JP2014210865A - マイクロ流路形成用放射線硬化性樹脂組成物およびマイクロ流路 - Google Patents

マイクロ流路形成用放射線硬化性樹脂組成物およびマイクロ流路 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロ流路の形成用材料として好適な特性、特に、低い屈折率と安定した透明性、良好な塗布性、ガラス基材等との密着性、強度・柔軟性に優れた放射線硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)放射線反応性基とフッ素原子を有し、数平均分子量が1000〜500000である共重合体、(B)放射線反応性基を有する(A)以外の化合物、及び(C)放射線重合開始剤を含有するマイクロ流路形成用放射線硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、マイクロ流路形成用放射線硬化性樹脂組成物、マイクロ流路及びマイクロ流路の製造方法に関する。
チップ基板内に液体や気体等からなる流体の微細な流路、バルブ、流体の導入口、排出口等を形成した小型デバイスであるマイクロ流路(用途等によっては、マイクロ流路チップ、マイクロリアクター等とも呼ばれる。)が開発され、多様な物質の分離分析、センサー、化学反応等の多様な用途への応用が図られつつある。
最近、マイクロ流路を利用して、タンパク質、DNAやRNA等の核酸、糖鎖などの生体関連物質の分離分析や合成を行うことにより、医薬品や農薬等のハイスループットスクリーニングへの応用が注目されている。
マイクロ流路は、例えば、ガラスやポリシロキサン、合成樹脂等からなる基板内に幅、深さ共に10〜100μm程度の流路が形成された構造を有している(非特許文献1、特許文献1)。このような流路は、基板上に断面が矩形またはU字型等の上部が開放された溝を形成し、必要に応じて他の基板を用いて蓋を設けることにより上部が閉じた流路を形成することにより形成される。溝を形成した基板と蓋となる基板は、接着剤により接着され、又は熱等により溶着される場合が多い。
合成樹脂からなる基板(基板フィルムを含む)を用いてマイクロ流路を形成する場合には、例えば、射出成形等の方法により流路を形成することが可能であり、経済的にマイクロ流路を形成することができる。溝を形成した基板と蓋となる基板や基板フィルムは、熱プレス、超音波溶着、接着剤等の方法により接着される。
マイクロ流路が微細化するにつれ、その形成技術としてフォトリソグラフィー技術を応用したMEMS(micro electro mechanical systems)技術が用いられるようになっている。MEMS技術により形成されるマイクロ流路には、シリコン基板の上にフォトレジスト等の光硬化性材料を用いて流路が形成されている。
マイクロリアクター技術の最前線 前一廣著、シーエムシー出版(2012年)ISBN:978−4781305875
特開2009−047438号公報
しかしながら、マイクロ流路に生体関連物質を流す場合には、流路の表面や流路の一部に露出した接着剤等に生体関連物質が非特異的に吸着される場合があり、微量の生体関連物質の分離分析や合成反応等を行う際に検出感度や反応収率が低下する問題があった。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、生体関連物質の非特異吸着量が少ないマイクロ流路の形成材料を提供するものである。
そこで、本願発明者は、(A)放射線反応性基とフッ素原子を有し、数平均分子量が1000〜500000である共重合体、
(B)放射線反応性基とフッ素原子を有する(A)以外の化合物、及び
(C)放射線重合開始剤を含有する放射線硬化性樹脂組成物により、上記の目的を達成できることを見出した。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、有機溶剤を実質的に含まないため揮発性物質が発生せず環境負荷が小さく、室温で扱いやすい粘度を有するため200μm程度までの厚さの流路パターンを作成することができ、低温で放射線硬化が可能であり、また、本発明の放射線硬化性樹脂組成物を接着剤として用いて形成されるマイクロ流路は、接着剤層の屈折率がガラスに近似しているため透明性が高く、ガラス基板に対する接着力が高いため液漏れ等がなく耐久性に優れたマイクロ流路を得ることができる。
なお、本願明細書において、流路パターンとは、上面が開放されている流路溝である。流路パターンの上面に蓋を設けることによって、上面が閉じた流路が形成される。また、マイクロ流路とは、流路を有するチップあるいはデバイスをいう。
図1は、本発明の組成物を用いてマイクロ流路を形成する方法の第1の実施態様を示す図である。 図2は、本発明の組成物を用いてバイオセンサーとして用いることができるマイクロ流路を形成する方法の第2の実施態様を示す図である。 図3は、本発明の組成物を用いてマイクロ流路を形成する方法の第3の実施態様を示す図である。 図4は、本発明の組成物を用いてマイクロ流路を形成する方法の第4の実施態様を示す図である。 図5は、本発明の組成物を用いてマイクロ流路を形成する方法の第5の実施態様を示す図である。 図6は、本発明の組成物を用いてマイクロ流路を形成する方法の第6の実施態様を示す図である。 図7は、本発明の組成物を用いてマイクロ流路を形成する方法の第7の実施態様を示す図である。 図8は、本発明の組成物を用いてマイクロ流路を形成する方法の第8の実施態様を示す図である。 図9は、本発明の組成物を用いてマイクロ流路を形成する方法の第9の実施態様を示す図である。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、必須成分として(A)放射線反応性基とフッ素原子を有し、数平均分子量が1000〜500000である共重合体、(B)放射線反応性基とフッ素原子を有する(A)以外の化合物、及び(C)放射線重合開始剤を含有する。
<成分(A)>
本発明の組成物に用いられる放射線反応性基とフッ素原子を有し、数平均分子量が1000〜500000である共重合体(以下、「放射線反応性基含有含フッ素共重合体」という。)は、ポリビニル構造、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリウレタン構造、ポリエーテル構造、ポリエステル構造、ポリエポキシ構造、ポリアミド構造、ポリイミド構造からなる群から選択される一種または二種以上の構造を有することが好ましい。
また、放射線反応性基としては、放射線により直接または開始剤を介して重合反応を行う官能基であれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリロイル基、N-ビニル基、ビニルエーテル基、ビニル基、エポキシ基、グリシジル基、オキセタニル基、テトラヒドロフリル基、環状チオエーテル基、環状シロキサン基、等があげられ、後述する硬化性樹脂組成物をより容易に硬化させることができることから、(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。
本発明の組成物に用いられる成分(A)は、放射線反応性基とフッ素原子を有し、数平均分子量が1000〜500000である共重合体(以下、「放射線反応性基含有含フッ素共重合体」とも言う。)である。
成分(A)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で、テトラヒドロフランを溶剤として測定したポリスチレン換算数平均分子量として1,000〜500,000であることが好ましい。数平均分子量が1,000未満になると、硬化物の機械的強度が低下してマイクロ流路の強度が低下する場合があり、数平均分子量が500,000を超えると、組成物の粘度が高くなり、塗布が困難となる場合がある。成分(A)の数平均分子量は、5,000〜200,000であることがより好ましく、10,000〜100,000であることがさらに好ましい。
