JP2014231902A - 円筒ころ軸受 - Google Patents

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拓也 大山
Takuya Oyama
拓也 大山
裕樹 坂口
Hiroki Sakaguchi
裕樹 坂口
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【課題】低速回転で使用される場合でも固定輪の磨耗を抑制可能な円筒ころ軸受を提供する。
【解決手段】本発明に係る円筒ころ軸受10は、外周面に内輪軌道面22が形成された内輪20と、内周面に外輪軌道面32が形成された外輪30と、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に転動自在に周方向に複数配置されたころ40と、を備える。円筒ころ40は、少なくとも軸方向中央部にストレート部42を有する。前記内輪軌道面22および前記外輪軌道面32は、単一円弧クラウニング形状を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は円筒ころ軸受に関する。
製鋼工場においては、スラブやビレットまたは丸棒のような単純な断面形状の製品を溶鋼から連続的に直接生産するため、連続鋳造法が使用されている。連続鋳造法によって成型されるスラブやビレットは、その表裏両面側に進行方向に沿って配列されている多数のガイドロールにより導かれて搬送されながら、徐々に冷却される。ガイドロールのネック部に使用されるガイドロール用軸受の内外輪は、ガイドロールのたわみやハウジングの傾きにより傾きが生じ得るため、ガイドロール用軸受として一般的には自動調心ころ軸受が使用されている。
ところで、ガイドロール用軸受は極低速回転で使用されるため、軌道輪と転動体との間に潤滑剤が引き込まれにくく、油膜が形成されにくい。また、使用環境からも軸受内部への浸水が避けられないため、潤滑状態が悪化して、金属接触により摩耗が発生するおそれがある。特に、自動調心ころ軸受においては、差動滑りが大きく、摩耗量が大きくなり、
剥離の発生や割損にいたるおそれがある。
自動調心ころ軸受の摩耗低減策としては、軌道輪の表層に浸炭窒化層を形成し、この浸炭窒化層の残留オーステナイト量を10体積%以上、表面硬さをロックウェル固さHRC58以上とすることが提案されている(例えば特許文献1)。
また、軸受を潤滑するグリース組成物の潤滑基油にジウレア化合物を添加すると共に高分子化合物とコハク酸及びまたはコハク酸誘導体を添加することが提案されている(例えば特許文献2)。この構成によれば、回転領域や摺動領域における潤滑油膜を厚く維持することができ、焼き付き等を防止して軸受の損傷を低減することができる。
また、自動調心ころ軸受の外輪の外径面にクラウニングを設けて、外輪とハウジングとの間に逃げ代を設けることが提案されている(例えば特許文献3)。この構成によれば、軸受が荷重を受けた際に外輪が弾性変形し、軌道面との接触面圧が均等化するため、偏摩耗を抑制することができる。
特開2000−246410号公報 特開2003−073682号公報 特開2003−343554号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術では、合金元素を多量に使用しており、さらに浸炭窒化を行う必要があるため、軌道輪の製造コストが増大してしまうおそれがある。
また、特許文献2の技術では、周囲環境によって軸受内部に多量に浸水した際には効果が限定的となってしまうおそれがある。
また、特許文献3の技術では、はめ合い部の接触長さが短くなり、ハウジングに対して外輪の倒れが生じるおそれがあり、十分な対策とはいえない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、低速回転で使用される場合でも固定輪の摩耗を抑制可能な円筒ころ軸受を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)外周面に内輪軌道面が形成された内輪と、内周面に外輪軌道面が形成された外輪と、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に転動自在に周方向に複数配置された円筒ころと、
を備える円筒ころ軸受であって、
前記円筒ころが、少なくとも軸方向中央部にストレート部を有し、
