JP2014227797A - 取付具、及びそれを用いた外装材の取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、内側フランジ22から内側延設片221が、外側フランジ23から外側延設片231がそれぞれ開口部20に臨む形鋼である構造材2に取り付けて外装材3を敷設する取付具であって、組付状態において構造材2の内側延設片221、外側延設片231のそれぞれに係合する内方係合溝15、外方係合溝16と、開口部20の上方に立設されて固定ボルト4を貫通させる内方立面部12、外方立面部13と、該両立面部12,13を連結する連結部11とを備えてなり、構造材2の内側延設片221、外側延設片231に、内方係合溝15、外方係合溝16を係合させて当該取付具1を取り付け、取り付けた取付具1の両立面部12,13、及び外装材3に固定ボルト4を貫通させて締め付け固定できることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
特許文献2には、壁下地(C型鋼材)Dの舌片D1に、取付具Bに設けたフック溝26を係合してスクリュービス等の固定具Cを打ち込んで固定し、取付具Bに設けた係合溝25に建築用パネルAを取り付ける構造が記載されている。
特許文献3には、構造材(コ字形鋼)4のフランジ状部4aに、取付金具Bに設けた切欠溝5C1を係合させた状態で先端に当接部材7aが一体的に固定されたボルト7を締め付けて押し付け状に固定し、取付金具Bに設けた背面板5bや押圧部6にて建築用板Aを取り付ける構造が記載されている。
また、前記特許文献1,3は、外装材が構造材表面に敷設されているが、建築物の断熱性や防火性を得るための機能性下地層を設ける場合に対応できない。これに対し、前記特許文献2では、サンドイッチパネルを用いるため、所定の機能は有しているが、厚さの変更に対応できないのは同様である。
さらに、前記特許文献3は、ボルト7を締め付けることにより、その先端に取り付けた当接部材7aをコ字形鋼4に押し付けて固定する構造であるため、十分な取付強度が得られないという問題もあった。
加えて構造材の開口部を基準とし、後述する図1(a)や図2(b)〜(e)のように開口部を上にして配置した場合に、その右方向を内側(内方)とし、その左方向を外側(外方)とする。
但し、これらの表記は、前述のように説明の簡易化を目的としたものであって、実際の配設状態における位置関係を限定するものではない。
そして、構造材の内側延設片、外側延設片に、内方係合溝、外方係合溝を係合させて当該取付具を取り付け、取り付けた取付具の両立面部、及び外装材に固定ボルトを貫通させて締め付け固定できる。
本発明に用いる構造材は、前述のように内側フランジから内側延設片が、外側フランジから外側延設片がそれぞれ開口部に臨む部位を備える形鋼であり、後述する図示実施例に用いたリップ溝形鋼でも、リップH形鋼でもよい。このうち、リップ溝形鋼は、主に母屋、梁等に用いられている軽量形鋼であり、C型鋼又はシーチャンネルとも呼称され、横片状のウエブ部の内外にそれぞれフランジが直交状に形成され、内方に位置する内側フランジの先端には外向き片(内側延設片)が形成され、外方に位置する外側フランジの先端には内向き片(外側延設片)が形成されている。なお、前述のように、これらの部位の内外は、説明の簡易化を目的としたものであって、実際の配設状態における内外関係を限定するものではない。
本発明に用いる取付具は、前述のように組付状態において構造材の開口部から構造材の内側延設片、外側延設片のそれぞれに係合する内方係合溝、外方係合溝と、開口部の上方に配設されて固定ボルトを貫通させる内方立面部、外方立面部と、該両立面部を連結する連結部とを備える。
前記構造材に対し、この取付具を取り付けるには、後述する図示実施例に示すように、まず、何れか一方の端部のみが構造材の開口部内に位置するように傾斜状に臨ませ、その一方の端部に形成した係合溝を係合させ、次に係合溝を次第に深く係合させつつ、他方の端部を開口部に押し込むように取り付けるようにしてもよい。
