JP2014224214A - 水性顔料型インクジェット用インク組成物 - Google Patents

水性顔料型インクジェット用インク組成物 Download PDF

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廣幸 小西
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員揮 森安
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Abstract

【課題】ポリ塩化ビニルなどの非吸収性の被記録媒体に印字しても、良好な印字性能が得られる水性顔料型インクジェット用インク組成物の提供。【解決手段】少なくとも、顔料、水不溶性樹脂及び水性媒体を含有し、水性媒体は一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類及び2−ピロリドンを5〜45質量%含有し、含有比(β−アルコキシプロピオンアミド類/2−ピロリドン)が、質量比で1/4〜4/1であり、水不溶性樹脂は、ガラス転移温度50〜120℃のアクリル系エマルションであり、含有量が、顔料に対して固形分で150〜400質量%である水性顔料型インクジェット用インク組成物。(一般式(1)中、R1は炭素数3〜10のアルキル基、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のエーテル結合を有してもよい炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、更に互いに結合して環構造を形成してもよい。)【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ塩化ビニル等の非吸収性の被記録媒体への印刷に適した水性顔料型インクジェット用インク組成物に関する。
従来、インクジェット印刷は主に紙等の吸収性の被記録媒体への印刷に用いられていたが、近年、家庭用途からオフィス用途、商業印刷用途、産業用途など様々な分野における印刷に、インクジェット印刷を利用することが広まりつつある。
産業用途において、被記録媒体となる物品の材質は金属、セラミック、ガラス、プラスチック等で無機、有機を問わず極めて多彩であり、例えば、屋外広告等の媒体として使用されているポリ塩化ビニル等の非吸収性の被記録媒体に、上記インクジェット印刷によって良好な印刷をすることが求められるようになってきている。したがって、これらの被記録体に記録印字するインクジェット用インクには、さまざまな材質に対して良好な性能が要求されており、最近の用途拡大に伴い、従来にはなかった幅広い材質に対して種々の性能が必要となっている。
一般的に、上記非吸収性の被記録媒体への印刷には、着色剤として染料よりも耐光性、耐候性に優れた顔料、バインダー樹脂、及び有機溶剤を含む非水性のインクジェット用インクが使用されてきた。
しかしながら、最近環境問題等の点から非水性のインクジェット用インクから水性インクジェット用インクの利用が求められているが、従来、水性インクジェット用インクは主に紙等の吸収性の被記録媒体への印刷に用いられており、一般的な水性インクジェット用インクを非吸収性の被記録媒体へ印刷した際に乾燥性が不十分であるという問題点があった。
そこで、上記の性能を付与するための技術として、顔料、水、水以上の沸点を有する有機溶剤、及び、バインダー樹脂を含む水性顔料型インクジェット用インク組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この水性顔料型インクジェット用インク組成物を非吸収性の被記録媒体に印字して得られた印字物は塗膜耐性が劣るという問題を有していた。
したがって、乾燥性、塗膜耐性両方の性能を兼ね備えた水性顔料型インクジェット用インク組成物を得ることは困難であるというのが現状である。
特開2010−168433号公報
本発明の課題は、良好なインク性能(吐出安定性、保存安定性)を維持し、ポリ塩化ビニルなどの非吸収性の被記録媒体に印字しても、良好な印字性能(乾燥性、塗膜耐性)が得られる水性顔料型インクジェット用インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の水性媒体を含有する水性顔料型インクジェット用インク組成物を利用することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも、顔料、水不溶性樹脂及び水性媒体を含有する水性顔料型インクジェット用インク組成物であって、上記水性媒体は、下記一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類及び2−ピロリドンを5〜45質量%含有し、上記β−アルコキシプロピオンアミド類と上記2−ピロリドンとの含有比(β−アルコキシプロピオンアミド類/2−ピロリドン)が質量比で1/4〜4/1であり、上記水不溶性樹脂はガラス転移温度50〜120℃のアクリル系エマルションであり、上記水不溶性樹脂の含有量が、上記顔料100質量%に対して固形分で150〜400質量%であることを特徴とする水性顔料型インクジェット用インク組成物に関する。
Figure 2014224214
(一般式(1)中、Rは炭素数3〜10のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のエーテル結合を有してもよい炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、更に互いに結合して環構造を形成してもよい。)
