JP2014228653A - 補給現像剤収容容器および画像形成装置 - Google Patents

補給現像剤収容容器および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】補給現像剤残量が少なくても現像装置への補給現像剤の補給が可能な補給現像剤収容容器を提供する事。
【解決手段】補給現像剤搬送装置に供給する補給現像剤が収容された容器本体と、補給現像剤を容器本体における長手方向の一端側から容器開口部が設けられた他端側に搬送する搬送部と、容器開口部に配置され、補給現像剤搬送装置に固定された搬送管を受け入れ可能な管受入口と、補給現像剤を搬送管の補給現像剤受入口に向けて移動させる汲み上げ部を備え、補給現像剤がトナーとキャリアを含み、容器本体が、容器開口部の容器本体内部側から、一端側に向かって突出している突出部と、突出部に沿うように湾曲する湾曲部を有し、汲み上げ部が、容器本体内壁面から突出部に向かって伸びる汲み上げ壁面を有し、突出部が、補給現像剤収容容器が補給現像剤搬送装置に装着された際、湾曲部と挿入された搬送管の補給現像剤受入口の間に存在するように設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、補給現像剤収容容器、及び画像形成装置に関する。
複写機又はプリンタ等の電子写真方式による画像形成装置では、一様に帯電した像担持体表面に露光を行なって潜像を形成し、潜像を現像してトナー像とした後、トナー像を記録紙等の転写材に転写することが行なわれている。トナー像を担持した転写材は、定着装置を通過し、その熱又は圧力によりトナーは転写材上に定着される。
上記画像形成装置において、像担持体上の潜像を現像する現像装置には、磁性材料を含むトナーを用いて現像を行なう一成分現像方式のものと、トナーとキャリアからなる現像剤を用いて現像を行なう二成分現像方式のものがある。
このうち、二成分現像方式の現像装置は、現像性に優れているため、現在使用されている大半の画像形成装置において用いられている。特に近年では、フルカラーやマルチカラー画像を形成するカラー画像形成装置が多く使用されており、二成分現像方式の現像装置に対する需要は、さらに高まってきている。
上記二成分現像方式の画像形成装置では、トナーとキャリアとは、現像装置内において撹拌され、トナーはその摩擦帯電によりキャリアから電荷を付与されると共に、キャリア外面に静電的に付着した状態となる。トナーを担持したキャリアは、現像領域へと搬送されて、現像バイアスが印加された条件下でトナーはキャリアから離れて、像担持体の潜像部分に静電的に付着し、トナー画像が形成される。このため、二成分現像方式において、高耐久で、且つ高い安定性を満足した画像を提供するためには、攪拌時に、トナーに対してキャリアから安定した帯電量が付与されることが重要であり、そのためには、長時間使用の前後においても、キャリアの帯電付与能力が安定していることが重要である。
しかし、通常の二成分現像方式における現像装置では、トナーが現像動作によって消費されていく一方、キャリアは消費されずに現像槽内に残る。このため、現像槽内でトナーと共に撹拌されるキャリアは、撹拌頻度が多くなるにつれて、キャリア表面の被覆樹脂の剥がれや、キャリア表面へのトナーの付着といった事態が生じることによって劣化し、例えば、キャリア抵抗値および現像剤の帯電性が徐々に低下して、現像剤の現像性が過度に上がり、画像濃度が上昇したり、かぶりが発生したりする不具合が誘発される。
上記問題を解決するものとして、例えば、特許文献1(特公平2−21591号公報)には、現像によって消費されるトナーと共にキャリアを追加し、現像機内のキャリアを少しずつ入れ替えることにより、帯電量の変化を抑制し、画像濃度を安定化する現像装置、いわゆるトリクル現像装置が開示されている。
トナーとキャリアとからなる補給現像剤は、トナーのみの場合と同様に補給現像剤を収容した容器から補給される。例えば、回転自在な筒状の粉体収納部材と、紛体収納部材に固定された搬送管受入部材と、搬送管受入部材に設けられた開口部と、トナーを容器本体が回転することで容器内において上方に持ち上げる汲み上げ部と、を有するトナー収容容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この提案の技術では、容器本体の回転に伴って汲み上げ部によりトナーが持ち上げられ、当該回転中に汲み上げ部よりトナーが落下して搬送管の内部にトナーが供給される。
しかし、汲み上げ部によってトナーを汲み上げて、搬送管の内部に供給する構成を採用する方式の場合、トナーボトル内のトナー残量が少なくなってくると、現像装置へのトナー補給が困難になるという問題がある。
したがって、トナー収容容器内のトナー残量が少なくなっても、現像装置へのトナーの補給が可能なトナー収容容器の提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、補給現像剤収容容器内の補給現像剤残量が少なくなっても、現像装置への補給現像剤の補給が可能な補給現像剤収容容器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のトナー収容容器は、補給現像剤搬送装置に装着可能であり、前記補給現像剤搬送装置に供給する補給現像剤が収容された容器本体と、
前記容器本体の内部に配置され、前記補給現像剤を前記容器本体における長手方向の一端側から容器開口部が設けられた他端側に搬送する搬送部と、
前記容器開口部に配置され、前記補給現像剤搬送装置に固定された搬送管を受け入れ可能な管受入口と、
前記搬送部によって搬送された前記補給現像剤を前記容器本体の下方から上方に持ち上げ、前記搬送管の補給現像剤受入口に向けて移動させる汲み上げ部と、を備える補給現像剤収容容器において、
前記補給現像剤が、トナーとキャリアとを含有し、
前記容器本体が、前記容器開口部の容器本体内部側から、前記一端側に向かって突出している突出部を有し、
前記汲み上げ部が、前記容器本体内壁面から前記突出部に向かって伸びる汲み上げ壁面と、前記突出部に沿うように湾曲する湾曲部と、を有し、
前記突出部が、前記補給現像剤収容容器が前記補給現像剤搬送装置に装着された際、前記湾曲部と挿入された前記搬送管の補給現像剤受入口との間に存在するように設けられている、
ことを特徴とする。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決することができ、補給現像剤収容容器内の補給現像剤残量が少なくなっても、現像装置への補給現像剤の補給が可能な補給現像剤収容容器を提供することができる。
図1は、本発明の一例の補給現像剤収容容器を装着する前の補給現像剤搬送装置と補給現像剤収容容器の断面説明図である。 図2は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図3は、図2に示す画像形成装置の作像部の一構成を示す模式図である。 図4は、図2に示す画像形成装置における補給現像剤補給装置に補給現像剤収容容器が設置された状態を示す模式図である。 図5は、補給現像剤補給装置に補給現像剤収容容器が設置された状態を示す一例の概略斜視図である。 図6は、本発明の補給現像剤収容容器の構成の一例を示す斜視説明図である。 図7は、補給現像剤収容容器を装着する前の補給現像剤搬送装置と補給現像剤収容容器の一例の斜視説明図である。 図8は、補給現像剤収容容器を装着した状態の補給現像剤搬送装置と補給現像剤収容容器の一例の斜視説明図である。 図9は、補給現像剤収容容器を装着した状態の補給現像剤搬送装置と補給現像剤収容容器の一例の断面説明図である。 図10は、先端側のカバーを取り外した状態の補給現像剤収容容器の一例の斜視説明図である。 図11は、容器本体からノズル受入部材を取り外した状態の補給現像剤収容容器の一例の斜視説明図である。 図12は、容器本体からノズル受入部材を取り外した状態の補給現像剤収容容器の一例の断面説明図である。 図13は、図12の状態からノズル受入部材を容器本体に取り付けた状態の補給現像剤収容容器の一例の断面説明図である。 図14は、容器先端側から見たノズル受入部材の一例の斜視説明図である。 図15は、容器後端側から見たノズル受入部材の一例の斜視説明図である。 図16は、図13に示す状態のノズル受入部材の一例の断面図である。 図17は、図13に示す状態のノズル受入部材の一例の断面図である。 図18は、ノズル受入部材の一例の分解斜視図である。 図19(a)は、開閉部材と搬送管の装着動作時の状態を説明する一例の上方から見た平面視図である。図19(b)は、開閉部材と搬送管の装着動作時の状態を説明する一例の上方から見た平面視図である。図19(c)は、開閉部材と搬送管の装着動作時の状態を説明する一例の上方から見た平面視図である。図19(d)は、開閉部材と搬送管の装着動作時の状態を説明する一例の上方から見た平面視図である。 図20(a)は、一の実施形態における容器後端側から見た後端開口部とシャッタ抜け防止爪及び平面ガイド部との関係を示す拡大図である。図20(b)は、一の実施形態における容器後端側から見た後端開口部とシャッタ抜け防止爪及び平面ガイド部との関係を示す拡大図である。 図21は、他の実施形態における開閉部材と搬送管の当接状態を示す拡大断面図である。 図22は、他の実施形態における凝集抑制手段の突出量と画像中の黒ポチの発生の関係を示す予想図である。 図23は、他の実施形態における凝集抑制手段の別な構成を示す拡大図である。 図24は、搬送管の端面の変形例を示す拡大図である。 図25は、他の実施形態における主要部の構成を示す拡大斜視図である。 図26は、他の実施形態における開閉部材と搬送管の当接状態を示す拡大断面図である。 図27は、他の実施形態における開閉部材の端面に設けたシール部材と凝集抑制手段の構成を説明する拡大断面図である。 図28は、他の実施形態におけるシール部材の構成を示す拡大断面図である。 図29は、他の実施形態におけるシール部材の潰れ量を説明する拡大断面図である。 図30は、図9のE−E断面図である。 図31は、本発明の補給現像剤収容容器の構成を示す斜視説明図である。 図32は、本発明の補給現像剤収容容器の構成を示す断面斜視図である。 図33は、本発明の補給現像剤収容容器の構成を示す側面図である。 図34は、本発明の補給現像剤収容容器の構成を示す断面斜視図である。 図35は、本発明の補給現像剤収容容器の構成を示す断面図である。 図36は、本発明の補給現像剤収容容器の他の態様を示す斜視図である。 図37は、本発明の補給現像剤収容容器の他の態様を示す断面図である。 図38(a)は、補給現像剤収容容器に補給現像剤を充填するときの製造工程の一例を説明するための図である。図38(b)は、補給現像剤収容容器に補給現像剤を充填するときの製造工程の一例を説明するための図である。 図39は、補給現像剤収容容器内の補給現像剤残量と補給現像剤補給量との関係を示すグラフである。
(補給現像剤収容容器)
本発明の第1の補給現像剤収容容器は、補給現像剤と、容器本体と、搬送部と、管受入口と、汲み上げ部と、を少なくとも備え、更に必要に応じて、その他の部材を備える。
前記補給現像剤は、画像形成に用いられる。前記補給現像剤が、トナーとキャリアとを含有する。
前記容器本体は、補給現像剤搬送装置に装着可能であり、前記補給現像剤搬送装置に供給する前記補給現像剤を収容する。
前記搬送部は、前記容器本体の内部に配置され、前記補給現像剤を前記容器本体における長手方向の一端側から容器開口部が設けられた他端側に搬送する。
前記管受入口は、前記容器開口部に配置され、前記補給現像剤搬送装置に固定された搬送管を受け入れ可能である。
前記汲み上げ部(補給現像剤移送部ともいう)は、前記搬送部によって搬送された前記補給現像剤を前記容器本体の下方から上方に持ち上げ、前記搬送管の補給現像剤受入口に向けて移動させる。
前記容器本体は、前記容器開口部の容器本体内部側から、前記一端側に向かって突出している突出部を有する。
前記汲み上げ部は、前記容器本体内壁面から前記突出部に向かって伸びる汲み上げ壁面と前記突出部に沿うように湾曲する湾曲部とを有する。
前記突出部は、前記補給現像剤収容容器が前記補給現像剤搬送装置に装着された際、前記湾曲部と挿入された前記搬送管の補給現像剤受入口との間に存在するように設けられている。
前記突出部は、板状の部材であって、前記板状の部材の平らな側面が、前記湾曲部と、挿入された前記補給現像剤搬送管の補給現像剤受入口との間に存在するように設けられていることが好ましい。そうすることにより、板状の部材の平らな側面は、補給現像剤を受け易く、前記汲み上げ部から前記補給現像剤搬送管への補給現像剤の受け渡しが円滑に進む。
なお、前記平らな側面は、前記汲み上げ部に対向する前記板状の部材の面と略直交する側面である。
また、前記汲み上げ部は、前記容器本体内壁面から前記突出部に向かって隆起した隆起部を有する。前記隆起部には前記突出部に沿うように湾曲する湾曲部が設けられている。
前記突出部は、前記補給現像剤収容容器が前記補給現像剤搬送装置に装着された際、前記湾曲部と挿入された前記搬送管の補給現像剤受入口との間に存在するように設けられている。
前記補給現像剤収容容器は、前記汲み上げ部を2つ有し、前記補給現像剤収容容器が前記補給現像剤搬送装置に装着された際、前記2つの汲み上げ部がそれぞれに有する湾曲部と、挿入された前記搬送管の補給現像剤受入口との間のそれぞれに、前記突出部が存在することが好ましい。そうすることにより、効率よく補給現像剤の汲み上げが行われ、前記汲み上げ部から前記補給現像剤搬送管への補給現像剤の受け渡しが円滑に進む。
2つの前記突出部は、前記補給現像剤収容容器における長手方向の中心軸を挟んで対向して配置されていてもよいし、対向して配置されていなくてもよい。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置においては、前記補給現像剤収容容器が画像形成装置本体に着脱可能に設置されている。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図2は、画像形成装置としての複写機(以下、複写機500という)に適用した、本発明の一実施形態について説明する。
図2は、本実施形態の複写機500の概略構成図である。複写機500は、複写機装置本体(以下、プリンタ部100という)、給紙テーブル(以下、給紙部200という)及びプリンタ部100上に取り付けるスキャナ(以下、スキャナ部400という)から構成されている。
プリンタ部100の上部に設けられた補給現像剤収容容器収納部70には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した四つの補給現像剤収容容器32(Y,M,C,K)が着脱自在(交換自在)に設置されている。補給現像剤収容容器収納部70の下方には中間転写ユニット85が配設されている。
中間転写ユニット85は、中間転写体としての中間転写ベルト48、四つの一次転写バイアスローラ49(Y,M,C,K)、二次転写バックアップローラ82、複数のテンションローラ、及び、不図示の中間転写クリーニング装置等で構成されている。中間転写ベルト48は、複数のローラ部材によって張架、支持されるとともに、この複数のローラ部材の一つである二次転写バックアップローラ82の回転駆動によって図2中の矢印方向に無端移動する。
プリンタ部100には、中間転写ベルト48に対向するように、各色に対応した四つの作像部46(Y,M,C,K)が並設されている。四つの補給現像剤収容容器32(Y,M,C,K)の下方には、それぞれの色の補給現像剤容器に対応した四つの補給現像剤搬送装置としての補給現像剤補給装置60(Y,M,C,K)が配設されている。そして、補給現像剤収容容器32(Y,M,C,K)に収容された粉体の現像剤である補給現像剤は、それぞれに対応する補給現像剤補給装置60(Y,M,C,K)によって、各色に対応した作像部46(Y,M,C,K)の現像装置内に供給(補給)される。
図2に示すように、プリンタ部100は、四つの作像部46の下方に潜像形成手段である露光装置47を備えている。露光装置47は、スキャナ部400で読み込んだ原稿画像の画像情報に基づいて、感光体41(Y,M,C,K)の表面を露光走査し、各感光体の表面に静電潜像を形成する。画像情報はスキャナ部400からの読み込みではなく、複写機500に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部装置から入力される画像情報であってもよい。
本形態において、露光装置47には、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ方式を用いているが、露光手段としてはLEDアレイを用いるものなど他の構成でもよい。
図3は、イエローに対応した作像部46Yの一構成を示す模式図である。
作像部46Yは、像担持体であるドラム状の感光体41Yを備える。作像部46Yは、帯電手段である帯電ローラ44Y、現像手段である現像装置50Y、感光体クリーニング装置42Y、不図示の除電装置等を感光体41Yの周囲に配設した構成である。そして、感光体41Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われることで、感光体41Y上にイエローのトナー画像が形成される。
なお、他の三つの作像部46(M,C,K)も、使用されるトナーの色が異なる点以外は、イエローに対応した作像部46Yとほぼ同様の構成となっていて、各感光体41(M,C,K)上にそれぞれの色のトナーに対応したトナー画像が形成される。以下、他の三つの作像部46(M,C,K)の説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部46Yのみの説明を行うことにする。
