JP2014216184A - リチウム空気電池およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】充放電の動作条件における分解が抑制された電解液を有するリチウム空気電池およびリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】酸素を正極活物質とする正極11と、リチウムイオンの吸蔵と放出とが可能な負極活物質を有する負極12と、正極11および負極12に挟持された電解液と、を有し、電解液は、非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体を含み、非環式四級アンモニウムカチオンが有する四級窒素原子は、エーテル結合を有する置換基が少なくとも1つ結合し、置換基のエーテル結合に含まれる酸素原子と、四級窒素原子とが、1つの炭素原子を介して結合しているリチウム空気電池1。【選択図】図1
Description
本発明は、リチウム空気電池およびリチウムイオン二次電池に関するものである。
近年、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車(PHEV)に用いられる蓄電池について、性能向上の検討が盛んに行われている。このような蓄電池としては、例えば、実用化されているリチウムイオン二次電池(例えば、特許文献1〜3参照)や、リチウムイオン二次電池と比して5倍以上の非常に高いエネルギー密度を誇る次世代の蓄電池として注目されているリチウム空気電池がある。
ここで、リチウム空気電池およびリチウムイオン二次電池に共通する課題として、電極内または電極近傍における電解液の分解が挙げられる。このような電解液の分解は、充放電時に、電解液に含まれる溶媒が電気的に酸化または還元されることにより起こることが知られている。
充放電時において電解液が分解されると、分解生成物である各種のガスが発生し、容量の低下や電池パックの膨らみ等を生じ、その結果、種々の性能が劣化につながる。
上記特許文献1〜3においては、電解液において、イオン液体(イオン性液体)または常温溶融塩と呼ばれる、常温で液状を呈する塩が用いられているが、これまで、イオン液体について酸化反応耐性や還元反応耐性を向上させる検討はなされてこなかった。
さらに、リチウム空気電池は、正極(空気極)における活物質が酸素であるため、充電時には、強力な求核剤であるO2 −ラジカルが発生する。そのため、リチウム空気電池の電解液には、リチウム二次電池よりも一層強い還元反応耐性が求められる。
このような課題に対し、これまで、電解液について、リチウム空気電池およびリチウムイオン二次電池の充放電の動作条件における分解を抑制する検討がなされて来たが、さらなる改善が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、充放電の動作条件における分解が抑制された電解液を有するリチウム空気電池およびリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、酸素を正極活物質とする正極(例えば、実施形態における正極11)と、リチウムイオンの吸蔵と放出とが可能な負極活物質を有する負極(例えば、実施形態における負極12)と、前記正極および前記負極に挟持された電解液(例えば、実施形態におけるセパレータ13に含浸される電解液)と、を有し、前記電解液は、非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体を含み、前記非環式四級アンモニウムカチオンが有する四級窒素原子は、エーテル結合を有する置換基が少なくとも1つ結合し、前記置換基の前記エーテル結合に含まれる酸素原子と、前記四級窒素原子とが、1つの炭素原子を介して結合しており、前記置換基は、炭素原子を3以上含むリチウム空気電池(例えば、実施形態におけるリチウム空気電池1)を提供する。
本発明の一態様においては、前記四級窒素原子は、前記置換基が2以上結合している構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記四級窒素原子は、前記置換基が4つ結合している構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記置換基は、炭素数1から3のアルコキシ基を含むアルコキシメチル基である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記電解液は、有機溶媒をさらに含む構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記有機溶媒は、下記式(4)で示される溶媒を有する構成としてもよい。
(ただし、x=1〜3の整数、m,n=1〜2x+1の整数、a,b=0〜2の整数であり、m+n+a+b≧3である。)
また、本発明の一態様は、リチウムイオンの吸蔵と放出とが可能な正極活物質を有する正極(例えば、実施形態における正極21)と、リチウムイオンの吸蔵と放出とが可能な負極活物質を有する負極(例えば、実施形態における負極22)と、前記正極および前記負極に挟持された電解液(例えば、実施形態におけるセパレータ23に含浸される電解液)と、を有し、前記電解液は、非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体を含み、前記非環式四級アンモニウムカチオンが有する四級窒素原子は、エーテル結合を有する置換基が少なくとも1つ結合し、前記置換基の前記エーテル結合に含まれる酸素原子と、前記四級窒素原子とが、1つの炭素原子を介して結合しており、前記置換基は、炭素原子を3以上含むリチウムイオン二次電池(例えば、実施形態におけるリチウムイオン二次電池2)を提供する。
