JP2007187470A - 微小流路構造体およびそれを用いた乳化方法 - Google Patents

微小流路構造体およびそれを用いた乳化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】連続相が流れる第1の流路と分散相が流れる第2の流路からなり、第1の流路と第2の流路の交差部分で分散相からなる液滴を生成する微小流路構造体について、連続相の速度を低下させない第2の流路構造を提供することを目的とし、更に、大量の液滴を高速に形成できるようにすることを目的として、連続相の速度を低下させないこと及び分散相4からなる液滴dを高速に形成すること。
【解決手段】
上記微小流路構造体について、連続相が流れる第1の流路と分散相が流れる第2の流路からなり、第1の流路と第2の流路の交差部分で分散相からなる液滴を生成する微小流路構造体において、連続相の進行方向に対し第1の流路の断面積が小さい領域を有する構造とし、断面積が小さい領域に第2の流路を接合して開口させていること。
【選択図】図10

Description

この出願の発明は、液滴を形成するための微小流路構造体、及びそれを用いた乳化方法、具体的には、食品工業、医薬あるいは化粧品製造などに利用されるエマルジョン、DDS(ドラッグデリバリーシステム)用のエマルジョン、マイクロカプセル、イオン交換樹脂、クロマトグラフィー担体などとして用いられる固体微粒子や液体微粒子であるマイクロスフィア(微粒子)の製造方法及びその装置に関するものであり、電子写真、静電記録、静電印刷等に於ける静電荷像を現像する為の現像剤に使用されるトナーの製造方法、更に詳しくは、直接または間接電子写真現像方式を用いた複写機、レーザープリンター及び、普通紙ファックス等に使用される電子写真用トナーの製造方法及びその装置に利用できるものである。さらに、直接または間接電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター及び、フルカラー普通紙ファックス等に使用される電子写真トナー及びその製造方法及びその装置に利用できるものであり、また、電気泳動粒子(すなわち、電気泳動媒体で使用する粒子)及びこのような電気泳動粒子を製造する方法及びその装置に利用できるものである。
液滴の製法としては、ミキサー、コロイドミル、ホモジナイザー等を用いる方法や超音波等で分散させる方法が一般的であるが、ホモジナイザー等を用いる方法では、連続相中の分散相粒子の液滴分布幅が大きいという欠点がある。
近年、数cm角のガラス基板上に長さが数cm程度で、幅と深さが数μmから数百μmの微小流路を有する微小流路構造体を用い、微小流路に流体を送液することにより液滴を生成する研究が注目されている。
特開2005−144356号公報に記載されているものは、その連続相が流れる第1の流路と分散相が流れる第2の流路が所定の角度をもって構成されていて、角度により液滴形成の制御を行っている。しかしながら、このものにおいては微小流路構造体と液滴の形成箇所が1対1の対応であり、微小流路構造体に複数の液滴形成箇所を設けることができない。そのため、大量生産を行うには微小流路構造体を複数並列で行うしかなく、したがって、大量生産には向いていない。これに対し、特許第3511238号公報に記載されているものは、その基板に複数の貫通孔を設け、貫通孔に分散相を流し、連続相中に液滴を形成する方法及び装置である。このような従来技術は連続相と分散相との界面張力差を利用して液滴を形成していて、連続相の流れによる剪断力を利用して液滴を形成していないので、液滴1個当たりの形成速度が遅いという問題がある。また、連続相と分散相の粘度や界面張力差の条件がそろったときしか液滴を形成できず、したがって、汎用性がないという問題もある。
貫通孔を用いて連続相の流れによる剪断力で液滴を形成する方法も考えられる。しかし、図1及び式(1)に示すように、Hagen-Poiseuille流の壁面での速度はゼロとなるため、液滴dの形成速度を大きくすることができないという問題がある(図1参照)。
〔式1〕
なお、図1は、次のことを示している。
