JP2014227038A - 車両のバッテリ加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリを加熱する必要がある車両において、バッテリを配置する位置を適切に選択した車両のバッテリ加熱装置を提供すること。【解決手段】車両1のバッテリ加熱装置は、エンジン3と、バッテリ5と、エンジン3の排気ガスを排出するための排気通路31と、空気をバッテリ5に供給する供給通路51と、排気通路31内の排気ガスの熱を、直接的又は間接的に空気に供給する熱交換器7と、を有し、バッテリ5は、熱交換器7を通過した後の空気によって加熱され、熱交換器7は、エンジン3の排気ガスを浄化する触媒部39の下流に配置される。【選択図】図2

Description

本発明は、バッテリとエンジンを有する車両に関する。例えば、バッテリから供給される電力によって回転するジェネレータモータからの動力、及び、エンジンからの動力、によって駆動されるハイブリット自動車のバッテリ加熱装置に関する。
一般的に、バッテリは低温下(特に、0°C以下)では、電力を十分に放出することはできず、その能力を十分に発揮することができない。
そのため、低温下においてハイブリット自動車等はバッテリによって駆動することが十分にできない。
また、バッテリによる駆動ではなくエンジンによる駆動の場合であっても、低温下においてはバッテリの蓄電能力が低下するため、バッテリに十分な充電ができない。
そして、特許文献1及び特許文献2には、排熱(ガス)と熱媒体(液体)との間で熱交換を行い、熱媒体(液体)の閉回路循環によってバッテリを加熱させる技術が開示されている。
特許文献3には、触媒コンバータ直後の排熱を回収するとともに、その排熱を利用してバッテリを加熱する技術が開示されている。
特許文献4には、排気管をバッテリ近傍まで延長させた技術が開示されている。
特許文献5には、分岐した二本の排気管各々の外側に、それぞれバッテリを配置した技術が開示されている。
特開平7―329581号公報 特開2001―37009号公報 特開2009―24648号公報 実開昭61―10918号公報 特開平6―189413号公報
特許文献1〜特許文献5に開示された技術では、バッテリを加熱する流体について空気以外を使用している。
このように、バッテリに空気以外を使用した場合には、そのバッテリの位置などに制限が生じやすい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その課題の一例は、バッテリを加熱する必要がある車両において、バッテリを配置する位置を適切に選択した車両のバッテリ加熱装置を提供することである。
本発明の車両のバッテリ加熱装置は、エンジンと、バッテリと、前記エンジンの排気ガスを排出するための排気通路と、空気を前記バッテリに供給する供給通路と、前記排気通路内の排気ガスの熱を、直接的又は間接的に空気に供給する熱交換器と、を有し、前記バッテリは、前記熱交換器を通過した後の空気によって加熱され、前記熱交換器は、前記エンジンの排気ガスを浄化する触媒部の下流に配置される。
好適には、前記バッテリは、少なくとも運転席、助手席の下方位置に配置される。
好適には、前記バッテリは、床の下方に配置される。
好適には、前記供給通路は、前記熱交換器に連通する吸気側供給通路と、前記熱交換器をバイパスするバイパス供給通路と、を有する。
好適には、前記供給通路には、吸気側供給通路とバイパス供給通路とを切り替える又は空気の供給割合を変化させる弁が形成されている。
本発明によって、バッテリを加熱する必要がある車両において、バッテリを配置する位置を適切に選択した車両のバッテリ加熱装置を提供することが可能となる。
本発明の第1の実施形態における車両のバッテリ加熱装置の説明図である。 第1の実施形態の具体的な配置を説明する説明図である。 第2の実施形態の説明図である。 第3の実施形態の説明図である。 他のシステム例1の説明図である。 システム例2の説明図である。 システム例3の説明図である。 システム例4の説明図である。 システム例5の説明図である。 車両への第1の搭載例についての説明図である。 車両への第2の搭載例についての説明図である。 車両への第3の搭載例についての説明図である。 車両への第4の搭載例についての説明図である。 車両への第5の搭載例についての説明図である。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態における車両1のバッテリ加熱装置の説明図である。
