JP2009232535A - 回転電機の回転子 - Google Patents

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英雄 中井
Eiji Yamada
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和高 立松
Shinya Sano
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Abstract

【課題】回転電機の回転子において、コア部からの漏洩磁束によるエンドプレートでの渦電流をより有効に抑制することである。
【解決手段】回転子であるロータ10は、コア部26と、一対のエンドプレート28とを備える。コア部26は、ロータ軸24の軸方向中間部外径側に設けて、周方向複数個所に永久磁石34を配置する。一対のエンドプレート28は、コア部26の軸方向両側にコア部26を挟むように設ける。各エンドプレート28の片側面に、永久磁石34と対向するように環状凹部40を形成する。環状凹部40の内側部分により、複数の永久磁石34のすべての部分と軸方向に対向する部分である空間部42を設ける。空間部42の、コア部26の軸方向両側面からの軸方向寸法bを、3mm以上とする。コア部26の外周縁と各エンドプレート28の最外周縁部の外周縁との間の径方向寸法cを、2mm以上とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転子軸の軸方向中間部外径側に設けられ、周方向複数個所に永久磁石が配置されたコア部と、コア部の軸方向両側にコア部を挟むように設けられた一対のエンドプレートと、を備える回転電機の回転子に関する。
従来から、特許文献1に記載されたような電動機の回転子が知られている。特許文献1に記載された電動機の回転子では、回転子のエンドプレートに発生する渦電流の低減を図ることを目的としている。この目的のために、エンドプレートの積層鉄心と接する側の面に、ローレット加工またはスリット加工を行って、積層鉄心とエンドプレートとの接触面積を低減するようにしている。これらの加工をエンドプレートに行うことにより、渦電流が流れなければならない距離が増加するので渦電流は流れ難くなり、渦電流損が低減できるとされている。また、エンドプレートの積層鉄心と接する側の面に、電気絶縁性材料を装着することによっても同様の効果を得ることが可能であるとされている。この場合は、エンドプレートを通過する漏れ磁束の量自体が減少するので、渦電流の発生を抑制できるとされている。
また、特許文献2には、回転子に使用されるエンドプレートに対応する回転体において、回転子に取り付けられた永久磁石に接触していない第1の部材を、コストの安い磁性体により構成し、永久磁石に接触している第2の部材を、磁性体により構成し、回転体を第1の部材と第2の部材とを組み合わせた構成としている。
また、特許文献3には、回転子の積層鉄心と磁石とを軸方向の両側から狭持する電動機の回転子に用いられるエンドプレートであって、外周側に切欠部が設けられ、磁石上及び磁石間に切欠部以外の部分が配置されるように形成したエンドプレートが記載されている。
特開2005−253275号公報 特開2002−345186号公報 特開2005−304177号公報
特許文献1に記載された電動機の回転子の場合、エンドプレートにローレット加工またはスリット加工を行うことにより、エンドプレートに渦電流を流れ難くするとされている。また、特許文献1では、ローレット深さ1mm以上と言う条件を満たすようにローレット加工を施すようにすればよい、また、スリット深さ1mm以上という条件を満たすようにスリット加工を施すことが好適であるとされている。ただし、特許文献1に記載された回転子の場合、ローレット加工またはスリット加工を行う部分を、磁石との関係で規制することは考慮されていない。また、ローレット深さまたはスリット深さが上記の寸法以上である場合でも、コア部からの漏洩磁束によるエンドプレートでの渦電流の発生を有効に抑制する面からはまだ改良の余地がある。
また、特許文献2に記載された回転体の場合、永久磁石に接触している部分を非磁性体で成形した第2の部材により構成しているが、この第2の部材の軸方向寸法を規制することは考慮されていない。このため、コア部からの漏洩磁束によるエンドプレートでの渦電流の発生を有効に抑制する面からはまだ改良の余地がある。
また、特許文献3に記載されたエンドプレートの場合、エンドプレートの周方向複数個所に切欠部を形成し、周方向に隣り合う切欠部の間部分を磁石上に配置している。このため、磁石からの漏洩磁束が、エンドプレートの周方向に隣り合う切欠部の間部分に流れて、渦電流が多く発生する可能性がないとはいえない。このため、コア部からの漏洩磁束によるエンドプレートでの渦電流の発生を有効に抑制する面からはまだ改良の余地がある。
また、特許文献1から特許文献3に記載された回転子のいずれの場合も、エンドプレートの最外周縁部の外径を、コア部の外径よりも小さくすることは考慮されていない。このため、この面からも、コア部からの漏洩磁束によるエンドプレートでの渦電流の発生を有効に抑制する面からはまだ改良の余地がある。
本発明の目的は、回転電機の回転子において、コア部からの漏洩磁束によるエンドプレートでの渦電流をより有効に抑制することである。
本発明のうち、第1の発明に係る回転電機の回転子は、回転子軸の軸方向中間部外径側に設けられ、周方向複数個所に永久磁石が配置されたコア部と、コア部の軸方向両側にコア部を挟むように設けられた一対のエンドプレートと、を備える回転電機の回転子であって、コア部の軸方向両側面に対向する部分であり、複数の永久磁石の軸方向側面のすべての部分と対向する部分を含み、コア部の軸方向両側面からの軸方向寸法がコア部の全周にわたり3mm以上である空間部を備えることを特徴とする回転電機の回転子である。
