JP2014231444A - 炭素材料 - Google Patents

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求樹 岡庭
啓祐 石橋
Keisuke Ishibashi
啓祐 石橋
宮木 伸行
Nobuyuki Miyaki
伸行 宮木
江利山 祐一
Yuichi Eriyama
祐一 江利山
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Abstract

【課題】導電性と生産性に優れた炭素材料を提供すること。【解決手段】ラマンスペクトルにおいて、DバンドおよびGバンドを有し、それぞれの強度IDおよびIGの比ID/IGが0.01〜1.0であり、X線回折スペクトルにおいて2θ=18〜30?の範囲に、結晶性炭素の存在を示す領域と非晶性炭素の存在を示す領域とが観測され、2θ=18〜30?の範囲に観測されるピークの総面積に対する非晶性炭素の存在を示す領域の面積の割合が20〜80%である、炭素材料。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素材料に関する。
炭素材料は、様々な分野で利用されている。例えば、カーボンブラックは、耐摩耗性や耐屈曲亀裂性を付与する、着色力や耐候性に優れる、導電性や吸液性を有する等の多彩な特性を有するため、ゴム補強剤、樹脂着色剤、印刷インキ、塗料、電池の電極材料等、幅広い用途で利用されている。また、人造黒鉛が、電解炉用電極・リチウムイオン二次電池用負極等の電極材料や、半導体・光ファイバ等の製造用治具として、幅広く利用されていることは説明するまでもない。
特に電池分野においては、カーボンブラックや黒鉛が電極の導電剤として有効に機能することが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特公昭58−56463号公報 特公昭58−36467号公報 特開平7−296794号公報
しかしながら、カーボンブラックは、吸液性(吸電解液性)は良好であるものの、導電性が低いという欠点がある。一方、黒鉛は、導電性は高いものの、微粒化するのに大量のエネルギーを要するため扱いにくい等の欠点がある。
したがって、本発明の課題は、導電性と生産性に優れた炭素材料を提供することにある。
かかる実情に鑑み、本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、ラマン分光分析およびX線回折分析により得られるスペクトルが特定の形状を示す炭素材料を用いることで前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の態様は、以下[1]〜[4]に示すことができる。
[1] ラマンスペクトルにおいて、DバンドおよびGバンドを有し、それぞれの強度IDおよびIGの比ID/IGが0.01〜1.0であり、
X線回折スペクトルにおいて2θ=18〜30°の範囲に、結晶性炭素の存在を示す領域と非晶性炭素の存在を示す領域とが観測され、2θ=18〜30°の範囲に観測されるピークの総面積に対する非晶性炭素の存在を示す領域の面積の割合が20〜80%である、炭素材料。
[2] 前記X線回折スペクトルにおいて2θ=26.0°付近と2θ=26.5°付近にピークの頂点が観測され、2θ=18〜30°の範囲に観測されるピークの総面積に対する2θ=26.0°付近のピークの面積の割合が5〜40%であり、2θ=26.5°付近のピークの面積の割合が10〜60%である、[1]に記載の炭素材料。
[3] 前記ラマンスペクトルにおけるGバンドの半値幅が20〜80cm-1である、[1]または[2]に記載の炭素材料。
[4] 平均粒子径が0.01〜10.0μmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の炭素材料。
本発明の炭素材料は、導電性に優れる。更に、本発明の炭素材料は、加工処理を施すことなくそのまま様々な用途に適用することができる。したがって、本発明の炭素材料は、電子機器材料、電池材料等として極めて有用である。
実施例で得られた炭素材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。 実施例で得られた炭素材料と市販のケッチェンブラックの体積抵抗率を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の炭素材料(以下、「本炭素材料」とも称する。)は、ラマン分光分析およびX線回折分析により得られるスペクトルが特異的な形状を示す。
先ず、ラマンスペクトルにおいては、DバンドおよびGバンドを有し、それぞれの強度IDおよびIGの比ID/IGが、0.01〜1.0であることを特徴とする。ここで、Dバンドの強度IDとは、ラマンスペクトルにおいて1360cm-1付近に認められるピークの高さを意味し、一方、Gバンドの強度IGとは、ラマンスペクトルにおいて1580cm-1付近に認められるピークの高さを意味する。本炭素材料のID/IGは、好ましくは0.01〜0.8、さらに好ましくは0.01〜0.5である。
また、本炭素材料のラマンスペクトルにおけるGバンドの半値幅は、好ましくは20〜80cm-1、さらに好ましくは20〜50cm-1である。
次に、本炭素材料のX線回折スペクトルにおいては、2θ=18〜30°の範囲に、結晶性炭素の存在を示す領域と非晶性炭素の存在を示す領域が観測され、2θ=18〜30°の範囲に観測されるピークの総面積に対する非晶性炭素の存在を示す領域の面積の割合が20〜80%であることを特徴とする。非晶性炭素の存在を示す領域の面積の割合は、好ましくは40〜80%、さらに好ましくは45〜75%である。