図1の点線で示される矢印は、連続相の流速を示している。式(1)におけるrは、管の中心を基準としたときの中心からの距離を示している。また、管の長さLは、管入口から長さであり、圧力差ΔPは、管入口の圧力と管入口からLの長さの部分での圧力との差である。従って、r=0のとき式(1)は最大となり、r=Rのとき式(1)はゼロとなる。このことより、管の壁面の連続相の流速は、Hagen-Poiseuille流ではゼロとなることが示される。
これに対し、特開2004−188376号公報に記載されているものは、図2に示すように、第2の流路2を突部2aで突出させ、その高さを規定している。第2の流路2を突出させることにより、第1の流路1の連続相3の中心寄りの速度の速い部分の剪断力を用いている。
特開2005−144356号公報 特許第3511238号公報 特開2004−188376号公報
上記特開2004−188376号公報に記載されたものは、第2の流路2を突出させており、このことにより、連続相3の中心寄りの速度の速い部分の剪断力を用いているが、しかし、第2の流路2の突部2aが連続相3の速度を低下させている。そして、上記特開2004−188376号公報に記載されているものは、第2の流路2が突出した煙突状構造及び第2の流路の高さしか明らかでない。
本発明は、連続相3の速度を低下させない第2の流路構造を提供することを目的とし、更に、大量の液滴を高速に形成できるようにすることを目的とする。
さらに、具体的にはその課題は次のとおりである。
(1)課題1(請求項1乃至請求項5に対応)
連続相3の速度を低下させないこと及び分散相4からなる液滴dを高速に形成すること。
(2)課題2(請求項6に対応)
連続相3の速度を低下させないこと及び分散相4からなる液滴4を大量に形成すること。
(3)課題3(請求項6、請求項7に対応)
粒子径が均一な液滴を低コストで形成すること。
(1)解決手段1(請求項1に対応)
課題1に対する手段は次のとおりである。
連続相が流れる第1の流路と分散相が流れる第2の流路からなり、第1の流路と第2の流路の交差部分で分散相からなる液滴を生成する微小流路構造体において、連続相の進行方向に対し第1の流路の断面積が小さい領域を有する構造とし、断面積が小さい領域に第2の流路を接合して開口させていることを特徴とする微小流路構造体。
解決手段1の実施形態1として、上記第1の流路が部分的に狭くなり、狭くなった部分に第2の流路を配置することができる(請求項2に対応)。
また、解決手段1の実施形態2として、上記第1の流路が狭くなり、その狭い部分が第1の流路の最後まで続き、狭くなった直後の部分に第2の流路を配置した構成にすることができる(請求項3に対応)。
また、解決手段1の実施形態3として、上記第2の流路の第1の流路への接続部の第2の流路の壁の厚さを薄く構成することができる(請求項4に対応)。
なお、上記の第2の流路の壁の「厚さ」は10μm(好ましくは5μm)〜0.01μmであり、薄いほど連続相の流速低下を防止することが可能である。このことは式(1)において、管の長さLが短いほど流速が大きくなることから理解できる。そして、10μm以上で、壁の厚みによる速度低下が大きくなりなり、5μm以下で速度低下が小さくなる。他方、0.01μm未満では、壁の物理的強度を達成することは不可能である。
さらに、解決手段1の実施形態4として、上記第2の流路の出口が第1の流路を流れる連続相の進行方向に対し傾斜している構成にすることができる(請求項5に対応)。
(2)解決手段2
課題2に対する手段は、上記解決手段1を前提として、上記微小流路構造体において、分散相が流れる第2の流路の本数が2本以上からなる微小流路構造体である(請求項6に対応)。
(3)解決手段3
課題3に対する手段は、上記解決手段1又は解決手段2による微小流路構造体を用いて分散相からなる液滴を形成する乳化方法である(請求項7に対応)。
〔作用〕
まず、解決手段1の動作原理を説明する。第1の流路を狭くすることで、狭い部分での連続相の速度の向上が見込める。流体の単位時間あたりの体積移動量が一定であるので、流体の速度にすると流路が狭いほど速くなる。