図1のように、車両1は、第1車室2a、第2車室2b及び第3車室2cを有している。
また、図1のように、自動車等の車両1は、エンジン3と、バッテリ5、熱交換器7、ジェネレータモータ9、動力分配切替部10、トランスミッション10a、電力経路11を有している。
第1車室2a内には、エンジン3、バッテリ、動力分配切替部10等が配設されている。
また、第2車室2bは、ドライバー等が着座する空間である。
更に、第3車室2cは、トランクルームとして荷物等が搭載可能な空間である。
第2車室2bの、前方シート(ドライバー席及び助手席)のシート下空間には、バッテリ5が配設される。
エンジン3の回転軸は動力分配切替部10に接続されている。
また、ジェネレータモータ9の回転軸も動力分配切替部10に接続されている。
さらに、トランスミッション10aの回転軸も動力分配切替部10に接続されている。
そして、動力分配切替部10は、エンジン3の回転軸と、ジェネレータモータ9の回転軸と、トランスミッション10aの回転軸との動力の伝達をそれぞれ切断することが可能である。
さらに、動力分配切替部10は、エンジン3の回転軸と、ジェネレータモータ9の回転軸と、トランスミッション10aの回転軸との動力の伝達割合を任意に変更することが可能である。
この動力分配切替部10を切り替えることによって、エンジン3からの動力をトランスミッション10aに供給することも可能である。また、トランスミッション10aを介してタイヤからの動力をエンジン3に供給して、エンジンブレーキを使用することも可能である。
ジェネレータモータ9に対しても、エンジン3からの動力を供給して、又は、トランスミッション10aを介してタイヤからの動力を供給(回生)して、発電させることも可能である。
また、ジェネレータモータ9へバッテリ5からの電力を供給することによって発生した動力を、エンジン3に提供することによってエンジン3の始動を行うことも可能である。また、ジェネレータモータ9へバッテリ5からの電力を供給することによって発生した動力をトランスミッション10aへ供給することによって、ジェネレータモータ9によってタイヤを駆動させることも可能である。
さらに、エンジン3と、ジェネレータモータ9と、トランスミッション10aのうちの任意の2つを接続させるだけではなく、エンジン3と、ジェネレータモータ9と、トランスミッション10aのうちの3つすべてを接続しつつ、それぞれに分配する動力の割合を変化することも可能である。
例えば、トランスミッション10aを介して、タイヤからの動力の一部をエンジン3に供給してエンジンブレーキを使用しつつ、残りをジェネレータモータ9に供給することによって電力を発生(回生)することも可能である。
また、エンジン3によって発生した動力の一部を、トランスミッション10aを介してタイヤに動力供給しつつ、残りをジェネレータモータ9に供給することも可能である。
さらに、エンジン3の動力及びジェネレータモータ9の動力を、トランスミッション10aを介してタイヤに動力を供給することも可能である。
ジェネレータモータ9とバッテリ5とが電気的に接続されている。そして、ジェネレータモータ9が駆動されたことによって発生する電力はバッテリ5に蓄えられる。また、バッテリ5からの電力によってジェネレータモータ9を駆動することができる。
なお、バッテリ5からの電力をジェネレータモータ9に供給するか、ジェネレータモータ9からの電力をバッテリ5に供給して充電するか、の制御は図示しないECU等によって行われる。また、このECUは、バッテリ5からの電力をジェネレータモータ9に供給する際の電力量を調整することも可能である。
図2は、第1の実施形態の具体的な配置を説明する説明図である。
エンジン3からの排気ガスは排気通路31を通じて排出される。排気通路31の途中には、エンジン3側から順にそれぞれ触媒部39及び熱交換器7が配設される。
この触媒部39内部には3元触媒が配設されている。
熱交換器7において、エンジン3の排気ガスは空気等と熱交換される。
排気通路31は、エンジン3と熱交換器7を接続するエンジン側排気通路33と、熱交換器7を出た後の排気ガスを車両1外に排出する排出側排気通路35と、を有する。
図2のように、供給通路51は、吸気側供給通路53とバイパス供給通路54を有している。
吸気口53aから吸気された空気は供給ファン6によって圧送される。その後、第1供給接続部56aにおいて分岐し、一方は熱交換器7に供給され、他方はバイパス供給通路54に供給される。
