JP2014227524A - 非水系顔料分散剤 - Google Patents

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渉 松田
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Abstract

【課題】初期分散性、長期保存安定性共に優れ、かつ粘度が低く、ハンドリング性や塗工性に優れた顔料分散体が得られる非水系顔料分散剤、及びこれを用いた上記特性を有する顔料分散体を提供する。【解決手段】ポリオキシアルキレン化合物と、四塩基酸およびスルホン酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種とのエステル化物からなる非水系顔料分散剤を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、非水系媒体に顔料を分散させる顔料分散剤及びこれを用いた非水系分散体組成物に関するものである。
従来より非水系印刷インクは、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷等の様々な印刷用途で広く使用されている。また、近年、大画面テレビやパソコン用モニタの分野では、従来のブラウン管に替わり、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイが主流になっている。これらフラットパネルディスプレイに用いられるカラーフィルターを製造する際のカラーレジストの塗布方法として、フォトリソグラフィ法とインクジェット法が知られているが、生産性や製造装置の小型化の観点からインクジェット法が注目されている。
これら非水系印刷インクやカラーレジストの着色剤としては、顔料及び染料が使用されているが、染料は耐候性が低いため、顔料インクが主流になりつつある。顔料を使用する場合、顔料は溶剤に溶解せず、且つそのままでは一次粒子の凝集した二次粒子の状態であるため、顔料分散体においては、顔料粒子が一次粒子あるいはそれに近い状態にまで微細化され、その状態が維持されている必要がある。
特に、インクの印刷方法やカラーレジストの塗布方法においてインクジェット法を用いる場合、微細なノズルでの目詰まり防止、及びカラー表示装置に対する可視光の高透過率化と高コントラスト化の観点から、印刷方法においてはオフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷を使用する場合、また、カラーレジストの塗布方法としてはフォトリソグラフィ法を使用する場合よりも、さらに一次粒子径の小さい顔料を用いるか、または顔料の二次粒子を、より一次粒子近くまで微細化する必要がある。
しかし、顔料粒子は一次粒子径が小さくなるほど、また一次粒子に近づくほど、単位体積あたりの表面積が大きくなることで高い表面自由エネルギーを有するようになるため、表面積を減少させてより安定な状態を得ようとして、凝集しやすくなる。その結果、顔料分散体において、顔料粒子が一次粒子又はそれに近い二次粒子にまで微細化された状態を維持できない、つまり、経時安定性が不十分となるという問題が生じる。
例えば、フラットパネルディスプレイ用の青色や緑色の表示素子として、フタロシアニン系顔料が使用されているが、フタロシアニン系顔料は分子間の水素結合により強固な二次粒子状態になっているため、顔料粒子を一次粒子又はそれに近い二次粒子にまで微細化すること(初期分散性)が困難であり、また、微細化できたとしても上記の理由から顔料分散体の経時安定性が十分でないという問題がある。
これらの問題を解決するために、例えば、トリメリット酸のモノ(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)エステルとネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンの脱水縮合させたポリエステル樹脂を用いたインクジェット記録用組成物が提案されている(特許文献1)。
しかし、上記樹脂は顔料への吸着部位の分子量制御が困難であり、顔料粒子同士にまたがって吸着することで顔料が凝集する、いわゆる橋架け凝集を起こし易いため、これを用いた組成物の初期分散性及び経時安定性はなお十分ではない。
特開平10−77432号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、顔料の非水系での分散性を従来より向上させた顔料分散剤を提供することを目的とし、より具体的には、初期分散性、長期保存安定性共に優れ、かつ粘度が低く、ハンドリング性や塗工性にも優れた顔料分散体が得られる非水系顔料分散剤、及びこれを用いた上記特性を有する顔料分散体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対し、ポリオキシアルキレン化合物と、四塩基酸およびスルホン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種とのエステル化物が、非水系顔料分散剤として優れていることを見いだし、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の非水系顔料分散剤は、上記の課題を解決するために、ポリオキシアルキレン化合物と、四塩基酸およびスルホン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種とのエステル化物を含有するものとする。
