JP2014228319A - ドロップレット生成装置 - Google Patents

ドロップレット生成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014228319A
JP2014228319A JP2013106627A JP2013106627A JP2014228319A JP 2014228319 A JP2014228319 A JP 2014228319A JP 2013106627 A JP2013106627 A JP 2013106627A JP 2013106627 A JP2013106627 A JP 2013106627A JP 2014228319 A JP2014228319 A JP 2014228319A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
flow path
side wall
droplet
wall surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013106627A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6140524B2 (ja
Inventor
寛之 脇岡
Hiroyuki Wakioka
寛之 脇岡
山本 敏
Satoshi Yamamoto
敏 山本
正和 杉山
Masakazu Sugiyama
正和 杉山
和仁 田端
Kazuhito Tabata
和仁 田端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
University of Tokyo NUC
Original Assignee
Fujikura Ltd
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd, University of Tokyo NUC filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2013106627A priority Critical patent/JP6140524B2/ja
Publication of JP2014228319A publication Critical patent/JP2014228319A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6140524B2 publication Critical patent/JP6140524B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】特定の流体が流れる流路に流入させた別の流体が、当該流路の側壁面に接触するのを防ぎ、微小なドロップレットを安定的に生成することが可能なドロップレット生成装置を提供する。【解決手段】基板11に、第一流路12と、第二流路13と、を少なくとも備え、第一流路の側壁面12aまたは12bに開口部が設けられており、この開口部に第二流路13の一端が接続され、開口部側から見た第一流路12の上流側の側壁面12aと下流側の側壁面12bとのなす角が、180度未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、微小な液滴を生成することが可能なドロップレット生成装置に関する。
バイオやケミカルの分野においては、微小な液滴を生成することが可能なドロップレット生成装置を用いて形成されるドロップレット(微小液滴)が注目を集めている。ドロップレット生成装置は、その内部において、複数種類の流体を高速かつコントローラブルに混合し、所望のサイズのドロップレットを製造するためのデバイスである。このドロップレット生成装置を用いることにより、所望のサイズのドロップレットを生成したり、生成したドロップレットの特性等の分析を行うことが可能となる。
ドロップレット生成装置の要部の構成としては、図17に示すものが知られている。図17は、ドロップレット生成装置の要部500の構成を模式的に示す平面図である。
ドロップレット生成装置の要部500は、基板501の一面501aに、流体の流路として機能する第一凹部502と、第一凹部の側壁502aに連結した微細孔503とを備えてなる。このような構成により、基板の一面501aにキャップ(不図示)を重ねた上で、第一凹部502、微細孔503に、それぞれ同時に第一流体L1、第二流体L2を流すことができる。そして、微細孔503から第一凹部502に第二流体L2を流出させることにより、流出した第二流体L2が、第一流体の流れf1による圧力を受けて切断され、ドロップレットDが形成される。
しかしながら、図18(a)に示すように、第一流体L1、第二流体L2を流し、両者の流れf1、f2を合流させた直後のドロップレット生成装置の要部500の構成においては、第一流体L1の流れによる圧力Fが、流出した第二流体にL2対して、第一流体L1の流れ方向d2にのみ作用する。そのため、第二流体L2には、微細孔の開口部503aを中心とした回転力(トルク)Fτが発生する。そして、図18(b)に示すように、第一流体L1の流れf1と第二流体L2の流れf2とを合流させ、一定時間が経過した後には、第二流体L2はこの回転力Fτによって第一流体の流れ方向d2に傾き、最終的には第一凹部の側壁502aと接した状態となる。このとき、第二流体L2は、第一凹部の側壁502aに濡れ広がり、側壁502aに拘束された状態となる。したがって、第二流体L2がスムーズに切断されず、生成されるドロップレットDのサイズが大きくなってしまうという問題がある。
Wei-Heong Tan andShoji Takeuchi, "Monodisperse Alginate Hydrogel Microbeads for Cell" ,Adv. Mater. 2007, 19, 2696-2701.