熱交換器7を通過した空気は、第2供給接続部56bにおいて合流して、バッテリ5に供給される。
触媒部39の下流側に熱交換器7が接続されている。触媒部39は触媒によって熱が発生するため、熱交換器7は触媒部39よりも上流側に配置することは適切ではないからである。
また、第1供給接続部56aには、供給通路弁58が配設されている。
この供給通路弁58によって、熱交換器7に供給して加熱された空気をバッテリ5に供給するのか、それとも、熱交換器7を介さずに空気供給するのかを制御することができる。もっとも、択一的ではなく、割合を変化させることもできる。
吸気側供給通路53の大部分、熱交換器7、供給ファン6及びバイパス供給通路54は、排熱回収・交換ユニット13としてパッケージ化する。
同様に、バッテリ5についてもバッテリボックス12としてパッケージ化する。
そして、排熱回収・交換ユニット13及びバッテリボックス12もさらに、一体化したバッテリ加熱冷却ユニット14とすることも可能である。
なお、バッテリ加熱冷却ユニット14は、第2車室2bの床102(図3も参照のこと)の下に配置を想定しているが、これに限る趣旨ではない。
このようにしたことによって、整備の容易化、組み付けの容易化等が図られる。
ここで、供給通路51が吸い込む空気は、室内(第1車室2a、第2車室2b及び第3車室2c)の空気であっても車外の空気であっても良い。もっとも、ドライバーが存在する第2車室2bからの空気を吸い込むことが適切である。なお、排気通路31を通過する排気ガスは車外に排出される。
供給通路51によって吸い込まれた空気は、熱交換器7によって排気ガスからの熱を吸収して高温となる。そして、この空気がバッテリ5に供給される。そして、バッテリ5が暖められる(暖機)。
これによって以下のような効果がある。
気温の低い条件下においてバッテリ5からの電力で車両1を駆動しなければならない場合に、比較的早い時間でバッテリ5を温めることかできる。
そのことによって、低温下では十分な電力をジェネレータモータ9に供給できないバッテリ5を早期に、十分な電力を供給することが可能な状態にすることが可能となる。
また、エンジン3によって車両1が駆動される場合に余剰の駆動力をバッテリ5に蓄電する場合にも、早期に、バッテリ5の蓄電能力を回復させることができる。
また、バッテリ5を温めるのに使用されるのが、空気であり排気ガスではないためバッテリ5のショート等の問題が発生することも防ぐことができる。つまり、排気ガスには多量の水蒸気が含まれている為、この水蒸気が液化した際にバッテリ5の電気接続部部分にショートを発生させることを防ぐことができる。
また、バッテリ5に水が付着しないため、水によるバッテリ5の腐食等の劣化を防ぐことができる。
さらに、バッテリ5を温める方法として、電流を流して、熱を発生させる等の方法もあるが、この方法では、バッテリ5の劣化を促進してしまう。それに対して、本実施形態では、バッテリ5をこのような方法によって温めることはしないため、バッテリ5の劣化を促進することも防ぐことができる。
なお、バッテリ5が十分に温まった後は排気通路弁4を閉塞し、熱交換器7への熱の供給を停止し、それ以上、バッテリ5の加熱がなされないようにする。
その上で、バッテリ5の温度がさらに所定の温度を超えて上昇する場合には、供給ファン6を稼働して、室内(第1車室2a、第2車室2b及び第3車室2c)、又は、車外の空気をバッテリ5に供給してバッテリ5を冷やす。
さらになお、低温下以外の場合には、当初から排気通路弁4を閉塞したままで、供給ファン6を稼働して、室内(第1車室2a、第2車室2b及び第3車室2c)、又は、車外の空気をバッテリ5に供給してバッテリ5を冷やす。
特に、高温下(夏など)において、第2車室2bの空気をバッテリ5に供給する場合には、車両1が運転されているときは第2車室2bの空気は空気調和機によって比較的低い温度に維持されている。この低い温度の空気をバッテリ5に供給することが可能となっている。
吸気側供給通路が吸気する空気は、前述のように室内(第1車室2a、第2車室2b及び第3車室2c)の空気、又は、車外の空気である。これは、このうちいずれか1つのみを製造段階で決定して、他の部分からは吸気しないようにすることもできる。
また、車両1の走行時の必要に応じて、第1車室2a、第2車室2b及び第3車室2cの空気、並びに、車外の空気のいずれかを選択できるように構成しても良い。このように、選択できるようにした方が、より適切に、バッテリ5へ提供する空気の温度を制御できるため適切である。
