本発明は、超電導材料を使用したロータ又はステータを安定に冷却し、高効率で高性能な超電導回転機及びその冷却方法を提供することを課題とする。
(1)本発明の超電導回転機は、モータ又は発電機を構成する超電導回転機であって、
両端面間に延設されたスロットを有する筒形状のステータコア、及び前記スロットに収容され超電導線材を巻回して形成された超電導コイルから成る超電導ステータと、
前記超電導ステータに対して回転可能に設けられ、且つ前記超電導ステータの中心軸と回転軸が同軸に配置されたロータとを具備し、
前記超電導ステータと前記ロータは、共に共通の冷媒中に配置され、
前記スロットを形成する周面と前記超電導コイルとの間には、前記ステータコアの軸方向の両端面を連通するステータ側隙間を有し、
前記ロータは、前記ロータの軸方向の両端面を連通し且つ回転軸に対して傾斜する方向に延びる貫通孔又は/及び溝を有することを特徴とする。
上記構成において、ロータと超電導ステータは共通の冷媒中にある。超電導ステータは超電導コイルを収容するスロットを有しており、かつスロットを形成する周面と超電導コイルとの間にはステータの軸方向の両端面を連通するステータ側隙間が形成されている。このため、冷媒がステータ側隙間を流れることができ、超電導コイルを冷却できる。
ロータは、軸方向の両端面を連通し、且つ回転軸に対して傾斜する方向に延びる複数の貫通孔又は/及び溝を有する。このため、ロータが回転すると、冷媒が貫通孔又は/及び溝を通ってロータの一方の端面から他方の端面へ一方向に流れるようになる。
回転機が運転を開始しロータが回転すると、ロータ内ではロータの回転によって、回転軸に対し一方の向きに冷媒の流れが生じる。それにより、超電導ステータではスロットを形成する周面と超電導コイルとのステータ側隙間を通って冷媒がロータ内とは逆向きに流れる。結果として、回転軸に対し一方向の向きに循環する冷媒の流れが生じて、超電導ステータ及びロータを冷却できる。
冷媒が流れる貫通孔又は/及び溝は、ロータの軸方向の両端面を連通している。超電導ステータでは、スロットを形成する周面と超電導コイルとの間に、その軸方向の両端面の間にわたって、冷媒が流れるステータ側隙間を有している。このため、ロータ及び超電導ステータの軸方向の全体に渡って冷媒が循環する。ゆえに、高い効率で超電導コイルを冷却することができる。
このように、冷媒は、液体冷媒であると気体冷媒であるとは限らず、ロータの回転軸に対して傾斜する方向に延びる貫通孔又は/及び溝を通過するときに推進力を得ることができる。ロータで推進力を得た冷媒は、超電導ステータのスロットに形成されたステータ側隙間で、ロータ内と逆方向に安定に流れることができる。それゆえ、超電導コイルで発生した熱をスロット内に留めることなく効率よく除去でき、超電導コイルを安定な温度に冷却できる。
また、液体冷媒の場合には、スロット内で発生した冷媒の気泡をスロットの外部に排出することができるので、超電導コイルを安定な温度に冷却できる。ロータ内においても冷媒が一方向に流れるためステータと同様に安定な温度に冷却できる。
ここで、ロータに形成されている貫通孔又は/及び溝は、ロータの軸方向の両端面を連通する流体通路である。貫通孔は、ロータの内部に形成され、軸方向の両端面にのみ開口がある。溝は、ロータの外周面に形成され、ロータの両端面に開口する端面開口を有するだけでなく、ロータの外周面に開口する側面開口も有している。貫通孔又は/及び溝は、ロータの回転軸と平行ではない方向、即ち回転軸に対して傾斜する方向に延びていて、ロータの両端面を連通している。
ロータは、貫通孔のみを有していても良いし、溝のみを有していても良いし、貫通孔及び溝の双方を有していても良い。ロータは、複数の貫通孔又は/及び溝を有しているとよい。各貫通孔又は/及び溝は、回転軸に対して周方向又は/及び径方向に同じ側に傾いていれば、互いに平行であってもよく、又は平行でなくてもよい。
ロータ内の貫通孔又は/及び溝の中での冷媒の流れる方向は、回転軸に対する貫通孔又は溝の配置(傾き方)とロータの回転方向によって決まる。
(2)例えば、前記ロータの前記貫通孔又は/及び溝は、前記ロータの回転軸に対し周方向の一方向に傾きを持って形成されていることが好ましい。
ロータの貫通孔又は/及び溝がロータの周方向の一方向に傾きを持って形成されている。ロータが回転すると、ロータの両端面での貫通孔又は/及び溝の端面開口で、冷媒の速度差により粘性力が働き、その貫通孔又は/及び溝に平行な成分によって貫通孔又は/及び溝の一方向に冷媒の流れが生じる。このため、冷媒がロータの回転方向に応じて回転軸方向の一方向に流れてロータを冷却する。また、上述のように、ステータ内には逆向きの一方向の流れを生じさせて超電導コイルを冷却する。
ロータの端面を軸方向から見たときに、貫通孔又は/及び溝が手前の端面から反対側の端面に向かって反時計回り方向に傾きを持って形成されている場合、ロータが時計回りに回転すると冷媒は貫通孔又は/及び溝を通って手前の端面から反対側の端面に向かって流れる(図5参照)。逆にロータが反時計回りに回転すると反対側の端面から手前の端面に向かって流れる。
貫通孔はロータの外周表面に近いほど、冷媒の流量が多くなり、好ましい。ロータが貫通孔と溝の両方を有している場合には、貫通孔と溝が同じ周方向に傾いているのが好ましい。また、回転軸に対する傾きが大きいほど、即ちロータ端面との角度が小さいほど、冷媒の流量が多くなり、ロータ及びステータを効率よく冷却できる。
(3)前記貫通孔又は/及び溝のロータの軸方向の端面での開口周縁部において、前記貫通孔又は/及び溝の延び方向と前記ロータの軸方向の端面とのロータ外側の角度が大きい周方向の一方側部分と、前記貫通孔又は/及び溝の延び方向と前記ロータの軸方向の端面とのロータ外側の角度が前記一方側部分よりも小さい周方向の他方側部分とをもち、前記開口周縁部の前記一方側部分が、前記他方側部分よりも回転軸方向に相対的に高くなっていることが好ましい。
貫通孔又は/及び溝がロータの回転軸に対してロータの周方向に傾斜している場合には、貫通孔又は/及び溝の開口周縁部における、貫通孔又は/及び溝の延び方向とロータの端面とのロータ外側の角度が大きい周方向の一方側部分と、貫通孔又は/及び溝の延び方向とロータの端面とのロータ外側の角度が一方側部分よりも小さい周方向の他方側部分とをもつ。貫通孔又は/及び溝の開口周縁部の前記一方側部分を他方側部分よりも、回転軸方向に相対的に高くすることで、冷媒が貫通孔又は/及び溝に流入しやすくなり、流量を増加させることができる。