上記の特開2004−188376号公報において第2の流路を煙突状に突出させているが、連続相の流れの方向のみに突出していれば良いので、本発明の後記の実施例1の構成で十分である。
解決手段1の実施形態1の効果を図1に示す従来例と比較し、シミュレーションにより明らかにする。このシミュレーションは、流体解析ソフト:FLUENTを用いてものであり、図3と図4に、シミュレーション(Simulation)のモデルを示す。3次元のシミュレーションを実施したが、第2の流路の中心を含む断面での連続相の速度分布を求める。速度分布は、連続相の流れが第2の流路に到達する直前の部分(図3の「Posision」の位置、図4の「Posision1」の位置)で比較を行う。図5にシミュレーション結果を示している。横軸に第2の流路がある第1の流路の壁面を基準とした位置をとり、縦軸に最大速度で規格化した速度をとっている。従来は壁面から20μm離れないと速度が一定にならないが、図4のような場合(解決手段1の実施形態1。請求項2)、第2の流路の30μmの壁に対し40μmで一定距離(例えば10μm)離れるだけで速度が一定になる。
解決手段1の実施形態2(請求項3)においては、連続相の流路が途中で狭くなっている。狭くなってしばらくすると、壁面での連続相の速度はゼロになる。しかし、狭くなった直後は速度低下が小さい。従って、狭くなった直後に第2の流体の出口を配置すれば連続相の速度低下を防止することができる。基本的に図4の「Posision1」での速度分布と大きな差はない。図11の実施例2はこの実施形態2(請求項3)を具体的に示すものである。
解決手段1の実施形態3(請求項4)においては、第1の流路への接続部における第2の流路の壁面厚み(壁の厚み)を薄くしており、このために、この壁面の厚みの部分で速度低下が発生するので、壁面厚みは薄い方が良い。図8にシミュレーションモデルを示し、図9にシミュレーション結果を示している。壁面の厚みが∞すなわち図3と同じような状態(流路深さのみ異なる)と壁面の厚みが20μmとではほとんど速度分布に差が見られない。従って、突出した構造であっても、壁面の厚みが20μmあれば突出した効果がなくなってしまうことを示している。シミュレーション結果よりも突出した効果を発揮するには、厚みが10μm以下でなければならない。好ましくは5μm以下である。
また、Hagen-Poiseuille流の観点からは第2の流路の厚みはできればないことがことが好ましい。第2の流路を第1の流路の進行方向に対し斜めにすることで、厚みを極限まで薄くすることが可能である。その様子を図20、図21、図22に示している。これらの図に示すように、第2の流路2の出口部分が鋭角になり、先端では厚みがない状況となる。このように、本発明は第1の流路1に対し第2の流路2が斜めとなる構造であっても問題ない。
また、第2の流路2の断面形状は図18(a)に示すように矩形状で、その出口2wの厚みの薄い部分2w1が長いので好ましい。しかし、図18(b)に示すようにその出口2xの断面形状が円状であっても、中心部分では矩形状とほぼ同じ速度なので問題はない。
解決手段1の実施形態4(請求項5)は、第2の流路の出口を連続相の流れに対して斜めにしている。図6のシミュレーションモデルがこの様子を表している。第2の流路2の出口を斜めにすることにより、連続相が第2の流路2を通過する部分(図4の「Posision2」、図6の「Posision」)での速度が向上する。図6の「Posision」の位置から見た場合、速度低下の原因となる第2の流路2の壁面が前方にないため、連続相の流れが速くなる。そのシミュレーション結果を図7に示している。これは図4の「Posision2」と図6の「Posision」との位置を比較した結果である。壁面から5μm程度離れただけで速度が一定になっているので、斜めにした効果がある。
解決手段2(請求項6)においては、第2の流路を多数設けているので、一度に大量の液滴を形成することができる。図14、図15,図16の実施例5,6,7が解決手段2の具体例である。