成分(A)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定されるポリスチレン換算数平均分子量である。詳細には、HPLCシステム(HLC−8220GPC:東ソー製)に以下の順番で連結した複合カラムを用い、テトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒として流速1ml/minの条件下で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。
TSKgel G4000H XL、TSKgel G3000H XL、TSKgel G2000H XL、TSKgel G2000H XL、TSKgel G4000H XL、TSKgel G3000H XL。
<ポリビニル構造を有する(A)放射線反応性基含有含フッ素共重合体>
ポリビニル構造を有する(A)放射線反応性基含有含フッ素共重合体(以下、「ポリビニル化合物」という。)としては、放射線反応性基とフッ素原子を有するビニル重合体であれば、特に限定されない。
放射線反応性基とフッ素原子を有するビニル重合体は、例えば、活性水素基を有するフッ素化ビニル重合体と、1分子中に放射線反応性基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物とを反応させて得られる。活性水素基としては、特に限定されないが、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、等があげられる。また、活性水素基と共有結合を形成する基としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート基、ハロゲン化カルボニル基、エポキシ基、グリシジル基等があげられる。
(1)放射線反応性基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物:
放射線反応性基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物としては、分子内に少なくとも1個の放射線反応性基と少なくとも1個の活性水素基と共有結合を形成する基とを含有している化合物であれば特に制限されるものではない。
このような化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルクロライド、無水(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートの一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
尚、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば昭和電工社製、商品名 カレンズMOI、AOI、BEI等が挙げられる。
また、このような化合物は、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて合成することもできる。
ジイソシアネートの例としては、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンが好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレートの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
尚、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、大阪有機化学社製、商品名 HEA;日本化薬社製、商品名 KAYARAD DPHA、PET−30;東亞合成社製、商品名 アロニックス M−215、M−233、M−305、M−400等として入手することができる。
(2)活性水素基を有するフッ素化ビニル重合体:
活性水素基を有するフッ素化ビニル重合体は、好ましくは、下記構造単位(a)、(b)及び(c’)を含んでなる。
(a)下記式(1)で表される構造単位。
(b)下記式(2)で表される構造単位。
(c’)下記式(7)で表される構造単位。
Figure 2014210865
[式(1)中、R1はフッ素原子、フルオロアルキル基又は−OR2で表される基(R2はアルキル基又はフルオロアルキル基を示す)を示す]
Figure 2014210865
[式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4はアルキル基、−(CH2x−OR5若しくは−OCOR5で表される基(R5はアルキル基、グリシジル基又はアミノアルキル基を示し、xは0又は1の数を示す)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基又はヒドロキシチオアルコキシ基を示す]
Figure 2014210865
[式(7)中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12は水素原子又はヒドロキシアルキル基を示し、vは0又は1の数を示す]
(i)構造単位(a):
上記式(1)において、R1及びR2のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基等の炭素数1〜6のフルオロアルキル基が挙げられる。また、R2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
構造単位(a)は、含フッ素ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような含フッ素ビニル単量体としては、少なくとも1個の重合性不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子とを有する化合物であれば特に制限されるものではない。このような例としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン等のフルオロレフィン類;アルキルパーフルオロビニルエーテル又はアルコキシアルキルパーフルオロビニルエーテル類;パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プ
ロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの中でも、ヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)がより好ましく、これらを組み合わせて用いることがさらに好ましい。
尚、構造単位(a)の含有率は、活性水素基含有フッ素化ビニル重合体中の構造単位(a)〜(c’)の合計量を100モル%としたときに、20〜70モル%であり、25〜65モル%とするのがより好ましく、30〜60モル%とするのがさらに好ましい。
(ii)構造単位(b):
式(2)において、R4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ラウリル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、ルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられ、ヒドロキシチオアルコキシ基としては、ヒドロキシチオメトキシ基、ヒドロキシチオエトキシ基等が挙げられる。