感光体41Yは、不図示の駆動モータによって図3中の時計回り方向に回転駆動される。感光体41Yは、帯電ローラ44Yと対向する位置で、感光体41Yの表面が一様に帯電される(帯電工程)。その後、感光体41Yの表面は、露光装置47から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程)。その後、感光体41Yの表面は、現像装置50Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像がイエローのトナーで現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程)。
中間転写ユニット85の四つの一次転写バイアスローラ49(Y,M,C,K)は、それぞれ、中間転写ベルト48を感光体41(Y,M,C,K)との間に挟み込んで一次転写ニップを形成している。一次転写バイアスローラ49(Y,M,C,K)には、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
現像工程でトナー像が形成された感光体41Yの表面は、中間転写ベルト48を挟んで一次転写バイアスローラ49Yと対向する一次転写ニップに達して、この一次転写ニップで感光体41Y上のトナー像が中間転写ベルト48上に転写される(一次転写工程)。このとき、感光体41Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。一次転写ニップでトナー像を中間転写ベルト48に転写した感光体41Yの表面は、感光体クリーニング装置42Yとの対向位置に達する。感光体41Y上に残存した未転写トナーは、この対向位置で感光体クリーニング装置42Yが備えるクリーニングブレード42aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。最後に、感光体41Yの表面は、不図示の除電装置との対向位置に達して、この位置で感光体41Y上の残留電位が除去される。こうして、感光体41Y上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
このような作像プロセスは、他の作像部46(M,C,K)でも、イエローの作像部46Yと同様に行われる。即ち、作像部46(M,C,K)の下方に配設された露光装置47から、画像情報に基づいたレーザ光Lが、各作像部46(M,C,K)の感光体41(M,C,K)上に向けて照射される。詳しくは、露光装置47は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して各感光体41(M,C,K)上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体41(M,C,K)上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト48上に転写する。
このとき、中間転写ベルト48は、図2中の矢印方向に走行して、各一次転写バイアスローラ49(Y,M,C,K)の一次転写ニップを順次通過する。これにより、各感光体41(Y,M,C,K)上の各色のトナー像が、中間転写ベルト48上に重ねて一次転写され、中間転写ベルト48上にカラートナー像が形成される。
各色のトナー像が重ねて転写され、カラートナー像が形成された中間転写ベルト48は、二次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、二次転写バックアップローラ82が、二次転写ローラ89との間に中間転写ベルト48を挟み込んで二次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト48上に形成されたカラートナー像は、二次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に、例えば二次転写バックアップローラ82に印加される転写バイアスの作用によって転写される。このとき、中間転写ベルト48には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。二次転写ニップを通過した中間転写ベルト48は、不図示の中間転写クリーニング装置の位置に達し、その表面上の未転写トナーが回収され、中間転写ベルト48上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
次に、記録媒体Pの動きについて説明する。
上述した二次転写ニップに搬送される記録媒体Pは、プリンタ部100の下方に配設された給紙部200に設けられた給紙トレイ26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。詳しくは、給紙トレイ26には記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図2中、反時計回り方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28の二つのローラによって形成されるローラニップに向けて搬送される。
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト48上のカラートナー像が二次転写ニップに到達するタイミングに合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されることで、記録媒体Pが二次転写ニップに向けて搬送される。これにより、記録媒体P上に、所望のカラートナー像が転写される。
二次転写ニップでカラートナー像が転写された記録媒体Pは、定着装置86の位置に搬送される。定着装置86では、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラートナー像が記録媒体P上に定着される。定着装置86を通過した記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。こうして、複写機500における一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、作像部46における現像装置50の構成及び動作について、更に詳しく説明する。なお、ここではイエローに対応した作像部46Yを例に挙げて説明を行うが、他色の作像部46(M,C,K)においても同様の構成及び動作を行う。
現像装置50Yは、図3に示すように、現像剤担持体としての現像ローラ51Y、現像剤規制板としてのドクタブレード52Y、二つの現像剤搬送スクリュ55Y、及び、トナー濃度検知センサ56Y等で構成されている。現像ローラ51Yは、感光体41Yに対向し、ドクタブレード52Yは、現像ローラ51Yに対向する。二つの現像剤搬送スクリュ55Yは、二つの現像剤収容部(53Y,54Y)内に配設されている。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットローラ、及び、マグネットローラの周囲を回転するスリーブ等で構成されている。第一現像剤収容部53Y及び第二現像剤収容部54Y内には、キャリアとトナーとからなる二成分の現像剤Gが収容されている。第二現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー落下搬送経路64Yに連通している。トナー濃度検知センサ56Yは、第二現像剤収容部54Y内の現像剤G中のトナー濃度を検知する。
現像装置50Y内の現像剤Gは、二つの現像剤搬送スクリュ55Yによって、攪拌されながら、第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとの間を循環する。第一現像剤収容部53Y内の現像剤Gは、現像剤搬送スクリュ55Yの一方に搬送されながら現像ローラ51Y内のマグネットローラにより形成される磁界によって現像ローラ51Yのスリーブ表面上に供給されて担持される。現像ローラ51Yのスリーブは、図3に矢印で示すように反時計回り方向に回転駆動し、現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。このとき、現像剤G中のトナーは、現像剤G中のキャリアとの摩擦帯電によりキャリアとは逆極性の電位に帯電して静電的にキャリアに吸着し、現像ローラ51Y上に形成された磁界によって引き寄せられるキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図3中の矢印方向に搬送されて、ドクタブレード52Yと現像ローラ51Yとが対向するドクタ部に達する。現像ローラ51Y上の現像剤Gは、ドクタ部を通過する際にその量が規制されて適量化され、その後、感光体41Yとの対向位置である現像領域まで搬送される。現像領域では、現像ローラ51Yと感光体41Yとの間に形成された現像電界によって感光体41Y上に形成された潜像に現像剤G中のトナーが吸着される。現像領域を通過した現像ローラ51Yの表面上に残った現像剤Gは、スリーブの回転に伴い第1現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
現像装置50Y内の現像剤Gは、トナー濃度が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置50Y内の現像剤Gに含まれるトナーの現像による消費量に応じて、補給現像剤容器32Yに収容されている補給現像剤が、補給現像剤補給装置60Yを介して第二現像剤収容部54Y内に補給される。第二現像剤収容部54Y内に補給された補給現像剤は、二つの現像剤搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合、攪拌されながら、第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとの間を循環する。
次に、現像装置周辺の構成について説明する。
現像装置の上方には現像装置内に新規なトナーとキャリアからなる現像剤(補給現像剤)を補給する現像剤補給装置が備えられており、現像装置の下方には、現像装置内で過剰となった現像剤を排出する現像剤排出装置が備えられている。
(補給用現像剤)
本発明の補給用現像剤とは、少なくともトナーとキャリアとを含むものである。現像剤収容容器に収容されている補給用現像剤のトナーとしては、下記に示すトナーが使用され、そのキャリアとしては、詳細は後述するが芯材に所定の微粒子を有してなる被覆層を形成した、磁性のキャリアが使用される。
(現像装置内現像剤)
また、現像装置内現像剤のトナーとしては、現像剤収容容器に収容されているトナーと同じものでも、異なるトナーでも使用することができ、また、キャリアとしても、現像剤収容容器に収容されているキャリアと同じものでも、異なるキャリアでも使用することができる。
本実施形態で使用されるキャリアの詳細な構成については、後に詳述する。
次に、現像剤補給装置および現像剤排出装置を備えた現像装置の現像動作について説明する。
まず、現像剤収容部内に予め収容されている現像装置内現像剤が、搬送スクリューより攪拌されて充分に混合されるとともに摩擦帯電された後、現像ローラに供給されて、そのスリーブ表面に層状に付着する。
この現像ローラに付着する層状の現像剤は、層厚規制部材により所定の厚さに規制されて均一な層にされた後、スリーブの回転に伴って感光体と対向する現像領域Dに搬送される。そして、この現像領域Dにおいて、画像形成装置本体側で原稿の画像に応じて感光体上に形成された潜像に二成分現像剤のトナーが静電吸着して現像が行なわれ、感光体上にトナー像が形成される。
感光体上に形成されたトナー像は、画像形成装置本体側において記録用紙上に転写され、定着部により記録用紙上に定着される。
この現像動作が繰り返されることにより、現像剤収容部内の現像装置内現像剤に含まれるトナーが消費されて徐々に減るが、このトナーの減量が、前記したトナー濃度センサにより検知されると、現像剤補給装置の現像剤補給器が駆動する。これにより、現像剤収容容器の現像剤収容部材内部に収容されている、下記詳述するキャリアとトナーとを含んだ補給用現像剤が、搬送チューブを経て補給される。現像剤収容部内に補給された新たな二成分現像剤は、現像剤収容部内で搬送スクリューにより攪拌され、補給前から収容されている現像装置内現像剤と充分に混合される。
現像剤収容部内には、現像剤補給装置からの補給用現像剤の補給により、トナーと共にキャリアも所定の割合で補給されるため、現像剤収容部内の現像剤量は次第に過剰となる。現像剤収容部内で過剰になった二成分現像剤は、収容部の規制高さを越えて溢れ出し現像剤排出装置の排出パイプを通して回収容器内に収容される。
次に、補給現像剤補給装置60(Y,M,C,K)について説明する。
図4は、補給現像剤補給装置60Yに補給現像剤収容容器32Yが装着された状態を示す模式図であり、図5は、補給現像剤収容容器収容部70に四つの補給現像剤収容容器32(Y,M,C,K)が装着された状態を示す概略斜視図である。
プリンタ部100の補給現像剤収容容器収容部70に装着された補給現像剤収容容器32(Y,M,C,K)内の補給現像剤は、図4に示すように各色の現像装置50(Y,M,C,K)内のトナー消費に応じて、適宜に各現像装置50(Y,M,C,K)内に補給される。このとき、補給現像剤収容容器32(Y,M,C,K)内の補給現像剤は、トナー色ごとに設けられた補給現像剤補給装置60(Y,M,C,K)によって補給される。なお、四つの補給現像剤補給装置60(Y,M,C,K)や補給現像剤収容容器32(Y,M,C,K)は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造である。このため、以下、イエローに対応した補給現像剤補給装置60Y及び補給現像剤収容容器32Yのみの説明を行い、他の三つの色に対応した補給現像剤補給装置60(M,C,K)及び補給現像剤収容容器32(M,C,K)の説明を適宜に省略する。
補給現像剤補給装置60Y(Y,M,C,K)は、補給現像剤収容容器収容部70、搬送管としての搬送ノズル611(Y,M,C,K)、搬送部材としての搬送スクリュ614(Y,M,C,K)、補給現像剤落下搬送経路64(Y,M,C,K)、容器回転駆動部91(Y,M,C,K)等で構成されている。
説明の便宜のため、補給現像剤収容容器32Yの補給現像剤補給装置60Yへの装着方向を基準にして、後述する容器本体33の容器開口部33a側を容器先端側とし、容器開口部33aの反対側(後述する把手部303側)を容器後端側とする。補給現像剤収容容器32Yが図4中矢印Qの方向へ移動してプリンタ部100の補給現像剤収容容器収容部70に装着されると、その装着動作に連動して、補給現像剤収容容器32Yの容器先端側から補給現像剤補給装置60Yの搬送ノズル611Yが挿入される。これにより、補給現像剤収容容器32Y内と搬送ノズル611Y内とが連通する。この装着動作に連動して連通する構成についての詳細は後述する。
補給現像剤収容容器の形態として、補給現像剤収容容器32Yは、略円筒状の補給現像剤ボトルである。そして、補給現像剤収容容器32Yは、主として、補給現像剤収容容器収容部70に非回転で保持される容器先端側カバー34Yと、容器ギア301Yが一体的に形成された補給現像剤収納部材としての容器本体33Yとから主に構成される。容器本体33Yは、容器先端側カバー34Yに対して回転可能に保持されている。
補給現像剤収容容器収容部70は、図5に示すように、主として、容器カバー受入部73と、容器受部72と、挿入口形成部71とで構成されている。容器カバー受入部73は、補給現像剤収容容器32Yの容器先端側カバー34Yを保持するための部分である。容器受部72は、補給現像剤収容容器32Yの容器本体33Yを支持するための部分である。挿入口形成部71は、容器受部72と、補給現像剤収容容器32Yの装着動作時における挿入口を形成する部分である。複写機500の手前側(図2の紙面垂直方向手前側)に設置された不図示の本体カバーを開放すると、補給現像剤収容容器収容部70の挿入口形成部71が露呈される。そして、各補給現像剤収容容器32(Y,M,C,K)の長手方向を水平方向とした状態で、複写機500の手前側から各補給現像剤収容容器32(Y,M,C,K)の着脱操作(補給現像剤収容容器32の長手方向を着脱方向とする着脱操作)を行う。なお、図4中のセットカバー608Yは、補給現像剤収容容器収容部70の容器カバー受入部73の一部である。
容器受部72は、その長手方向の長さが、容器本体33Yの長手方向の長さとほぼ同等になるように形成されている。容器カバー受入部73は、容器受部72における長手方向(着脱方向)の容器先端側に設けられ、挿入口形成部71は容器受部72における長手方向の一端側に設けられている。図5では四つの補給現像剤収容容器32の直下に容器本体33の軸方向を長手として、挿入口形成部71から容器カバー受入部73まで続く溝がそれぞれ形成されている。この溝に嵌ってすべり移動を可能にするよう、容器先端側カバー34の下部の両側面には一対のスライドガイド361(図7)がある。容器受部72の溝にはその両側面から突き出る一対のスライドレールがある。この一対のスライドレールに上下から挟むように、スライドガイド361は容器本体33の回転軸と平行にスライド溝361aが形成されている。更に容器先端側カバー34は、補給現像剤補給装置60に装着するときに、セットカバー608に設けられた補給装置側ロック部材と係合する容器ロック部339を備える。
そのため、補給現像剤収容容器32Yの装着動作にともない、容器先端側カバー34Yは、挿入口形成部71を通過した後に、しばらく容器受部72上を滑動して、その後に容器カバー受入部73に装着される。
