JP2019100487A - 複列ころ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】複列ころ軸受において、内輪及び外輪との間でころの滑りが発生しやすい環境であっても、その発生を抑制する。【解決手段】複列ころ軸受10は、内輪11、外輪12、これら内輪11と外輪12との間に設けられている複列のころ13,14を備えている。内輪11及び外輪12に対するころ13,14の接触荷重が、軸方向一方側の第一ころ13を複数含む第一列L1と軸方向他方側の第二ころ14を複数含む第二列L2とで相違することがある。第一列L1と第二列L2とのうちの少なくとも一方の列に含まれるころの外周に被膜が形成されていることにより、第一ころ13の外周面20の摩擦係数が第二ころ14の外周面23の摩擦係数よりも大きい。【選択図】 図1

Description

本発明は、複列ころ軸受に関する。
複列ころ軸受として、例えば、図8に示す自動調心ころ軸受が知られている。自動調心ころ軸受は、内輪91、外輪92、及び、これら内輪91と外輪92との間に設けられている複列のころ93を備えている。このような複列のころ93を備えている自動調心ころ軸受において、アキシアル荷重が負荷される場合、軸方向一方側に設けられている複数のころ93を含む第一列L1側と、軸方向他方側に設けられている複数のころ93を含む第二列L2側とで、内輪91及び外輪92に対するころ93の接触荷重が相違する。つまり、内輪91に軸方向一方側から他方側へ向かうアキシアル荷重が作用すると、第一列L1側で前記接触荷重が小さくなり、第二列L2側で前記接触荷重が大きくなる。
内輪91及び外輪92に対するころ93の接触荷重が小さくなると、ころ93は内輪91及び外輪92との間で滑りが発生しやすく、滑りの発生は焼付き(微小焼付き:以下「スミアリング」という。)の原因となる。スミアリングは、軸受が貧潤滑状態になると特に発生しやすい。
そこで、例えば特許文献1では、スミアリングによる焼付きを防ぐために、ころの外周にダイヤモンドライクカーボンによるコーティング層を形成した複列ころ軸受が提案されている。
特開2011−153670号公報
前記特許文献1に記載の複列ころ軸受の場合、コーティング層として用いられているダイヤモンドライクカーボンは、潤滑性に優れ、かつ、鋼製であるころとの密着性が高い。つまり、特許文献1に記載の複列ころ軸受では、潤滑性を高めることができると共に消滅し難い潤滑被膜をころの外周に形成し、これにより、内輪及び外輪に対するころの滑りが発生しても焼付きを生じ難くすることを目的としている。しかし、特許文献1の構成では、内輪及び外輪に対するころの滑り自体を抑制することはできない。
そこで、本発明は、内輪及び外輪との間でころの滑りが発生しやすい環境であっても、その発生を抑制することが可能となる複列ころ軸受を提供することを目的とする。
本発明の複列ころ軸受は、内輪、外輪、及び、前記内輪と前記外輪との間に設けられている複列のころを備え、前記内輪及び前記外輪に対する前記ころの接触荷重が、軸方向一方側の第一ころを複数含む第一列と軸方向他方側の第二ころを複数含む第二列とで相違することのある複列ころ軸受であって、前記第一列と前記第二列とのうちの少なくとも一方の列に含まれる前記ころの外周に被膜が形成されていることにより、前記第一ころの外周面の摩擦係数が前記第二ころの外周面の摩擦係数よりも大きい。
この複列ころ軸受によれば、内輪及び外輪に対するころの接触荷重が、第一列側で第二列側と比較して小さくなり、内輪及び外輪との間で第一列に含まれる第一ころの滑りが発生しやすい環境であっても、第一ころの外周面の摩擦係数が大きいことから、滑りの発生を抑制することが可能となる。