ラマンスペクトルが物質の比較的表面に近い部位の性状を示すことを勘案すると、本炭素材料は、その表面付近において結晶性が高く、その内部においては結晶性が低い材料であると考えられる。
また、本炭素材料のX線回折スペクトルにおいては、2θ=26.0°付近と2θ=26.5°付近にピークの頂点が観測され、2θ=18〜30°の範囲に観測されるピークの総面積に対する2θ=26.0°付近のピークの面積の割合が5〜40%であり、2θ=26.5°付近のピークの面積の割合が10〜60%であることが好ましい。なお、2θ=26.0°付近と2θ=26.5°付近に観測されるピークは、結晶性炭素に由来するものである。
本炭素材料のX線回折スペクトルにおいて、2θ=26.0°付近のピークの面積の割合は、より好ましくは5〜30%であり、さらに好ましくは5〜20%である。また、2θ=26.5°付近のピークの面積の割合は、より好ましくは10〜50%であり、さらに好ましくは15〜30%である。なお、本炭素材料のX線回折スペクトルにおいて、結晶性炭素の存在を示す領域および非晶性炭素の存在を示す領域を特定する方法、並びにそれらの面積を特定する方法は、後述する実施例に記載の方法に基づくものである。
本炭素材料は、ラマンスペクトルおよびX線回折スペクトルにおいて前記のような特徴を示すことにより高い導電性を示すものとなるが、導電性を更に高めるには、その平均粒子径を0.01〜10.0μmにすることが好ましく、0.01〜5.0μmにすることがより好ましく、0.01〜3.0μmにすることがさらに好ましい。また、本炭素材料の比表面積は、好ましくは1〜50m2/gであり、より好ましくは1〜30m2/gである。なお、本炭素材料において、平均粒子径および比表面積は、後述する実施例に記載の方法により測定される値をいう。
本炭素材料は、適宜の方法で製造することができるが、ビニル重合体粒子を100〜500℃で酸化処理した後、得られた炭素前駆体を、不活性ガス存在下、2,000〜4,000℃で加熱することにより製造することが好ましい。このようの方法で製造することにより、粒子状の炭素材料を得ることができ、その結果得られた炭素材料は、粉砕や分級などの加工処理を施すことなくそのまま様々な用途に適用することができるので好ましい。
前記ビニル重合体粒子は、公知の方法により製造することができ、例えば、ビニルモノマーを乳化重合あるいは懸濁重合することにより製造することができるが、乳化重合により製造することが好ましい。乳化重合法あるいは懸濁重合法としては、公知の方法を採用することができる。
前記ビニル重合体粒子の製造に用いられるビニルモノマーは、特に限定されるものではないが、単官能ビニルモノマーおよび多官能ビニルモノマーを含有することが好ましい。
単官能ビニルモノマーとしては、例えば、単官能芳香族ビニルモノマー、α,β−不飽和ニトリル化合物、(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。
単官能芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、α−エチルスチレン、β−エチルスチレン、メトキシスチレン、フェニルスチレン、クロロスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、メチルシリルスチレン、ヒドロキシスチレン、シアノスチレン、ニトロスチレン、アミノスチレン、カルボキシスチレン、スルホキシスチレン、スチレンスルホン酸ソーダ、ビニルピリジン、ビニルチオフェン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルビフェニル、アセナフチレンが挙げられる。また、α,β−不飽和ニトリル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられ、(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、アクリル酸が挙げられる。
本発明においては、単官能ビニルモノマーとして、単官能芳香族ビニルモノマーを使用することが好ましい。
多官能ビニルモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルピリジン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメチレート、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン、ジビニルスルホン、ジビニルケトン、ジビニルスルフィド、アリルアクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルスクシネート、ジアリルカルボネート、ジアリルマロネート、ジアリルオキサレート、ジアリルアジペート、ジアリルセバケート、トリアリルトリカルバリレート、トリアリルアコニテート、トリアリルシトレート、トリアリルホスフェート、N,N′−メチレンジ(メタ)アクリルアミド、1,2−ジ(α−メチルメチレンスルホンアミド)エチレン、トリビニルベンゼン、トリビニルナフタレン、ポリビニルアントラセン、トリビニルシクロヘキサン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
