JP6596176B1 - 水性インクジェット用インク組成物、インク層、および印刷物 - Google Patents
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Description
本発明の低分子化合物は、アミノカルボン酸化合物およびその塩、ならびにホスホン酸化合物およびその塩からなる群より選ばれる1種以上である。なお、前記低分子化合物は、所謂、高分子化合物を含まないことを意味するものであり、とくに分子量が限定されるものではないが、例えば、当該分子量の上限値として、1,500以下、1,000以下が例示できる。前記低分子化合物は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の白色顔料は、インク組成物に使用される公知の白色顔料が特に制限なく使用できる。前記白色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫化亜鉛などの金属白色顔料が挙げられ、前記金属白色顔料は、その表面がアルミナ、シリカなどの種々の材料で表面処理されていてもよい。また、前記白色顔料は、その表面に極性官能基などが導入された自己分散白色顔料、その表面がポリマー粒子で被覆された被覆型顔料であってもよい。前記白色顔料は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、通常のインクや塗料の顔料分散用やバインダーとして利用できるアルカリ可溶性樹脂であって、塩基性化合物の存在下で水性媒体中に溶解できるものであれば特に制限はないが、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基(−P(=O)(OH2))などのアニオン性基の1種または2種以上を含有する樹脂が好ましい。
Woodの式:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+W3/Tg3+・・・・・+Wx/Tgx
[式中、Tg1〜Tgxはアルカリ可溶性樹脂を構成する単量体1、2、3・・・xのそれぞれの単独重合体のガラス転移温度、W1〜Wxは単量体1、2、3・・・xのそれぞれの重合分率、Tgは理論ガラス転移温度を表す。ただし、woodの式におけるガラス転移温度は絶対温度である。]
本発明の塩基性化合物は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基性化合物;アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、モノエタノールアミン、N、N−ジメチルエタノールアミン、N、N−ジエチルエタノールアミン、N、N−ジブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどの有機塩基性化合物などが挙げられる。前記塩基性化合物は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の水溶性溶剤は、水性インクジェット用インク組成物に使用される公知の水溶性溶剤が特に制限なく使用でき、例えば、モノアルコール類、多価アルコール類、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、窒素含有化合物類、ケトン類、エーテル類、エステル類などが挙げられる。前記水溶性溶剤は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の水としては、例えば、イオン交換水、純水、蒸留水、工業用水などが挙げられる。前記水は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の水性インクジェット用インク組成物には、インク組成物の表面張力を調整できる観点から、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ベタイン界面活性剤などの界面活性剤を使用することができる。また、前記界面活性剤の具体例としては、例えば、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤などが挙げられる。前記界面活性剤は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の水性インクジェット用インク組成物を調製(製造)する方法としては、特に限定されず、上記の成分を順番に、あるいは同時に添加して、混合すればよいが、例えば、(1)前記塩基性化合物の存在下にアルカリ可溶性樹脂を水に溶解した水性樹脂ワニス、白色顔料、必要に応じて顔料分散剤などを混合した後、各種分散機、例えばボールミル、アトライター、ロールミル、サンドミル、アジテーターミルなどを利用して顔料分散液(インクベース)を調製し、さらに残りの材料を添加して、水性インクジェット用インク組成物を調製する方法や、(2)上記の方法で白色顔料を分散した後、酸析法や再公表特許WO2005/116147号公報に記載のイオン交換手段などにより、顔料表面にアルカリ可溶性樹脂を析出させた樹脂被覆白色顔料を得、次いで得られた樹脂被覆白色顔料を塩基性化合物で中和し、各種分散機(高速攪拌装置など)を用いて水に再分散し、さらに残りの材料を添加して、水性インクジェット用インク組成物を調製する方法などが挙げられる。
