JP2014231499A - 抜け毛抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】休止期において抜け毛に作用していると考えられる因子の当該作用を阻害して、抜け毛を抑制することができる抜け毛抑制剤の提供。【解決手段】毛髪と毛包細胞を繋ぐ接着因子を分解するプロテアーゼに対する阻害因子を含む抜け毛抑制剤。【選択図】図2
Description
本発明は、抜け毛抑制剤に関する。
一般的に、脱毛症は血行の不全、毛母細胞活性の低下、性ホルモンのアンバランス等の様々な要因が複雑に絡み合って生じていると考えられている。特に、現代社会は高齢化社会やストレス社会と言われるように、様々な原因によって脱毛の危機にさらされる機会が多くなっている。しかし、脱毛の発生機序やメカニズムが未だ十分に解明されていないのが現状である。
毛髪は、毛周期に従って成長する。まず、代謝活性が強く、毛髪が成長する成長期から、代謝活性が低下し、毛包の基底層が皮膚の上方へと移動する退行期に移行する。その後、成長が完全に止まり、毛包の基底層が立毛筋近くで萎縮する休止期において、休止期毛包の下部で成長し始めた新しい毛髪が古い休止期毛髪を押し出すことにより、毛包から抜けることが知られている。この抜け毛のメカニズムについては未だ明らかとなっていないが、これまでに、接着因子であるデスモグレイン3が休止期の毛髪と毛包細胞とをつなぎ止めていることが示唆されている(非特許文献1)。
Desmoglein 3 anchors telogen hair in the follicle, J Cell Sci, 111, 17, 2529-37(1998)
本発明者は、休止期において抜け毛に作用していると考えられる因子に着目し、その作用を阻害することで抜け毛を抑制することを着想した。従って、本発明は、休止期において抜け毛因子の当該作用を阻害して、抜け毛を抑制することができる抜け毛抑制剤に関する。
本発明者は、休止期において抜け毛に作用していると考えられる因子に着目して研究を進めたところ、毛髪と毛包とを繋ぐ接着因子を分解するプロテアーゼが関与している可能性を見出し、このようなプロテアーゼの働きを阻害することで抜け毛を抑制すべく研究を進め、本発明を完成した。
本発明は、毛髪と毛包細胞を繋ぐ接着因子を分解するプロテアーゼに対する阻害因子を含む抜け毛抑制剤を提供するものである。
本発明の抜け毛抑制剤は、休止期における接着因子を分解するプロテアーゼを阻害することで抜け毛を抑制することができる。
本発明において、毛髪と毛包細胞を繋ぐ接着因子の1つとして、デスモグレイン3が挙げられる。また、これを分解するプロテアーゼとしては、カリクレインファミリーが挙げられる。後述の実施例に示すように、カリクレインファミリーは、休止期において、毛が抜ける前に発現し、毛が抜けた後は発現量が減少することが確認されている。このことから、抜け毛にはカリクレインファミリー等のプロテアーゼが関与していることが推定される。
上記プロテアーゼに対する阻害因子としては、4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホニルフルオライド塩酸塩、アプロチニン(Aprotinin)、(2R)-N'-ヒドロキシ-N-[(2S)-3-(5H-インドール-3-yl)-1-メチルアミノ-1-オキソプロパン-2-イル]-2-(2-メチルプロピル)ブタンジアミドなどの各プロテアーゼ阻害剤が挙げられる。
4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホニルフルオライド塩酸塩は、セリンプロテアーゼ阻害剤ペファブロック(Pefabloc) SCとして知られている。アプロチニンは、ウシ膵臓由来のセリンプロテアーゼ阻害剤である。(2R)-N'-ヒドロキシ-N-[(2S)-3-(5H-インドール-3-yl)-1-メチルアミノ-1-オキソプロパン-2-イル]-2-(2-メチルプロピル)ブタンジアミドは、MMP阻害剤GM6001として知られている。
本発明の抜け毛抑制剤は、上記のプロテアーゼ阻害剤を1種又は2種以上含むものである。その形態としては、外用剤、注射剤、内服剤等が挙げられるが、なかでも外用剤が好ましい。
外用剤とする場合、前記プロテアーゼ阻害剤の配合量は、十分な抜け毛抑制効果と使用感の観点から、0.00001質量%以上、更には0.0001質量%以上、更には0.0005質量%以上が好ましく、また、2質量%以下、更には0.2質量%以下、更には0.1質量%以下が好ましい。
本発明の抜け毛抑制剤を抜け毛抑制用外用剤とする場合には、前記プロテアーゼ阻害剤のほか、血行促進剤、毛包賦活剤、極性油剤、抗酸化剤、キレート剤、低級アルコール、界面活性剤等を配合することができる。
血行促進剤は、頭皮の血行を促進して毛髪の成長を促すために配合される。血行促進剤としては、例えば、ビタミンE類(DL-α-トコフェロール、D-α-トコフェロール、酢酸DL-α-トコフェロール、酢酸D-α-トコフェロール等)、ニコチン酸類(ニコチン酸、DL-α-トコフェロールニコチン酸エステル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)が挙げられる。また、アセチルコリン、塩化カルプロニウム、スピロノラクトン、ビタミンB6塩酸塩、γ-オリザノール、サークレチン、クロマカリム、セファランチン、ニコランジル、ピナシジル、ミノキシジル、フタリド類、センブリエキス、ヨウ化ニンニクエキス、イチョウエキス、キナエキス、ショウブ根エキス、ソフォラエキス、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、トウヒエキス、トウガラシチンキ、カンタリスチンキ、ショウキョウチンキ等が挙げられる。これらのうち、ビタミンE類、ニコチン酸類、塩化カルプロニウム、セファランチン、ミノキシジル、センブリエキス、ソファラエキス、トウガラシチンキが好ましい。