上述した貫通孔又は/及び溝が手前の端面から反対側の端面に向かって反時計回り方向に傾きを持って形成されている場合には、手前の端面における貫通孔又は/及び溝の開口周縁部において、手前の端面の回転軸側からみて向かって左側(貫通孔又は/及び溝に対して反時計回り側)が右側よりも相対的に手前側のロータ外側に突出し、反対側の開口周縁部は、手前側から見て右側(貫通孔又は/及び溝に対して時計回り側)が左側よりも相対的にロータ外側に突出することになる(図5参照)。例えば、ロータを時計回り方向に回転させたときに、冷媒流入側となるロータの端面では、貫通孔又は/及び溝の開口周縁部において、手前の端面の回転軸側からみて向かって左側(貫通孔又は/及び溝に対して反時計回り側)に、端面よりも手前側のロータ外側に突出する突起部を設けても良い。手前側の端面を周方向の反時計周りに冷媒が流れ、突起部によりせき止められて、貫通孔又は/及び溝に流入しやすくなる。
または、ロータを時計回り方向に回転させたときに、冷媒流入側となるロータの端面では、貫通孔又は/及び溝の開口周縁部において、手前の端面の回転軸側からみて向かって右側(貫通孔又は/及び溝に対して時計回り側)に、端面よりも向こう側のロータ内側に窪み、貫通孔又は/及び溝に繋がる凹部を設けても良い。手前側の端面を周方向の反時計周りに冷媒が流れ、凹部に導かれ貫通孔又は/及び溝に流入しやすくなる。
ロータの端面に形成される突起部又は凹部は、ロータの軸方向の一方の端面にのみ突起部又は凹部を形成することもできる。ロータの貫通孔又は/及び溝への冷媒流入側の端面に突起部又は凹部を設けることが好ましい。
(4)前記ロータの前記貫通孔は、前記ロータの回転軸に対し半径方向の一方向に傾きを持って形成されていることが好ましい。
ロータの貫通孔がロータの半径方向の一方向に傾きを持って形成されていると、ロータが回転すると冷媒が遠心力を受けて、回転方向に依らず、貫通孔のロータの両端面での開口のうち、ロータの回転軸に相対的に近い一方の開口から外周面に相対的に近い他方の開口に向かって一方向に流れる。これにより、ロータが冷却されると共に、上述のように、ステータ内には逆向きの一方向の流れを生じさせて超電導コイルを冷却する。
貫通孔の径方向の傾きは、大きくなるほど冷媒に大きな推進力が働き、多量の冷媒を流通させることができる。
貫通孔は、径方向の一方向に傾きをもち、且つ周方向にも傾きを持っていても良い。特に、貫通孔は、径方向の一方向に傾きを持ち,且つ冷媒流入側の端面からみて手前の端面から反対側の端面に向かって回転方向と逆方向に周方向の傾きをもつ場合には、更に、貫通孔で冷媒の推進力が増し、冷媒の流量を増やすことが出来る。
(5)前記ロータは、導体挿入孔又は/及び導体挿入溝が外周近傍に複数形成された円柱形状のロータコアと、超電導材料からなるかご状導体とを具備し、前記かご状導体は、前記ロータコアの軸方向の両端部に配置されたエンドリングと、両端部の前記エンドリングを電気的に接続する複数のロータバーとからなり、前記ロータバーは、前記導体挿入孔又は/及び導体挿入溝に貫挿されていることが好ましい。
かご状導体は、超電導材料と通常の常伝導材料とが組み合わさってもよい。超電導材料は、例えば、Bi系超電導材料、Y系超電導材料などがあげられる。常伝導材料は、銅、アルミニウム、銀などがあげられる。
ロータがかご型誘導回転機の構造を有する場合には、ロータは超電導材料でできた複数のロータバーとエンドリングからなるかご状導体が円柱形状のロータコアと組合わさっている。超電導ロータバーは、ロータコアの導体挿入孔又は/及び挿入溝に収容されている。
導体挿入孔又は/及び導体挿入溝が、回転軸に対して平行に延びている場合には、ロータは、導体挿入孔又は/及び導体挿入溝とは別個に、回転軸に対して傾斜する貫通孔をもつとよい。この場合には、冷媒は、貫通孔において推進力が付与されてロータの軸方向の一方向に流れる。回転軸に対して平行に延びるロータの導体挿入孔又は/及び導体挿入溝には、その中のロータ側隙間に、貫通孔での冷媒の向きとは逆方向に冷媒が流れる。ロータと同軸に配置された超電導ステータのスロットのステータ側隙間にも、ロータの貫通孔での冷媒の流れとは逆方向に冷媒が流れる。
導体挿入孔又は/及び導体挿入溝が、回転軸に対して傾斜している場合には、導体挿入孔又は/及び導体挿入溝の中のロータ側隙間において冷媒は一方向に流れる推進力が付与される。このため、導体挿入孔又は/及び導体挿入溝が、上記の傾斜する貫通孔又は/及び溝を構成する。上記で説明したように、導体挿入孔又は/及び導体挿入溝に形成されたロータ側隙間を、冷媒が流通することで、ロータの回転により回転軸の一方向に向けて推進力が得られ、ロータ及び超電導ステータを効率よく冷却することができる。
導体挿入孔又は/及び導体挿入溝が、回転軸に対して傾斜している場合にも、導体挿入孔又は/及び導体挿入溝とは別個に、ロータは回転軸に対して傾斜する貫通孔又は/及び溝を設けることもできる。
本明細書において、「導体挿入孔」は、ロータコアの両端面に連通しており且つロータバーが貫挿された孔をいう。この導体挿入孔は、上記(1)で定義したように回転軸に対して傾斜をもつ貫通孔である場合もあるし、または、上記(1)で定義した貫通孔ではなく、回転軸に対して傾斜をもたない場合もある。
「導体挿入溝」は、ロータコアの両端面に連通し、またロータコアの外周面にも開口しており、且つロータバーが貫挿された溝をいう。この導体挿入溝は、上記(1)で定義したように回転軸に対して傾斜をもつ溝である場合もあるし、上記(1)で定義した溝ではなく、傾斜をもたない場合もある。
(6)前記導体挿入孔は前記貫通孔であって、前記導体挿入孔を形成する周面と前記ロータバーとの間には、前記ロータの軸方向の両端面を連通するロータ側隙間を有することが好ましい。
導体挿入孔が貫通孔を兼ねているので、冷媒が導体挿入孔の中のロータ側隙間を流れ、ロータバーも効率よく冷却できる。ロータコアに貫通孔を別個に形成する必要がないため、磁気回路への影響がない。
(7)前記溝は、前記ロータコアの外周面に開口し、前記ロータの回転軸に対し前記導体挿入孔と同じ傾きをもって形成されていることが好ましい。
導体挿入孔とロータ外周面に形成されている溝が同じ傾きを持って形成されているので、導体挿入孔と溝の中を同じ向きに冷媒が流れる。これに伴い、ステータ側隙間を流れる冷媒の量が増加し、ステータ側の超電導コイルを効果的に冷却することができる。
(8)前記溝は、前記ロータの回転軸の周方向に対し前記導体挿入孔と同じ角度の位置にあることが好ましい。
ロータコアの外周面に開口する溝は、ロータバーが貫挿する導体挿入孔と同じ傾きをもっており、且つ、ロータの回転軸に対し周方向に導体挿入孔とほぼ同じ角度位置に形成されているので、ステータコアとロータコアとからなる磁気回路上から外れている。このため、モータ特性への悪影響がない。むしろ、ステータ側の超電導コイルで発生した磁束がロータバーの外側のステータとの間を通ってしまい、ロータバーを横切らなくなること(漏れ磁束)が抑制される。このため、モータ性能はわずかながら向上することが期待できる。従って、モータ性能に影響を与えることなく、モータを安定な温度に冷却できる。