また、第1の発明に係る回転電機の回転子において、好ましくは、各エンドプレートのコア部と対向する軸方向片側面に、永久磁石と対向するように環状の凹部を形成している。
また、第1の発明に係る回転電機の回転子において、好ましくは、エンドプレートの外周面の周方向複数個所に径方向外側に突出するように設けられた外側突部を備え、外側突部は、先端部に設けられて、コア部の軸方向側面に接する抑え部と、外側突部の抑え部からコア部の径方向に外れた部分に設けられて、コア部の軸方向側面から離れるように凹んだ外側突部側凹部と、を有し、外側突部側凹部の軸方向深さを3mm以上とすることにより、外側突部側凹部の内側部分と、周方向に関して隣り合う外側突部の間部分とを含む部分を空間部としている。
また、本発明のうち、第2の発明に係る回転電機の回転子は、回転子軸の軸方向中間部外径側に設けられ、周方向複数個所に永久磁石が配置されたコア部と、コア部の軸方向両側にコア部を挟むように設けられた一対のエンドプレートと、を備える回転電機の回転子であって、コア部の外周縁と各エンドプレートの最外周縁部に位置する外周縁との間の径方向寸法は、2mm以上であることを特徴とする回転電機の回転子である。
また、第2の発明に係る回転電機の回転子において、好ましくは、エンドプレートの外周面の周方向複数個所に径方向外側に突出するように設けられた外側突部を備え、外側突部において、エンドプレートの最外周縁部に位置する外周縁である先端縁と、コア部の外周縁との間の径方向寸法は、2mm以上である。
また、本発明のうち、第3の発明に係る回転電機の回転子は、回転子軸の軸方向中間部外径側に設けられ、周方向複数個所に永久磁石が配置されたコア部と、コア部の軸方向両側にコア部を挟むように設けられた一対のエンドプレートと、を備える回転電機の回転子であって、コア部の軸方向両側面に対向する部分であり、複数の永久磁石の軸方向側面のすべての部分と対向する部分を含み、コア部の軸方向両側面からの軸方向寸法がコア部の全周にわたり3mm以上である空間部を備え、コア部の外周縁と各エンドプレートの最外周縁部の外周縁との間の径方向寸法は、2mm以上であることを特徴とする回転電機の回転子である。
また、本発明のうち、第4の発明に係る回転電機の回転子は、回転子軸の軸方向中間部外径側に設けられ、周方向複数個所に永久磁石が配置されたコア部と、コア部の軸方向両側にコア部を挟むように設けられた一対のエンドプレートと、を備える回転電機の回転子であって、エンドプレートは、コア部の軸方向側面のうち、径方向に関して複数の永久磁石よりも内径側部分と当接する第1当接部と、コア部の軸方向側面のうち、径方向に関して複数の永久磁石の外径側、または複数の永久磁石よりも外径側に位置する周方向の一部のみと当接する第2当接部と、複数の永久磁石の軸方向側面の少なくとも一部と対向する第2空間部とを備え、第2当接部の最外周となる外周縁の外接円の直径をコア部の最外周の外径よりも小さくしたことを特徴とする回転電機の回転子である。
また、本発明に係る回転電機の回転子において、好ましくは、各エンドプレートと、回転子軸と、コア部との内部とに設けられた流路により構成する冷媒経路と、冷媒経路に冷媒を供給可能とする冷媒供給部とを備え、冷媒経路は、各エンドプレートに、永久磁石と対向するように形成された凹部の内側部分を含む。また、より好ましくは、冷媒経路に供給可能とする冷媒は、冷却水とする。
また、本発明に係る回転電機の回転子において、好ましくは、コア部の直径を140mm以上220mm以下の範囲とする。
本発明のうち、第1の発明に係る回転電機の回転子によれば、コア部からの漏洩磁束による渦電流をより有効に抑制できる。すなわち、第1の発明に係る回転電機の回転子によれば、コア部の軸方向両側面に対向する部分であり、複数の永久磁石の軸方向側面のすべての部分と軸方向に対向する部分を含み、コア部の軸方向両側面からの軸方向寸法がコア部の全周にわたり3mm以上である空間部を備えるので、永久磁石からの軸方向への漏洩磁束がエンドプレートに鎖交し難くなり、エンドプレートにおける渦電流の発生をより有効に抑制できる。また、第2の発明に係る回転電機の回転子によれば、コア部の外周縁と各エンドプレートの最外周縁部に位置する外周縁との間の径方向寸法は、2mm以上であるので、同様に、永久磁石からの軸方向への漏洩磁束がエンドプレートに鎖交し難くなり、エンドプレートにおける渦電流の発生をより有効に抑制できる。また、第3の発明によれば、第1の発明と第2の発明との構成を備えるので、渦電流の発生をさらに有効に抑制できる。この結果、コア部からの漏洩磁束によるエンドプレートでの渦電流の発生を、より有効に抑制できる。また、第4の発明に係る回転電機の回転子によれば、エンドプレートは、複数の永久磁石の軸方向側面の少なくとも一部と対向する第2空間部を備え、第2当接部の最外周となる外周縁の外接円の直径をコア部の最外周の外径よりも小さくしているので、永久磁石からの軸方向への漏洩磁束がエンドプレートに鎖交し難くなり、エンドプレートにおける渦電流の発生をより有効に抑制できる。
また、各エンドプレートと、回転子軸と、コア部との内部とに設けられた流路により構成する冷媒経路と、冷媒経路に冷媒を供給可能とする冷媒供給部とを備え、冷媒経路は、各エンドプレートに、永久磁石と対向するように形成された凹部の内側部分を含む構成によれば、渦電流の発生を抑制しつつ、回転子を冷却して、性能向上を図れる構造を、有効に実現できる。
[第1の発明の実施の形態]