前記内輪軌道面および前記外輪軌道面が単一円弧クラウニング形状を有することを特徴とする円筒ころ軸受。
(2) 前記円筒ころの最大径をDw、前記円筒ころの軸方向寸法をLとしたとき、1.6≦L/Dw≦3.0の関係式を満たすことを特徴とする(1)に記載の円筒ころ軸受。
(3) 前記円筒ころの最大径をDw、前記円筒ころ軸受の断面の径方向寸法をHとしたとき、0.55≦Dw/H≦0.65の関係式を満たすことを特徴とする(1)または(2)に記載の円筒ころ軸受。
本発明によれば、低速回転で使用される場合でも固定輪の摩耗を抑制可能な円筒ころ軸受を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかる円筒ころ軸受を示す模式図である。 (a)は図1の円筒ころ軸受の外輪の要部拡大図、(b)は図1の円筒ころ軸受の内輪の要部拡大図である。 ころの最大面圧と、ころ長径比と、の関係を示すグラフである。 ころの最大面圧と、ころ最大径と断面高さの比と、の関係を示すグラフである。 ころの最大面圧と、外輪軌道面の落ち量Aところ最大径の比と、の関係を示すグラフである。 ころの最大面圧と、内輪軌道面の落ち量Bところ最大径の比と、の関係を示すグラフである。 図1の円筒ころ軸受で使用されるころの形状を説明するための部分拡大図である。 ころの最大面圧と、クラウニング落ち量Cところ最大径の比と、の関係を示す図である。 比較例の自動調心ころ軸受を示す図である。 実施例の円筒ころ軸受の外輪の摩耗量を示すグラフである。 比較例の自動調心ころ軸受の外輪の摩耗量を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る円筒ころ軸受について、図1〜8を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る円筒ころ軸受10は、保持器を有さない総ころ式の転がり軸受であって、外周面に内輪軌道面22が形成された内輪20と、軸方向両端部につば34、34が形成されると共に内周面に外輪軌道面32が形成された外輪30と、内輪軌道面22と外輪軌道面32との間に転動自在に周方向に複数配置されたころ40と、を備える。ころ40の転動面は、円筒形状に形成されたストレート部42と、ストレート部の軸方向両側からころ40の軸方向端面にかけて凸曲状に形成されたクラウニング部44と、を有する。このクラウニング部44により、円筒ころ軸受10が調心性を有することとなる。円筒ころ軸受10の材料は焼入れ可能な鋼であればよく、例えば軸受鋼、浸炭鋼等から作製可能である。円筒ころ軸受10は、所定量のグリースが充填されることにより潤滑されるが、円筒ころ軸受10の内部はシール50、50により密封空間となるため、外部へグリースが排出されにくい構造となっている。
本実施形態に係る円筒ころ軸受10は、スラブやビレットを成型する連続鋳造設備のガイドロール1のネック部3をハウジング5に対して回転自在に支承している。ガイドロール1をスラブが通過する際には円筒ころ軸受10がかなり大きな荷重を受けるが、本実施形態においては円筒ころ軸受10が総ころ式であるために負荷容量が大きくなるので、円筒ころ軸受10の寿命低下を抑制することができる。
ところで、一般に、円筒ころ軸受は差動すべりが少ないという利点を有するが、ガイドロール1のたわみやハウジング5の傾きによって軌道輪に相対的な傾きが生じると、軌道輪(特に固定輪である外輪)との接触部におけるころの端部の面圧が過大となる傾向がある。しかしながら、本発明者は、円筒ころ軸受の各種寸法や形状等を適切に規定することによって、面圧が過大になることを抑制し、摩耗を大幅に低減できることを見出した。
また、一般に、円筒ころ軸受の回転時には、円筒ころ軸受の回転方向ところの回転方向が一致せずに、ころの回転軸が周方向に倒れてスキューを生じることがある。特に、総ころ式の円筒ころ軸受においてはころ同士が接触しやすいため、スキューの発生が問題となる。本実施形態においては、ころ40は、軸方向中央部においてストレート部42を有している。このような、ストレート部42を有するころ40によれば、軸方向全体にわたってクラウニング形状を有するころに比べて、スキューの発生を抑制することができ、転動面(ストレート部42)の表面粗さの精度を向上することができる。
