、板状に形成される。磁極部21Bも、巻回軸O2が延びる方向DR2に対して交差する方向に沿って延びる形状を有する。
電磁遮蔽板510は、平板状の形状を有する。電磁遮蔽板510についても、電磁遮蔽板410(図5)と同様に、たとえばアルミ板や銅板(または銅箔)等の金属シールド材を用いることができる。電磁遮蔽板510は、受電コイル22から見て鉛直方向上方Uの側に位置している。すなわち、電磁遮蔽板510は、コイルユニット24から見て送電部220のコイルユニット64と対向する側とは反対側に配置される。
磁性材520は、全体として鉛直方向下方Dに向けて開口する形状を有し、背面部521および側壁部522〜525を含む。背面部521および側壁部522〜525は、いずれも平板状の形状を有し、たとえばフェライト、圧粉鉄(圧粉鉄心)、アモルファス(アモルファスコア)、酸化鉄、酸化クロム、またはコバルトなどのいわゆる強磁性材から形成されている。背面部521および側壁部522〜525を作製する場合、背面部521および側壁部522〜525は、分割された複数のフェライトが組み合わされることにより作製されてもよいし、単一のフェライトにより作製されてもよい。
図11は、送電部220と受電部110との間で電力伝送が行なわれている様子を模式的に示す斜視図である。図11を参照して、電力伝送が行なわれるとき、受電部110のコイルユニット24がエアギャップを空けて送電部220のコイルユニット64に対向するように配置される。そして、所定の周波数の交流電力が送電コイル62に供給される。そうすると、送電コイル62の周囲に、所定の周波数で振動する電磁界が形成される。この電磁界に形成される磁束は、いわゆるアーチ型形状を有している。受電部110の受電コイル22は、この電磁界から電力を受ける。
図12は、送電部220と受電部110との間で電力伝送が行なわれているときの様子を示す断面図である。図12を参照して、電力伝送が行なわれるとき、電磁界に形成される磁束は、電力伝送に直接的に供される磁束DR11の他に、電力伝送に直接的には供しない磁束DR21,DR22,DR31,DR32(漏洩磁束)を含む。
一般的に、送電部および受電部が電力を送受電するときに相対的に位置ずれしていた場合、電力伝送の効率は低下しやすい。一般的に、位置ずれしたとしても電力伝送の効率の低下を抑制可能な構成を送電部および受電部が有している場合、電力伝送に直接的には供しない漏洩磁束は多くなりやすい。
この実施の形態においては、磁性材420,520の存在によって、平易に磁性を帯びるというこれらの特性が発揮され、いわゆるバイパス磁路が形成されることにより、漏洩磁束として周囲に広がろうとする磁束DR21,DR22,DR31,DR32が低減されることとなる。
磁性材420,520として用いられる材料としては、非接触の電力伝送に使用する伝送周波数での磁気抵抗が小さく(比透磁率がフェライト相当の値よりも高く)、損失が小さい(フェライト相当の値以下の損失を有している)ことが好ましい。たとえば、非接触で電力を送電している際の伝送周波数において、磁性材420,520の比透磁率は、100よりも大きいことが好ましい。磁性材420,520のコアロスは、10000kW/m3よりも小さいことが好ましい。
このように、送電部220(受電部110)において、磁性材420(磁性材520)を設けることによって漏洩電磁界を低減することができ、電磁遮蔽板410(電磁遮蔽板510)を設けることによって、さらに効果的に漏洩電磁界を低減することができる。
上記の磁性材420,520や電磁遮蔽板410,510は、電力伝送に伴ない発生する電磁界の基本波成分(伝送周波数)の漏洩低減を主に目的としている。この実施の形態においては、さらに、送電装置200の電源部250を構成するインバータのスイッチングデューティーを制御することによって、電力伝送に伴ない発生する電磁界の高調波成分の低減が図られる。以下、この点について説明する。
(電源部の構成)
図13は、図2に示した電源部250の構成図である。図13を参照して、電源部250は、整流部252と、単相インバータ254とを含む。整流部252は、外部電源350から受ける電力を整流して単相インバータ254へ供給する。なお、外部電源350が直流電源の場合には、整流部252を省略してもよく、または整流部252に代えてDC/DCコンバータを設けてもよい。
単相インバータ254は、半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する。)Q1〜Q4と、スイッチング素子Q1〜Q4にそれぞれ逆並列に接続されるダイオードD1〜D4とを含む。単相インバータ254は、代表的には、図示されるようなフルブリッジ回路によって構成されるが、その他のタイプの単相インバータも採用可能である。
