JP2014218727A - 絶縁性に優れた熱膨張係数の小さい太陽電池基板用ステンレス鋼材 - Google Patents

絶縁性に優れた熱膨張係数の小さい太陽電池基板用ステンレス鋼材 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、コーティングやメッキによらず太陽電池の変換効率を高位に持続する絶縁性表面を形成することが可能であって、熱膨張係数の小さい太陽電池基板に好適なステンレス鋼材を提供する。【解決手段】質量%にて、Cr:9〜25%、C:0.03%以下、Mn:2%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、N:0.03%以下、Al:0.005〜5.0%、Si:0.05〜4.0%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、Al:0.5%以上、及び/又は、Si:0.4%以上を含み、下記(1)式を満たす組成である絶縁性に優れた熱膨張係数の小さい太陽電池基板用ステンレス鋼材とする。Cr+10Si+Mn+Al>24.5 ・・・(1)但し、(1)式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。【選択図】なし

Description

本発明は、コーティングによらず表面に優れた絶縁性酸化皮膜を形成できる熱膨張係数の小さい太陽電池基板用ステンレス鋼材に関する。
電気絶縁性材料はIC基板、センサー基板、太陽電池基板等に使用され、電気・情報産業には欠かせない素材である。従来、絶縁性材料には、熱膨張係数の小さいセラミックスやガラスに加えて、安価で耐熱性に優れるステンレス鋼の適用も検討されている。
たとえば特許文献1,2には、平滑なステンレス鋼板の表面にアルミナや酸化シリコンあるいは窒化シリコン膜をコーティングした絶縁性材料が開示されている。素材には、汎用のフェライト系ステンレス鋼SUS430(17Cr鋼)が使用されている。
さらに、特許文献3には、成膜性が良好なステンレス表面として、表面粗さパラメータのRzとRskの両者を規定した材料が開示されている。素材には、NbとCuを添加したSUS430J1L(18Cr−0.4Cu−0.4Nb)と汎用のオーステナイト系ステンレス鋼SUS304(18Cr−8Ni)が使用されている。
近年、太陽光発電は、化石燃料に替わる主要なエネルギーの一つに発展しつつあり、太陽電池の技術開発が加速している。中でも、CIS系太陽電池は、低コストと高効率を両立した太陽電池として、将来の普及が期待されている。CIS系太陽電池は、基板上にMo層からなる電極層を形成し、その上に光吸収層としてカルコパイライト型化合物層を形成してなるものである。カルコパイライト型化合物とは、Cu(InGa)(SeS)に代表される5元系合金である。
古くから、太陽電池基板には、絶縁体で熱膨張係数の小さいガラスが広く使用されてきた。しかしながら、ガラスは脆くて重いため、ガラス表面に光吸収層を形成した太陽電池基板を大量生産することは容易でない。そこで、近年、軽量化と大量生産を指向するうえで、耐熱性と強度・延性バランスに優れるステンレス鋼を用いた太陽電池基板の開発も進められている。
たとえば特許文献4には、0.2mm以下のステンレス箔に対して、アルミナ被膜からなる絶縁被膜を形成し、その上にMo層からなる電極を形成し、その上に光吸収層としてCu(In1−xGa)Seの被膜を形成する太陽電池基板材の製造方法が開示されている。ステンレス箔の素材には、SUS430、SUS444(18Cr−2Mo)、SUS447J1(30Cr−2Mo)が用いられている。
また、特許文献5及び6には、Cu被覆層を有するCu被覆鋼板において、Cu被覆層上にMo被膜を形成し、その上にCu(InGa)(SeS)型化合物層を形成したCIS太陽電池用電極基板が開示されている。特許文献5及び6には、Cu被覆鋼板の基材として、C:0.0001〜0.15%、Si:0.001〜1.2%、Mn:0.001〜1.2%、P:0.001〜0.04%、S:0.0005〜0.03%、Ni:0〜0.6%、Cr:11.5〜32.0%、Mo:0〜2.5%、Cu:0〜1.0%、Nb:0〜1.0%、Ti:0〜1.0%、Al:0〜0.2%、N:0〜0.025%、B:0〜0.01%、V:0〜0.5%、W:0〜0.3%、Ca、Mg、Y、REM(希土類元素)の合計:0〜0.1%、残部Feおよび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼を使用することが開示されている。但し、実施例で使用されるフェライト系ステンレス鋼はSUS430に限定されている。