単官能ビニルモノマーおよび多官能ビニルモノマーの使用比率(質量比)は、好ましくは1:99〜90:10、特に好ましくは1:99〜70:30である。多管能ビニルモノマーの使用量が少なすぎると、前記酸化処理や加熱の際にビニル重合体粒子が溶融し、粒子状の炭素材料を得ることができないおそれがある。
ビニル重合体粒子の製造においては、単官能ビニルモノマーおよび多官能ビニルモノマーの他に、共役ジエン化合物等の、前記ビニルモノマーと共重合可能なモノマーを共重合してもよい。ビニル重合体粒子の製造において、各ビニルモノマーおよび該ビニルモノマーと共重合可能なモノマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ビニル重合体粒子を乳化重合する際に用いられる乳化剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、デヒドロアビエチン酸塩、ナフタレンスルホン酸・ホルマリン縮合物、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤;ポリエチレングリコールのアルキルエステル、ポリエチレングリコールのアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールのアルキルエーテルなどのノニオン性界面活性剤;パーフルオロブチルスルホン酸塩、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物などのフッ素系界面活性剤などを挙げることができ、これらのうちから選択される一種以上を使用することができる。
また、ビニル重合体粒子を乳化重合する際に用いられる重合開始剤としては、例えば、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合開始剤;クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)などの油溶性重合開始剤などを適宜選択して用いることができる。重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビニル重合体粒子の重合条件としては、0〜120℃の温度で、1〜20時間重合することが好ましい。
このようにして得られたビニル重合体粒子を炭素化および黒鉛化する前に、100〜500℃で酸化処理することにより、炭素材料の収率を高めることが可能となると共に、炭素化および黒鉛化後も粒子形状を保持させることができる。酸化処理の温度は、より好ましくは200〜400℃である。酸化処理の時間は、好ましくは1〜10時間、特に好ましくは1〜4時間である。
前記酸化処理の後、得られた炭素前駆体を、不活性ガス存在下、2,000〜4,000℃で加熱することにより、炭素化および黒鉛化を進行させることができる。不活性ガスとしては、例えば、N2、アルゴン等が挙げられる。加熱温度は、好ましくは2,500〜3,500℃、特に好ましくは2,500〜3,000℃である。加熱時間は、好ましくは0.5〜10時間、特に好ましくは0.5〜3時間である。酸化処理の後、得られた炭素前駆体を、不活性ガス存在下、2,000〜4,000℃で加熱する前に、不活性ガス存在下、500〜1,500℃で0.5〜10時間加熱してもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
なお、以下に示す実施例において得られた本炭素材料の諸物性の分析方法を以下に示す。
(1)ラマン分光分析
レニショー社製inVia Reflexにより、波長532nmのレーザーを用いて、実施例で得られた炭素材料のラマン分光分析を行った。得られたラマンスペクトルから、1360cm-1付近に認められるDバンドのピークの強度(高さ、ID)と、1580cm-1付近に認められるGバンドのピークの強度(高さ、IG)の比ID/IGを測定した。また、DバンドおよびGバンドの半値幅を測定した。
(2)X線回折分析
株式会社リガク製SmartLabを用いて、以下表1に示す条件で、実施例で得られた炭素材料のX線回折分析を行った。
得られたX線回折スペクトルから、非晶性炭素の存在を示す領域の面積、結晶性炭素の存在を示す領域の面積(2θ=26.0°付近のピークの面積および2θ=26.5°付近のピークの面積)を以下の要領で求めた。
〔2θ=18〜30°の範囲に観測されるピークの総面積〕
X線回折スペクトル上における、2θが18°である点(以下、「点C」とする。)と、2θが30°である点(以下、「点D」とする。)とを直線で結び、この直線と2θ=18〜30°の範囲のスペクトルとが囲む面積を「2θ=18〜30°の範囲に観測されるピークの総面積」として求めた。
〔非晶性炭素の存在を示す領域の面積〕
X線回折スペクトルにおいて、2θ=25°である点(以下、「点A」とする。)から、2θ=26.5°〜30°間のスペクトルに接線Lを引く。この時得られた接線Lとスペクトルとの接点を「点B」とする。なお、点Bの2θの値は、点Dの2θの値より小さい値である。この場合、点Aと点B間の接線L、点Bと点D間のスペクトル、点Dと点Cとを結ぶ直線、および、点Cと点A間のスペクトルで囲まれた領域の面積を「非晶性炭素の存在を示す領域の面積」として求めた。
〔結晶性炭素の存在を示す領域の面積〕