構造単位(b)は、上述の置換基を有するビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このようなビニル単量体の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル類;エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル等のアリルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
尚、構造単位(b)の含有率は、活性水素基含有フッ素化ビニル重合体中の構造単位(a)〜(c’)の合計量を100モル%としたときに、10〜70モル%であり、20〜60モル%とするのがより好ましく、30〜60モル%とするのがさらに好ましい。
(iii)構造単位(c’):
式(7)において、R12のヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基等が挙げられる。
構造単位(c’)は、水酸基含有ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような水酸基含有ビニル単量体の例としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類、アリルアルコール等が挙げられる。
また、水酸基含有ビニル単量体としては、上記以外にも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を用いることができる。
尚、構造単位(c’)の含有率を、活性水素基含有フッ素化ビニル重合体中の構造単位(a)〜(c’)の合計量を100モル%としたときに、5〜70モル%であり、5〜40モル%とするのがより好ましく、5〜30モル%とするのがさらに好ましい。
(iv)構造単位(d)及び構造単位(e):
活性水素基含有フッ素化ビニル重合体は、さらに下記構造単位(d)を含んで構成することもできる。
(d)下記式(6)で表される構造単位。
Figure 2014210865
[式(6)中、R9及びR10は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す]
式(6)において、R9及びR10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が、ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基等の炭素数1〜4のフルオロアルキル基等が、アリール基としてはフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等がそれぞれ挙げられる。
構造単位(d)は、前記式(6)で表されるポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物を用いることにより導入することができる。このようなアゾ基含有ポリシロキサン化合物の例としては、下記式(8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014210865
[式(8)中、R13〜R16は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基又はシアノ基を示し、R17〜R20は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を示し、p、qは1〜6の数、r、sは0〜6の数、tは1〜200の数、uは1〜20の数を示す]
式(8)で表される化合物を用いた場合には、構造単位(d)は、構造単位(e)の一部として活性水素基含有フッ素化ビニル重合体に含まれる。
(e)下記式(9)で表される構造単位。
Figure 2014210865
[式(9)中、R13〜R16、R17〜R20、p、q、r、s及びtは、上記式(8)と同じである]
式(8)および(9)において、R13〜R16のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、R17〜R20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。
本発明において、上記式(8)で表されるアゾ基含有ポリシロキサン化合物としては、下記式(10)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2014210865
[式(10)中、t及びuは、上記式(8)と同じである]
尚、構造単位(d)の含有率は、活性水素基含有フッ素化ビニル重合体中の構造単位(a)〜(c’)の合計量を100モル%としたときに、0〜10モル%とすることが好ましく、0.1〜5モル%とするのがより好ましく、0.1〜3モル%とするのがさらに好ましい。同じ理由により、構造単位(e)の含有率は、その中に含まれる構造単位(d)の含有率を上記範囲にするよう決定することが望ましい。
(v)構造単位(C):
活性水素基含有フッ素化ビニル重合体は、さらに下記構造単位(C)を含んで構成することも好ましい。
(C)下記式(11)で表される構造単位。
Figure 2014210865
[式(11)中、R21は、下記式(12)で表される基である。
Figure 2014210865
[式(12)中、nは1〜20の数、mは0〜4の数、kは3〜50の数を示す]
構造単位(C)は、反応性乳化剤を重合成分として用いることにより導入することができる。このような反応性乳化剤としては、下記式(13)で表される化合物が挙げられる
Figure 2014210865
[式(13)中、n、m及びkは、上記式(12)と同じである]
尚、構造単位(C)の含有率は、活性水素基含有含フッ素重合体中の構造単位(a)〜(c’)の合計量を100モル%としたときに、0.1〜5モル%とすることが好ましい。この理由は、含有率が0.1モル%以上になると、活性水素基含有含フッ素重合体の溶剤への溶解性が向上し、一方、含有率が5モル%以内であれば、硬化性樹脂組成物の粘着性が過度に増加せず、取り扱いが容易になり、コート材等に用いても耐湿性が低下しないためである。
また、このような理由により、構造単位(C)の含有率を、活性水素基含有フッ素化ビニル重合体の全体量に対して、0.1〜3モル%とするのがより好ましく、0.2〜3モル%とするのがさらに好ましい。
(3)放射線反応性基含有フッ素化ビニル重合体:
放射線反応性基含有含フッ素化ビニル重合体は、活性水素基を有するフッ素化ビニル重合体が有する活性水素基と、放射線反応性基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物が有する活性水素と共有結合を形成する基とが反応することにより得られる。なお、この場合、活性水素基1.0当量に対して、活性水素基と共有結合を形成する基を0.5〜1.0当量とすることが好ましい。
放射線反応性基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物は、ポリビニル化合物の製造に用いられる放射線反応性基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物と同一である。
<ポリ(メタ)アクリル構造を有する(A)放射線反応性基含有含フッ素共重合体>
ポリ(メタ)アクリル構造を有する(A)放射線反応性基含有含フッ素共重合体(以下、「ポリ(メタ)アクリル化合物」という。)としては、放射線反応性基とフッ素原子を有する(メタ)アクリル重合体であれば、特に限定されない。
放射線反応性基とフッ素原子を有する(メタ)アクリル重合体は、例えば、活性水素基を有するフッ素化(メタ)アクリル重合体と、放射線反応性基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物とを反応させて得られる。活性水素基としては、特に限定されないが、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、等があげられる。また、活性水素基と共有結合を形成する基としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート基、ハロゲン化カルボニル基、エポキシ基、グリシジル基、等があげられる。