ここで、本実施形態では、ころ40の最大径(ストレート部42の径。以下、ころ径と呼ぶ)をDw、ころ40の軸方向寸法(以下、ころ長と呼ぶ)をLとしたとき、ころ長径比(L/Dw)を規定することにより、軌道輪との接触部におけるころ40の端部の面圧を抑制する。ころ長径比(L/Dw)と、軌道輪との接触部におけるころ40の最大面圧と、の関係を図3に示す。図3に示すように、ころ長径比(L/Dw)が大きくなると、ころ40と軌道輪との接触面積が大きくなって圧力を受ける範囲が拡大されるので、ころ40の端部の面圧は小さくなる。面圧低減効果は、L/Dw=1.6でほぼ飽和する。また、L/Dw>3.0となると、ころ40の加工が難しくなり、さらにつば厚さが不足して十分なつば強度の確保が難しくなる。そのため、本発明では、ころ長径比(L/Dw)を、1.6≦L/Dw≦3.0と規定する。ころ長径比(L/Dw)は、2.0≦L/Dw≦2.8であるとさらに好ましい。
また、本実施形態では、円筒ころ軸受10の断面高さ(径方向寸法)をHとしたとき、ころ径Dwと断面高さHとの比(Dw/H)を規定することにより、軌道輪との接触部におけるころ40の端部の面圧をさらに抑制することができる。ころ径Dwと断面高さHの比(Dw/H)と、ころ40の最大面圧と、の関係を図4に示す。図4に示すように、ころ径Dwが大きくなるにつれて、ころ40の面圧が小さくなるため、ころ40と軌道輪との接触面圧を小さくすることができる。面圧低減効果は、Dw/H≧0.55でより効果的となる。また、Dw/H>0.65となると、軌道輪の肉厚が薄くなりすぎて加工が困難になる。そのため、ころ径Dwと断面高さHは、0.55≦Dw/H≦0.65を満たすことが好ましい。
さらに、本実施形態では、内輪20の内輪軌道面22および外輪30の外輪軌道面32が、単一円弧クラウニング形状を有するように形成されている。当該構成によれば、内輪軌道面22および外輪軌道面32の軸方向端部にクラウニング部、軸方向中央部に平坦部を設けた場合と比較して、ころ40の端部における急激な面圧上昇を抑えることが可能である。
本実施形態では、図2(a)に示すように、外輪軌道面32の軸方向中央部から軸方向端部(すなわち、逃げ部33と外輪軌道面32との接続部)への落ち量(外輪軌道面32の軸方向中央部と外輪軌道面32の軸方向端部との高低差。以下、外輪落ち量とも呼ぶ)をAとする。そして、ころ径Dwと外輪落ち量Aとの比(A/Dw)を規定する。ころ径Dwと外輪落ち量Aの比(A/Dw)と、ころ40の最大面圧と、の関係を図5に示す。図5に示すように、A/Dwが大きくなるにつれて、すなわち外輪落ち量Aが大きくなるにつれて、ころ40の最大面圧は小さくなる。面圧低減効果は、A/Dw≧0.0015を満たすときに、より効果的になる。しかしながら、外輪落ち量Aが大きくなるにつれてエッジロードは発生しなくなる一方、逆に外輪軌道面32の軸方向中央部における面圧が大きくなり、また外輪軌道面32の軸方向端部の加工(研削、SF仕上げ)が困難になる。このことから、A/Dw≦0.0310とする。0.0020≦A/Dw≦0.0150であると、より好ましい。これにより、外輪30との接触部におけるころ40の端部の面圧をさらに抑制することができる。
また、本実施形態では、図2(b)に示すように、内輪軌道面22の軸方向中央部から軸方向端部への落ち量(内輪軌道面22の軸方向中央部と軸方向端部との高低差。以下、内輪落ち量とも呼ぶ)をBとする。そして、ころ径Dwと内輪落ち量Bの比(B/Dw)を、0.0020≦B/Dw≦0.0550と規定する。ころ径Dwと内輪落ち量Bとの比(B/Dw)と、ころ40の最大面圧と、の関係を図6に示す。図6に示すように、B/Dwが大きくなるにつれて、すなわち内輪落ち量Bが大きくなるにつれて、ころ40の最大面圧は小さくなる。面圧低減効果は、B/Dw≧0.0020を満たすときに、より効果的になる。しかしながら、内輪落ち量Bが大きくなるにつれてエッジロードは発生しなくなるが、常にエッジロードを受ける外輪30と異なり、内輪20の場合において、エッジロードが発生するころ40は限定的であり、影響が小さい。また、内輪落ち量Bが大きくなるにつれて、ころ40がスキューしやすいという問題もある。また、内輪落ち量Bが大きくなるにつれて、内輪軌道面22の軸方向中央部における面圧が大きくなり、内輪軌道面22の軸方向端部の加工(研削、SF仕上げ)が困難になる。このことから、B/Dw≦0.0550とする。0.0030≦B/Dw≦0.0260であると、より好ましい。これにより、内輪20との接触部におけるころ40の端部の面圧をさらに抑制することができる。