2θ=26.0°付近に観測されるピークの頂点を「点E」、2θ=26.5°付近に観測されるピークの頂点を「点F」とする。また、点Eと点Fとの間で極小値を示す点を「点G」とする。点Gから2θ軸に垂線を下ろし、この時、前記接線Lと該垂線とが交わる点を「点H」とする。この場合、点Aと点E間のスペクトル、点Eと点G間のスペクトル、点Gと点Hとを結ぶ直線、および、点Hと点A間の接線Lで囲まれる領域の面積を「2θ=26.0°付近のピークの面積」とし、点Gと点F間のスペクトル、点Fと点B間のスペクトル、点Bと点H間の接線L、および、点Hと点Gとを結ぶ直線で囲まれる領域の面積を「2θ=26.5°付近のピークの面積」として、それぞれ求めた。
なお、2θ=18〜30°の範囲に観測されるピークの総面積、非晶性炭素の存在を示す領域の面積、θ=26.0°付近のピークの面積、および、2θ=26.5°付近のピークの面積は、得られたスペクトルの関数が分かる場合は、該関数を用いて積分することにより算出できるが、簡便には、得られたスペクトルチャートを、前記面積ごとに切り取り、切り取ったチャートの質量を測定することにより、これらの面積の比を算出してもよい。
(3)平均粒子径
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて50個の炭素粒子の長軸径を計測し、その平均値を求めた。
(4)比表面積
日本ベル株式会社製BELSORP−miniIIを用いて、BET法により求めた。
[実施例1]
窒素導入管、撹拌羽および温度計を備えたセパラブルフラスコに蒸留水(950質量部)、ポリスチレン粒子(平均粒子径=1μm、2.3質量部)、スチレン(25質量部)および1,4−ジビニルベンゼン(25質量部)を加え窒素置換を行った後、75℃に昇温した。ここに蒸留水(18.2質量部)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.2質量部)およびアゾビスイソブチロニトリル(2.0質量部)の混合液を加え、75℃で、10時間重合反応を行った。反応液を冷却後、ろ過により重合体粒子を回収し、蒸留水で2度洗浄した後、熱風乾燥を行うことで重合体粒子紛体を得た(収率=97%)。SEM観察により求めた平均粒子径は2.6μmであった。
得られた重合体粒子粉体を、熱風乾燥機を用いて、大気雰囲気下、昇温速度2℃/分で350℃まで昇温した後、その温度で3時間加熱することで酸化処理し、炭素前駆体を得た。
元素分析の結果、C/H/N/O=95.60/2.94/0.25/21.22(モル分率)であった(収率=35%)。SEM観察により求めた平均粒子径は1.8μmであった。
管状炉を用いて、N2気流下、昇温速度12℃/分で1000℃まで昇温した後、その温度で1時間、得られた炭素前駆体を加熱した(収率=62%)。SEM観察により求めた平均粒子径は1.7μmであった。次いで、管状炉を用いて、アルゴン気流下、昇温速度20℃/分で2800℃まで昇温した後、その温度で1時間加熱を行った(収率=96%)。SEM観察により求めた平均粒子径は1.6μmであった。このSEM像を図1に示す。
2800℃で加熱後の炭素材料(「実施例で得られた炭素材料」ともいう。)の諸物性は以下の通りである。
ID/IG:0.13
Dバンドの半値幅:43cm-1
Gバンドの半値幅:25cm-1
2θ=18〜30°の範囲に観測されるピークの総面積に対する非晶性炭素の存在を示す領域の面積の割合:68%
2θ=18〜30°の範囲に観測されるピークの総面積に対する2θ=26.0°付近のピークの面積の割合:7%
2θ=18〜30°の範囲に観測されるピークの総面積に対する2θ=26.5°付近のピークの面積の割合:25%
元素分析:C/H/N/O=99.62/0.17/0.07/0.14(モル分率)
比表面積:4.1m2/g
実施例で得られた炭素材料と市販のケッチェンブラックの体積抵抗率を、ロレスタ製紛体抵抗測定機を用いて測定した。測定結果を図2に示す。なお、図2中、▲は、市販のケッチェンブラックの体積抵抗率であり、◆は、実施例で得られた炭素材料の体積抵抗率である。
市販のケッチェンブラックと比較して、本炭素材料の体積抵抗率は低かった。
本炭素材料は、例えば、マンガン乾電池、リチウムイオン二次電池・リチウムイオンキャパシタ・電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイス電極用材料等として極めて有用である。

Claims (4)

  1. ラマンスペクトルにおいて、DバンドおよびGバンドを有し、それぞれの強度IDおよびIGの比ID/IGが0.01〜1.0であり、
    X線回折スペクトルにおいて2θ=18〜30°の範囲に、結晶性炭素の存在を示す領域と非晶性炭素の存在を示す領域とが観測され、2θ=18〜30°の範囲に観測されるピークの総面積に対する非晶性炭素の存在を示す領域の面積の割合が20〜80%である、炭素材料。
  2. 前記X線回折スペクトルにおいて2θ=26.0°付近と2θ=26.5°付近にピークの頂点が観測され、2θ=18〜30°の範囲に観測されるピークの総面積に対する2θ=26.0°付近のピークの面積の割合が5〜40%であり、2θ=26.5°付近のピークの面積の割合が10〜60%である、請求項1に記載の炭素材料。
  3. 前記ラマンスペクトルにおけるGバンドの半値幅が20〜80cm-1である、請求項1または2に記載の炭素材料。
  4. 平均粒子径が0.01〜10.0μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素材料。
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