なお、スイッチング素子Q1〜Q4としては、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等を用いることができる。
単相インバータ254は、送電ECU240からの制御信号に基づいて、所定の伝送周波数を有する方形波の交流電圧を生成し、その生成された交流電圧を、整合部260を介して送電部220へ出力する。
送電ECU240は、単相インバータ254を駆動するための制御信号を生成し、その生成された制御信号を単相インバータ254へ出力する。ここで、送電ECU240は、単相インバータ254の出力電圧に含まれる高調波を低減するために、単相インバータ254の出力電圧(方形波の交流電圧)のパルス幅を制御する。具体的には、送電ECU240は、単相インバータ254の出力電圧(方形波の交流電圧)が1周期中に一定期間だけ零または実質的に零となるように単相インバータ254をスイッチング制御する。
図14は、単相インバータ254の出力電圧の波形を示した図である。図14を参照して、伝送周波数はω/2πとする。すなわち、単相インバータ254の出力電圧の周期は2π/ωである。そして、この実施の形態では、出力電圧のパルス幅がδ(<π/ω(=180°))となるように、送電ECU240によって単相インバータ254が制御される。なお、点線は、送電ECU240による上記のパルス幅制御を実施しないときの出力電圧の波形を示したものである(パルス幅δ=π/ω(=180°))。
図14に示される波形をフーリエ級数に展開すると、出力電圧の第n次高調波の実効値Vnは、次式によって示される。
Vn=4/(√2×πn)×E×sin(nδ/2) …(1)
但し、nは奇数である。
したがって、たとえば、パルス幅がδ=120°となる出力電圧を生成するように送電ECU240によって単相インバータ254を制御すると、第3次高調波を理論上零にすることができる(なお、第9次高調波も零になる。)。あるいは、パルス幅がδ=135°となる出力電圧を生成するように送電ECU240によって単相インバータ254を制御すると、第3次高調波および第5次高調波を約0.38倍に低減することができる。このようにパルス幅δを設定することで、出力電圧の高調波成分を低減することができる。
なお、出力電圧のパルス幅δを120°にすることは、出力電圧が1周期の1/3の期間だけ零または実質的に零となるように単相インバータ254を制御すること、あるいは、単相インバータ254のスイッチング素子Q1,Q4またはQ2,Q3のオンデューティを半周期の2/3とするように制御することに相当する。また、出力電圧のパルス幅δを135°にすることは、出力電圧が1周期の1/4の期間だけ零または実質的に零となるように単相インバータ254を制御すること、あるいは、単相インバータ254のスイッチング素子Q1,Q4またはQ2,Q3のオンデューティを半周期の3/4とするように制御することに相当する。
図15は、磁性材420および電磁遮蔽板410のシールドを設けず、かつ、インバータ制御による高調波対策を実施しない場合の、送電部220の周囲の電界強度を示した図である。また、図16は、磁性材420および電磁遮蔽板410のシールドを設け、インバータ制御による高調波対策を実施しない場合の、送電部220の周囲の電界強度を示した図である。図17は、磁性材420および電磁遮蔽板410のシールドを設け、かつ、インバータ制御による高調波対策を実施した場合の、送電部220の周囲の電界強度を示した図である。図17が本実施の形態に対応するものであり、図15,16は、本実施の形態に対する比較例である。なお、インバータ制御による高調波対策については、いずれのケースもパルス幅δは120°とした。
図15から図17を参照して、磁性材420および電磁遮蔽板410のシールドを設けることによって、基本波成分(周波数f)の電界強度を低減できている(図15と図16,17との比較)。さらに、インバータ制御による高調波対策によって、第3次高調波(周波数3f)の電界強度を大幅に低減できていることが分かる(図15,16と図17との比較)。
以上のように、この実施の形態によれば、送電装置200の送電部220から車両100の受電部110への電力伝送時における漏洩電磁界を効果的に抑制することができる。そして、この実施の形態においては、電源部250により生成される方形波の交流電圧が1周期中に一定期間だけ零または実質的に零となるように電源部250が制御される。これにより、伝送周波数の高調波成分が抑制される。したがって、この実施の形態によれば、さらに高調波ノイズを十分に低減することができる。