そして、図14は、第2の流路2を連続相3の流れ方向に沿って第1の流路41に多数配置した例であり、流れ方向に多数の傾斜面42を設け、各傾斜面42に第2の流路2を一つ開口させている。このものにおける傾斜面の42の上流側の流路高さは20μm、下流側の流路高さは30μmでる。
図15の微小流路構造は連続相の流れ方向に直角の方向に多数の第2の流路2を配置した構造の基本形であり、その第1の流路51に設けた傾斜面52の下流は流路高さが低い。上記傾斜面52に第2の流路2が一列に並んで多数開口している。
図16の例は、図15の基本形を流れ方向に多数配置した例で、連続相の流れ方向に0.1〜10mm間隔で配置された傾斜面62,62,62に第2の流路2が一列に並んで多数開口している。
(1)請求項1の発明の効果
請求項1の発明は、第1の流路の狭い部分に第2の流路を接合させているので、連続相の流速が速くなる部分で分散相の液滴を形成することができ、それにより、液滴の形成速度が上げられる。
(2)請求項2の発明の効果
請求項2の発明は、第1の流路が部分的に狭くなっているので、壁面での速度低下を最小限に抑えることができる。また、第2の流路の出口を第1の流路の狭い部分に配置しているので、連続相の速度が速く、第2の流路から供給される分散相に与える剪断力が低下することはない。
(3)請求項3の発明の効果
請求項3の発明は、第2の流路の出口を第1の流路が狭くなった直後の部分に配置し、第1の流路が狭くなった直後は連続相の速度低下が小さいので、連続相の速度が速く、第2の流路から供給される分散相に与える剪断力が低下することはない。
(4)請求項4の発明の効果
請求項4の発明は、第2の流路の厚さを10μm好ましくは5μm以下にし、第2の流路の厚さによる連続相の速度低下を防止しているので、連続相の速度が速く、第2の流路から供給される分散相に与える剪断力が低下することはない。
(5)請求項5の発明の効果
請求項5の発明は、第2の流路の出口が第1の流路を流れる連続相の進行方向に対して傾斜し、第2の流路の中心以降では前方に第2の流路の壁面がないので、連続相の速度が速く、第2の流路から供給される分散相に与える剪断力が低下することはない。
(6)請求項6の発明の効果
請求項6の発明は、ひとつの微小流路構造体に第2の流路を複数設けているので、ひとつの微小流路構造体で大量の液滴の形成が可能となる。
(7)請求項7,8の発明の効果
請求項7,8の発明は、請求項1乃至請求項6の微小流路構造体を用い、液滴を高速かつ大量に形成するものであるから、低コストで液滴の形成が可能である。
以下に、本発明の実施例を示す。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能なのは言うまでもない。
図10に実施例1を示す。この実施例1は、請求項1、請求項2及び請求項4に対応する微小流路構造体である。図10に示す実施例1の微少流路構造体の構造は、以下のとおりである。
すなわち、第1の流路に上端が水平面12の凸部を設けてあり、この凸部の水平上面に内径30μmの第2の流路2が開口している。上記凸部の幅は35μm、高さは10〜30μmである。そして、この実施例1の第1の流路11の流路高さは100μmである。
実施例1によるものの製造方法の概略を図17に示している。Siウェハ119上にポジ型のフォトレジスト110をスピンコート法などにより形成する。貫通孔を形成するための孔110aをフォトレジストに露光、現像により形成する。次に、フォトレジスト110をマスクとして、貫通孔111をドライエッチングにより形成し、フォトレジストの除去を行う。次に、ポジ型のフォトレジスト110をスピンコート法などにより形成し、第1の流路を形成するための溝112を露光、現像により形成する。次に、第1の流路をドライエッチングにより形成し、フォトレジストの除去を行う。次に、フォトレジスト110をスピンコート法などにより形成し、第2の流路212の出口形状を形成するための孔を露光、現像により形成する。次に、第2の流路212の出口形状をドライエッチングにより形成し、フォトレジストの除去を行う。最後に、連続相の導入口、排出口を有するガラス基板113をSiウェハ119に溶着し、実施例1の流路が完成する。第2の流路の壁面の厚みは、5μm以下になるように上記の製造において形成する。