放射線反応性基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物は、ポリビニル化合物の製造方法に用いられる放射線反応性基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物と同一である。
(2)活性水素基含有フッ素化(メタ)アクリル重合体:
活性水素基含有フッ素化(メタ)アクリル重合体は、活性水素基とフッ素原子を含有する(メタ)アクリル重合体であれば特に限定されないが、特に、下記構造単位(a)、(b)及び(c‘)含んでなる、水酸基含有フッ素化(メタ)アクリル重合体が好ましい。
(a)下記式(21)で表される構造単位。
(b)下記式(22)で表される構造単位。
(c')下記式(26)で表される構造単位。
構造単位(a):
Figure 2014210865
[式(21)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは1〜8を示し、nは1〜20
を示す]
構造単位(b):
Figure 2014210865
[式(22)中、R2は水素原子またはメチル基を示し、R3は活性水素基を有さない1価の有機基を示す]
構造単位(c')
Figure 2014210865
[式(26)中、R7は水素原子またはメチル基を示し、vは1〜20の数を示す]
(i)構造単位(a):
上記式(21)において、mは1〜8であり、好ましくは1〜4であり、更に好ましくは2である。nは1〜20であり、好ましくは3〜12であり、更に好ましくは4〜8であり、最も好ましくは6である。
構造単位(a)は、下記式(27)で表される化合物を重合成分として用いることにより導入することができる。このような化合物の典型例としては、パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Figure 2014210865
[式(27)中、R1、mおよびnは、式(21)中のR1、mおよびnとそれぞれ同一である]
水酸基含有フッ素化(メタ)アクリル重合体中の構造単位(a)の含有量は、構造単位(a)、(b)及び(c')の合計量を100モル%として、20〜70モル%であり、好ましくは、30〜60モル%であり、更に好ましくは、35〜60モル%である。
(ii)構造単位(b):
上記式(22)中のR3は、活性水素基を有さない1価の有機基である。R3は活性水素を有さない1価の有機基であれば特に限定されないが、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物のヤング率と屈折率のバランスが好適となるため、特に脂環式構造を有する1価の有機基が好ましい。ここで脂環式構造には、複素環構造を含むものとする。
構造単位(b)は、下記式(28)で表される化合物を重合成分として用いることにより導入することができる。特に好適な化合物としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Figure 2014210865
[式(28)中、R2およびR3は、式(22)中のR2およびR3とそれぞれ同一である。]
水酸基含有フッ素化(メタ)アクリル重合体中の構造単位(b)の含有量は、構造単位(a)、(b)及び(c')の合計量を100モル%として、10〜70モル%であり、好ましくは、20〜60モル%であり、更に好ましくは、20〜55モル%である。構造単位(b)の含有量が70モル%を越えると、水酸基含有フッ素化(メタ)アクリル重合体の屈折率が増大する副作用がある。一方、20モル%未満では、水酸基含有フッ素化(メタ)アクリル重合体の溶解性低下の副作用がある。
(iii)構造単位(c'):
構造単位(c')は、下記式(29)で表される化合物を重合成分として用いることにより導入することができる。このような化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を用いることができる。
Figure 2014210865
[式(29)中、R7およびvは、式(26)中のR7およびvとそれぞれ同一である。]
水酸基含有フッ素化(メタ)アクリル重合体中の構造単位(c’)の含有量は、構造単位(a)、(b)及び(c')の合計量を100モル%として、5〜70モル%であり、好ましくは、10〜40モル%であり、更に好ましくは、10〜20モル%である。構造単位(c’)の含有量が70モル%を越えると、フッ素重合体の屈折率が増大する副作用がある。一方、5モル%未満では、放射線反応性基が十分に導入されない可能性が生じるという副作用がある。
(3)放射線反応性基含有フッ素化(メタ)アクリル重合体:
放射線反応性基含有含フッ素化(メタ)アクリル重合体は、活性水素基含有フッ素化(メタ)アクリル重合体中の活性水素基と、放射線反応性基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物中の活性水素基と共有結合を形成する基とが反応することにより得られる。
なお、この場合、放射線反応性基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物中の活性水素基と共有結合を形成する基のモル数が、活性水素基含有フッ素化(メタ)アクリル重合体中の活性水素基のモル数の0.5〜1.0倍であることが好ましい。
<ポリウレタン構造を有する(A)放射線反応性基含有含フッ素共重合体>
ポリウレタン構造を有する(A)放射線反応性基含有含フッ素共重合体(以下、「ポリウレタン化合物」という。)としては、放射線反応性基とフッ素原子を有するポリウレタン化合物であれば、特に限定されない。
放射性反応性基とフッ素原子を有するポリウレタン化合物、すなわち放射線反応性基含有フッ素化ポリウレタンは、例えば、フッ素化ポリオールと、ジイソシアネートと、1分子中に水酸基と放射線反応性基とを有する化合物とを反応させることにより得られる。特に、フッ素化ポリオールと、ジイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるものが好ましい。
放射線反応性基含有フッ素化ポリウレタンは、基本的には、ポリオール、ジイソシアネート及び水酸基と放射線反応性基とを有する化合物を反応させることにより形成される。すなわち、ジイソシアネートのイソシアネート基を、ポリオールの水酸基及び水酸基と放射線反応性基とを有する化合物中の水酸基と、それぞれ反応させることにより形成される。
この反応としては、例えばポリオール、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法;ポリオール及びジイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法;ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させる方法;ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法などが挙げられる。
ここで用いるフッ素含有ポリオールとしては、下記式(31)で表されるパーフルオロポリエーテルが挙げられる。
Z−CF2−〔(OCF2CF2p−(OCF2q〕−O−CF2−Z (31)
(式(31)中、Zは同一又は異なって、−CH2(OCH2CH2nOH(nは0〜10、好ましくは1〜7である。)を示し、pは1〜40の数を示し、qは1〜70の数を示す)
式(31)で表されるパーフルオロポリエーテルの分子量は、1000〜5000、特に1000〜3000であるのが好ましい。