本発明の一態様においては、前記四級窒素原子は、前記置換基が2以上結合している構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記四級窒素原子は、前記置換基が4つ結合している構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記置換基は、炭素数1から3のアルコキシ基を含むアルコキシメチル基である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記電解液は、有機溶媒をさらに含む構成としてもよい。
請求項1に記載した発明によれば、充放電の動作条件における分解が抑制された電解液を有するため、サイクル特性に優れ信頼性の高いリチウム空気電池を提供することができる。
請求項2〜4に記載した発明によれば、優れた還元耐性を有する溶媒を用いた電解液を有するため、サイクル特性に優れ信頼性の高いリチウム空気電池を提供することができる。
請求項5,6に記載した発明によれば、イオン液体の固化を抑制し、電解液の粘度を低下させることができるため、安定した動作を実現したリチウム空気電池を提供することができる。
請求項7に記載した発明によれば、充放電の動作条件における分解が抑制された電解液を有するため、サイクル特性に優れ信頼性の高いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
請求項8〜10に記載した発明によれば、優れた還元耐性を有する溶媒を用いた電解液を有するため、サイクル特性に優れ信頼性の高いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
請求項11,12に記載した発明によれば、イオン液体の固化を抑制し、電解液の粘度を低下させることができるため、安定した動作を実現したリチウムイオン二次電池を提供することができる。
[第1実施形態]
以下、図を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るリチウム空気電池について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
以下、図を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るリチウム空気電池について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
図1は、本実施形態のリチウム空気電池を示す模式図である。リチウム空気電池1は、正極11、負極12、セパレータ13およびこれらを収容する不図示の筐体を有する。セパレータ13には、電解液が含浸されている。
(正極)
正極11は、正極触媒層14と正極集電体15とを有している。正極触媒層14は、正極活物質である酸素を取り込み、活物質として機能させる層である。正極触媒層14としては、多孔質炭素を用いることができる。
正極11は、正極触媒層14と正極集電体15とを有している。正極触媒層14は、正極活物質である酸素を取り込み、活物質として機能させる層である。正極触媒層14としては、多孔質炭素を用いることができる。
正極集電体15は、正極触媒層14に接し、正極触媒層14においてセパレータ13側とは反対側に設けられている。また、正極集電体15には、外部の構成に電気的に接続するための端子16が接続されている。正極集電体15は、導電性を有する金属材料やカーボン等を形成材料としている。正極集電体15は、網状や格子状であってもよい。
また、正極集電体15の外側(正極触媒層14とは反対側)には、酸素拡散膜を有することとしてもよい。酸素拡散膜としては、大気中の酸素を好適に透過できる膜であれば用いることができ、例えば、樹脂製の不織布又は多孔質膜を挙げることができる。
(負極)
負極12は、負極触媒層17と負極集電体18とを有している。負極触媒層17は、負極活物質を含有する層である。負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出することが可能な、負極活物質として通常知られた物質が用いられ、例えば、金属リチウムを挙げることができる。
負極12は、負極触媒層17と負極集電体18とを有している。負極触媒層17は、負極活物質を含有する層である。負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出することが可能な、負極活物質として通常知られた物質が用いられ、例えば、金属リチウムを挙げることができる。
負極集電体18は、負極触媒層17に接し、負極触媒層17においてセパレータ13側とは反対側に設けられている。また、負極集電体18には、外部の構成に電気的に接続するための端子19が接続されている。負極集電体18としては、正極集電体15と同じものを用いることができる。
(セパレータ)
正極触媒層14と負極触媒層17とは、対向して配置され、これらの間は、正極触媒層14と負極触媒層17とに接するようにセパレータ13が配置されている。セパレータ13は、正極と負極との接触を抑制し、短絡を防止する機能を有する。
正極触媒層14と負極触媒層17とは、対向して配置され、これらの間は、正極触媒層14と負極触媒層17とに接するようにセパレータ13が配置されている。セパレータ13は、正極と負極との接触を抑制し、短絡を防止する機能を有する。
セパレータ13は、電解液に含まれる電解質が移動可能な絶縁材料を形成材料としており、例えば、樹脂製の不織布や多孔質膜を挙げることができる。