図11に実施例2を示している。この実施例2は、請求項1,請求項3及び請求項4に対応する微小流路構造体である。この実施例2の微少流路構造体の構造は、次のとおりである。
すなわち、第1の流路に上面が水平面12Aの段部を設けてあり、この段部の水平上面に内径30μmの第2の流路2が開口している。上記段部の下流側は段部上面と同じ高さの水平面になっている。この段部の高さは10〜30μmである。そして、この実施例2の第1の流路11の流路高さは100μmである。
この実施例2の微少流路構造体の製造方法については、実施例1と同様の方法によることができる。
図12に実施例3を示す。この実施例3は、請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5に対応する微小流路構造体である。この実施例3の微少流路構造体の構造は、次のとおりである。
すなわち、第1の流路21に上端が傾斜面22の凸部を設けてあり、この凸部の傾斜面22に内径30μmの第2の流路2が開口している。上記凸部の流れ方向の幅は35μm、上流側の高さ20μm、下流側の高さは30μmである。そして、この実施例3の第1の流路21の流路高さは100μmであり、凸部の下流側端21aにおける流路高さは100μmである。なお、凸部の下流側の流路21aの流路高さは上流側と同じ100μmである。
この実施例3の微少流路構造体の製造方法については、実施例1と同様な方法によることができる。ただし、第2の流路出口を斜めにするため、実施例1の最後の露光プロセスにおいて、階調をつけて露光を行い、レジストを傾斜するように残しておく。ドライエッチング時にフォトレジストが除去された部分からSiウェハのエッチングが進行し、最終的にSiウェハが斜めにエッチングされる。このエッチング加工の様子を図19に示している。
なお、図19(a)は、階調をつけて露光を行い、現像後のレジストが残っている状態を示しており、図19(b)に図19(a)の状態でドライエッチングを行い、Siウェハの凸部分を斜めにし、レジストを溶剤で溶かして除去を行った状態を示している。
図13に実施例4を示している。この実施例4は、請求項1、請求項3、請求項4及び請求項5に対応する微小流路構造体である。この実施例4の微少流路構造体の構造は、次のとおりである。
すなわち、第1の流路31に上端が傾斜面32の段部を設けてあり、この段部の傾斜面32に内径30μmの第2の流路2が開口している。上記段部の傾斜面32の流れ方向の幅は35μmであり、傾斜面の上流側の高さは20μmである。そして、この実施例4の第1の流路31の流路高さは100μmであり、凸部の下流側の流路高さは70μmである。
なお、実施例4の微少流路構造体の製造方法については、実施例1及び実施例3と同様の方法によることができる。
図14に実施例5を示す。この実施例5は、請求項1、請求項2、請求項4、請求項5及び請求項6に対応する微小流路構造体である。図14に示す実施例5の微少流路構造体の構造の詳細は次のとおりである。
この実施例5は実施例3の構造を流れ方向に多段に設けたものに相当するものであり、その第1の流路41に上端が傾斜面42の凸部を設けてあり、この凸部の傾斜面42に内径30μmの第2の流路2が開口している。上記凸部の流れ方向の幅は35μm、上流側の高さは20μm、下流側の高さは30μmである。そして、この実施例5の第1の流路41の流路高さ、凸部の下流側端41aにおける流路高さ等の寸法は実施例3のそれと違いがない。凸部間の流路41aの流路高さは上流側と同じ100μmである。
そして、実施例5の微少流路構造体の製造方法については、実施例1及び実施例3と同様の方法によることができる。
図15に実施例6を示している。この実施例6は、請求項1、請求項3、請求項4、請求項5及び請求項6に対応する微小流路構造体である。この図15に示す実施例6の微少流路構造体の構造の詳細は次のとおりである。