上記において、ポリオキシアルキレン化合物は、炭素数1〜4のアルキレンジオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドおよびスチレンオキサイドよりなる群から選ばれた少なくとも1種のアルキレンオキサイドを付加させたポリエーテルジオールであることが好ましい。また、上記アルキレンオキサイドは、スチレンオキサイドを含むことが好ましい。
上記ポリオキシアルキレン化合物は、水酸基価が10〜250mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。
また、四塩基酸は、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、これらの塩、及びこれらの無水物よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
また、スルホン酸は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸及びそれらのジアルキルエステル化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の非水系顔料分散体は、上記本発明の顔料分散剤を用いて顔料を非水系媒体に分散させたものとする。
本発明の非水系顔料分散剤によれば、非水系での顔料の分散性を従来より向上させることができ、初期分散性及び長期保存安定性に優れ、かつ粘度が低く、ハンドリング性や塗工性にも優れた非水系顔料分散体が得られる。
本発明の非水系顔料分散剤(以下、「顔料分散剤」又は「分散剤」と略称する場合がある)は、ポリオキシアルキレン化合物と四塩基酸とのエステル化物、およびポリオキシアルキレン化合物とスルホン酸とのエステル化物から選ばれたエステル化物を1種又は2種以上含有する。
本発明で使用できるポリオキシアルキレン化合物の例としては、炭素数1〜4のアルキレンジオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドおよびスチレンオキサイドよりなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキレンオキサイドを付加させたポリエーテルジオールが挙げられる。ここで、2種以上のアルキレンオキサイドを用いる場合は、ランダム状に重合したものでもよく、ブロック状に重合したものでもよい。これらのうち、顔料の分散性の観点から、アルキレンオキサイドがスチレンオキサイドを含有することが好ましく、スチレンオキサイドと共に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびブチレンオキサイドよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することがより好ましい。このとき、スチレンオキサイドは、アルキレンオキサイド総量中20〜100質量%であることが好ましく、40〜100質量%であることがより好ましい。
上記ポリオキシアルキレン化合物は、水酸基価が、10〜250mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、20〜120mgKOH/gの範囲内であることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、分散性がより優れたものとなる。
本発明で好適に使用できる四塩基酸の例としては、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、これらの塩、及びこれらの無水物等が挙げられ、更にそれらの誘導体、例えば、酸ハロゲナイト、低級アルコールエステル等も使用することができる。これらのうち、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、これらの塩、及びこれらの無水物が、取扱い上、特に好ましい。
また、本発明に使用するスルホン酸としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸又はそれらのジアルキルエステル化合物等が挙げられ、これらのうち、5−ナトリウムスルホイソフタル酸又はそのジアルキルエステル化合物が入手容易であることから好ましい。
上記ポリオキシアルキレン化合物と四塩基酸とを反応させるエステル化反応は、特に制限されるものではなく、従来公知のエステル化の方法を用いることができる。すなわち、窒素雰囲気下においてポリオキシアルキレン化合物と四塩基酸とを、好ましくは、2.5:1〜2:1のモル比で仕込み、加熱攪拌することによって反応生成物が得られる。反応温度は通常は80℃〜250℃で、好ましくは100〜180℃である。反応時間は、通常は2〜12時間である。
ポリオキシアルキレン化合物とスルホン酸とを反応させるエステル化反応も特に制限されるものではなく、従来公知のエステル化方法を用いることができる。すなわち、窒素雰囲気下において、好ましくは、ポリオキシアルキレン化合物とスルホン酸とを2.5:1〜2:1のモル比で仕込み、加熱攪拌することによって反応生成物が得られる。反応温度は好ましくは80〜250℃で、特に好ましくは150〜220℃である。反応時間は通常は2〜12時間である。