特に、バッテリ5を冷却する際には、車外の温度が高い場合が多く、室内(第2車室2b)の空気を用いた方が適切である場合が多い。
また、バッテリ5を加熱する際であっても、この場合には車外は低温の場合が多く、室内(第1車室2a、第2車室2b)からの空気を用いて、バッテリ5を加熱する方が、バッテリ5をより急速に温めることが可能である。
また、バッテリ5を加熱した後の空気は、室内(第1車室2a、第2車室2b及び第3車室2c)、又は、車外に排出される。排出の場所は、製造時に1つの空間を選択することも可能である。車両1の走行時の必要に応じて、室内(第1車室2a、第2車室2b及び第3車室2c)、又は、車外のいずれか1つを切り替えるようにしても良い。
最も適切な実施形態では、バッテリ5を通過した後の空気は第3車室2cに排出されるのが適切である。なぜなら、第2車室2bからの空気を利用してバッテリ5を冷却している場合には、バッテリ5を冷却した後の空気であっても、車外の空気よりも低い温度(低い湿度)であることが多いからである。また、バッテリ5を加熱した後の空気の排出場所を第2車室2bではなく第3車室2cとしたのは、後部座席の同乗者側にバッテリ5を冷却した後の空気を提供することは、適切ではないからである。
空気の吸気と排出する空間についての最適な例は、第2車室2bの空気を吸気し、第3車室2cへ空気を排出することが適切である。
バッテリ5を加熱する際には、比較的早く温まる第2車室2bの空気を用いてバッテリ5を温めることができるからである。さらに、バッテリ5を温めることによって温度が低下したとはいえ排気ガスによって温められた空気は車外の空気よりは暖かく、車内を暖めるのに役に立つからである。
また、バッテリ5を冷却する際には、温度の低い第2車室2bの空気を用いてバッテリ5を冷却することができるからである。さらに、バッテリ5を冷却した後であっても、第2車室2bからの空気は車外の空気よりは温度が低いことが通常であるからである。
[具体的な制御の一例]
なお、第1の実施形態及び後述する他の実施形態のいずれであっても、以下の制御を行うことができる。
供給ファン6及び供給通路弁58は、吸気側供給通路53が吸気する空気の温度、排気ガスの温度、バッテリ5の温度、に基づいて制御することができる。これによって、より、バッテリ5の加熱(冷却)をより適切に制御することができる。
供給ファン6及び供給通路弁58は、バッテリ5の記憶された残容量に応じて、バッテリ5への加熱量を制御することができる。具体的には、バッテリ5の残容量が少ない場合には定格に近い出力をバッテリ5が出力できるように、バッテリ5を急速に加熱する。逆に、バッテリ5の残容量が十分な場合には定格に近い出力をバッテリ5が出力しなくても足りるので、バッテリ5の加熱はゆっくりでよい。なお、残容量は車両1が駆動し始めてから測定しても良いし、駐車前の残容量から推測しても良い。
また、残容量が少ない場合には、車両1はジェネレータモータ9による走行を優先して、バッテリ5から放電される際の熱発生によってバッテリ5を温め、残容量が十分な場合には、車両1はエンジン3による走行を優先してしてもよい。
また、バッテリ5の加熱を行わなければならない場合に、より排気ガスの温度を高めた方がバッテリの加熱には適切である。
そのため、エンジン3をリッチ状態で運転し、その後リーン状態とすることによって、触媒部39によって熱反応を起こさせて、排気ガスの温度を上昇させる制御を行ってもよい。
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態の説明図である。なお、第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図3のように、バッテリ5(バッテリボックス12)、供給ファン6、第2熱交換器7b、吸気側供給通路53を一体化した一体化ユニット15を有している。
また、熱伝達物質を介して空気を加熱している(図8も参照のこと)。
熱伝達物質は、熱伝達通路8によって、第1熱交換器7aと第2熱交換器7bとの間を、循環している。
一体化ユニット15は、フロントシート101の下方、床102の下位置に収容される。
第1熱交換器7aは、触媒部39の下流側に位置している。
空気は吸気側供給通路53に配設された供給ファン6により圧送されて、第2熱交換器7bを通過して加熱されて、バッテリ5に供給される。