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の回転子を備える回転電機である電動機を示す略断面図である。図2は、図1から回転子を取り出して示す略断面図である。図3は、図2のA−A断面を部分的に示す図である。図4は、図2の構成を構成するために、エンドプレートと、回転子の他の構成部材とを組み合わせる状態を示す図である。図5は、従来から考えられている従来例の回転子を示す略断面図である。図6は、図5の従来から考えられている構成において、コア部に設ける複数の永久磁石の内接円の半径を一定とした場合の、エンドプレートの半径と、電動機における渦電流損(W)との関係を示す図である。図7は、エンドプレートとコア部との軸方向の間隔と、電動機における渦電流損(W)との関係を示す図である。図8は、図5の従来から考えられている構成において、エンドプレートの半径と、エンドプレートにおける磁束密度の変動幅との関係を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態の回転子であるロータ10を備える電動機12は、ケーシング14に固定された固定子であるステータ16と、ステータ16と所定の空隙を空けて径方向に対向配置され、ステータ16に対し回転可能なロータ10とを備える。図1は、ステータ16とロータ10とが径方向に対向するように配置された、ラジアル型の電動機12の例を示している。
ステータ16は、複数の磁性鋼板を積層することにより構成するステータ鉄心18と、複数相、例えば3相のステータコイル20とを備える。ステータコイル20は、ステータ鉄心18の周方向複数個所に形成されたティース22に巻回している。
ロータ10は、ステータ16の内側に配置しており、図2に示すように、ロータ軸24の軸方向中間部外径側に設けられたコア部26と、コア部26の軸方向両側にコア部26を挟むように設けられた一対のエンドプレート28とを備える。コア部26は、磁性鋼板を複数積層することにより構成するロータ鉄心30と、ロータ鉄心30の周方向複数個所に設けた軸方向の孔部32内に配置した永久磁石34とを有する。
すなわち、図3に示すように、ロータ鉄心30の周方向複数個所に、径方向外側に向かって開くような断面V字形に一対ずつ設けた孔部32に、断面V字形になるように、一対ずつの永久磁石34を挿入している。また、各孔部32に永久磁石34を配置した状態で、各孔部32の両端部に一対ずつの空隙部36を設けている。このようにコア部26に一対ずつの永久磁石34を、それぞれ断面V字形に配置することにより、電動機12(図1)のリラクタンストルクの利用率を向上させるとともに、コア部26の直径を過度に大きくすることなく、永久磁石34全体での表面積を大きくすることができる。なお、永久磁石34は、このような断面V字形に配置する場合に限定するものではなく、コア部26の周方向と一致する方向等、コア部26の周方向に関してすべてが同じ向きに向くように永久磁石34を配置する等もできる。
図2に示すように、一対のエンドプレート28は、銅等の金属等の導電体により構成し、コア部26の軸方向両側に位置するロータ軸24の外周面に固定することにより、コア部26の軸方向の変位を規制する。各エンドプレート28は、中心部にロータ軸24を挿入するための中心孔38を有する円板状に形成している。各エンドプレート28のコア部26と対向する軸方向片側面で、コア部26に配置した永久磁石34の軸方向端面と対向する外径寄り部分に、中心孔38と同心の環状凹部40を形成している。
図4に示すように、ロータ軸24に固定したロータ10を構成する場合には、ロータ軸24にコア部26を外嵌するとともに、コア部26の両側から一対のエンドプレート28を、コア部26を挟むように、中心孔38にロータ軸24を挿入する。そして、ロータ軸24にコア部26及びエンドプレート28を外嵌固定する。また、ロータ10において、コア部26の直径、すなわち外径は、140mm以上220mm以下の範囲としている。
また、本実施の形態では、図2に示すように、環状凹部40の内側を環状の空間部42として、次の(1)から(3)で示すように、空間部42またはエンドプレート28に関係する寸法を規定している。
(1)まず、図2に示すように、ロータ10を構成した状態で、空間部42の内周の半径raを、コア部26に配置した複数の永久磁石34の内接円の半径rd(図3)よりも小さくしている(ra<rd)。
また、空間部42は、コア部26の軸方向両側面に対向する部分であり、かつ、複数の永久磁石34のすべての永久磁石34の軸方向端面のすべての部分と軸方向に対向する部分を含んでいる。
(2)そして、空間部42の、コア部26の軸方向側面からの軸方向寸法bが、コア部26の全周にわたり3mm以上の大きさを有するようにしている。すなわち、環状凹部40の軸方向の深さを、コア部26の全周にわたり3mm以上としている。
(3)また、エンドプレート28の外径をコア部26の外径よりも小さくし、コア部26の外周縁と各エンドプレート28の最外周縁部に位置する外周縁との間の、コア部26の径方向寸法cを2mm以上としている。
このような本実施の形態の電動機12は、複数相のステータコイル20を用いてステータ16に回転磁界を発生させることにより、ロータ10が、永久磁石34により生成される永久磁石生成トルクと、リラクタンストルクとにより回転駆動する。また、上記の(1)から(3)で説明したように、空間部42の内周の半径ra、空間部42の、コア部26の軸方向側面からの軸方向寸法b、コア部26の外周縁と各エンドプレート28の最外周縁部に位置する外周縁との間の、コア部26の径方向寸法cを上記のように規定することにより、コア部26からの漏洩磁束によるエンドプレート28での渦電流の発生を、より有効に抑制できる。