特許文献7には、耐熱性の良い絶縁皮膜を形成したステンレス鋼材およびその製造方法について開示されている。特許文献7では、基材となるステンレス鋼として、C:0.0001〜0.15%、Si:0.001〜1.2%、Mn:0.001〜2.0%、P:0.001〜0.05%、S:0.0005〜0.03%、Ni:0〜2.0%,Cu:0〜1.0%、Cr:11.0〜32.0%、Mo:0〜3.0%、Al:1.0〜6.0%、Nb:0〜1.0%、Ti:0〜1.0%、N:0〜0.025%、B:0〜0.01%,V:0〜0.5%、W:0〜0.3%、Ca、Mg、Y、REM(希土類元素)の合計:0〜0.1%、残部Feおよび不可避的不純物からなるものを用い、その基材表面上に、Al酸化物層を介して、厚さ1.0μm以上のNiOとNiFeの混合層を形成している。実施例で使用されている鋼は、Si:0.4%未満のAl含有フェライト系ステンレス鋼である。また、特許文献7には、鋼のSi含有量は0.5%以下に管理しても良いことが記述されている。また、NiO等の混合層とAl酸化物層は、電気メッキによりNiめっき層を形成した後、大気中の熱処理により鋼とNiめっき層との界面にAl酸化物層を形成させかつNiめっき層を酸化物層へ変質させることにより生成している。
一方、特許文献8及び9には、塗料のコーティングによらずにステンレス鋼表面に絶縁性を付与する製造方法が開示されている。特許文献8には、2%以上のAl含有フェライト系ステンレス鋼板を850℃以上に加熱して酸化アルミニウム層を形成する方法が記載されている。但し、実施例ではCやNの不純物を含むSUS430にAl添加した鋼への60分の熱処理に限定されている。また、特許文献9には、1000℃で1時間以上の酸化処理を施し、全表面が等軸晶および/または柱状晶からなるα−Alで被覆されたステンレス鋼が示されている。但し、実施例で使用されるステンレス鋼は20Cr−5Alに限定されている。
特開平6−299347号公報 特開平6−306611号公報 特開2011−204723号公報 特開2012−169479号公報 特開2012−59854号公報 特開2012−59855号公報 特開2012−214886号公報 特開昭63−155681号公報 特開2002−60924号公報
上述した通り、軽量化と大量生産を指向して太陽電池を普及するうえで、ステンレス鋼の基板への適用は有効である。将来、主要な太陽光発電としてCIS系太陽電池の普及を拡大していくには、コーティング等の煩雑な表面処理を省略したコストダウンが重要な課題である。
前記した課題の解決には、基板に使用するステンレス鋼の絶縁性が関与する。
すなわち、上記課題に対しては、コーティングやメッキによらず太陽電池の変換効率を損なわない絶縁性表面を達成することが望まれる。この点に関しては、特許文献1〜7で開示されている通り、これまで、コーティングやメッキによるステンレス鋼の適用技術が主流である。さらに、コーティングによらない絶縁性を付与する技術については、現状、特許文献8に開示されているSUS430にAl添加したステンレス鋼への850℃以上60分の熱処理または、特許文献9に開示されている20Cr−5Alのステンレス鋼に対して、1000℃以上,1時間以上の熱処理を施す方法に限定されている。
そこで本発明の目的は、コーティングやメッキによらず太陽電池の変換効率を高位に持続する絶縁性表面を形成することが可能であり、太陽電池基板に好適なステンレス鋼材およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記した課題を解決するために、熱処理によってフェライト系ステンレス鋼の表面に形成される酸化皮膜の絶縁性に対する合金元素(Cr、Si、Al等)の作用効果に着眼して鋭意実験と検討を重ね、本発明を完成させた。以下に本発明で得られた知見について説明する。
(a)Alは、熱処理を行うことにより、ステンレス鋼表面にアルミナ(Al)皮膜を形成して絶縁性を付与する有効な元素である。アルミナ被膜からなる絶縁性表面を形成するには、素材として、SUH21(18Cr−3Al)や20Cr−5Alに代表される3〜6%Al含有フェライト系ステンレス鋼の適用が考えられる。しかしながら、これら高Al含有フェライト系ステンレス鋼の熱膨張係数は、CIS系太陽電池の電極層及び光吸収層を成膜する際の温度上昇時において必ずしも小さいものでなく、成膜性と電池の耐久性には課題がある。特に、Al含有量が2.0%以上であるステンレス鋼では、熱膨張係数が顕著に大きいものとなる。また、不純物の多いSUS430へのAl添加は、熱膨張係数を含む材質面の課題に加えて、アルミナ皮膜を形成する熱処理条件(850℃、1時間以上)にも制約がある。
