JP2014213235A - 繊維強化多孔質中空糸膜の製造方法 - Google Patents

繊維強化多孔質中空糸膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】補強繊維を中空糸膜中に完全に埋没させた多孔質中空糸膜であって、多孔質中空糸膜本来の機能を損なうことなく機械的強度を向上せしめた繊維強化多孔質中空糸膜の製造方法を提供する。【解決手段】内側ノズル、中側ノズルおよび外側ノズルの順に三重の環を構成している三重環状ノズルの内側ノズルに芯液を、中側ノズルに補強繊維および紡糸原液を、さらに外側ノズルに紡糸原液をそれぞれ導入して湿式紡糸または乾湿式紡糸を行うことにより繊維強化多孔質中空糸膜を製造する。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化多孔質中空糸膜の製造方法に関する。さらに詳しくは、機械的強度にすぐれた繊維強化多孔質中空糸膜の製造方法に関する。
多孔質中空糸膜は、膜ロ過による浄水処理、廃水処理、除湿あるいは加湿を行う際などさまざまな分野で用いられている。
膜ロ過による浄水処理や廃水処理は、これまでの凝集沈殿のロ過方式と比較し、運転の維持や管理が容易であり、処理水質も良好であることから、近年水処理分野で幅広く用いられている。例えば活性汚泥処理と膜分離処理を組み合わせたメンブレンリアクター法〔MBR〕の膜分離処理に用いられる膜としては、高強度、耐久性、耐薬品性が要求されることから、特許文献1〜2に記載されている熱誘起相分離法によって調製されるポリフッ化ビニリデン〔PVDF〕膜が使用されることが多い。
しかしながら、熱誘起相分離法によって調製されるPVDF膜は、強度が8〜22MPa程度であり、またこのうち実用されているものは11MPa程度のものが多いというように、高い強度は示すものの、非溶媒誘起相分離法で調製された膜と比較して、必ずしも十分な強度を有しているものとはいえない。また、熱誘起相分離法は工程が複雑であり、多くの溶剤を用いた洗浄が必要であることから高コストで環境にやさしいものとはいい難いといった側面を有する。
一方、非溶媒誘起相分離法を用いて調製されるポリスルホンやPVDF等を樹脂ケース内に接着剤を用いて固定した構造の膜モジュール(膜面積約10〜100m2)も廃水処理や浄水処理に多く使用されている。このような膜モジュールには毎分数10L〜数100Lといった量の水が供給されて使用される。その際、定期的に流量回復を目的とした薬品洗浄や搖動洗浄などが施されることから、使用時あるいは洗浄時に中空糸膜が破断する場合がある。
また、中空糸膜方式で除湿あるいは加湿を行う方法は、メンテナンスフリーであるばかりではなく、駆動に電源を必要とはしないなど多くの利点を有している。このような除湿膜あるいは加湿膜としては、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニルスルホンといった膜形成性樹脂材料が用いられている(特許文献3等)。これらの材料を用いた除湿膜は、多くの産業分野で用いられているものの、多孔質であるために膜の絶対強度が弱く、用途によっては多量の気体を流して使用されるために使用時に中空糸膜が破断するといった問題がみられる。一方、加湿膜についても、近年では燃料電池スタックの隔膜の加湿に多く用いられているが、この場合にも例えば車載用途において4000NL/分程度の多量の空気が流れることから、その機械的強度との関係で中空糸膜切れといった問題がある。
このような多孔質中空糸膜の中空糸膜切れを防止し、機械的強度を向上させる手段として補強繊維を中空糸膜中に埋没させた多孔質膜が提案されている(特許文献4)。ここで、補強繊維を中空糸膜中に埋没させるに当り、二重環状ノズルの外側ノズルより紡糸原液とともに補強繊維を押し出して多孔質中空糸膜を製造した場合には、ノズルから吐出された紡糸原液が凝固して膜になる過程において、補強繊維が中空糸膜の外側に移動する傾向がみられ、部分的に中空糸膜内に埋没されず補強が不十分な部位が生じることから強度にバラツキを生じ、使用時あるいは洗浄時に糸切れが発生するおそれもある。
特公平4−33302号公報 特許第2,899,903号公報 特開2004−290751号公報 特開2002−166141号公報
本発明の目的は、補強繊維を中空糸膜中に完全に埋没させた多孔質中空糸膜であって、多孔質中空糸膜本来の機能を損なうことなく機械的強度を向上せしめた繊維強化多孔質中空糸膜の製造方法を提供することにある。
かかる本発明の目的は、内側ノズル、中側ノズルおよび外側ノズルの順に三重の環を構成している三重環状ノズルの内側ノズルに芯液を、中側ノズルに補強繊維および紡糸原液を、さらに外側ノズルに紡糸原液導入して湿式紡糸または乾湿式紡糸を行うことにより繊維強化多孔質中空糸膜を製造することによって達成される。