この実施例の流路構造は基本的には図13の実施例4と違いが無く、傾斜面に横一例に多数の第2の流路2を開口させている点が相違している。
すなわち、第1の流路51に上端が傾斜面52の段部を設けてあり、この段部の傾斜面52に内径30μmの第2の流路2が横一例に多数開口している。上記段部の傾斜面52の流れ方向の幅、傾斜面52の傾斜角度、第1の流路51の流路高さ、凸部の下流側の流路高さは実施例4と違いがない。
そして、実施例6の微少流路構造体の製造方法については、実施例1及び実施例3と同様の方法によることができる。
図16に実施例7を示す。この実施例7は、請求項1、請求項2、請求項4、請求項5及び請求項6に対応する微小流路構造体である。この図16に示す実施例7の微小流路構造体の詳細は次のとおりである。
この実施例7は、図14の実施例5の流路構造の傾斜面に第2の流路2を横一列に多数開口させたものに相当するものである。その第1の流路61に上端が傾斜面62の凸部を設けてあり、この凸部の傾斜面62に内径30μmの第2の流路2が横1列に並んで多数開口している。上記凸部の流れ方向の幅は35μm、上流側の高さは20μm、下流側の高さは30μmである。そして、この実施例7の第1の流路61の流路高さ、凸部の下流側端42aにおける流路高さ等の寸法は実施例5のそれと違いがない。凸部間の流路61aの流路高さは上流側と同じ100μmである。
そして、実施例7の微小流路構造体の製造方法については、実施例1及び実施例3と同様な方法によることができる。
実施例8は、請求項8の発明をトナーに応用した具体例であり、詳細は次のとおりである。
密閉されたポット内にポリエステル樹脂(Mn=14,000)10重量部を酢酸エチル100重量部に溶解し、カーボンブラック2重量部及びカルナバワックス2重量部を添加し、5mmφのジルコニアビーズを用いて24時間ボールミル分散を行い、トナー組成物溶解物を調合する。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部を水1000重量部に完全溶解して水系媒体とする。
実施例8においては、その微小流路構造体の基本構造は上記実施例7に相当するものであり、その第2の流路の段数が9段であり、その各段において第2の流路100本が一列に配列された微小流路構造体である。第2の流路の内径は10μm、凸部の流れ方向の幅は15μm、上流側の高さは20μm、下流側の高さは30μmである。この微小流路構造体に上記のトナー組成物溶解物と水系媒体を導入する。トナー組成物溶解物の第2の流路中における平均速度が0.01m/s、水系媒体の第1の流路中における平均速度が0.5m/sになるように、圧送で第1の流路と第2の流路に液体の供給を行う。このような条件でトナー組成物溶解物の液滴を形成する。このようにして得られた分散液中における分散質の平均粒径は、5.3μmである。
その後、分散液に純水を加え、ろ過する操作を2回繰り返し行い、均一なスラリーを作製する。スラリーを噴霧乾燥装置により乾燥し、粒状物を作製する。体積平均粒子径5.0μm、分散値6.0%のトナー粒子が得られた。また、本実施例での微小流路構造体1個あたりで100g/時間のトナーの生成が可能である。
実施例9は,請求項8の発明を電気泳動粒子に応用した具体例であり、詳細は次のとおりである。
密閉されたポット内にアイソパーG(製品名:エクソンモービル社製)中に、直径400nmのTiO2を40wt%、直径200nmのカーボンブラックを2wt%添加し、超音波ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散相を調合する。純水にゼラチンを2wt%完全溶解して連続相とする。
実施例9における微小流路構造体の基本構造は実施例6のものに相当する。ただし、実施例6においては第2の流路が3個であるが、この実施例9においては第2の流路数が10個の微小流路構造体を用いた。第2の流路の内径は30μm、凸部の流れ方向の幅は35μm、上流側の高さは20μm、下流側の高さは30μmである。この微小流路構造体に上記の分散相と連続相を導入する。分散相の第2の流路中における平均速度が0.05m/s、連続相の第1の流路中における平均速度が0.5m/sになるように、圧送で第1の流路と第2の流路に液体の供給を行う。連続相が入った圧力容器及び微小流路構造体は、40〜50℃の温浴に導入し、ゼラチンの固化を防止する。このような条件で液滴を形成する。