(9)前記導体挿入溝は前記溝であって、前記導体挿入溝は、前記ロータコアの外周面に開口し、前記導体挿入溝を形成する周面及び前記ロータコアの外周仮想面と、前記ロータバーとの間に前記ロータの軸方向の両端面を連通するロータ側隙間を有することが好ましい。
ロータコアの外周面に開口する溝は、ロータの両端面に連通し且つ回転軸に対して傾斜する方向に延びている。溝は、ロータコアの外周面に開口している。導体挿入溝は、冷媒が流れる溝の役目を兼ねており、ロータバーが貫挿されている。導体挿入溝を形成する周面及びロータコアの外周仮想面と、ロータバーとの間にはロータの両端面を連通するロータ側隙間が形成されている。溝のロータ側隙間がロータバーの径方向外側に形成されている場合には、ロータと超電導ステータとの間のギャップを流れる冷媒は、溝のロータ側隙間内の冷媒の流れに誘導されて、同じ方向に流れる。このため、ロータバーも冷媒に効率よく冷却される。
(10)前記ロータは、前記ロータの軸方向の両端面を連通し且つ回転軸に対して傾斜する方向に延びるコイル挿入溝が外周部近傍に形成された円柱形状のロータコアと、前記コイル挿入溝に収容されたロータ側超電導コイルとを具備し、
前記コイル挿入溝は前記溝であって、前記ロータ側超電導コイルと前記コイル挿入溝を形成する周面及び前記ロータコアの外周仮想面との間には、前記ロータの軸方向の両端面を連通するロータ側隙間を有することが好ましい。
ロータコアにロータ側超電導コイルが配置された場合で、ロータ側超電導コイルに電流を流し強磁場を発生する界磁ロータとして機能する。ロータ外周部の表面に開口するコイル挿入溝は周方向に傾きを持って形成される。このため、冷媒がコイル挿入溝のロータ側隙間を流れて、ロータ側超電導コイルが安定に冷却される。更に、界磁も同様に周方向に傾きを持つことになるので、異常トルクの発生が抑制されるなどモータ性能が向上する。
(11)前記ステータコアの内周面に開口する前記スロットの側面開口には、前記超電導ステータと前記ロータとの間に形成されるギャップと、前記スロットとの間を仕切る仕切部材が配設されていることが好ましい。
仕切部材により、ステータのスロット内のステータ側隙間が、ステータとロータとの間のギャップと仕切られる。このため、冷媒がスロットから側面開口を通ってギャップに漏れ出ることを防止できる。従って、スロット内のステータ側隙間に安定に冷媒を流すことができ、超電導コイルを安定に冷却することができる。
(12)前記超電導ステータに形成された複数の前記スロットの前記ステータ側隙間の径方向の断面積の合計は、前記超電導ステータとロータとの間のギャップの径方向の断面積よりも大きいことが好ましい。
この場合には、スロット内のステータ側隙間に冷媒が流れやすくなり、スロット内の超電導コイルを確実に冷却することができる。一方、超電導ステータの前記スロットに形成されたステータ側隙間の径方向の断面積の合計が、前記超電導ステータとロータとの間のギャップの径方向の断面積と同じか又は小さい場合には、スロットに冷媒が流れにくくなるおそれがある。
(13)前記ロータが回転することにより、前記冷媒が、前記ロータにおいては、前記貫通孔又は/及び溝を通って前記ロータの軸方向の一方の端面から他方の端面へ流通し、前記超電導ステータにおいては、前記スロットの前記ステータ側隙間を、前記ロータにおける向きとは逆向きに流通して循環することが好ましい。
ロータと超電導ステータとの間を冷媒が循環して、ロータと超電導ステータとを効果的に冷却できる。また、超電導コイルを効率よく冷却できる。
(14)本発明の超電導回転機の冷却方法は、両端面間に延設されたスロットを有する筒形状のステータコア、及び前記スロットに収容され超電導線材を巻回して形成された超電導コイルから成る超電導ステータと、前記超電導ステータの中心軸と回転軸が同軸に配置されたロータとを具備する、モータ又は発電機を構成する超電導回転機を冷却する方法であって、前記超電導ステータと前記ロータとを、共に共通の冷媒中に配置することにより、前記冷媒を、前記ロータに形成された、前記ロータの軸方向の両端面を連通し且つ回転軸に対して傾斜する方向に延びる貫通孔又は/及び溝を通って、前記ロータの軸方向の一方の端面側から他方の端面側に流通させ、前記スロットを形成する周面と前記超電導コイルとの間に形成され且つ前記ステータコアの両端面を連通するステータ側隙間を通って、前記ロータにおける向きとは逆向きに流通させて、前記冷媒を、前記ロータの前記貫通孔又は/及び溝と、前記ステータコアの前記ステータ側隙間との間を循環させる。
ロータの回転軸に対して傾斜する方向に延びる貫通孔又は/及び溝を冷媒が流通するときに、冷媒に一方向に流れる推進力が得られる。これにより、ロータと超電導ステータとの間を冷媒が循環して、ロータと超電導ステータとを効果的に冷却できる。また、超電導コイルを効率よく冷却できる。
本発明によれば、ロータに、ロータの回転軸に対して傾斜する方向に延びる貫通孔又は/及び溝を有している。それゆえ、ロータの回転により貫通孔又は/及び溝を流通する冷媒に推進力が得られる。このため、超電導コイルを効率よく冷却することができる。
(実施形態1)
本発明の実施形態に係る超電導回転機及びその冷却方法について図面を用いて詳細に説明する。
超電導回転機は、車両搭載用、産業用、家庭用の超電導モータである。図1に示すように、超電導回転機は、ロータ室1rを有する固定子として機能する超電導ステータ1と、回転子として機能するロータ5と、冷媒4とを備える。超電導ステータ1、ロータ5及び冷媒4は、ケース3の中に収容されている。
図1、図2に示すように、超電導ステータ1は、コア中心線P1をもつステータコア11と、超電導線材を巻回して形成された超電導コイル2とを有する。ステータコア11は、コア中心線P1の回りに形成された筒形状をなしている。ステータコア11は、高い透磁率をもつ材料(例えば鉄系)で形成されていて、超電導コイル2で発生する磁場をロータ5へ誘導する磁気回路の鉄心として機能する。ステータコア11は、円筒形状であって、軸方向の両側に形成されたリング状の端面11a、11bと、内周部11cと、外周部11dを有する。
ステータコア11の内周部11cには、コア中心線P1の回りの周方向において複数のスロット12と、ティース13とが交互に複数並設されている。スロット12とティース13とは、コア中心線P1に向かう求心方向に沿って延設されている。超電導コイル2は、ステータコア11の内周側において、コア中心線P1回りの周方向に沿って複数個並設されている。
図3に示すように、超電導コイル2は、超電導材料を被覆層で被覆させて形成されている。超電導コイル2に用いる超電導材料としては、例えば、Bi系超電導材料、Y系超電導材料などがあげられる。超電導コイル2は、殊にBi系高温超電導材で形成されていることが好ましい。超電導コイル2は、テープ形状の超電導線材をレーストラック(陸上競技場)形状に複数回巻回して形成されている。超電導コイル2は、超電導線材を直状に延設させた直状部21と、超電導線材を円弧状にUターンさせて曲成させた曲成部22とを有する。超電導コイル2の直状部21は、スロット12に挿入されている。曲成部22は、複数のティース13及び複数のスロット12の外側においてこれらを跨ぐように架設されている。超電導コイル2の両端部は、口出し線23を有する。