二重環状ノズルを用いて紡糸した場合には、紡糸原液とともに吐出された補強繊維は中空糸膜前駆体の外側に移動してしまい、外側ノズルから吐出された紡糸原液が凝固して膜になる過程において、補強繊維が部分的に中空糸膜内に埋没されず補強が不十分な部位が生じる場合があるが、本発明方法では三重環状ノズルを用いて、中側ノズルより押し出された補強繊維の外側にさらに外側ノズルより紡糸原液が吐出されることから、多孔質中空糸膜の膜内部に補強繊維を完全に埋め込んだ状態で中空糸膜を製造することができ、高強度の中空糸膜を得ることができるといった効果を奏する。
実施例1で得られた補強繊維埋没多孔質中空糸膜の断面拡大写真である 比較例4で得られた補強繊維埋没多孔質中空糸膜の断面拡大写真である
三重環状ノズルとしては、従来から用いられている公知のもの、すなわち所望の中空糸膜サイズに応じた径を有する内側ノズル、中側ノズルおよび外側ノズルの順に三重の環を構成しているものであれば特に制限なく用いることができる。なお、補強繊維を多孔質中空糸膜の機能層(被処理物接触側)ではない側の中空糸膜表面からみて中空糸膜膜厚の90%
を超えない位置に配置させることにより、透過性能、分離性能を高く保ちつつ力学的特性をさらに向上させることができることから、好ましくはかかる中空糸膜を紡糸し得る内径、外径を有する内側ノズル、中側ノズルおよび外側ノズルを有する三重環状ノズルが選択される。
繊維強化多孔質中空糸膜は、三重環状ノズルの内側ノズルに芯液を、中側ノズルに補強繊維および紡糸原液を、さらに外側ノズルに紡糸原液導入して湿式紡糸または乾湿式紡糸を行うことにより製造される。
芯液としては、膜形成性樹脂の非溶媒、例えば水、ポリビニルピロリドン水溶液などが用いられる。紡糸原液としては、公知の中空糸膜形成材料(ポリマー)のいずれも用いることができ、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、再生セルロースまたはこれらの混合物等のセルロース系材料、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等の疎水性ポリマーが挙げられる。また、膜形成性樹脂の可溶性溶媒としてはアルコールやジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒が好んで用いられる。
紡糸原液は、中側ノズルおよび外側ノズルの両方に導入されるが、それぞれ用いられる紡糸原液は同種のもの、異種のもののいずれであってもかまわない。
中側ノズルに紡糸原液とともに導入される補強繊維としては、従来用いられている補強材として用いられている繊維材料であれば特に制限なく用いることができ、例えばモノフィラメント、マルチフィラメント、紡績糸などが、具体的にはポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンサルファイド、塩化ビニル、セルロース、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、アラミドなどを原料とする天然または合成繊維、ステンレス、銅などの金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの少なくとも一種が挙げられ、好ましくはポリエチレンテレフタレート繊維が用いられる。
かかる補強繊維は、紡糸原液とともに中側ノズルに導入される。補強繊維の中側ノズルへの導入は、紡糸原液が供給される箇所より紡糸原液とともに行う、あるいは、三重管状ノズルに、中側ノズル内に補強繊維を導入し得る状態で補強繊維導入パイプを装備したものを用いて行うなど中側ノズル内に補強繊維を導入し得る方法であれば任意の方法を用いることができる。
補強繊維の導入は、好ましくは内側ノズル外周面に沿って行われる。これは、ノズルから吐出された紡糸原液が芯液と接触して芯液の非溶媒と紡糸原液の溶媒が交換されて膜化する過程において紡糸原液中の補強繊維が膜の外周側に押し出される傾向にあり、その影響による補強繊維の膜の外周への露出を抑制することを目的としている。また、補強繊維は、中間ノズルに均一に分散させた状態でも用いられるが、部分的、例えば中間ノズルの一部または対称位置に複数本を挿入するようにしてもよい(図1参照)。
紡糸にあたっては、各ノズルから吐出される芯液、紡糸原液の吐出時の圧力は同じ圧力でも構わないが、好ましくは補強繊維が中空糸膜外へ露出することを防止するため外側ノズルに導入された紡糸原液に対する圧力が中側ノズルに導入された紡糸原液に対する圧力よりも高く設定される。
多孔質中空糸膜は、湿式紡糸または乾湿式紡糸法によって紡糸された多孔質中空糸膜前駆体を凝固液を用いた凝固、洗浄、乾燥を行うことによって製造される。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