また、前記第一ころの外周と前記第二ころの外周とに異なる被膜が形成されているのが好ましい。この場合、第一ころに摩擦係数を高くする第一被膜が形成され、第二ころに第一被膜とは異なる(摩擦係数を低くする)第二被膜が形成されればよい。これにより、第一ころの滑りを抑制することができると共に、第二ころと内輪及び外輪との接触による摩耗を抑制することが可能となる。
また、軸方向一方側から軸方向他方側へアキシアル荷重が作用する複列ころ軸受であって、前記アキシアル荷重によって、前記接触荷重が大きくなる負荷列側となる前記第二列に含まれる前記第二ころの外周面の摩擦係数よりも、前記接触荷重が小さくなる反負荷列側となる前記第一列に含まれる前記第一ころの外周面の摩擦係数が大きいのが好ましい。この場合、反負荷列側となる第一列の第一ころと内輪及び外輪との間で滑りが発生しやすい環境となるが、第一ころの外周面の摩擦係数が大きいことから、滑りの発生を抑制することが可能となる。
本発明の複列ころ軸受によれば、内輪及び外輪との間で第一列に含まれる第一ころの滑りが発生しやすい環境であっても、その発生を抑制することが可能となる。
本発明の複列ころ軸受の一例を示す断面図である。 第一ころ及び第二ころを説明する断面図である。 各例で用いられる被膜の摩擦係数(代表値)を示す図である。 摩擦係数を測定する方法の説明図である。 図2に示す形態の変形例を示しており、第一ころ及び第二ころを説明する断面図である。 別の変形例を示しており、第一ころ及び第二ころを説明する断面図である。 更に別の複列ころ軸受の断面図である。 従来の自動調心ころ軸受の断面図である。
図1は、本発明の複列ころ軸受の一例を示す断面図である。図1に示す複列ころ軸受10は、自動調心ころ軸受であり、内輪11、外輪12、及びこれら内輪11と外輪12との間に設けられている複列のころ13,14を備えている。軸方向一方側(図1において左側)に設けられている複数の第一ころ13により第一列(第一ころ列)L1が構成され、軸方向他方側(図1において右側)に設けられている複数の第二ころ14により第二列(第二ころ列)L2が構成されている。
複列ころ軸受10は、環状の保持器19を備えており、本実施形態の保持器19は、第一列L1に含まれる複数の第一ころ13を周方向に間隔をあけて保持すると共に、第二列L2に含まれる複数の第二ころ14を周方向に間隔をあけて保持している。なお、保持器19は他の形状であってもよい。複列ころ軸受10は、円環状の案内輪15を更に備えている。案内輪15は、内輪11と保持器19との間であって、複数の第一ころ13(第一列L1)と複数の第二ころ14(第二列L2)との間に設けられている。案内輪15は、保持器19をガイドし、保持器19の径方向の位置決めを行なう。
外輪12は、内周に単一の外軌道面18が設けられており、図1に示すように、外輪12の断面形状は軸方向一方側と他方側とで対称(図1において左右対称)である。外軌道面18は、凹曲面からなり、複列ころ軸受10の中心軸C上の点(軸受中心点Q)から所定の半径を有する球面に沿った形状である。
内輪11は、外周に二列の内軌道面16,16が設けられており、図1に示すように、内輪11の断面形状は軸方向の一方側と他方側とで対称(図1において左右対称)である。内軌道面16は、凹曲面からなり、図1に示すように中心軸Cを含む断面において、内軌道面16の形状は円弧となる。この円弧は、外軌道面18を形成する前記球面の半径と略同じ半径を有している。二列の内軌道面16,16の間には円筒面17が形成されている。
自動調心ころ軸受10が回転すると(本実施形態では内輪11が回転すると)、第一ころ13及び第二ころ14は内軌道面16及び外軌道面18を転動する(転がり接触する)。第一ころ13及び第二ころ14は共に凸面ころ(球面ころ)であり、同じ形状である。しかし、後に説明するように、第一ころ13の外周面20と第二ころ14の外周面23とで摩擦係数が異なっている。形状について具体的に説明すると、第一ころ13は、凸曲面状の外周面20と、軸方向一方側(軸方向外側)の端面21と、その反対側(軸方向内側)の端面22とを有している。第二ころ14は、凸曲面状の外周面23と、軸方向他方側(軸方向外側)の端面24と、その反対側(軸方向内側)の端面25とを有している。