本発明者は、過度なAl添加によらず、Si添加とCr量を調整したステンレス鋼とすることにより、熱膨張係数が小さく、太陽電池の耐久性向上に好適な表面絶縁性を有する酸化皮膜を熱処理により形成できるものになるという顕著な効果が得られることを見出した。このような熱膨張係数の小さいSi添加Al含有フェライト系ステンレス鋼の表面に、熱処理により形成される酸化皮膜の絶縁性の向上作用については、未だ不明なところも多いものの、以下に述べるような検討結果に基づいて、その作用機構を推察している。
(b)Crに加えてSiは、フェライト系ステンレス鋼の熱膨張係数低下に効果的な元素である。特に、Alを2.0%以上含有するステンレス鋼に、Siを0.3%以上含有させることで、Alを含有させることによる熱膨張係数の上昇を効果的に抑制できる。また、Siは、熱膨張係数の低下に加えて、絶縁性酸化皮膜の形成に対しても有効に作用する。Si添加したステンレス鋼では、熱処理することによりSiO連続皮膜が表面に形成される。このSiO連続皮膜は、絶縁性を付与するに至らないまでも、半導体であるCrの電気抵抗を著しく上昇させるとともに、絶縁性のあるAl皮膜の形成を促進する作用を持つ。このようなSiによる酸化皮膜の改質効果は、Siを0.4%以上含有させることにより発現することを見出した。
(c)上記のSi添加Al含有フェライト系ステンレス鋼を熱処理することにより表面に形成された酸化皮膜の詳細な表面分析から、太陽電池の基板に好適な絶縁性は、(i)Alを50%以上含む、または(i)と(ii)SiOとの合計を50%以上含む酸化皮膜により、付与できるという新たな知見を見出した。また、上記の酸化皮膜が(i)、または(i)と(ii)に加えて、さらに(iii)Al含有スピネル酸化物(MgAl)を含む場合、より優れた絶縁性が得られるという新たな知見を見出した。なお、従来は、(i)の厚みや健全性(γ、θ→α化)の性状を最適化するためにメッキや長時間の熱処理が施されている。これに対して上記の酸化皮膜において(iii)を皮膜中に内在する場合、(i)の性状によらず表面の絶縁性を高める顕著な効果を発現する。
(d)上述した(i)を含む酸化皮膜、または(i)と(ii)および/または(iii)とを含む酸化皮膜の形成を促進する効果を得るには、Cr、Si、Mn、Alの各元素の含有量を限定するとともに、Cr+10Si+Mn+Al>24.5(但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。)を満たす合金組成に調整することが有効であることを見出した。Mnは、ステンレス鋼の熱処理時におけるFeの酸化を抑制してAlを含む酸化物およびSiを含む酸化物を含有する絶縁性酸化皮膜の形成を促進する。
Cr、Si、Mn、Alの主構成元素に加えて、微量のMgはAl系スピネル酸化物の生成を促進して絶縁性を高める作用を持つ。更に、SnならびにZrを複合添加した場合に(i)〜(iii)の形成は促進される。また、上記合金組成の調整は、酸化皮膜の形成に加えて、Al含有フェライト系ステンレス鋼の熱膨張係数の上昇抑制にも効果的であることを知見した。
(e)前記した酸化皮膜による表面絶縁性の向上効果を高めるには、C、N、P、Sの低減により鋼の高純度化を図り、更に、安定化元素としてNbやTiを添加することが効果的である。
(f)(c)で述べた酸化皮膜を形成するには、公知の焼鈍と酸洗や研磨で得られた上記合金組成を有するステンレス鋼材を、さらに水蒸気及び酸素を含む雰囲気中において300〜1000℃で熱処理することが好ましい。
上記(a)〜(f)の知見に基づいて成された本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)質量%にて、Cr:9〜25%、C:0.03%以下、Mn:2%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、N:0.03%以下、Al:0.005〜5.0%、Si:0.05〜4.0%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、Al:0.5%以上、及び/又は、Si:0.4%以上を含み、下記(1)式を満たす組成であることを特徴とする絶縁性に優れた熱膨張係数の小さい太陽電池基板用ステンレス鋼材。