また、市販品としては、フルオロリンク E(ソルベイ ソレクシス社製)等を使用することができる。
ジイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。
これらのうち、脂肪族ジイソシアネートが好ましく、特に、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等が好ましい。
水酸基と放射線反応性基を有する化合物としては、分子中に少なくとも1個の水酸基と少なくとも1個の放射性反応性基を有する化合物であれば特に限定されないが、水酸基含有(メタ)アクリレートが好ましい。水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、下記化学式(32)又は式(33)
CH2=C(R2)−COOCH2CH2−(OCOCH2CH2CH2CH2CH2)m−OH
(32)
CH2=C(R2)−COOCH2CH(OH)CH2−O−(C65) (33)
(式(32)および式(33)中、R2は水素原子又はメチル基を示し、mは1〜15の数を示す)
で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も使用することができる。これら水酸基含有(メタ)アクリレートのうち、特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
ポリオール、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートの使用割合は、ポリオールに含まれる水酸基1当量に対してジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が1〜3当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.2〜1.5当量となるようにするが、ポリオール及びアクリレート中の水酸基の当量とジイソシアネート中のイソシアネート基の当量はほぼ等しくするのが好ましい。
これらの化合物の反応においては、通常ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ラウリル酸ジn−ブチルスズ、チタンテトラアルコキシド、ジルコニウムテトラアルコキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート等のウレタン化触媒を、反応物の総量100質量部に対して0.01〜1質量部用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常10〜90℃、特に30〜80℃で行うのが好ましい。
<ポリエーテル構造を有する(A)放射線反応性基含有含フッ素共重合体>
ポリエーテル構造を有する(A)放射線反応性基含有含フッ素共重合体(以下、「ポリエーテル化合物」という。)としては、放射線反応性基とフッ素原子を有するポリエーテル化合物であれば特に限定されない。
該放射線反応性基含有フッ素化ポリエーテルは、例えば、フッ素化ポリエーテルポリオールと、1分子中に放射線反応性基および水酸基とエーテル結合を形成する基とを有する化合物とを反応させることで得られる。水酸基とエーテル結合を形成する基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基、エポキシ基、ハロゲン化カルボニル基、等が挙げられる。すなわち、フッ素化ポリエーテルポリオール中の水酸基と、1分子中に放射線反応性基および水酸基とエーテル結合を形成する基とを有する化合物中の水酸基とエーテル結合を形成する基とを反応させることにより、放射線反応性基含有フッ素化ポリエーテルを形成することができる。
ここで用いるフッ素含有ポリオールとしては、成分(A)であるポリウレタン化合物の製造に用いられるフッ素含有ポリオールと同一である。
放射線反応性基および水酸基とエーテル結合を形成する基とを有する化合物としては、1分子中に少なくとも1個の放射性反応性基と、少なくとも1個の水酸基とエーテル結合を形成する基とを有する化合物であれば特に限定されないが、アクリル酸クロライド、アクリル酸ブロマイド、メタクリル酸クロライド、メタクリル酸ブロマイド、等が特に好ましい。
フッ素化ポリエーテルポリオールと、水酸基とエーテル結合を形成する基と放射線反応性基とを有する化合物の使用割合は、フッ素化ポリエーテルポリオール中の水酸基1当量に対して、放射線反応性基および水酸基とエーテル結合を形成する基とを有する化合物中の水酸基とエーテル結合を形成する基が0.5〜1.0当量となるようにする。
これら(A)成分である放射線反応性基含有含フッ素共重合体は、組成物全量に対して、通常10〜80質量%配合されるが、好ましくは20〜60質量%配合され、特に好ましくは30〜60質量%配合される。
<成分(B)>
本発明の組成物に用いられる成分(B)は、放射線反応性基を有する(A)以外の化合物である。また、放射線反応性基としては、放射線により直接または開始剤を介して重合反応を行う官能基であれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリロイル基、N-ビニル基、ビニルエーテル基、ビニル基、エポキシ基、グリシジル基、オキセタニル基、テトラヒドロフリル基、環状チオエーテル基、環状シロキサン基、等があげられる。
(B)成分は、フッ素原子を有することが好ましい。(B)成分がフッ素原子を有することによって、本発明の組成物の屈折率をより低減することができ、光透過性に優れるマイクロ流路を形成することができる。
フッ素原子を有する成分(B)(以下、「成分(B1)ともいう。)の具体例としては、例えば、下記式(41)〜(45)で表される化合物を挙げることができる。
CH2=CR1−COO(CH2m(CF2n2 (41)
[式(41)において、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は水素原子またはフッ素原子を示し、mは1〜2を示し、nは2〜8を示す。]
CR3 2=CR3−(CF2pF (42)
[式(42)において、R3は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を示し、pは2〜8を示す。]
CR4 2=CR4−O−(CF2qF (43)
[式(43)において、R4は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を示し、qは2〜8を示す。]
Figure 2014210865
[式(44)において、R5は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を示し、R6は酸素原子または硫黄原子を示し、rは2〜8を示す。]
Figure 2014210865
[式(45)において、R7は酸素原子または硫黄原子を示し、sは2〜8を示す。]
また、後述する硬化性樹脂組成物をより容易に硬化させることができることから、上記式(41)に記載の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が特に好ましい。上記式(41)の具体例としては、上記式(41)に該当する化合物であれば特に限定されないが、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート等をあげることができる。これらの市販品としては、ビスコート13F、17F,4F,8F等(大阪有機化学工業社製)等を挙げることができる。これらの中でも、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレートが、(A)成分を溶解するために好適であり、また入手も容易である点で好ましい。