内径0.5mm、外径0.7mmの内側ノズル、内径2mmの外側ノズルおよびこれらに挟まれている内径1mm、外径1.125mmの中側ノズルよりなる三重管状ノズルの中側ノズルより、内側ノズルから芯液としての水を流出させながら、補強繊維としてのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(110デシテックス/24フィラメント;破断強度6N)2本および紡糸原液を、紡糸原液の供給速度に対してポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの供給速度が同程度となるような供給割合で、中間ノズルの対称位置となる2箇所に供給し、また外側ノズルからは紡糸原液のみを吐出させ、空走空間を経て、これを水温50℃の水(凝固液)中で凝固させ、乾湿式紡糸により補強繊維埋没中空糸前駆体を得た。ここで、紡糸原液としては、ポリフェニルスルホン20重量%、ジメチルホルムアミド65重量%、ポリビニルピロリドン15重量%からなるものが用いられ、また補強繊維の中側ノズルへの導入は、三重管状ノズルに、中側ノズル内に補強繊維を導入し得る状態で補強繊維導入パイプを装置したものを用いて行われた。
補強繊維埋没中空糸前駆体は121℃、1時間の高圧滅菌処理を行った後、庫内温度40℃の恒温槽内に入れて乾燥処理を行うことにより、補強繊維埋没多孔質ポリフェニルスルホン中空糸膜を得た。得られた補強繊維埋没多孔質中空糸膜の断面写真(×175)は図1に示され、補強繊維が完全に中空糸膜膜厚内に埋没していることが確認された。
得られた多孔質ポリフェニルスルホン中空糸膜は、外径1000μm、内径500μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.28g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ58MPaであった。
実施例2
実施例1において、紡糸原液としてポリフェニルスルホンの代わりにポリスルホンを同量(20重量%)用いて調整されたものが用いられた。得られた多孔質ポリスルホン中空糸膜は、外径1000μm、内径500μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.23g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ57MPaであった。
実施例3
実施例1において、紡糸原液としてポリエーテルイミド20重量%、ジメチルアセトアミド80重量%からなるものが用いられた。得られた多孔質ポリエーテルイミド中空糸膜は、外径1000μm、内径500μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.36g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ57MPaであった。
比較例1
実施例1において、内径0.4mm、外径0.6mmの内側ノズルおよび内径1.15mmの外側ノズルよりなる二重管状ノズルの内側ノズルから芯液としての水を流出させながら、補強繊維を用いることなく紡糸原液を外側ノズルからを吐出させ、空走空間を経て、これを水温50℃の水(凝固液)中で凝固させ、乾湿式紡糸により補強繊維埋没中空糸前駆体を得た。これを乾燥処理して得られた多孔質ポリフェニルスルホン中空糸膜は、外径1000μm、内径700μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.28g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ8.5MPaであった。
比較例2
比較例1において、紡糸原液として実施例2で用いられた紡糸原液を用いたところ、得られた多孔質ポリスルホン中空糸膜は、外径1000μm、内径700μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.23g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ8.1MPaであった。
比較例3
比較例1において、紡糸原液として実施例3で用いられた紡糸原液を用いたところ、得られた多孔質ポリエーテルイミド中空糸膜は、外径1000μm、内径700μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.36g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ8.0MPaであった。
比較例4