Cr+10Si+Mn+Al>24.5 ・・・(1)
但し、(1)式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。
(2)質量%にて、Al:2.0%以上及びSi:0.3%以上を含むことを特徴とする(1)に記載の絶縁性に優れた熱膨張係数の小さい太陽電池基板用ステンレス鋼材。
(3)質量%にて、更にSn:1%以下、Zr:0.5%以下、Mg:0.005%以下、Ni:1%以下、Cu:1%以下、Co:0.5%以下、Mo:2%以下、V:0.5%以下、B:0.005%以下、Ca:0.005%以下、La:0.1%以下,Y:0.1%以下,Hf:0.1%以下,REM:0.1%以下、Nb:1%以下、Ti:1%以下の1種または2種以上を含有していることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の絶縁性に優れた熱膨張係数の小さい太陽電池基板用ステンレス鋼材。
本発明によれば、Al:0.5%以上、及び/又は、Si:0.4%以上を含み、上記(1)式を満たす所定の組成を有しているので、コーティングやメッキによらず太陽電池の変換効率を高位に持続する絶縁性表面を形成することが可能であり、太陽電池基板に好適なステンレス鋼材を得ることができる。
また、上記のステンレス鋼材が、Al:2.0%以上及びSi:0.3%以上を含む場合、熱処理時にAlとSiとによる絶縁性酸化皮膜の形成を促進させる相乗効果が得られるとともに、SiによってAlを含有させることによる熱膨張係数の上昇が効果的に抑制される。その結果、熱処理によって、より絶縁性に優れた酸化皮膜が得られるものであって、しかも熱膨張係数が小さい太陽電池基板に好適なステンレス鋼材が得られる。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
本発明のステンレス鋼材は、太陽電池基板に用いられるものであって、以下に示す組成を有しているため、熱処理を行うことにより、上記(i)を含む酸化皮膜、または(i)と(ii)および/または(iii)とを含む酸化皮膜が表面に形成されるものとなっている。
(I)成分の限定理由を以下に説明する。
Crは、本発明のフェライト系ステンレス鋼において主構成元素である。Crは、SiおよびAlとともに添加することにより、上記(i)を含む酸化皮膜、または(i)と(ii)および/または(iii)とを含む絶縁性酸化皮膜の形成を促進し、熱膨張係数を低下させる必須の元素である。上記効果を得るために、Cr含有量の下限は9%とし、10%以上とすることが好ましく、11%以上とすることがより好ましい。Cr含有量の上限は、SiおよびAlの添加による鋼の靭性や加工性の低下を抑制する観点から25%とし、好ましくは20%以下、より好ましくは18%以下とする。
Cは、耐食性に加えて上記絶縁性酸化皮膜の形成を阻害する。このため、Cの含有量は少ないほど良く、上限を0.03%とし、0.02%以下とすることが好ましい。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、C含有量の下限は0.001%とすることが好ましく、0.002%以上とすることが好ましい。
Mnは、ステンレス鋼の熱処理時にFeの酸化を抑制して、上記絶縁性酸化皮膜の形成を促進する。上記絶縁性酸化皮膜の形成を促進する効果を得るために、Mn含有量を0.06%以上とすることが好ましく、0.3%以上とすることがより好ましく、0.4%以上とすることがさらに好ましい。一方、過度なMnの添加は耐食性や耐酸化性の低下ならびに熱膨張係数の上昇を招くことから、上限を2%とし、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.0%以下とする。
Pは、製造性や溶接性を阻害する元素であるため、その含有量は少ないほど良い。製造性や溶接性の低下を抑制するためP含有量の上限を0.05%とし、0.04%以下とすることが好ましい。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、P含有量の下限を0.005%とすることが好ましく、より好ましくは、0.01%以上とする。