本発明は以上のような点を考慮してなされたものであり、特定の流体が流れる流路に流入させた別の流体が、当該流路の側壁面に接触するのを防ぎ、微小なドロップレットを安定的に生成することが可能なドロップレット生成装置の提供を目的とする。
本発明の請求項1に係るドロップレット生成装置は、基板に、第一流路と、第二流路と、を少なくとも備え、前記第一流路の側壁面に開口部が設けられており、該開口部に前記第二流路の一端が接続され、前記開口部側から見た前記第一流路の上流側の側壁面と下流側の側壁面とのなす角が、180度未満であることを特徴とする。
請求項1に係るドロップレット生成装置の構成によれば、第一流路、第二流路に、それぞれ第一流体、第二流体を流した際に、第一流路の上流側における第一流体の流れ方向は、下流側の側壁面と180度未満の角度をなしている。そのため、開口部から第一流路に流入した第二流体の流れ方向は、第一流体の流れを受けて傾いたとしても、第一流路の下流側の側壁面と平行になることはない。したがって、第一流路に流入した第二流体が、第一流路の側壁面に接触するのを防ぎ、微小なドロップレットを安定的に生成することできる。
本発明の請求項2に係るドロップレット生成装置は、請求項1において、前記上流側の側壁面と前記下流側の側壁面とが、90度以上の角度をなしていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係るドロップレット生成装置は、請求項1または2において、前記開口部は、前記上流側の側壁面と前記下流側の側壁面との交差部から前記下流側に広がっていることを特徴とする。
請求項3に係るドロップレット生成装置の構成によれば、第一流路、第二流路にそれぞれ第一流体、第二流体を流した場合、第二流路の開口部から流出させた直後の線状の第二流体に対して、第一流体の流れによる圧力が、第二流体の長手方向と鋭角をなす斜め方向から加わる。この圧力は、第二流体の長手方向、短手方向のいずれにも加わる。
すなわち、請求項3の構成によれば、従来は短手方向のみに加わっていた圧力のうち、第二流体の長手方向に加わる成分の割合が高くなる。そして、長手方向に加わる圧力は、第二流体を長手方向に引っ張る力として、第二流体に作用する。短手方向に加わる圧力は、第二流体を傾ける力として第二流体に作用するが、長手方向への圧力に変換された分、第二流体の傾きは従来よりも抑えられた状態となる。
したがって、第一流体の圧力が、主に第二流体の長手方向に作用するようになり、作用を受けた第二流体を容易に切断することができる。また、第一流路の下流側の側壁面への濡れ広がりを防ぐことができるため、濡れ広がりによる第二流体の変形にともなって、ドロップレットが所望のサイズより大きく形成されるのを防ぐことができる。これらの結果として、微小なドロップレットを安定的に形成することができる。
本発明の請求項4に係るドロップレット生成装置は、請求項1または2において、前記開口部は、前記上流側の側壁面と前記下流側の側壁面との交差部から前記上流側に広がっていることを特徴とする。
請求項4に係るドロップレット生成装置の構成によれば、第二流体は、第一流路の上流側に傾いた方向に流出するため、流出した第二流体と第一流路の下流側の側壁面との距離が、従来のように側壁面が平坦な場合に比べて大きくなっている。したがって、請求項3に係るドロップレット生成装置の構成によれば、流出した第二流体は、第一流体の流れによる圧力を受けて傾いたとしても、第一流路の側壁面には接触しない。そのため、第二流体が濡れ広がって変形するのを防ぐことができ、ドロップレットが所望のサイズより大きく形成されるのを防ぐことができる。これらの結果として、微小なドロップレットを安定的に形成することができる。
本発明のドロップレット生成装置の構成によれば、第一流路、第二流路に、それぞれ第一流体、第二流体を流した際に、第一流路の上流側における第一流体の流れ方向は、下流側の側壁面と180度未満の角度をなしている。そのため、開口部から第一流路に流入した第二流体の流れ方向は、第一流体の流れを受けて傾いたとしても、第一流路の下流側の側壁面と平行になることはない。したがって、第一流路に流入した第二流体が、第一流路の側壁面に接触するのを防ぎ、微小なドロップレットを安定的に生成することできる。
(a)、(b)本発明によるドロップレット生成装置の構成を模式的に示す断面図である。 (a)、(b)図1(a)のドロップレット生成装置の要部の作用を模式的に示す断面図である。 (a)、(b)図1(b)のドロップレット生成装置の要部の作用を模式的に示す断面図である。 本発明によるドロップレット生成装置の変形例1の構成を模式的に示す断面図である。 本発明によるドロップレット生成装置の変形例2の構成を模式的に示す断面図である。 本発明によるドロップレット生成装置の変形例3の構成を模式的に示す断面図である。 本発明によるドロップレット生成装置の変形例4の構成を模式的に示す断面図である。 本発明によるドロップレット生成装置の変形例5の構成を模式的に示す断面図である。 本発明によるドロップレット生成装置の変形例6の構成を模式的に示す断面図である。 本発明によるドロップレット生成装置の変形例7の構成を模式的に示す断面図である。 (a)本発明のドロップレット生成装置を用いたデバイスの構成例を模式的に示す断面図である。(b)本発明のドロップレット生成装置を用いたデバイスの構成例を模式的に示す断面図である。 本発明のドロップレット生成装置の製造方法を、段階的に説明する工程フローである。 本発明のドロップレット生成装置の製造方法を、段階的に説明する被処理体の断面図である。 (a)本発明のドロップレット生成装置を用いたデバイスの構成例を模式的に示す断面図である。(b)本発明のドロップレット生成装置を用いたデバイスの構成例を模式的に示す断面図である。 本発明のドロップレット生成装置の製造方法を、段階的に説明する工程フローである。 本発明のドロップレット生成装置の製造方法を、段階的に説明する被処理体の断面図である。 従来技術によるドロップレット生成装置の構成例を模式的に示す平面図である。 (a)、(b)従来技術によるドロップレット生成装置の要部の作用を模式的に示す断面図である。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために、例を挙げて説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明に用いる図面は、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<第一実施形態>
[ドロップレット生成装置の構成]