また、本発明は、上記β−アルコキシプロピオンアミド類は、β−メトキシプロピオンアミドであることが好ましい。
さらに、本発明は、顔料分散剤として、質量平均分子量5000〜8万のアニオン性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して得られる高分子樹脂分散剤を含有することが好ましい。
ここで、本明細書におけるガラス転移温度は、以下の方法により求めることができる。
<ガラス転移温度Tg>
ガラス転移温度Tgは、下記のWoodの式により求めた理論ガラス転移温度である。
Woodの式:1/Tg=W/Tg+W/Tg+W/Tg+・・・・・・・・・+W/Tg
(式中、Tg〜Tgは共重合体を構成する重合性単量体1、2、3・・・xのそれぞれの単独重合体のガラス転移温度、W〜Wは単量体1、2、3・・・xのそれぞれの質量分率、Tgは理論ガラス転移温度を表す。ただし、Woodの式におけるガラス転移温度は絶対温度である)。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
まず、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物について説明する。
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、顔料を含有する。
上記顔料としては、一般にインクジェット記録液で使用される各種の無機顔料や有機顔料を挙げることができる。具体的には、上記無機顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミニウムイエロー、コバルトブルー、群青、紺青、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料(白色、黒色等の無彩色の着色顔料も含める)、及び、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料を挙げることができる。上記有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記顔料としては、特に、鮮明な色相の表現を可能とする点から、具体的には、C.I.Pigment Red 5、7、12、57:1、122、146、202、282等の赤色系顔料;C.I.Pigment Blue 1、2、15:3、15:4、16、17、60等の青色系顔料;C.I.Pigment Violet 19、C.I.Pigment Yellow 12、13、14、17、74、83、93、128、139、151、154、155、180、185、213等の黄色系顔料、C.I.Black 7(カーボンブラック)等が好ましい。
なお、本発明においては、顔料として、顔料粒子の表面に極性官能基を化学反応で導入した自己分散顔料、顔料をポリマー粒子で被覆したマイクロカプセル型顔料粒子も使用可能である。なお、上記自己分散顔料、マイクロカプセル型顔料粒子以外の顔料を使用する場合は、後述する顔料分散剤を使用して顔料を分散させるとよい。
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物中の上記顔料の含有量は、0.5〜30質量%であることが好ましい。0.5質量%未満であると、印刷物の印画濃度が不充分となることがあり、30質量%を超えると、インクジェット印刷時の吐出安定性が劣ることがある。上記顔料の含有量のより好ましい下限は2質量%、より好ましい上限は10質量%である。
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、水不溶性樹脂を含有する。
上記水不溶性樹脂としては、カルボキシル基含有単量体とそれ以外の他の単量体とを公知の方法にて乳化重合して得られたアクリル系エマルションを挙げることができる。上記アクリル系エマルションを用いることで、塗膜耐性向上等の効果を好適に付与することができる。
上記カルボキシル基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノヘキシル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノ−2−エチルヘキシル、マレイン酸モノラウリル等の炭素数8〜13の脂肪族炭化水素基を有するマレイン酸モノエステル化合物、マレイン酸モノミリスチル、マレイン酸モノセチル、マレイン酸モノステアリル、マレイン酸モノオレイル、マレイン酸モノエイコシル等の炭素数14〜20の脂肪族炭化水素基を有するマレイン酸モノエステル化合物、クロトン酸とそのエステル化合物、イタコン酸とそのエステル化合物等を挙げることができる。
上記他のラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸エイコシル等の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、オレフィン系化合物等、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレンスチレン等のスチレン系単量体、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等の(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体、メタクリル酸フェニル、アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸フェニル系単量体を挙げることができる。