また、容器先端側カバー34には、図6に示すように、補給現像剤収容容器32の使用状況等のデータを記録したIDタグ(IDチップ)700が設けられている。更に、容器先端側カバー34には、収納するトナーの色が異なる補給現像剤収容容器32が他の色のセットカバー608に装着されることを防止する色非互換リブ34bを設けている。スライドガイド361が装着時に容器受部72のスライドレールと係合することで容器先端側カバー34の補給装置60上での姿勢が決まる。そして、容器ロック部339と補給装置側ロック部材609の位置合わせ、及びIDタグ700と本体側のコネクタの位置合わせをスムースに行うことができる。IDタグは補給現像剤容器の情報(収容されているトナーの色、使用された回数等)を記憶する記憶素子が設けられている電子基板であり。本実施例の形態に限定されるものではない。また、IDタグが存在しない構成にしてもよい。
容器先端側カバー34Yが容器カバー受入部73に装着された状態で、図8に示すように駆動モータや駆動ギア等で構成されている容器回転駆動部91Yから容器駆動ギア601Yを介して、容器本体33Yに具備された容器ギア301Y(図10)に回転駆動が入力される。これにより、容器本体33Yが図4中の矢印A方向に回転駆動される。容器本体33Y自体が回転することで、容器本体33Yの内周面に螺旋状に形成された螺旋状突起302Y(回転搬送部)も回転し、容器本体33Yの内部に収容された補給現像剤が容器本体長手方向に沿って図4中の左側に位置する一端(把手部303側)から右側に位置する他端(容器開口部33a側)へ搬送される。これにより、他端33に設けられた容器先端側カバー34Y側から搬送ノズル611Y内に補給現像剤が供給される。言い換えるなら螺旋状突起302Yが回転することでノズル受入口331Yに挿入された搬送ノズル611Yに補給現像剤が供給される。
搬送ノズル611Y内には、搬送スクリュ614Yが配置されている。搬送スクリュ614Yは、容器回転駆動部91Yから搬送スクリュギア605Yに回転駆動が入力されることで回転し、搬送ノズル611Y内に供給された補給現像剤を搬送する。搬送ノズル611Yの搬送方向下流端は、補給現像剤落下搬送経路64Yに接続されている。搬送スクリュ614Yによって搬送された補給現像剤は、補給現像剤落下搬送経路64Yを自重落下して現像装置50Y(第二現像剤収容部54Y)内に補給される。
補給現像剤収容容器32(Y,M,C,K)は、それぞれ、寿命に達したとき(収容する補給現像剤がほとんどすべて消費されて空になったとき)に新品のものに交換される。補給現像剤収容容器32の長手方向における容器先端側カバー34とは反対側の一端には把手部303が設けられており、交換の際には、作業者が把手部303を握って引き出すことで、装着された補給現像剤収容容器32を取り外すことが出来る。
補給現像剤補給装置60Yでは、搬送スクリュ614Yの回転数によって現像装置50Yへの補給現像剤の供給量を制御している。このため、搬送ノズル611Y内を通過した補給現像剤は、現像装置50Yへの供給量を制御されることなく、補給現像剤落下搬送経路64Yを介して、直接に現像装置50Yへと搬送される。本実施形態のように、搬送ノズル611Yを補給現像剤収容容器32Yに挿入する補給現像剤補給装置60Yであっても、補給現像剤ホッパ等の補給現像剤1次貯留部を設けてもよい。
また、本実施形態の補給現像剤補給装置60Yでは、搬送ノズル611Y内に供給された補給現像剤を搬送スクリュ614Yによって搬送する構成としているが、搬送ノズル611Y内に供給された補給現像剤を搬送する搬送部材の構成としては、スクリュ部材に限るものではない。例えば周知の粉体ポンプを用いて搬送ノズル611Yの開口部に負圧を発生させる構成など、スクリュ部材以外によって搬送力を付与する構成であってもよい。
次に、本実施形態の補給現像剤収容容器32(Y,M,C,K)及び補給現像剤補給装置60(Y,M,C,K)についてより詳細に説明する。なお、上述したように、補給現像剤収容容器32(Y,M,C,K)及び補給現像剤補給装置60(Y,M,C,K)は、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっている。よって、以下、トナーの色を示す添字Y,M,C,Kは省略して説明する。
図6は、補給現像剤収容容器32の斜視説明図である。図7は、補給現像剤収容容器32を装着する前の補給現像剤補給装置60と、補給現像剤収容容器32の先端側端部との斜視説明図であり、図8は、補給現像剤収容容器32を装着した状態の補給現像剤補給装置60と、容器先端側の補給現像剤収容容器32の端部との斜視説明図である。
図1は、補給現像剤収容容器32を装着する前の補給現像剤補給装置60と、容器先端側の補給現像剤収容容器32の端部との断面説明図であり、図9は、補給現像剤収容容器32を装着した状態の補給現像剤補給装置60と、容器先端側の補給現像剤収容容器32の端部との断面説明図である。
補給現像剤補給装置60は、内部に搬送スクリュ614を備える搬送ノズル611と、ノズルシャッタ612を備える。ノズルシャッタ612は、補給現像剤収容容器32が装着される前の非装着時(図1及び図7の状態)では、搬送ノズル611に形成されたノズル開口610を閉鎖し、補給現像剤収容容器32が装着された装着時(図8及び図9の状態)にはノズル開口610を開放する。一方、補給現像剤収容容器32の先端面の中央には、装着時に搬送ノズル611が挿入される管挿入口としてのノズル受入口331が形成されており、非装着時にノズル受入口331を閉鎖する開閉部材としての容器シャッタ332を備える。
まず、補給現像剤収容容器32について説明する。
上述したように補給現像剤収容容器32は、容器本体33と、容器先端側カバー34とから主に構成されている。図10は、図6の状態から容器先端側カバー34を取り外した状態の補給現像剤収容容器32の斜視説明図である。なお、本発明における補給現像剤収容容器32は、容器本体33と、容器先端側カバー34とから主に構成されているものに限られない。たとえば、容器先端側カバー34が有するスライドガイド361やIDタグ700などの機能を設けない場合には、図10の容器先端側カバー34がない状態で補給現像剤収容容器として用いてもよい。また、スライドガイド361やIDタグ700などの機能を補給現像剤収容容器に設けることで、容器先端側カバーがない補給現像剤収容容器とすることができる。
図11は、図10の状態から容器本体33から管挿入部材としてのノズル受入部材330を取り外した状態の補給現像剤収容容器32の斜視説明図であり、図12は、容器本体33からノズル受入部材330を取り外した状態の補給現像剤収容容器32の断面説明図である。図13は、図12の状態からノズル受入部材330を容器本体33に取り付けた状態の補給現像剤収容容器32(図10と同様に容器先端側カバー34を取り外した状態の補給現像剤収容容器32)の断面説明図である。
図10、図11に示すように、容器本体33は、略円筒状であり、円筒の中心軸を回転軸として回転する構成となっている。以下、この回転軸に平行な方向を「回転軸方向」と呼び、回転軸方向において、補給現像剤収容容器32におけるノズル受入口331が形成されている側(容器先端側カバー34が配置されている側)を「容器先端側」と呼ぶことにする。また、補給現像剤収容容器32における把手部303が配置されている側(容器先端側とは逆側)を「容器後端側」と呼ぶことにする。なお、上述した補給現像剤収容容器32の長手方向は回転軸方向であり、補給現像剤補給装置60に補給現像剤収容容器32を装着した状態では、回転軸方向は水平方向となる。容器本体33の容器ギア301よりも容器後端側は、容器先端側よりもその外径が大きくなっており、その内周面には螺旋状突起302が形成されている。そして、容器本体33が図中の矢印A方向に回転すると、容器本体33内の補給現像剤は螺旋状突起302の作用によって回転軸方向における一端側(容器後端側)から他端側(容器先端側)に向かう搬送力が付与される。即ち、容器本体の内部に搬送部としての螺旋状突起が配置されている。
容器本体33の容器先端側の内壁には、容器本体33が図10、及び図11中矢印A方向に回転することで螺旋状突起302によって容器先端側に搬送されてきた補給現像剤を、容器本体33の回転によって上方に汲み上げる汲み上げ部304が形成されている。汲み上げ部304は、図13、図32に示すように凸部304hと、汲み上げ壁面304fとからなる。
凸部304hは、螺旋を形成しながら容器本体33の回転中心に向かって山の稜線を成すように容器本体33の内側に隆起した部分(隆起部)である。汲み上げ壁面304fは、凸部304hから容器本体33の周面の内壁にまで繋がる壁面のうち凸部304hを挟んで容器回転方向から見て下流側となる壁面である。
そして、汲み上げ壁面304fが下方にあるときに、螺旋状突起302の搬送力によって汲み上げ部304に対向する内部空間に進入した補給現像剤を、容器本体33の回転に応じて汲み上げ壁面304fが上方に汲み上げる。これにより、挿入された搬送ノズル611よりも上方に補給現像剤を汲み上げることができる。すなわち下方から上方に補給現像剤を持ち上げる。
更に回転が進むと汲み上げ壁面611によって汲み上げられている補給現像剤が重力に従い、汲み上げ壁面上から滑り落ちる、また、そのまま崩れて落下してゆく。
滑り落ちる先には後述する本体側の搬送管である搬送ノズル611が存在するため、搬送管のノズル開口に向けて補給現像剤を移動させることになる。
図30は、図9のE−E断面図である。図30にあるように凸部304hは、容器本体33がブロー成型で形成されることに影響され、なだらかな山状になっている。
図9等では汲み上げ部304を区別する必要上、便宜的に曲線で凸部304hを表している。汲み上げ壁面304fは、図9にあるように格子で表された領域であり、図30にあるように、容器本体33の回転軸を点対象の基準として凸部304hと容器本体33の内周面とをつなぐ一対の斜面から成る。凸部304hは、隆起し始める容器内壁面から当該内壁面に対向する反対側の内壁面に向かって、且つ、開口部方向に伸びるように連続して設けられている。なお、図9などのE−E断面の箇所では、凸部304hで分けられた内壁面のうち容器回転方向上流側の壁面は、図9などのE−E断面の切断方向と壁面の延在方向が概ね一致しているため、図30のような肉厚の状態で表れている。凸部304hもその一見肉厚に見える箇所にある。
汲み上げ壁面304fは、容器開口部33a方向に補給現像剤を搬送させる必要もあるため、図33に示すように、凸部304hから容器開口部33aに向かうにしたがって、容器本体33の長手方向軸線(図33に示す一点鎖線)から離れるように傾斜している。このようにすることによって、汲み上げ壁面が補給現像剤を汲み上げて回転したときに、汲み上げ壁面が、開口部に向かって傾斜する(凸部から開口部への方向が、水平方向よりも下側に傾斜した方向になる。さらに言えば、長手方向軸線に対して容器の径方向外側に向かって傾斜する。)構成となり補給現像剤を容器開口部方向に搬送しやすくなっている。
容器本体33の汲み上げ部304よりも更に容器先端側には、容器ギア301が形成されている。容器先端側カバー34には、容器本体33に取り付けた状態で、この容器ギア301の一部(図6中の奥側)が露出するように、ギア露出開口34aが設けられている。そして、補給現像剤収容容器32を補給現像剤補給装置60に装着することで、ギア露出開口34aから露出した容器ギア301が、補給現像剤補給装置60側の容器駆動ギア601に噛み合う構成となっている。
容器本体33の容器ギア301よりもさらに容器先端側には、円筒状の容器開口部33aが形成されている。そして、この容器開口部33aにノズル受入部材330の受入部材固定部337を圧入することにより、容器本体33に対してノズル受入部材330を固定することが出来る。ノズル受入部材330を固定する方法としては圧入に限らず、接着剤による固定やネジ止めによる固定であっても良い。
補給現像剤収容容器32は、容器本体33に対して容器開口部33aの開口から補給現像剤を充填後、ノズル受入部材330を容器本体33の容器開口部33aに固定する構成となっている。
また、容器本体33の容器開口部33aの容器ギア301側の端部には、カバー爪引掛け部306が形成されている。図10に示す状態の補給現像剤収容容器32(容器本体33)に対して、容器先端側(図10中の左下側)から容器先端側カバー34を取り付ける。これにより、容器本体33が回転軸方向で容器先端側カバー34を貫き、容器先端側カバー34の上部に設けられたカバー爪部341がカバー爪引掛け部306に引っ掛かる。カバー爪引掛け部306は容器開口部33aの外周面を一周するように形成されており、カバー爪部341が引っ掛かることで、容器本体33と容器先端側カバー34とは、相対的に回転可能な取り付けとなる。
また、容器本体33は、二軸延伸ブロー成形法によって成形される。この二軸延伸ブロー成形法は、一般的にはプリフォーム成形工程と延伸ブロー成形工程との二段工程からなる。プリフォーム成形工程では、樹脂を用いて射出成形により試験管状のプリフォームを成形する。このときの射出成形により、試験管状の口部に、容器開口部33a、カバー爪引掛け部306及び容器ギア301を形成する。延伸ブロー成形工程は、プリフォーム成形工程後に冷却され、型から外されたプリフォームを加熱して軟化した後、ブロー成形すると共に延伸する。
容器本体33では、容器ギア301よりも容器後端側が延伸ブロー成形工程によって成形される。すなわち、汲み上げ部304、螺旋状突起302が形成されている部分、及び、把手部303は、延伸ブロー成形工程によって成形される。
容器本体33において、容器ギア301、容器開口部33a及びカバー爪引掛け部306等の容器ギア301から容器先端側の各部は、射出成形されたプリフォームのままの形状であるため、精度良く成形できる。一方、汲み上げ部304、螺旋状突起302が形成されている部分、及び、把手部303は、射出成形された後、延伸ブロー成形工程で延伸して成形されているため、成型の精度はプリフォーム成型部よりは劣る。
次に、容器本体33に固定されるノズル受入部材330について説明する。
図14は、容器先端側から見たノズル受入部材330の斜視説明図であり、図15は、容器後端側から見たノズル受入部材330の斜視説明図である。また、図16は、図13に示す状態のノズル受入部材330を上から見た上断面図であり、図17は、図13に示す状態のノズル受入部材330を横(図13中の奥側)から見た横断面図である。さらに、図18は、ノズル受入部材330の分解斜視図である。
ノズル受入部材330は、支持部材としての容器シャッタ支持部材340と、容器シャッタ332と、封止部材としての容器シール333と、付勢部材としての容器シャッタバネ336と、受入部材固定部337とから構成されている。容器シャッタ支持部材340は、後端部としてのシャッタ後端支持部335、側面部として平板状のシャッタ側面支持部335a(突出部)、側面開口部としてのシャッタ支持開口部335b及び受入部材固定部337からなり、容器シャッタバネ336はコイルスプリングからなる。
容器シャッタ支持部材340に設けられた突出部としてのシャッタ側面支持部335a(突出部)とシャッタ支持開口部335bとは、補給現像剤収容容器回転方向において互いに隣り合って配置され、二つの互いに対向するシャッタ側面支持部335a(突出部)が円筒形状の一部を形成し、シャッタ支持開口部335bの部分(二箇所)で円筒形状を大きく切り取った形状となっている。このような形状により、円筒形状の内側に形成される円柱状の空間S1内(図16)を容器シャッタ332が搬送ノズル611の挿入方向に沿っての移動、言い換えればノズル受入口331を開放する開位置への移動とノズル受入口331を閉じる閉止位置への移動を案内することができる。
すなわち容器本体が、容器開口部の容器本体内部側から、容器後端側に向かって突出している突出部を有している。
容器本体33に固定されるノズル受入部材330は、容器本体33の回転時に容器本体33とともに回転するが、このとき、ノズル受入部材330のシャッタ側面支持部335a(突出部)は、補給現像剤補給装置60側の搬送ノズル611の周りを回転する。このため、回転しているシャッタ側面支持部335a(突出部)とシャッタ支持開口部335bとが搬送ノズル611の上部に形成されたノズル開口610のすぐ上方の空間を交互に通過する。これにより、仮にノズル開口610の上方で補給現像剤が瞬間的に堆積してもその堆積補給現像剤をシャッタ側面支持部335a(突出部)が横切って崩すので、放置時に堆積補給現像剤が凝集してしまい、再起動時に補給現像剤の搬送不良を起こすことを抑制することができる。一方、シャッタ側面支持部335a(突出部)が搬送ノズル611の側方に位置し、ノズル開口610とシャッタ支持開口部335bとが対向するタイミングでは、図9中の矢印βで示すように、補給現像剤はシャッタ支持開口部335bを通過して容器本体33内の補給現像剤が搬送ノズル611内へと供給される。
容器シャッタ332は、閉止部としての先端円筒部332c、滑動部332d、ガイドロッド332e及びシャッタ抜け防止爪332aからなる。先端円筒部332cは、容器シール333の円筒開口(ノズル受入口331)と密着する容器先端側の部分である。滑動部332dは、先端円筒部332cよりも容器後端側に形成され、先端円筒部332cよりは外径が少し大きく、一対のシャッタ側面支持部335a(突出部)の内周面を滑動する円筒状の部分である。
ガイドロッド332eは、先端円筒部332cの円筒内部から容器後端側に向けて起立した棒材であり、容器シャッタバネ336のコイル内部に挿入されることで容器シャッタバネ336が座屈しないように規制するロッド部分である。