(電解液:イオン液体)
セパレータ13に含浸される電解液は、非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体を有している。
セパレータ13に含浸される電解液は、非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体を有している。
このようなイオン液体としては、非環式四級アンモニウムカチオンが有する四級窒素原子に、エーテル結合を有する置換基が少なくとも1つ結合し、置換基のエーテル結合に含まれる酸素原子と、四級窒素原子とが、1つの炭素原子を介して結合している構造を有しているものが用いられる。
ここで、上記非環式四級アンモニウムカチオンが「非環式」であるとは、四級窒素原子を含む環構造を有さないことを指す。
このような非環式四級アンモニウムカチオンとしては、例えば、下記式(1)で表される非環式四級アンモニウムカチオンを示すことができる。
R4は、水素原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基からなる群から選ばれる基である。
R5は、炭素数1から4のアルキル基である。
ただし、−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基は、炭素原子を3以上含む)
式(1)において、−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基が、本発明における「エーテル結合を有する置換基」に該当する。
式(1)で表される非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体は、エーテル結合を有する置換基(アルコキシメチル基)を有しているため、エーテル結合を有していないものと比べ、イオン液体の粘性が低下することが期待できる。
また、式(1)で表される非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体は、四級窒素原子に、−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基が結合し、N+−C−O−Cという構造(N+は、四級窒素原子を示す)を有している。そのため、フロンティア軌道理論で定義されるLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital; 最低空分子軌道)のエネルギー準位ELUMOが向上し、電子を受け取りにくくなる。そのため、N+−C−O−Cという結合を有さないイオン液体と比べ、還元耐性が向上する。
式(1)における炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基は、直鎖状であってもよく、分岐していてもよい。
式(1)における四級窒素原子には、上述の−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基が2以上結合していることとしてもよい。−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基の数は、2が好ましく、3がより好ましく、4、すなわち式(1)における四級窒素原子に結合するすべての置換基が、−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基であることが最も好ましい。−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基の数が増加するほど、式(1)の非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体は、還元耐性が一層高い化合物となり、より信頼性の高いリチウム空気電池を提供することができる。
R4は、炭素数1から4のアルコキシ基であることが好ましい。すなわち、式(1)の非環式四級アンモニウムカチオンは、四級窒素原子に結合するエーテル結合を有する置換基が、2つのアルコキシ基を有する分岐構造を有していることが好ましい。このような構造であると、式(1)の非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体は、還元耐性が一層高い化合物となり、より信頼性の高いリチウム空気電池を提供することができる。
このように、本明細書において「アルコキシメチル基」とは、メチル基の水素原子を1または2のアルコキシ基で置換した基を指す。
R4として選択し得るアルコキシ基、およびR5のアルキル基は、炭素数が1から3であることが好ましい。このような構造であると、式(1)の非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体は、還元耐性が一層高い化合物となり、より信頼性の高いリチウム空気電池を提供することができる。
上記イオン液体は、式(1)で表される非環式四級アンモニウムカチオンの対イオンとして、一価のアニオンを含む。このようなアニオンとしては、例えば、下記式(2)(3)で表される構造のアニオンを好適に用いることができる。
上記イオン液体においては、アニオン種を適宜選択することにより、イオン液体の固化を抑制し、電解液の粘度を低下させることができる。
(電解液:溶媒)
また、電解液は、上記イオン液体を主として用いながら、有機溶媒をさらに含むこととしてもよい。一般に、イオン液体は固化しやすい性質を有しているが、電解液が有機溶媒を含むこととすることにより、イオン液体の固化を抑制し、電解液の粘度を低下させることができる。