次に、この理由について詳しく説明する。まず、上記の(1)のように規定した理由について説明する。まず、図5に示すような、従来から考えられている従来例のロータ10aを用いて、エンドプレート28の外周縁の半径reと、このロータ10aにより構成する電動機で発生する渦電流損との関係を求めるために行った第1のシミュレーションを説明する。図5に示すように、第1のシミュレーションで用いた従来例のロータ10aは、上記の図1から図4に示した本実施の形態のロータ10で、エンドプレート28の外径をコア部26の外径と同じとし、かつ、各エンドプレート28に環状凹部40を形成していない構成と同様である。このような従来例のロータ10aと、上記の図1に示したステータ16と同様の構成を有するステータとを組み合わせることにより電動機を構成する。そして、このように構成した電動機を用いて、複数の永久磁石34の内接円の半径rd(図3参照)を一定とした場合で、エンドプレート28の外周縁の半径reを変えた、すなわち半径reをパラメータとした場合において、電動機で発生する渦電流損(W)を求める第1のシミュレーションを行った。なお、図5では、永久磁石34からの磁束が図5に矢印αで示すように流れて、永久磁石34からの軸方向への漏洩磁束がエンドプレート28に鎖交するため、エンドプレート28に渦電流が流れて渦電流損が発生する可能性がある。
図6は、このようにして行った第1のシミュレーションの結果を表している。図6に示すように、エンドプレート28の外周縁の半径reを、コア部26の外周縁の半径Rc(図5)から徐々に小さくするのにしたがって、渦電流損は徐々に小さくなる。ただし、エンドプレート28の外周縁の半径reが、永久磁石34の内接円の半径rdよりも小さくなると、渦電流損が小さくなる程度が急激に小さくなる、すなわちエンドプレート28の外周縁の半径reの減少に対する、渦電流の減少量が小さくなる。このため、本発明者は、上記の(1)で説明したように、空間部42(図2)の内周の半径raを、コア部26に配置した複数の永久磁石34の内接円の半径rd(図3)よりも小さくする(ra<rd)ことにより、電動機12(図1)に発生する渦電流損を十分に小さくできると考えた。本実施の形態では、このような理由から、空間部42の内周の半径raと、コア部26に配置した複数の永久磁石34の内接円の半径rdとの関係を規定している。
次に、上記の(2)のように規定した理由について説明する。まず、図1から図4に示した本実施の形態の電動機12と同様の構成を用いて、空間部42の軸方向距離bであり、コア部26の軸方向側面からエンドプレート28の環状凹部40の底面までの軸方向距離bである、エンドプレート・コア間距離bと、電動機12に発生する渦電流損との関係を求めるために行った第2のシミュレーションを説明する。エンドプレート・コア間距離bを変えるために、例えば、環状凹部40の深さを変えた。図7は、このような第2のシミュレーションの結果を表している。図7の「100%」、「50%」は、それぞれ渦電流損(W)の大きさを相対的に比率で表したもので、エンドプレート・コア間距離bが0である場合の渦電流損を100%とした場合の、渦電流損の割合を%で表している。図7に示すように、エンドプレート・コア間距離bが大きくなるほど渦電流損が小さくなり、エンドプレート・コア間距離bが3mm以上になると、エンドプレート・コア間距離bが0である場合に比べて約50%の大きさに十分に小さくなる。このため、本発明者は、上記の(2)で説明したように、空間部42の、コア部26の軸方向側面からの軸方向寸法bが、コア部26の全周にわたり3mm以上の大きさを有するようにすることにより、電動機12に発生する渦電流損を十分に小さくできると考えた。本実施の形態では、このような理由から、空間部42の、コア部26の軸方向側面からの軸方向寸法bを規定している。なお、図7に示すシミュレーション結果から分かるように、渦電流損が50%以下となるのが、エンドプレート・コア間距離bが3.5mm以上である場合である。このため、空間部42の、コア部26の軸方向側面からの軸方向寸法bは、より好ましくは、3.5mm以上とする。
次に、上記の(3)のように規定した理由について説明する。まず、上記の図5に示すような、従来から考えられている従来例のロータ10aを用いて、エンドプレート28の外周縁の半径reと、エンドプレート28を通過する磁束密度の変動幅との関係を求めるために行った第3のシミュレーションを説明する。第3のシミュレーションで用いた従来例のロータ10aは、上記の第1のシミュレーションの説明で説明した場合と同じである。このような従来例のロータ10aと、上記の図1に示したステータ16と同様の構成を有するステータとを組み合わせることにより電動機を構成する。そして、このように構成した電動機を用いて、コア部26の外周縁の半径Rcを一定とした場合で、エンドプレート28の外周縁の半径reを変えた場合において、エンドプレート28を通過する磁束密度の変動幅(T)を求める第3のシミュレーションを行った。
図8は、このようにして行った第3のシミュレーションの結果を表している。図8に示すように、エンドプレート28の外周縁の半径reを、コア部26の外周縁の半径Rcから小さくするのにしたがって、磁束密度の変動幅(T)は徐々に小さくなる。また、磁束密度の変動幅が小さくなると、エンドプレート28に渦電流が発生し難くなる。ただし、エンドプレート28の外周縁の半径reとコア部26の外周縁の半径Rcとの差が2mm以上になると、磁束密度の変動幅が小さくなる程度が急激に小さくなる、すなわちエンドプレートの外周縁の半径reの減少に対する、磁束密度の変動幅の減少量が小さくなる。具体的には、この場合には、磁束密度の変動幅の絶対値は、約0.1T以下と十分に小さくなる。このため、本発明者は、上記の(3)で説明したように、コア部26の外周縁と各エンドプレート28の最外周縁部に位置する外周縁との間の、コア部26の径方向寸法cを2mm以上とすることにより、電動機12(図1)に発生する渦電流損を十分に小さくできると考えた。本実施の形態では、このような理由から、コア部26の外周縁と各エンドプレート28の最外周縁部に位置する外周縁との間の、コア部26の径方向寸法cを規定している。このような理由から、本実施の形態によれば、永久磁石34からの軸方向への漏洩磁束がエンドプレート28に鎖交し難くなり、エンドプレート28における渦電流の発生をより有効に抑制できる。すなわち、永久磁石34からの軸方向への漏洩磁束が大きくなっても、漏洩磁束が鎖交する部分が、コア部26の軸方向側面からの軸方向寸法が十分に大きい空間部42となるため、渦電流損を低減でき、電動機12の性能向上を図れるとともに、ロータ10の発熱を少なくできる。