上記水不溶性樹脂のガラス転移温度は、50〜120℃である。50℃未満であると、得られる印字物の塗膜耐性が低下し、120℃を超えると、水性顔料型インクジェット用インク組成物の保存安定性、吐出安定性が低下してしまう。上記水不溶性樹脂のガラス転移温度の好ましい下限は75℃、好ましい上限は105℃である。
上記水不溶性樹脂の含有量は、顔料100質量%に対して固形分で150〜400質量%である。150質量%未満であると、得られる印字物の塗膜耐性が低下し、400質量%を超えると、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物の保存安定性、吐出安定性が低下する。上記水不溶性樹脂の含有量の好ましい下限は200質量%であり、好ましい上限は300質量%である。
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、水性媒体を含有する。
上記水性媒体としては、水、主溶剤、必要に応じて補助溶剤から構成される水性媒体を挙げることができる。
上記水としては、イオン交換水ないし蒸留水が好ましい。
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物において、上記主溶剤としては、下記一般式(1)で示されるβ−アルコキシプロピオンアミド類及び2−ピロリドンが用いられる。その中でも、上記β−アルコキシプロピオンアミド類は、β−メトキシプロピオンアミドであることが好ましい。
Figure 2014224214
(一般式(1)中、Rは炭素数3〜10のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のエーテル結合を有してもよい炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、更に互いに結合して環構造を形成してもよい。)
上記主溶剤は、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物中に5〜45質量%含有する。
上記主溶剤が5質量%未満であると、得られる印字物の乾燥性、レベリング性、塗膜耐性が低下してしまう。一方、上記主溶剤が45質量%を超えると、水性顔料型インクジェット用インク組成物の保存安定性及び得られる印字物の塗膜耐性が低下してしまう。上記主溶剤の含有量の好ましい下限は7質量%、好ましい上限は30質量%である。
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物において、上記主溶剤として用いられる上記β−アルコキシプロピオンアミド類と上記2−ピロリドンとの含有比(β−アルコキシプロピオンアミド類/2−ピロリドン)は、質量比で1/4〜4/1である。
上記質量比が1/4未満であると、塗膜耐性不足となる。一方、上記質量比が4/1を超えると、乾燥性不足となる。
上記質量比は、1.5/3〜3.5/1.5であることが好ましい。
また、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、上記水性媒体として、水溶性補助溶剤を含有することが好ましい。
上記水溶性補助溶剤としては、例えば、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、ケトン類、エーテル類、エステル類、窒素含有化合物類等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を併用してもよい。
上記アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、またはこれらの異性体、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜6のアルコールである。
上記多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、18−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール等が挙げられる。
上記多価アルコールの低級アルキルエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等が挙げられる。
上記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
上記エステル類としては、例えば、エチルアセテート、プロピレンカルボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エステル、酪酸エステル、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、及びε−カプロラクトン等の環状エステル等が挙げられる。
また、窒素含有化合物類としては、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、更に、顔料分散剤を含有していてもよい。
上記顔料分散剤は、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物において、上記自己分散顔料、マイクロカプセル型顔料粒子以外の顔料を使用する場合に併用すると好ましい。
上記顔料分散剤としては、質量平均分子量5000〜8万のアニオン性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して得られる高分子樹脂分散剤等を挙げることができる。