本発明のインク層は、前記水性インクジェット用インク組成物から形成される乾燥皮膜である。具体的には、前記水性インクジェット用インク組成物を、基材にインクジェット印刷機を用いて塗工(印刷)して得られるインク層(印刷皮膜)である。前記印刷機による印刷条件は、従来公知の条件が適宜採用できるが、例えば、前記水性インクジェット用インク組成物をインクカートリッジに収容し、該インクカートリッジをシングルパス方式等のインクジェット記録装置に装着して、ノズルから基材へ噴射することによりインクジェット印刷をする方法が挙げられる。
本発明の印刷物は、上記のようなインクジェット印刷方法によって得られ、前記インク層が基材上に設けられている。
<顔料分散液(インクベース)の製造>
アルカリ可溶性樹脂(アクリル酸/n−ブチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体)、重量平均分子量30,000、酸価185mgKOH/g、ガラス転移温度40℃)20質量部を、水酸化カリウム2.5質量部と水77.5質量部との混合溶液に溶解させて、アルカリ可溶性樹脂の固形分が25質量%の水性樹脂ワニスを得た。次に、上記水性樹脂ワニス40質量部に水20質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。この顔料分散用樹脂ワニスに、更に白色顔料として酸化チタン(商品名「R−960」、デュポン社製)40質量部を加え、攪拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、顔料分散液(インクベース)を製造した。
表1の質量割合になるように、前記顔料分散液(インクベース)、水溶性溶剤としてプロピレングリコール、低分子化合物としてニトリロ三酢酸三ナトリウム、界面活性剤としてアセチレン系界面活性剤(商品名「サーフィノール465」(固形分100%、HLB13、EVONIK社製)、および水を攪拌混合し、実施例1の水性インクジェット組成物を製造した。
<水性インクジェット用インク組成物の製造>
各実施例および各比較例において、使用する原料およびその量を、表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2〜10、および比較例1〜4の水性インクジェット用インク組成物を製造した。
以下の方法により評価し、それらの結果を表1に示す。
上記で製造した水性インクジェット用インク組成物をそれぞれガラス瓶にとり、25℃の粘度(mPa・s)を、粘度計(東機産業社製、「RE100L型」)を用いて測定した。その後、密栓し60℃、1ヵ月保存し、保存後の粘度(25℃)を粘度計により測定した。保存安定性は、粘度変化率(60℃、(1ヵ月後の粘度−保存前の粘度)/保存前の粘度)で評価した。
[保存安定性の評価基準]
○:粘度変化率が5%未満のもの
△:粘度変化率が5%以上、10%未満のもの
×:粘度変化率が10%以上のもの
上記で製造した水性インクジェット用インク組成物をインクジェットプリンター(「PX105」、エプソン社製)のカートリッジに詰めて、写真用紙(「GL−101A450」、キャノン社製)に印字を行い、吐出安定性の評価を行った。
[吐出安定性の評価基準]
○:印字の乱れがほとんどなく、安定して吐出できるもの
△:多少の印字の乱れがあるものの、吐出はできるもの
×:印字の乱れがあり、安定して吐出できないもの
耐沈降性の評価は、上記で製造した水性インクジェット用インク組成物を500mL作製し、1L(直径8cm×高さ18.5cm)の円柱型ポリ容器に入れて室温で1ヵ月間静置した。1ヵ月後に容器を反転させ、沈降物の量を目視で評価した。また、再分散性の評価は、その後、ディスパーを使用して400rpmの回転数で5分間の条件でインク組成物を撹拌し、沈降物が再分散しているかどうかを目視で観察した。
[耐沈降性の評価基準]
○:底から0〜0.5cmの量の沈降物が発生している
△:底から0.5〜1cmの量の沈降物が発生している
×:底から1cm以上の量の沈降物が発生している
[再分散性の評価基準]
○:再分散する
△:大部分は再分散するが、沈降物がやや残る
×:沈降物に変化なし
白色顔料は、酸化チタン(商品名「R−960」、デュポン社製);
アルカリ可溶性樹脂は、アクリル酸/n−ブチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体)、(重量平均分子量30,000、酸価185mgKOH/g、ガラス転移温度40℃);
塩基性化合物は、水酸化カリウム;
水溶性溶剤は、プロピレングリコール;
TX−172は、ポリカルボン酸塩(日本触媒社製);
PM−303Bは、ポリカルボン酸塩(日本触媒社製);
界面活性剤は、アセチレン系界面活性剤(商品名「サーフィノール465」(固形分100%、HLB13、EVONIK社製);を示す。
Claims (4)
- 白色顔料、アルカリ可溶性樹脂、塩基性化合物、水溶性溶剤、および水を含有する水性インクジェット用インク組成物であって、
アミノカルボン酸化合物およびその塩、ならびにホスホン酸化合物およびその塩からなる群より選ばれる1種以上の低分子化合物を含有し、
前記アルカリ可溶性樹脂は、酸価が50mgKOH/g以上であり、
前記インク組成物中、前記低分子化合物の割合が0.1質量%以上1.5質量%以下であることを特徴とする水性インクジェット用インク組成物。 - 前記白色顔料100質量部に対して、前記低分子化合物が0.1質量部以上15質量部以下であることを特徴とする請求項1または2記載の水性インクジェット用インク組成物。
- 請求項1または2記載の水性インクジェット用インク組成物から形成されることを特徴とするインク層。
- 請求項3記載のインク層が基材上に設けられていることを特徴とする印刷物。
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