ガイドロッド摺動部332gは、円柱状のガイドロッド332eの途中からガイドロッド332eの中心軸を挟んで両側に一対の平面が形成されている。また、ガイドロッド摺動部332bの容器後端側は二股に割れて一対の片持ち梁332fを形成している。
シャッタ抜け防止爪332aは、ガイドロッド332eの起立した根元とは反対側の端部であって片持ち梁332fの端部に備えられ、容器シャッタ支持部材340から容器シャッタ332の脱落を防止する一対の爪部分である。
図16及び図17に示すように、容器シャッタバネ336の先端側端部は先端円筒部332cの内壁面に突き当たり、容器シャッタバネ336の後端側端部はシャッタ後端支持部335の壁面に突き当たる。このとき、容器シャッタバネ336は圧縮した状態であるため、容器シャッタ332はシャッタ後端支持部335から離れる方向(図16及び図17中の右方向、容器先端方向)の付勢力を受ける。しかし、容器シャッタ332の容器後端側の端部に形成されたシャッタ抜け防止爪332aがシャッタ後端支持部335の外壁面に引っ掛かる。これにより、図16及び図17で示す状態よりも容器シャッタ332はシャッタ後端支持部335から離れる方向に移動することを防止している。
このようなシャッタ抜け防止爪332aのシャッタ後端支持部335に対する引っ掛かりと、容器シャッタバネ336の付勢力と、によって位置決めがなされる。詳しくは、容器シャッタ332の補給現像剤漏れ防止機能を発揮する先端円筒部332cと容器シール333との軸方向の容器シャッタ支持部材340に対する位置決めがなされる。両者が密着する関係で位置決めがされ、補給現像剤の漏出を防止することが出来る。
受入部材固定部337は容器後端側ほど外周面及び内周面の直径が段階的に小さくなる筒状である。容器先端側から容器後端側に見て順に直径が小さくなる。その外周面には図17に示すように、二箇所の外径部(容器先端から順に外周面AA,BB)、内周面には五箇所の内径部(容器先端から順に外周面CC,DD,EE,FF,GG)がある。外周面の外周面AAと外周面BBの境界はテーパ面でつながっている。内周面の四番目の内径部FFと五番目の内径部GGの境界も同様にテーパ面で繋がっている。この内周面の内径部FF及びそれに繋がるテーパ面は、後述するシール部材巻き込み防止空間337bに対応し、それらの面の稜線は後述する五角形断面の辺に相当する。
図16〜図18に示すように、受入部材固定部337から容器後端側には互いに対向し、円筒を軸方向に切断した片状の形態である一対のシャッタ側面支持部335a(突出部)が突出している。二つのシャッタ側面支持部335a(突出部)の容器後端側の端部は、底の中央に丸穴が開いたカップ形状のシャッタ後端支持部335に繋がっている。二つのシャッタ側面支持部335a(突出部)には、互いに対向することで、それらの内壁円筒面とその延長の仮想円筒面によって認識できる円柱状の空間S1が形成されている。受入部材固定部337は、円柱状空間S1の直径と同じ大きさの内径になる円筒状の内周面として先端から五番目の内径部GGを有する。この円柱状空間S1および円筒状の内周面GGを容器シャッタ332の滑動部332dは滑動する。受入部材固定部337の3番目の内周面EEは、45[°]分配の等間隔で配置されたノズルシャッタ突き当てリブ337aの長手頂部を通る仮想円周面である。この内周面EEに対応して断面(図16及び図17の断面図における断面)が四角形の円筒状(円管状)の容器シール333が配置される。容器シール333は、三番目の内周面EEから五番目の内周面FFに繋がる垂直面に接着剤または両面テープ等により固定されている。この容器シール333の貼り付けとは反対側(図16及び図17中の右側)の露出した面が円筒状の受入部材固定部337(容器開口部)の円筒状開口の内底をなす。
また、図16及び図17に示すように、受入部材固定部337の内周面FFとそれに繋がるテーパ面に対応して、シール部材巻き込み防止空間337b(挟み込み防止空間)が形成されている。シール部材巻き込み防止空間337bは三つの異なる部材で囲まれたリング状の密閉空間である。すなわち、受入部材固定部337の内周面(四番目の内周面FFとそれに繋がるテーパ面)と、容器シール333の貼付側の垂直面と、容器シャッタ332の先端円筒部332cから滑動部332dまでの外周面とで囲まれたリング状の空間である。そして、このリング状の空間の断面(図16及び図17の断面図における断面)は五角形をしている。受入部材固定部337の内周面と容器シール333の端面とが成す角度、及び容器シャッタ332の外周面と容器シール333の端面とが成す角度は共に90[°]である。
シール部材巻き込み防止空間337bの機能を述べる。容器シャッタ332がノズル受入口331を遮蔽している状態から容器後端方向に移動した場合、容器シール333の内周面は容器シャッタ332の先端円筒部332cと摺動する。このため、容器シール333の内周面は容器シャッタ332に引っ張られ容器後端方向に移動するように弾性変形する。
このとき、シール部材巻き込み防止空間337bが無く、三番目の内周面から繋がる垂直面(容器シール333の貼付面)と五番目の内周面GGとが直交するように繋がっていた場合、次のような状態となるおそれがある。すなわち、容器シール333の弾性変形した部分が、容器シャッタ332と摺動する受入部材固定部337の内周面と容器シャッタ332の外周面との間に挟まれて、巻き込まれた状態となるおそれがある。受入部材固定部337と容器シャッタ332とが摺動する部分、即ち、先端円筒部332cと内周面GGとの間に容器シール333が巻き込まれると、受入部材固定部337に対して容器シャッタ332がロックされ、ノズル受入口331の開閉が行えなくなる。
これに対して、本実施形態のノズル受入部材330は、その内周部にシール部材巻き込み防止空間337bが形成されている。シール部材巻き込み防止空間337bの内径(内周面EEとそれに繋がるテーパ面それぞれの内径)は、容器シール333の外径よりも小さいため、容器シール333全体がシール部材巻き込み防止空間337bに進入してくることはない。また、容器シール333の容器シャッタ332に引っ張られて弾性変形する領域には限度があり、内周面GGに至って巻き込まれる前に容器シール自身の弾性で復元する。この作用により、受入部材固定部337に対して容器シャッタ332がロックされることに起因してノズル受入口331の開閉が行えなくなることを防止できる。
図16〜図18に示すように、受入部材固定部337の内周面であって容器シール333の外周に隣接する箇所には、複数本のノズルシャッタ突き当てリブ337aが放射状に延在するように形成されている。図16及び図17に示すように、受入部材固定部337に容器シール333を固定した状態では、容器シール333の容器先端側の垂直面は、ノズルシャッタ突き当てリブ337aの容器先端側の端部よりも回転軸方向に少しだけ突き出している。
図9に示すように、補給現像剤収容容器32を補給現像剤補給装置60に装着したときには、補給現像剤補給装置60側のノズルシャッタ612のノズルシャッタ鍔部612aが、ノズルシャッタバネ613に付勢されて容器シール333の突き出た分を押し潰す。ノズルシャッタ鍔部612aが更に進入してノズルシャッタ突き当てリブ337aの容器先端側端部に突き当たり、容器シール333の先端側端面を覆って容器外部から遮断する。これにより、装着時のノズル受入口331における搬送ノズル611周りの密閉性を確保し、補給現像剤漏れを防止することができる。
ノズルシャッタバネ613に付勢されるノズルシャッタ鍔部612aのノズルシャッタバネ受け面612fの裏側がノズルシャッタ突き当てリブ337aに突き当たることで、ノズルシャッタ612の補給現像剤収容容器32に対する回転軸方向の位置が決まる。これにより、容器シール333の容器先端側の端面及び先端開口305(後述する容器開口部33aの中に配置されている円筒状の受入部材固定部337の内部空間)の容器先端側の端面と、ノズルシャッタ612との回転軸方向の位置関係が決まる。
次に、容器シャッタ332と搬送ノズル611の動作について図1、図9、図19(a)〜図19(d)を用いて説明する。補給現像剤収容容器32を補給現像剤補給装置60に装着する前においては、図1に示すように、容器シャッタ332はノズル受入口331を閉じる閉止位置に向けて容器シャッタバネ336で付勢されている。このときの容器シャッタ332と搬送ノズル611の外観を図19(a)に示す。そして、補給現像剤収容容器32を補給現像剤補給装置60に装着すると、図19(b)に示すように、搬送ノズル611がノズル受入口331に挿入される。補給現像剤収容容器32を補給現像剤補給装置60にさらに押し込むと、容器シャッタ332の端面となる先端円筒部332cの端面332h(以下、「容器シャッタの端面332h」と称する)と搬送ノズル611の挿入方向に位置する端面611a(以下、「搬送ノズルの端面611a」と称する)とが接触する。この状態から補給現像剤収容容器32をさらに押し込むと、図19(c)に示すように、容器シャッタ332が押し込まれて、図19(d)に示すように、搬送ノズル611がノズル受入口331からシャッタ後端支持部335内に挿入される。このため、図9に示すように、容器本体33内に搬送ノズル611が挿入されてセット位置となる。このとき、図19(d)に示すように、ノズル開口610はシャッタ支持開口部335bに重なる位置にある。
その後、容器本体33が回転すると、汲み上げ部304によって搬送ノズル611よりも上方に汲み上げられた補給現像剤が、ノズル開口610から搬送ノズル611内に落下して導入される。搬送ノズル611内に導入された補給現像剤は、搬送スクリュ614が回転することで搬送ノズル611内を補給現像剤落下搬送経路64に向かって搬送され、補給現像剤落下搬送経路64から現像装置50へと落下して供給される。
図9などのE−E断面の箇所(搬送ノズル611の先端側であって搬送スクリュ614の軸受の端面の箇所)では、凸部304hとシャッタ側面支持部335a(突出部)とは対向する位置にある。また、汲み上げ壁面304fは、図30のXの方向(及び図34において矢印Xで示す方向)、すなわちシャッタ側面支持部335aに向かって伸びるように容器の内壁面から立ち上がっている。また、凸部304hは、図34において矢印Yで示す方向、すなわちシャッタ側面支持部335aに向かって隆起している。
さらに、シャッタ側面支持部335aと凸部が対向する部分では、凸部304hがシャッタ側面支持部335aの外形に沿うように容器径方向外方に向かって湾曲している(湾曲部304i)。言い換えると、内側から径方向外方に向かってへこんでいる。
この凸部のへこんでいる部分を湾曲部304iとしている。
当該湾曲部304iは凸部304hの他の部分よりもなだらかになっており、シャッタ側面支持部材335aに長手方向でも沿うようになっている。
図32においては、符号Zで示した囲み部の箇所が、図面奥に向かって湾曲しており、この箇所に湾曲部304iが形成されている。
また、同様に、汲み上げ壁面304fもシャッタ側面支持部335aと対向する。そして、容器回転方向下流側から見て、汲み上げ壁面304f、シャッタ側面支持部335a(突出部)の回転方向下流側端面335c(平らな側面)、ノズル開口610の回転方向上流側の横縁部611sがある。突出部としてのシャッタ側面支持部335aは搬送ノズル611が挿入されたときには、搬送ノズル611に沿って伸びている。
先に説明した汲み上げ作用と同様に、図30の容器本体33の汲み上げ壁面304fによって形成された汲み上げ部304によっても、搬送管である搬送ノズル611の開口部であるノズル開口610に向かって補給現像剤が矢印T1のように移動する。
このとき、上記シャッタ側面支持部335a(突出部)の外周面及び回転方向下流側端面335c(平らな側面)は、汲み上げ部304からノズル開口610への補給現像剤の橋渡しをする補給現像剤橋渡し部として機能する。
図30は、橋渡し手段として機能するシャッタ側面支持部335a(突出部)を備える容器本体33内部の補給現像剤の流れも示している。
容器本体33の図中矢印A方向の回転によって、汲み上げ壁面304fで容器本体の周方向に沿って汲み上げられた補給現像剤は、重力によってノズル開口610の方向に流れていく(図中矢印T1)。図30に示す構成では、搬送ノズル611と凸部304h(汲み上げ壁面304fの回転中心側に突出した凸部)との間にある隙間を塞ぐようにシャッタ側面支持部335a(突出部)が配置されている。そうなるように容器本体33の回転方向下流側からみて、シャッタ側面支持部335a(突出部)の回転方向下流側端面335c(平らな側面)、汲み上げ部304の凸部304hの順に配置されている。
凸部304hの湾曲部304iが存在することにより、凸部304h及び汲み上げ壁面304fをよりシャッタ側面支持部材335aに沿わせるようにすることが可能になっており、シャッタ側面支持部材335aが補給現像剤の汲み上げ壁面からノズル開口への橋渡しに有効に機能するようになる。
このような配置により、汲み上げられた補給現像剤はノズル開口610に効率良く入る。
さらに補給現像剤が、トナーとキャリアとを含有することで、補給現像剤収容容器32の交換時に容器本体33に残ってしまう補給現像剤量を減らすことができる。
なお、上記のシャッタ側面支持部335a(突出部)と凸部304hとを密着させるに越したことはない。しかし、凸部304h、汲み上げ壁面304f及び湾曲部304iは製造コスト抑制のため寸法精度が射出成型ほどには出せないブロー成型で形成されることが多い。ブロー成型を採用するとシャッタ側面支持部に完全に密着させることは困難であり、量産性の観点からは少し隙間を開けて構成するのが好ましい。なお、湾曲部と湾曲部に対向するシャッタ側面支持部材との距離は本実施例においては0.3mm〜1mm程度である。
すなわち本実施形態においては、
・本体側ノズルを容器に挿入する構成とすることで、補給現像剤飛散等を抑える構成にする。
・シャッタ側面支持部を、汲み上げ壁面からノズルへの補給現像剤橋渡しとして利用することで、補給現像剤の補給性を向上させる。
という有用な構成を備えている。
しかし、上述したとおり、凸部304h及び汲み上げ壁面304fは、寸法精度が射出成型ほどには出せないブロー成型で形成されることが多いので、シャッタ側面支持部335aに完全に密着させることは困難であり、上記のように構成しても、補給現像剤を十分に搬送ノズルに向けて搬送できないことがある。さらに、補給現像剤搬送の機能を向上させるべく汲み上げ壁面の形状を構成した場合にも補給現像剤を十分に搬送ノズルに向けて搬送できないことがあった。
なお、当該課題はブロー成型で顕著ということであり、ブロー成型ではなくとも、凸部とシャッタ側面支持部材との高度な寸法精度をだすことは困難であることから、本発明の容器本体はブロー成型品に限るものではない。
上記のように補給現像剤を十分に搬送ノズルに向けて搬送できないのは、以下の要因によるものと発明者らは考えている。
第1の要因として補給現像剤の流動性が高いとシャッタ側面支持部335aと、隆起部(凸部304h)との間(図35のAで示す部分)から補給現像剤が流れ落ちてしまうことが考えられる。これにより、搬送ノズル611への補給現像剤供給量が低下すると考えられる。これは、流動性が高い補給現像剤では顕著であると考えられる。
第2の要因として長手方向で見れば、汲み上げ壁面304fは開口部に向かって傾斜する(容器本体の軸線方向に対して外側に傾斜する)ように設けられており、搬送ノズル611に最も接近している凸部304hから徐々に離れていくように構成されている(図35のBで示す部分)。これは、補給現像剤を汲み上げて、ノズル開口近傍まで搬送するのに有効な構成である。しかし、当該構成を採ると、容器先端側に向かうにつれ、搬送ノズル611と、凸部304hとの間にある隙間は広くなっていく。このため、シャッタ側面支持部335aと汲み上げ壁面304fとの間から補給現像剤が流れ落ちてしまう。これにより、搬送ノズル611への補給現像剤供給量が低下すると考えられる。これは、流動性が高い補給現像剤では顕著であると考えられる。
第3の要因として同じく長手方向で見れば、補給現像剤は汲み上げ壁面304fの容器後端側から、先端側(図35のCで示す部分)へ向かってシャッタ側面支持部335a近傍まで移動してゆくが、その間で汲み上げ壁面304fから落下してしまう補給現像剤が存在すると考えられる。汲み上げ壁面304fから落下すると当然、搬送ノズル611までは補給現像剤は搬送されないため、落下した補給現像剤分だけ、搬送ノズル611への補給現像剤供給量は低下すると考えられる。これも、流動性が高い補給現像剤で顕著な要因のひとつであると考えられる。
第4の要因として補給現像剤の流動性が低いとそもそも排出が不可能であると考えられる。
上記のような要因が考えられ、それぞれが関連しあうことで容器内から容器外へ排出される補給現像剤排出性の差異が生じるものと考えられる。
また、補給現像剤排出性能は補給現像剤残量が少なくなってきたときに顕著な課題となる。
補給現像剤残量が多い状態だと、補給現像剤収容容器本体の螺旋状の搬送部の搬送力によって勢いで補給現像剤が排出されるが、補給現像剤残量が少ない状態だと汲み上げ部及び橋渡し手段の構成によってはノズル開口610へ補給現像剤を注ぎ込むことができなくなる場合がある。
そこで、流動性を好適にした補給現像剤を使用すると、
第1の要因、第2の要因に対しては、適度な粒子間の凝集力があるため、隙間にはまりにくく多少の隙間があっても乗り越えていくという作用が生じさせると考えられる。これにより、隙間が存在しても補給現像剤がノズルに供給される。また、凝集度によっては隙間にはまった場合にも、脱落して通り抜けてしまうことがなく、はまった補給現像剤がその場で凝集体となり隙間を埋める役割を担う作用を生じさせることも考えられる。