なお、バッテリ5を加熱する必要が無い場合には、熱伝達通路8の循環を停止して、供給ファン6を駆動することによって、バッテリ5を冷却することも可能である。
また、バッテリ5を加熱した後の空気は、第3車室2cに排出される。
このように、フロントシート101の下方位置にバッテリ5(一体化ユニット15)を配置したことから、車両1に存在していたデットスペースであるフロントシート101下を有効に活用することができる。
また、触媒部39の直後に第1熱交換器7aを配置することも容易に可能になる。そうすると、触媒部39から排出された直後の比較的温度の高い排気ガスを第1熱交換器7aにおける熱交換に利用することができ、バッテリ5を加熱するには好適である。
また、供給ファン6を逆回転すると、暖かくなった空気を第2車室2bに供給することができる。その結果、第2車室2bを暖房することができる。
<第3の実施形態>
図4は、第3の実施形態の説明図である。なお、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図4の第3の実施形態は、ほぼ第2の実施形態と同じである。
もっとも、供給ファン6によって圧送された空気は、供給通路弁58によって切替られる。
供給通路弁58は、空気を、第2熱交換器7bを通過した後にバッテリ5に供給するか、空気をバイパス供給通路54によって直接バッテリに供給するか、切替可能である。また、完全に一方に切り替えるのみならず、その割合を制御することも可能である。
このように、供給通路弁58及びバイパス供給通路54を有することから、バッテリ5に供給する空気の温度を適切に制御することが可能となる。
以上の第1の実施形態〜第3の実施形態は、他に以下のようなシステムであってよい。
<他のシステム例1>
図5は、他のシステム例1の説明図である。
図5のように、他のシステム例1では、エンジン側排気通路33には、排気通路31を通過する排気ガスの量(=熱交換器7へ供給される排気ガスの量)を調整する排気通路弁4が配置されている。
また、熱交換器7を出た後の空気をバッテリ5に供給する中間供給通路55に、供給通路51内を通過する空気を圧送する供給ファン6が配置されている。
この排気通路弁4及び供給ファン6によって、バッテリ5を温める熱量が制御される。
<システム例2>
図6はシステム例2の説明図である。なお、システム例2と同様の部分については説明を省略する。
システム例1においては、供給ファン6及び排気通路弁4においてバッテリ5へ供給される空気の温度をある程度調整することが可能であったが、この2つの部材のみでは、熱の制御が困難となり、バッテリ5が過加熱になる可能性がある。
そこで、システム例2では、バイパス供給通路54を設け、中間供給通路55に接続部56において接続している。
ここで、このシステム例2においては、中間供給通路55は、熱交換器7から接続部56までの第1中間供給通路55aと、接続部56からバッテリ5までの第2中間供給通路55bを有する。
そして、第1中間供給通路55aに流量を調節する供給通路弁58が配置される。
バイパス供給通路54は、室内(第1車室2a、第2車室2b及び第3車室2c)及び(又は)車外の空気を取り入れて、熱交換器7を通過した後の中間供給通路55の接続部56にこの空気を供給することができる。
これによって、熱交換器7において不必要に加熱された空気の温度を下げることが可能となる。
また、供給通路弁58を完全に閉塞することによって熱交換器7を通過しない空気のみを直接、バッテリ5に供給することができる。
これによって、よりバッテリ5へ供給される空気の温度を適切に制御することが可能となる。なお、このような熱交換器7を通過しない空気のみを直接、バッテリ5に供給する制御は、バッテリ5を冷却する必要がある場合に行われる。
さらに、バッテリ5を加熱する際にも、熱交換器7を通過して高温となった空気の量が適切になるように供給通路弁58の開度を調整して、バッテリ5の加熱する量を調節(無段階に調節)することができる。
さらに、バイパス供給通路54を有することから、システム例1のように熱交換器7を吸気側供給通路53に配置することから生ずる圧力損失を低減することができる。そして、それによって、供給ファン6の駆動力も低減することができる。
<システム例3>
図7は、システム例3の説明図である。なお、システム例1及びシステム例2と同様の部分については説明を省略する。
このシステム例3においては、吸気側供給通路53とバイパス供給通路54とは、同一の吸気口53aから取り込んだ空気を、第1供給接続部56aにおいて分岐させている。