血行促進剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することでき、その含有量は、十分な育毛効果と刺激抑制の観点から、全組成中の0.0001質量%以上、更には0.001質量%以上が好ましく、また、10質量%以下、更には5質量%以下が好ましい。
毛包賦活剤は、毛包を活性化して毛髪の成長を促すために用いられる。毛包賦活剤としては、フラバノノール類(トランス-3,4'-ジメチルフラバノノール等)、パントテン酸類(パントテン酸、パントテン酸エステル、パンテノール、パントテニルエチルエーテル等)、N-アシルアミノ酸、ペンタデカン酸グリセリド、6-ベンジルアミノプリン、プロシアニジン、アデノシン類(アデノシン、アデノシン5'-リン酸、アデノシン5'-リン酸の塩等)、アスパラギン酸カリウム、感光素301、ビオチン、タマサキツヅラフジエキス、ニンジンエキス(チクセツニンジンエキス、オタネニンジンエキス等)、ブドウエキス、リンゴエキス、モノニトログアヤコールナトリウム、酵母エキス、ニンニク成分、真珠蛋白抽出液、プラセンタエキス、ローヤルゼリー等が挙げられる。これらのうち、フラバノノール類、6-ベンジルアミノプリン、アデノシン、ニンジンエキスが好ましい。
毛包賦活剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することでき、その含有量は、十分な育毛効果と刺激抑制の観点から、全組成中の0.001質量%以上、更には0.01質量%以上が好ましく、また、10質量%以下、更には5質量%以下が好ましい。
極性油剤は、有効成分を可溶化して頭皮への浸透を促進すると共に、感触と安定性を向上するために配合される。極性油剤としては、脂肪族アルコール、脂肪酸アルキルエステル及び脂肪酸グリセリドが挙げられる。脂肪族アルコールとしては、炭素数12〜28の、直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和の脂肪族アルコールが挙げられ、特にラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等が挙げられる。また、脂肪酸アルキルエステルとしては、例えば、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、イソステアリン酸メチル、イソステアリン酸エチル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル等が挙げられる。また、脂肪酸グリセリドとしては、例えば、炭素数8〜18の脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドが挙げられる。これらの極性油剤の中で、有効成分の結晶化を防ぎ、頭皮の脂質からなる油膜を溶解し、皮膚浸透を促進する観点から、20℃において液体で、かつ100mPa・s以下、特に50mPa・s以下であるものが好ましい。具体的には、イソステアリン酸メチル、イソステアリン酸エチル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニルが好ましい。
極性油剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することでき、その含有量は、有効成分の浸透促進及び感触向上の観点から、全組成中の0.01質量%以上、更には0.1質量%以上が好ましく、また、5質量%以下、更には2質量%以下が好ましい。
本発明の抜け毛抑制用外用剤には、更に抗酸化剤を含有させることができる。抗酸化剤としては、ビタミンC及びその誘導体、エリソルビン酸、没食子酸プロピル、BHT(ジ-n-ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)等が挙げられる。抗酸化剤の含有量は、全組成中の0.01質量%以上、更には0.05質量%以上が好ましく、また、0.5質量%以下、更には0.3質量%以下が好ましい。
本発明の抜け毛抑制用外用剤には、更にキレート剤を含有させることができる。キレート剤としては、エデト酸又はその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸又はその塩等が挙げられ、特にエデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム等のエデト酸塩が好ましい。これらは、成分(A)の変性と考えられる澱の発生を防ぐのに効果的で、特に、高温(例えば50℃)での保存安定性向上に効果がある。キレート剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することでき、その含有量は、全組成中の0.01質量%以上、更には0.05質量%以上が好ましく、また、1質量%以下、更には0.5質量%以下が好ましい。
本発明の抜け毛抑制用外用剤には、更に低級アルコールを含有させることが好ましい。低級アルコールとしては、炭素数4以下のアルコールであって、エタノール、プロパノール、1,3-ブチレングリコール等が挙げられ、特にエタノールが好ましい。低級アルコールは1種又は2種以上を含むことができ、その含有量は、全組成中の30質量%以上、特に50質量%以上が好ましい。