第3の要因に対しては、適度な粒子間の凝集力により補給現像剤がこぼれにくく、汲み上げの効率を向上させるものと考えられる。
第4の要因に関しては、流動性が向上することにより補給現像剤の搬送をスムーズにさせるものと考えられる。
さて、補給現像剤収容容器32が図19(d)に示すセット位置にある場合、容器シャッタの端面332hは、ノズル開口610の領域内で搬送ノズルの端面611aに押圧された状態である。このとき、ノズル開口610だけでなく、搬送ノズルの端面611aと容器シャッタの端面332hが汲み上げ部304の下方に位置している。したがって、搬送ノズル611よりも上方に汲み上げられた補給現像剤は、ノズル開口610だけでなく、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとの間にも落下してくる。また、落下した補給現像剤中のトナーは舞い上がって、容器シャッタ332と容器シャッタ支持部材340との間に付着する可能性がある。
ここで、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとが平坦面であったと仮定すると、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとの接触が面摺動となり、高負荷になる。また、組み付け誤差や部品のバラツキなどにより理想的に完全な面同士の摺動になることは難しく、微小な隙間が発生する。このため、当該隙間にトナーが入り込み、面摺動にともないトナーを擦るという動作が行われてしまうことがある。
また、補給現像剤容器内を舞ったトナーが、容器シャッタ332と容器シャッタ支持部材340との間に付着した場合を考える。補給現像剤収容容器32が補給現像剤補給装置60に装着された状態では、容器シャッタ332の先端円筒部332cは容器シャッタバネ336によって搬送ノズルの端面611aに押し付けられるため、容器シャッタに制動力が加わっている。その結果、容器本体33に固定され、螺旋状突起302と一体で回転している容器シャッタ支持部材340に対して容器シャッタ332がつれまわりしなくなると考えられる。その場合、容器シャッタ332と容器シャッタ支持部材340の間のトナーが容器シャッタ332によって擦られることが予想される。
そうすると、擦られて負荷がかかったトナーは負荷がかかっていない状態のトナー粒径より大きい凝集体となる可能性がある。この凝集体が、補給現像剤補給装置60を経由して現像装置50に搬送されてしまうと、意図しない黒ポチなどの異常画像が発生する虞がある。この凝集体を形成してしまう現象は、補給現像剤に用いるトナーの中でも、特に低い定着温度で画像形成できる低融点トナーの場合に、より発生しやすい。
そこで、本発明は、以下で説明するように、容器本体33の回転に伴うトナーの凝集を抑制する凝集抑制手段を有していることが好ましい。
凝集抑制手段として、容器シャッタ332の先端円筒部332cがその長手方向で容器シャッタバネ336の押圧によって搬送ノズル611に押し付けられ、その押し付けで制動力が生じても容器シャッタ332が容器シャッタ支持部材340とつれまわるようにしてある。この防止作用により、容器シャッタ332と容器シャッタ支持部材340との間でトナーに作用する摺動負荷は低減される。つれまわり(相対的な回転)とは、ガイドロッド332eの軸を中心とした容器シャッタ332の回転を想定している。容器シャッタ332が容器シャッタ支持部材340とつれまわる状態とは、両者が一緒に回転する状態、言い換えれば容器シャッタ332が容器シャッタ支持部材340に対して相対的には回転しない状態を意味する。また、容器シャッタ332と容器シャッタ支持部材340との間とは、滑動部332dの外周面とシャッタ支持開口部335bの内周面との間、及びガイドロッド摺動部332gと後端開口部335dとの間を想定している。
トナーへの摺動負荷は、容器シャッタ332の軸方向の開閉動作よりも軸を中心とした回転動作の方がはるかに大きい。というのも開閉動作は補給現像剤収容容器32の装脱時のみに生じるが、回転動作は補給動作の度に生じるからである。
図20(a)は図17における左側から(容器後端側から)見たときの開閉部材後端支持部中央の貫通孔としての後端開口部335dとシャッタ抜け防止爪332aとの関係を示す平面図である。図20(b)は、図19(c)における後端開口部335dとガイドロッド摺動部332gとの嵌め合い関係を示すガイドロッド摺動部332gの断面図である。
ガイドロッド332eは、円筒部332iとガイドロッド摺動部332gと片持ち梁332fとシャッタ抜け防止爪332aとで構成されている。容器シャッタ332のガイドロッド332eは、図17に示すように、容器後端側が二股に割れて一対の片持ち梁332fを形成している。その各梁の外周面にシャッタ抜け防止爪332aが設けられている。シャッタ抜け防止爪332aは、図17及び図20(a)に示すように、後端開口部335dの長手方向の長さWにおける外縁よりも外側に突出している。後端開口部335dは、片持ち梁332fとガイドロッド摺動部332gが後端開口部335dと摺動しながら容器シャッタ332の移動をガイドする機能を有する。ガイドロッド摺動部332gは、図20(b)に示すように、後端開口部335dの上下辺と対向する平面をなし、左右辺が後端開口部335dにならった曲面を有している。円筒部332iは、図20(a)及び図20(b)における左右方向の幅がガイドロッド摺動部332gと同じである円筒形状をなす。また、図19(a)から図19(d)に示す容器シャッタ332の移動の際に、後端開口部335dが片持ち梁332fとガイドロッド摺動部332gとの移動を妨げない程度の嵌め合い関係を有している。このように、後端開口部335dは、片持ち梁332fとガイドロッド摺動部332gを挿通して容器シャッタ332の移動を案内するとともに容器シャッタ332の回転軸を中心とする回転を規制する。
容器シャッタ支持部材340に容器シャッタ332を組み付けるときは、ガイドロッド332eを容器シャッタバネ336に通し、ガイドロッド332eの一対の片持ち梁332fをガイドロッド332eの軸中心に向かって撓ませて、後端開口部335dに対してシャッタ抜け防止爪332aを通過させる。これにより、図15乃至17に示すようなノズル受入部材330に対するガイドロッド332eの組み付けがなされる。このとき、容器シャッタ332は、容器シャッタバネ336によってノズル受入口331を閉じる方向に加圧されるとともに、シャッタ抜け防止爪332aにより容器シャッタの抜けが防止される。なお、片持ち梁332fが撓める弾性を有すよう、ガイドロッド332eはポリスチレン等の樹脂で成型されていることが好ましい。
そして、補給現像剤収容容器32がセット位置にセットされると、ガイドロッド摺動部332gは後端開口部335dを通過し、図19(d)及び図20(b)に示すように、被駆動伝達部としてのガイドロッド摺動部332gの平面部と、駆動伝達部としての後端開口部335dの開口辺とが対向し、接触する位置となる。このとき、シャッタ側面支持部335a(突出部)の内周面が先端円筒部332cおよび滑動部332dの外周面と対向する。
したがって、容器シャッタの端面332hが容器シャッタバネ336の押圧によって搬送ノズルの端面611aに押し付けられた状態であっても、ガイドロッド摺動部332gの平面部と後端開口部335dの開口辺との面接触により、容器シャッタ332の長手軸(ガイドロッド332eの中心軸であり、容器本体33の回転中心軸でもある)を中心とする回転方向には固定される。結果、回転する容器シャッタ支持部材340から容器シャッタ332のガイドロッド332eへ回転力が伝達される。その回転力は前述の制動力よりも大きいので、容器シャッタ332は容器シャッタ支持部材340の回転に伴って回転する。言い換えれば容器シャッタ332は容器シャッタ支持部材340の回転につれまわる(このとき両者の相対的な回転は規制されている)。すなわち、ガイドロッド摺動部332gと後端開口部335dは、容器シャッタ支持部材340から容器シャッタ332へ回転力が伝達される駆動伝達手段となっている。同時に、前記凝集抑制手段と言える。この凝集抑制手段により、容器シャッタ332と容器シャッタ支持部材340との間におけるガイドロッド332eの軸を中心とした回転方向でのトナーへの摺擦が抑制されるので、容器本体33の回転に伴う容器シャッタ332と容器シャッタ支持部材340との間でのトナー凝集を抑制できる。
なお、上記凝集抑制手段は、ガイドロッド摺動部332gに限られず、片持ち梁332fとしてもよい。この場合、補給現像剤収容容器32がセット位置にあるときに片持ち梁332fが後端開口部335dに位置するように長さ、位置を決定すればよい。
別の凝集抑制手段についてその解決すべき課題から説明する。容器シャッタ332が補給現像剤収容容器32(容器本体33)と一体的に回転する場合、容器シャッタの端面332hは搬送ノズルの端面661aに対して相対的に回転することになる。容器シャッタ332の先端円筒部332cは、その長手方向で容器シャッタバネ336の押圧によって搬送ノズル611に押し付けられている。そのような状態で上記相対的回転をさせると、容器シャッタの端面332hの搬送ノズルの端面661aに対する摺動負荷はすこぶる大きくなり、トナー凝集体発生の原因となる。
そこで、開閉部材であるところの容器シャッタ332の回転によって発生するトナー凝集を抑制する凝集抑制手段であって、上記実施形態とは別の箇所でのトナー凝集体発生の抑制を目的とする第2の凝集抑制手段を提案するものである。以下の凝集抑制手段は、搬送ノズルの端面611aと対向する先端円筒部332cの当接領域でのトナーへの摺動負荷を低減するものである。
容器シャッタの端面332hは、図9、図14に示すように、画像形成装置に前記補給現像剤収容容器が装着された際には、該端面332hから対向する搬送ノズル611の端面611aに向かって(または容器先端から外に向けて)突出し、搬送ノズル611の端面611aに当接する当接部342を有する。当接部342はこの実施形態における凝集抑制手段(第2の凝集抑制手段)となる突出部である。当接部342の外周面は、補給現像剤収容容器32の回転軸と同心の円周面を有し、搬送ノズルの端面611aに向けてその直径が小さくなるような形状(たとえば半球状)であり、図9に示すように、その半球状の頂部と搬送ノズルの端面611aとで点接触するように設けられている。これにより、当接部342が搬送ノズルの端面611aと当接した際の摺動負荷が低い状態で回転することができる。したがって、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとが平坦面の場合に比べて接触面積を大幅に削減できるので、容器本体33の回転に伴う容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとの間でトナーに加えられる摺動負荷を低減でき、トナーの凝集を抑制することができる。
当接部342の材質として、容器シャッタ332と一体成形する場合は容器シャッタ332と同一の材質、例えばポリスチレン樹脂などが挙げられる。容器シャッタ332は補給現像剤収容容器32側に装着された部品であるので、補給現像剤収容容器32と一緒に交換される。このため、搬送ノズルの端面611aに接触して回転する当接部342の材質は、交換を前提にした場合、プリンタ部100に設置して、基本的に交換しない搬送ノズル611(端面611a)の材質よりも柔らかい材質とするのが耐久性の点で好ましい。
また、当接部342は、図9、図14に示すように、補給現像剤収容容器32の回転中心軸上、言い換えれば容器シャッタ332の回転中心軸上になるよう、容器シャッタの端面332hのおおむね中心に配置されている。このような構成により、容器シャッタの端面332hは搬送ノズルの端面661aに対して相対的に回転するときの当接部342先端の回転軌跡は理想的には1点になる。補給現像剤収容容器と画像形成装置という別部品同士の装着ゆえ許容交差内の位置ズレは不可避であり、かつ大量生産によるばらつきも生じるが、それらを考慮しても上記回転軌跡を極小にすることはできる。そうすると、上記同様に容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとの接触面積の増大を抑制でき、摺動負荷に起因するトナーの凝集を抑制することができる。
次に、当接部342によって形成される容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aの面間の隙間について説明する。図21に示すように、この隙間は当接部342の、容器シャッタの端面332hから先端までの突出量Xによって設定される。
本発明者らは、突出量Xと画像中の黒ポチの発生の関係、すなわち、当接領域の摺動面積と画像中の黒ポチの発生の関係を調べたところ、図22に示す傾向となった。すなわち、本形態において、突出量X(面間の隙間)は1mmに設定している。このため、面間の隙間に入り込んだトナーは摺動による負荷が軽減され、また面外に落下しやすく滞留し難くなるため、凝集体が発生しなくなる。このように、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aの間の隙間にトナーが入り込んだ場合でも摺動負荷が軽減されるので、トナーへの負荷が軽減される。このため、トナーへの負荷を最小限に抑えて凝集体の生成や異常画像を抑制することができる。
また、図22に示すように、突出量X(面間の隙間)は0.5mm以上あれば問題はなく、概ね0.2mm以下になると出力画像上でも確認し得るレベルの凝集体が発生しやすくなることが予想される。そこで、突出量X(面間の隙間)は、0.5mm〜1mm程度に設定するのが好ましい。
なお、凝集抑制手段は、図21に示すように、当接部342と容器シャッタ332とが一体成形されるものに限られない。例えば、図23に示すように、凝集抑制手段を容器シャッタ332と別体にしてもよい。この場合にも、上記突出量Xを充足するようにすれば、上記と同様の効果が得られる。図23に示す凝集抑制手段は、容器シャッタの端面332hのおおむね中心に樹脂製の球体を転動自在に設けて当接部342Bとした。
このような構成としても、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aの面間の隙間に入り込んだトナーは摺動による負荷が軽減される。このため、凝集体が発生しなくなる。このように、トナーが容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aの面間の隙間に入り込んだ場合でも摺動負荷が軽減されるので、トナーへの負荷が軽減される。このため、トナーへの負荷を最小限に抑えて凝集体の生成や異常画像を抑制することができる。
また、搬送ノズルの端面611aはフラットな平端面としているが、例えば、図24に示すように、当接部342と対向する搬送ノズルの端面611aの部位611bだけを当接部342側に突出するように端面611aを形成してもよい。
別の凝集抑制手段について説明する。
上記の凝集抑制手段では、凝集抑制手段を容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aの間に配置しているので、トナーの凝集体の生成を抑制することに対しては特に有効であるが、補給現像剤収容容器32を補給現像剤補給装置60から取り外したとき、面間に付着したトナーが画像形成装置内または床に落下して汚すことが想定される。
そこで、本凝集抑制手段では、容器シャッタの端面332hにおける搬送ノズルの端面611aとの非当接領域Rにシール部材350を配置した。このため、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとの面間にトナーが滞留することを防止することができる。
シール部材350は発泡ポリウレタン等の弾性部材で構成されている。図25及び図26に示すように、シール部材350は当接部342の外側に位置するように環状に形成されている。シール部材350は、補給現像剤収容容器32内への搬送ノズル611の挿入に伴い容器シャッタ332がノズル受入口331を開放する開位置を占めたときに、シール部材350の厚み方向に0.1mm〜0.5mm圧縮されるように構成されている。具体的には、図27に示すように当接部342の突出量Xを1mmとしたとき、シール部材350の厚みtを1.1mm〜1.5mmとする。そして、シール部材350の対向面350aと搬送ノズルの端面611aとが接触したときに、シール部材350がつぶれることで搬送ノズルの端面611aと当接部342とが当接するように設定する。
このように、シール部材350を配置すると、搬送ノズルの端面611aと当接部342とが当接する前に、図26に示すように、搬送ノズルの端面611aにシール部材350の対向面350aが接触するので、面間にトナーが入りにくくなる。このため、補給現像剤収容容器32を補給現像剤補給装置60から取り外したとき、画像形成装置内または床にトナーが落下して汚すことを抑制することができる。
なお、図29に示すように、シール部材350の潰れ量t1は、0.1mm〜0.5mm程度に設定している。例えば潰れ量を1mm以上にすると、摺動負荷が上昇するため、シール部材350の対向面350aと搬送ノズルの端面611aとの間でトナーの凝集体が発生しや易くなることが観察された。そのため潰れ量t1としては0.5mm以下とするのが望ましい。本形態では潰れ量t1を0.2mmの設定している。このように、シール部材350の圧縮量を最小限にすることにより、補給現像剤収容容器32(容器本体33)の回転負荷を低減することができる。またシール部材350の表面に付着してしまったトナーには僅かながら圧縮作用を受けてしまうが、容器シャッタの端面332hと搬送ノズル611の端面611aという剛体同士に挟まれるわけではなく、柔軟なシール部材350によって搬送ノズル611の端面611aに押し付けられるのでシールの柔軟性が押し付け力を吸収し、トナーへの摺動負荷が小さくなることも見込める。