また、電解液は、上記イオン液体を主として用いながら、有機溶媒をさらに含むこととしてもよい。一般に、イオン液体は固化しやすい性質を有しているが、電解液が有機溶媒を含むこととすることにより、イオン液体の固化を抑制し、電解液の粘度を低下させることができる。
有機溶媒としては、電解液に用いられる溶媒として通常知られたものを例示することができる。例えば、ジメチルエーテル(DME)のような鎖状エーテル、エチレンカーボネートのような環状炭酸エステル、ジエチルカーボネートのような鎖状炭酸エステルを挙げることができる。
また、これらの有機溶媒に含まれる水素原子の1以上を、フッ素原子で置換したフッ化物であってもよい。
また、これらの有機溶媒に含まれる水素原子の1以上を、フッ素原子で置換したフッ化物であってもよい。
さらに、本実施形態のリチウム空気電池においては、電解液に用いる溶媒として、下記式(4)で表される溶媒を採用することとしてもよい。
リチウム空気電池では、正極(空気極)における活物質が酸素であるため、正極近傍では電池反応において強力な求核剤であるO2 −ラジカルが発生する。このO2 −ラジカルは、正極近傍で電解液中の溶媒を還元し、劣化を起こさせる主原因となっている。従って、リチウム空気電池において、充放電の動作条件における分解を抑制するためには、高い酸化耐性に加え、高い還元耐性が求められる。
式(4)で表される溶媒は、フッ素原子により置換され、m+n+a+b≧3、すなわち一分子内にフッ素原子を3以上有する。フッ素原子により置換されているため、フロンティア軌道理論で定義されるHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital; 最高被占分子軌道)のエネルギー準位EHOMOが低下し、電子を放出しにくくなる。すなわち、溶媒分子が安定化する。そのため、無置換のジエーテルと比べ、酸化耐性が向上する。
また、式(4)で表される溶媒は、エーテル結合(−C−O−C−)を分子内に2つ有するジエーテルである。
エーテル結合数が1であると、得られる化合物の分子構造が小さいため、電子状態が不安定化し、酸化還元耐性が低下すると考えられる。また、エーテル結合数が3以上となると、分子軌道が拡大し、特に還元耐性の低下が考えられる。対して、上記式(4)で表される溶媒は、エーテル結合数が2であるため、酸化還元耐性が高いものとなる。
また、式(4)で表される溶媒は、エーテル結合の酸素原子から分子末端に伸びる炭素原子数が1〜3のいずれかである。分子末端に伸びる炭素原子数が4以上である溶媒は、分子軌道の拡大に伴って、還元耐性が低下するおそれがあるが、上記式(4)で表される溶媒では、このような還元耐性の低下が抑制される。
また、式(4)で表される溶媒は、両末端において炭素数が等しく、分子構造から水素およびフッ素原子を除いた炭素骨格が対称性を有している。このような対象構造を有する分子は、炭素骨格が非対称である分子と比べ、分子構造の電子状態が安定となり、特に酸化耐性が高いものとなる。
このような溶媒を有する電解液は、酸化還元耐性が高いことから、本実施形態のリチウム空気電池において、充放電の動作条件における分解を抑制することができる。
なお、上記式(4)で表される溶媒において、両分子末端の炭素原子に結合するフッ素原子は、それぞれ2または3であることが好ましい。このような構造であると、酸化還元耐性が一層高い化合物となり、より信頼性の高いリチウム空気電池を提供することができる。
上記式(4)で表される溶媒においては、m+n+a+b≧6、すなわち一分子内にフッ素原子を6以上有する構造であることが好ましい。このような構造であると、酸化還元耐性が一層高い化合物となり、より信頼性の高いリチウム空気電池を提供することができる。
(電解液:電解質)
また、電解液は、リチウムイオンを生じるリチウム塩を含む。電解液に含まれる電解質としては、例えば、LiClO4、LiBF4や、LiTFSI(Lithium Bis(Trifluoromethanesulfonyl)Imide;リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)のようなイオン液体を挙げることができる。
また、電解液は、リチウムイオンを生じるリチウム塩を含む。電解液に含まれる電解質としては、例えば、LiClO4、LiBF4や、LiTFSI(Lithium Bis(Trifluoromethanesulfonyl)Imide;リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)のようなイオン液体を挙げることができる。
(酸化還元耐性の評価)
上記式(1)で表される非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体の酸化還元耐性については、実際にリチウム空気電池のセルを組み立て、サイクル特性や発生するガス量を測定することで、評価することとしてもよいが、下記のような理論計算によっても評価することができる。
上記式(1)で表される非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体の酸化還元耐性については、実際にリチウム空気電池のセルを組み立て、サイクル特性や発生するガス量を測定することで、評価することとしてもよいが、下記のような理論計算によっても評価することができる。
すなわち、従来の電解液が有している課題である酸化還元耐性について、酸化反応や還元反応における電子の授受に着目すると、還元反応とは外部から電子を受け取る反応であり、酸化反応とは外部へ電子を放出する反応である。つまり、酸化還元反応とは電子の授受反応に置き換えることができる。