本実施形態では、図2に示すように、超電導コイル2を、スロット12の中に、側面開口12c近傍と、底部近傍の2箇所に配置している。1つの超電導コイル2は、2つのティース13とその間のスロット12を跨いで配置されている。
また、図4に示すように、超電導コイル2は、二重の環状に配させてもよい。この場合、周方向に配列するスロットについて、互い違いに、超電導コイル2の直状部21を配置するとよい。これにより、スロット12の周面と超電導コイル2との間に、十分なステータ側隙間12sを形成でき、超電導コイル2の冷却効率が高まる。
また、これに限らず、スロット12の中央にのみ超電導コイル2を配置してもよいし、また、周方向に並設するスロット12の複数組ごとに、スロット12の形状を周期的に変えて、超電導コイル2の配置位置を各スロット12毎に変えてもよい。いずれの場合にも、スロット12の周面と超電導コイル2との間には、ステータコア11の両端面11a、11bを連通するステータ側隙間12sが形成される。
図1に示すように、ケース3は、ステータコア11の外周部11dを覆う円筒形状をなしており、オーステナイト系のステンレス鋼や硬質樹脂等の非磁性材料で形成されている。口出し線23は、ケース3に固定された図略の接続端子に保持されて、ケース3の外部に電気的に接続されている。
図1、図2に示すように、スロット12は、ステータコア11の両端面11a、11bに開口する端面開口12a、12bと、ステータコア11の内周部11cに開口する側面開口12cを有する。スロット12の側面開口12cは、仕切部材26で仕切られていて、スロット12と、ロータ5と超電導ステータ1との間のギャップ10との間を仕切っている。仕切部材26は、長尺形状の薄板である。スロット12の側面開口12cは、仕切部材26により、ステータコア11の軸方向の両端面11a、11b間に亘って封鎖している。仕切部材26は、非磁性材料であっても、磁性材料であってもよい。仕切部材26に用いられる非磁性材料は、例えば、繊維強化プラスチック(FRP)などが挙げられる。仕切部材26に用いられる磁性材料としては、例えば、鉄又は鉄合金などの透磁性材料、絶縁皮覆軟磁性粉末材料、フェライトなどが挙げられる。
仕切部材26の厚みは、薄い方がよい。仕切部材26が磁性材料からなる場合には、厚いと磁場が変わってしまうおそれがある。仕切部材26が非磁性材料からなる場合には超電導コイル2がロータ5から離れてしまい、超電導コイル2から発する磁束がロータ5に到達しないおそれがある。仕切部材26の剛性も考慮すると、仕切部材26の厚みは、おおよそ0.1〜5mmであるとよい。
図2の枠囲み部分の拡大図は、スロット付近の部分拡大断面図を示す。図2の部分拡大断面図に示すように、超電導コイル2をスロット12に挿入した後に、仕切部材26の側部周縁は、スロット12の側面開口12cの周縁に形成した凹条部12dに係止される。これにより、スロット12の側面開口12cは仕切部材26により封鎖される。
図1に示すように、ケース3は、超電導ステータ1のステータコア11の外周部11dを覆う円筒形状をなしている。ケース3は、超電導ステータ1とロータ5と冷媒4とを収容している。ケース3は、オーステナイト系のステンレス鋼や硬質樹脂等の非磁性材料で形成されている。
超電導ステータ1のロータ室1rには、ロータ5が配設されている。ロータ5は、超電導ステータ1の中心軸であるコア中心線P1と回転軸が同軸に配置されている。ロータ5と超電導ステータ1との間には、ロータ5の円滑回転を許容させるリング形状をなす微小なギャップ10が形成されている。
ロータ5は、回転軸51と、回転軸51を貫挿させる軸孔6dをもつ円筒形状のロータコア6と、ロータコア6の外周部6cに形成された導体挿入孔61と、導体挿入孔61に挿入されたかご型導体7とを有する。
図2に示すように、超電導ステータ1のスロット12に形成されたステータ側隙間12sの径方向の断面積の合計は、超電導ステータ1とロータ5との間のギャップ10の径方向の断面積よりも大きい。ここで、「ステータ側隙間12sの径方向の断面積」は、スロット12の径方向断面からスロット12内の超電導コイル2の占有する径方向断面積を除いた径方向断面積である。「ステータ側隙間12sの径方向の断面積の合計」は、超電導ステータ1に設けられている複数のスロット12に形成されたステータ側隙間12sの径方向断面の合計をいう。「ギャップ10の径方向の断面積」は、ステータコア11の内周部11cと、ロータ5のロータコア6の外周部6cとの間に形成されるリング形状のギャップ10の径方向断面の面積である。
図5に示すように、ロータコア6は、珪素鋼板等の電磁鋼板を軸方向に積層して形成されている。ロータコア6の外周部6c近傍には、周方向に複数の導体挿入孔61が形成されている。導体挿入孔61は、ロータコア6の軸方向の両方の端面6a、6bを連通している。導体挿入孔61は、ロータコア6の軸方向の端面6a、6bに開口する端面開口61a、61bを有する。
図5は、ロータコア6に形成された1つの導体挿入孔61の傾きを示すためのロータコア6の斜視図である。図5に示すように、導体挿入孔61の延び方向は、ロータ5の周方向の一方向に傾斜している。図5の紙上において、ロータコア6の一方の端面6aに開口する端面開口61aに対して、他方の端面6bに開口する端面開口61bは、反時計回り方向に位置しており、一方の端面開口61aから他方の端面開口61bに向かって、周方向に所定の傾斜角度θで傾斜している。
図5において、P1は、ステータコア11の軸中心及びロータ5の回転軸に対して同軸位置に延びるコア中心線である。P2は、コア中心線P1と、導体挿入孔61の一方の端面6a上の端面開口61aの周方向中心とを通る第1径方向中心線である。P3は、他方の端面6b上で、第1径方向中心線P2と周方向の位置を同じとする第2径方向中心線である。P4は、ロータコア6の外周部6c上にあり、且つ、第1,第2径方向中心線P2、P3を繋ぎ、コア中心線P1と平行に延びる外周中心線である。P5は、導体挿入孔61の周方向中心に位置し、導体挿入孔61の延び方向に延びる孔中心線である。P6は、導体挿入孔61の一方の端面開口61aと他方の端面開口61bの周方向のズレ量である。 外周中心線P4と孔中心線P5とがなす角度が、傾斜角度θである。傾斜角度θは、軸方向に対する導体挿入孔61の傾きを表し、例えば、1〜10°であるとよい。導体挿入孔61の傾斜角度θは、導体挿入孔61の一方の端面開口61aと他方の端面開口61bの周方向のズレ量P6が、導体挿入孔61の1ピッチ分までの範囲内となる程度とするとよい。