また、本実施形態では、外輪落ち量Aと内輪落ち量Bとが、A<Bを満たすものとする。連続鋳造機では、非常に高温なスラブの通過時にガイドロール1が熱膨張するため、軸箱に設置された円筒ころ軸受10は、つばが設けられない内輪20を用いてガイドロール1の伸びを軸方向外側へ逃がす必要がある。外輪30の軸方向両端部にはつば34、34が形成されているため、内輪20が軸方向に移動した場合であっても、外輪30ところ40の相体的な位置関係は変わらない。しかしながら、内輪20ところ40の相体的な位置関係は変化するため、当該変化に伴って面圧分布も軸方向に移動する。内輪20のクラウニング形状のRが大きいと、ころ40と内輪軌道面22の接触面積が広くなるため、内輪20が軸方向に移動した際には、内輪20ところ40との接触面がころ40の転動面より外れてエッジロードが発生するおそれがある。本実施形態では、A<Bとすることにより、ころ40と内輪軌道面22との接触面積を狭くできるので、ガイドロール1が伸びて内輪20が軸方向に移動した場合であっても、ころ40と内輪軌道面22との接触面圧を小さくして、エッジロードの発生を抑えることができる。
また、本実施形態では、図7に示すように、ころ40において、軸方向中央部に形成されたストレート部42から軸方向端部への落ち量(クラウニング落ち量)をCとする。そして、ころ径Dwとクラウニング落ち量Cとの比を(C/Dw)を、0.0003≦C/Dw≦0.0050と規定する。ころ径Dwところクラウニング落ち量Cとの比と、ころ最大面圧との関係を図8に示す。図8に示すように、C/Dwが大きくなるにつれて、すなわち、ころ40のクラウニング落ち量Cが大きくなるにつれて、ころ40の最大面圧は小さくなる。面圧低減効果は0.0005≦C/Dw≦0.0030を満たすときにより効果的になる。しかしながら、クラウニング落ち量Cが大きくなるにつれてエッジロードは発生しなくなる一方、逆に内輪軌道面22および外輪軌道面32の軸方向中央部における面圧が大きくなる。また、また、クラウニング落ち量Cが大きいと、クラウニング部44の加工(研削、SF仕上げ)が困難になることから、C/Dw≦0.0050であることが好ましい。
また、本実施形態では、ころ40の転動面の表面粗さが、内輪軌道面22および外輪軌道面32の表面粗さよりも小さいものとする。前述したように、連続鋳造機は極低速回転で運転されるために、部材間に油膜が形成されにくい。特に、本実施形態のような総ころ式の円筒ころ軸受10の場合には、転がり接触するころ40と軌道輪間よりも、ころ40同士の接触部において油膜が形成されづらい。このとき、ころ40の転動面の表面粗さが小さければ、ころ40同士の接触部において油膜が形成されやすいため、ころ40の損傷を防止することができる。一方、外輪軌道面32および内輪軌道面22の表面粗さを小さくしても、金属接触が発生することに変わりはない。そのため、外輪軌道面32および内輪軌道面22の表面粗さが多少大きくても、寿命に対する大きな影響はない。したがって、本実施形態では、ころ40の転動面の表面粗さを内輪軌道面22および外輪軌道面32の表面粗さよりも小さくすることにより、ころ40同士の接触によるころ40の損傷を低減することができ、円筒ころ軸受10の寿命を向上することができる。
このように、本実施形態の円筒ころ軸受10によれば、ころ最大径Dw、ころ長L、円筒ころ軸受10の断面高さH、外輪落ち量A、内輪落ち量B、およびクラウニング落ち量Cが、1.6≦L/Dw≦3.0、0.55≦Dw/H≦0.65、0.0015≦A/Dw≦0.0310、0.0020≦B/Dw≦0.0550、A<B、および0.0003≦C/Dw≦0.0050の関係式を満たし、且つころ40の転動面の表面粗さが、内輪軌道面22および外輪軌道面32の表面粗さよりも小さいことにより、耐摩耗性に優れ、寿命を向上した円筒ころ軸受を得ることができる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更、改良等が可能である。例えば、上記した実施形態に係る円筒ころ軸受は、保持器が設けられない総ころ式の転がり軸受であったが、複数のころを周方向に略等間隔に保持する保持器が設けられた円筒ころ軸受もまた本発明の範囲内である。保持器が設けられた円筒ころ軸受によれば、軸の傾きが大きく、ころのスキューが発生しやすい状況においても、スキューの発生を抑制することができ、高荷重下での磨耗や発熱を最小限に抑えることができる。また、保持器によって、円筒ころ軸受の組み付け時のバレを防止することができる。