本発明の抜け毛抑制剤には、更に界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、各成分の可溶化、安定性の向上に効果的である。
カチオン界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、特に塗布時の滑らかさの点から、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムが好ましい。
アニオン界面活性剤としては、アルキル(又はアルケニル)硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル(又はアルケニル)スルホコハク酸塩、ジアルキル(又はジアルケニル)スルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)スルホコハク酸塩、アルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルリン酸塩、脂肪酸塩、N-アシルグルタミン酸塩、N-アシルタウリン酸塩、N-アシルメチルタウリン等が挙げられる。これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルリン酸塩、脂肪酸塩、N-アシルグルタミン酸塩、N-アシルタウリン酸塩、N-アシルメチルタウリン等が好ましい。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましい。
界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することでき、その含有量は、全組成中の0.01質量%以上、更には0.1質量%以上が好ましく、また、1質量%以下、更には0.5質量%以下が好ましい。
抜け毛抑制用外用剤には、以上の成分のほかに、通常の育毛剤や毛髪化粧料に用いられる種々の添加成分を、目的に応じて含有させることができる。例えば、保湿剤、抗炎症剤、抗菌剤、清涼剤、抗脂漏剤、防腐剤、塩類、pH調整剤、噴射剤、香料、色素、紫外線吸収剤などを配合することができる。
このような抜け毛抑制用外用剤は、例えば水溶液、エタノール溶液、エマルション、サスペンション、ゲル、エアゾール等の所望の形態にすることができ、例えば、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアローション、ヘアパック、ヘアクリーム、コンディショニングムース、ヘアムース、ヘアスプレー、シャンプー、リーブオントリートメント等の形態とすることができる。
実施例1
経時的にサンプリングするためにC57BL/6 NCrSlcマウス(清水実験材料株式会社から購入)の31、33、36、39、43、46、48日齢の個体を安楽死させ、背側皮膚を切り出した後に速やかに液体窒素中に投入し、−80℃で保管した。RNAの抽出は、QIAGEN社製の RNeasy Fibrous Tissue Mini Kitを使用し、そのプロトコールに従って操作した。
まず、定法に従い抽出バッファーを準備した。ついで、上記の凍結した背部皮膚を速やかにクライオプレス台にセットし、エアハンマーで30秒程度打撃した。破砕終了後、少量の液体窒素を加えてサンプルを隅に集め、マイクロスパーテルでサンプルを全量回収した。RLT+の入った1.5mLチューブに直接破砕物を入れ、氷上で保管した後に、定法に従ってRNA抽出を行った。破砕後、RLT+に入れたサンプルが十分に細かくない場合は、1mLシリンジにつけた22G程度のニードルを約20回通して細分化した。
逆転写は、Qiagen社製 QuantiTect Reverse Transcription kitを使用し、操作はそのプロトコールに従って行った。
発現量の測定は、タカラバイオ社製リアルタイムPCR装置(Thermal Cycler Dice Real Time System TP800、TP850)とタカラバイオ社製リアルタイムPCR専用試薬キット(SYBR Premix Ex Taq II)を使用し、そのプロトコールに従って操作した。
データ解析は、融解曲線や電気泳動でのバンドから信頼度の低いサンプルを除外し又は再試験を行い、最終的な生データをβ-Actin又はGAPDHでノーマライズして比較した。
その結果、体毛の抜ける前後で発現量が変わるプロテアーゼが見出された。特に、KLK-11及びKLK-15は、体毛が抜ける前に存在が確認されたが、体毛が抜けた後においてほぼ消失していた(図1)。
経時的にサンプリングするためにC57BL/6 NCrSlcマウス(清水実験材料株式会社から購入)の31、33、36、39、43、46、48日齢の個体を安楽死させ、背側皮膚を切り出した後に速やかに液体窒素中に投入し、−80℃で保管した。RNAの抽出は、QIAGEN社製の RNeasy Fibrous Tissue Mini Kitを使用し、そのプロトコールに従って操作した。
まず、定法に従い抽出バッファーを準備した。ついで、上記の凍結した背部皮膚を速やかにクライオプレス台にセットし、エアハンマーで30秒程度打撃した。破砕終了後、少量の液体窒素を加えてサンプルを隅に集め、マイクロスパーテルでサンプルを全量回収した。RLT+の入った1.5mLチューブに直接破砕物を入れ、氷上で保管した後に、定法に従ってRNA抽出を行った。破砕後、RLT+に入れたサンプルが十分に細かくない場合は、1mLシリンジにつけた22G程度のニードルを約20回通して細分化した。
