JP2012146465A - リチウムイオン電池用電解液及びリチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高レート放電時においても電極表面に良好な電極間物質を形成させ得るリチウムイオン電池用電解液を備え、高レート放電時における容量低下を抑制可能なリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】正極、チタン酸リチウムを含む負極、及び電解液を備え、電解液が、溶媒及び電解質の合計100質量部に対して、環状エーテルのBF錯体又は環状エーテル誘導体のBF錯体が0質量部超1質量部以下添加されてなるリチウムイオン電池とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、リチウムイオン電池用電解液及びリチウムイオン電池に関する。より具体的には、チタン酸リチウムを負極に有するリチウムイオン電池に対して特に好適に用いられる、リチウムイオン電池用電解液に関する。
近年、地球環境保護の観点から、低公害車としての電気自動車やハイブリッド自動車等に適用するべく、高出力かつ高容量な電源が必要とされている。また、自動車等以外の分野においても、情報関連機器や通信機器等のモバイルツールの世界的な普及によって、当該モバイルツールを高性能化可能な電源が必要とされている。
高性能電源として有望なものの一つに、エネルギー密度が高く、高電圧で作動させることが可能なリチウムイオン電池がある。リチウムイオン電池には、例えば、正極、電解液及び負極が備えられるが、特に、活物質としてチタン酸リチウムを用いたリチウムイオン電池は、リチウムに対して当該チタン酸リチウムが高電位であることから、金属リチウムの析出が起こり難く、安全性、耐久性に優れることが知られている。
しかしながら、活物質としてチタン酸リチウムを用いた場合、当該チタン酸リチウムが有する抵抗によって、電池の出力特性が十分ではなくなる場合がある。そのため、チタン酸リチウムに処理を加えることにより、電池の出力特性を向上させる種々の試みがなされてきた。例えば、特許文献1においては、電極材料を製造する際、チタン酸リチウムと有機物とを混合して熱処理を行うことで、抵抗が低減された電極材料を得ている。或いは、特許文献2のように、チタン酸リチウムに炭素を混合して電子伝導性を向上させる技術も知られている。
特開2006−040738号公報 特開2006−278282号公報
一方、負極にチタン酸リチウムを用いた場合、上述したように、リチウムに対するチタン酸リチウムの電位が高いため、負極表面で電解液が分解せず、負極表面に良好な電極間物質(SEI)が形成されない場合がある。これは、特に、汎用されているエチレンカーボネートのような分解電位の低い溶媒を用いた場合に顕著となる。そのため、リチウムが挿入・脱離する際の反応抵抗が大きくなり、高レート放電時において電池容量が低下する虞があった。
本発明はこれに鑑みてなされたものであり、高レート放電時においても電極表面に良好な電極間物質を形成させ得るリチウムイオン電池用電解液を備え、高レート放電時における容量低下を抑制可能なリチウムイオン電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。すなわち、
本発明は、正極、チタン酸リチウムを含む負極、及び電解液を備え、電解液が、溶媒及び電解質の合計100質量部に対して、環状エーテルのBF錯体又は環状エーテル誘導体のBF錯体が0質量部超1質量部以下添加されてなる、リチウムイオン電池である。
本発明において、「溶媒」とは、リチウムイオン電池用電解液に一般的に用いられている溶媒を意味する。特に非水溶媒が好ましく、この中でもエチレンカーボネートやエチルメチルカーボネート等のカーボネート系溶媒とするとよい。「電解質」とはリチウムイオン電池用電解液に一般的に用いられている電解質を意味する。例えば、LiPF等のリチウム塩である。従来においては、溶媒及び電解質によって電解液を構成していたが、本発明では、ここにさらに所定量の環状エーテルのBF錯体又は環状エーテル誘導体のBF錯体を添加している点に特徴を有する。
本発明において、環状エーテルのBF錯体又は環状エーテル誘導体のBF錯体が、下記一般式(1)〜(5)のいずれかにより表されるものであることが好ましい。高レート放電時、電極表面に電極間物質をより適切に形成することができるためである。
Figure 2012146465
(R、R、Rは、アルキル基、アルコキシ基及び水素から選ばれるものであり、R、Rについては、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)
本発明において、環状エーテルがテトラヒドロピランであることが特に好ましい。
環状エーテルのBF錯体又は環状エーテル誘導体のBF錯体は、還元分解電位が高く、高レート放電時において適切に分解する。また、環状エーテルの開環反応によって電極上に被膜を形成し易い。このため、電極表面に良好な電極間物質を形成することができ、電極・電解液間でのリチウムの挿入・脱離における反応抵抗を低減することができる。すなわち、本発明によれば、高レート放電時においても電極表面に良好な電極間物質を形成させ得るリチウムイオン電池用電解液を備え、高レート放電時における容量低下を抑制可能なリチウムイオン電池を提供することができる。また、チタン酸リチウムを含む負極を用いた場合でも、電極上に金属リチウムが析出することを抑えることができ、チタン酸リチウムを含む負極を用いることで、電池の安全性、耐久性を向上させることもできる。