以上の構成を備えている自動調心ころ軸受10は、内輪11と外輪12との相互の中心軸の傾きを許容することができる。本実施形態では、内輪11、外輪12、及びころ13は軸受鋼(SUJ2〜5のいずれか)であり、案内輪15は鋳鉄である。保持器19は、金属製又は樹脂製とすることができる。
図1に示す自動調心ころ軸受10は、例えば風力発電の主軸9を支持する軸受として用いられる。自動調心ころ軸受10には主軸9からラジアル荷重(径方向の荷重)が作用する他に、アキシアル荷重(軸方向の荷重)も作用する。通常運転状態では、アキシアル荷重の方向は一定である。つまり、アキシアル荷重の方向は軸方向一方側から他方側へ向かう方向である。図1において、主軸9及び自動調心ころ軸受10を収容するハウジング8を仮想線(二点鎖線)で示している。
このような自動調心ころ軸受10において、その中心にラジアル荷重のみが作用している場合、つまり、中心軸Cに直交し軸受中心点Qを通過する仮想面に沿った方向の荷重のみが作用している場合、内輪11及び外輪12に対する第一ころ13の接触荷重と、内輪11及び外輪12に対する第二ころ14の接触荷重とは同じになる。主軸9から自動調心ころ軸受10に一方向のアキシアル荷重(図1において矢印Fで示す方向の荷重)が作用すると、ハウジング8に固定状態となっている外輪12に対して、主軸9と一体となっている内輪11は、軸方向一方側から他方側へ変位しようとする。このとき、前記のとおり、第一ころ13及び第二ころ14は凸面ころ(球面ころ)であり、内軌道面16及び外軌道面18がこのような凸面ころに沿った形状であることから、自動調心ころ軸受10では、ラジアル荷重のみが作用する場合と比較して、第一列L1側の第一ころ13の内輪11及び外輪12に対する接触荷重は小さくなり、第二列L2側の第二ころ14の内輪11及び外輪12に対する接触荷重は大きくなる。
つまり、軸方向一方側から他方側へ向かうアキシアル荷重が内輪11に作用した場合、内輪11と外輪12との間において、第二列L2側が、前記接触荷重が大きくなる「負荷列側」となり、第一列L1側が、前記接触荷重が小さくなる「非負荷列側」となる。このように、軸方向一方側の第一ころ13を複数含む第一列L1と、軸方向他方側の第二ころ14を複数含む第二列L2とで、内輪11及び外輪12に対するころの接触荷重が相違することがある。
図2は、第一ころ13及び第二ころ14を説明する断面図である。図2では(及び後に説明する図5及び図6でも)保持器及び案内輪を省略している。第一ころ13の外周に第一被膜41が形成されており、第二ころ14の外周に第二被膜42が形成されている。第一ころ13の外周及び第二ころ14の外周はそれぞれ機械加工面(研磨面)であり、この機械加工面上に被膜41,42が形成されている。第一被膜41と第二被膜42とは種類が異なる。
第一被膜41及び第二被膜42の具体例を説明する。
<第一の例>
第一被膜41はりん酸マンガン被膜であり、第二被膜42はダイヤモンドライクカーボン被膜である。
<第二の例>
第一被膜41は黒色酸化被膜であり、第二被膜42はダイヤモンドライクカーボン被膜である。
<第三の例>
第一被膜41はりん酸マンガン被膜であり、第二被膜42は黒色酸化被膜である。
このように、第一から第三の例では、第一ころ13の外周と第二ころ14の外周との双方に被膜41,42が形成されており、第一ころ13の被膜41と第二ころ14の被膜42とは種類が異なっている。なお、本実施形態のダイヤモンドライクカーボン被膜は、タングステンカーバイド含有のダイヤモンドライクカーボン被膜である。