あるイオン液体において、フロンティア軌道理論で定義されるHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital; 最高被占分子軌道)のエネルギー準位EHOMO、およびLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital; 最低空分子軌道)のエネルギー準位ELUMOを考えると、充放電の電位と電解液(イオン液体)のEHOMO、ELUMOとは、次のような関係にあるといえる。
すなわち、あるイオン液体において、充電時の電位がELUMO以上となると、そのイオン液体は還元(電子を受け取る)反応を起こすと言える。
一方、放電時の電位がEHOMO以下となると、そのイオン液体は酸化(電子を放出する)反応を起こすと言える。
一方、放電時の電位がEHOMO以下となると、そのイオン液体は酸化(電子を放出する)反応を起こすと言える。
このように考えると、ELUMOが高いイオン液体ほど、電子を受け取りにくく還元耐性が高いと評価することができる。
EHOMOが低いイオン液体ほど、電子を放出しにくく酸化耐性が高いと評価することができる。
EHOMOが低いイオン液体ほど、電子を放出しにくく酸化耐性が高いと評価することができる。
本発明においては、イオン液体のELUMOおよびEHOMOは、公知文献(J. Chem. Phys. 133, 174101 (2010).)に記載された第一原理手法である長距離補正密度汎関数(LC-DFT法; Long-range-Corrected Density Functional Theory)を用いて計算した。計算においては、密度汎関数としてLC−BOPを使用し、基底関数としてcc−pVDZを使用した。
上記式(1)で表される非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体は、上記計算により得られるELUMOに基づいて評価することにより、従来知られたリチウムイオン二次電池で汎用されているイオン液体やエステル化合物やエーテル化合物よりも還元耐性が高いと評価することができる。
以上のような構成のリチウム空気電池によれば、電解液が上述の非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体を有するため、充放電の動作条件における分解が抑制されたものとなる。
[第2実施形態]
図2は、本発明の第2実施形態に係るリチウムイオン二次電池の説明図である。
図に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池2は、正極21、負極22、セパレータ23およびこれらを収容する不図示の筐体を有する。セパレータ23には、電解液が含浸されている。
図2は、本発明の第2実施形態に係るリチウムイオン二次電池の説明図である。
図に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池2は、正極21、負極22、セパレータ23およびこれらを収容する不図示の筐体を有する。セパレータ23には、電解液が含浸されている。
(正極)
正極21は、正極触媒層24と正極集電体25とを有している。正極触媒層24は、正極活物質を含有する層である。正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出することが可能な、正極活物質として通常知られた物質が用いられ、例えば、リチウム複合金属酸化物であるコバルト酸リチウムを用いることができる。
正極21は、正極触媒層24と正極集電体25とを有している。正極触媒層24は、正極活物質を含有する層である。正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出することが可能な、正極活物質として通常知られた物質が用いられ、例えば、リチウム複合金属酸化物であるコバルト酸リチウムを用いることができる。
正極集電体25は、正極触媒層24に接し、正極触媒層24においてセパレータ23側とは反対側に設けられている。また、正極集電体25には、外部の構成に電気的に接続するための端子26が接続されている。正極集電体25は、上述の第1実施形態で示したものと同様の構成を採用することができる。
(負極)
負極22は、負極触媒層27と負極集電体28とを有している。負極触媒層27は、負極活物質を含有する層である。負極活物質としては、正極よりも低い電位でリチウムイオンの吸蔵および放出することが可能な、負極活物質として通常知られた物質が用いられ、例えば、グラファイトを挙げることができる。
負極22は、負極触媒層27と負極集電体28とを有している。負極触媒層27は、負極活物質を含有する層である。負極活物質としては、正極よりも低い電位でリチウムイオンの吸蔵および放出することが可能な、負極活物質として通常知られた物質が用いられ、例えば、グラファイトを挙げることができる。
負極集電体28は、負極触媒層27に接し、負極触媒層27においてセパレータ23側とは反対側に設けられている。また、負極集電体28には、外部の構成に電気的に接続するための端子29が接続されている。負極集電体28としては、正極集電体25と同じものを用いることができる。
(セパレータ・電解液)
正極触媒層24と負極触媒層27とは、対向して配置され、これらの間は、正極触媒層24と負極触媒層27とに接するようにセパレータ23が配置されている。セパレータ23としては、上述の第1実施形態で示したものと同様の構成を採用することができる。