本発明の第一実施形態に係るドロップレット生成装置10(10A、10B)の構成について、図1(a)、(b)を用いて説明する。図1(a)、(b)は、それぞれ、ドロップレット生成装置10A、10Bの構成を模式的に示す図である。
初めに、図1(a)に示すドロップレット生成装置10Aの構成について説明する。ドロップレット生成装置10Aは、基板11と、基板11の内部または表面に形成された、第一流体L1を流す第一流路12と、第二流体L2を流す第二流路13と、を少なくとも備えている。本実施形態および後述する変形例、実施例の説明に用いる図においては、第一流路12、第二流路13の構成を明瞭に示すために、基板11の内部を一部透明化している。
基板11としては、例えば、耐薬品性が高く、加工性に優れたガラスなどにより構成される非結晶性基板、石英やシリコンやサファイアなどにより構成される結晶性基板を用いることができる。なお、基板11は大きさが限定されないため、図1においては、要部が含まれた部分を抜き出して示している。
第一流路12は、その側壁を、局所的に内側に凹ませてなる部位12Aを有している。この部位12Aは、第一流路12に第一流体L1を流した際に、第一流体L1の流れる所定の方向f1を、局所的に変化させる機能を有している。部位12Aは湾曲していてもよいが、図1(a)に示すように屈曲している方が望ましい。
第一流路12の側壁面には、開口部13aが設けられている。そして、この開口部13aにおいて、第二流路13の一端が接続されることによって、第一流路12と第二流路13が連通している。
開口部13a側から見た、第一流路12の上流側(図の左側)の側壁面12aと下流側(図の右側)の側壁面12bとは、開口部13a側において180度未満の角度をなしている。開口部13aは、側壁面12bに設けられており、側壁面12aと側壁面12bとの交差部(線)から、第一流路12の下流側に広がっている。なお、側壁面12aと側壁面12bのなす角度θaは、90度以上であることが望ましい。角度θaを90度未満とした場合には、第二流路13を形成することが難しくなる。
図1(a)においては、第二流路13Aが、側壁面12bに対して垂直をなしている例を示しているが、側壁面12bに対して、第一流路12の上流側に傾いていてもよい。
第一流路102の径は、第二流路103の径より大きくなるように設計されており、第一流体の流量は、第二流体の流量を上回る。これにより、第二流体の流れが第一流体の流れに及ぼす影響を小さく抑えられている。したがって、第一流体の流れによる圧力を、開口部から流出する第二流体に対して安定的に作用させることができ、第二流体を容易に切断させることができる。第二流体が切断されることによって形成されたドロップレットは、第二流路の径に等しいサイズのドロップレットとなる。第二流路の径を調整することによって、所望のサイズのドロップレットを形成することができる。
上述した構成において、第一流路12、第二流路13に、それぞれ第一流体L1、第二流体L2を流した際に得られる、ドロップレット生成装置10Aの作用および効果について、図1(a)および図2(a)、(b)を用いて説明する。
図2(a)は、図1(a)の開口部13a近傍を拡大した図である。図2(a)は、第一流体L1に第二流体L2を合流させた直後の状態を示している。
第二流路13Aの開口部13aから見て上流側においては、側壁面12aの近傍を流れる第一流体L1は、第一流路12の側壁面12aに沿って流れる(図2(a)の矢印f1の方向)。開口部13aから流出した第二流体L2は、側壁面12aに沿って流れてきた第一流体L1の圧力Faを受ける。圧力Faは、側壁面12aと同じ方向の圧力である。圧力Faを受けた第二流体L2は切断されてドロップレットとなる。形成されたドロップレットは、第一流体L1の流れに乗って下流側へと移動する。
第二流路13Aの開口部13aから見て下流側においては、側壁面側へ回転するトルクFτを受けるが、側壁面12bは上流側の側壁面12aの延長上には形成されておらず、側壁面12aと側壁面12bとの位置関係は、180度未満の角度をなしている。そのため、開口部13aから流出した第二流体L2は、側壁面12bと接触し壁面に濡れ広がることなく切断されてドロップレットとなる。
以上説明したように、本実施形態のドロップレット生成装置の構成によれば、第一流路、第二流路に、それぞれ第一流体、第二流体を流した際に、第一流路の上流側における第一流体は、上流側の側壁面に沿って流れるので、その流れ方向は、下流側の側壁面と180度未満の角度をなしている。そのため、開口部から第一流路に流入した第二流体は、第一流体の流れを受けて傾いたとしても、第一流路の下流側の側壁面と平行になることはない。したがって、第一流路に流入した第二流体が、第一流路の側壁面に接触するのを防ぎ、微小なドロップレットを安定的に生成することできる。
したがって、第一流体の圧力によって、第一流路の下流側の側壁面への第二流体の濡れ広がりを防ぐことができるため、ドロップレットが所望のサイズより大きく形成されるのを防ぐことができる。これらの結果として、微小なドロップレットを安定的に形成することができる。
なお、ドロップレット生成装置は、複数配置し、隣接するドロップレット生成装置の第一流路同士を連結することにより、複合ドロップレット生成装置としてもよい。複合ドロップレット生成装置とすることにより、各ドロップレット生成装置に第二流路が備えられ、複数個所において第二流体を同時に流出させることができるため、流出した第二流体を切断して、大量のドロップレットを同時に形成することができる。
また、複合ドロップレット生成装置とすることにより、第二流路に流す流体をドロップレット生成装置ごとに変えることができ、複数種類の第二流体を同時に流出させることができるため、流出した第二流体を切断して、複数種類のドロップレットを同時に形成することができる。
続いて、図1(b)に示すドロップレット生成装置10Bの構成について説明する。ドロップレット生成装置10Bにおいては、第二流路の開口部13bが、側壁面12aに設けられており、側壁面12aと側壁面12bとの交差部(線)から、第一流路12の上流側に開口している。第二流路13Bの開口位置を除いた構成は、図1(a)のドロップレット生成装置10aの構成と同様である。
ドロップレット生成装置10Bにおいても、開口部13b側から見た、第一流路12の上流側(図の左側)の側壁面12aと下流側(図の右側)の側壁面12bとが、180度未満の角度をなしている。開口部13bは、側壁面12aに設けられており、側壁面12aと側壁面12bとの交差部(線)から、第一流路12の上流側に広がっている。なお、側壁面12aと側壁面12bのなす角度θbは、90度以上であることが望ましい。角度θbを90度未満とした場合には、第二流路13を形成することが難しくなる。