本発明に係るリチウムイオン電池用電解液を備えたリチウムイオン電池の一例を説明するための概略図である。 比較例に係るリチウムイオン電池の容量維持率と放電レートとの関係を示すデータである。 実施例及び比較例に係るリチウムイオン電池の放電比容量と放電レートとの関係を示すデータである。 実施例及び比較例に係るリチウムイオン電池の容量維持率と放電レートとの関係を示すデータである。 放電レート20Cにおける、実施例及び比較例に係るリチウムイオン電池の容量維持率とBF錯体添加量との関係を示すデータである。
1.リチウムイオン電池用電解液
本発明に係るリチウムイオン電池用電解液は、溶媒及び電解質に、さらに所定量の環状エーテルのBF錯体又は環状エーテル誘導体のBF錯体が添加されてなる。
1.1.溶媒
本発明に係るリチウムイオン電池用電解液を構成する溶媒としては、リチウムイオン電池用電解液に一般的に用いられている溶媒を特に限定されることなく適用することができる。特に非水溶媒を用いることが好ましい。非水溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン及びこれらの混合物や、4級アンモニウムカチオン(鎖状、環状)、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン等のカチオンと、TFSAアニオン、BETAアニオン、FSAアニオン、BFアニオン、PFアニオン、トリフレートアニオン、ClOアニオン等のアニオンと、を有するイオン性液体や、C14、C16、C18、C20、ヘキサフルオロベンゼン、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系溶媒を用いることができる。
1.2.電解質
本発明に係るリチウムイオン電池用電解液を構成する電解質としては、リチウムイオン電池用電解液に一般的に用いられている電解質を特に限定されることなく適用することができる。すなわち、種々のリチウム塩を適用することができ、例えば、LiTFSI、LiBETI等のイミド塩や、LiBF、LiPF、LiClO、LiBOB等を挙げることができる。
本発明において、上記溶媒及び電解質の混合比については、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜調整すればよい。例えば、上記溶媒にリチウム塩が0.1〜3mol/L程度の濃度となるように溶解させてなるものを用いることができる。
1.3.環状エーテルのBF錯体又は環状エーテル誘導体のBF錯体
本発明に係るリチウムイオン電池用電解液においては、上記溶媒及び電解質に、さらに環状エーテルのBF錯体又は環状エーテル誘導体のBF錯体(以下、まとめて「CE・BF錯体」という場合がある。)が添加されている。CE・BF錯体は、還元分解電位が2V程度と高く、また、環状エーテルの開環反応によって電極上に被膜を形成し易い。このため、高レート放電時に、電極表面に良好な電極間物質を形成することができ、電極・電解液間でのリチウムの挿入・脱離の際、反応抵抗を低減することができる。CE・BF錯体は、いずれの構造であっても本発明の上記効果を奏することが可能であるが、特に下記一般式(1)〜(5)によって表されるものを用いるとよい。
Figure 2012146465
(R、R、Rは、アルキル基、アルコキシ基及び水素から選ばれるものであり、R、Rについては、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)
上記の中でも、特に、テトラヒドロピランのBF錯体又はテトラヒドロピラン誘導体のBF錯体を用いることが好ましい。
CE・BF錯体の添加量は、上記溶媒及び電解質の合計100質量部に対して、0質量部超1質量部以下であり、好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下である。この範囲内であれば、高レート放電時において電極表面に良好な電極間物質を形成することができ、電極・電解液間でのリチウムの挿入・脱離の際、反応抵抗を低減することができる。CE・BF錯体の添加量が多すぎると、電極表面に形成される電極間物質層が厚くなりすぎる場合があり、或いは、分解せずに電解液中に残存したCE・BF錯体が電池反応に悪影響を及ぼす場合がある。例えば、特開2010−067496号公報に開示されたようなCE・BF錯体を主成分とする電解液は、本発明に用いることができない。
また、本発明では、BF錯体として環状エーテル又は環状エーテル誘導体のBF錯体に限定している。仮に環状エーテルではなく、直鎖化合物のBF錯体を用いた場合、開環反応が起きず、重合反応が進行し難い結果、電極上に良好な電極間物質被膜を形成することができない虞がある。具体的には、電極間物質被膜に係る成分の分子量が小さいため、電解液に被膜成分が溶け出す虞があり、また、被膜の形成にムラができる虞がある。
このように本発明に係るリチウムイオン電池用電解液においては、所定量のCE・BF錯体が添加されているので、高レート放電時においてもCE・BF錯体が適切に分解され、電極表面に良好な電極間物質を形成することができる。
2.リチウムイオン電池
本発明に係るリチウムイオン電池は、上記したリチウムイオン電池用電解液を備えているものであれば、その形態は特に限定されるものではなく、単電池、積層型電池、柱状電池や電池スタック等、様々な形態を採り得る。また、電解液以外の構成(正極、負極等)についても特に限定されるものではないが、特に、負極にチタン酸リチウムを用いるとよい。負極にチタン酸リチウムを用いた場合、従来においては、高レート放電時において容量が低下する問題があったが、本発明では電解液に所定量のCE・BF錯体を添加することにより、これを解決している。また、負極にチタン酸リチウムを用いることで、安全性や耐久性を高めることもできる。以下、電解液として上記リチウムイオン電池用電解液を備え、且つ、負極にチタン酸リチウムを用いた本発明のリチウムイオン単電池について説明する。