この態様において、何れか一方の係合溝を他方より深く形成しておくことが望ましく、例えば内方係合溝を外方係合溝よりも深く形成した場合には、まず内方係合溝が構造材の内側延設片に係合するように傾斜状に臨ませ、外方端部を開口部に押し込むようにすると、容易に施工することができる。また、この場合、固定ボルトの締め込みにより、外方係合溝が外側延設片に押し付けられるように配置することが望ましい。
即ち構造材に対して取付具を傾倒状に臨ませ、内外の端部を構造材の開口部内に位置させ、次に例えば外方係合溝のうち、左側又は右側を構造材の外側延設片にあてがい、回転の支点とする。そして、取付具を回転(回動)させ、構造材の内側延設片に取付具の左右の内方係止溝を係合させると共に、外側延設片に左右の外方係止溝を係合させて取り付けるようにしてもよい。
この取付具が金属板材等の材料にて構成されるケースについて説明すると、例えば後述する第1実施例の内方係合溝のように、側面部の構造材側の端部を突出させて係合溝の外方部分を形成し、立面部の下端を折曲した折曲片が内方部分を形成する態様(=第1の態様)でもよい。
また、後述する第1実施例の外方係合溝のように、組付状態において取付具の側面部の端縁に切り込みを入れて係合溝を形成する態様(=第2の態様)でもよい。この第2の態様は、係合溝が側面部に対して直交状に形成され、強度が高いものなる。
さらに、後述する第2実施例の両係合溝のように、組付状態において取付具の立面部の下端を高さを変えて折曲した二つの折曲片間が係合溝を形成する態様(=第3の態様)でもよい。この第3の態様は、容易に加工でき、使用する材料が少なくてよい。
本発明に用いる外装材は、金属板材等からなり、固定ボルトを貫通させる通孔を有するものであればよく、その裏面側に断熱性能、防火性能等を有する下地層を一体的に備える構成でもよい。特に後述する図示実施例に示すように、面板部の左右の側縁のうち、一方の側縁に凹部と接続部とを設け、他方の側縁に接続受部を設け、接続部と接続受部は凹部の内部空間にて接続可能であり、隣接する外装材の接続部と接続受部を接続すると共に凹部表面を塞ぐことができるものが望ましい。前記面板部は、略平坦状であっても、表面側或いは裏面側等に凹凸を形成した波状であってもよい。
なお、前記凹部は、固定ボルトの頭部又は固定ボルトの端部に取り付けるナットを収容可能であって、前記通孔は、内側からこの凹部に至るものであれば、特にその形状構成は限定するものではない。
外装材の表面側に凹部を設ける態様では、雨水の浸入を防止するために凹部を覆うことが望ましい。また、その場合、一方の側縁に凹部を設けるが、接続可能な接続部、接続受部を設け、凹部内にて接続可能であることが望ましい。なお、この場合、接続部及び接続受部の形状構成は特に限定するものではなく、重合又は係合するものであってもよい。
外装材の裏面側、即ち下地層側に凹部を設ける場合には、実質的に凹部内に固定ボルトの締め付けに要する工具等を挿入できないため、固定ボルトの頭部又は固定ボルトの端部に取り付けるナットの共周りを防止するように固定することが望ましい。
更に、この態様の外装材に設けられる通孔は、下地層及び外装材本体を貫通するものであり、外装材本体では凹部に位置するものである。
なお、この下地層は、敷設状態で前記外装材本体と一体化さればよく、例えば接着剤等を用いて外装材本体と予め或いは施工時に接着されていてもよいし、係合等により物理的に離反しないように固定されていてもよいし、特にこれらに限定するものではなく、配設以前には別体であって施工時に単に重ね合わせて積層状態とするものでもよい。
本発明に用いる固定ボルトは、取付具の両立面部、外装材を貫通して締め付け固定するものであって、一方端に頭部が形成され、他方側に雄螺子部が形成される一般的なボルトを用い、ナットを締め付ける、或いは固定したナットに対してボルトを締め付けるようにしてもよいし、両端に頭部が形成されずに雄螺子部のみで形成されるスタッドボルトを用い、両端にナットを締め付けるようにしてもよい。また、この固定ボルトは、外装材の厚みに応じて長さを変更すればよく、外装材に下地層をが無い場合、下地層がある場合やその厚みに応じて変更すればよい。