図6に示すように、かご型導体7は、Bi系超電導材料から形成されている。かご型導体7は、全体がかご形状を呈しており、複数のロータバー71と、ロータバー71の端部を繋ぐリング形状のエンドリング72とからなる。ロータバー71は、周方向に一定の傾斜角度θで傾斜している。複数のロータバー71は、互いに平行に均一な間隔を隔てて、周方向に並設されている。
ロータバー71は、矩形断面を有する。ロータバー71は、複数本のBi系高温超電導フィラメントを、銀などの導電性金属により被覆して形成されている。
図5および後述の図9に示すように、ロータバー71は、ロータコア6の導体挿入孔61に挿入されている。ロータバー71の断面の大きさは、導体挿入孔61の断面の大きさよりも小さく、ロータバー71と導体挿入孔61を形成する周面との間にはロータ側隙間61sが形成される。導体挿入孔61は、貫通孔65を兼ねており、導体挿入孔61の中のロータ側隙間61sには冷媒が流れる。導体挿入孔61は、ロータコア6の軸方向の両端面6a、6bを連挿し且つ回転軸51に対して傾斜する方向に延びる貫通孔65に相当する。ロータ側隙間61sは、導体挿入孔61に沿って延びており、ロータ5のロータコア6の両端面6a、6bを連通している。ロータ側隙間61sは、導体挿入孔61の傾斜方向θに沿って、コア中心線P1(回転軸)に対して傾斜している。
導体挿入孔61に形成されるロータ側隙間61sの形態としては、例えば、図7に列挙されたものがある。図7(a)に示す例では、ロータバー71と導体挿入孔61の外周側の周面61dとが接していて、ロータバー71の周方向の両側の面と、この面と対向する導体挿入孔61の周面61dとの間から、ロータバー71の内周側の面と、この面と対向する導体挿入孔61の周面61dとの間にわたって形成された断面コ字形状を呈する1つのロータ側隙間61sが形成されている。
図7(b)に示した例では、矩形のロータバー71の周囲全体がロータバー71の全体の面から離れていて、枠形状を呈する1つのロータ側隙間61sが形成されている。図7(c)に示す例では、ロータバー71の周方向の両面が導体挿入孔61に接していて、ロータバー71の径方向内側と外側の両方の面と、この面と対向する導体挿入孔61の周面61dとの間に2つのロータ側隙間61sが形成されている。
図7(d)に示す例では、ロータバー71の周方向両側と径方向内側が導体挿入孔61の周面61dと接していて、ロータバー71の径方向外側の面と、この面と対向する導体挿入孔61の周面61dとの間に1つのロータ側隙間61sが形成されている。
図7(e)に示す例では、ロータバー71の周方向両側と径方向外側が導体挿入孔61の周面61dと接していて、ロータバー71の径方向内側の面と、この面と対向する導体挿入孔61の周面61dとの間に1つのロータ側隙間61sが形成されている。
この中、モータ性能の点で、ロータバー71が可能な限り超電導ステータ1に近く、且つロータバー71を冷却する効率の観点から、冷媒との接触面積を多く確保できる図7(e)に示す形状のロータ側隙間61sがよい。
また、1つの導体挿入孔61の径方向断面の面積に対する、1つの導体挿入孔61に形成されるロータ側隙間61sの径方向断面の面積の比率は、大きいほど好ましく、例えば、10〜80%とするとよい。1つの導体挿入孔61に形成されるロータ側隙間61sの径方向断面の面積は、1つの導体挿入孔61の径方向断面積からロータバー71の占有する断面積を引いた面積である。
図8は、1つの貫通孔65を模式的に示したロータ5の側面図である。図8に示すように、貫通孔65の端面開口65a、65bでの開口周縁部において、貫通孔65の延び方向がロータコア6の端面6a、6bとロータ5外側になす角度αの大きい周方向の一方側部分Aが、ロータコア6の端面6a、6bとロータ5外側になす角度βの小さい周方向の他方側部分Bよりも回転軸方向に高くなっている。即ち、貫通孔65の開口周縁部の一方側部分Aが端面6a、6bとのロータ5外側になす角度αは、他方側部分Bが端面6a、6bとロータ5外側になす角度βよりも大きい(α>β)。大きい角度αをもつ一方側部分Aには、端面6a、6bよりも軸方向に高く突出する突起部60が設けられている。
図9は、ロータ5の一端面を示す平面図である。図9に示すように、突起部60は、第1径方向中心線P2にほぼ沿うようにして長く配置されている。突起部60は、ロータ側隙間61sを有する導体挿入孔61の開口周縁部の一方側部分Aから第1径方向中心線P2上まで、径方向に対して傾斜する方向に長く延びている。突起部60は長ければ長い程、多くの冷媒をロータ側隙間61sに流入させることができる。
図8に示すように、突起部60は、貫通孔65に近接する部分が最も高く、貫通孔65から離間するに従って徐々に高さが低くなっている。突起部60の端面6a、6bからの高さは、高いほど多くの冷媒4をロータ側隙間61sに流入させることができるが、過剰に高い場合には冷媒4の流動抵抗になり、回転機の効率が低下するおそれがある。端面6a、6bからの突起部60の最も高い部分の高さH1は、せいぜい0.1mm〜10mm程度であるとよい。
図9紙面上では、冷媒流入側のロータコア6の端面6aでは、貫通孔65の周方向の反時計回り側に突起部60が突出している。この場合、ロータ5を時計回りに回転させると、冷媒はロータ5に対して相対的に端面6a上を半時計方向に流れる。反時計回りに流れる冷媒は、突起部60に当たり、遠心力により突起部60の側面に沿って径方向外側に移動する。やがて、ロータコア6の外周部6c近傍に配置されている貫通孔65のロータ側隙間61sに流入する。
図8、図9に示すように、ロータ5の回転方向が反時計方向である場合には、冷媒は、貫通孔65のロータ側隙間61sの中を、他方の端面6bの端面開口65bから、一方の端面6aの端面開口65aに向かって流通する。この場合にも、ロータコア6の他方の端面6bの端面開口65bの開口周縁部において、回転方向と反対側の一方側部分Aに突起部60を設けている。このため、他方の端面6b上を移動する冷媒を効率よく、貫通孔65のロータ側隙間61sに流入させることができる。
このように突起部60を貫通孔65の端面開口65a、65bの開口周縁部に設けることにより、端面6a、6b上を回転方向と反対側に流れる冷媒を集めて、ロータ側隙間61sに流入させる。これにより、多量の冷媒が貫通孔65のロータ側隙間61sに流入することができ、冷却効率が更に高くなる。
また、図10、図11に示すように、大きい角度αをもつ一方側部分Aが、角度αよりも小さい角度βをもつ他方側部分Bに対して相対的に高くなるように、大きい角度αをもつ一方側部分Aに対して、角度αよりも小さい角度βをもつ他方側部分Bに、凹部69を形成してもよい。凹部69は、貫通孔65に連続的に繋がる。凹部69は、いわゆる貫通孔65の開口周縁部を面取りした形状を呈している。