また、上記した実施形態に係る円筒ころ軸受は、連続鋳造法で用いられるガイドロール用軸受であって、外輪が固定輪、内輪が駆動輪であったが、内輪が固定輪、外輪が駆動輪となるような構成であってもよい。
また、ころ40は、ストレート部が軸方向全体にわたって形成された円筒ころであってもよい。このようなころによれば、スキューの発生をさらに抑制することができると共に、転動面の表面粗さの精度をさらに向上することができる。また、用途に応じて、円筒ころ40が複列または3列以上で設けられてもよく、保持器が設けられてもよい。また、上記した実施形態では、外輪30の軸方向両端部につば34、34が形成されていたが、使用用途や条件によっては、外輪の軸方向一方端部のみにつばが形成されるものであってもよい。
また、ガイドロールへの軸受の取り付け、取り外し時におけるころのバレ防止のため、外輪30または内輪20にバレ止めが設けられていてもよい。また、外輪30および内輪20のクラウニング形状は、外輪落ち量Aおよび内輪落ち量Bを大きくできる限りにおいて、使用用途によっては、複数の円弧形状を有するクラウニング形状や対数クラウニング形状、ストレート形状を有するクラウニング形状としてもよい。
以上述べたように、本発明は下記の特徴を有するものである。
(1)外周面に内輪軌道面が形成された内輪と、内周面に外輪軌道面が形成された外輪と、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に転動自在に周方向に複数配置された円筒ころと、
を備える円筒ころ軸受であって、
前記円筒ころが、少なくとも軸方向中央部にストレート部を有し、
前記内輪軌道面および前記外輪軌道面が単一円弧クラウニング形状を有することを特徴とする円筒ころ軸受。
(2) 前記円筒ころの最大径をDw、前記円筒ころの軸方向寸法をLとしたとき、1.6≦L/Dw≦3.0の関係式を満たすことを特徴とする(1)に記載の円筒ころ軸受。
(3) 前記円筒ころの最大径をDw、前記円筒ころ軸受の断面の径方向寸法をHとしたとき、0.55≦Dw/H≦0.65の関係式を満たすことを特徴とする(1)または(2)に記載の円筒ころ軸受。
(4) 前記円筒ころが、軸方向中央部に形成された前記ストレート部と、前記ストレート部の軸方向両側に形成されたクラウニング部と、を有し、
前記円筒ころの最大径をDw、前記ストレート部から前記円筒ころの軸方向端部への前記クラウニング部の落ち量をCとしたとき、0.0003≦C/Dw≦0.0050の関係式を満たすことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の円筒ころ軸受。
(5) 前記円筒ころの最大径をDw、前記外輪軌道面の軸方向端部から前記外輪軌道面の軸方向中央部への落ち量をAとしたとき、0.0015≦A/Dw≦0.0310の関係式を満たすことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の円筒ころ軸受。
(6) 前記円筒ころの最大径をDw、前記内輪軌道面の軸方向端部から前記内輪軌道面の軸方向中央部への落ち量をBとしたとき、0.0020≦B/Dw≦0.0550の関係式を満たすことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の円筒ころ軸受。
(7) 前記外輪軌道面の軸方向端部から前記外輪軌道面の軸方向中央部への落ち量をA、前記内輪軌道面の軸方向端部から前記内輪軌道面の軸方向中央部への落ち量をBとしとき、A<Bであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の円筒ころ軸受。
(8) 前記円筒ころの表面粗さが、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面の表面粗さよりも小さいことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の円筒ころ軸受。
(9) 前記円筒ころが、軸方向全体にわたって前記ストレート部を有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の円筒ころ軸受。