顔料への吸着性の観点及び粘度上昇の抑制や分散粒径の適正化の観点から、上記エステル化物は、カルボキシル基、スルホ基、又はこれらの塩の含有量が、0.05〜1.0mmol/gの範囲内であることが好ましく、0.10〜0.90mmol/gの範囲内であることがより好ましい。カルボキシル基、スルホ基、又はこれらの塩のうちの2種以上を含むときは、それらの含有量の総量が上記範囲であることが好ましい。
本発明の非水系顔料分散剤の添加量としては、顔料に対して、1〜300質量%が好ましく、10〜200質量%がより好ましい。上記範囲内とすることにより、分散性や長期安定性がより優れたものとなり、非水系顔料分散体の粘度がより低くなる。
本発明の顔料分散体組成物で使用する顔料の種類は特に限定されず、有機系顔料であっても無機系顔料であってもよい。有機系顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、アゾ系顔料等が挙げられる。また、無機系顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミニウム粉末、銅粉末、亜鉛粉末等が挙げられる。
本発明の非水系顔料分散体は、上記本発明の非水系顔料分散剤を用いて顔料を非水系媒体に分散させたもの全般を指し、インク、塗料、それ以外の用途に用いられるスラリー組成物を含み、ここで、非水系媒体とは、グリコールエーテル類や油性有機溶剤を主成分とする液体全般をいうものとする。
本発明の顔料分散体組成物で使用されるグリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類が挙げられる。
上記の中では、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が特に好ましい。
本発明の顔料分散体組成物で使用される油性有機溶剤としては、芳香族系溶剤、環状炭化水素系溶剤、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤等が挙げられる。芳香族系溶剤としては、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラリン等が挙げられ、環状炭化水素系溶剤としては、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられ、炭化水素系溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、流動パラフィン等が挙げられ、エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等が挙げられ、ケトン系溶剤としては、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等が挙げられる。その中でも、トルエン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、流動パラフィンが好ましい。
これらの非水系媒体は、1種を単独で使用することも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の非水系顔料分散剤を用いた顔料分散体には、一般にグリコールエーテル類及び油性有機溶剤中で使用される他の非水系顔料分散剤を、必要に応じてさらに配合することができる。
例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
また、本発明の顔料分散体組成物には、必要に応じて樹脂を添加することができる。使用できる樹脂としては、ライムロジン、マレイン化ロジン等の変性ロジン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン、ロジン重合体、ロジンエステル、水添ロジン等のロジン誘導体や、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂等の石油樹脂等が挙げられる。
さらに、本発明の顔料分散体組成物には、必要に応じて、可塑剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、酸化防止剤、加水分解防止剤、乾燥促進剤等の種々の添加剤を使用することができる。
本発明の非水系顔料分散剤を用いた顔料分散体組成物は、公知の方法を用いて製造することができる。非水系顔料分散剤は、油または油性有機溶剤に事前に添加しておいても、顔料と混合した後に油または油性有機溶剤を添加してもよい。これと、顔料分散体組成物に必要な配合物、例えば、その他の分散剤、樹脂、追加の溶剤、種々の添加剤等とをペイントシェーカー、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミルのような分散機により混合することにより得られる。
混合・分散処理においては、メディア式分散機を好適に用いることができる。用いるメディアの材質としては、ジルコニア、チタニア等のセラミックス、高分子材料、金属等が挙げられるが、耐摩耗性の観点からジルコニアが好ましい。また、メディアの粒径としては、0.003〜0.5mmが好ましく、0.005〜0.09mmがより好ましく、0.01〜0.08mmが更に好ましい。
得られた顔料分散体は必要に応じてろ過処理することができる。ろ過処理の方式は特に制限はなく、全量ろ過方式でもクロスフローろ過方式でもよいが、供給する分散体中の懸濁物質等が膜面に堆積するのを防止する等の観点から、クロスフローろ過方式が好ましい。用いるろ過膜の孔径としては、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)、逆浸透膜(RO膜)、ナノフィルター(NF膜)等の孔径域を使用し得る。ろ過膜の孔径は、好ましくは1〜50nm、より好ましくは2〜30nm、更に好ましくは3〜20nmである。