図3は、各例で用いられる被膜(41,42)の摩擦係数(代表値)を示している。なお、この摩擦係数(代表値)は、図4に示す方法により測定された平均値である。この測定では、試験片50、軸受鋼(SUJ2)製の3/16インチの玉52が用いられている。試験片50は、軸受鋼(SUJ2)製の平板に(図3に示す)各被膜41(42)を形成したものである。被膜41(42)が上方に向くように試験片50を設置し、この被膜41(42)に、転がらないように固定された玉52を接触させる。試験片50の表面(被膜41(42)の上面)は無潤滑である。試験片50と玉52との間に接触荷重(10N)を与え、玉52と試験片50とを図中矢印Bで示すように相対的に往復移動させた。この往復移動を3600秒続けた。前記往復移動の平均線速度は40mm/秒であり、往復のストロークは10mmである。この条件で各被膜41(42)の場合の摩擦係数を測定した。測定時の雰囲気温度は、室温(20℃)である。
図3には、表面処理無しの場合、つまり、ころ13(14)に被膜を形成せず、ころ13(14)の外周面が機械加工面(研磨面)である場合のその外周面の摩擦係数についても記載している。この摩擦係数は、試験片50の上面を機械加工面(研磨面)とすることで測定される。
りん酸マンガン被膜は、機械加工面(研磨面)よりも摩擦係数が高く、図3に示す中で摩擦係数が最も高い。ダイヤモンドライクカーボン被膜は、図3に示す中で摩擦係数が最も低い。
前記のとおり(図1参照)軸方向一方側から他方側へ向かうアキシアル荷重が内輪11に作用すると、第一列L1に含まれる第一ころ13の内輪11及び外輪12に対する接触荷重が小さくなる。このような非負荷列側となる第一列L1に含まれる第一ころ13は、内輪11及び外輪12との間で滑りが発生しやすい環境にある。しかし、第一ころ13の外周面20の摩擦係数を大きくすることで、前記滑りの発生を抑制することが可能となる。前記の第一から第三の例に示すように、第一ころ13の外周面20の摩擦係数を0.2よりも大きくすることで、非負荷列側となる第一ころ13において、滑りの発生を抑制することが可能となる
また、軸方向他方側に設けられている負荷列側(第二列L2)の第二ころ14は、前記のようなアキシアル荷重が作用すると、内輪11及び外輪12に対する接触荷重が大きくなる。このような負荷列側となる第二列L2に含まれる第二ころ14は、第一列L2側と異なり、滑りは発生し難い。しかし、接触荷重が大きくなることで、内輪11及び外輪12と第二ころ14との間で摩耗が発生しやすくなる場合がある。そこで、前記の第一から第三の例に示すように、第二列L2に含まれる第二ころ14の外周にも被膜(第二被膜42)が形成されている。しかも、この被膜(第二被膜42)は摩擦係数が低い(摩擦係数が0.2よりも低い)。このため、内輪11及び外輪12と第二ころ14との間における摩耗を抑制することが可能となる。
このように、前記の第一から第三の例によれば、反負荷列側となる第一列L1に含まれる第一ころ13の外周面20の摩擦係数が高いことから、第一ころ13の内輪11及び外輪12に対する滑りが効果的に抑制され、更に、負荷列側となる第二列L2に含まれる第二ころ14の外周面20の摩擦係数は低いことから、第二ころ14と内輪11及び外輪12との間の摩耗を抑制することが可能となる。
摩擦係数が高いりん酸マンガン被膜を第一被膜41として有し、摩擦係数が低いダイヤモンドライクカーボン被膜を第二被膜42として有している前記第一の例が最も好ましい。第一の例では、第一被膜41と第二被膜42との摩擦係数の差が0.4を超えており、このように摩擦係数の差が大きい程、第一列L1側の滑りを抑制し、かつ、第二列L2側の摩耗を抑制する作用が高い。なお、第二の例のように、第一被膜41と第二被膜42との摩擦係数の差が0.1を超えていればよく、また、第三の例のように、第一被膜41と第二被膜42との摩擦係数の差が0.2を超えているのがより好ましい。