シール部材350を設けたことによりトナーが面間に入り込むことを抑制することができるので、容器本体33の回転に伴う凝集体の発生もより確実に抑制することができる。
また、図26に示すように、シール部材350の対向面350aは、搬送ノズルの端面611aに圧接された状態で容器シャッタ332と一体で回転する。このため、シール部材350の対向面350aに、図28に示すように、例えば高分子ポリエチレンシート或いはポリエチレンテレフタレート(PET)材で形成されたシート材351を接着することで、搬送ノズルの端面611aに対向する側を低摩擦面として形成してもよい。このように搬送ノズルの端面611aとの対向面350aを低摩擦面とすると、搬送ノズルの端面611aとの摺動でトナーへ与える負荷を軽減することができる。
本発明においては、図31に示すように、突出部を容器シャッタバネによって付勢されているシャッタを支持するシャッタ側面支持部335aとする構成以外でも対応できる。
具体的には、容器開口部を閉鎖する容器シャッタ332を弾性変形する薄膜部材を複数枚(本実施形態では2枚)ずらして重ねることで形成し、重なっている部分が弾性変形によって容器開口部を開放可能に構成する。
当該薄膜部材の重ね合わさっている部分を押し広げて搬送ノズルが容器開口部内に挿入される。
この場合には前述の実施形態における付勢部材によって付勢されるシャッタが存在しない。
しかし、容器開口部から容器後端側に向けて一対の平板状の部材を前述の実施形態のシャッタ側面支持部335aと同様に突出させ、汲み上げ部からノズル開口への補給現像剤の橋渡しをする補給現像剤橋渡し部として機能させる。
上記以外の構成は他の実施形態と同様である。
このように突出部の形状、構成に関しては、本願の効果が奏することが可能であればいかなる対応もとることが可能である。
さらに、図36及び図37に示すものは、汲み上げ部304にいたる容器本体部分が太くなっている態様の補給現像剤収容容器あって、湾曲部304iが図30ものより大きく形成されているものである。このような構成のものであってもよい。なお、図37においては、紙面奥側に容器開口部33aがある。
次に、図38(a)及び図38(b)にて、補給現像剤収容容器32に補給現像剤を充填するときの製造工程の一例について説明する。
まず、空の補給現像剤収容容器32に対して、把手部303に容器本体33内に通じる穴部33d2(貫通穴)を形成する(加工工程である。)。
その後、穴部33d2から清掃用ノズルを差し込んで、容器本体33内の清掃を行う。
その後、図38(a)を参照して、穴部33d2が形成された補給現像剤収容容器32を充填機200にセットする。
詳しくは、充填機200の支持部210に把持部303の引掛部としてのくびれ部33d1を係合させて、把持部33dが上方になるように補給現像剤収容容器32を吊着する。
さらに、補給現像剤収容容器32の穴部33d2に、充填機200のノズル220を差し込んで、充填機200から補給現像剤収容容器32内に補給現像剤を充填する(充填工程である。)。
そして、図38(b)を参照して、補給現像剤の充填が完了した後に、穴部32d2を封止部材としての封止キャップ等で封止する。
これにより、補給現像剤を充填した後の補給現像剤容器32におけるシール性が担保される。
なお、本実施の形態では、把手部303に覆設されるキャップ90を封止部材として用いたが、穴部33d2に差し込まれる栓を封止部材として用いることもできるし、穴部33d2に覆設される発泡ポリウレタン等のシール部材を封止部材として用いることもできる。すなわち、上記実施形態における補給現像剤収容容器において、容器本体に開口が設けられ、当該開口を封止部材によって封止されている補給現像剤収容容器ができ上がる。
上述したように、本実施形態では、補給現像剤収容容器32の補給現像剤充填時において、容器本体33からノズル受入部材330を分解することなく、補給現像剤収容容器32への補給現像剤充填を行うことができることになる。
これにより、製造時の作業性が向上する。
次に、補給用現像剤及び現像装置内現像剤中に含まれているトナーとキャリアについて説明する。
(キャリア)
本発明のキャリアは、特に限定されるものではないが、芯材及び芯材を被覆する被覆層を有し、被覆層は、結着樹脂及び微粒子を含有する。
<トナーとキャリアを補給することの効果>
トナー残量によらず一定のトナーを供給することを目的とし、色安定の改善を行う。
トナーボトル中にキャリアがあらかじめ混合されることにより、トナー排出性の改善に繋がることが確認された。
また、補給用現像剤中のキャリアの含有率は3〜50重量%であることが好ましい。3重量%より少ないとトナー搬送性改良の効果が得られにくく、また50重量%より多いと、比重差によるトナー劣化、またトナーボトルコスト増、イールドの低下などにつながり好ましくない。
また、キャリアかさ密度は、トナーかさ密度より大きければ搬送性改良の効果は得られるが、好ましい範囲は1.7〜2.6g/cm3である。
1.7より小さいと、トナーとのかさ密度差が小さくなるため、凝集体を解す効果が得られ難く、またボトル回転に対する搬送性の効果が得られにくい。また2.6より大きいと、トナーボトル中でトナーとの比重差により外添剤の埋め込みを進めてしまい、ボソツキ、転写不良などの異常画像を引き起こすため好ましくない。
また、キャリアは被覆層表面に微小な凹凸を持つことが好ましく、凹凸によってトナー搬送性を改良することが確認されている。
微小凹凸は被覆層にフィラーである微粒子を分散させることで任意に作り出すことができ、被覆層の平均厚み(層厚)hに対する微粒子の粒子径Dの比(D/h)で表現される。D/hは、0.01以上1.0以下が好ましく、0.1以上1.0以下がより好ましい。これにより、キャリア表面に微粒子に起因する微小な凹凸を設けられ、凹凸によるトナー搬送性に優れるという効果が得られる。また被覆層中に微粒子を含有することによる耐磨耗性に優れ、かつ凹凸によるキャリアへのスペント物のかきとり効果に優れたキャリアが得られる。
D/hが1より大きい場合、低画像面積でのランニングを行なうと、被覆層の微粒子に起因する凸部が削れることによる抵抗の低下等が発生し、画像品質が低下する。また、D/hが0.01より小さい場合、粒子に起因する凹凸は、ほとんど見られず、被覆層の表面が平らになり、トナーの固着による帯電性能の低下等が発生し、画像品質が低下する。
なお、前記被覆層の厚みhは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、キャリア表面を覆う被覆層の樹脂部の厚みを測定し、その平均値からを求めた。具体的には、前記キャリア断面から任意の50点の芯材表面と被覆層表面までの距離を測定し、測定値の平均を求め厚みh(μm)とした。
また、微粒子の粒子径Dは遠心沈降法による平均粒径により求めることができる。この時粒子の重心中心からの距離とする。
本発明のキャリアにおいて、芯材の表面積と芯材の個数の積に対する微粒子の断面積と粒子の個数の積の比(以下、微粒子の被覆率という)は、0.3以上30以下であることが好ましい。これにより、微粒子が被覆層の内部で適度に積み重なり、被覆層の強度を高めることができる。この結果、長期間のランニングにおいても、被覆層の剥離、磨耗が少なくなり、安定した品質を維持することができる。微粒子の被覆率が0.3未満である場合には、微粒子の占める割合が少なくなり、微粒子の凸凹により、トナーの固着を抑制する効果が低下する。また、微粒子の被覆率が30を超える場合には、結着樹脂の占める割合が少なくなり、帯電性能が低下する。さらに、結着樹脂による微粒子の保持能力が不充分となることがある。
被膜率は以下の方法で求める。
被覆率=(Ds*ρs*W)/(4*Df*ρf)*100
(Ds:キャリア芯材粒径、ρs:キャリア芯材真比重、W:キャリア芯材に対する微粒子(導電性粒子および無機酸化粒子)の添加量の比、Df:微粒子(導電性粒子および無機酸化粒子)の粒径、ρf:導電性粒子および無機酸化粒子の真比重)
芯材の表面積は、芯材の一次粒径より計算で求め、微粒子の断面積は遠心沈降法による平均粒径より計算で求める。
存在(A)の被膜率は上式のWを以下のように変えることにより求める。
W(A)=W*(単位断面積あたりのAの個数/単位面積辺りの粒子の個数)
なお、Aの個数は透過型電子顕微鏡を用いてキャリア断面を観察しランダムに選んだ10個の粒子におけるランダムな部位における粒子を実際にカウントし、総カウント数が1000粒子を数えたときの個数である。
被覆層中の粒子の平均粒子径Dは、ジューサーミキサーにアミノシラン(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)30mlにトルエン溶液300mlを入れる。試料を6.0gを加え、ミキサー回転速度をlowにセットし3分間分散する。1000mlビーカーに予め用意されたトルエン溶液500mlの中に分散液を適量加えて希釈する。希釈液はホモジナイザーにて常に攪拌を続ける。超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA−700(堀場製作所製)にて体積平均粒径を測定する。
(測定条件)
回転速度:2000rpm
最大粒度:2.0μm
最小粒度:0.1μm
粒度間隔:0.1μm
分散媒粘度:0.59mPa・s
分散媒密度:0.87g/cm
粒子密度:無機微粒子の密度は乾式自動嵩密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定した真比重値を入力
(芯材)
本発明のキャリアにおいて、芯材は、公知のものであれば特に限定されず、フェライト、Cu−Znフェライト、Mnフェライト、Mn−Mgフェライト、Mn−Mg−Srフェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル等が挙げられ、キャリアの用途、使用目的に合わせ適宜選択して用いることができる。例えばMFL−35S(パウダーテック株式会社製)、MFL−35HS(パウダーテック株式会社製)、DFC−400M(同和鉄粉工業社製)などがあるが、これらに限られない。また、芯材の平均粒子径は、20〜65μmであることが好ましい。平均粒子径が20μm未満である場合は、静電潜像担持体へのキャリア付着が発生しやすくなる。また、平均粒子径が65μmを超える場合は、キャリアスジ等が発生し、画質が低下しやすい。
本発明のキャリアにおいて、被覆層中の結着樹脂及び微粒子の重量の和に対する微粒子の重量の比は、10〜80重量%、更に好ましくは40〜70重量%であることが好ましい。含有量が10重量%よりも少ない場合は、キャリアの表面における微粒子の割合が少ないため、結着樹脂への強い衝撃を伴う接触を緩和する効果が小さくなる。一方、含有量が80重量%よりも多い場合には、キャリアの表面における結着樹脂の割合が少ないため、帯電性能が低下する。また、結着樹脂による微粒子の保持能力が不十分となることがある。
粒子の含有率(重量%)は以下の式で求めることができる。
粒子の含有率(重量%)=[微粒子の重量÷(微粒子+結着樹脂固形分総量)]×100
本発明のキャリアの体積固有抵抗は、1×1010Ω・cm以上1×1017Ω・cm以下であることが好ましい。体積固有抵抗が1×1010Ω・cm未満である場合、非画像部でのキャリア付着が発生しやすくなる。一方、体積固有抵抗が1×1017Ω・cmを超える場合、エッジ効果が低下する。なお、ハイレジスト計の測定可能下限を下回った場合には、実質的には体積固有抵抗値は得られず、ブレークダウンしたものとして扱うことにする。
体積固有抵抗は、電極間距離2mm、表面積2×4cmの電極二枚を収容したフッ素樹脂製容器からなるセルにキャリアを充填し、三協パイオテク社製:タッピングマシンPTM−1型を用いて、タッピングスピード30回/minにて1分間タッピング操作を行なう。両極間に1000Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK5HVLVWDQFH0HWHU;横川ヒューレットパッカード株式会社製)により直流抵抗を測定して電気抵抗率RΩ・cmを求め、LogRを算出する。
本発明において、微粒子は、特に限定されないが、亜鉛、バリウム等の無機粒子が挙げられる。中でも、アルミナ、シリカ、チタン、バリウム、スズ、及びカーボンのいずれかを含有することが好ましい。
また、微粒子の粉体比抵抗が、−3Log(Ω・cm)〜3Log(Ω・cm)であることが好ましい。
本発明のキャリアにおいて、被覆層の平均厚み(層厚)Dは好ましくは0.05〜4.00μm、更に好ましくは0.05〜2.00μm、最も好ましくは0.05〜1.00μmである。平均厚みが0.05μm未満である場合には、微粒子に起因する凸部覆う被覆層の平均厚みが充分にないために、凸部が削れたり、芯材が露出したりすることにより、抵抗が低下しやすい。また、平均厚みが4.00μmを超える場合には、キャリアの大型化に伴い、帯電性能が低下し、画像精細性の低下が発生しやすくなる。
本発明のキャリアにおいて、結着樹脂のガラス転移温度は、20〜100℃であることが好ましい。これにより、結着樹脂は、適度な弾性を有し、現像剤を摩擦帯電させるための攪拌における、トナーとキャリア又はキャリア同士が接触する際の衝撃を吸収することができる。この結果、被覆層の磨耗を抑制することができる。ガラス転移温度が20℃を下回る場合は、ブロッキングが発生しやすくなる。一方、ガラス転移温度が100℃を上回る場合は、結着樹脂は、衝撃を吸収する能力が低下すると共に、磨耗しやすくなる。
ガラス転移温度(Tg)とは、具体的に次のような手順で決定される。測定装置として島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
(測定条件)
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
測定した結果は前記島津製作所製データ解析ソフト(TA−60、バージョン1.52)を用いて解析を行なった。解析方法は2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線のもっとも低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次にDSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能を用いてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がサンプルのTgに相当する。
本発明のキャリアの重量平均粒子径は、20〜65μmであることが好ましい。重量平均粒子径が20μm未満である場合は、粒子の均一性が低下し、キャリア付着が発生しやすくなる。一方、重量平均粒子径が65μmを越える場合には、画像細部の再現性が低下し、精細な画像が得られにくい。なお、キャリアの重量平均粒子径は、マイクロトラック粒度分析計(日機装社製)のSRAタイプを用いて測定することができる。0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定で行なったものを用いた。また、分散液にはメタノールを使用し屈折率1.33、キャリアおよび芯材の屈折率は2.42に設定する。
本発明のキャリアにおいて、結着樹脂は、シリコーン樹脂を含有することが好ましい。 シリコーン樹脂は、表面エネルギーが低いため、トナーの固着を抑制することができる。
シリコーン樹脂としては、公知のものを用いることができ、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂や、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂等が挙げられる。市販品のストレートシリコーン樹脂としては、KR271、KR255、KR152(以上、信越化学工業社製)、SR2400、SR2406、SR2410(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等が挙げられる。この場合、シリコーン樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分、帯電量を調整する成分等を同時に用いることもできる。さらに、変性シリコーン樹脂としては、KR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)(以上、信越化学工業社製)、SR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等が挙げられる。
また、本発明のキャリアにおいて、結着樹脂は、アクリル樹脂を含有することが好ましい。アクリル樹脂は、接着性が強く、脆性が低いので、被覆層の磨耗や剥離が発生しにくく、被覆層を安定的に維持することができる。さらに、被覆層中に含まれる微粒子を強固に保持することができる。特に、被覆層の平均厚み(層厚)Dよりも大きな粒子径を有する微粒子を保持する場合には、効果的である。
アクリル樹脂としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。また、アクリル樹脂は、単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分を同時に用いることもできる。架橋反応する成分としては、グアナミン、メラミン樹脂等のアミノ樹脂、酸性触媒等が挙げられる。酸性触媒としては、触媒作用を持つものであれば特に限定されないが、完全アルキル化型、メチロール基型、イミノ基型、メチロール/イミノ基型等の反応性官能基を有するものを用いることができる。