図1(b)においては、第二流路13Bが、側壁面12aに対して垂直をなしている例を示しているが、側壁面12aに対して、第一流路12の上流側に傾いていてもよい。また、第二流路13Bは、側壁面12に対して、第一流路12の下流側に、側壁面12bと垂直をなすまで傾いていてもよい。
上述した構成において、第一流路12、第三流路13Bに、それぞれ第一流体L1、第二流体L3を流した際に得られる、ドロップレット生成装置10Bの作用および効果について、図1(b)および図3(a)、(b)を用いて説明する。
図3(a)は、図1(b)に示した開口部13b近傍を拡大した図である。図3(a)は、第一流体L1に第二流体L3を合流させた直後の状態を示している。第二流路13Bの開口部13bから見て上流側においては、側壁面12aの近傍を流れる第一流体L1は、第一流路12の側壁面12aに沿って流れる(図3(a)の矢印f1の方向)。開口部13bから流出した第二流体L3は、側壁面12aに沿って流れてきた第一流体L1の圧力Fbを受ける。圧力Fbは、側壁面12aと同じ方向に加わる圧力である。圧力Fbを受けた第二流体L3は切断されてドロップレットとなる。形成されたドロップレットは、第一流体L1の流れに乗って下流側へと移動する。
第二流路13Bの開口部13bから見て下流側においては、側壁面側へ回転するトルクFτを受けるが、側壁面12bは上流側の側壁面12aの延長上には形成されておらず、側壁面12aと側壁面12bとの位置関係は、180度未満の角度をなしている。そのため、開口部13bから流出した第二流体L3は、側壁面12bと接触し壁面に濡れ広がることなく切断されてドロップレットとなる。
流出した第二流体L3は、上流側の側壁面に沿って流れてきた第一流体の圧力を受けて傾いたとしても、第一流路の側壁面12bには接しない。そのため、第二流体L3が側壁面12bに接して濡れ広がって変形するのを防ぐことができ、ドロップレットが所望のサイズより大きく形成されるのを防ぐことができる。これらの結果として、微小なドロップレットを安定的に形成することができる。
<変形例>
図1に示した、第一実施形態に係るドロップレット生成装置10の変形例1〜7について、図5〜10を用いて説明する。
[変形例1]
図4は、変形例1に係るドロップレット生成装置100の構成を模式的に示す図である。図4に示すように、ドロップレット生成装置100は、基板101と、基板101の内部または表面に形成された、第一流体L1を流す第一流路112と、第二流体L2を流す第二流路113と、を少なくとも備えている。
ドロップレット生成装置100おいては、第一流路112が階段状をなしており、開口部113aから見た、第一流路112の下流側の側壁面112bには、流路幅を略一定に保つ屈曲部が設けられている。また、開口部113aから見た、第一流路112の上流側の側壁面112aには、流路幅を狭める屈曲部、流路幅を広げる屈曲部が、開口部113aの位置から順に設けられている。
このような構成においても、第一実施形態と同様に、第二流体L2に対して、第一流体L1の流れによる圧力が、第二流体の長手方向d1と鋭角をなす斜め方向から加わる。したがって、変形例1に係るドロップレット生成装置110においても、開口部から流出した第二流体L2を、傾きを抑えた状態で引っ張ることができる。そのため、第一流体L1の圧力が第二流体L2に対して安定的に作用するようになり、作用を受けた第二流体L2を容易に切断することができ、ドロップレットDを安定して形成することができる。
[変形例2]
図5は、変形例2に係るドロップレット生成装置110の構成を、模式的に示す図である。図5に示すように、ドロップレット生成装置110は、基板111と、基板111の内部または表面に形成された、第一流体L1の流路をなす第一流路112と、第二流体L2の流路をなす第二流路113と、を少なくとも備えている。
ドロップレット生成装置110は、第一流体L1の流れる方向f1において、第二流路113が配された側の第一流路の側壁112aのうち、連通部Cより下流側に位置する部分が全て平坦となっている。ドロップレット生成装置110のその他の部分の構成については、第一実施形態と同様である。
このような構成においても、第一実施形態と同様に、第二流体L2に対して、第一流体L1の流れによる圧力が、第二流体の長手方向d1と鋭角をなす斜め方向から加わる。したがって、変形例1に係るドロップレット生成装置110においても、開口部から流出した第二流体L2を、傾きを抑えた状態で引っ張ることができる。そのため、第一流体L1の圧力が第二流体L2に対して安定的に作用するようになり、作用を受けた第二流体L2を容易に切断することができ、ドロップレットDを安定して形成することができる。
[変形例3]
図6は、変形例3に係るドロップレット生成装置120の構成を、模式的に示す図である。図6に示すように、ドロップレット生成装置120は、基板121と、基板121の内部または表面に形成された、第一流体L1の流路をなす第一流路122と、第二流体L2の流路をなす第二流路123と、を少なくとも備えている。
ドロップレット生成装置120は、第一流体L1の流れる方向f1において、第二流路123が配された側の第一流路の側壁122aのうち、連通部Cより下流側に位置する部分が全て平坦となっている。また、ドロップレット生成装置120は、第二流路123が配された側と反対側の第一流路の側壁122bが全て平坦となっている。ドロップレット生成装置120のその他の部分の構成については、第一実施形態と同様である。
このような構成においても、第一実施形態と同様に、第二流体L2に対して、第一流体L1の流れによる圧力が、第二流体の長手方向d1と鋭角をなす斜め方向から加わる。したがって、変形例2に係るドロップレット生成装置120においても、開口部から流出した第二流体L2を、傾きを抑えた状態で引っ張ることができる。そのため、第一流体L1の圧力が第二流体L2に対して安定的に作用するようになり、作用を受けた第二流体L2を容易に切断することができ、ドロップレットDを安定して形成することができる。
[変形例4]
図7は、変形例4に係るドロップレット生成装置130の構成を、模式的に示す図である。図7に示すように、ドロップレット生成装置130は、基板131と、基板131の内部または表面に形成された、第一流体L1の流路をなす第一流路132と、第二流体L2の流路をなす第二流路133と、を少なくとも備えている。