また、本実施の形態によれば、上記の特許文献1に記載された、エンドプレートにローレット加工を施して渦電流の発生を抑制するようにする場合と異なり、ローレット深さの大きいローレット加工を行う必要がなくなり、加工作業が単純になり、製造コストの低減を図れる。
[第2の発明の実施の形態]
図9は、本発明の第2の実施の形態の回転子において、コア部及びエンドプレートの円周方向一部を示す略斜視図である。図10は、図9のB−B断面を部分的に示す図である。本実施の形態の回転子であるロータの場合、上記の第1の実施の形態の場合と異なり、エンドプレート28aに環状凹部40(図1、図2参照)を設けていない。その代わりに、本実施の形態では、エンドプレート28aを構成し、中心部に中心孔38を有する円板状の本体部43と、本体部43の外周面の周方向複数個所に、径方向外側に突出するように設けた外側突部44とを備える。本体部43は、第1当接部に対応するもので、コア部26の軸方向側面のうち、コア部26の径方向に関して複数の永久磁石34よりも内径側部分と当接する。外側突部44は、それぞれ断面V字形に配置した一対ずつ複数組の永久磁石34の、各組の永久磁石34を配置した部分の周方向中央部の外径側に位置するコア部26の側面に対向させるように設けている。
また、図10に示すように、各外側突部44は、先端部に設けた、コア部26の軸方向側面に接する、第2当接部である抑え部46と、外側突部44の抑え部46からコア部26の径方向内側に外れた部分に設けた外側突部側凹部48とを有する。図10に示すように、外側突部側凹部48は、外側突部44の基端部から長さ方向中間部にわたる部分に設けて、コア部26の軸方向側面から離れるように凹んでいる。また、外側突部側凹部48の軸方向深さbを3mm以上としている。そして、この構成により、外側突部側凹部48の内側部分と、エンドプレート28aの周方向に関して隣り合う外側突部44の間部分とを含む部分により、第2空間部でもある空間部42aを構成している。したがって、空間部42aの、コア部26の軸方向側面からの軸方向寸法は、コア部26の全周にわたり3mm以上となっている。また、空間部42aは、コア部26に設けた複数の永久磁石34のすべての永久磁石34の、軸方向側面のすべての部分、または、複数の永久磁石34の軸方向側面の一部とコア部26の軸方向に対向する部分を含んでいる。また、各外側突部44に設けた抑え部46は、コア部26の軸方向側面のうち、コア部26の径方向に関して複数の永久磁石34の外径側、または複数の永久磁石34よりも外径側に位置する周方向の一部のみと当接している。また、外側突部44において、エンドプレート28aの最外周縁部に位置する外周縁である先端縁の外接円の直径を、コア部26の最外周の外径よりも小さくするとともに、各外側突部44の最外周となる先端縁の外接円の直径を、コア部26の最外周となる外周縁の外径よりも小さくしている。より具体的には、外側突部44の外周縁である先端縁と、コア部26の外周縁との間の径方向寸法c´を、2mm以上としている。
このような本実施の形態の場合も、上記の第1の実施の形態と同様に、永久磁石34からの軸方向への漏洩磁束がエンドプレート28aに鎖交し難くなり、エンドプレート28aにおける渦電流の発生をより有効に抑制できる。その他の構成及び作用については、上記の第1の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して、重複する図示及び説明を省略する。また、本実施の形態において、外側突部44の外周縁である先端縁と、コア部26の外周縁との間の径方向寸法c´を、2mm未満とすることもでき、その場合でも、外側突部44において、エンドプレート28aの最外周縁部に位置する外周縁である先端縁の外接円の直径を、コア部26の最外周の外径よりも小さくすることにより、永久磁石34からの軸方向への漏洩磁束をエンドプレート28aに鎖交し難くできる。
[第3の発明の実施の形態]
図11は、本発明の第3の実施の形態の回転子において、コア部及びエンドプレートの円周方向一部を示す略斜視図である。本実施の形態の回転子であるロータの場合には、上記の図9から図10に示した第2の実施の形態において、エンドプレート28bの外周縁に設けた複数の外側突部44の、周方向に隣り合う外側突部44の間部分にも、外側突部44と同形状の外側突部44aを設けている。すなわち、エンドプレート28bに設ける外側突部44,44aの総数を第2の実施の形態の場合よりも多くしている。また、このように構成することにより、それぞれ断面V字形に配置した一対ずつ複数組の永久磁石34の、各組の永久磁石34の間部分に対向する位置にも、外側突部44aが設けられる。その他の構成及び作用については、上記の第2の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して、重複する図示及び説明を省略する。なお、上記の図10から図11に示した第2の実施の形態及び第3の実施の形態においては、外側突部44の先端部を永久磁石34に接触しないようにしているが、外側突部44の先端部を、永久磁石34に接触させるように構成することもできる。