用いられるろ過膜としては、有機溶媒により劣化しないものであれば特に限定されない。例えば、セルロース膜、304及び316ステンレススチール膜、漂白コットン膜、ポリスルホン(PS)膜、ポリプロピレン(PP)膜、ポリエーテルサルフォン(PES)膜、ポリエチレンテレフタレート(PET)膜、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜、ポリカーボネイト(PCTE)膜、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)等の各種の材料を主原料とするろ過膜が挙げられる。これらの中でも、ポリスルホン(PS)膜、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)膜、ポリエーテルサルフォン(PES)膜、ポリエチレンテレフタレート(PET)膜、ポリフッ化ビニリデン膜及びポリカーボネイト(PCTE)膜が好ましく、ポリエーテルサルフォン(PES)膜が更に好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下に示す仕込み量等は特にことわらない限り質量基準とする。また、酸価及び水酸基価は、次の方法により測定した。
<酸価>JIS K 0070に記載の酸価の試験方法により測定した。
<水酸基価>JIS K 1557−1に記載の水酸基価の試験方法により測定した。
[ポリオキシアルキレン化合物の製造]
本発明の非水系顔料分散剤の製造に用いるポリオキシアルキレン化合物A〜Eを、下記製造例A〜Eに示した方法により製造した。
[製造例A(ポリオキシアルキレン化合物Aの製造)]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、エチレングリコール42.5質量部、水酸化カリウム1.5質量部を仕込み、反応器内を窒素置換した。続いて、120℃まで昇温し、スチレンオキサイド657.5質量部を2時間かけて滴下し、さらに125℃で4時間反応させた後、酢酸で中和することによりポリオキシアルキレン化合物A(水酸基価=109.7mgKOH/g)を得た。
[製造例B(ポリオキシアルキレン化合物Bの製造)]
ステンレス製オートクレーブに、製造例1で得られたポリオキシアルキレン化合物A509.3質量部、水酸化カリウム2.2質量部を仕込み、反応器内を窒素置換した。続いて、125℃まで昇温し、プロピレンオキサイド490.7質量部を圧力0.25MPaに保ちながら導入し、さらに125℃で3時間反応させた後、酢酸で中和することによりポリオキシアルキレン化合物B(水酸基価=56.0mgKOH/g)を得た。
[製造例C(ポリオキシアルキレン化合物Cの製造)]
スチレンオキサイドを1398質量部とした以外は製造例1と同様の操作を行い、ポリオキシアルキレン化合物C(水酸基価53.3mgKOH/g)を得た。
[製造例D(ポリオキシアルキレン化合物Dの製造)]
オキシアルキレン化合物Aに代えて、製造例3で得られたポリオキシアルキレン化合物C539.5質量部を用いた以外は製造例2と同様の操作を行い、ポリオキシアルキレン化合物D(水酸基価=28.0mgKOH/g)を得た。
[製造例E(ポリオキシアルキレン化合物Eの製造)]
プロピレンオキサイドに代えて、ブチレンオキサイド537.6質量部を用いた以外は製造例2と同様の操作を行い、ポリオキシアルキレン化合物E(水酸基価=56.1mgKOH/g)を得た。
[分散剤の製造]
上記によりポリ得られたオキシアルキレン化合物を用いて、下記製造例1〜8に示した方法により本発明の実施例に係る非水系顔料分散剤を合成した。
[製造例1]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、上記ポリオキシアルキレン化合物Aを471.0質量部、無水ピロメリット酸を49.0質量部およびテトラブチルチタネートを3.8質量部添加し、120℃にて4時間反応させることにより、非水系顔料分散剤1(酸価=48.4mgKOH/g、カルボキシル基=0.86mmol/g、)を得た。
[製造例2]
上記ポリオキシアルキレン化合物Aに代えて、ポリオキシアルキレン化合物Bを925.3質量部用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、非水系顔料分散剤2(酸価=25.8mgKOH/g、カルボキシル基=0.46mmol/g)を得た。
[製造例3]
上記ポリオキシアルキレン化合物Aに代えて、ポリオキシアルキレン化合物Dを1849質量部用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、非水系顔料分散剤3(酸価=13.2mgKOH/g、カルボキシル基=0.23mmol/g)を得た。
[製造例4]
オキシアルキレン化合物Aに代えて、オキシアルキレン化合物Eを968.0質量部用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、非水系顔料分散剤4(酸価=24.7mgKOH/g、カルボキシル基=0.44mmol/g)を得た。
[製造例5]