ドロップレット生成装置130は、第一流体L1の流れる方向f1において、第二流路133が配された側の第一流路の側壁132aのうち、連通部Cより下流側に位置する部分に屈曲部Eを有している。また、ドロップレット生成装置130は、第二流路133が配された側と反対側の第一流路の側壁132b全て平坦となっている。ドロップレット生成装置130のその他の部分の構成については、第一実施形態と同様である。
このような構成においても、第一実施形態と同様に、第二流体L2に対して、第一流体L1の流れによる圧力が、第二流体の長手方向d1と鋭角をなす斜め方向から加わる。したがって、変形例3に係るドロップレット生成装置130においても、開口部から流出した第二流体L2を、傾きを抑えた状態で引っ張ることができる。そのため、第一流体L1の圧力が第二流体L2に対して安定的に作用するようになり、作用を受けた第二流体L2を容易に切断することができ、ドロップレットDを安定して形成することができる。
[変形例5]
図8は、変形例5に係るドロップレット生成装置140の構成を、模式的に示す図である。図8に示すように、ドロップレット生成装置140は、基板141と、基板141の内部または表面に形成された、第一流体L1の流路をなす第一流路142と、第二流体L2の流路をなす第二流路143と、を少なくとも備えている。
ドロップレット生成装置140は、第一流体L1の流れる方向f1において、第二流路143が配された側の第一流路の側壁142aのうち、連通部Cより上流側に位置する部分が外側に突出している。また、ドロップレット生成装置140は、第二流路143が配された側と反対側の第一流路の側壁142b全て平坦となっている。ドロップレット生成装置140のその他の部分の構成については、第一実施形態と同様である。
このような構成においても、第一実施形態と同様に、第二流体L2に対して、第一流体L1の流れによる圧力が、第二流体の長手方向d1と鋭角をなす斜め方向から加わる。したがって、変形例4に係るドロップレット生成装置140においても、開口部から流出した第二流体L2を、傾きを抑えた状態で引っ張ることができる。そのため、第一流体L1の圧力が第二流体L2に対して安定的に作用するようになり、作用を受けた第二流体L2を容易に切断することができ、ドロップレットDを安定して形成することができる。
[変形例6]
図9は、変形例6に係るドロップレット生成装置150の構成を、模式的に示す図である。図9に示すように、ドロップレット生成装置150は、基板151と、基板151の内部または表面に形成された、第一流体L1の流路をなす第一流路152と、第二流体L2の流路をなす第二流路153と、を少なくとも備えている。開口部から見た上流側において、変形例1〜5のドロップレット生成装置では、第二流体の流入方向に対して垂直な横方向の流れと斜めの方向の流れが混在していたのに対し、変形例6のドロップレット生成装置では、全て第二流体の流入方向に対して斜めの方向の流れが支配的である。
ドロップレット生成装置150は、第一流体L1の流れる方向f1において、第二流路155が配された側の第一流路の側壁152aのうち、連通部Cより上流側に位置する部分と、第二流路153が配された側と反対側の第一流路の側壁152bとの距離が一定である。また、ドロップレット生成装置150は、第一流体L1の流れる方向f1において、第二流路153が配された側の第一流路の側壁152aのうち、連通部Cより下流側に位置する部分が全て平坦となっている。また、ドロップレット生成装置150は、第二流路153が配された側と反対側の第一流路の側壁152bが全て平坦となっている。ドロップレット生成装置150のその他の部分の構成については、第一実施形態と同様である。
このような構成においても、第一実施形態と同様に、第二流体L2に対して、第一流体L1の流れによる圧力が、第二流体の長手方向d1と鋭角をなす斜め方向から加わる。したがって、変形例5に係るドロップレット生成装置150においても、開口部から流出した第二流体L2を、傾きを抑えた状態で引っ張ることができる。そのため、第一流体L1の圧力が第二流体L2に対して安定的に作用するようになり、作用を受けた第二流体L2を容易に切断することができ、ドロップレットDを安定して形成することができる。
[変形例7]
図10は、変形例7に係るドロップレット生成装置160の構成を、模式的に示す図である。図10に示すように、ドロップレット生成装置160は、基板161と、基板161の内部または表面に形成された、第一流体L1の流路をなす第一流路162と、第二流体L2の流路をなす第二流路163と、を少なくとも備えている。第一流路において、変形例1〜5のドロップレット生成装置では、第二流体の流入方向に対して垂直な横方向の流れと斜めの方向の流れが混在していたのに対し、変形例7のドロップレット生成装置では、全て第二流体の流入方向に対して斜めの方向の流れが支配的である。
ドロップレット生成装置160は、第一流体L1の流れる方向f1において、第二流路165が配された側の第一流路の側壁162aのうち、連通部Cより下流側に位置する部分が、第二流路の長手方向d1に垂直な面Sに対して、角度αの傾斜を有している。また、ドロップレット生成装置160は、第一流体L1の流れる方向f1において、第二流路165が配された側の第一流路の側壁162aのうち、連通部Cより上流側に位置する部分と、第二流路163が配された側と反対側の第一流路の側壁162bとの距離が一定である。
また、ドロップレット生成装置160は、第一流体L1の流れる方向f1において、第二流路163が配された側の第一流路の側壁162aのうち、連通部Cより下流側に位置する部分が全て平坦となっている。また、ドロップレット生成装置160は、第二流路163が配された側と反対側の第一流路の側壁162bが全て平坦となっている。ドロップレット生成装置160のその他の部分の構成については、第一実施形態と同様である。
このような構成においても、第一実施形態と同様に、第二流体L2に対して、第一流体L1の流れによる圧力が、第二流体の長手方向d1と鋭角をなす斜め方向から加わる。したがって、変形例6に係るドロップレット生成装置160においても、開口部から流出した第二流体L2を、傾きを抑えた状態で引っ張ることができる。そのため、第一流体L1の圧力が第二流体L2に対して安定的に作用するようになり、作用を受けた第二流体L2を容易に切断することができ、ドロップレットDを安定して形成することができる。
以下、第一実施形態に該当する実施例1、2を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例1、2に限定されるものではない。
[実施例1]