さらに、本発明において、結着樹脂は、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂を含有することが好ましい。アクリル樹脂は、表面エネルギーが高いため、固着しやすいトナーを用いる場合に、固着されたトナーが蓄積することによる帯電量の低下等の不具合が発生することがある。この場合、表面エネルギーが低いシリコーン樹脂を併用することで、この問題を解消することができる。しかしながら、シリコーン樹脂は、接着性が弱く、脆性が高いので、この二種の樹脂の特性をバランス良く得ることが重要である。これにより、トナーの固着が発生しにくく、耐摩耗性に優れる被覆膜を得ることができる。
本発明のキャリアにおいて、結着樹脂及び芯材の重量の和に対する結着樹脂の重量の比は、0.1重量%以上1.5重量%以下であることが好ましい。この比が0.1重量%未満である場合、被覆層の効果が充分に発揮されない。一方、1.5重量%を超える場合、被覆膜の磨耗量が増加する。
本発明のキャリアは、1kOeにおける磁化が40Am/kg以上90Am/kg以下であることが好ましい。これにより、キャリア粒子間の保持力が適正に保たれるので、キャリア又は現像剤中でトナーが分散しやすくなる。1kOeにおける磁化が40Am/kg未満である場合は、キャリア付着が発生しやすくなる。一方、1kOeにおける磁化が90Am/kgを超える場合には、現像時に形成する現像剤の穂立ち(磁気ブラシ)が硬くなり、画像細部の再現性が低下し、精細な画像が得られにくい。
なお、前記磁気モーメントは、以下のようにして測定することができる。B−Hトレーサー(BHU−60/理研電子(株)製)を使用し、円筒セル(内径7mm、高さ10mm)にキャリア芯材粒子1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし3000エルステッドまで変化させ、次に徐々に小さくして零にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3000エルステッドとする。更に徐々に磁場を小さくして零にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、B−Hカーブを図示し、その図より1000エルステッドの磁気モーメントを算出する。
本実施形態では、現像剤収容容器内に、上記詳細に説明したキャリアが収容されている。画像形成装置では、現像剤収容容器内部から現像剤収容部内内に、このキャリアを含んだ補給用現像剤が補給される。
現像剤収容部内に補給されたトナーとキャリアは、搬送スクリューによって、初期から収容されているトナーとキャリアと共に混合されるが、この時、トナーとキャリア、あるいはキャリア同士が互いに接触し、その摩擦によってキャリア表面では膜削れが発生しやすい。
補給用現像剤に含まれるキャリアは、被覆層表面に、被覆層中に分散された微粒子に起因する凹凸を設けられている。このため、攪拌混合の際に被覆層に対してトナーや他のキャリア粒子が接触しても、凸部によって衝撃が緩和される。このため、キャリア表面の膜削れが発生する割合を、大きく抑えることができる。また、攪拌時においてキャリア表面に付着したトナーのスペント成分が、この凸部によって掻き落とされるため、トナースペントの発生が防止されるために現像剤収容部内の現像剤の、より安定した帯電制御効果を得ることができる。また、このような機能を持った凹凸が一定量存在するため、期待する機能が発揮される。
また、現像装置では、劣化したキャリアの大半は、現像剤排出装置によって排出される。しかし、劣化したキャリアの一部は、長期にわたって現像剤収容部内に残留するものがあり、また、画像形成装置において、トナーの消費量が少ない場合には、現像剤収容部におけるキャリアの交換量が少なく、キャリアが現像剤収容部内に滞留する期間が長くなる場合がある。
本実施形態では、現像剤収容容器内の補給用現像剤が補給される前から、現像剤収容部内に収容されている現像装置内現像剤にも、補給用現像剤に使用したキャリア及びトナーと同一キャリア及びトナーが使用されている。
このため、現像剤の交換量が低い場合や、初期から収容されているキャリアの一部が現像剤収容部から排出されずに残留した場合にも、上述したのと同様の機構によって、現像剤収容部内におけるキャリアの劣化が抑えられて、長期間の使用後においても、現像剤の帯電性が安定した状態を保つことができる。
(トナー)
また、補給用現像剤及び現像装置内現像剤に含まれるトナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含んで構成され、更に離型剤、帯電制御剤、またこれらの他に、必要に応じてその他の成分を含んでなる。
トナーの製造方法としては、特に一つのものに限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、粉砕法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等が挙げられる。
(結着樹脂)
本発明において用いられるトナーの結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独あるいは混合して使用できる。
(着色剤)
着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤のトナーにおける含有量は1〜15重量%が好ましく、3〜10重量%がより好ましい。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(離型剤)
離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、等が好適に挙げられる。
ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックス等が挙げられる。
離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。
融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1,000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜40重量%が好ましく、3〜30重量%がより好ましい。
前記含有量が、40重量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては、特に制限はなく、感光体に帯電される電荷の正負に応じて正又は負の帯電制御剤を適宜選択して用いることができる。
負の帯電制御剤としては、例えば、電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料、有機酸の金属錯体、などを用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:S−31、S−32、S−34、S−36、S−37、S−39、S−40、S−44、E−81、E−82、E−84、E−86、E−88、A、1−A、2−A、3−A)(以上、オリエント化学工業社製))、カヤチャージ(品番:N−1、N−2)、カヤセットブラック(品番:T−2、004)(以上、日本化薬社製))、アイゼンスピロンブラック(T−37、T−77、T−95、TRH、TNS−2)(以上、保土谷化学工業社製)、FCA−1001−N、FCA−1001−NB、FCA−1001−NZ、(以上、藤倉化成社製)、などが挙げられる。
正の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料等の塩基性化合物、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、高級脂肪酸の金属塩等を用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:N−01、N−02、N−03、N−04、N−05、N−07、N−09、N−10、N−11、N−13、P−51、P−52、AFP−B)(以上、オリエント化学工業社製)、TP−302、TP−415、TP−4040(以上、保土谷化学工業社製)、コピーブルーPR、コピーチャージ(品番:PX−VP−435、NX−VP−434)(以上、ヘキスト社製)、FCA(品番:201、201−B−1、201−B−2、201−B−3、201−PB、201−PZ、301)(以上、藤倉化成社製)、PLZ(品番:1001、2001、6001、7001)(以上、四国化成工業社製)、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤の添加量は、結着樹脂の種類、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、結着樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。前記添加量が10重量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがあり、0.1重量部未満であると、帯電立ち上り性や帯電量が十分でなく、トナー画像に影響を及ぼしやすいことがある。
トナー材料には、結着樹脂、離型剤、着色剤、及び帯電制御剤の他に、必要に応じて無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等を添加することができる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等を用いることができ、シリコーンオイルやヘキサメチルジシラザンなどで疎水化処理されたシリカ微粒子や、特定の表面処理を施した酸化チタンを用いることがより好ましい。
前記シリカ微粒子としては、例えば、アエロジル(品番:130、200V、200CF、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、RX200、RY200、R972、R974、R976、R805、R811、R812、T805、R202、VT222、RX170、RXC、RA200、RA200H、RA200HS、RM50、RY200、REA200)(以上、日本アエロジル社製)、HDK(品番:H20、H2000、H3004、H2000/4、H2050EP、H2015EP、H3050EP、KHD50)、HVK2150(以上、ワッカーケミカル社製)、カボジル(品番:L−90、LM−130、LM−150、M−5、PTG、MS−55、H−5、HS−5、EH−5、LM−150D、M−7D、MS−75D、TS−720、TS−610、TS−530)(以上、キャボット社製)等を用いることができる。
無機微粒子の添加量としては、トナー母体粒子100重量部に対し0.1〜5.0重量部が好ましく、0.5〜3.2重量部がより好ましい。
本発明におけるトナーの製造方法としては、前述のとおり特に限定するものではないが、粉砕法の製造方法として、以下を例示する。
前記のトナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所社製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所社製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行なうことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行なうことができる。
粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
また、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナー母体粒子に更に疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるが、ジャケット等装備して内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。また、はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。次いで、粗大粒子、凝集粒子の除去を目的に、篩を通過させることでトナーを得ることができる。
本実施形態では、上述したキャリアとトナーを含んで構成される現像剤を、補給用現像剤及び現像装置内用現像剤として使用することで、長期間の使用後においても、キャリア表面の膜削れや、キャリア表面におけるトナースペントの発生が防止されて、現像剤収容容器内における現像剤の帯電量の低下やキャリアの電気抵抗値の低下が抑えられ、安定した現像特性が得られる。
また、上記キャリアは、キャリア抵抗値が大幅に低下したり、キャリア表面において局所的に抵抗値の低い箇所が発生したりすることが防止されているため、ベタ画像部におけるキャリア付着の発生が大幅に抑えられる。
このため、画像上へのキャリア付着によって画像の精細性が低下したり、現像剤収容容器(14)内の現像剤量が減少することによって、画質劣化、耐久性悪化等の不具合が発生したりすることが、効果的に防止される。このため、経時での使用において、長期にわたり良好な画像品質を維持することができる。
また、本実施形態で使用されるキャリアは、色汚れの原因となるカーボンブラックを含有せずに、その抵抗値が調整されているため、安定した帯電性を維持しつつ、カラー用の画像形成装置で使用したときにも、画像上に色汚れを生じさせることなく、色再現性、精細性の高い高品質なカラー画像を提供することができる。
なお、本発明において使用される画像形成装置の構成としては、本実施形態において説明した、上述の構成を有するものに限られるものではなく、同様の機能を有していれば、他の構成を有する画像形成装置を使用することも可能である。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、下記において「部」は重量部を、「%」は重量%を意味する。
<芯材製造例A>
MnCO、Mg(OH)、およびFe粉を秤量し混合して混合粉を得た。
この混合粉を、加熱炉により900℃、3時間、大気雰囲気下で仮焼し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、ほぼ粒径1μm径の粉体とした。
この粉体を1重量%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。
この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1250℃、5時間焼成した。
得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子を得た。
この造粒物の成分分析を行ったところMnO 46.2mol%、MgO 0.7mol%、Fe 53mol%であった。
また、SF−1は130、SF−2は128、Raは0.45μmであった。
<芯材製造例B>
MnCO、Mg(OH)、Fe、及びSrCO粉を秤量し混合して混合粉を得た。
この混合粉を、加熱炉により850℃、1時間、大気雰囲気下で仮焼し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、粒径3μm以下の粉体とした。
この粉体を1重量%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。
この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1120℃、4時間焼成した。
得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子を得た。
この造粒物の成分分析を行ったところMnO 40.0mol%、MgO 10.0mol%、Fe 50mol%、SrO 0.4mol%であった。
また、このときのSF−1は145、SF−2は155、Raは0.85μmであった。
<芯材製造例C>
四つ口フラスコに、フェノール50g、37%ホルマリン75g、球状マグネタイト(平均粒子径0.24μm)320g、粒状ヘマタイト粒子(平均粒子径0.40μm)80g、フッ化カルシウム1.0g、28%アンモニア水15g、水50gを入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、180分間反応・硬化させた。
その後、30℃まで冷却し、0.5リットルの水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。
次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に50〜60℃で乾燥して、球状マグネタイト粒子と球状ヘマタイト粒子とをフェノール樹脂をバインダとして結合した球状複合体粒子粉末Cを得た。
得られた球状複合体粒子Cは平均粒子径が40.1μmであり、真球に近い球形を呈していた。
球状複合体粒子Cの非磁性金属酸化物粒子の含有量は磁化値の測定及び比重の測定から算出した結果、強磁性鉄化合物粒子と非磁性金属酸化物粒子との総量に対し、19.9重量%であった。
以上で得られた芯材A〜Cのかさ密度AD(g/cm)、SF−1、SF−2、Raを下記表1にまとめて示す。
<実施例1>