なお、送電装置200における送電部および/または車両100に搭載される受電部の構成は、上記の実施の形態で説明した構成に限定されるものではなく、磁性材および/またはコイルユニットの構成について種々の変形を採用し得る。以下、その一例について説明する。
[変形例1]
図18は、送電部の変形例を示す平面図である。また、図19は、図18中のXIX−XIX線に沿った矢視断面図である。図18,図19を参照して、送電部220Aは、図5から図8に示した送電部220の構成において、磁性材420に代えて磁性材420Aを含む。
磁性材420Aは、背面部421を有しており、図5から図8に示した磁性材420における側壁部を有していない。磁性材420Aのその他の構成は、磁性材420と共通している。
このような構成においても、磁性材420Aの背面部421の存在によって、電力伝送が行なわれる際に平易に磁性を帯びるという特性が発揮され、いわゆるバイパス磁路が形成されることにより、漏洩磁束として周囲に広がろうとする磁束が低減される。したがって、電力伝送の際に発生する漏洩電磁界を低減することができる。
なお、特に図示しないが、磁性材が側壁部を有しない構成は、車両100に搭載される受電部についても採用し得る。
また、その他の変形例として、送電部および/または受電部の磁性材を側壁部のみによって構成し、背面部を有しない構成としてもよい。
さらに、その他の変形例として、磁性材420の部分をアルミ等の金属シールド材あるいは内面に銅箔を貼付した部材等で構成してもよい。
さらには、車両100においては、金属性の底面76が電磁遮蔽材としても機能し得ることから、受電部については、上述の磁性材や電磁遮蔽板を設けない構成も採用し得る。
[変形例2]
図20は、送電部の他の変形例を示す平面図である。また、図21は、図20中のXXI−XXI線に沿った矢視断面図である。図20,図21を参照して、送電部220Bは、図5から図8に示した送電部220の構成において、コイルユニット64に代えてコイルユニット83を含む。
コイルユニット83は、フェライトコア81と、フェライトコア81の上面に設けられる送電コイル82とを含む。フェライトコア81は、長方形形状となるように形成されている。送電コイル82は、コイル82A,82Bを含む。コイル82A,82Bは、フェライトコア81の長手方向に配列される。
コイル82Aは、鉛直方向に延びる巻回軸O3を中心にリッツ線(コイル線)を巻回することで形成されており、リッツ線は、フェライトコア81の上面に沿う平面内で巻回されている。コイル82Bは、鉛直方向に延びる巻回軸O4を中心にリッツ線(コイル線)を巻回することで形成されており、このリッツ線も、フェライトコア81の上面に沿う平面内で巻回されている。コイル82A,82Bの中空部からは、フェライトコア81が露出している。なお、送電部220Bのその他の構成は、送電部220と同じである。
図22は、送電部220Bと車両側の受電部110Bとの間で電力伝送が行なわれている様子を模式的に示す斜視図である。図22を参照して、車両に搭載される受電部110Bも、送電部220Bと同様に形成されている。すなわち、受電部110Bは、図10に示した受電部110の構成において、コイルユニット24に代えてコイルユニット86を含む。
コイルユニット86は、フェライトコア84と、フェライトコア84の下面に設けられる受電コイル85とを含む。フェライトコア84は、長方形形状となるように形成されている。受電コイル85は、コイル85A,85Bを含む。コイル85A,85Bは、フェライトコア84の長手方向に配列される。コイル85A,85Bの中空部からは、フェライトコア84が露出している。
このように形成された送電部220Bと受電部110Bとの間で電力伝送を行なうと、送電部220Bのコイルユニット83と受電部110Bのコイルユニット86との間で、図示されるような磁路MPが形成される。ここで、コイルユニット83,86間に流れる磁束の一部は、コイルの中空部を流れずにフェライトコア81,84の端部を介して流れる。したがって、コイルユニット83,86の周囲に形成される電磁界は、フェライトコア81,84の長手方向に広く分布し得るところ、送電部220Bおよび受電部110Bに設けられる磁性材(図示せず)によって電磁界の拡散が抑制される。さらに、送電装置200の電源部250の単相インバータ254による上述の高調波対策によって、高調波ノイズも抑制される。
なお、特に図示しないが、この発明は、その他の構成のコイルユニット(たとえば、送電部および受電部の各々がヘリカルコイルを含むもの等)も採用し得るものである。