上記アニオン性水溶性樹脂としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(開環してカルボキシル基を与える酸無水物基含有不飽和単量体を含む)の1種又は2種以上と、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキルメタクリレート、及び、アクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート等のアルキルメタクリレート等から選択されるラジカル重合性不飽和単量体の1種あるいは2種以上を、質量平均分子量が5000〜8万となるように反応させて得られた共重合体が好ましい。上記アニオン性水溶性樹脂の質量平均分子量が5000未満の場合は、顔料分散安定性が低下することがあり、一方、8万を超えると、水性媒体中への高分子樹脂分散剤の溶解性が低下することがある。
上記高分子樹脂分散剤の質量平均分子量は、1万〜4万であることがより好ましい。
上記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン等の有機塩基性化合物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記高分子樹脂分散剤は、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物中の含有量は、上記顔料100質量部に対して10〜50質量部であることが好ましい。上記高分子樹脂分散剤の上記含有量が10質量部未満の場合は、水性媒体への顔料分散性が低下するおそれがある。一方、50質量部を超える場合は、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物の粘度が高くなるため好ましくない。
さらに、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、目的に応じて公知の界面活性剤、防黴剤、防錆剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保存性向上剤、消泡剤、PH調整剤等の添加剤を含有していてもよい。
以上の成分を用いて本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物を製造する方法としては、まず、上記顔料、上記水不溶性樹脂、上記水性媒体、必要に応じて上記顔料分散剤、及び添加剤を混合した後、各種分散機、例えば、ボールミル、アトライター、ロールミル、サンドミル、アジテーターミル等を利用して顔料を分散し、さらに残りの材料を添加する方法が挙げられる。
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、良好なインク性能(吐出安定性、保存安定性)を維持し、ポリ塩化ビニルなどの非吸収性の被記録媒体に印字しても、良好な印字性能(乾燥性、塗膜耐性)が得られる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味するものとする。
<水性媒体>
<主溶剤>
ジエチレングリコール
グリセリン
2−ピロリドン
β−アルコキシプロピオンアミド類(エクアミドM−100、化合物名:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、出光興産社製)
<水溶性補助溶剤>
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
ジエチレングリコールモノブチルエーテル
<高分子樹脂分散剤1>
ガラス転移温度40℃、重量平均分子量1万、酸価150mgKOH/gの、アクリル酸/n−ブチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体25部を水酸化ナトリウム3.2部と水71.8部との混合溶液に溶解させて固形分25%の高分子樹脂分散剤1を得た。
<高分子樹脂分散剤2>
ガラス転移温度40℃、重量平均分子量3万、酸価150mgKOH/gの、アクリル酸/n−ブチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体25部を水酸化ナトリウム3.2部と水71.8部との混合溶液に溶解させて固形分25%の高分子樹脂分散剤2を得た。
<水不溶性樹脂>
アクリル系エマルションA:Tg100℃、固形分40%
アクリル系エマルションB:Tg 80℃、固形分47%
アクリル系エマルションC:Tg 40℃、固形分47%
<界面活性剤>
シリコン系A(BYK−347、BYK Chemie社製)
アセチレンジオール系B(サーフィノール104、エアープロダクツジャパン社製)
<水性顔料型インクジェット用インクベース1の調製>
上記高分子樹脂分散剤1の19質量部(固形分で4.75質量部)に水69質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。この顔料分散用樹脂ワニスに、更にカーボンブラック(MA−100、三菱化学社製)の12質量部を加え、攪拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性顔料型インクジェット用インクベース1を調製した。
<水性顔料型インクジェット用インクベース2の調製>