本発明の効果を確認するために、本発明の円筒ころ軸受に係る実施例と、従来の自動調心ころ軸受に係る比較例と、を用いて試験を行った。
実施例としては、図1に示すような円筒ころ軸受10を用いた。実施例の円筒ころ軸受10の条件を以下に示す。
〈実施例〉
外輪外径寸法:φ210mm
内輪内径寸法:φ140mm
組立て幅寸法:69mm
ころ径Dw:φ21mm(Dw/H=0.6)
ころ長さL:44mm(L/Dw=2.10)
外輪落ち量A:0.063mm(A/Dw=0.0030)
内輪落ち量B:0.084mm(B/Dw=0.0040)
クラウニング落ち量C:0.015(C/Dw=0.0007)
材料:軌道輪,ころ共にSUJ2
表面硬さ:HRC60〜64
算術平均粗さ:内外輪軌道面0.16Ra,ころ転動面0.10Ra
基本動定格荷重:525kN(比較例の自動調心ころ軸受100と同様)
また、比較例としては、図9に示す自動調心ころ軸受100を用いた。比較例の自動調心ころ軸受100の条件を以下に示す。
〈比較例〉
呼び番号:24028CE4
外輪外径寸法:φ210mm
内輪内径寸法:φ140mm
組立て幅寸法:69mm
材料:軌道輪,ころ共にSUJ2
表面硬さ:HRC60〜64
算術平均粗さ:内外輪軌道面0.16Ra,ころ転動面0.10Ra(実施例の円筒ころ軸受10と同様)
基本動定格荷重:525kN
ここで、実施例の円筒ころ軸受10と比較例の自動調心ころ軸受100の素材は、同じ溶解チャージで同素材形状にて製造されている。素材は電炉で溶解、2次精錬後、連続鋳造機で鋳造し、圧延された材料を使用した。尚、試験機の軸受ハウジングと軸は圧延機実機で使用されるクリアランスに適合させており、外輪、内輪ともにすきま嵌めした。また、実施例の円筒ころ軸受10と比較例の自動調心ころ軸受100のころの転動面および軌道面は、SF仕上げによって、内外輪の軌道面が0.16Ra、ころの転動面が0.10Raの表面粗さを有するようにした。
実施例の円筒ころ軸受10および比較例の自動調心ころ軸受100に対する試験条件を以下に示す。
[試験条件]
荷重:Fr=210kN(P/Cr=0.40)
回転数:10min−1
潤滑:グリース・エマルーブL(登録商標)(協同油脂株式会社)
グリース量:軸受空間体積の30%
試験時間:720h
軸受内部への注水量:15cc/day
軸傾き角:15′(=0.25°)
軸伸び量:10mm
実施例と比較例の両方について、試験前に予め固定輪である外輪の表面形状を測定しておいた。試験時間終了後に軸受を分解して、外輪の表面形状を再び測定し、試験後の摩耗量を確認した。結果をそれぞれ図10と図11に示す。
図10に示す実施例の円筒ころ軸受10の外輪30は、図11に示す比較例の自動調心ころ軸受100に比べて、ころ接触長にわたって摩耗量が1/10程度まで低減されている。したがって、本発明の円筒ころ軸受では、固定輪である外輪の摩耗が抑制されているという効果を確認できた。尚、図10に示す実施例の円筒ころ軸受10には保持器が設けられていないが、複数のころを周方向に略等間隔に保持するプレス保持器が円筒ころ軸受に設けられている場合であっても、上記と同様の結果を得ることができる。
10 円筒ころ軸受
20 内輪
22 内輪軌道面
30 外輪
32 外輪軌道面
40 ころ

Claims (3)

  1. 外周面に内輪軌道面が形成された内輪と、内周面に外輪軌道面が形成された外輪と、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に転動自在に周方向に複数配置された円筒ころと、
    を備える円筒ころ軸受であって、
    前記円筒ころが、少なくとも軸方向中央部にストレート部を有し、
    前記内輪軌道面および前記外輪軌道面が単一円弧クラウニング形状を有することを特徴とする円筒ころ軸受。
  2. 前記円筒ころの最大径をDw、前記円筒ころの軸方向寸法をLとしたとき、1.6≦L/Dw≦3.0の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の円筒ころ軸受。
  3. 前記円筒ころの最大径をDw、前記円筒ころ軸受の断面の径方向寸法をHとしたとき、0.55≦Dw/H≦0.65の関係式を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の円筒ころ軸受。
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