実施例3において、内側ノズルおよび外側ノズルよりなる二重管状ノズルの内側ノズルから芯液としての水を流出させながら、補強繊維としてのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(110デシテックス/24フィラメント)および紡糸原液を外側ノズルからを吐出させ、これを水温50℃の水(凝固液)中で凝固させ、乾湿式紡糸により補強繊維埋没中空糸前駆体を得た。これを乾燥して得られた補強繊維埋没多孔質ポリエーテルイミド中空糸膜の断面写真(×175)は図2に示され、補強繊維の一部が中空糸の外側に露出してしまっていることが確認された。
この多孔質ポリエーテルイミド中空糸膜は、外径1000μm、内径700μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.36g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ、8.0〜27.0MPaというように補強なし程度の強度から完全補強時の強度程度まで箇所によりムラがみられた。
得られた繊維強化多孔質中空糸膜は、高荷重や長期使用での糸切れを抑制することができることから、膜ロ過による浄水処理、下廃水処理、除湿あるいは加湿を行う際などさまざまな分野で有効に用いられる。
膜ロ過による浄水処理や廃水処理は、これまでの凝集沈殿のロ過方式と比較し、運転の維持や管理が容易であり、処理水質も良好であることから、近年水処理分野で幅広く用いられている。例えば活性汚泥処理と膜分離処理を組み合わせたメンブレンリアクター法〔MBR〕の膜分離処理に用いられる膜としては、高強度、耐久性、耐薬品性が要求されることから、熱誘起相分離法によって調製されるポリフッ化ビニリデン〔PVDF〕膜が使用されることが多い。
また、中空糸膜方式で除湿あるいは加湿を行う方法は、メンテナンスフリーであるばかりではなく、駆動に電源を必要とはしないなど多くの利点を有している。このような除湿膜あるいは加湿膜としては、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニルスルホンといった膜形成性樹脂材料が用いられている(特許文献等)。これらの材料を用いた除湿膜は、多くの産業分野で用いられているものの、多孔質であるために膜の絶対強度が弱く、用途によっては多量の気体を流して使用されるために使用時に中空糸膜が破断するといった問題がみられる。一方、加湿膜についても、近年では燃料電池スタックの隔膜の加湿に多く用いられているが、この場合にも例えば車載用途において4000NL/分程度の多量の空気が流れることから、その機械的強度との関係で中空糸膜切れといった問題がある。
このような多孔質中空糸膜の中空糸膜切れを防止し、機械的強度を向上させる手段として補強繊維を中空糸膜中に埋没させた多孔質膜が提案されている(特許文献)。ここで、補強繊維を中空糸膜中に埋没させるに当り、二重環状ノズルの外側ノズルより紡糸原液とともに補強繊維を押し出して多孔質中空糸膜を製造した場合には、ノズルから吐出された紡糸原液が凝固して膜になる過程において、補強繊維が中空糸膜の外側に移動する傾向がみられ、部分的に中空糸膜内に埋没されず補強が不十分な部位が生じることから強度にバラツキを生じ、使用時あるいは洗浄時に糸切れが発生するおそれもある。
特開2004−290751号公報 特開2002−166141号公報
本発明は、繊維強化多孔質中空糸膜の製造方法に関する。さらに詳しくは、機械的強度にすぐれた繊維強化多孔質中空糸膜の製造方法に関する。
多孔質中空糸膜は、膜ロ過による浄水処理、廃水処理、除湿あるいは加湿を行う際などさまざまな分野で用いられている。
膜ロ過による浄水処理や廃水処理は、これまでの凝集沈殿のロ過方式と比較し、運転の維持や管理が容易であり、処理水質も良好であることから、近年水処理分野で幅広く用いられている。例えば活性汚泥処理と膜分離処理を組み合わせたメンブレンリアクター法〔MBR〕の膜分離処理に用いられる膜としては、高強度、耐久性、耐薬品性が要求されることから、熱誘起相分離法によって調製されるポリフッ化ビニリデン〔PVDF〕膜が使用されることが多い。
しかしながら、熱誘起相分離法によって調製されるPVDF膜は、強度が8〜22MPa程度であり、またこのうち実用されているものは11MPa程度のものが多いというように、ある程度の強度は示すものの、非溶媒誘起相分離法で調製された膜と比較して、必ずしも十分な強度を有しているものとはいえない。また、熱誘起相分離法は工程が複雑であり、多くの溶剤を用いた洗浄が必要であることから高コストで環境にやさしいものとはいい難いといった側面を有する。