正極触媒層24と負極触媒層27とは、対向して配置され、これらの間は、正極触媒層24と負極触媒層27とに接するようにセパレータ23が配置されている。セパレータ23としては、上述の第1実施形態で示したものと同様の構成を採用することができる。
(電解液)
セパレータ23は、電解液を含浸している。電解液としては、上述の第1実施形態で示したものと同様の構成を採用することができ、非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体を有している。イオン液体としては、非環式四級アンモニウムカチオンが有する四級窒素原子に、エーテル結合を有する置換基が少なくとも1つ結合し、置換基のエーテル結合に含まれる酸素原子と、四級窒素原子とが、1つの炭素原子を介して結合している構造を有しているものが用いられる。
セパレータ23は、電解液を含浸している。電解液としては、上述の第1実施形態で示したものと同様の構成を採用することができ、非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体を有している。イオン液体としては、非環式四級アンモニウムカチオンが有する四級窒素原子に、エーテル結合を有する置換基が少なくとも1つ結合し、置換基のエーテル結合に含まれる酸素原子と、四級窒素原子とが、1つの炭素原子を介して結合している構造を有しているものが用いられる。
このようなイオン液体を有する電解液は、還元耐性が高いことから、第1実施形態のリチウム空気電池と同様に、リチウムイオン二次電池の充放電においても、分解を抑制することができる。
イオン液体の非環式四級アンモニウムカチオンにおいて、四級窒素原子に結合する「エーテル結合を有する置換基」の数は、2が好ましく、3がより好ましく、4、すなわち式(1)の四級窒素原子に結合するすべての置換基が、「エーテル結合を有する置換基」であることが最も好ましい。「エーテル結合を有する置換基」の数が増加するほど、非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体は、還元耐性が一層高い化合物となり、より信頼性の高いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
イオン液体の非環式四級アンモニウムカチオンにおいて、四級窒素原子に結合する「エーテル結合を有する置換基」は、2つのアルコキシ基を有する分岐構造を有していることが好ましい。このような構造であると、非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体は、還元耐性が一層高い化合物となり、より信頼性の高いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
イオン液体の非環式四級アンモニウムカチオンにおいて、エーテル結合に含まれる酸素原子に結合するアルキル基は、炭素数が1から3であることが好ましい。このような構造であると、非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体は、還元耐性が一層高い化合物となり、より信頼性の高いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
また、電解液は、上記イオン液体を主として用いながら、有機溶媒をさらに含むこととしてもよい。一般に、イオン液体は固化しやすい性質を有しているが、電解液が有機溶媒を含むこととすることにより、イオン液体の固化を抑制し、電解液の粘度を低下させることができる。有機溶媒としては、上述の第1実施形態で示したものと同様の構成を採用することができる。
以上のような構成のリチウムイオン二次電池によれば、電解液が上述の非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体を有するため、充放電の動作条件における分解が抑制されたものとなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
[実施例]
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例において、イオン液体が有するカチオンのELUMOおよびEHOMOは、J. Chem. Phys. 133, 174101 (2010).に記載された第一原理手法である、長距離補正密度汎関数(LC-DFT法; Long-range-Corrected Density Functional Theory)を用いて計算した。計算においては、密度汎関数としてLC−BOPを使用し、基底関数としてcc−pVDZを使用した。
上記計算方法にて、以下の実施例1〜7、参考例1,2、比較例1のカチオンについてエネルギー準位を計算し、各イオン液体に含まれるカチオンのELUMOおよびEHOMOを比較した。
(実施例1)
以下の式(5)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2,R3がエチル基、R4がメトキシ基、R5がメチル基である非環式四級アンモニウムカチオンである。
以下の式(5)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2,R3がエチル基、R4がメトキシ基、R5がメチル基である非環式四級アンモニウムカチオンである。
(実施例2)
以下の式(6)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2がエチル基、R3がメトキシメチル基、R4がメトキシ基、R5がメチル基である非環式四級アンモニウムカチオンである。