図5は、図2に示す形態の変形例を示しており、第一ころ13及び第二ころ14を説明する断面図である。この複列ころ軸受10においても、図1(図2)に示す形態と同様のアキシアル荷重が作用する。図5に示す複列ころ軸受10では、非負荷列側となる第一列L1に含まれる第一ころ13の外周には、摩擦係数を高めるための被膜41が形成されているが、負荷列側となる第二列L2に含まれる第二ころ14の外周は、被膜が形成されておらず、外周面23は機械加工面(研磨面)となっている。第一ころ13に形成されている被膜41は、りん酸マンガン被膜である。このため、被膜41を有する第一ころ13の外周面20の摩擦係数は、表面処理無しの機械加工面(研磨面)による第二ころ14の外周面23よりも摩擦係数が高い(図3参照)。
図5に示す形態は、下記のとおりである(第四の例)。
<第四の例>
第一ころ13の第一被膜41はりん酸マンガン被膜であり、第二ころ14の外周面23は機械加工面(研磨面)である。
図5に示す複列ころ軸受10においても、反負荷列側となる第一列L1に含まれる第一ころ13の外周面20の摩擦係数が高くなっていることから、内輪11及び外輪12に対する第一ころ13の滑りが効果的に抑制される。図5に示す複列ころ軸受10は、作用する荷重が比較的(図2に示す複列ころ軸受10の場合よりも)小さい場合に好適である。つまり、負荷列側となる第二列L2に含まれる第二ころ14と内輪11及び外輪12との間の摩耗がさほど問題とならない場合に好適である。
第一から第四の各例では、第一列L1が非負荷列となり、第二列L2が負荷列となる。そこで、少なくとも第一列L1に含まれる第一ころ13の外周に被膜41が形成されており、この被膜41によって、第一列L1に含まれる第一ころ13の外周面20が、第二列L2に含まれる第二ころ14の外周面23よりも摩擦係数が大きくなっていればよい。
前記第四の例の変形例を図6に示す、図6に示す複列ころ軸受10では(第四の例と反対に)第一ころ13の外周面20が表面処理無しであり、第二ころ14の外周に被膜42が形成されている。第二ころ14の外周に形成する被膜42としては、黒色酸化被膜又はダイヤモンドライクカーボンである。なお、この場合、第一ころ13の外周面20は機械加工面(研磨面)であるが、その表面粗さを高めに設定してもよい。つまり、被膜42を形成する第二ころ14の外周も機械加工(研磨)が施され、その上に被膜42が形成されるが、この第二ころ14の外周において機械加工(研磨)により得られる表面粗さよりも、第一ころ13の外周において機械加工(研磨)により得られる表面粗さの方が高くなるようにしてもよい。この図6に示す形態(第五の例)の場合も、第一ころ13の機械加工面(研磨面)からなる外周面20の摩擦係数が、被膜42の形成された第二ころ14の外周面23の摩擦係数よりも大きくなる。
図7は、更に別の複列ころ軸受10の断面図である。この複列ころ軸受10は、内輪11、外輪12、及び、内輪11と外輪12との間に設けられている複列のころ13,14を備えている。ころ13,14は、円すいころであり、この複列ころ軸受10は、複列円すいころ軸受である。図7に示す複列ころ軸受10においても、図1に示す複列ころ軸受(自動調心ころ軸受)10と同様に、内輪11及び外輪12に対するころ13,14の接触荷重が、軸方向一方側の第一ころ13を複数含む第一列L1と、軸方向他方側の第二ころ14を複数含む第二列L2とで相違することがある。そして、第一列L1と第二列L2とのうちの少なくとも一方の列に含まれるころの外周に被膜が形成されていることにより、第一ころ13の外周面20の摩擦係数が、第二ころ14の外周面23の摩擦係数よりも大きくなっている。図7に示す形態では、第一ころ13の外周と第二ころ14の外周との双方に被膜41,42が形成されており、これら被膜41,42は種類が異なる。なお、図7に示す形態においても、被膜は、第一ころ13と第二ころ14との一方のみに形成されていてもよい。図7に示す複列ころ軸受10と、図1に示す複列ころ軸受10とで、同一の構成要素に対しては同一の符号(参照番号)を付している。