Sは、上記絶縁性酸化皮膜の生成を阻害するため、その含有量は少ないほど良い。そのため、S含有量の上限は0.01%とし、0.002%以下とすることが好ましい。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、S含有量の下限を0.0001%とすることが好ましく、より好ましくは、0.0002%以上とする。
Nは、Cと同様に上記絶縁性酸化皮膜の形成を阻害するため、その含有量は少ないほど良い。このため、N含有量の上限を0.03%とし、0.015%以下とすることが好ましい。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、N含有量の下限を0.001%とすることが好ましく、より好ましくは、0.005%以上とする。
Siは、脱酸元素としての作用を得るために、0.05%以上含有され、0.10以上含有させることが好ましい。
一方、過度なSi添加は鋼の靭性と加工性の低下を招く。このため、Si含有量の上限は4.0%とし、3.5%以下とすることが好ましく、2.0%以下とすることがより好ましい。
Alは、Siと同様に脱酸元素としての作用を得るために、0.005%以上含有され、0.010%以上含有させることが好ましい。
一方、過度なAl添加は、鋼の熱膨張係数を上昇させて熱処理により得られる酸化皮膜の耐久性を阻害する。このため、Al含有量の上限は5.0%であり、3.5%以下とすることが好ましく、2.5%以下とすることがより好ましい。Al含有量が5.0%を超えると、熱膨張係数が大きいために太陽電池基板として実用できない。
SiおよびAlは、上記絶縁性酸化皮膜の形成を促進し、熱処理によって得られる酸化皮膜の絶縁性を向上させる元素である。このため、本発明のステンレス鋼材は、0.4%以上のSi及び/または0.5%以上のAlを含有している。Si:0.4%以上と、Al:0.5%以上のいずれか一方の条件を満たすステンレス鋼材とすることで、熱処理により、太陽電池基板として使用可能な絶縁性を有する酸化皮膜が得られるものとなる。また、0.4%以上のSi及び0.5%以上のAlを含有するステンレス鋼材とすることで、熱処理時に、AlやAl含有スピネル酸化物の生成を極めて効果的に促進できる。
Siは0.4%以上含有させることで、上記の絶縁性酸化皮膜の形成を促進する作用が得られるとともに、ステンレス鋼材の熱膨張係数を低下させる作用が得られる。Si含有量は、上記絶縁性酸化皮膜の形成を促進する作用を得るためには、0.5%以上とすることが好ましく、1.0%以上とすることがより好ましい。
Alは、0.5%以上含有させることで、上記の絶縁性酸化皮膜の形成を促進する作用が得られる。Al含有量は、絶縁性酸化皮膜の形成を促進する作用を得るためには、1.0%以上とすることが好ましく、1.5%以上とすることがより好ましい。
上記、Cr、Mn、Si、Alの含有量に加えて、本発明では目的とする低熱膨張係数を維持しつつ、熱処理を行うことによる上記絶縁性酸化皮膜の形成を促進するために、Cr+10Si+Al+Mn>24.5(但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。)とする。Crを主構成元素とするフェライト系ステンレス鋼において、絶縁性酸化皮膜の形成と熱膨張係数の低下にはSi添加が有効に機能し、SiとAlの複合添加が好適である。更に、Mn添加も熱膨張係数を上昇させずに、これら酸化皮膜の形成を助長する。絶縁性酸化皮膜の形成を促進する点から、Cr+10Si+Al+Mnは27以上であることが好ましい。上限は、特に規定するものではないが、SiおよびAl添加による鋼の製造性への影響を考慮して40とすることが好ましく、35以下であることがより好ましい。
また、本発明のステンレス鋼材は、Al:2.0%以上及びSi:0.3%以上を含むものであってもよい。
Alを2.0%以上含有する場合、熱処理によって得られる酸化皮膜の絶縁性が、より一層向上する。しかし、Alの含有量を増加させるほど、熱膨張係数が大きくなる。このため、Alを2.0%以上含有させる場合、Si含有量を0.3%以上とすることが好ましい。Siを0.3%以上含有させることで、Alを2.0%以上含有させることによる熱膨張係数の上昇を抑制できる。Alを2.0%以上含有させる場合のSi含有量は、熱膨張係数の上昇を効果的に抑制するために、0.4%以上とすることがより好ましい。熱膨張係数が十分に小さいステンレス鋼材は、太陽電池基板として用いた場合に、基板とMo電極およびCIS光吸収層との密着性が高いものとなり、優れた耐久性が得られる。