(B1)成分は、組成物全量に対して、通常15〜50質量%配合されるが、好ましくは20〜45質量%であり、特に好ましくは30〜45質量%である。
フッ素原子を有しない成分(B)としては、(B2)芳香族構造および極性基を有さず、エチレン性不飽和基を2以上有する化合物、(B3)芳香族構造及び極性基を有さず、エチレン性不飽和基を1個有する化合物、(B4)(B2)成分および(B3)成分以外の、エチレン性不飽和基を有する化合物を挙げることができる。
(B2)芳香族構造および極性基を有さず、エチレン性不飽和基を2以上有する化合物:
本発明の組成物に配合される(B2)成分は、芳香族構造および極性基を有さず、エチレン性不飽和基を2以上有する化合物である。(B2)成分は、極性基を有しないため、(B1)成分と併用することにより、(A)成分の溶解性を高めて均一な組成物を与える。また、(B2)成分が芳香族構造を有さないことにより、低い屈折率を有する硬化物を与える。
ここで、極性基とは、カルボキシル基やアミノ基等の解離性基のほか、カルボニル基や炭素数3以下のアルキレンオキシド基等の分極性基が含まれるが、水酸基は除かれる。(B2)成分は、前記要件を満たす構造であれば特に限定されない。
成分(B2)の具体例としては、例えば、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族構造含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
以上に挙げた(B2)成分の中では、単官能又は多官能の脂肪族構造含有(メタ)アクリレートが好ましく、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート又はネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。(B2)成分は、1種類単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
(B2)成分は、組成物全量に対して、通常0〜40質量%配合されるが、好ましくは0〜35質量%であり、特に好ましくは0〜20質量%である。
(B3)芳香族構造及び極性基を有さず、エチレン性不飽和基を1個有する化合物の具体例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム;ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドt−オクチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド類;イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の脂肪族構造含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(B3)成分は、組成物全量に対して、通常0〜30質量%配合されるが、好ましくは0〜25質量%であり、特に好ましくは0〜20質量%である。
(B4)(B2)成分および(B3)成分以外の、エチレン性不飽和基を有する化合物の具体例としては、芳香族構造含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基やアルキレンオキシド構造等の極性基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。(B4)成分は、芳香族構造含有(メタ)アクリレートのように硬化物の屈折率を増大させる傾向がある他、極性基含有(メタ)アクリレートのように(A)成分の溶解性を減少させる傾向があるため、(B4)成分の配合量は、組成物全量を100質量%として、5質量%以下とすることが好ましい。
これら(B4)成分の市販品として、例えば、ユピマーUV、SA1002(以上、三菱化学社製)、アロニックスM−215、M−315、M−325(以上、東亞合成社製)、サートマーCN4000(サートマー・カンパニー・インク製)、アローニックスTO−1210(東亞合成社製)等を挙げることができる。
これら成分(B)は、組成物全量に対して、通常20〜70質量%配合されるが、好ましくは25〜65質量%であり、特に好ましくは30〜65質量%である。フッ素原子を有する成分(B1)の配合量は、成分(B)の全量に対して30〜100質量%であることが好ましく、50〜100質量%であることがさらに好ましい。
<成分(C)>
本発明の組成物を、紫外線等の放射線の照射により硬化する場合には、(C)放射線重合開始剤を配合することが望ましい。(C)放射線重合開始剤としては、放射線ラジカル重合開始剤と放射線酸発生剤が挙げられる。成分(A)及び成分(B)の有する放射線反応性基が例えば(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性基である場合には、放射線ラジカル重合開始剤が用いられる。成分(A)及び成分(B)の有する放射線反応性基が例えばエポキシ基等のカチオン重合性基である場合には、成分(C)としては、放射線酸発生剤が用いられる。
(C)である放射線ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォフフィンオキシド;IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61;Darocure1116、1173(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製);LucirinTPO(BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
(C)放射線ラジカル重合開始剤を用いる場合には、さらに光増感剤を併用することもできる。光増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル;ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。また、本発明の液状硬化性樹脂組成物を熱および紫外線を併用して硬化させる場合には、前記熱重合開始剤と放射線重合開始剤を併用することもできる。
(C)放射線ラジカル重合開始剤は、組成物全量に対して、0.1〜10質量%、特に0.3〜7質量%配合するのが好ましい。
成分(C)である放射線カチオン重合開始剤である。放射線カチオン重合開始剤は、光などのエネルギー線を受けることによって、上記(A)及び(B)成分のカチオン重合を開始させる物質を放出することができる化合物である。ここで、光などのエネルギー線とは、可視光、紫外光、赤外光、X線、α線、β線、γ線などを意味する。特に好ましい(C)成分の化合物として、下記式(51)で表される構造を有するオニウム塩を挙げることができる。
[R2 a3 b4 c5 dW]+m[MXn+m-m (51)
(式(51)中、カチオンはオニウムイオンであり、WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Clまたは−N=Nであり、R2、R3、R4およびR5は同一または異なる有機基であり、a、b、cおよびdは各々0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数+mに等しい。Mはハロゲン化物錯体[MXn+m]の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Coなどである。Xは、例えばF、Cl、Brなどのハロゲン原子であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価である。)
式(51)で表されるオニウム塩は、光を受けることによりルイス酸を放出する化合物である。式(51)中におけるアニオン[MXn+m]の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6 -)などが挙げられる。
また、式[MXn(OH)-]で表されるアニオンを有するオニウム塩を使用することができる。さらに、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CF3SO3 -)、フルオロスルフォン酸イオン(FSO3 -)、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオンなどの他のアニオンを有するオニウム塩を使用することもできる。
このようなオニウム塩のうち、(C)成分として特に有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩である。中でも、特開昭50−151996号公報、特開昭50−158680号公報などに記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号公報、特開昭52−30899号公報、特開昭56−55420号公報、特開昭55−125105号公報などに記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭50−158698号公報などに記載のVA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号公報、特開昭56−149402号公報、特開昭57−192429号公報などに記載のオキソスルホキソニウム塩、特開昭49−17040号公報などに記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655号明細書に記載のチオビリリウム塩などが好ましい。また、鉄/アレン錯体、アルミニウム錯体/光分解ケイ素化合物系開始剤なども挙げることができる。
(C)放射線カチオン重合開始剤の市販品としては、UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−172(以上、旭電化工業社製)、Irgacure 261(以上、チバスペシャルティケミカルズ社製)、CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達社製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社製)、DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103、TPS−103、MDS−103、MPI−103、BBI−103(以上、みどり化学社製)、PCI−061T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−022T(以上、日本化薬社製)などを挙げることができる。これらのうち、UVI−6970、UVI−6974、アデカオプトマーSP−170、SP−172、CD−1012、MPI−103は、これらを含有してなる樹脂組成物に高い光硬化感度を発現させることができることから特に好ましい。上記の放射線カチオン重合開始剤は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて(C)成分を構成することができる。
また、(C)成分としては、例えば、下記式(52)で表される構造を含むジフェニル(フェニルチオフェニル)スルホニウムの塩等も好ましい。
Figure 2014210865
(C)成分の具体例としては、より具体的には、ジフェニル(フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のアンチモン原子を含む塩のほか、ジフェニル(フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェートやジフェニル(フェニルチオフェニル)スルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート等のアンチモン原子を含まない塩が挙げられる。中でも安全性の観点から、アンチモン原子を含まない塩が好ましい。
上記式(52)で表される(C)成分の市販品としては、例えばCPI−100A、CPI−101A、CPI−110A、CPI−200K(サンアプロ社製)等が挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物中、(C)放射線カチオン重合開始剤の配合割合は、組成物全量を100質量%として、通常、0.1〜10質量%であり、好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。
本発明の組成物には、更に、(D)(メタ)アクリル酸又はその2量体を配合することができる。(D)成分を配合することにより、ガラス、石英、シロキサン系材料との密着性を改善することができる。
(D)成分は、組成物全量に対して、通常0〜10質量%配合されるが、好ましくは1〜7質量%である。10質量%を越えると組成物の保存安定性を損なう場合がある。
本発明の組成物には、必要に応じて、本発明の特性を損なわない範囲で各種添加剤、例えば、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を配合することができる。
本発明の組成物の粘度は、25℃において、0.5〜10Pa・sであることが好ましく、1〜6Pa・sであることが特に好ましい。
なお、本発明の組成物は、放射線によって硬化されるが、放射線硬化に加えて熱硬化を併用することもできる。ここで放射線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
マイクロ流路は、本発明の組成物を用いて、例えば、以下のような方法により形成することができる。
<第1の実施態様>
図1に示す第1の実施態様の製造方法を用いることにより、本発明の組成物を接着剤として用いて、バイオセンサー等の機能を有するマイクロ流路を形成することができる。
直径1mm度の液体の注入口[1]及び排出口[2]である貫通穴を有するガラス基板等の透明基板[3]上に、例えば塗布法により本発明の組成物材料[4]を厚さ30μmから100μmで塗布する(工程2)。次にフォトマスク[5]を介して例えば波長365nmのi線等の紫外線を500mJ/cm2から1000mJ/cm2程度になるよう照射して所望の領域のみ露光して感光/硬化させる(工程3)。次に、所望の有機溶剤に浸漬することにより未硬化の領域を除去することで流路パターン付ガラス基板[10]を得る(工程4)。このようにすると、複数の比較的大きなmmサイズの穴の開いたガラス基板の各穴に入り込んだ塗布膜を現像時に未硬化領域として除去でき、注入口[1]や排出口[2]等の貫通口をふさぐことなく、流路パターンを形成することができる。
一方、平坦性の良い、例えばシリコン基板[6]上にスピン塗布法などにより本発明の組成物を例えば厚さ5μmから10μm程度になるように塗布して当該組成物の塗布膜[7]を形成して、接着剤塗布膜付基材[11]を得る(工程5)。工程4で得られた流路パターン付ガラス基板の流路パターン上部平面部と工程5で得られた接着剤塗布膜付基材の組成物の塗布膜面を密着させる(工程7)。次に再び接着剤塗布膜付基材を流路パターン付ガラス基板から剥離させることにより、前記流路パターンの上部平面上に前記組成物の塗膜の一部を転写する(工程8)。次に、工程8で得られたガラス基板上に形成した前記流路パターンの上部平面上に形成された組成物の塗膜と、抗体などを用いたバイオセンサー領域が形成されているシリコン基板[12]とを密着させる。その後透明基板[3]側から例えば波長365nmのi線等の紫外線を例えば1000mJ/cm2程度になるよう透明なガラス基板側から全面に照射することにより流路パターン付ガラス基板[10]とシリコン基板[12]が接着されてマイクロ流路[100]が得られる(工程9)。