一方、非溶媒誘起相分離法を用いて調製されるポリスルホンやPVDF等を樹脂ケース内に接着剤を用いて固定した構造の膜モジュール(膜面積約10〜100m2)も廃水処理や浄水処理に多く使用されている。このような膜モジュールには毎分数10L〜数100Lといった量の水が供給されて使用される。その際、定期的に流量回復を目的とした薬品洗浄や搖動洗浄などが施されることから、使用時あるいは洗浄時に中空糸膜が破断する場合がある。
また、中空糸膜方式で除湿あるいは加湿を行う方法は、メンテナンスフリーであるばかりではなく、駆動に電源を必要とはしないなど多くの利点を有している。このような除湿膜あるいは加湿膜としては、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニルスルホンといった膜形成性樹脂材料が用いられている(例えば特許文献1)。これらの材料を用いた除湿膜は、多くの産業分野で用いられているものの、多孔質であるために膜の絶対強度が弱く、用途によっては多量の気体を流して使用されるために使用時に中空糸膜が破断するといったおそれがある。一方、加湿膜についても、近年では燃料電池スタックの隔膜の加湿に多く用いられているが、この場合にも例えば車載用途において4000NL/分程度の多量の空気が流れることから、その機械的強度との関係で中空糸膜切れといったおそれがある
このような多孔質中空糸膜の中空糸膜切れを防止し、機械的強度を向上させる手段として補強繊維を中空糸膜中に埋没させた多孔質膜が提案されている(特許文献2)。ここで、補強繊維を中空糸膜中に埋没させるに当り、二重環状ノズルの外側ノズルより紡糸原液とともに補強繊維を押し出して多孔質中空糸膜を製造した場合には、ノズルから吐出された紡糸原液が凝固して膜になる過程において、補強繊維が中空糸膜の外側に移動する傾向がみられ、部分的に中空糸膜内に埋没されず補強が不十分な部位が生じることから強度にバラツキを生じ、使用時あるいは洗浄時に糸切れが発生するおそれもある。
特開2004−290751号公報 特開2002−166141号公報
本発明の目的は、補強繊維を中空糸膜中に完全に埋没させた多孔質中空糸膜であって、多孔質中空糸膜本来の機能を損なうことなく機械的強度を向上せしめた繊維強化多孔質中空糸膜の製造方法を提供することにある。
かかる本発明の目的は、内側ノズル、中側ノズルおよび外側ノズルの順に三重の環を構成している三重環状ノズルの内側ノズルに芯液を、中側ノズルに補強繊維および紡糸原液を、さらに外側ノズルに紡糸原液をそれぞれ導入して湿式紡糸または乾湿式紡糸を行い、繊維強化多孔質中空糸膜を製造する方法によって達成される。
二重環状ノズルを用いて紡糸した場合には、紡糸原液とともに吐出された補強繊維は中空糸膜状物の外側に移動してしまい、外側ノズルから吐出された紡糸原液が凝固して膜を形成する過程において、補強繊維が部分的に中空糸膜内に埋没されず補強が不十分な部位が生じる場合があるが、本発明方法では三重環状ノズルを用いて、中側ノズルより押し出された補強繊維の外側にさらに外側ノズルより紡糸原液が吐出されることから、多孔質中空糸膜の膜内部に補強繊維を完全に埋め込んだ状態で中空糸膜を製造することができ、高強度の中空糸膜を得ることができるといった効果を奏する。
実施例1で得られた補強繊維埋没多孔質中空糸膜の拡大断面写真である 比較例4で得られた補強繊維埋没多孔質中空糸膜の拡大断面写真である
三重環状ノズルとしては、従来から用いられている公知のもの、すなわち所望の中空糸膜サイズに応じた径を有する内側ノズル、中側ノズルおよび外側ノズルの順に三重の環を構成しているものであれば特に制限なく用いることができる。なお、補強繊維を多孔質中空糸膜の機能層(被処理物接触側)ではない側の中空糸膜表面からみて中空糸膜膜厚の90%を超えない位置に配置させることにより、透過性能、分離性能を高く保ちつつ力学的特性をさらに向上させることができることから、好ましくはかかる中空糸膜を紡糸し得る内径、外径を有する内側ノズル、中側ノズルおよび外側ノズルを有する三重環状ノズルが選択される。
繊維強化多孔質中空糸膜は、三重環状ノズルの内側ノズルに芯液を、中側ノズルに補強繊維および紡糸原液を、さらに外側ノズルに紡糸原液をそれぞれ導入して湿式紡糸または乾湿式紡糸を行うことにより製造される。
芯液としては、膜形成性樹脂の非溶媒、例えば水、ポリビニルピロリドン水溶液などが用いられる。紡糸原液のポリマーとしては、公知の中空糸膜形成材料(ポリマー)のいずれも用いることができ、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、再生セルロースまたはこれらの混合物等のセルロース系材料、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等の疎水性ポリマーが挙げられる。また、膜形成性樹脂の可溶性溶媒としてはアルコールやジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒が好んで用いられる。
紡糸原液は、中側ノズルおよび外側ノズルの両方に導入されるが、それぞれ用いられる紡糸原液は同種のもの、異種のもののいずれであってもかまわない。
中側ノズルに紡糸原液とともに導入される補強繊維としては、従来用いられている補強材として用いられている繊維材料であれば特に制限なく用いることができ、例えばモノフィラメント、マルチフィラメント、紡績糸などが、具体的にはポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンサルファイド、塩化ビニル、セルロース、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、アラミドなどを原料とする天然または合成繊維、ステンレス、銅などの金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの少なくとも一種が挙げられ、好ましくはポリエチレンテレフタレート繊維が用いられる。
かかる補強繊維は、紡糸原液とともに中側ノズルに導入される。補強繊維の中側ノズルへの導入は、紡糸原液が供給される箇所より紡糸原液とともに行う方法あるいは三重管状ノズルに、中側ノズル内に補強繊維を導入し得る状態で補強繊維導入パイプを装備したものを用いて行う方法など中側ノズル内に補強繊維を導入し得る方法であれば任意の方法を用いることができる。
補強繊維の導入は、好ましくは内側ノズル外周面に沿って行われる。これは、ノズルから吐出された紡糸原液が芯液と接触して芯液の非溶媒と紡糸原液の溶媒が交換されて膜化する過程において紡糸原液中の補強繊維が膜の外周側に押し出される傾向にあり、その影響による補強繊維の膜の外周への露出を抑制することを目的としている。また、補強繊維は、中間ノズルに均一に分散させた状態でも用いられるが、部分的、例えば中間ノズルの一部または対称位置に複数本を挿入するようにしてもよい(図1参照)。
紡糸にあたっては、各ノズルから吐出される芯液、紡糸原液の吐出時の圧力は同じ圧力でも構わないが、好ましくは補強繊維が中空糸膜外へ露出することを防止するため外側ノズルに導入された紡糸原液に対する押出圧力が中側ノズルに導入された紡糸原液に対する押出圧力よりも高く設定される。
多孔質中空糸膜は、湿式紡糸または乾湿式紡糸法によって紡糸された多孔質中空糸膜状物を凝固液を用いた凝固、洗浄、乾燥を行うことによって製造される。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
内径0.5mm、外径0.7mmの内側ノズル、内径2mmの外側ノズルおよびこれらに挟まれている内径1mm、外径1.125mmの中側ノズルよりなる三重管状ノズルの中側ノズルより、内側ノズルから芯液としての水を流出させながら、補強繊維としてのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(糸繊度110デシテックス/24フィラメント;破断強度6N)2本および紡糸原液を、紡糸原液の供給速度に対してポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの供給速度が同程度となるような供給割合で、中間ノズルの円周上対称位置となる2箇所に供給し、また外側ノズルからは紡糸原液のみを吐出させ、空走空間を経て、これを水温50℃の水(凝固液)中で凝固させ、乾湿式紡糸により補強繊維埋没中空糸膜状物得た。
ここで、紡糸原液としては、ポリフェニルスルホン20重量%、ジメチルホルムアミド65重量%、ポリビニルピロリドン15重量%からなるものが用いられ、また補強繊維の中側ノズルへの導入は、三重管状ノズルに、中側ノズル内に補強繊維を導入し得る状態で補強繊維導入パイプを装備したものを用いて行われた。
補強繊維埋没中空糸膜状物は121℃、1時間の高圧滅菌処理を行った後、庫内温度40℃の恒温槽内に入れて乾燥処理を行うことにより、補強繊維埋没多孔質ポリフェニルスルホン中空糸膜を得た。得られた補強繊維埋没多孔質中空糸膜の拡大断面写真(×175)は図1に示され、補強繊維が完全に中空糸膜膜厚内に埋没していることが確認された。
得られた多孔質ポリフェニルスルホン中空糸膜は、外径1000μm、内径500μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.28g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ58MPaであった。
実施例2
実施例1において、紡糸原液としてポリフェニルスルホンの代わりにポリスルホンを同量(20重量%)用いて調製されたものが用いられた。得られた多孔質ポリスルホン中空糸膜は、外径1000μm、内径500μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.23g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ57MPaであった。
実施例3
実施例1において、紡糸原液としてポリエーテルイミド20重量%、ジメチルアセトアミド80重量%からなるものが用いられた。得られた多孔質ポリエーテルイミド中空糸膜は、外径1000μm、内径500μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.36g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ57MPaであった。
比較例1
実施例1において、内径0.4mm、外径0.6mmの内側ノズルおよび内径1.15mmの外側ノズルよりなる二重管状ノズルの内側ノズルから芯液としての水を流出させながら、補強繊維を用いることなく紡糸原液を外側ノズルからを吐出させ、空走空間を経て、これを水温50℃の水(凝固液)中で凝固させ、乾湿式紡糸により補強繊維埋没中空糸膜状物を得た。これを乾燥処理して得られた多孔質ポリフェニルスルホン中空糸膜は、外径1000μm、内径700μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.28g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ8.5MPaであった。
比較例2
比較例1において、紡糸原液として実施例2で用いられた紡糸原液を用いたところ、得られた多孔質ポリスルホン中空糸膜は、外径1000μm、内径700μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.23g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ8.1MPaであった。
比較例3
比較例1において、紡糸原液として実施例3で用いられた紡糸原液を用いたところ、得られた多孔質ポリエーテルイミド中空糸膜は、外径1000μm、内径700μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.36g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ8.0MPaであった。
比較例4
実施例3において、内側ノズルおよび外側ノズルよりなる二重管状ノズルの内側ノズルから芯液としての水を流出させながら、補強繊維としてのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(糸繊度110デシテックス/24フィラメント)および紡糸原液を外側ノズルからを吐出させ、これを水温50℃の水(凝固液)中で凝固させ、乾湿式紡糸により補強繊維埋没中空糸膜状物を得た。これを乾燥して得られた補強繊維埋没多孔質ポリエーテルイミド中空糸膜の拡大断面写真(×175)は図2に示され、補強繊維の一部が中空糸の外側に露出してしまっていることが確認された。
この多孔質ポリエーテルイミド中空糸膜は、外径1000μm、内径700μmであり、25℃における水蒸気透過速度は0.36g/cm2/分/MPa、純水透過速度は0ml/cm2/時間/MPa、空気透過速度は0ml/cm2/分/MPaであった。また、標線間距離50mm、試験速度毎分20mmで引張試験を行い破断応力を算出したところ、8.0〜27.0MPaというように補強なし程度の強度から完全補強時の強度の半分程度まで箇所によりムラがみられた。
得られた繊維強化多孔質中空糸膜は、高荷重や長期使用での糸切れを抑制することができることから、膜ロ過による浄水処理、下廃水処理、除湿あるいは加湿を行う際などさまざまな分野で有効に用いられる。

Claims (4)

  1. 内側ノズル、中側ノズルおよび外側ノズルの順に三重の環を構成している三重環状ノズルの内側ノズルに芯液を、中側ノズルに補強繊維および紡糸原液を、さらに外側ノズルに紡糸原液導入して湿式紡糸または乾湿式紡糸を行う繊維強化多孔質中空糸膜の製造方法。
  2. 内側ノズル外周面に沿って補強繊維の導入が行われる請求項1記載の繊維強化多孔質中空糸膜の製造方法。
  3. 中側ノズル中の紡糸原液よりも、外側ノズル中の紡糸原液および内側ノズル中の芯液に対する圧力を高くして、紡糸が行われる請求項1記載の繊維強化多孔質中空糸膜の製造方法。
  4. 請求項1、2または3のいずれかの請求項に記載の多孔質中空糸膜の製造方法によって製造された繊維強化多孔質中空糸膜。
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