凹部69は、径方向中心線P2にほぼ沿うように細長い形状を呈していることがよい。凹部69は、ロータ側隙間61sを有する貫通孔65の開口周縁部の他方側部分Bから第1径方向中心線P2上まで、径方向に対して傾斜する方向に長く延びているとよい。凹部69は長ければ長い程、多くの冷媒4を貫通孔65のロータ側隙間61sに流入させることができる。冷媒に作用する粘性力によって、冷媒4は凹部69に入り、貫通孔65に流入する。
ロータコア6の一方の端面6aに形成した凹部69は、貫通孔65を形成する端面開口65aのうち、周方向の他方側部分Bに対面している第1辺65cだけでなく、径方向内側の第2辺65dにも連続して形成されている。凹部69の形状は、図8、図9において突起部60を形成していない他方側部分Bの形状にほぼ一致する。凹部69は、貫通孔65から遠方の径方向内側の先端から、貫通孔65に近づくに従って徐々に深くなっている。
ロータコア6の他方の端面6bに形成した凹部69も、一方の端面6aに形成した凹部69と同様に、貫通孔65を形成する端面開口65bのうち、周方向の他方側部分Bに対面している第1辺だけでなく、径方向内側の第2辺にも連続して形成されている。凹部69の形状は、図8、図9において突起部60を形成していない他方側部分Bの形状に一致する。凹部69は、貫通孔65から遠方の径方向内側の先端から、貫通孔65に近づくに従って徐々に深くなっている。
図8、図9においては、一方の端面6aにおいて1つの突起部60を示しているが、複数の貫通孔65の開口周縁部の一方側部分Aにそれぞれ突起部60を設けても良い。図10、図11においては、一方の端面6bにおいて1つの凹部69を示しているが、複数の貫通孔65の開口周縁部の他方側部分Bにそれぞれ突起部60を設けても良い。突起部60及び凹部69のいずれも、すべての貫通孔65に対応してそれぞれ設けても良く、複数の導体挿入孔61の中の一部に設けてもよい。
図1に示すように、冷媒4は、ケース3の中に、ロータ5及び超電導ステータ1とともに収容されている。ロータ5及び超電導ステータ1は、共通する冷媒4の中に配置されている。冷媒4は、超電導ステータ1の超電導コイル2やロータ5のかご型導体7に用いられる超電導材料を、その超電導臨界温度Tc以下に冷却して電気抵抗をゼロ又は極めて小さくしたり、常伝導導電材(銅、アルミニウムなど)を冷却して電気抵抗を小さくしたりするものである。冷媒4は、例えば、液体状態の窒素、空気、アルゴン、ネオン、水素、ヘリウムなどの液体冷媒や、例えば、気体状態の窒素、空気、アルゴン、ネオン、水素、ヘリウムなどの気体冷媒を用いる。モータの近辺には、冷媒4を冷却するための極低温冷凍機が搭載される。
モータ駆動時には、超電導ステータ1に設けられた複数の超電導コイル2には、三相交流のU相、V相、W相が通電される。三相交流のU相が通電される超電導コイル2、V相が通電される超電導コイル2、W相が通電される超電導コイル2がそれぞれ存在する。U相が通電される超電導コイル2同士は、直接に電気接続される。V相が通電される超電導コイル2同士は、直接に電気接続される。W相が通電される超電導コイル2同士は、直接に電気接続される。
本実施形態において、ロータ5と超電導ステータ1は共通の冷媒4の中にある。超電導ステータ1は超電導コイル2を収容するスロット12を有しており、かつスロット12を形成する周面と超電導コイル2との間には、超電導ステータ1のステータコア11の両端面11a、11bを連通するステータ側隙間12sが形成されている。このため、冷媒4がステータ側隙間12sを流れることができ、超電導コイル2を冷却できる。
ロータ5のロータコア6には、両端面6a、6bを連通し且つ、回転軸51と平行でない回転軸51に対して傾斜する方向に延びる複数の導体挿入孔61が形成されている。導体挿入孔61の中には、ロータバー71との間のロータ側隙間61sが形成されている。このため、ロータ5が回転すると、ロータコア6の両端面6a、6bに開口する導体挿入孔61の端面開口61a、61bで、冷媒の速度差により粘性力が働き、その導体挿入孔61に平行な成分によって導体挿入孔61の一方向にロータ側隙間61sの中を冷媒4の流れが生じる。
それにより、超電導ステータ1ではスロット12を形成する周面と超電導コイル2とのステータ側隙間12sを通って冷媒4がロータ5内とは逆向きに流れる。また、ロータ5と超電導ステータ1との間のギャップ10にも、ロータ5内とは逆向きに冷媒が流れる。結果として、回転軸51に対し一方向の向きに循環する冷媒4の流れが生じて、超電導ステータ1及びロータ5を効率よく冷却できる。
図8、図9に示すように、ロータコア6の端面6aを軸方向から見たときに、貫通孔65がロータコア6の手前の端面6aから反対側の端面6b向かって反時計回り方向に傾きを持って形成されている場合、ロータ5が時計回りに回転すると冷媒は貫通孔65のロータ側隙間61sを通って手前の端面開口65aから反対側の端面開口65bに向かって流れる。逆にロータ5が反時計回りに回転すると反対側の端面開口65bから手前の端面開口65aに向かって流れる。
冷媒4が流れるロータ側隙間61sは、ロータコア6の軸方向の両端面6a、6bを連通しており、超電導ステータ1は、スロット12と超電導コイル2との間に、その軸方向の両端面11a、11bの間にわたって、冷媒4が流れるステータ側隙間12sを有している。このため、超電導ステータ1の軸方向の全体に渡って冷媒4が循環する。ゆえに、高い効率で超電導コイル2を冷却することができる。
このように、冷媒4は、液体冷媒であると気体冷媒であるとは限らず、ロータ5の回転軸とは非平行な貫通孔65を通過するときに推進力を得ることができる。このため、超電導ステータ1内ではロータ5内と逆方向に安定に流れることができる。それゆえ、超電導コイル2で発生した熱をスロット12内に留めることなく効率よく除去でき、超電導コイル2を安定な温度に冷却できる。
また、液体冷媒の場合には、スロット12内で発生した冷媒の気泡をスロット12の外部に排出することができるので、超電導コイル2を安定に冷却できる。ロータ5内においても冷媒が一方向に流れるため超電導ステータ1と同様に安定な温度に冷却できる。
なお、本実施形態の回転機は、超電導モータとして用いているが、同様の構成で、発電機として用いることも可能である。
(実施形態2)
実施形態2の回転機は、図12、図13に示すように、ロータ5が、ロータバー71を挿入した導体挿入孔61のほかに、溝68を有している点で、実施形態1と相違する。
溝68は、導体挿入孔61よりもロータ5の径方向外側に形成されている。溝68は、ロータコア6の外周部6cの表面に開口する側面開口68cと、ロータコア6の軸方向の両端面6a、6bに開口する端面開口68a、68bとを有する。溝68の径方向断面形状は矩形をなしている。溝68は、側面開口68cを通じて、ギャップ10と連通している。