次に、本発明の発明者が、上記の図9から図10に示した第2の実施の形態と、図11に示した第3の実施の形態とを用いて、従来例に対する渦電流損の低減効果を確認するために行った第4のシミュレーションについて説明する。第4のシミュレーションは、上記の図5に示した従来例のロータ10aと、第2の実施の形態のロータと、第3の実施例のロータとを用いて、それぞれにより電動機を構成したものを用いて、電動機に発生する渦電流損(W)を求めた。従来例は、上記の図5に示した従来から考えられているロータ10であり、上記の第1のシミュレーションで説明したものと同様である。図12は、このようにして行った第4のシミュレーションの結果を表す図である。図12において、「従来例」は、従来例のロータ10a(図5)を用いて構成した回転電機の場合を、第2実施例は、第2の実施の形態のロータを用いて構成した回転電機の場合を、第3実施例は、第3の実施の形態のロータを用いて構成した回転電機の場合を、それぞれ表している。図12の結果から明らかなように、第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、従来例に対して大幅に渦電流損を低減できることを確認できた。
なお、上記の各実施の形態では、各エンドプレート28に、永久磁石34と対向するように環状凹部40または外側突部側凹部48を形成する場合について説明した。ただし、環状凹部40及び外側突部側凹部48の代わりに、エンドプレート28に軸方向に貫通する孔部を形成することもできる。また、各エンドプレートを、中心孔8を設けるが、環状凹部40等の凹部を形成しない円板状に形成し、各エンドプレートの外径をコア部26の外径よりも半径方向寸法で2mm以上全周にわたり小さくしたり、複数の永久磁石34の内接円の直径よりも小さくすることもできる。この場合には、各エンドプレートの外周面よりも外径側に、コア部26の軸方向側面からの軸方向寸法が全周にわたり3mm以上である空間部を形成できる。また、コア部26に設けた複数の永久磁石34の軸方向側面のすべての部分と軸方向に対向する部分に、コア部26の軸方向側面からの軸方向寸法が、コア部26の全周にわたり3mm以上である空間部42,42aを設けなくても、コア部26の外周縁と各エンドプレート28の最外周縁部に位置する外周縁との間の径方向寸法が2mm以上である構成を備えていればよい。逆に、コア部26の外周縁と各エンドプレート28の最外周縁部に位置する外周縁との間の径方向寸法が2mm以上である構成を備えていなくても、コア部26に設けた複数の永久磁石34の軸方向側面のすべての部分と軸方向に対向する部分に、コア部26の軸方向側面からの軸方向寸法が、コア部26の全周にわたり3mm以上である空間部を設けていればよい。ただし、これらの構成の場合は、上記の各実施の形態の場合に対して、渦電流の発生抑制効果が劣る可能性がある。
[第4の発明の実施の形態]
図13は、本発明の第4の実施の形態の回転子を備える回転電機である電動機の略断面図と、回転子側冷却水回路とを示す図である。本実施の形態の電動機12aでは、冷媒である冷却水により、回転子であるロータ10を冷却できるようにしている。このために、ロータ軸24と、エンドプレート28との内部に、それぞれ冷媒流路である、ロータ軸側冷却水流路50a,50bと、エンドプレート側冷却水流路52a,52bとを設けている。すなわち、ロータ軸24の軸方向両端寄り部分に、一端が軸方向端面に開口し、他端がロータ軸24の中間部外周面に開口する一対のロータ軸側冷却水流路50a,50bを設けている。ロータ軸側冷却水流路50a,50bは、冷却水の流れ方向中間部に曲げ部を有する。
また、エンドプレート側冷却水流路52a,52bは、各エンドプレート28に設けた環状凹部40と、環状凹部40の内周面の周方向一部に一端を接続し、他端をエンドプレート28の内周面に開口させた孔部54とにより構成している。孔部54の他端は、ロータ軸側冷却水流路50a,50bの他端に接続している。
また、ロータ鉄心30のうち、永久磁石34を挿入するための複数の孔部32の、永久磁石34の両側に存在する一対ずつの空隙部36(図3参照)により、コア部側冷却水流路を構成している。そして、コア部側冷却水流路と、ロータ軸側冷却水流路50a,50bと、エンドプレート側冷却水流路52a,52bとを接続することにより、ロータ側冷却水経路56を構成している。例えば、ロータ鉄心30に押し付けたエンドプレート側冷却水流路52a,52bを構成する環状凹部40の開口端を、ロータ鉄心30に設けた空隙部36に通じさせている。すなわち、ロータ側冷却水経路56は、各エンドプレート28に、永久磁石34と対向するように形成された環状凹部40の内側部分を含む。
そして、このようなロータ側冷却水経路56と、冷却水供給部である冷却水ポンプ58と、熱交換部60とを、配管等により接続することにより、冷却水回路62を構成している。冷却水ポンプ58は、冷却水入口Pに供給された冷却水を、冷却水出口Qから吐出する機能を有し、ロータ側冷却水経路56に冷却水を供給可能とする。また、熱交換部60は、外部を通過する空気と、内部を流れる冷却水とを熱交換し、コア部26を流れることにより温度上昇した冷却水を冷却する機能を有する。なお、ロータ軸24は、使用時に回転するため、ロータ軸側冷却水流路50a,50bと、ロータ軸24の軸方向端面に開口するロータ軸側冷却水流路50a,50bの端部に接続する配管とは、互いの相対回転を可能に接続する。例えば、ロータ軸24の軸方向端面に開口するロータ軸側冷却水流路50a,50bの端部開口内側に、冷却水回路62を構成する配管を挿入し、この端部開口内周面と配管の端部外周面との間にシールリング等の密封部材(図示せず)を設けて、密封部材を、ロータ軸24または配管に摺接させる。
このように構成する冷却水回路62により、冷却水ポンプ58から吐出された冷却水は、軸方向片側のロータ軸側冷却水流路50a、軸方向片側のエンドプレート側冷却水流路52a、コア部側冷却水流路、軸方向他側のエンドプレート側冷却水流路52b、軸方向他側のロータ軸側冷却水流路50bを、順に流れた後、熱交換部60に送られる。熱交換部60を流れることにより温度低下した冷却水は、再び冷却水ポンプ58に送られる。このようなサイクルを繰り返すことにより、冷却水が冷却水回路62を循環する。すなわち、冷却水回路62に冷却水は、図13に矢印で示す方向に流れる。このため、ロータ10の発熱、特に、永久磁石34の発熱が抑えられる。