図11(a)は、第一実施形態に係るドロップレット生成装置を含んだ、ドロップレット形成用のデバイス200の構成例を模式的に示す図である。図11(b)は、図11(a)のA−A線において、デバイス200を切断した際の断面図である。
デバイス200は、基板201と、基板の内部に形成された第一流路202と、第二流路203と、第三流路204と、を含んでいる。第一流路202、第三流路204は、それぞれ第一流体L1、第二流体L2の流路をなしている。第二流路203は、第一流路202と第三流路204とを連通し、第三流路204から第一流路202に向けて第二流体L2を流出させる機能を有している。
デバイス200の構成によれば、第一流路202、第二流路203、第三流路204にそれぞれ第一流体L1、第二流体L2を流した場合、第三流路204から第二流路203を経由して第一流路202へ流出させた線状の第二流体L2に対して、第一流体の流れf1による圧力が、第二流体の長手方向d1と鋭角をなす斜め方向から加わる。この圧力の一部は、長手方向に加わる圧力に変換され、第二流体を長手方向に引っ張る力として、第二流体に作用する。短手方向に加わる圧力は、第二流体を傾ける力として第二流体に作用するが、長手方向への圧力に変換された分、第二流体の傾きは従来よりも抑えられた状態となる。
したがって、第一流体L1の圧力が、主に第二流体の長手方向に作用するようになり、作用を受けた第二流体L2を容易に切断することができる。また、第一流路の下流側の側壁面202aへの濡れ広がりを防ぐことができるため、濡れ広がりによる第二流体L2の変形にともなって、ドロップレットDが所望のサイズより大きく形成されるのを防ぐことができる。これらの結果として、微小なドロップレットDを安定的に形成することができる。
図11に示したデバイス200の製造方法について、図12、13を用いて説明する。図12は、デバイス200の製造工程のフローを示している。図13は、デバイスの製造過程における被処理体の要部断面を、製造工程の順に、段階的に示した図である。
デバイス200は、図12に示す4つの工程、すなわち、第一流路用のレーザー照射工程、第二流路用のレーザー照射工程、第三流路用のレーザー照射工程、改質部エッチング工程、を経ることにより、製造することができる。
まず、図13(a)に示すように、第一工程(工程P1)として、基板201の内部のうち第一流路を形成する領域に、レーザー光Lを集光照射し、基板の一面201aと平行な方向Sに、焦点Lfを走査させて構造改質部(改質部)201Aを形成する。
第一工程は、2つのステップを経て行う。すなわち、1つ目のステップとして、光源において発光する、パルス幅がピコ秒オーダー以下の直線偏光したレーザー光(直線偏光レーザー光)に対して、強度が所望の大きさとなるように調整を行う。
具体的には、基板201に集光照射した、レーザー光Lの焦点Lfにおける強度が、加工下限閾値より大きくなるように調整を行う。ここでの加工下限閾値は、直線偏光レーザー光を基板201の表面近傍に集光照射させた際に、集光した焦点において、改質部を形成することが可能な下限値として定義されるものである。
さらに、レーザー光Lの強度は、形成する改質部がエッチング除去可能となるように、工程P1において、基板の一面201aから、改質部を形成する位置までの距離に応じて調整する。
次に、2つ目ステップとして、光源において発生するレーザー光Lを、レンズを透過させるなどして基板201の内部に集光照射させ、改質部(微細孔)を形成する領域に沿って、集光した焦点Lfを走査させる。
以上の2つのステップを経ることにより、基板201の内部において、レーザー光Lを集光照射して走査した領域とその近傍の領域に、改質部202Aを形成することができる。形成された改質部202Aは、レーザー光Lの集光照射により、エッチング耐性が弱められている。
実際には、レーザー光Lを走査した際に、走査した領域、すなわち改質予定の領域に第一改質部が形成されるとともに、走査した領域近傍の領域、すなわち改質予定でない領域に第二改質部が形成される。ただし、第一改質部のエッチング耐性は、第二改質部のエッチング耐性よりも弱くなっている。
次に、第二工程(工程P2)として、図13(b)に示すように、基板201の内部のうち第二流路を形成する領域に、レーザー光Lを集光照射し、基板の一面201aと平行な方向Sに、焦点Lfを走査させて構造改質部(改質部)203Aを形成する。第二工程も、第一工程と同様の二つのステップを経て行う。
次に、第三工程として、図13(c)に示すように、基板201の内部のうち第三流路を形成する領域に、レーザー光Lを集光照射し、基板の一面201aと平行な方向Sに、焦点Lfを走査させて構造改質部(改質部)204Aを形成する。第三工程も、第一工程、第二工程と同様の二つのステップを経て行う。
次に、第四工程(工程P3)として、図13(d)に示すように、改質部202A、203A、204Aに対して選択的にエッチング処理を行い、基板201の内部に第一流路202、第二流路203、第三流路204を形成する。
エッチング処理は、ドライエッチング法、ウェットエッチング法のどちらを用いて行ってもよいが、三次元構造の微細孔を形成するため、等方性の高いウェットエッチング法を用いる方が好ましい。よって、本実施例1における工程P3のエッチング処理は、ウェットエッチング法を適用して行うものとする。
具体的には、第三工程を経た被処理体を、特定の容器に収容されたエッチング液に浸漬する。そして、基板201の内部に形成された改質部202A、203A、204Aの全体にエッチング液を染み込ませ、これらの除去を進行させる。
第四工程のエッチング処理は、基板201の内部において、改質部202A、203A、204Aが、レーザー照射されずに構造改質していない部分に比べて、速くエッチングされる現象を利用するものであり、その結果として、改質部202A、203A、204Aの形状に応じた流路を形成することができる。
エッチング液としては、例えばフッ酸(HF)、水酸化カリウム(KOH)などのアルカリ溶液、フッ酸に硝酸等を適量添加したフッ硝酸系の混酸溶液などを用いることができ、第一基板101を構成する材料に応じて、他の薬液を用いることもできる。
特に、水酸化カリウムを主成分とするアルカリ溶液(KOH溶液)は、エッチング液としての選択性が高く、改質部のみを選択的に除去する機能に優れる。そのため、KOH溶液は、例えば、互いに近接して形成された複数の第一改質部を除去して微細孔をなす空間を形成する際に、空間同士が繋がってしまわないように、第一改質部のみをより選択的に除去することが求められる場合に有効となる。
第四工程を経ることにより、基板201内部の所望の位置に、第一流路202、第二流路203、第三流路204が形成され、図11に示したデバイス200を得ることができる。