逆転写は、Qiagen社製 QuantiTect Reverse Transcription kitを使用し、操作はそのプロトコールに従って行った。
発現量の測定は、タカラバイオ社製リアルタイムPCR装置(Thermal Cycler Dice Real Time System TP800、TP850)とタカラバイオ社製リアルタイムPCR専用試薬キット(SYBR Premix Ex Taq II)を使用し、そのプロトコールに従って操作した。
データ解析は、融解曲線や電気泳動でのバンドから信頼度の低いサンプルを除外し又は再試験を行い、最終的な生データをβ-Actin又はGAPDHでノーマライズして比較した。
その結果、体毛の抜ける前後で発現量が変わるプロテアーゼが見出された。特に、KLK-11及びKLK-15は、体毛が抜ける前に存在が確認されたが、体毛が抜けた後においてほぼ消失していた(図1)。
実施例2
4週齢のBalb/cCrSlcマウス(清水実験材料株式会社から購入)の背部毛を3mmまで毛刈りして市販染毛剤(花王社製:Blaune C6)で第1毛周期毛を20分間染毛した。つまり、新たな毛が生えると背部毛は白色となり、染毛された旧毛と比較できるようにした。
翌日から隔日で各種阻害剤を投与した。Pefabloc SC(5mg/mL)(Roche Applied Science社製)とGM6001 (10μg/mL) (Merck社製)は 50%エタノール溶液で毎回100ulを背部に塗布した。Aprotinin (100ng/mL)(Roche Applied Science社製)は、PBS溶液に溶解し29G針で10uL×3ヵ所に注射した。同様に投与しないコントロール群を作製した。
試験開始時、5日後、8日後に撮影したデジタル画像から約1×1cmの領域の平均明るさ(Gray値)を同条件の光源・撮影条件で撮影したデジタル画像から数値情報を抜き出して、その明るさの経時変化を個体別に追跡した。得られたデータについて群ごとに平均値をとり、開始時を100とした場合のコントロール群との相対値を求め、これを抜け毛抑制効果とした。
その結果、サンプルを投与した群において、投与後5日目では抜け毛が抑制され旧毛(抜ける運命にある体毛)が抜けずに残っていることが示された(図2)。このことから、各サンプルには、プロテアーゼを阻害することにより抜け毛を遅延(抑制)させる効果を有することが分かる。
4週齢のBalb/cCrSlcマウス(清水実験材料株式会社から購入)の背部毛を3mmまで毛刈りして市販染毛剤(花王社製:Blaune C6)で第1毛周期毛を20分間染毛した。つまり、新たな毛が生えると背部毛は白色となり、染毛された旧毛と比較できるようにした。
翌日から隔日で各種阻害剤を投与した。Pefabloc SC(5mg/mL)(Roche Applied Science社製)とGM6001 (10μg/mL) (Merck社製)は 50%エタノール溶液で毎回100ulを背部に塗布した。Aprotinin (100ng/mL)(Roche Applied Science社製)は、PBS溶液に溶解し29G針で10uL×3ヵ所に注射した。同様に投与しないコントロール群を作製した。
試験開始時、5日後、8日後に撮影したデジタル画像から約1×1cmの領域の平均明るさ(Gray値)を同条件の光源・撮影条件で撮影したデジタル画像から数値情報を抜き出して、その明るさの経時変化を個体別に追跡した。得られたデータについて群ごとに平均値をとり、開始時を100とした場合のコントロール群との相対値を求め、これを抜け毛抑制効果とした。
その結果、サンプルを投与した群において、投与後5日目では抜け毛が抑制され旧毛(抜ける運命にある体毛)が抜けずに残っていることが示された(図2)。このことから、各サンプルには、プロテアーゼを阻害することにより抜け毛を遅延(抑制)させる効果を有することが分かる。
本発明の抜け毛抑制剤を含む毛髪化粧料を以下に示す。
実施例3 抜け毛抑制ローション
(質量%)
(1) ユーカリエキス 1.0
(2) トランス-3,4'-ジメチル-3-ヒドロキシ-フラバノン 0.2
(3) ニコチン酸アミド 0.1
(4) l-メントール 0.2
(5) Pefabloc SC 0.01
(6) 95%エタノール 50.0
(7) 精製水 残量
実施例3 抜け毛抑制ローション
(質量%)
(1) ユーカリエキス 1.0
(2) トランス-3,4'-ジメチル-3-ヒドロキシ-フラバノン 0.2
(3) ニコチン酸アミド 0.1
(4) l-メントール 0.2
(5) Pefabloc SC 0.01
(6) 95%エタノール 50.0
(7) 精製水 残量
実施例4 抜け毛予防エッセンス
(質量%)
(1) トランス-3,4'-ジメチル-3-ヒドロキシ-フラバノン 0.2
(2) ミノキシジル 2.0
(3) l-メントール 0.15
(4) GM6001 0.001
(5) 95%エタノール 50.0
(6) 精製水 残量
噴射剤
(7) 炭酸ガス
原液:噴射剤=100:2(質量比)
(質量%)
(1) トランス-3,4'-ジメチル-3-ヒドロキシ-フラバノン 0.2
(2) ミノキシジル 2.0
(3) l-メントール 0.15
(4) GM6001 0.001
(5) 95%エタノール 50.0
(6) 精製水 残量
噴射剤
(7) 炭酸ガス
原液:噴射剤=100:2(質量比)
実施例5 抜け毛抑制シャンプー
(質量%)
(1) センブリエキス 1.0