そのため、本発明では、構造材への溶接作業もボルトを挿通させるための穿孔作業も不要であり、構造材に簡易かつ確実に取付具及び外装材を取り付けることができる。
しかも、本発明に使用する取付具は、構造材への取付作業において、工具の使用を最小限とし、叩き込み等の作業も必要ないため、「音」の発生が極めて少なく、近隣への配慮がなされた工法を実施できる。
因みに図1(b)では、図面の上側が内側(内方)に相当し、下側が外側(外方)に相当する。また、図2(b)〜(e)では、図面の右側が内側(内方)に相当し、左側が外側(外方)に相当する。
12、外方立面部13が形成されている。これらの連結部11と側面部14,14は、略コ字状を形成する枠体であり、両立面部12,13の略中央には、固定ボルト4が貫通する通孔121,131を有する。
内方係合溝15は、側面部14の構造材2側の端部を突出(突出片141)させて係合溝15の外方部分を形成し、立面部12の下端を折曲した折曲片121が内方部分を形成する前記第1の態様である。即ちこの第1実施例の内方係合溝15は、折曲片122と突出片141との間に形成される。
外方係合溝16は、側面部14の端縁に(図では手前側から)切り込みを形成して係合溝16を形成する前記第2の態様である。
図示実施例の外装材3の凹部31は、外装材本体3Aの表面側に設けられ、断面が略角溝状に成形されている。この外装材本体3Aは、図1(c)に拡大して示すように略平坦状の面板部33の一方の側縁に面板部33を外方へ延在させて折り返した接続部34及び凹部31を形成し、他方の側縁に面板部33を凹部31側へ段状に折り曲げ、更に外方へ延在させて先端を折り返した形状の接続受部35を形成した構成である。これらの接続部34、接続受部35は凹部31内にて重合状に接続可能であって、凹部31の表面を塞ぐものである。
まず、図2(c)に示すように構造材2の内側フランジ22に対し、取付具1の内方立面部12側を近付け、この内方係合溝15を構造材2の内側延設片221の先端にあてがうように配設する。
次に、図2(d)に示すように、取付具1の内方係合溝15を構造材2の内側延設片221に対して深く係合されるように内方から押し込む。
そして、図2(e)に示すように、取付具1の内方係合溝15と構造材2の内側延設片221と十分に深く係合すると、外方立面部13が構造材1の外側フランジ23に近づくので、これを押し込むように内方から押圧し、図2(b)の状態を得ることができる。なお、この図2(b)の状態は、ナット4bを取り付けて締め付け固定した状態の取付具1を示している。
そして、外装材3の凹部31から貫通させた固定ボルト4の雄螺子部分42を、前記取付具1の外方立面部13側から挿通させ、順に外方立面部13に設けた通孔131、内方立面部12に設けた通孔121まで貫通させ、端部にナット4bを取り付けて締め付ければよい。
これにより、外装材3は、取付具1を介して構造材2の外側フランジ23に接するように一体的に固定される。
また、取付具1は、図2(b)に示すように外方係合溝16が構造材2の外側延設片231に深く係合する状態で一体的に取り付けられる。
しかも、この取付具1は、構造材2への取付作業において、工具の使用を最小限とし、叩き込み等の作業も必要ないため、「音」の発生が極めて少なく、近隣への配慮がなされた工法を実施できる。
内方係合溝15'は、内方立面部12'の下端から二箇所に切り込みを入れてこれをそれぞれ外側へ(方向としては内方へ)折曲し、両端を高い折曲片124,124とし、中央を低い折曲片125を折曲とし、これらの折曲片124,125間を内方係合溝15'とする前記第3の態様である。
同様に外方係合溝16'も、外方立面部13'の下端を高さを変えて折曲した二つの折曲片134,135間を外方係合溝15'とする第3の態様である。
内方係合溝15"は、図5(a)に示すように側面部14",14"の下方部分の内側端に切り込み142を入れて内方係合溝15を形成する前記第2の態様である。