なお、工程P1において用いるレーザー光は、ミクロンオーダーよりも小さな微小領域を走査して改質させることが可能である。したがって、最小寸法をナノオーダー(数10[nm]〜100[nm]のオーダー)とする流路を形成することができる。
[実施例2]
図14(a)は、第一実施形態に係るドロップレット生成装置を含んだ、ドロップレット形成用のデバイス300の構成例を模式的に示す図である。図14(b)は、図14(a)のB−B線において、デバイス300を切断した際の断面図である。
デバイス300は、第一基板301と、第一基板の一面301aに形成された第一凹部302および第二凹部303と、第一凹部302および第二凹部304が覆われるように、第一基板の一面301aに重ねられた第二基板305と、を含んでいる。第一凹部302、第二凹部304は、それぞれ第一流体L1の流路、第二流体L2の流路をなしている。
また、デバイス300は、第一基板301の内部において、第二基板305と第一凹部302とで囲まれた内部空間および第二基板305と第二凹部304とで囲まれた内部空間を連通する微細孔303と、を含んでいる。この微細孔303によって、一方の内部空間から他方の内部空間に向けて、第一流体L1または第二流体L2を流すことが可能となる。
デバイス300の構成によれば、各流路に第一流体L1、第二流体L2を流した場合、微細孔203から第一流路202へ流出させた線状の第二流体L2に対して、第一流体の流れf1による圧力が、第二流体の長手方向d1と鋭角をなす斜め方向から加わる。この圧力の一部は、長手方向に加わる圧力に変換され、第二流体を長手方向に引っ張る力として、第二流体に作用する。短手方向に加わる圧力は、第二流体を傾ける力として第二流体に作用するが、長手方向への圧力に変換された分、第二流体の傾きは従来よりも抑えられた状態となる。
したがって、第一流体L1の圧力が第二流体L2に対して安定的に作用するようになり、作用を受けた第二流体L2を容易に切断することができ、ドロップレットDを安定して形成することができる。また、第一凹部の側壁302aへの濡れ広がりを防ぐことができるため、濡れ広がりによる第二流体L2の変形にともなって、ドロップレットDが所望のサイズより大きく形成されるのを防ぐことができる。これらの結果として、微小なドロップレットDを安定的に形成することができる。
図14に示したデバイス300の製造方法について、図15、16を用いて説明する。図15は、デバイス300の製造工程のフローを示している。図16は、デバイスの製造過程における被処理体の要部断面を、製造工程の順に、段階的に示した図である。
デバイス300は、図15に示す6つの工程、すなわち、レーザー照射工程、パターニング工程、Dryエッチング工程、レジスト剥離工程、改質部エッチング工程、キャップ接合工程、を経ることにより、製造することができる。
まず、第一工程として、図16(a)に示すように、第一基板301の内部のうち微細孔を形成する領域に、レーザー光Lを集光照射し、第一基板の一面301aと平行な方向Sに、焦点Lfを走査させて構造改質部(改質部)303Aを形成する。この工程は、実施例1として説明したデバイス200の製造方法における、第一工程と同様の二つのステップを経て行う。
次に、第二工程として、図16(b)に示すように、フォトリソグラフィ法によるミクロンオーダーの流路(マイクロ流路)用のパターニングを行い、第一基板301の第一凹部302、第二凹部304を設ける部分を除いた部分を、レジストRを用いてマスクする。
続いて第三工程として、図16(c)に示すように、マスクされていない、第一凹部302、第二凹部304を設ける部分を、ドライエッチング処理を行って除去する。これにより、第一基板の一方の主面301aに第一凹部302および第二凹部304が形成され、各々の凹部の内側面において、改質部303Aが露出する。
続いて第四工程として、マスクに用いたレジストRを、第一基板301から剥離させて除去する。
次に、第五工程として、図16(d)に示すように、改質部303Aに対して選択的にエッチング処理を行い、第一基板301の内部に微細孔303を形成する。
次に、第六工程として、図16(e)に示すように、第六工程を経た第一基板の一面301aに、少なくとも第一凹部302および第二凹部304が覆われるように、第二基板305を接合(キャップ接合)する。第一〜第六工程を経ることにより、図14に示したデバイス200を得ることができる。
[実施例3]
上述した製造方法の他にも、半導体分野におけるフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いることで、本発明のドロップレット生成装置を製造することができる。
先ず、基板の一面上にレジスト層を形成する。レジスト層は、第一流路および第二流路が形成される領域が開口されており、この開口部においては基板が露出している。この基板をエッチング処理すると、基板に第一流路及び第二流路が形成される。第一流路と第二流路とを一括して形成してもよいし、各々を個別に形成してもよい。第一流路と第二流路とを形成した後、基板からレジスト層を除去する。そして、基板上にキャップ基板を被せることで、第一流路および第二流路を備えたドロップレット生成装置を形成することができる。
本発明は、所望のサイズのドロップレットを大量かつ高速に形成する装置として、広く適用することができる。
10、10A、10B・・・ドロップレット生成装置、11・・・基板、
12・・・第一流路、12a、12b・・・側壁面、12A・・・部位、
13、13A、13B・・・第二流路、13a、13b・・・開口部、C・・・連通部、D・・・ドロップレット、f1、f2、f3・・・流れ、L1・・・第一流体、
L2、L3・・・第二流体、θa、θb・・・角度。

Claims (4)

  1. 基板に、第一流路と、第二流路と、を少なくとも備え、
    前記第一流路の側壁面に開口部が設けられており、該開口部に前記第二流路の一端が接続され、
    前記開口部側から見た前記第一流路の上流側の側壁面と下流側の側壁面とのなす角が、180度未満であることを特徴とするドロップレット生成装置。
  2. 前記上流側の側壁面と前記下流側の側壁面とが、90度以上の角度をなしていることを特徴とする請求項1に記載のドロップレット生成装置。
  3. 前記開口部は、前記上流側の側壁面と前記下流側の側壁面との交差部から前記下流側に広がっていることを特徴とする請求項1または2に記載のドロップレット生成装置。
  4. 前記開口部は、前記上流側の側壁面と前記下流側の側壁面との交差部から前記上流側に広がっていることを特徴とする請求項1または2に記載のドロップレット生成装置。