なお、上記において、コイルユニット64,83は、この発明における「送電ユニット」の一実施例に対応し、コイルユニット24,86は、この発明における「受電ユニット」の一実施例に対応する。また、磁性材420および/または電磁遮蔽板410は、この発明における「電磁波抑制部材」の一実施例に対応し、送電ECU240は、この発明における「制御部」の一実施例に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 電力伝送システム、19F,19B 車輪、21,61,81,84 フェライトコア、21A,21B,61A,61B 磁極部、21C,61C 軸部、22,85 受電コイル、24,64,83,86 コイルユニット、62,82 送電コイル、67S サイドメンバ、69 フロアパネル、70 車両本体、76 底面、100 車両、106 ケース体、110 受電部、111,221 共振コイル、112,222 キャパシタ、115 SMR、116,225 トランス、118 電気負荷、120 PCU、130 モータジェネレータ、140 動力伝達ギヤ、150 駆動輪、160,230 通信部、170 整流部、180 コンバータ、185 CHR、190 蓄電装置、200 送電装置、210 電源装置、220,220A,220B 送電部、240 送電ECU、250 電源部、252 整流部、254 単相インバータ、260 整合部、300 車両ECU、350 外部電源、410,510 電磁遮蔽板、420,420A,520 磁性材、421 背面部、422〜425 側壁部、490 地面、Q1〜Q4 スイッチング素子、D1〜D4 ダイオード。

Claims (13)

  1. 受電装置の受電ユニットへ非接触で送電するための送電ユニットと、
    前記送電ユニットから見て、前記受電ユニットに対向する側とは反対側の位置、および前記受電ユニットに対向する方向に沿って前記送電ユニットを平面視した場合に前記送電ユニットの外縁よりも外側の位置のうちの少なくとも一方に配置される電磁波抑制部材と、
    方形波の交流電圧を生成して前記送電ユニットへ供給する電源部と、
    前記交流電圧が1周期中に一定期間だけ零または実質的に零となるように前記電源部を制御する制御部とを備える送電装置。
  2. 前記電磁波抑制部材は、磁性材である、請求項1に記載の送電装置。
  3. 前記電磁波抑制部材は、金属シールド材である、請求項1に記載の送電装置。
  4. 前記制御部は、前記電源部の出力電圧が1周期の1/4から1/3の期間だけ零または実質的に零となるように前記電源部を制御する、請求項1に記載の送電装置。
  5. 前記電源部は、前記交流電圧の周波数に従ってオンオフされるスイッチング素子を含み、
    前記制御部は、前記スイッチング素子のオンデューティが半周期よりも短くなるように前記電源部を制御する、請求項1に記載の送電装置。
  6. 前記制御部は、前記スイッチング素子のオンデューティが半周期の2/3から3/4となるように前記電源部を制御する、請求項5に記載の送電装置。
  7. 前記電磁波抑制部材は、前記送電ユニットを内部に収容し、かつ、前記送電ユニットから見て前記受電ユニットに対向する側が開口するように構成される、請求項1に記載の送電装置。
  8. 前記電磁波抑制部材は、
    前記送電ユニットを内部に収容し、かつ、前記送電ユニットから見て前記受電ユニットに対向する側が開口するように構成される磁性材と、
    前記送電ユニットから見て前記受電ユニットに対向する側とは反対側の位置に配置される金属シールド材とを含む、請求項7に記載の送電装置。
  9. 前記電磁波抑制部材は、
    前記送電ユニットから見て前記受電ユニットに対向する側とは反対側の位置に配置される背面部と、
    前記受電ユニットに対向する方向に沿って前記送電ユニットを平面視した場合に前記送電ユニットの外縁よりも外側に位置する側壁部とを含む、請求項1に記載の送電装置。
  10. 前記送電ユニットは、送電コイルを含み、
    前記送電コイルは、一端から他端に向かうにつれて、巻回軸の周囲を取り囲むとともに前記巻回軸の延びる方向に移動するように形成され、
    前記送電コイルは、前記巻回軸が前記受電ユニットに対向する方向に対して交差するように配置される、請求項1に記載の送電装置。
  11. 前記電源部は、単相電圧型インバータを含む、請求項1に記載の送電装置。
  12. 請求項1に記載の送電装置と、
    前記送電装置から出力される電力を非接触で受電する受電装置とを備える電力伝送システム。
  13. 前記受電装置は、車両に搭載される、請求項12に記載の電力伝送システム。
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