導体挿入孔61は、実施形態1と同様に、回転軸51に対してロータコア6の周方向に傾斜角度θで傾斜している。本実施形態における溝68は、導体挿入孔61とともに、回転軸51に対してロータコア6の周方向に傾斜角度θで傾斜している。
溝68の深さ(溝68のロータコア6の外周仮想面からの深さ)は、例えば0.1mm〜数mmがよい。超電導ステータ1になるべく近づけて高出力を得つつ、ギャップ10の冷媒4も、溝68と同じ方向に流れるように誘導することができる。このため、多量の冷媒4に推進力を与えることができ、多量の冷媒4で、超電導コイル2を冷却することができる。
溝68と導体挿入孔61との配置関係を図14に示す。たとえば、図14(a)に示すように、ロータコア6の周方向に、導体挿入孔61および溝68が等間隔で配列している。導体挿入孔61よりも径方向外側に溝68が形成されている。ロータコア6の周方向において、導体挿入孔61と溝68とが互い違いに配置されている。この場合には、ロータバー71をロータコア6の外周部6cの表面に近接させることができるため、ロータバー71を、超電導ステータ1に近づけることができ、強い磁場を発生させることができる。
図14(b)に示すように、導体挿入孔61と溝68とが、ロータコア6の周方向において同じ位置に配置されている。図12、図13は、いずれも、図14(b)に示すように、導体挿入孔61と溝68とが周方向の同じ位置に形成されている場合を示している。図14(b)に示す配置関係にある場合には、溝68が、ステータコア11とロータコア6とで形成される磁気回路に影響がない。
(実施形態3)
実施形態3の回転機は、図15、図16に示すように、ロータコア6の外周部6cには、かご型導体7のロータバー71を収容する導体挿入溝62が形成されている。導体挿入溝62は、ロータコア6の軸方向の両端面6a、6bに開口する端面開口62a、62bと、ロータコア6の外周部6cに開口する側面開口62cとを有する。
導体挿入溝62は、冷媒4が流れる溝66を兼ねており、ロータバー71と導体挿入溝62を形成する周面およびロータコア6の外周仮想面との間には、ロータコア6の軸方向の両端面6a、6bに連通するロータ側隙間62r、62sが形成される。導体挿入溝62は、実施形態1の導体挿入孔61と同様に、ロータコア6の周方向に所定の傾斜角度θで傾斜している。
図17に示すように、導体挿入溝62に挿入されるロータバー71とロータ側隙間62r、62sの位置は、種々の態様がある。例えば、図17(a)に示すように、ロータバー71は、導体挿入溝62の側面開口62c側に寄せて、ロータバー71の外周側の面を、ロータコア6の外周部6cの表面と一致させ、ロータバー71の径方向内側にロータ側隙間62sを形成するように配置してもよい。
また、図17(b)に示すように、ロータバー71は、導体挿入溝62の径方向の長さの中央部分に配置させてもよい。この場合、ロータバー71の径方向内側の面と、導体挿入溝62の径方向内側の周面62dとの間に、ロータ側隙間62sが形成される。また、ロータバー71の外側の面と、導体挿入溝62の側面開口62c(ロータコア6の外周仮想面)との間に、ロータ側隙間62rが形成される。ロータバー71の径方向外側のロータ側隙間62rは、径方向外側に、ロータコア6の外周部6cに開口する側面開口62cをもち、ロータ5と超電導ステータ1との間のギャップ10に連通している。
また、図17(c)に示すように、ロータバー71は、導体挿入溝62の径方向の内側に寄せて配置されていてもよい。この場合、ロータバー71の径方向内側にはロータ側隙間62sは形成されず、径方向外側に、ロータコア6の外周部6cに開口しギャップ10に連通する側面開口62cをもつロータ側隙間62rが形成される。
図17(d)に示すように、ロータバー71の周方向の幅が、導体挿入溝62の周方向の幅よりも小さく、ロータバー71は、導体挿入溝62の中央に配置させてもよい。この場合には、ギャップ10に連通する側面開口62cをもつロータ側隙間62rが形成される。なお、図15に示す導体挿入溝62は、図17(b)又は図17(d)に示すように、ロータバー71を導体挿入溝62の径方向の中央部分に配置させて、ギャップ10と連通する側面開口62cをもつロータ側隙間62rと、側面開口62cを持たないロータ側隙間62sを形成した例を示す。
本実施形態においては、ロータコア6に、導体挿入溝62を形成して、導体挿入溝62にロータバー71を挿入している。導体挿入溝62は、ロータ5の周方向の一方向に傾斜している。導体挿入溝62の周面62dおよびロータコア6の外周仮想面とロータバー71との間には、ロータ側隙間62s、62rが形成される。このため、ロータ5を回転させると、冷媒が、ロータ側隙間62s、62rを流通するときに推進力が得られ、溝66を兼ねる導体挿入溝62の中を一方向に流通する。超電導ステータ1では、スロット12の周面と超電導コイル2との間のステータ側隙間12sに、ロータ5での冷媒4の流れとは逆方向に冷媒4が流通する。このため、超電導コイル2を効率よく冷却することができる。
特に、図15に示すように、導体挿入溝62の中に、ロータバー71を径方向内側に配置して、ロータバー71の径方向外側にロータ側隙間62rを形成させた場合には、ロータ側隙間62rが、ギャップ10と接して、ギャップ10を流通する冷媒4に、同じ方向に流れる推進力を誘発させる。このため、ロータ側隙間62rと、ギャップ10とにより、ロータバー71の配置によっては更に、ロータ側隙間62sとにより、同じ方向に多量の冷媒4の流れを生み出すことができる。このため、超電導コイル2とスロット12の周面との間のステータ側隙間12sに多量の冷媒4が反対方向に流れ、更に効率よく超電導コイル2を冷却することができる。
ロータ側隙間62rは、ギャップ10に接している。ロータ側隙間62rの深さ(ロータコア6の外周仮想面からの深さ)は、例えば、0.1mm以上数mm以下であるとよい。ロータバー71を超電導ステータ1に近づけつつ、ロータ側隙間62r及びこれに接するギャップ10を流れる冷媒に推進力を確実に付与することができる。
本実施形態においても、実施形態1のように、ロータコア6の端面6a、6bに開口する溝66(導体挿入溝62)の端面開口66a、66bの周縁に突起部60又は凹部69を設けて、冷媒4が溝66(導体挿入溝62)に導入されやすくしてもよい。その他は、実施形態1と同様である。
(実施形態4)
本実施形態の回転機は、図18、図19に示すように、ロータ5に、ロータバー71を収容する導体挿入孔67の他に、導体挿入孔67とは別個の貫通孔63を形成している。
貫通孔63には、ロータバーは挿入されていない。ロータコア6の両端面6a、6bには、貫通孔63の端面開口63a、63bが開口している。貫通孔63は、一方の端面開口63aから他方の端面開口63bに向けて径方向内側に所定の傾斜角度θで傾斜している。ロータ5の回転により、貫通孔63では、冷媒4が遠心力を受けて、他方の端面63bから一方の端面63aに流通する。冷媒4は、貫通孔63を流通するときに推進力が付与される。