また、Alを2.0%以上含有させるとともに、Siを0.3%以上含有させることにより、AlとSiとによる絶縁性酸化皮膜の形成を促進させる相乗効果が得られる。その結果、熱処理によって、より一層絶縁性に優れた酸化皮膜が得られるステンレス鋼材となる。
なお、Alの含有量が2.0%未満である場合には、Si含有量が0.3%未満であっても、熱膨張係数の十分に小さいステンレス鋼材となる。また、Alの含有量が5.0%を超える場合、Siを含有させることにより熱膨張係数の上昇を抑制しても、熱膨張係数が十分に低いステンレス鋼材は得られない。
また、本発明のステンレス鋼材は、更に必要に応じて、Sn:1%以下、Zr:0.5%以下、Mg:0.005%以下、Ni:1%以下、Cu:1%以下、Co:0.5%以下、Mo:2%以下、V:0.5%以下、B:0.005%以下、Ca:0.005%以下、La:0.1%以下,Y:0.1%以下,Hf:0.1%以下,REM:0.1%以下、Nb:1%以下、Ti:1%以下の1種または2種以上を含有しているものであってもよい。
Snは、本発明のフェライト系ステンレス鋼において、Feの酸化を抑制してSiおよび/またはAlが濃化した絶縁性酸化皮膜の形成を促進するため、必要に応じて添加する。Snを添加する場合は、その効果が発現する0.01%以上とすることが好ましく、0.05%以上とすることが好ましく、0.1%以上とすることがより好ましい。但し、過度な添加は、鋼の製造性低下や合金コストの上昇を招くため、Sn含有量の上限を1%とし、好ましくは0.5%以下とし、さらに好ましくは0.3%以下とする。
Zrは、SiおよびAlとの相乗効果により絶縁性酸化皮膜の形成を促進するため、必要に応じて添加する。Zrを添加する場合は、その効果が発現する0.005%以上とすることが好ましく、0.01%以上とすることが好ましく、0.05%以上とすることがより好ましい。但し、過度な添加は、鋼の製造性低下や合金コストの上昇を招くため、Zr含有量の上限を0.5%とし、好ましくは0.3%以下とし、さらに好ましくは0.15%以下とする。
Mgは、熱間加工性や凝固組織微細化に有効な元素であることに加えて、熱処理を行うことによりAl系スピネル酸化物(MgAl4)の形成を促進する作用を持つ。Mgを添加する場合は、これら効果を発現する0.0001%以上とすることが好ましく、0.0003%以上とすることがより好ましい。しかし、過度の添加は、製造性を阻害するため、Mg含有量の上限を0.005%とし、好ましくは0.0015%以下とする。
Ni、Cu、Co、Mo、Vは、SiやAlとの相乗効果により、上記絶縁性酸化皮膜の形成を促進したり耐食性を高めたりするのに有効な元素であり、必要に応じて添加する。Ni、Cu、Moは、添加する場合、それぞれその効果が発現する0.1%以上とすることが好ましい。V、Coは、添加する場合、それぞれその効果が発現する0.01%以上とすることが好ましい。但し、過度な添加は合金コストの上昇や熱膨張係数の上昇に繋がるため、Ni、Cuの上限は1%とし、V、Coの上限は0.5%とする。Moは熱膨張係数の低下に有効な元素でもあることから、上限は2%とする。いずれの元素もより好ましい含有量の下限は0.1%であり、上限は0.5%である。
B、Caは、熱間加工性や2次加工性を向上させる元素であり、フェライト系ステンレス鋼への添加は有効である。Bおよび/またはCaを添加する場合は、B、Caそれぞれの含有量の下限をこれらが効果を発現する0.0003%以上とすることが好ましく、0.0005%以上とすることがより好ましい。しかし、Bおよび/またはCaの過度の添加は、伸びの低下をもたらすため、B、Caそれぞれの含有量の上限を0.005%とし、好ましくは0.0015%以下とする。
La、Y、Hf、REMは、熱間加工性や鋼の清浄度を向上させ、熱処理により得られる酸化皮膜の密着性向上に有効な元素であり、必要に応じて添加しても良い。La、Y、Hf、REMを添加する場合は、それぞれその効果が発現する0.001%以上とすることが好ましい。しかし、過度の添加は、合金コストの上昇と製造性の低下に繋がるため、La、Y、Hf、REMの含有量の上限をそれぞれ0.1%とし、より好ましくは、0.05%以下とする。ここで、REMは原子番号57〜71に帰属する元素であり、例えば、Ce、Pr、Nd等である。
Nbは、C,Nを固定する安定化元素の作用による鋼の高純度化を通じて、上記絶縁性酸化皮膜の生成を促進するため、必要に応じて添加する。Nbを添加する場合は、その効果が発現する0.03%以上とすることが好ましく、0.05%以上とすることが好ましく、0.1%以上とすることがより好ましい。但し、過度な添加は合金コストの上昇や再結晶温度上昇に伴う製造性の低下に繋がるため、Nb含有量の上限を1%とし、好ましくは0.5%以下とし、さらに好ましくは0.3%以下とする。