このような本実施の形態によれば、各エンドプレート28と、ロータ軸24と、コア部26との内部とに設けられた冷却水流路52a,52b,50a,50bにより構成するロータ側冷却水経路56と、ロータ側冷却水経路56に冷却水を供給可能とする冷却水ポンプ58とを備える。また、ロータ側冷却水経路56は、各エンドプレート28に、永久磁石34と対向するように形成された環状凹部40の内側部分を含む。このため、渦電流の発生を抑制しつつ、ロータ10を冷却して、性能向上を図れる構造を、有効に実現できる。その他の構成及び作用については、上記の図1から図8に示した第1の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して、重複する図示及び説明を省略する。
なお、本実施の形態では、ロータ鉄心30に設けた永久磁石34を挿入する孔部32により構成する空隙部36(図3参照)により、コア部側冷却水流路を構成している。ただし、コア部側冷却水流路は、ロータ鉄心30の、永久磁石34を挿入する孔部32とは別の部分に設けた孔部により構成して、冷却水が永久磁石34に直接接触することなく、コア部26の内部を流れるようにすることもできる。また、本実施の形態では、冷媒として、冷却水を使用しているが、冷却油等の冷却水以外を使用することもできる。
[第5の発明の実施の形態]
図14は、本発明の第5の実施の形態の回転子を備える回転電機である電動機の略断面図と、回転子側冷却水回路とを示す図である。本実施の形態の電動機12bでは、上記の図13に示した第4の実施の形態において、ロータ軸側冷却水流路50cを、ロータ軸24の軸方向に設けた軸方向流路64と、軸方向流路64の軸方向中間部と奥端部とに放射状に連結するようにそれぞれ設けた複数の径方向流路66とにより構成している。そして、軸方向流路64の一端(図14の右端)を、冷却水ポンプ58の冷却水出口Qに、冷却水回路62aの一部である配管等を介して接続している。
また、各エンドプレート28において、環状凹部40の内径側の周方向複数個所に、径方向に伸びるように連結するように設けた径方向流路68の径方向内端と、ロータ軸24に設けた径方向流路66の径方向外端とを通じさせている。また、各エンドプレート28において、環状凹部40の底面の周方向複数個所に軸方向に貫通する孔部70を形成している。
また、ケーシング14の下端部の軸方向に離れた2個所位置に、ケーシング14の径方向に貫通する排出孔72を設けている。各排出孔72の下流端は、冷却水回路62aの一部である配管等を介して、熱交換部60に接続し、熱交換部60と冷却水ポンプ58の冷却水入口Pとを、冷却水回路62aの一部である配管等を介して接続している。そして、各エンドプレート28にそれぞれ設けた環状凹部40の内側部分と径方向流路68と孔部70と、ロータ軸24に設けたロータ軸側冷却水流路50cとにより、ロータ側冷却水経路56aを構成している。また、ロータ側冷却水経路56aと、冷却水ポンプ58と、熱交換部60とを、配管等により接続することにより冷却水回路62aを構成している。
冷却水回路62aにより、冷却水ポンプ58から吐出された冷却水は、ロータ軸側冷却水流路50c、各エンドプレート28にそれぞれ設けた径方向流路68、環状凹部40の内側部分、孔部70を順に流れた後、ケーシング14内のエンドプレート28外部に放出されて、ケーシング14内で下方に流れて、ケーシング14の排出孔72を通じて熱交換部60に送られる。続いて、冷却水は、熱交換部60から再び冷却水ポンプ58に送られる。このため、冷却水回路62aを流れる冷却水は、環状凹部40内で永久磁石34とコア部26とに接触し、永久磁石34とコア部26とを冷却する。このため、渦電流の発生を抑制しつつ、ロータ10を冷却して、性能向上を図れる構造を、有効に実現できる。また、この場合には、コア部26の内部に冷却水を流す必要がなくなる。その他の構成及び作用については、上記の図1から図8に示した第1の実施の形態、または、上記の図13に示した第4の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して、重複する図示及び説明を省略する。
また、図15は、第5の実施の形態において、エンドプレートの別例の一部を示す断面図である。図15に示すエンドプレート28では、図14に示した構造の場合と異なり、軸方向の孔部70(図14参照)の代わりに、環状凹部40の径方向外側の周方向複数個所に径方向の孔部74を設けることもできる。この場合には、環状凹部40に送られた冷却水は、径方向の孔部74を通じて径方向外側に噴出し、ケーシング14(図14参照)内で下方に流れて、ケーシング14の排出孔72(図14参照)から熱交換部60(図14参照)に送られる。その他の構成は、上記の図14に示した第4の実施の形態と同様である。
本発明の第1の実施形態の回転子を備える回転電機である電動機を示す略断面図である。 図1から回転子を取り出して示す略断面図である。 図2のA−A断面を部分的に示す図である。 図2の構成を構成するために、エンドプレートと、回転子の他の構成部材とを組み合わせる状態を示す図である。 従来から考えられている従来例の回転子を示す略断面図である。 第1のシミュレーションの結果を、図5の従来から考えられている構成において、コア部に設ける複数の永久磁石の内接円の半径を一定とした場合の、エンドプレートの半径と、電動機における渦電流損(W)との関係により示す図である。 第2のシミュレーションの結果を、エンドプレートとコア部との軸方向の間隔と、電動機における渦電流損(W)との関係により示す図である。 第3のシミュレーションの結果を、図5の従来から考えられている構成において、エンドプレートの半径と、エンドプレートにおける磁束密度の変動幅との関係により示す図である。 本発明の第2の実施の形態の回転子において、コア部及びエンドプレートの円周方向一部を示す略斜視図である。 図9のB−B断面を部分的に示す図である。 本発明の第3の実施の形態の回転子において、コア部及びエンドプレートの円周方向一部を示す略斜視図である。 第4のシミュレーションの結果を表す図である。 本発明の第4の実施の形態の回転子を備える回転電機である電動機の略断面図と、回転子側冷却水回路とを示す図である。 本発明の第5の実施の形態の回転子を備える回転電機である電動機の略断面図と、回転子側冷却水回路とを示す図である。 第5の実施の形態において、エンドプレートの別例の一部を示す断面図である。