以下の式(6)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2がエチル基、R3がメトキシメチル基、R4がメトキシ基、R5がメチル基である非環式四級アンモニウムカチオンである。
(実施例3)
以下の式(7)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2、R3がメトキシメチル基、R4がメトキシ基、R5がメチル基である非環式四級アンモニウムカチオンである。
以下の式(7)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2、R3がメトキシメチル基、R4がメトキシ基、R5がメチル基である非環式四級アンモニウムカチオンである。
(実施例4)
以下の式(8)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1が−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基、R2,R3がメトキシメチル基、R4がメトキシ基、R5がメチル基である非環式四級アンモニウムカチオンである。
以下の式(8)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1が−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基、R2,R3がメトキシメチル基、R4がメトキシ基、R5がメチル基である非環式四級アンモニウムカチオンである。
(実施例5)
以下の式(9)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2,R3がエチル基、R4が水素原子、R5がエチル基(−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基がエトキシメチル基)である非環式四級アンモニウムカチオンである。
以下の式(9)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2,R3がエチル基、R4が水素原子、R5がエチル基(−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基がエトキシメチル基)である非環式四級アンモニウムカチオンである。
(実施例6)
以下の式(10)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2,R3がエチル基、R4が水素原子、R5がプロピル基(−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基がプロポキシメチル基)である非環式四級アンモニウムカチオンである。
以下の式(10)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2,R3がエチル基、R4が水素原子、R5がプロピル基(−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基がプロポキシメチル基)である非環式四級アンモニウムカチオンである。
(実施例7)
以下の式(11)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2,R3がエチル基、R4が水素原子、R5がブチル基(−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基がブトキシメチル基)である非環式四級アンモニウムカチオンである。
以下の式(11)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2,R3がエチル基、R4が水素原子、R5がブチル基(−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基がブトキシメチル基)である非環式四級アンモニウムカチオンである。
(参考例1)
以下の式(12)で表されるカチオンであり、環式四級アンモニウムイオンであるN−メチル−N−プロピルピペリジニウムイオン(PP13+)である。
以下の式(12)で表されるカチオンであり、環式四級アンモニウムイオンであるN−メチル−N−プロピルピペリジニウムイオン(PP13+)である。
(参考例2)
以下の式(13)で表されるカチオンであり、環式四級アンモニウムイオンである1-エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン(EMI)である。
以下の式(13)で表されるカチオンであり、環式四級アンモニウムイオンである1-エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン(EMI)である。
(比較例1)
以下の式(14)で表されるカチオンであり、非環式第四級アンモニウムカチオンであるN,N−ジエチル−N−メチル−N−2−メトキシエチルアンモニウムイオンである。四級窒素原子とエーテル結合の酸素原子とが2つの炭素原子を介して結合している。
以下の式(14)で表されるカチオンであり、非環式第四級アンモニウムカチオンであるN,N−ジエチル−N−メチル−N−2−メトキシエチルアンモニウムイオンである。四級窒素原子とエーテル結合の酸素原子とが2つの炭素原子を介して結合している。
(比較例2)
以下の式(15)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2,R3がエチル基、R4が水素原子、R5がメチル基(−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基がメトキシメチル基)である非環式四級アンモニウムカチオンである。