その後、コアセルベーション法により液滴の表面を固化し、マイクロカプセル化する。このようにして平均粒子径が50μm、分散値が5.0%の電気泳動粒子が得られた。また、本実施例での微小流路構造体1個あたり300g/時間の電気泳動粒子の生成が可能である。
は従来技術の説明図である。 は本発明の要点を概念的に示す説明図である。 は従来例における連続相の速度分布シミュレーションモデルを示す図である。 は本発明の連続相の速度分布シミュレーションモデル1を示す図である。 は従来例と本発明との速度分布の様子を示す図である。 は本発明の速度分布シミュレーションモデル2を示す図である。 は本発明の速度分布の様子2を示す図である。 は本発明の速度分布シミュレーションモデル3を示す図である。 は本発明の速度分布の様子3を示す図である。 は実施例1の斜視図である。 は実施例2の斜視図である。 は実施例3の斜視図である。 は実施例4の斜視図である。 は実施例5の斜視図である。 は実施例6の斜視図である。 は実施例7の斜視図である。 は実施例1の微小流路構造体の製造方法の説明図である。 (a)は第2の流路出口の上面方向からの平面図、(b)は第2の流路出口の上面方向からの平面図である。 (a)は第2の流路出口の製造方法の階調をつけて露光を行い、現像後のレジストが残っている状態を示す断面図、(b)は第2の流路出口のドライエッチングを行い、Siウェハの凸部分を斜めにし、レジストを溶剤で溶かして除去を行った状態を示す断面図である。 は本発明においてその第2の流路を斜めにした構造の断面図である。 は解決手段1の実施形態1においてその第2の流路を斜めにした構造の断面図である。 は、図21の構造と同様の他の例の断面図である。
符号の説明
1:第1の流路
2:第2の流路
3:連続相
4:分散相
d:液滴

Claims (8)

  1. 連続相が流れる第1の流路と分散相が流れる第2の流路からなり、第1の流路と第2の流路の交差部分で分散相からなる液滴を生成する微小流路構造体において、連続相の進行方向に対し第1の流路の断面積が小さい領域を有する構造とし、断面積が小さい領域に第2の流路を接合して開口させていることを特徴とする微小流路構造体。
  2. 上記微小流路構造体において、断面積が小さい領域が第1の流路の一部分であり、断面積が減少した領域に第2の流路を接合して開口させていることを特徴とする請求項1の微小流路構造体。
  3. 上記微小流路構造体において、断面積が小さい領域が第1の流路の出口部分まで連続し、断面積が減少した直後の領域に第2の流路を接合して開口させていることを特徴とする請求項1の微小流路構造体。
  4. 上記微小流路構造体において、第1の流路への第2の流路の接続部の連続層の進行方向の壁の厚さが10μm以下〜0.01μmであることを特徴とする請求項2又は請求項3の微小流路構造体。
  5. 上記微小流路構造体において、第1の流路に対する第2の流路の接合面が、連続層の進行方向に対し斜めになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の微小流路構造体。
  6. 上記微小流路構造体において、分散相が流れる第2の流路が2本以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の微小流路構造体。
  7. 請求項1乃至請求項5の微小流路構造体を用いて分散相からなる液滴を形成することを特徴とする乳化方法。
  8. 請求項1乃至請求項5の微小流路構造体を用いて、分散相に溶解しない微小粒子を含有する分散相を用い、分散相及び微小粒子からなる液滴を形成することを特徴とする乳化方法。
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