上記高分子樹脂分散剤2の19質量部(固形分で4.75質量部)に水69質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。この顔料分散用樹脂ワニスに、更にカーボンブラック(MA−100、三菱化学社製)の12質量部を加え、攪拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性顔料型インクジェット用インクベース2を調製した。
<実施例1〜12、比較例1〜9の水性顔料型インクジェット用インク組成物>
表1及び表2の質量割合となるように、上記水性顔料型インクジェット用インクベース1〜2、上記アクリル系エマルションA〜C、主溶剤、水溶性補助溶剤、界面活性剤を攪拌混合して、実施例1〜12、比較例1〜9の水性顔料型インクジェット用インク組成物を得た。
Figure 2014224214
Figure 2014224214
<実施例1〜12、比較例1〜9の水性顔料型インクジェット用インク組成物の印字>
ポリ塩化ビニルシート「METAMARK」に、SPECTRA社製ヘッドを搭載した評価用インクジェットプリンターを用いて上記実施例1〜12、比較例1〜9の水性顔料型インクジェット用インク組成物を印字した。
<性能評価>
以下の評価方法により評価し、それらの結果を表3及び表4に示す。
(吐出安定性)
実施例1〜12、比較例1〜9の水性顔料型インクジェット用インク組成物を、SPECTRA社製ヘッドを搭載した評価用インクジェットプリンターのカートリッジに詰めて、METAMARKに印字を行い、吐出安定性の評価を行った。
○:印字の乱れがほとんどなく、安定して吐出できるもの
△:多少の印字の乱れがあるものの、吐出はできるもの
×:吐出できないもの
(保存安定性)
実施例1〜12、比較例1〜9の水性顔料型インクジェット用インク組成物について、それぞれガラス瓶にとり、25℃の粘度を、粘度計(東機産業社製、RE100L型)を用いて測定した。その後、密栓し60℃、1ヵ月保存し、保存後の粘度(25℃)を粘度計により測定した。保存安定性は、粘度変化率(60℃、1ヵ月後の粘度−保存前の粘度/保存前の粘度)で評価した。
○:粘度変化率が10%未満のもの
△:粘度変化率が10%以上、20%未満のもの
×:粘度変化率が20%以上のもの
(乾燥性)
実施例1〜12、比較例1〜9の水性顔料型インクジェット用インク組成物をMETAMARKにベタ印字した各印刷物を、60℃に加熱したホットプレート上に置き、乾燥までの時間を評価した。
○:5分で乾燥するもの
△:10分で乾燥するもの
×:10分以上でも乾燥しないもの
(レベリング性)
実施例1〜12、比較例1〜9の水性顔料型インクジェット用インク組成物をMETAMARKにベタ印字した各印刷物のレベリング性を目視にて評価した。
○:ほぼ均一な塗膜を形成できるもの
△:多少のはじきが見られ、塗膜が不均一になるもの
×:はじきが見られ、均一な塗膜が形成できないもの
(塗膜耐性)
実施例1〜12、比較例1〜9の水性顔料型インクジェット用インク組成物をMETAMARKにベタ印字した各印刷物に対し、50%エタノール水溶液を浸み込ませた綿棒で擦ったときの塗膜の状態を目視にて評価した。
○:塗膜がほとんど剥がれないもの
△:塗膜が少し剥がれるもの
×:塗膜が全て剥がれるもの
Figure 2014224214
Figure 2014224214
実施例1〜12に係る水性顔料型インクジェット用インク組成物は、吐出安定性、保存安定性、乾燥性、レベリング性及び塗膜耐性のすべてに優れていた。
一方、比較例1〜9係る水性顔料型インクジェット用インク組成物では、吐出安定性、保存安定性、乾燥性、レベリング性及び塗膜耐性の全てを満足するものはなかった。
本発明によれば、良好なインク性能(吐出安定性、保存安定性)を維持し、ポリ塩化ビニルなどの非吸収性の被記録媒体に印字しても、良好な印字性能(乾燥性、塗膜耐性)が得られる水性顔料型インクジェット用インク組成物を提供できる。

Claims (3)

  1. 少なくとも、顔料、水不溶性樹脂及び水性媒体を含有する水性顔料型インクジェット用インク組成物であって、
    前記水性媒体は、下記一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類及び2−ピロリドンを5〜45質量%含有し、
    前記β−アルコキシプロピオンアミド類と前記2−ピロリドンとの含有比(β−アルコキシプロピオンアミド類/2−ピロリドン)が、質量比で1/4〜4/1であり、
    前記水不溶性樹脂は、ガラス転移温度50〜120℃のアクリル系エマルションであり、
    前記水不溶性樹脂の含有量が、前記顔料100質量%に対して固形分で150〜400質量%である
    ことを特徴とする水性顔料型インクジェット用インク組成物。
    Figure 2014224214
    (一般式(1)中、Rは炭素数3〜10のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のエーテル結合を有してもよい炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、更に互いに結合して環構造を形成してもよい。)
  2. β−アルコキシプロピオンアミド類は、β−メトキシプロピオンアミドであることを特徴とする請求項1記載の水性顔料型インクジェット用インク組成物。
  3. さらに、顔料分散剤として、質量平均分子量5000〜8万のアニオン性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して得られる高分子樹脂分散剤を含有する請求項1又は2記載の水性顔料型インクジェット用インク組成物。
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