無水ピロメリット酸に代えて、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を66.0質量部用いた以外は製造例2と同様の操作を行い、非水系顔料分散剤5(酸価=25.4mgKOH/g、カルボキシル基=0.49mmol/g)を得た。
[製造例6]
無水ピロメリット酸に代えて、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を66.0質量部用いた以外は製造例3と同様の操作を行い、非水系顔料分散剤6(酸価=13.1mgKOH/g、カルボキシル基=0.23mmol/g)を得た。
[製造例7]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、オキシアルキレン化合物Bを656.0質量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルを44.0質量部およびテトラブチルチタネートを2.5質量部添加し、200℃で7時間反応させることにより、非水系顔料分散剤7(水酸基価=29.8mgKOH/g、スルホ基のナトリウム塩=0.21mmol/g)を得た。
[製造例8]
オキシアルキレン化合物Bに代えてオキシアルキレン化合物Dを648.3質量部用い、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルを21.7質量部用いた以外は製造例7と同様の操作を行い、非水系顔料分散剤8(水酸基価=15.8mgKOH/g、スルホ基のナトリウム塩=0.11mmol/g)を得た。
[実施例1〜8,比較例1,2]
上記製造例1〜8で得られた分散剤、及び次の比較分散剤を用いて、下記の通り非水系顔料分散剤組成物をそれぞれ調製し、分散性及び保存安定性の評価を行った。
比較分散剤1:ポリプロピレングリコール(質量平均分子量2000)
比較分散剤2:製造例Bで得られたポリオキシアルキレン化合物B
顔料分散体組成物の調製は、C.I.ピグメントレッド122(DIC株式会社製、商品名:FASTOGEN SUPER MAGENTA RH)20重量部、非水系顔料分散剤30質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート120質量部を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いてサンドミルで5時間分散することにより行った。
得られた顔料分散体組成物について、分散性の評価として粒子径を測定し、保存安定性の評価として、その粒子径及び粘度の経時変化を調べた。測定の具体的方法は以下の通りである。結果を表1に示す。
(1)粒子径
粒子径は、MICROTRAC UPA150(日機装株式会社製)を用いて平均粒子径を測定した。測定は初期(分散体の調製直後)と、顔料分散体組成物を蓋付きの容器に入れ、40℃で1ヶ月間放置後とに行った。
(2)粘度
粘度はE型粘度計を用いて、測定温度20℃、測定時間1分、回転数20rpm、標準ローター(1°34′×R24)使用の条件下で、測定を行った。測定は上記粒子径と同様、初期と40℃で1ヶ月間放置後とに行った。
Figure 2014227524
表1に示された結果から、実施例の分散体組成物は、初期分散性、長期保存安定性共に優れ、かつ粘度が低いことから、ハンドリング性や塗工性に優れていることが分かる。
本発明の顔料分散剤を用いた顔料分散体組成物は、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷等の様々な印刷用途で使用する非水系スラリーとして用いることができる。

Claims (7)

  1. ポリオキシアルキレン化合物と、四塩基酸およびスルホン酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種とのエステル化物からなる非水系顔料分散剤。
  2. 前記ポリオキシアルキレン化合物が、炭素数1〜4のアルキレンジオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドおよびスチレンオキサイドよりなる群から選ばれた少なくとも1種のアルキレンオキサイドを付加させたものであることを特徴とする、請求項1に記載の非水系顔料分散剤。
  3. 前記アルキレンオキサイドが、スチレンオキサイドを含むことを特徴とする、請求項2に記載の非水系顔料分散剤。
  4. 前記ポリオキシアルキレン化合物の水酸基価が、10〜250mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系顔料分散剤。
  5. 前記四塩基酸が、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、これらの塩、及びこれらの無水物よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系顔料分散剤。
  6. 前記スルホン酸が5−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸およびそれらのジアルキルエステル化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の顔料分散剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の顔料分散剤を用いて顔料を非水系媒体に分散させてなる顔料分散体。
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