そして、吸気側供給通路53とバイパス供給通路54は、第2供給接続部56bにおいて合流している。
また、供給通路弁58は、熱交換器7よりも上流に位置している。
このように構成したことから、システム例1のように熱交換器7を吸気側供給通路53に配置することから生ずる圧力損失を低減することができる。
<システム例4>
図8はシステム例4の説明図である。なお、システム例1〜システム例3と同様の部分については説明を省略する。
このシステム例4においては、排気通路31側に熱交換器7をバイパスするバイパス排気通路36を有している。
このバイパス排気通路36は、第1排気接続部37aにおいてエンジン側排気通路33と接続しており、第2排気接続部37bにおいて排出側排気通路35と接続している。
このように、排気通路31にバイパスが形成されていることから、熱交換器7に入力される排気の量を任意に調節することが可能となる。
なお、排気通路弁4は、エンジン側排気通路33ではなく、第1排気接続部37aに設け、かつ、切替弁によって構成しても良い。このような変形は、他の実施形態及びシステム例でも同様に可能である。
<システム例5>
図9はシステム例5の説明図である。なお、システム例1〜システム例4と同様の部分については説明を省略する。
システム例5においては、排気通路31に第1熱交換器7aが配設され、供給通路51に第2熱交換器7bが配設されている。
熱伝達物質は熱伝達通路8を通過し、第1熱交換器7a及び第2熱交換器7bと接続されている。
そして、この第1熱交換器7aにおいて熱伝達物質は排気ガスと熱交換する。
また、この第2熱交換器7bにおいて熱伝達物質は空気と熱交換する。
つまり、システム例1からシステム例4では、排気ガスと空気とは直接熱交換を行っていたが、このシステム例5においては、熱伝達物質を介して熱交換を行っている。なお、第2の実施形態及び第3の実施形態についても同じである。
ここで、熱伝達物質は必要に応じて任意に選択してよい。例えば水(不凍液であるエチレングリコールを含んだ水)等の液体、二酸化炭素等の気体等であっても良い。
とくに、熱伝達物質は、EGRクーラ、排気管も取り付けられる熱交換、エアーコンディショナ等に使用される水、(二酸化炭素)等などを利用できる。
つまり、このようにした場合には、排気ガスと空気との間の熱の伝達を仲介する熱伝達物質をさまざまに選択することが可能となる。
また、直接に排気ガスと空気が熱交換を行わないため、排気ガスが空気に侵入するような事態を確実に防ぐことができる。
<車両1(自動車)への第1の搭載例について>
図10は、車両1への第1の搭載例についての説明図である。
図10における、バッテリ5を加熱するシステムは、実際の車両1(自動車)に搭載された場合には、概念的に図10のようになる。
なお、図10における、バッテリ5を加熱するシステムは、図8で表したものと同じである。
このように、触媒部39の下流側、かつ、近傍に熱交換器7を配設する。
それによって、触媒部39から排出された直後の比較的温度の高い排気ガスを第1熱交換器7aにおける熱交換に利用することができ、バッテリ5を加熱することが可能になる。
また、図10のように、ハイブリット自動車においては、バッテリ5は車両1の中心から幅方向に配置されることが多いため、熱交換器7はバッテリ5よりも車両1の前方方向に配置することが好適である。
<車両1(自動車)への第2の搭載例及び第3の搭載例について>
図11は、車両1への第2の搭載例についての説明図である。
図12は、車両1への第3の搭載例についての説明図である。
4輪駆動の車両1においては、車両1の幅方向の中心付近を前から後に後輪駆動用のプロペラシャフトが配置される。
その為、図11の第2の搭載例においては、バッテリ5を第1バッテリ5aと第2バッテリ5bに分割して配置している。
さらに、図12の第3の搭載例のように、バッテリ5のならず、熱交換器7、供給通路51、排気通路31をそれぞれ分割しても良い
<車両1(自動車)への第4の搭載例について>
図13は、車両1への第4の搭載例についての説明図である。
図11及び図12のように、車両1の幅方向の中心付近を前から後にプロペラシャフトが配置されていない場合には、図13のように、バイパス排気通路36を単に設けることも可能である。
<車両1(自動車)への第5の搭載例について>
図14は、車両1への第5の搭載例についての説明図である。
図14のように、エンジン3と熱交換器7をユニット化している。