JP2013106627A 2013-05-20 2013-05-20 ドロップレット生成装置 Expired - Fee Related JP6140524B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013106627A JP6140524B2 (ja) 2013-05-20 2013-05-20 ドロップレット生成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013106627A JP6140524B2 (ja) 2013-05-20 2013-05-20 ドロップレット生成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014228319A true JP2014228319A (ja) 2014-12-08
JP6140524B2 JP6140524B2 (ja) 2017-05-31

Family

ID=52128302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013106627A Expired - Fee Related JP6140524B2 (ja) 2013-05-20 2013-05-20 ドロップレット生成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6140524B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004122107A (ja) * 2002-04-25 2004-04-22 Tosoh Corp 微小流路構造体、これを用いた微小粒子製造方法及び微小流路構造体による溶媒抽出方法
JP2005144356A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Tosoh Corp 微小流路構造体及びこれを用いた微小粒子製造方法
JP2007187470A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Ricoh Co Ltd 微小流路構造体およびそれを用いた乳化方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004122107A (ja) * 2002-04-25 2004-04-22 Tosoh Corp 微小流路構造体、これを用いた微小粒子製造方法及び微小流路構造体による溶媒抽出方法
JP2005144356A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Tosoh Corp 微小流路構造体及びこれを用いた微小粒子製造方法
JP2007187470A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Ricoh Co Ltd 微小流路構造体およびそれを用いた乳化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6140524B2 (ja) 2017-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5513227B2 (ja) 微細構造の形成方法、レーザー照射装置、及び基板
US7468310B2 (en) Method of machining substrate and method of manufacturing element
CN110382160A (zh) 用于借助电磁射线和随后的蚀刻过程将至少一个凹空开设到材料中的方法
WO2011096353A1 (ja) 微細構造の形成方法および微細構造を有する基体
US11610784B2 (en) Method for introducing at least one cutout or aperture into a sheetlike workpiece
KR20130088747A (ko) 기판 가공 방법
KR20130106769A (ko) 기판 가공 방법
CN108701651A (zh) 使用分裂光束激光划线工艺与等离子体蚀刻工艺的混合式晶片切割方法
EP2600411B1 (en) Method for manufacturing light-absorbing substrate and method for manufacturing die for manufacturing light-absorbing substrate
US20110177674A1 (en) Processing of multilayer semiconductor wafers
Xiong et al. Droplet generation via a single bubble transformation in a nanofluidic channel
WO2010016351A1 (ja) 半導体装置の製造方法
JP6140524B2 (ja) ドロップレット生成装置
JP6077756B2 (ja) 微細構造体の形成方法
JP6097082B2 (ja) 基体
JP2011088107A (ja) フィルターの製造方法及びフィルター
JP2006302926A (ja) レーザスクライブ用シリコン基板及びシリコン基板のダイシング方法
Ni et al. Wafer-scale 3D shaping of high aspect ratio structures by multistep plasma etching and corner lithography
CN102745645A (zh) 在硅片上制作八边形微孔的方法
JP2013215668A (ja) マイクロ・ナノフィルタ
JP2007126692A (ja) 凹部付き基板の製造方法および凹部付き基板
KR20130106770A (ko) 반도체 디바이스의 제조 방법
TWI406352B (zh) 晶圓承載基板及其製造方法
JP6277677B2 (ja) エッチングマスクの設計方法、構造体の製造方法及びエッチングマスク
JP2010221527A (ja) 貫通孔形成方法、およびインクジェットヘッドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6140524

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees