JP2014216079A - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents

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孝之 中尾
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Abstract

【課題】電池ハウジング内部の酸素濃度を制御し、酸素極の還元膨張による燃料電池セルの割れなどを抑制することができる固体酸化物形燃料電池システムを提供する。【解決手段】複数の燃料電池セルから構成される燃料電池セルスタック6と、燃料ガスを改質する改質器4とを備え、燃料電池セルスタック6および改質器4が高温空間52を規定する電池ハウジング54内に収容され、改質器4にて改質された水素を含有する改質燃料ガスが燃料電池セルスタック6の燃料極側に供給され、酸素を含有する酸化ガスがその酸素極側に供給される固体酸化物形燃料電池システム。電池ハウジング54内の酸素雰囲気中に酸素濃度検知手段が配設され、酸素濃度検知手段の検知出力に基づいて電池ハウジング54内の酸素雰囲気中の酸素濃度を制御する。酸素濃度検知手段として、酸化物イオン導電性を有する酸化物材料から構成されたものを用いるのが望ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料ガスおよび酸化材(酸化ガス)の酸化および還元により発電する燃料電池セルを備えた固体酸化物形燃料電池システムに関する。
固体酸化物形燃料電池システムにおける燃料電池セルは、酸化物イオンを伝導する固体電解質膜を備え、この固体電解質膜の片側に燃料ガスを酸化する燃料極が設けられ、その他側に酸化ガス(例えば、空気中の酸素)を還元する酸素極が設けられている。固体電解質膜の材料としては、一般的に、イットリアを置換固溶させたジルコニアが用いられており、600〜1000℃の高温で燃料ガス(例えば、天然ガス、都市ガスなど)中の水素、一酸化炭素、炭化水素と酸化ガス(例えば、空気)中の酸素が電気化学反応して発電が行われる。
この電解質膜材料として、希土類を置換固溶させたセリア系、またストロンチウム、マグネシウムなどを置換固溶させたランタン-ガリウム複合酸化物、ランタン-ケイ素からなるランタンシリケート系酸化物などが候補として挙げられる。
燃料極の材料としては、ニッケルと電解質材料などからなるサーメットなどが用いられている。このサーメットを用いた場合、ニッケルの粒子サイズにもよるが、350〜400℃以上の温度状態において酸化雰囲気に曝されると、サーメット中のニッケルが酸化ニッケルに酸化し、高温になるほどこの酸化反応は速度が大きくなる。
また、酸素極の材料としては、ランタンマンガナイト系酸化物、ランタンコバルタイト系酸化物、ランタンフェライト系酸化物などが用いられている。酸素極に用いられるこれらの材料は、500℃以上の高温状態で還元雰囲気に曝されると、速やかに還元されて膨張し、クラックや剥離が発生し性能が急速的に低下する。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、燃料極、電解質膜および酸素極が同室(即ち、電池ハウジング)内に設置され、燃料電池セル(燃料電池セルスタック)の劣化を抑制するためには、燃料極および酸素極の近傍を適切な温度状態に管理すること、燃料極を還元雰囲気状態に制御すること、また酸素極を酸化雰囲気状態に制御することが必要不可欠であるが、燃料ガス、酸化ガス(例えば、空気)の逆流により酸化還元を伴う破損は急速な劣化を生じ、燃料電池セル(燃料電池セルスタック)の性能低下を引き起こす原因となっている。
特に、停止工程時においては、燃料ガスおよび酸化ガスの供給が停止した状態となるために、燃料極に使用されるニッケルの酸化が起りやすくなる。このニッケルの酸化を防止するために、酸化ガス(例えば、空気)が入り込まないように電池ハウジングの気密性を高めることが従来から取り組まれている。しかし、気密性を高め、酸化ガスの入り込みを抑制し過ぎると、ニッケルの酸素消費が進行して電池ハウジング内の酸素量が低下し、これによって、電池ハウジング内の酸素分圧が低下し、その結果、酸素極の還元膨張に伴う燃料電池セルの寸法変化による割れなどが生じ、燃料電池セル(燃料電池セルスタック)の性能低下の原因となる。
また、この停止工程中に、酸化ガス(例えば、空気)の供給を継続すれば、酸素極の還元を防ぐことはできるが、燃料ガス供給を停止した状態で酸化ガスの供給を継続すると、ニッケル酸化によりニッケルサーメットの寸法変化が起こり、燃料電池セル(燃料電池セルスタック)の割れや性能低下の原因となる。
このようなことから、異常停止時に、燃料極側に還元性ガスを酸素極側に酸化ガスをパージガスとして供給することで、燃料極(例えば、ニッケルサーメット)および/または酸素極の寸法変化による燃料電池セルの割れなどを抑制することが知られている(例えば、特許文献1および2)。このように燃料極側に燃料ガスを供給することによって、燃料極の酸化を抑えることができ、また酸素極側に酸化ガスを供給することによって、酸素極側の酸素量の低下を抑えることができ、上述した問題を解消することができる。
特開2006−221836号公報 特開2009−87862号公報
一般的に、中大型の固体酸化物形燃料電池システムでは、いかなる状況でも高温時は燃料極側に還元性ガスが、また酸素極側に酸化ガス(例えば、空気)が流れるように構成されており、例えば、燃料電池セルに関連して高圧ボンベラックが設けられ、この高圧ボンベラックから燃料極側に還元性ガス(例えば、窒素-水素混合ガスなど)が供給され、酸素極側に酸化ガス(例えば、空気)が供給されるように構成されている。
しかし、このようなパージガスを供給する技術は、中大型の固体酸化物形燃料電池システムには適用することができるが、小型の固体酸化物形燃料電池システム(特に、家庭用コージェネレーションシステムに用いる燃料電池システム)では、このような技術の採用は、製造コスト、メンテナンスコストなどが高くなり、また設置スペースが大きくなり、高圧ガスの保管という法規制の面からも難しくなる。
本発明の目的は、電池ハウジング内部の酸素濃度を制御し、酸素極の還元膨張による燃料電池セルの割れなどを抑制することができる固体酸化物形燃料電池システムを提供することである。
本発明の他の目的は、酸素濃度の制御を比較的簡単な構成でもって、安価に行うことができる固体酸化物形燃料電池システムを提供することである。
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システムは、固体電解質膜、前記固体電解質膜の片面に配設された燃料極および前記固体電解質膜の他面に配設された酸素極を備えた燃料電池セルと、燃料ガスを改質する改質器とを備え、前記燃料電池セルおよび前記改質器が高温空間を規定する電池ハウジング内に収容され、改質器にて改質された水素を含有する改質燃料ガスが前記燃料極側に供給され、酸素を含有する酸化ガスが前記酸素極側に供給される固体酸化物形燃料電池システムであって、
前記電池ハウジング内の酸素雰囲気中に酸素濃度検知手段が配設され、前記酸素濃度検知手段の検知出力に基づいて前記電池ハウジング内の酸素雰囲気中の酸素濃度を制御することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記酸素濃度検知手段は、酸化物イオン導電性を有する酸化物材料から構成され、300℃以上の温度雰囲気において酸素雰囲気中の酸素分圧を検知し、外部の大気圧を標準酸素分圧として、前記電池ハウジング内の酸素雰囲気中の酸素分圧との分圧差に基づいて酸素濃度を検知することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記燃料電池セルは、前記燃料極を支持体として前記固体電解質膜および前記酸素極がこの順に配設されており、前記燃料電池セルは所定方向に複数配設されて燃料電池セルスタックを構成し、隣接する前記燃料電池セルの間に酸素を含有する酸化ガスが流れる酸化ガス流路が規定され、前記酸素濃度検知手段は前記酸化ガス流路および/または前記電池ハウジングの内側に配設されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記燃料電池セルは、前記酸素極を支持体として前記固体電解質膜および前記燃料極がこの順に配設されており、前記燃料電池セルは所定方向に複数配設されて燃料電池セルスタックを構成し、前記支持体に酸化ガスが流れる酸化ガス流路が設けられ、前記酸素濃度検知手段は前記酸化ガス流路に配設されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記燃料電池セルスタックの前記燃料極側および前記酸素極側の排出側に燃焼室が設けられ、前記燃焼室に燃焼火炎を保持するための保炎プレートが設けられ、前記酸素濃度検知手段は前記保炎プレートに支持されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記酸素濃度検知手段は、前記燃料電池セルの前記酸素極の上端部近傍における酸素濃度を検知し、その検知出力に基づいて前記燃料電池セルの前記酸素極側に送給される酸化ガスを制御することを特徴とする。
更に、本発明の請求項7に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記酸素濃度検知手段は、通常運転工程時および運転停止工程時に前記電池ハウジング内の酸素雰囲気中の酸素濃度を検知し、その検知出力に基づいて前記燃料電池セルの前記酸素極側に送給される酸化ガスを制御することを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、酸素濃度検知手段が電池ハウジング内の酸素雰囲気中に配設されているので、燃料電池セルの酸素極が曝される酸化ガス(例えば、空気)中の酸素濃度をモニタすることができ、異常状態時(例えば、何らかの異常が発生して運転を止める運転停止工程時)における燃料極の酸化(例えば、ニッケル酸化)に伴う酸素消費による酸素濃度の低下を検知することができる。そして、この酸素濃度検知手段の検知出力に基づいて酸素雰囲気中の酸素濃度を制御することによって、酸素濃度を所望範囲に保つことができ、酸素雰囲気中の酸素濃度低下による燃料電池セルの酸素極の割れなどの発生を抑えることができる。
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、酸素濃度検知手段が酸化物イオン導電性を有する酸化物材料から構成されているので、300℃以上の高温状態においても外部の大気圧を標準酸素分圧として、雰囲気中の酸素分圧との分圧差に基づいて酸素雰囲気中の酸素濃度を正確に検知することができる。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、燃料電池セルとして、燃料極を支持体として固体電解質膜および酸素極がこの順に配設されたものが用いられ、このような複数の燃料電池セルが所定方向に配設された燃料電池セルスタックに適用することができる。このような燃料電池セルスタックの場合、酸素濃度検知手段が隣接する燃料電池セル間の酸化ガス流路および/または電池ハウジングの内側に配設されるので、酸素雰囲気中の酸素濃度、即ち燃料電池セルスタックの酸素極側の酸素濃度を正確に検知することができる。
また、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、燃料電池セルとして、酸素極を支持体として固体電解質膜および燃料極がこの順に配設されたものが用いられ、このような複数の燃料電池セルが所定方向に配設された燃料電池セルスタックに適用することができる。このような燃料電池セルスタックの場合、酸素濃度検知手段が支持体の酸化ガス流路に配設されるので、酸素雰囲気中の酸素濃度、即ち燃料電池セルスタックの酸素極側の酸素濃度を正確に検知することができる。
また、本発明の請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、酸素濃度検知手段が燃焼室に配設された保炎プレートに支持されているので、この酸素濃度検知手段を確実に支持した状態で酸化ガス流路に配置することができる。
また、本発明の請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、酸素濃度検知手段が燃料電池セルの酸素極の上端部付近の酸素濃度を検知するので、燃料極の酸化に伴う酸素消費による酸素濃度の低下をより正確に検知し、酸素濃度低下による燃料電池セルの酸素極の割れなどの発生をより効果的に抑制することができる。
更に、本発明の請求項7に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、通常運転工程時および運転停止工程時において、酸素濃度検知手段の検知出力に基づいて燃料電池セルの酸素極側に送給される酸化ガスを制御するので、酸素極の割れなどが発生し易い運転停止工程時(特に、異常発生による運転停止工程時)のみならず、通常運転工程における酸素濃度低下による酸素極の割れなどの発生も抑えることができる。
本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの一実施形態を簡略的に示す断面図。 図1の固体酸化物形燃料電池システムにおける燃料電池セルスタックを簡略的に示す図。 図2の燃料電池セルスタックにおける燃料電池セルおよびこれに関連する構成を示す簡略断面図。 図1の固体酸化物形燃料電池システムの運転停止工程時における時間の経過に伴う酸素濃度センサの出力変化を示す図。 図4の運転停止工程時における制御の流れを示すフローチャート。 他の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムの運転停止工程時における制御の流れを示すフローチャート。 他の実施形態の燃料電池セルスタックにおける燃料電池セルおよびこれに関連する構成を示す簡略断面図。 図1の固体酸化物形燃料電池システムの通常運転工程時における時間の経過に伴う酸素濃度センサの出力変化を示す図。 図8の通常運転工程時における制御の流れを示すフローチャート。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの一実施形態について説明する。図1において、図示の固体酸化物形燃料電池システム2は、燃料としての燃料ガス(例えば、天然ガス、都市ガス)を改質するための改質器4と、改質器4にて改質された改質燃料ガスおよび酸化ガスとしての空気の酸化および還元によって発電を行う燃料電池セルスタック6とを備えている。燃料電池セルスタック6は、電気化学反応によって発電を行うための複数の固体酸化物形の燃料電池セル8(図2および図3参照)を所定方向(図2および図3において左右方向)に配設されて構成される(理解を容易にするために、図2において4個示し、図3において2個示す)。燃料電池セルスタック6の各燃料電池セル8は、酸化物イオンを伝導する固体電解質膜10と、固体電解質膜10の片面側(この形態では、内面側)に設けられた燃料極12と、固体電解質膜10の他面側(この形態では、外面側)に設けられた酸素極14とを備えており、固体電解質膜10として、たとえばイットリアを置換固溶したジルコニアが用いられる(図2参照)。
燃料電池セルスタック6(即ち、複数の燃料電池セル8)の燃料極12側は、改質燃料ガス送給ライン16を介して改質器4に接続され、この改質器4は、燃料ガス・水蒸気送給ライン18を介して気化混合器20に接続され、この気化混合器20は燃料ガス供給ライン22を介して燃料ガス供給源24に接続される。この燃料ガス供給源24は、例えば埋設管、貯蔵タンクなどから構成される。この燃料ガス供給ライン18には、ガス開閉弁26、脱硫器28および燃料ポンプ30が下流側に向けてこの順に配設され、燃料ガス供給源24、燃料ポンプ30および燃料ガス供給ライン18が燃料ガス供給手段を構成する。脱硫器28は、燃料ガスに含まれている硫黄成分を除去し、燃料ポンプ30は、燃料ガス供給ライン22を通して供給される燃料ガスを昇圧して下流側に供給する。また、ガス開閉弁26は、燃料ガス供給ライン22を開閉し、開状態のときには燃料ガスを供給し、閉状態のときには燃料ガスの供給を停止する。
燃料電池セルスタック6の酸素極14側は、酸化ガスとしての空気を送給する酸化ガス送給ライン32を介して酸化ガス予熱器34に接続され、この酸化ガス予熱器34は、酸化ガス供給ライン36を介して酸化ガスブロア38に接続され、酸化ガスブロア38および酸化ガス供給ライン36が酸化ガス供給手段を構成する。
燃料電池セルスタック6(即ち、複数の燃料電池セル8)の燃料極12側および酸素極14側の排出側には燃焼室40が設けられ、燃料電池セルスタック6の燃料極12側から排出された反応燃料ガス(残余燃料ガスを含む)と酸素極14側から排出された酸化ガス(例えば、空気)とが燃焼室40に送給されて燃焼され、この燃焼熱を利用して改質器4、燃料電池セルスタック6および気化混合器20が加熱される。この燃焼室40は排気ガスライン42を介して酸化ガス予熱器34に接続され、この酸化ガス予熱器34には排気ガス排出ライン44が接続されている。
この固体酸化物形燃料電池システム2では、燃料ガスを改質するための水(即ち、改質用水)を供給するための水供給ライン46が気化混合器20に接続され、この水供給ライン46に水ポンプ48が配設されている。この水供給ライン46は、改質に用いる水を供給するための水タンク50(水供給源)に接続され、水タンク50、水ポンプ48および水供給ライン46が水供給手段を構成する。水タンク50内の水は、水ポンプ48によって水供給ライン46を通して気化混合器20に供給される。尚、燃料ガスを改質するための水は、水タンク50から供給することに代えて、またはこれに加えて、例えば燃焼室40からの排気ガスに含まれる水蒸気を凝縮回収して得られる凝縮水を用いるようにしてもよい。
この形態では、断熱された高温空間52を規定する電池ハウジング54が設けられ、この電池ハウジング54の内面が断熱材(図示せず)により覆われており、この高温空間52内に、改質器4、燃料電池セルスタック6、気化混合器20および酸化ガス予熱器34が収容されている。この電池ハウジング54内の高温空間52は、固体酸化物形燃料電池システム2の稼働運転時に高温状態に保持される。
この固体酸化物形燃料電池システム2の稼働運転は、次のようにして行われる。燃料ガス供給源24からの燃料ガスは、燃料ガス供給ライン22を通して気化混合器20に供給される。また、水タンク50からの水(改質用水)は、水供給ライン46を通して気化混合器20に供給される。気化混合器20においては、供給された燃料ガスおよび水が加熱され、水は気化して水蒸気となり、加熱された燃料ガスおよび水蒸気が燃料ガス・水蒸気送給ライン18を通して改質器4に送給される。
改質器4には、水蒸気改質を促進するための改質触媒が充填されており、この改質器4に送給された燃料ガスは水蒸気によって水蒸気改質され、このように水蒸気改質された改質燃料ガスが改質燃料ガス送給ライン16を介して燃料電池セルスタック6(即ち、複数の燃料電池セル8)の燃料極12側に供給される。また、酸化ガスブロア38からの酸化ガス(例えば、空気)は、酸化ガス供給ライン36を介して酸化ガス予熱器34に送給され、この酸化ガス予熱器34にて加熱された後に、酸化ガス送給ライン32を介して燃料電池セルスタック6(即ち、複数の燃料電池セル8)の酸素極14側に送給される。
燃料電池セルスタック6においては、その燃料極12側において改質された改質燃料ガスが酸化され、その酸素極14側において酸化ガス(例えば、空気)中の酸素が還元され、燃料極12側の酸化および酸素極14側の還元による電気化学反応により発電が行われる。燃料電池セルスタック6の燃料極12側からの反応燃料ガスおよび酸素極14側からの酸化ガスは燃焼室40に排出され、この燃焼室40にて酸化ガス中の酸素を利用して反応燃料ガス(具体的には、反応燃料ガス中の余剰の燃料ガス)が燃焼され、この燃焼熱を利用して改質器4が所定の改質温度に維持され、気化混合器20が所定の気化混合温度に維持される。
燃焼室40からの排気ガスは、排気ガスライン42を介して酸化ガス予熱器34に送給され、この酸化ガス予熱器34において酸化ガスブロア38からの酸化ガスとの熱交換に用いられ、その後排気ガス排出ライン44を通して大気圧に排出される。
この固体酸化物形燃料電池システム2には、更に、運転停止工程時に酸化ガス(例えば、空気)を供給するための補助酸化ガス供給手段56が設けられている。図示の形態では、補助酸化ガス供給手段56は、酸化ガス供給ライン36に接続された補助供給ライン58と、この補助供給ラインに接続された補助ブロア60から構成され、補助ブロア60からの酸化ガス(例えば、空気)が補助供給ライン58を通して酸化ガス供給ライン36に供給され、この酸化ガス供給ライン36および酸化ガス送給ライン32を通して燃料電池セルスタック6(複数の燃料電池セル8)の酸素極14側に送給される。
この形態では、補助供給ライン58に開閉弁62が配設され、この開閉弁62は、補助供給ライン58を通して酸化ガスを供給するときには開状態に保持され、また酸化ガスの供給を停止するときには閉状態になり、酸化ガス供給ライン36を流れる酸化ガスが補助供給ライン58を通して補助ブロア60側に逆流するのを防止する。尚、この酸化ガスの逆流が発生しないなどのときには、開閉弁62を省略することができる。
次に、図2および図3を参照して、上述した固体酸化物形燃料電池システム2の燃料電池セルスタック6およびこれに関連する構成について説明する。この実施形態では、燃料電池セルスタック6は基部ハウジング64を備え、この基部ハウジング64の上面に所定方向(図2および図3において左右方向)に複数の燃料電池セル8が配設されている。基部ハウジング64内は仕切り板66により下部空間68と上部空間70とに仕切られ、下部空間68が改質燃料ガス送給管72(改質燃料ガス送給ライン16の一部を構成する)に連通され、上部空間70が酸化ガス送給管74(酸化ガス送給ライン32の一部を構成する)に連通されている。
この実施形態の各燃料電池セル8においては、図3に示すように、燃料極12を支持体として固体電解質膜10および酸素極14が外側に向けてこの順に配設され、この燃料極12には、図2および図3において上下方向にこれを貫通して燃料ガス流路76が設けられ、各燃料電池セル8の燃料ガス流路76が基部ハウジング64の下部空間68に連通されている。従って、改質燃料ガス送給ライン16を通して基部ハウジング64の下部空間68に送給された改質燃料ガスは、この下部空間68にて分配された後に各燃料電池セル8の燃料ガス流路76を通して矢印78で示すように流れる。
また、基部ハウジング64の上壁の所定部位(隣接する燃料電池セル8間の部位)には開口80が設けられており、従って、酸化ガス送給ライン32を通して基部ハウジング64の上部空間70に送給された酸化ガスは、この上部空間70にて分配された後に各開口80から隣接する燃料電池セル8間に排出され、隣接する燃料電池セル8間を矢印82で示すように流れる。この場合、隣接する燃料電池セル8間の空間が、酸化ガスが流れる酸化ガス流路として機能する。
この固体酸化物形燃料電池システム2では、電池ハウジング54内の酸素雰囲気中の酸素濃度を検知するために酸素濃度検知手段84が設けられている。この酸素濃度検知手段84としては、酸化物イオン導電性を有する酸化物材料から構成された酸素濃度センサ86を好都合に用いることができ、酸化物材料としては、例えばジルコニア系酸化物(イットリウムまたはカルシウムを置換固溶させたもの)を用いることができる。
このような酸素濃度センサ86は、酸素分圧を利用して酸素濃度を検知するものであり、電池ハウジング54の外部の大気圧を標準酸素分圧とし、電池ハウジング54内の酸素雰囲気中の酸素分圧との分圧差に基づいて起電力が発生し、この酸素分圧差が大きくなるに従って発生する起電力も大きくなり、このような関係からその起電力に基づいて酸素雰囲気中の酸素濃度を正確に検知することができる。この酸素濃度センサ86は、300℃以上の高温環境において酸素濃度を検知することができ、固体酸化物形燃料電池システム2の電池ハウジング54内の酸素雰囲気中の酸素濃度を検知するのに好都合に用いることができる。
この酸素濃度センサ86は、外部から電池ハウジング54を貫通して酸素雰囲気中に挿入され、その検知部88は、燃料電池セルスタック6の酸化ガス流路の下流端部近傍、即ち図2の形態の燃料電池セル8を用いたものでは燃料電池セル8の酸素極14の上端部近傍に配設するのが望ましい。例えば、固体酸化物形燃料電池システム2が異常停止した場合などにおいては、この上端部近傍の酸素が燃料極12の酸化により消費されて酸素濃度が低下する傾向にあり、従ってこの上端部近傍の酸素濃度を検知して後述する如く制御することによって、燃料電池セル8の酸素極14の割れなどの発生を効果的に抑えることができる。尚、この酸素濃度センサ86の検知部88は、電池ハウジング54の内面側に配設するようにしてもよい。
また、この電池ハウジング54内に温度検知手段90が配設され、この温度検知手段90は電池ハウジング54内の温度を検知する。電池ハウジング54内の温度が例えば350℃以上の状態において燃料電池セル8の燃料極12(例えば、サーメット)が酸素雰囲気に曝されると酸化しやすくなるために、燃料極12の酸化が起こり始める温度として例えば300℃程度が設定され、温度検知手段90は、この温度を検知する。
次に、図1および図3とともに図4および図5を参照して、上述した固体酸化物形燃料電池システム2における運転停止工程の制御について説明する。通常運転工程(換言すると、固体酸化物形燃料電池システム2の発電運転)中に何らかの異常が発生して通常運転が停止する(時間T0)と、運転停止工程が遂行される。この運転停止工程においては、まず、温度検知手段90によって電池ハウジング54内の温度が検知され(ステップS1)、この検知温度が300℃以下のときには、ステップS2からステップS3に移り、固体酸化物形燃料電池システム2が通常停止される。
一方、電池ハウジング54内の温度状態が300℃を超えていると、燃料電池セル8の燃料極12が酸化して酸素雰囲気中の酸素濃度が低下するおそれがあるとしてステップS2からステップS4に進み、酸素濃度検知手段84により酸素分圧を利用して酸素雰囲気中の酸素濃度の測定が行われる。
固体酸化物形燃料電池システム2の運転停止工程においては、複数の燃料電池セル8の燃料極12側への燃料ガス(改質燃料ガス)の送給が停止されるとともに、それらの酸素極14側への酸化ガス(例えば、空気)の供給が停止される。電池ハウジング54内が300℃以上の高温状態でこのような運転停止工程が行われると、図4に示すように、複数の燃料電池セル8の燃料極14において酸化が進行し、酸化による酸素の消費に伴って酸素雰囲気中の酸素が少なくなって酸素分圧差が大きくなり、酸素濃度検知手段84(酸素濃度センサ86)の起電力が上昇する。酸素濃度検知手段84は、期間H1においてこの起電力に基づいて酸素雰囲気中の酸素濃度を検知する(ステップS4)。
そして、酸素雰囲気中の酸素分圧が例えば0.01atmまで低下する、即ち酸素濃度検知手段84の検知出力(起電力)がV2となる(時間T1)と、ステップS5からステップS6に進み、補助ブロア60が作動し、更に開閉弁62が開状態となり(ステップS7)、補助ブロア60からの酸化ガス(例えば、空気)が補助供給ライン58、酸化ガス供給ライン36および酸化ガス送給ライン32を通して燃料電池セルスタック6(複数の燃料電池セル8)の酸素極14側に送給される。このように酸化ガスが送給されると、電池ハウジング54内の酸素雰囲気中の酸素濃度が上昇して酸素分圧差が小さくなり、酸素濃度検知手段84の起電力が低下する。酸素濃度検知手段84は、この期間H2においても酸素雰囲気中の酸素濃度を検知する(ステップS8)。
補助酸化ガス供給手段56からの酸化ガスの送給により酸素分圧が例えば0.2atm以上に上昇する、即ち酸素濃度検知手段84の検知出力(起電力)がV1まで低下する(時間T2)と、ステップS8からステップS9を経てステップS10に移り、補助ブロア60の作動が停止するとともに、開閉弁62が閉状態となり(ステップS11)、このようにして補助酸化ガス供給手段56からの酸化ガスの供給が停止し、電池ハウジング54内の酸素雰囲気中の酸素濃度の更なる上昇が抑えられ、その後ステップS1に戻る。
このように電池ハウジング54内の温度が300℃を超える高温状態においては、上述したステップS1、ステップS2およびステップS4〜ステップS11が繰り返し遂行され、その温度状態が300℃以下まで下がると、燃料電池セル8の燃料極12の酸化に伴う酸素の消費がほとんどなくなるとして、ステップS3に移って固体酸化物形燃料電池システム2は通常停止する。
例えば、燃料電池セル8の酸素極14がランタンコバルタイト系酸化物またはランタンフェライト系酸化物から形成されている場合、600〜800℃の温度領域で103 Pa以下になると還元膨張による寸法変化が生じ、燃料電池セルスタック6の割れなどの性能低下が発生するおそれが生じるが、上述したように酸素濃度検知手段84により酸素濃度を検知して酸素雰囲気中の酸素濃度を所定範囲に保つことによって、この酸素極14の還元膨張が抑えられ、その結果、燃料電池セルスタック6の割れなどの発生を抑えることができる。
上述した実施形態では、酸化ガス供給手段(酸化ガスブロア38および酸化ガス供給ライン36)とは別個に補助酸化ガス供給手段56(補助ブロア60、補助供給ライン58)を設け、運転停止工程のときにこの補助酸化ガス供給手段56から酸化ガス(例えば、空気)を供給しているが、この運転停止工程においても酸化ガス供給手段から酸化ガスを供給するようにしてもよく、このような場合、酸化ガス供給手段56を省略し、固体酸化物形燃料電池システム2を例えば図6に示すように制御するようにすればよい。
図6において、固体酸化物形燃料電池システム2に何らかの異常が発生して運転停止工程になると、上述したと同様に、温度検知手段90によって電池ハウジング54内の温度が検知され(ステップS21)、この検知温度が300℃以下のときには、ステップS22からステップS23に移り、固体酸化物形燃料電池システム2が通常停止される。
一方、電池ハウジング54内の温度状態が300℃を超えていると、ステップS22からステップS24に進み、酸素濃度検知手段84により酸素分圧を利用して酸素雰囲気中の酸素濃度の測定が行われる。そして、酸素雰囲気中の酸素分圧が例えば0.01atmまで低下すると、ステップS25からステップS26に進み、酸化ガスブロア38が低回転数で作動し、酸化ガスブロア38からの酸化ガス(例えば、空気)が酸化ガス供給ライン36および酸化ガス送給ライン32を通して燃料電池セルスタック6(複数の燃料電池セル8)の酸素極14側に送給され、このように酸化ガスを供給するようにしても電池ハウジング54内の酸素雰囲気中の酸素濃度を上昇させることができる。
また、酸化ガスブロア38からの酸化ガスの送給により酸素分圧が例えば0.2atm以上に上昇すると、ステップS27からステップS28を経てステップS29に移り、酸化ガスブロア38が作動停止して酸化ガスの供給が停止し、電池ハウジング54内の酸素雰囲気中の酸素濃度の更なる上昇が抑えられ、その後ステップS21に戻る。このように酸化ガスブロア38からの酸化ガスの供給を制御することによっても、上述したと同様の作用効果を達成することができる。
例えば、上述した実施形態では、燃料極を支持体とした燃料電池セルを備えた燃料電池セルスタックに適用して説明したが、このような形態のものに限定されず、図7に示す形態の燃料電池セルスタックにも同様に適用することができる。尚、図7の変形形態において、上述した実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図7において、この変形形態の燃料電池セルスタック6Aの各燃料電池セル8Aにおいては、酸素極14Aを支持体として固体電解質膜10および燃料極12Aが外側に向けてこの順に配設され、この酸素極14Aには、図7において上下方向にこれを貫通して酸化ガス流路92が設けられている。この形態では、図示していないが、燃料電池セルスタック6Aの基部ハウジングの下部空間に酸化ガス(例えば、空気)が送給され、各燃料電池セル8Aの酸化ガス流路92が基部ハウジングの下部空間に連通され、基部ハウジングの下部空間に送給された酸化ガスが矢印94で示すように流れる。また、基部ハウジングの上部空間に送給された燃料ガス(改質燃料ガス)はその上壁の開口から隣接する燃料電池セル8A間に排出され、隣接する燃料電池セル8A間を矢印96で示すように流れ、この変形形態では、隣接する燃料電池セル8A間の空間が、燃料ガスが流れる燃料ガス流路として機能する。
また、このような燃料電池セルスタック6Aを用いた場合、その上方の燃焼室40に保炎プレート102が配設されることがある。この保炎プレート102は、燃焼室40における改質燃料ガス(反応後の残余の燃料ガス)の燃焼火炎を保持するものであり、この保炎プレート102を利用して酸素濃度検知手段84(酸素濃度センサ86)を支持することによって確実に支持することができる。
図7に示すように、酸素濃度検知手段84は外部から電池ハウジング54の上壁を貫通して酸素雰囲気中に挿入され、その先端部が保炎プレート102に形成された孔を通して支持され、このように支持することによって、酸素濃度センサ86の検知部88を燃料電池セル8Aの酸化ガス流路92の下流端部近傍、即ち図7の燃料電池セル8Aの酸素極14Aの上端部近傍に配置すすることができる。この形態の燃料電池セルスタック6Aにおいても、固体酸化物形燃料電池システム2が異常停止した場合などにおいては、この上端部近傍の酸素が燃料極12Aの酸化により消費されて酸素濃度が低下する傾向にあり、従ってこの上端部近傍の酸素濃度を検知して上述したように制御することによって、燃料電池セル8Aの酸素極14Aの割れなどの発生を効果的に抑えることができる。
尚、このような形態の燃料電池セルスタック6Aを用いた場合においても、酸素濃度検知手段84(酸素濃度センサ86)の検知信号に基づいて上述したと同様にして燃料電池セルスタック6A(複数の燃料電池セル8A)の酸素極14A側に送給される酸化ガスを供給制御することによって、上述したと同様の作用効果を達成することができる。
上述した実施形態では、固体酸化物形燃料電池システム2の運転停止工程における酸素雰囲気中の酸素濃度低下に伴う燃料電池セル8(8A)の酸素極14(14A)の破損防止に適用しているが、このような制御は、通常運転工程(発電運転)における酸素雰囲気中の酸素濃度低下に伴う酸素極14(14A)の破損防止にも適用することができ、この場合、図8および図9に示すように固体酸化物形燃料電池システム2が作動制御される。 図8および図9において、図1の実施形態の固体酸化物形燃料電池システム2に適用して説明すると、通常運転工程(発電運転)中においては酸素濃度検知手段84(酸素濃度センサ86)によって電池ハウジング54内の酸素雰囲気中の酸素濃度が検知される(ステップS33)。この通常運転工程中は、一般的に、電池ハウジング54内は600〜650℃以上の高温状態に保たれている。
そして、酸素雰囲気中の酸素分圧が例えば0.01atmまで低下する、即ち酸素濃度検知手段84の検知出力(起電力)がV4まで上昇する(時間t1)と、ステップS34からステップS35に進み、補助ブロア60が作動し、更に開閉弁62が開状態となり(ステップS36)、補助ブロア60からの酸化ガス(例えば、空気)が補助供給ライン58を通して酸化ガス供給ライン36に供給され、酸化ガスブロア38からの酸化ガス(例えば、空気)とともに酸化ガス供給ライン36および酸化ガス送給ライン32を通して燃料電池セルスタック6(複数の燃料電池セル8)の酸素極14側に送給される。