20重量%のシリコーン樹脂溶液SR2410(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)425重量部、アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)0.858重量部、非導電性粒子として、平均粒子径Dが0.3μmのアルミナ(フィラーA)85.4重量部及びトルエン300重量部を、ホモミキサーを用いて15分間分散させることにより、被覆層形成溶液を得た。
芯材として、重量平均粒子径が35μmの焼成フェライト粉である芯材Aを用い、被覆層の平均厚さhが0.5μmになるように、スピラコーター(岡田精工社製)を用いて、コーター内温度40℃で被覆層形成溶液を芯材の表面に塗布し、乾燥した。
得られたキャリアを電気炉中に、300℃で1時間放置して焼成した。冷却後、目開きが63μmの篩を用いて解砕し、アルミナを50重量%含有し、D/hが0.6、体積固有抵抗が1014.2Ω・cm、磁化が68Am/kgのキャリアを得た。
被覆層の厚みh、微粒子の平均粒子径Dは、前述した方法で測定した。
平均凸凹差は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、キャリア表面を覆う被覆層の樹脂部の厚みを測定することで求めた。具体的には、前記キャリア断面から任意の50点の芯材表面と被覆層表面までの距離を測定し、測定値の数値の大きい値から5点の平均値と数値の小さい値から5点の平均値との差とした。
[トナーの作製]
(結着樹脂合成例1)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724重量部、イソフタル酸276重量部およびジブチルチンオキサイド2重量部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32重量部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188重量部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(P1)を得た。
次いでプレポリマー(P1)267重量部とイソホロンジアミン14重量部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル(U1)を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724重量部、テレフタル酸276重量部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(E1)を得た。ウレア変性ポリエステル(U1)200重量部と変性されていないポリエステル(E1)800重量部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000重量部に溶解、混合し、結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部減圧乾燥し、結着樹脂(B1)を単離した。Tgは62℃であった。
(ポリエステル樹脂合成例A)
テレフタル酸 60重量部
ドデセニル無水コハク酸 25重量部
無水トリメリット酸 15重量部
ビスフェノールA(2,2)プロピレンオキサイド 70重量部
ビスフェノールA(2,2)エチレンオキサイド 50重量部
上記組成物を、温度計、攪拌器、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し、次いで0.05gのジブチルスズオキシドを加えて温度を200℃に保って反応させポリエステルA得た。このポリエステルAのピーク分子量は4200であり、ガラス転移点は59.4℃であった。
(マスターバッチ作成例1)
顔料:C.I.Pigment Yellow 155 40重量部
結着樹脂:ポリエステル樹脂A 60重量部
水 30重量部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、マスターバッチ(M1)を得た。
(トナー製造例1)
ビーカー内に前記の結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液2400重量部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)200重量部、マスターバッチ(M1)80重量部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーにて12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させ、トナー材料液を用意した。
ビーカー内にイオン交換水7060重量部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)2940重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.20重量部を入れ均一に溶解した。
ついで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーにて12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。
ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、トナー粒子を得た。
ついで、このトナー粒子1000重量部に疎水性シリカ1.00重量部と、疎水化酸化チタン1.00重量部をヘンシェルミキサーにて混合して、「トナー1」を得た。
次に「トナー1」の粒径を、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTA2」を用い、アパーチャー径100μmで測定したところ、体積平均粒径(Dv)=6.2μm、個数平均粒径(Dn)=5.1μmであった。
引き続き、「トナー1」の円形度を、フロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測した。測定は、前記装置に、予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩)を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlに調整した測定液をセットして行なった。得られた「トナー1」の円形度は0.96であった。
下記表2に記載した芯材種、フィラー種、キャリア含有率に変更した以外は、実施例1と同様に補給現像剤を調整した。
(実施例1〜11、及び比較例1)
<補給現像剤収容容器>
図10に示す補給現像剤収容容器(容器開口部の断面は、図30に示す断面)を用いた。容器本体内には、製造例6で製造した補給現像剤を充填した。
図10に示す補給現像剤収容容器は、容器本体が、容器開口部の容器本体内部側から、一端側に向かって突出している突出部を有している。
また、汲み上げ部は、容器本体内壁面から突出部に向かって伸びる汲み上げ壁面と突出部に沿うように湾曲する湾曲部とを有している。
また、汲み上げ部は、容器本体内壁面から突出部に向かって隆起した隆起部を有している。隆起部には突出部に沿うように湾曲する湾曲部が設けられている。
突出部は、補給現像剤収容容器が補給現像剤搬送装置に装着された際、湾曲部と挿入された搬送管の補給現像剤受入口との間に存在するように設けられている。
更に、図10に示す補給現像剤収容容器は、突出部が、板状の部材であって、板状の部材の平らな側面(厚さ方向の側面)が、湾曲部と、挿入された補給現像剤搬送管の補給現像剤受入口との間に存在するように設けられている。
更に、図10に示す補給現像剤収容容器は、汲み上げ壁面を有する汲み上げ部を2つ有する。2つの汲み上げ部それぞれにおいて、補給現像剤収容容器が補給現像剤搬送装置に装着された際、前記汲み上げ部が有する湾曲部と、挿入された搬送管の補給現像剤受入口との間に、突出部が存在する。
図10に示す補給現像剤収容容器は、汲み上げ部が容器本体と一体的に形成されており、突出部が容器本体に固定されており、容器本体が回転することで、前記汲み上げ部が、補給現像剤を下方から上方に持ち上げる。
<評価>
<<補給安定性>>
上記の補給現像剤収容容器について、上記排出性の評価方法と同じ評価方法で評価を行った。
その際の容器本体からの補給現像剤補給性を以下の評価基準で評価した。結果を表2に示した。
〔評価基準〕
◎:非常に良好(補給現像剤が排出できなくなるまで駆動し続けたときに、補給現像剤収容容器内の補給現像剤残量が70g未満、10g以上の範囲において、補給現像剤補給量が0.4g/sec以上の状態で安定的に(一定量)で維持されている。図39のイ)
※補給現像剤補給量0.4g/secは、A4紙に全ベタ画像を連続通紙しても補給現像剤補給量不足によりベタ画像のかすれ等がない(ベタ追従性)ことが予測される補給量である。
※本実験においては補給現像剤の未使用時充填量(製品出荷時の充填量)は200g以上と想定して、排出性を検証するために上記のように補給現像剤70g未満の範囲とした。補給現像剤10g以上の範囲としたのは、容器内壁に補給現像剤に含まれていたトナーが付着する分を考慮したものである。
○:良好(補給現像剤が排出できなくなるまで駆動し続けたときに、補給現像剤収容容器内の補給現像剤残量が70g未満、10g以上の範囲において、補給現像剤補給量が0.4g/sec未満の状態で一定量で維持されている。図39のロ)
※補給現像剤補給量は、0.4g/secより少ないが、安定的に(一定量で)補給量が維持されているため、補給現像剤収容容器の回転数を上げる等により、補給現像剤補給量の底上げを行なうことができ、安定して、ベタ追従に十分な補給が行える。
△:許容レベル(補給現像剤が排出できなくなるまで駆動し続けたときに、補給現像剤収容容器内の補給現像剤残量が70g未満となったとき以降、補給現像剤の排出は行われるが、補給現像剤補給量が一定ではなく、傾きを持って減少してゆく。図39のハ)
※補給現像剤は排出されるため、補給が0になるということはないが、ベタ追従性を保障するためにより複雑な補給制御が必要となる。
×:実用上使用できないレベル(補給現像剤排出ができなくなるまで駆動し続けたときに、補給現像剤排出はなされるが、補給現像剤残量70g以上残った状態で排出が行われなくなってしまうもの)
××:実用上使用できないレベル(補給現像剤の排出が行われない)
◎、○、△を合格とし、×、××を不合格とした。
※今回の◎、○となっている補給現像剤について言えば補給現像剤残量が10g未満の範囲で補給量が急激に減少した(変極点を持って下降した)。
また、今回の実験においては、◎、○となっている補給現像剤の補給現像剤補給量の変動幅が補給現像剤残量10gから70gの範囲において0.05g/sec以内であった。
以上の各実施例および比較例より、本発明によれば、補給現像剤収容容器内の補給現像剤残量が少なくなっても、現像装置への補給現像剤の補給が可能な補給現像剤収容容器を提供することができることがわかった。
32(Y,M,C,K) 補給現像剤収容容器
33 容器本体
33a 容器開口部
50 現像装置
60(Y,M,C,K) 補給現像剤補給装置
70 補給現像剤収容容器収納部
302 螺旋状突起
303 把手部
304 汲み上げ部
304f 汲み上げ壁面
304h 凸部
304i 湾曲部
330 ノズル受入部材
331 ノズル受入口
332 容器シャッタ
332a シャッタ抜け防止爪
332c 先端円筒部
332d 滑動部
332e ガイドロッド
332f 片持ち梁
332g ガイドロッド摺動部
332h 容器シャッタの端面
332i 円筒部
333 容器シール
333a 管挿入口の内面
335 シャッタ後端支持部
335a シャッタ側面支持部
335b シャッタ支持開口部
335d 後端開口部
336 容器シャッタバネ
340 容器シャッタ支持部材
342 当接部
350 シール部材
610 ノズル開口
611 搬送ノズル
611a 搬送ノズルの端面
614 搬送スクリュ
特公平2−21591号公報

Claims (12)

  1. 補給現像剤搬送装置に装着可能であり、前記補給現像剤搬送装置に供給する補給現像剤が収容された容器本体と、
    前記容器本体の内部に配置され、前記補給現像剤を前記容器本体における長手方向の一端側から容器開口部が設けられた他端側に搬送する搬送部と、
    前記容器開口部に配置され、前記補給現像剤搬送装置に固定された搬送管を受け入れ可能な管受入口と、
    前記搬送部によって搬送された前記補給現像剤を前記容器本体の下方から上方に持ち上げ、前記搬送管の補給現像剤受入口に向けて移動させる汲み上げ部と、を備える補給現像剤収容容器において、
    前記補給現像剤が、トナーとキャリアとを含有し、
    前記容器本体が、前記容器開口部の容器本体内部側から、前記一端側に向かって突出している突出部を有し、
    前記汲み上げ部が、前記容器本体内壁面から前記突出部に向かって伸びる汲み上げ壁面と、前記突出部に沿うように湾曲する湾曲部と、を有し、
    前記突出部が、前記補給現像剤収容容器が前記補給現像剤搬送装置に装着された際、前記湾曲部と挿入された前記搬送管の補給現像剤受入口との間に存在するように設けられている、
    ことを特徴とする補給現像剤収容容器。
  2. 補給現像剤搬送装置に装着可能であり、前記補給現像剤搬送装置に供給する補給現像剤が収容された容器本体と、
    前記容器本体の内部に配置され、前記補給現像剤を前記容器本体における長手方向の一端側から容器開口部が設けられた他端側に搬送する搬送部と、
    前記容器開口部に配置され、前記補給現像剤搬送装置に固定された搬送管を受け入れ可能な管受入口と、
    前記搬送部によって搬送された前記補給現像剤を前記容器本体の下方から上方に持ち上げ、前記搬送管の補給現像剤受入口に向けて移動させる汲み上げ部と、を備える補給現像剤収容容器において、
    前記補給現像剤が、トナーとキャリアとを含有し、
    前記容器本体が、前記容器開口部の容器本体内部側から、前記一端側に向かって突出している突出部を有し、
    前記汲み上げ部が、前記容器本体内壁面から前記突出部に向かって隆起した隆起部を有し、
    前記隆起部には前記突出部に沿うように湾曲する湾曲部が設けられており、
    前記突出部が、前記補給現像剤収容容器が前記補給現像剤搬送装置に装着された際、前記湾曲部と挿入された前記搬送管の補給現像剤受入口との間に存在するように設けられている、
    ことを特徴とする補給現像剤収容容器。
  3. 前記補給用現像剤は、キャリアの含有率が3〜50質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の補給用現像剤収容容器。
  4. 前記キャリアは、かさ密度が1.7〜2.6g/cm3であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の補給現像剤収容容器。
  5. 前記キャリアは、微粒子を含有する被覆層を備え、
    前記被覆層の平均厚みhに対する前記微粒子の体積平均粒径Dの比D/hが、0.01〜1.00であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の補給現像剤収容容器。
  6. 前記微粒子の粉体比抵抗が、−3Log(Ω・cm)〜3Log(Ω・cm)であることを特徴とする請求項5に記載の補給現像剤収容容器。
  7. 前記微粒子が、アルミナ、シリカ、チタン、バリウム、スズ、及びカーボンの少なくともいずれかを含有することを特徴とする請求項5または6に記載の補給現像剤収容容器。
  8. 前記突出部が、平らな側面を有する板状の部材であって、
    前記板状の部材の平らな側面が、前記湾曲部と、挿入された補給現像剤搬送管の補給現像剤受入口との間に存在するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の補給現像剤収容容器。
  9. 前記汲み上げ部を2つ有し、
    前記補給現像剤収容容器が前記補給現像剤搬送装置に装着された際、前記2つの汲み上げ部がそれぞれに有する湾曲部と、挿入された前記搬送管の補給現像剤受入口との間のそれぞれに、前記突出部が存在することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の補給現像剤収容容器。
  10. 前記汲み上げ部と、前記突出部とが、前記容器本体に固定されている又は一体的に形成されており、
    前記容器本体が回転することで、前記汲み上げ部が、前記補給現像剤を下方から上方に持ち上げることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の補給現像剤収容容器。
  11. 前記容器開口部を閉鎖する閉鎖位置と、開放する開放位置との間で移動可能なシャッタ部材を有し、
    前記シャッタ部材が、前記補給現像剤搬送装置に固定された搬送管に押圧されることで前記閉鎖位置から前記開放位置へと移動するとともに、
    前記突出部が、前記シャッタ部材の移動領域に沿って設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の補給現像剤収容容器。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の補給現像剤収容容器が画像形成装置本体に着脱可能に設置されていることを特徴とする画像形成装置。
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