(2) グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(3) l-メントール 0.2
(4) Pefabloc SC 0.05
(5) ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
(6) カチオン性ポリマー(ポリマーJR400、ユニオンカーバイド社) 0.3
(7) ジブチルヒドロキシトルエン 0.05
(8) pH調整剤 適量
(9) 95%エタノール 5.0
(10) 香料 微量
(11) 精製水 残量
(質量%)
(1) センブリエキス 1.0
(2) グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(3) l-メントール 0.2
(4) Pefabloc SC 0.05
(5) ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
(6) カチオン性ポリマー(ポリマーJR400、ユニオンカーバイド社) 0.3
(7) ジブチルヒドロキシトルエン 0.05
(8) pH調整剤 適量
(9) 95%エタノール 5.0
(10) 香料 微量
(11) 精製水 残量
Claims (4)
- 毛髪と毛包細胞を繋ぐ接着因子を分解するプロテアーゼに対する阻害因子を含む抜け毛抑制剤。
- 毛髪と毛包細胞を繋ぐ接着因子を分解するプロテアーゼがカリクレインである請求項1記載の抜け毛抑制剤。
- プロテアーゼに対する阻害因子が、4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホニルフルオライド塩酸塩、アプロチニン、及び(2R)-N'-ヒドロキシ-N-[(2S)-3-(5H-インドール-3-yl)-1-メチルアミノ-1-オキソプロパン-2-イル]-2-(2-メチルプロピル)ブタンジアミドから選ばれるプロテアーゼ阻害剤である請求項1又は2記載の抜け毛抑制剤。
- 抜け毛抑制用外用剤である請求項1〜3のいずれかに記載の抜け毛抑制剤。
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JP2013113444A JP2014231499A (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | 抜け毛抑制剤 |
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JP2013113444A JP2014231499A (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | 抜け毛抑制剤 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2013113444A Pending JP2014231499A (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | 抜け毛抑制剤 |
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JP (1) | JP2014231499A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3403673A4 (en) * | 2016-01-12 | 2019-12-11 | National University Corporation Tokyo Medical and Dental University | COMPOSITION FOR PREVENTING OR IMPROVING THE FALL AND HAIR GRAY, AND USE THEREOF |
-
2013
- 2013-05-29 JP JP2013113444A patent/JP2014231499A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3403673A4 (en) * | 2016-01-12 | 2019-12-11 | National University Corporation Tokyo Medical and Dental University | COMPOSITION FOR PREVENTING OR IMPROVING THE FALL AND HAIR GRAY, AND USE THEREOF |
US10702544B2 (en) | 2016-01-12 | 2020-07-07 | National University Corporation Tokyo Medical And Dental University | Composition for ameliorating loss of hair and graying of hair, and use thereof |
US11298372B2 (en) | 2016-01-12 | 2022-04-12 | National University Corporation Tokyo Medical And Dental University | Composition for ameliorating loss of hair and graying of hair, and use thereof |
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