Tiは、C,Nを固定する安定化元素の作用による鋼の高純度化に加えて、上記絶縁性酸化皮膜の生成も促進するため、必要に応じて添加する。Tiを添加する場合は、その効果が発現する0.01%以上とすることが好ましく、0.02%以上とすることが好ましく、0.05%以上とすることがより好ましい。但し、過度な添加は合金コストを上昇させたり、Al系酸化物およびSiOの生成を阻害したりするため、Ti含有量の上限を1%とし、より好ましくは0.35%以下であり、さらに好ましくは0.2%以下である。
(II)製造方法について以下に説明する。
前記(I)項に記載する成分を有する鋼材を素材として、絶縁性表面を付与する絶縁性酸化皮膜を生成させるために、以下の諸条件で熱処理することが好ましい。
素材の形状は特に限定されるものではなく、例えば、箔、薄板、厚中板、棒線を対象とすることができる。また、素材の製造方法は特に規定するものではなく、従来公知の製造方法を用いることができる。素材の表面性状についても特に規定するものでなくJIS準拠した表面仕様であれば良い。
(I)項に記載する成分を有する鋼材の表面に酸化皮膜を形成するには、300℃以上で熱処理することが好ましく、400℃以上で熱処理することがより好ましい。熱処理温度が過度に高い場合、酸化皮膜中のAl濃度やSi濃度が低下し、Fe濃度が上昇して、酸化皮膜の絶縁性や密着性が阻害される。このため、熱処理温度の上限は1000℃とすることが好ましく、900℃以下とすることがより好ましい。
熱処理時間は特に規定するものでなく、例えば、1分〜72時間とすることができる。熱処理は、10分以下の連続焼鈍もしくは24〜72時間のバッチ式タイプの熱処理とすることが好ましい。
酸化皮膜を形成する熱処理は、水蒸気を含む雰囲気中で行うことが好ましい。水蒸気を含む雰囲気中で熱処理を行うことにより、ステンレス鋼材の表面におけるAlおよびSiの酸化が促進される。水蒸気を含む雰囲気としては、例えば、乾燥空気(20%酸素−80%窒素)を加湿して水蒸気を含ませた雰囲気が挙げられる。また、酸化皮膜を形成する熱処理は、純酸素ガス中に5%以上の水蒸気を含有させた雰囲気中で行うことがより好ましい。このような雰囲気中で熱処理を行うことにより、本発明の目的とする酸化皮膜を容易に形成できる。
酸化皮膜を形成する熱処理は、露点40℃以上の水蒸気を含む雰囲気中で行うことが更に好ましい。このような雰囲気中で熱処理を行うことにより、(iii)MgAlが効率よく形成される。露点の上限は、特に規定するものでないが、熱処理の作業性を考慮して90℃とする。
酸化皮膜の厚さは、太陽電池の基板に好適な絶縁性表面を維持するために、0.01μm以上とすることが好ましい。皮膜厚さの上限は、特に規定するものでないが、熱処理の効率を考慮して5μmとすることが好ましい。また、本発明では(iii)を含む酸化皮膜を形成することにより、膜厚が1μm以下と薄い場合においても表面の絶縁性を確保することができる。
上記の熱処理を行うことにより得られた酸化皮膜は、(i)Alを50%以上含む、または(i)と(ii)SiOとの合計を50%以上含むものである。このような酸化皮膜が表面に形成されているステンレス鋼材は、太陽電池用基板として好適なものである。
また、前記酸化皮膜は、(i)と(iii)MgAl(Al含有スピネル系酸化物)とを含むものであってもよいし、(i)と(ii)に加えて、さらに(iii)MgAl(Al含有スピネル系酸化物)を含むものであってもよい。酸化皮膜が(iii)を含む場合、(i)の性状によらず絶縁性を向上させることができ好ましい。
酸化皮膜に含まれる(i)〜(iii)それぞれの含有量は、上記範囲内で組成を変更するとともに、上記の熱処理雰囲気および熱処理温度の範囲内で、熱処理条件を変更することにより制御できる。
以下、本発明のステンレス鋼材が薄板である場合の実施例について説明する。
表1に示す成分を有するフェライト系ステンレス鋼を溶製し、熱間圧延と焼鈍を実施した後、冷間圧延を経て板厚0.5mmの冷延鋼板とした。ここで、鋼の成分は、本発明で規定する範囲とそれ以外とした。冷延鋼板は、いずれも再結晶が完了する800〜1000℃の範囲で仕上げ焼鈍・酸洗を行った。
これら鋼板は、適時、乾燥空気を露点45℃に加湿して水蒸気を含ませた雰囲気中で900℃、10分保持する熱処理を行った。得られた鋼板は、表面の絶縁性評価と熱膨張係数の測定に供した。