同様に外方係止溝16"も、側面部14",14"の下方部分の外側端に切り込み143を入れて外方係合溝16"を形成する前記第2の態様である。
また、外装板5Aの左右の端縁には、接続部52a及び接続受部52bが形成され、外装板5Bの左右の端縁には、接続部52c及び接続受部52dが形成され、敷設状態において隣接する接続部52aと接続受部52dが係合し、接続部52cと接続受部52bが係合し、これらは直列状に5A−5B−5A−5Bと接続される。
この本体6Aは、幅方向に隣接する本体6Aと図6(b)に示すように接続することができ、前記第1実施例と同様に本体6Aの裏面側への雨水の浸入を防止でき、しかも接続受部65aのV字状の形状特性も相俟ってより高い雨水の浸入防止作用を得る。
そのため、図6(f)に示すように接続することができ、V字状の接続受部65cへ雨水が円滑に案内され、前記図6(a)の本体6Aとほぼ同様に高い雨水の浸入防止作用を得ることができる。
そのため、図6(h)に示すように接続することができ、接続部64dに設けた横溝に接続受部65dを挿入して重合状に係合させることができるため、安定に且つ強固に接続することができる。
そのため、図6(j)に示すように接続することができ、前記図6(g)の本体6Dとほぼ同様であるから、説明を省略する。
前記下地層6Jは、左端及び略中央に表面側が切り欠かれた薄肉部分66,67が形成されたボード状であり、該薄肉部分66,67の表面側に前記本体6Gの凹部61gがそれぞれ位置するように積層して一体化される。
前記下地層6Kは、右端及び略中央に表面側が切り欠かれた薄肉部分68,69が形成されたボード状であり、該薄肉部分68,69の表面側に前記本体6Hの凹部61hがそれぞれ位置するように積層して一体化される。
11 連結部
12 内方立面部
121 通孔
13 外方立面部
131 通孔
14 側面部
15 内方係合溝
16 外方係合溝
2 構造材(リップ溝形鋼)
20 開口部
21 ウエブ部
22 内側フランジ
221 内側延設片
23 外側フランジ
231 外側延設片
3 外装材
3A 外装材本体
3b 下地層
31 凹部
32 通孔
33 面板部
34 接続部
35 接続受部
36 通孔
4 固定ボルト
4b ナット
41 頭部
42 雄螺子部分
5 外装材
5A,5B 外装板
5c 下地層
51 凹部
Claims (4)
- 内側フランジから内側延設片が、外側フランジから外側延設片がそれぞれ開口部に臨む形鋼である構造材に取り付けて外装材を敷設するための取付具であって、
組付状態において構造材の内側延設片、外側延設片のそれぞれに係合する内方係合溝、外方係合溝と、開口部の上方に立設されて固定ボルトを貫通させる内方立面部、外方立面部と、該両立面部を連結する連結部とを備えてなり、
構造材の内側延設片、外側延設片に、内方係合溝、外方係合溝を係合させて当該取付具を取り付け、取り付けた取付具の両立面部、及び外装材に固定ボルトを貫通させて締め付け固定できることを特徴とする取付具。 - 内側フランジから内側延設片が、外側フランジから外側延設片がそれぞれ開口部に臨む形鋼である構造材に、請求項1に記載の取付具を取り付けて外装材を敷設する外装材の取付構造であって、
外装材の裏面を構造材の外側フランジに沿うように配設すると共に、構造材の内側延設片、外側延設片に、内方係合溝、外方係合溝を係合させて取付具を取り付け、取り付けた取付具の両立面部、及び外装材に固定ボルトを貫通させて締め付け固定してなることを特徴とする外装材の取付構造。 - 取付具の連結部は、構造材側へ延在する側面部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の外装材の取付構造。
- 外装材は、一方の側縁に凹部と接続部とを設け、他方の側縁に接続受部を設け、接続部と接続受部は凹部の内部空間にて接続可能であり、隣接する外装材の接続部と接続受部を接続すると共に凹部表面を塞ぐことを特徴とする請求項2又は3に記載の外装材の取付構造。
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