図1に示すように、一実施形態に係る本発明のリチウムイオン電池10は、上記リチウムイオン電池用電解液を含む電解質層1、当該電解質層1を介して対向するように配置された負極2及び正極3を備えている。リチウムイオン電池10においては、電解液が負極2と接するように設けられており、高レート放電時において、電解液中のCE・BF錯体が分解することにより負極2の表面に電極間物質が形成される。
2.1.電解質層1
電解質層1は、上記本発明に係るリチウムイオン電池用電解液を含むものであれば、その形態は特に限定されるものではないが、セパレータやゲルポリマーに電解液が保持された形態とすることが好ましい。セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜のほか、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を例示することができる。また、ゲルポリマーとしては、アクリレート系高分子化合物や、ポリエチレンオキサイド等のエーテル系高分子化合物及びこれらを含む架橋体や、ポリメタクリレート等のメタクリレート高分子化合物や、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンの共重合体等のフッ素系高分子化合物等を用いることができる。ゲルポリマーの形態は粒子状等、電解液が保持可能な形態であれば特に限定されるものではない。電解質層1の作製方法については、特に限定されるものではないが、適切に成形されたセパレータや、ゲルポリマー充填層に、上記電解液を含ませ、セパレータやゲルポリマーに電解液を保持させることにより、所定形状の電解質層1が作製される。
尚、電解質層1は、負極2側が電解液層とされ、正極3側が固体電解質層とされたような二層構造の構成を採ってもよい。固体電解質としてはリチウム固体電池に用いられる公知の固体電解質を用いることができる。このような形態であっても、高レート放電時、電解液中のCE・BF錯体が分解することにより負極2の表面に電極間物質を形成することができる。
2.2.負極2
負極2は、活物質として少なくともチタン酸リチウムを備えるものである。負極2を構成する材料としては、当該活物質の他、導電性材料やバインダー等が含まれていても良い。導電性材料としては、カーボンブラック、ケッチェンブラックやメソポーラスカーボン等の炭素材料等を例示することができる。バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を例示することができる。反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、負極2における導電性材料の含有量は10質量%以下とすることが好ましい。また、負極2における結着材の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上5質量%以下とすることがより好ましい。さらに、負極2には、集電のための集電体を備えさせるとよい。集電体としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではない。
負極2は、例えば、活物質、導電性材料及びバインダーを含む塗料を、集電体の表面に、ドクターブレード等によって塗布することにより作製することができる。このほか、活物質、導電性材料及びバインダー粒子を含む混合粉末を熱圧着することにより作製することもできる。
2.3.正極3
正極3は、リチウムイオン電池用の正極であれば、その形態は特に限定されるものではない。すなわち、活物質として、上記負極2に係る活物質よりも充放電電位が貴な電位を示すものを用いればよい。例えば、Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3等である。また、導電性材料やバインダー、集電体についても、負極と同様、公知のものを用いればよい。正極3の作製方法についても負極2と同様、公知の方法を適宜採用できる。尚、電解質層1の正極3側を固体電解質層とする場合は、正極3にも固体電解質を含ませるとよい。
リチウムイオン電池10は、例えば、上記電解質層1、負極2及び正極3が筐体(不図示)等に収容されることで構成される。リチウムイオン電池10の作製方法については、上記リチウムイオン電池用電解液が適切に備えられるものであれば特に限定されるものではなく、従来公知の方法を適宜採用すればよい。
このように、本発明に係るリチウムイオン電池は、電解液に所定量のCE・BF錯体が添加されているので、高レート放電時においてCE・BF錯体が分解することで電極表面に良好な電極間物質を形成することができ、電極・電解液間でのリチウムの挿入・脱離における反応抵抗を低減することができる。すなわち、負極にチタン酸リチウムを用いた場合であっても、負極表面に良好な電極間物質を形成することにより、高レート放電時における容量低下を抑制することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明に係るリチウムイオン電池用電解液を備えたリチウムイオン電池について詳述する。
(電池の作製)