鋼板表面の絶縁性は、表面にアルミ膜(10mm角×0.2μm)を電極として蒸着した後、電極上にテスターの測定子を置いて電気抵抗を測定することにより評価した。測定面積において10回測定し、その平均値を測定値とした。本発明の目標とする絶縁性は、CIS系太陽電池基板として好適な電気抵抗値1kΩ以上であり、それが得られた鋼板を「○」とした。
熱膨張係数は、1mm厚×10mm幅×50mm長さの試験片を作成し、押棒式熱膨張測定により求めた。測定の雰囲気はAr、スプリング圧縮荷重は50g以下で行い、熱膨張係数はCIS系太陽電池の成膜を想定して、50℃から600℃まで温度を上げたときの熱膨張を測定することにより算出した。本発明の目標とする熱膨張係数は、50℃を基点とし、600℃まで温度を上げたときの平均線膨張係数が、CIS系太陽電池基板に形成した成膜の耐久性を持続するうえで好適な12.5×10−6/℃以下であり、それが得られた鋼板を「○」とした。
表2に熱処理条件と各評価結果をまとめて示す。
試験番号No.1〜10は、本発明で規定する成分を有して(1)式(表1に示す指標)を満足するステンレス鋼である。これら鋼板は、本発明の目標とする熱膨張係数が得られ、上述した熱処理条件で熱処理を行うことにより、本発明の目標とする表面絶縁性が得られた。
試験番号No.11〜13、15、16は、本発明で規定する成分もしくは(1)式のいずれか一方もしくは両者とも外れるものである。
試験番号No.12、15、16の鋼板は、表2に示す熱処理条件で熱処理を行っても、本発明で目標とする表面絶縁性が得られなかった。
試験番号No.11、13は、絶縁性は良好であったが、熱膨張係数が非常に大きいため太陽電池基板として好ましくないものであった。
試験番号No.14は、本発明で規定する成分から外れる低Cr鋼で、本発明で規定する(1)式は満足するステンレス鋼である。この鋼板は、本発明の目標とする熱膨張係数が得られず、表2に示す熱処理条件で熱処理を行っても、本発明で目標とする表面絶縁性が得られなかった。
以上の結果から、フェライト系ステンレス鋼板において、表面絶縁性を付与するには、本発明で規定する成分および(1)式を満たすように成分調整を行うことが必要であることが分かる。更に、表面絶縁性を付与するには、成分調整されたフェライト系ステンレス鋼板に熱処理を実施して、表面に酸化皮膜を形成することが有効であることが分かった。
Figure 2014218727
Figure 2014218727
本発明によれば、コーティングやメッキによらず太陽電池の変換効率を高位に持続する絶縁性表面を形成することが可能であって、熱膨張係数の小さい太陽電池基板に好適なステンレス鋼材を得ることができる。特に、本発明は、絶縁性基板上に電極および光吸収層を形成した太陽電池基板に好適である。

Claims (3)

  1. 質量%にて、Cr:9〜25%、C:0.03%以下、Mn:2%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、N:0.03%以下、Al:0.005〜5.0%、Si:0.05〜4.0%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、Al:0.5%以上、及び/又は、Si:0.4%以上を含み、下記(1)式を満たす組成であることを特徴とする絶縁性に優れた熱膨張係数の小さい太陽電池基板用ステンレス鋼材。
    Cr+10Si+Mn+Al>24.5 ・・・(1)
    但し、(1)式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。
  2. 質量%にて、Al:2.0%以上及びSi:0.3%以上を含むことを特徴とする絶縁性に優れた熱膨張係数の小さい太陽電池基板用ステンレス鋼材。
  3. 質量%にて、更にSn:1%以下、Zr:0.5%以下、Mg:0.005%以下、Ni:1%以下、Cu:1%以下、Co:0.5%以下、Mo:2%以下、V:0.5%以下、B:0.005%以下、Ca:0.005%以下、La:0.1%以下,Y:0.1%以下,Hf:0.1%以下,REM:0.1%以下、Nb:1%以下、Ti:1%以下の1種または2種以上を含有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の絶縁性に優れた熱膨張係数の小さい太陽電池基板用ステンレス鋼材。
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