符号の説明
10,10a ロータ、12,12a,12b 電動機、14 ケーシング、16 ステータ、18 ステータ鉄心、20 ステータコイル、22 ティース、24 ロータ軸、26 コア部、28,28a,28b エンドプレート、30 ロータ鉄心、32 孔部、34 永久磁石、36 空隙部、38 中心孔、40 環状凹部、42,42a 空間部、43 本体部、44,44a 外側突部、46 抑え部、48 外側突部側凹部、50a,50b,50c ロータ軸側冷却水流路、52a,52b エンドプレート側冷却水流路、54 孔部、56,56a ロータ側冷却水経路、58 冷却水ポンプ、60 熱交換部、62,62a 冷却水回路、64 軸方向流路、66 径方向流路、68 径方向流路、70 孔部、72 排出孔、74 孔部。

Claims (8)

  1. 回転子軸の軸方向中間部外径側に設けられ、周方向複数個所に永久磁石が配置されたコア部と、
    コア部の軸方向両側にコア部を挟むように設けられた一対のエンドプレートと、を備える回転電機の回転子であって、
    コア部の軸方向両側面に対向する部分であり、複数の永久磁石の軸方向側面のすべての部分と対向する部分を含み、コア部の軸方向両側面からの軸方向寸法がコア部の全周にわたり3mm以上である空間部を備えることを特徴とする回転電機の回転子。
  2. 請求項1に記載の回転電機の回転子において、
    各エンドプレートのコア部と対向する軸方向片側面に、永久磁石と対向するように環状の凹部を形成していることを特徴とする回転電機の回転子。
  3. 請求項1に記載の回転電機の回転子において、
    エンドプレートの外周面の周方向複数個所に径方向外側に突出するように設けられた外側突部を備え、
    外側突部は、
    先端部に設けられて、コア部の軸方向側面に接する抑え部と、
    外側突部の抑え部からコア部の径方向に外れた部分に設けられて、コア部の軸方向側面から離れるように凹んだ外側突部側凹部と、を有し、
    外側突部側凹部の軸方向深さを3mm以上とすることにより、外側突部側凹部の内側部分と、周方向に関して隣り合う外側突部の間部分とを含む部分を空間部としていることを特徴とする回転電機の回転子。
  4. 回転子軸の軸方向中間部外径側に設けられ、周方向複数個所に永久磁石が配置されたコア部と、
    コア部の軸方向両側にコア部を挟むように設けられた一対のエンドプレートと、を備える回転電機の回転子であって、
    コア部の外周縁と各エンドプレートの最外周縁部に位置する外周縁との間の径方向寸法は、2mm以上であることを特徴とする回転電機の回転子。
  5. 請求項4に記載の回転電機の回転子において、
    エンドプレートの外周面の周方向複数個所に径方向外側に突出するように設けられた外側突部を備え、
    外側突部において、エンドプレートの最外周縁部に位置する外周縁である先端縁と、コア部の外周縁との間の径方向寸法は、2mm以上であることを特徴とする回転電機の回転子。
  6. 回転子軸の軸方向中間部外径側に設けられ、周方向複数個所に永久磁石が配置されたコア部と、
    コア部の軸方向両側にコア部を挟むように設けられた一対のエンドプレートと、を備える回転電機の回転子であって、
    コア部の軸方向両側面に対向する部分であり、複数の永久磁石の軸方向側面のすべての部分と対向する部分を含み、コア部の軸方向両側面からの軸方向寸法が3mm以上である空間部を備え、
    コア部の外周縁と各エンドプレートの最外周縁部に位置する外周縁との間の径方向寸法は、2mm以上であることを特徴とする回転電機の回転子。
  7. 回転子軸の軸方向中間部外径側に設けられ、周方向複数個所に永久磁石が配置されたコア部と、
    コア部の軸方向両側にコア部を挟むように設けられた一対のエンドプレートと、を備える回転電機の回転子であって、
    エンドプレートは、
    コア部の軸方向側面のうち、径方向に関して複数の永久磁石よりも内径側部分と当接する第1当接部と、
    コア部の軸方向側面のうち、径方向に関して複数の永久磁石の外径側、または複数の永久磁石よりも外径側に位置する周方向の一部のみと当接する第2当接部と、
    複数の永久磁石の軸方向側面の少なくとも一部と対向する第2空間部とを備え、
    第2当接部の最外周となる外周縁の外接円の直径をコア部の最外周の外径よりも小さくしたことを特徴とする回転電機の回転子。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1に記載の回転電機の回転子において、
    各エンドプレートと、回転子軸と、コア部との内部とに設けられた流路により構成する冷媒経路と、
    冷媒経路に冷媒を供給可能とする冷媒供給部とを備え、
    冷媒経路は、各エンドプレートに、永久磁石と対向するように形成された凹部の内側部分を含むことを特徴とする回転電機の回転子。
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