このように、エンジン3と熱交換器7をユニット化したことによって、組み付けの容易性が増す。
さらに、エンジン3と熱交換器7をユニット化したことによって、エンジン3が排出する高温の排気ガスをすぐに熱交換器7に導入することが可能となる。
加えて、エンジン3と熱交換器7をユニット化したことによって、ユニット化した部分の防振を行うことができる。その結果、エンジン3等によって生じた振動を車体に伝達することを防ぐことができる。
さらに、供給通路51に、振動吸収機構16(ベローズ)を配置した場合でも、供給通路を通過する空気の温度を低くすることができる。それによって、振動吸収機構16について高価な金属によって形成する代わりに、樹脂等の安価な材料によって形成することができる。
また、本発明は以上の実施形態、システム例及び搭載例に限定されるものではなく、様々な変化した構造、構成、制御を行っていても良い。
<実施形態、システム例及び搭載例の構成及び効果>
本発明の実施形態における車両1のバッテリ加熱装置は、エンジン3と、バッテリ5と、エンジン3の排気ガスを排出するための排気通路31と、空気をバッテリ5に供給する供給通路51と、排気通路31内の排気ガスの熱を、直接的又は間接的に空気に供給する熱交換器7と、を有し、バッテリ5は、熱交換器7を通過した後の空気によって加熱され、熱交換器7は、エンジン3の排気ガスを浄化する触媒部39の下流に配置される。
このような構成を有することから、高い温度の排気ガスを熱交換器7に供給することが可能となる。そして、これによって、バッテリ5の加熱をより高速に行うことが可能となる。
バッテリ5は、少なくとも運転席、助手席の下方位置に配置される。
このような構成を有することから、車両1の使用していない空間を有効活用することが可能となる。さらに、触媒部39とバッテリ5とを近接させることが可能となり、各通路を第2車室2b内に長距離配設する必要がなくなる。
バッテリ5は、床102の下方に配置される。
このような構成を有することから、ドライバー等が存在する空間である第2車室2bの空間をバッテリ5が占めることがないという利点がある。
また、万一バッテリ5に故障等があった場合にも、容易に交換が可能となるという利点がある。
供給通路51は、熱交換器7に連通する吸気側供給通路53と、熱交換器7をバイパスするバイパス供給通路54と、を有する。
このような構成を有することから、より細かくバッテリ5へ供給する熱量を制御することが可能となる。
供給通路51には、吸気側供給通路53とバイパス供給通路54とを切り替える又は空気の供給割合を変化させる供給通路弁58弁が形成されている。
このような構成を有することから、より細かくバッテリ5へ供給する熱量を制御することが可能となる。
1 車両
3 エンジン
4 排気通路弁
5 バッテリ
6 供給ファン
7 熱交換器
7a 第1熱交換器
7b 第2熱交換器
8 熱伝達通路
9 ジェネレータモータ
31 排気通路
33 エンジン側排気通路
35 排出側排気通路
36 バイパス排気通路
39 触媒部
51 供給通路
53 吸気側供給通路
54 バイパス供給通路
55a 第1中間供給通路
55b 第2中間供給通路
57 排出側供給通路
58 供給通路弁

Claims (5)

  1. エンジンと、
    バッテリと、
    前記エンジンの排気ガスを排出するための排気通路と、
    空気を前記バッテリに供給する供給通路と、
    前記排気通路内の排気ガスの熱を、直接的又は間接的に空気に供給する熱交換器と、を有し、
    前記バッテリは、前記熱交換器を通過した後の空気によって加熱され、
    前記熱交換器は、前記エンジンの排気ガスを浄化する触媒部の下流に配置される
    車両のバッテリ加熱装置。
  2. 前記バッテリは、少なくとも運転席、助手席の下方位置に配置される
    請求項1に記載の車両のバッテリ加熱装置。
  3. 前記バッテリは、床の下方に配置される
    請求項2に記載の車両のバッテリ加熱装置。
  4. 前記供給通路は、
    前記熱交換器に連通する吸気側供給通路と、
    前記熱交換器をバイパスするバイパス供給通路と、を有する
    請求項3に記載の車両のバッテリ加熱装置。
  5. 前記供給通路には、吸気側供給通路とバイパス供給通路とを切り替える又は空気の供給割合を変化させる弁が形成されている
    請求項4に記載の車両のバッテリ加熱装置。
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