貫通孔63よりも径方向外側には、ロータバー71を挿入した導体挿入孔67が形成されている。導体挿入孔67は、ロータコア6の両端面6a、6bに連通しているが、コア中心線P1と平行に延びている。このため、実施形態1の導体挿入孔61とは異なって、導体挿入孔67ではロータ回転による冷媒の推進力が得られない。
傾斜する貫通孔63で付与された冷媒の推進力により、導体貫通孔67の中では、貫通孔63とは逆向きに冷媒が流れる。しかし、本実施形態の導体挿入孔67に周方向の位置方向に傾斜をつけることも可能である。このとき、ロータ回転方向に対して、同じ方向に傾斜させてもよく、また、逆方向に傾斜させてもよい。好ましくは、貫通孔63での冷媒の流れ方向と、導体挿入孔67内のロータ側隙間67sでの冷媒4の流方向が同じであるとよい。
導体挿入孔67を周方向に傾斜させる場合、図19の紙面上の端面6aをコア中心線P1の上方からみて時計周りにロータ5を回転させるとき、導体挿入孔67を、一方の端面開口67aから他方の端面67bに向かって右側(時計周り側)に傾斜させるとよい。これにより、図18に示すように、導体挿入孔67内のロータ側隙間67sにおいても、貫通孔63と同様に、他方の端面開口67bから一方の端面開口67aに向かう冷媒の推進力が得られる。
変形例として、内側に形成された貫通孔63は、径方向に傾斜しているが、代わりに周方向に傾斜させてもよい。外側に形成された導体挿入孔67は、内側に形成された貫通孔63と同じ向きに周方向に傾斜させてもよい。この場合には、ロータ5の回転方向にかかわりなく、導体挿入孔67内のロータ側隙間67sと、内側の貫通孔63の双方で、同じ向きの冷媒の推進力が付与され、多量の冷媒を一方向に循環させることができる。
外側に形成された導体挿入孔67は、ギャップ10に開口していないが、ギャップ10に開口する側面開口をもつ導体挿入溝としてもよい。
(実施形態5)
本実施形態の回転機は、図20に示すように、ロータ5が、ロータコア8と、ロータ側超電導コイル9とからなる。
ロータコア8は、ステータコアと組合わさって磁気回路を構成する鉄心として機能し、高透磁率材料からなる。ロータコア8は、円柱形状であり、その外周部8cには、ティース81とコイル挿入溝82とが交互に周方向に並設している。コイル挿入溝82は、ロータコア8の両端面8a、8bを連通しており、回転軸51と平行でない方向に延びている。
ロータ側超電導コイル9は、テープ形状の超電導線材をレーストラック(陸上競技場)形状に複数回巻回して形成されている。ロータ側超電導コイル9は、超電導線材を直状に延設させた直状部91と、超電導線材を円弧状にUターンさせて曲成させた曲成部92とを有する。ロータ側超電導コイル9の直状部91は、コイル挿入溝82に挿入されている。曲成部92は、1つのティース81を跨ぐように架設されている。
コイル挿入溝82は、冷媒が流れる溝を兼ねており、ロータ側超電導コイル9の直状部91とコイル挿入溝82を形成する周面およびロータコア8の外周仮想面との間には、ロータ側隙間82sを形成している。ロータ側隙間82sは、ロータコア8の軸方向の両端面8a、8bに連通している。
コイル挿入溝82の中に形成されるロータ側隙間82sの位置は、ロータ側超電導コイル9のコイル挿入溝82での配置位置に依存する。例えば、ロータ側超電導コイル9を、コイル挿入溝82の側面開口82cに近い位置に配置し、隣り合うロータ側超電導コイル9の直状部91同士を接触させて配置したときには、直状部91の径方向内側にロータ側隙間82sが形成される。図20に示すように、ロータ側超電導コイル9をコイル挿入溝82の奥側に配置したときには、直状部91の径方向外側にロータコア6の外周部8cの表面に開口するロータ側隙間82rが形成される。
ロータ側隙間82s、82rは、直状部91の径方向内側または/および径方向外側のいずれに形成されても、ロータコア8の両端面8a、8bを連通している。ロータ5に形成された複数のコイル挿入溝82は、互いに平行に延びていて、ロータ5の周方向に所定の傾斜角度θで傾斜している。
図20に示すロータ側隙間82rは、ロータコア8の外周部8cに開口する側面開口82cをもつため、ギャップと連通している。このため、ギャップを流通する冷媒は、ロータ側隙間82rを流通する冷媒の推進力を受けて、ロータ側隙間82rと同じ方向に流通する。
ロータコア8にロータ側超電導コイル9が配置された場合、ロータコア8は、ロータ側超電導コイル9に電流を流し強磁場を発生させる界磁ロータとして機能する。ロータコア8の外周部8cのコイル挿入溝82は、周方向に所定の傾斜角度θの傾きを持って形成される。界磁も同様に周方向に傾きを持つことになるので、異常トルクの発生が抑制されるなどモータ性能が向上する。
また、ロータ5が回転すると、ロータコア8の両端面8a、8bのコイル挿入溝82の開口端面82a、82bで、冷媒の速度差により粘性力が働く。そのコイル挿入溝82に平行な成分によってコイル挿入溝82の一方向に冷媒の流れが生じる。ロータ5内においても冷媒が一方向に流れるためステータと同様に安定な温度に冷却できる。
また、このようなロータ5内での冷媒の推進力によって、超電導ステータ内ではロータ5内と逆方向に安定に流れる。それゆえ、ステータ側の超電導コイルで発生した熱をスロット内に留めることなく効率よく除去でき、ステータ側の超電導コイルを安定な温度に冷却できる。
また、液体冷媒の場合には、スロット内で発生した冷媒の気泡をスロットの外部に排出することができる。
本実施形態においても、実施形態1のように、ロータコア8の端面8a、8bのコイル挿入溝82の端面開口82a、82bの周縁に突起部又は凹部を設けて、冷媒が貫通孔に導入されやすくしてもよい。
実施形態4のロータコア8のティース81、又は/及びティース81よりも径方向内側に、貫通孔を形成してもよい。貫通孔は、周方向に、コイル挿入溝82と同じ方向に傾斜させるとよい。また、貫通孔は、回転軸に対して径方向に傾斜させてもよい。その他は、実施形態4と同様である。
上記実施形態1〜5では、ロータがかご型導体又はロータ側超電導コイルを有している。しかし、これに併用又は代えて、かご型導体又はロータ側超電導コイル以外の、超電導バルクなどの超電導材料を有する超電導ロータを用いても良い。この場合、冷媒により、超電導バルクは、その超電導臨界温度Tc以下に冷却され、強磁場を捕捉したり、磁場をシールドしたりして、高トルクを発生できる。
また、通常の銅やアルミニウムなどを用いた常伝導ロータ、低温減磁を起こさない永久磁石を組込んだ永久磁石ロータなどを用いてもよい。この場合、冷却により、常伝導材の電気抵抗が小さくなったり、永久磁石の磁力が増加したりして、回転機の性能や効率が向上する。