以下の式(15)で表されるカチオンであり、上記式(1)において、R1がメチル基、R2,R3がエチル基、R4が水素原子、R5がメチル基(−CHR4−O−R5で表されるアルコキシメチル基がメトキシメチル基)である非環式四級アンモニウムカチオンである。
(合成方法)
本発明に係るイオン液体は、一例として以下式(16)(17)により合成することができる。
本発明に係るイオン液体は、一例として以下式(16)(17)により合成することができる。
まず、式(16)に示すように、ニトリル化合物を水素およびPd担持触媒の存在下反応させることで、3級アミンを得る。
次いで、式(17)に示すように、得られた3級アミンとハロゲン化物とを反応させることで、4級アンモニウムハライド塩を得る。その後、アニオンを目的に応じて塩交換することにより、目的とするイオン液体が得られる。
なお、目的とする化合物が得られるならば、上記合成方法に限らず採用することができる。
実施例1〜7、参考例1,2、比較例1,2について、ELUMOおよびEHOMOの計算結果を表1に示す。
実施例1〜7、参考例1,2より、本発明のイオン液体が有する非環式四級アンモニウムカチオンは、通常知られたイオン液体が有する環式四級アンモニウムイオンよりもELUMOが大きく、良好な還元耐性を有することが分かった。
また、実施例1〜7、参考例1,2、比較例1,2のすべてにおいて、EHOMOは−13以下となっている。この値については、リチウム空気電池やリチウム二次電池の電解質に用いられる溶媒について同じ計算手法で求めたEHOMOと比較して評価する。例えば、溶媒としてエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタンを挙げると、EHOMOはそれぞれ、−10.49(エチレンカーボネート)、−10.23(ジエチルカーボネート)、−9.30(ジメトキシエタン)である。これらの値と比べると、本実施例で計算対象としたイオン液体のカチオンは、いずれも十分にEHOMOが小さいと評価でき、良好な酸化耐性を有していることが分かった。
実施例5、比較例1より、四級窒素原子に結合している置換基がアルコキシメチル基であると、良好な還元耐性を備えることが分かった。
実施例5〜7、比較例2より、四級窒素原子に結合しているアルコキシメチル基は、炭素原子数が3以上であると良好な還元耐性を備えることが分かった。
実施例1〜4より、四級窒素原子に結合しているアルコキシメチル基の数が多いほどELUMOが大きくなり、良好な還元耐性を有することが分かった。
実施例5〜7より、四級窒素原子に結合しているアルコキシメチル基が有するアルコキシ基の炭素数が2,3であるとELUMOが大きく、良好な還元耐性を有することが分かった。
これらの結果から、本発明の有用性が確かめられた。
1…リチウム空気電池、2…リチウムイオン二次電池、11,21…正極、12,22…負極
Claims (12)
- 酸素を正極活物質とする正極と、
リチウムイオンの吸蔵と放出とが可能な負極活物質を有する負極と、
前記正極および前記負極に挟持された電解液と、を有し、
前記電解液は、非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体を含み、
前記非環式四級アンモニウムカチオンが有する四級窒素原子は、エーテル結合を有する置換基が少なくとも1つ結合し、
前記置換基の前記エーテル結合に含まれる酸素原子と、前記四級窒素原子とが、1つの炭素原子を介して結合しており、
前記置換基は、炭素原子を3以上含むリチウム空気電池。 - 前記四級窒素原子は、前記置換基が2以上結合している請求項1に記載のリチウム空気電池。
- 前記四級窒素原子は、前記置換基が4つ結合している請求項2に記載のリチウム空気電池。
- 前記置換基は、炭素数1から3のアルコキシ基を含むアルコキシメチル基である請求項1から3のいずれか1項に記載のリチウム空気電池。
- 前記電解液は、有機溶媒をさらに含む請求項1から4のいずれか1項に記載のリチウム空気電池。
- リチウムイオンの吸蔵と放出とが可能な正極活物質を有する正極と、
リチウムイオンの吸蔵と放出とが可能な負極活物質を有する負極と、
前記正極および前記負極に挟持された電解液と、を有し、
前記電解液は、非環式四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体を含み、
前記非環式四級アンモニウムカチオンが有する四級窒素原子は、エーテル結合を有する置換基が少なくとも1つ結合し、
前記置換基の前記エーテル結合に含まれる酸素原子と、前記四級窒素原子とが、1つの炭素原子を介して結合しており、
前記置換基は、炭素原子を3以上含むリチウムイオン二次電池。 - 前記四級窒素原子は、前記置換基が2以上結合している請求項7に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記四級窒素原子は、前記置換基が4つ結合している請求項8に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記置換基は、炭素数1から3のアルコキシ基を含むアルコキシメチル基である請求項7から9のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記電解液は、有機溶媒をさらに含む請求項7から10のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
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