通常運転工程(発電運転)中に燃料電池セル8がアンバランスな燃焼状態になって酸素雰囲気中の酸素濃度が低下すると、このような状態においても燃料電池セルスタック6(複数の燃料電池セル8)の酸素極14が還元膨張して破損しやすくなるが、補助ブロア60から酸化ガスをこのように供給することによって、酸素雰囲気中の酸素濃度の低下が抑えられ、これによって、アンバランスな燃焼状態にて発生するおそれのある燃料電池セルスタック6の酸素極14の破損も抑えることができる。
また、補助酸化ガス供給手段56からの酸化ガスの送給により酸素分圧が例えば0.2atm以上に上昇する、即ち酸素濃度検知手段84の検知出力(起電力)がV3まで低下する(時間t2)と、ステップS37からステップS38を経てステップS39に移り、補助ブロア60の作動が停止するとともに、開閉弁62が閉状態となり(ステップS40)、このようにして補助酸化ガス供給手段56からの酸化ガスの供給が停止し、電池ハウジング54内の酸素雰囲気中の酸素濃度の更なる上昇が抑えられ、その後ステップS31に戻る。
このように固体酸化物形燃料電池システム2の通常運転工程(即ち、発電運転)中において燃料電池セルスタック6(複数の燃料電池セル8)の燃焼状態がアンバランスになっても電池ハウジング54内の酸素雰囲気中の酸素濃度が所定範囲に保たれ、その結果、燃料電池セルスタック6の酸素極14の破損を抑えることができる。
以上、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
2 固体酸化物形燃料電池システム
4 改質器
6,6A 燃料電池セルスタック
8,8A 燃料電池セル
10 固体電解質
12,12A 燃料極
14,14A 酸素極
36 酸化ガス供給ライン
38 酸化ガスブロア
52 高温空間
54 電池ハウジング
56 補助酸化ガス供給手段
58 補助供給ライン
60 補助ブロア
62 開閉弁
84 酸素濃度検知手段
90 温度検知手段
102 保炎プレート



















Claims (7)

  1. 固体電解質膜、前記固体電解質膜の片面に配設された燃料極および前記固体電解質膜の他面に配設された酸素極を備えた燃料電池セルと、燃料ガスを改質する改質器とを備え、前記燃料電池セルおよび前記改質器が高温空間を規定する電池ハウジング内に収容され、改質器にて改質された水素を含有する改質燃料ガスが前記燃料極側に供給され、酸素を含有する酸化ガスが前記酸素極側に供給される固体酸化物形燃料電池システムであって、
    前記電池ハウジング内の酸素雰囲気中に酸素濃度検知手段が配設され、前記酸素濃度検知手段の検知出力に基づいて前記電池ハウジング内の酸素雰囲気中の酸素濃度を制御することを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
  2. 前記酸素濃度検知手段は、酸化物イオン導電性を有する酸化物材料から構成され、300℃以上の温度雰囲気において酸素雰囲気中の酸素分圧を検知し、外部の大気圧を標準酸素分圧として、前記電池ハウジング内の酸素雰囲気中の酸素分圧との分圧差に基づいて酸素濃度を検知することを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池セルは、前記燃料極を支持体として前記固体電解質膜および前記酸素極がこの順に配設されており、前記燃料電池セルは所定方向に複数配設されて燃料電池セルスタックを構成し、隣接する前記燃料電池セルの間に酸素を含有する酸化ガスが流れる酸化ガス流路が規定され、前記酸素濃度検知手段は前記酸化ガス流路および/または前記電池ハウジングの内側に配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池セルは、前記酸素極を支持体として前記固体電解質膜および前記燃料極がこの順に配設されており、前記燃料電池セルは所定方向に複数配設されて燃料電池セルスタックを構成し、前記支持体に酸化ガスが流れる酸化ガス流路が設けられ、前記酸素濃度検知手段は前記酸化ガス流路に配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池セルスタックの前記燃料極側および前記酸素極側の排出側に燃焼室が設けられ、前記燃焼室に燃焼火炎を保持するための保炎プレートが設けられ、前記酸素濃度検知手段は前記保炎プレートに支持されていることを特徴とする請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  6. 前記酸素濃度検知手段は、前記燃料電池セルの前記酸素極の上端部近傍における酸素濃度を検知し、その検知出力に基づいて前記燃料電池セルの前記酸素極側に送給される酸化ガスを制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  7. 前記酸素濃度検知手段は、通常運転工程時および運転停止工程時に前記電池ハウジング内の酸素雰囲気中の酸素濃度を検知し、その検知出力に基づいて前記燃料電池セルの前記酸素極側に送給される酸化ガスを制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。






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