以上のように、前記各形態の複列ころ軸受10は、内輪11及び外輪12に対するころ13,14の接触荷重が、第一列L1と第二列L2とで相違することがある。そこで、第一列L1と第二列L2とのうちの少なくとも一方の列に含まれるころの外周に被膜が形成されていることにより、第一ころ13の外周面20の摩擦係数を、第二ころ14の外周面23の摩擦係数よりも大きくしている。この複列ころ軸受10によれば、内輪11及び外輪12に対するころ13,14の接触荷重が、第二列L2側と比較して第一列L1側で小さくなり、内輪11及び外輪12との間で第一列L1に含まれる第一ころ13の滑りが発生しやすい環境であっても、第一ころ13の外周面20の摩擦係数が大きいことから、滑りの発生を抑制することが可能となる。この結果、内輪11及び外輪12と第一ころ13との間でスミアリング(微小焼付き)が発生するのを防止することができる。
前記各形態の複列ころ軸受10は、軸方向一方側から軸方向他方側へアキシアル荷重が作用する。このアキシアル荷重によって、前記接触荷重が大きくなる負荷列側となる第二列L2に含まれる第二ころ14の外周面23の摩擦係数よりも、前記接触荷重が小さくなる反負荷列側となる第一列L1に含まれる第一ころ13の外周面20の摩擦係数が大きくなっていればよい。
また、前記第一の例、第二の例、及び第三の例に示すように(図2参照)、第一ころ13の外周と第二ころ14の外周とに異なる被膜41,42が形成されている。つまり、第一ころ13に摩擦係数を高くする第一被膜41が形成され、第二ころ14に第一被膜41とは異なる(摩擦係数を低くする)第二被膜42が形成されている。これにより、第一ころ13の滑りを抑制することができると共に、第二ころ14と内輪11及び外輪12との接触による摩耗を抑制することが可能となる。
なお、図3に示す測定において、摩擦係数(代表値)は、動摩擦係数と静摩擦係数との双方を含む平均値となるが、本発明においては、第一ころ13の外周面20の動摩擦係数が、第二ころ14の外周面23の動摩擦係数よりも大きければよい。すなわち、第一ころ13の外周面20の静摩擦係数が、第二ころ14の外周面23の静摩擦係数よりも小さい場合であっても、第一ころ13の外周面20の動摩擦係数が、第二ころ14の外周面23の動摩擦係数よりも大きければよい。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。被膜41,42の種類は、例示したもの以外であってもよい。
10:複列ころ軸受 11:内輪 12:外輪
13:第一ころ 14:第二ころ 20:外周面
23:外周面 41:第一被膜 42:第二被膜

Claims (3)

  1. 内輪、外輪、及び、前記内輪と前記外輪との間に設けられている複列のころを備え、前記内輪及び前記外輪に対する前記ころの接触荷重が、軸方向一方側の第一ころを複数含む第一列と軸方向他方側の第二ころを複数含む第二列とで相違することのある複列ころ軸受であって、
    前記第一列と前記第二列とのうちの少なくとも一方の列に含まれる前記ころの外周に被膜が形成されていることにより、前記第一ころの外周面の摩擦係数が前記第二ころの外周面の摩擦係数よりも大きい、複列ころ軸受。
  2. 前記第一ころの外周と前記第二ころの外周とに異なる被膜が形成されている、請求項1に記載の複列ころ軸受。
  3. 軸方向一方側から軸方向他方側へアキシアル荷重が作用する複列ころ軸受であって、
    前記アキシアル荷重によって、前記接触荷重が大きくなる負荷列側となる前記第二列に含まれる前記第二ころの外周面の摩擦係数よりも、前記接触荷重が小さくなる反負荷列側となる前記第一列に含まれる前記第一ころの外周面の摩擦係数が大きい、請求項1又は2に記載の複列ころ軸受。
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