正極活物質としてニッケルマンガンコバルト複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)を用い、負極活物質としてチタン酸リチウム(LiTi12、TLO)を用い、セパレータとして多孔質ポリオレフィンを用いて、いわゆる2032型のコインセルを作製した。当該セル中に充填する電解液としては、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=30/70(体積比)とした溶媒にLiPFを1mol/Lとなるように溶解させ、ここに、テトラヒドロピランのBF錯体(以下、THP・BFという。)を所定量添加して作製した。尚、以下において、「THP・BF x質量部」とは、溶媒及び電解質の合計100質量部に対して、THP・BFをx質量部添加したことを意味する。THP・BFの添加量を変化させることで複数の電解液を作製し、複数の電池を作製し、それぞれ充放電試験を行った。
また、比較のため、THP・BFを添加せず、且つ、負極としてチタン酸リチウムを用いた電池、及び、THP・BFを添加せず、且つ、負極として黒鉛を用いた電池についても、同一条件で充放電試験を行った。
(充放電試験)
コンディショニング→放電レート容量測定の順で充放電試験を行った。各条件は下記の通りである。尚、「1C」は「1.15mA」に相当する。
コンディショニング:1.6〜2.8V、C/10 CC充放電、温度25℃、2サイクル
放電レート容量測定:1.6〜2.8V、1C CC−CV2.5時間充電、C/3〜20C CC放電、温度25℃
C/3、1C、5C、10C、15C及び20Cの各放電レートにおいて、放電容量維持率をプロットし、レート特性を比較した。尚、各プロット値については、同様の電池を3個ずつ作製し、当該3個の電池により得られたそれぞれのデータの平均値を用いた。
まず、THP・BFを添加せず、且つ、負極としてチタン酸リチウムを用いた電池、及び、THP・BFを添加せず、且つ、負極として黒鉛を用いた電池について、放電容量維持率を比較した。結果を図2に示す。図2から明らかなように、負極に黒鉛を用いた場合と比較して、負極にチタン酸リチウムを用いると、特に高レート放電(20C)時において、放電容量維持率が低下することが分かる。
次に、THP・BF添加量を、0.05質量部、0.1質量部、0.5質量部、1質量部、又は5質量部とした電池、THP・BFを添加せず、且つ、負極としてチタン酸リチウムを用いた電池、及び、THP・BFを添加せず、且つ、負極として黒鉛を用いた電池についてそれぞれ充放電試験を行い、各放電レートにおける放電比容量[mAh/g]及び放電容量維持率を比較した。結果を図3、4に示す。図3から、負極としてチタン酸リチウムを用いた場合、黒鉛を用いた場合と比較して、放電比容量が増大しており、電池性能が向上していることがわかる。一方、図4から、負極としてチタン酸リチウムを用いた場合であっても、電解液にTHP・BFを添加することにより、高レート放電時における放電容量維持率の低下を抑制できることがわかる。
図5に、負極にチタン酸リチウムを用いた電池について、高レート放電(20C)時における放電容量維持率と、THP・BF添加量との関係を示す。図5から、電解液にTHP・BFをわずかでも添加することによって容量維持率が急激に向上するものの、添加量が多すぎるとかえって容量が低下することがわかる。より具体的には、放電容量維持率は、THP・BF添加量1質量部を境に、それ以下において急激に向上しており、効果が認められるTHP・BF添加量は、0質量部超1質量部以下、好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下であることがわかる。
以上の結果から、リチウムイオン電池において、溶媒及び電解質の合計100質量部に対して、環状エーテルのBF錯体又は環状エーテル誘導体のBF錯体が0質量部超1質量部以下、好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下添加されてなる電解液を用いることで、高レート放電時において錯体が適切に分解し、電極表面に良好な電極間物質を形成することができ、高レート放電時における放電容量の低下を抑えることができることがわかった。
本発明に係る電解液を備えたリチウムイオン電池は、携帯機器、電気自動車、ハイブリッド車等の電源として好適に用いることができる。
1 本発明に係るリチウムイオン電池用電解液を備えた電解質層
2 チタン酸リチウムを含む負極
3 正極

Claims (3)

  1. 正極、チタン酸リチウムを含む負極、及び電解液を備え、
    前記電解液が、溶媒及び電解質の合計100質量部に対して、環状エーテルのBF錯体又は環状エーテル誘導体のBF錯体が0質量部超1質量部以下添加されてなる、
    リチウムイオン電池。
  2. 前記環状エーテルのBF錯体又は前記環状エーテル誘導体のBF錯体が、下記一般式(1)〜(5)のいずれかにより表されるものである、請求項1に記載のリチウムイオン電池。
    Figure 2012146465
    (R、R、Rは、アルキル基、アルコキシ基及び水素から選ばれるものであり、R、Rについては、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)
  3. 前記環状エーテルがテトラヒドロピランである、請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池。
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