ここで、シリコン基板[12]には、抗体等のタンパク質などを固定化しておくこともできる。抗体等を固定化しておくことにより、マイクロ流路の内面に抗体が固定化されたアフィニティカラム構造を形成することができる。また、シリコン基板には、抗体などを用いたバイオセンサーばかりでなく電極などを用いたバイオセンサーなどを形成しておくことも可能である。
接着が光硬化型の接着で行われることにより、シリコン基板側に形成している抗体を破壊、劣化させることなくマイクロ流路チャネルを接着することができる。マイクロ流路を形成する材料と接着する材料が同じ特性を持った材料なので材料間の差がなく同じような性質を得ることができる。このように、マイクロ流路チャネル構造体の凸部先端に接着剤を選択形成できるのでガラス基板に形成するmmサイズの穴をふさぐことなくシリコン基板と低温で接着することができる。
<第2の実施態様>
図2に示す第2の実施態様の製造方法を用いることにより、本発明の組成物を接着剤として用いて、別の態様のバイオセンサー機能等を有するシリコン基板上に形成したマイクロ流路とガラス基板を低温で接着形成することができる。
例えばCMOSセンサー及びバイオセンサーなどを有するシリコン基板[21]上に、例えば塗布法により感光性樹脂材料、例えば、アクリル樹脂系のフォトレジスト(例えば、JSR製)、厚膜レジスト(SU−8)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等を厚さ30μmから50μm程度になるよう塗布して、レジスト層[22]を形成する(工程2)。なお、シリコン基板[21]の端部に形成された塗布膜は後の露光工程で露光ステージの汚染、パーティクルの原因となるのでシンナーなどの有機溶剤で除去しておくことが望ましい。次に所望パターンを有するマスク[5]を介して例えば波長365nmのi線等の紫外線を、例えば1000mJ/cm2程度の露光量になるよう所望の領域のみ露光して感光/硬化させる(工程3)。次に、PEB(Post Exposure Bake)を100℃、10分間行った後、所望の現像液、例えば、2.38wt% テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)液に60秒程度浸漬することにより現像を行い、次に純水で洗浄する。その後、最終のキュア処理として窒素雰囲気で180℃2時間オーブンを用いて熱処理して硬化させることにより流路パターン付シリコン基板[22]を得る(工程4)。次に、例えば蛍光物質等で標識を付けた抗体などの適切なタンパク質等[23]を所望の領域に例えばスポッターなどを利用して固定化する(工程5)。
一方、平坦性の良い、例えばシリコン基板上にスピン塗布法などにより本発明の組成物を例えば厚さ1μmから10μm程度になるよう塗布して塗布膜を表面に形成して、接着剤塗布膜付シリコン基材[24]を形成する(工程6)。工程5で得られた流路パターン付シリコン基板[22]の流路パターン凸部表面と工程5で得られた接着剤塗布膜付シリコン基材[24]の組成物の塗布膜面を密着させる(工程7)。次に再び接着剤塗布膜付き基材とシリコン基板の流路パターン上面を剥離させることにより、前記流路パターンの上部平面上に前記組成物の塗膜の一部を転写する(工程8)。次に、工程8で得られたシリコン基板上に形成した前記流路パターンの上部平面上の形成された組成物の塗膜と、流路チャネルの蓋となる光透過率の良いガラス基板[25]とを密着させる。ガラス基板[25]は、直径1mm程度の液体の注入口[1]及び排出口[2]である貫通穴を有している。その後透明なガラス基板[25]側から例えば波長365nmのi線等の紫外線を500mJ/cm2から1000mJ/cm2になるよう全面に照射することにより(工程9)、流路パターン付シリコン基板[22]とガラス基板[25]が接着されてガラス基板でカバーされたマイクロ流路[100]が得られる(工程10)。
このような製造方法を用いることにより、流路の所望の領域に固定化された抗体等のタンパク質等を破壊することなく、40℃程度の低温で接着することができる。
得られたマイクロ流路[100]の注入口[1]から試料液を注入すると、流路に固定化された抗体等と特異的に結合する物質が試料液中から分離されて抗体等と結合し、その結果、抗体等の例えば蛍光標識の蛍光強度が変化して、試料中の該物質を検知するバイオセンサーにとして用いることができる。本実施態様において接着剤として用いられる本発明の組成物の屈折率はガラスに近いことが望ましい。このような構成をとることにより、ガラス基板側から可視光を入射することにより蛍光標識の蛍光強度等を測定することにより、付着した物質の種類と付着した物質の量の推定が可能となる。
また、マイクロ流路の内面に標識を付けた抗体などの適切なタンパク質等[23]が固定化されたアフィニティカラムとして用いることもできる。
本実施態様においては、注入口[1]及び排出口[2]である貫通穴を有するガラス基板[25]上には塗布膜を形成する工程がないために、これらの貫通穴をふさぐという問題が起こらないという利点がある。
<第3の実施態様>
図3に示した第3の実施態様の製造方法を用いることにより、複数個のマイクロ流路を連続的に製造することができる。
図1に示した工程4で得られた流路パターン付ガラス基板[10]を、例えばコンベア上に載せて一定方向に移動するようにすると同時に、回転するロール[31]の円筒面に本発明の組成物[32]を例えばスキージ[33]などを使用して膜厚1μmから10μm程度に均一にロール[31]の表面に形成する。次にロール[31]とガラス基板との距離を調整して流路パターン付ガラス基板[10]が有する流路の表面に選択的に本発明の組成物を転写する(工程1、2)。この工程を安定して行うためにはロール[31]の硬さの最適化、ロール[31]表面の状態(親水性のレベルなど)、押し付ける強さ、ロール[31]と流路パターン付ガラス基板[10]の距離などを最適化する。次に工程2で得られた流路パターン付ガラス基板の流路パターン表面と、例えば抗体等のタンパク質等が固定化されているシリコン基板[34]とを密着させる。その後、流路パターン付ガラス基板[10]側から例えば波長365nmのi線等の紫外線を500mJ/cm2から1000mJ/cm2で全面に照射することにより流路パターン付ガラス基板[10]とシリコン基板[34]を接着させて、マイクロ流路[100]を得ることができる(工程3)。
このような製造方法を用いることにより、流路パターン付ガラス基板[10]の凸部表面に選択的に、本発明の組成物を均一な膜厚に調整して塗布することが連続してできる。
<第4の実施態様>
図4に示した第4の実施態様の製造方法により、本発明の組成物を接着剤及び流路形成材料として用いて、センサーやフィルターを形成してあるシリコン基板に形成した流路部とバイオセンサーや抗体などを形成したシリコン基板が低温で接着されたマイクロ流路が得られる。
CMOSセンサー及びバイオセンサーなどを有するシリコン基板[41]上に、例えば塗布法により感光性樹脂材料、例えば、アクリル樹脂系のフォトレジスト(例えば、JSR製)、厚膜レジスト(SU−8)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等を厚さ30μmから50μm程度になるよう塗布して、レジスト層[42]を形成する(工程2)。この時、シリコン基板[41]の端部に形成された塗布膜は次の露光工程で露光ステージの汚染、パーティクルの原因となるのでシンナーなどの有機溶剤で除去しておくことが望ましい。次に所望パターンを有するマスク[5]を介して例えば波長365nmのi線等の紫外線を、例えば1000mJ/cm2程度の露光量になるよう所望の領域のみ露光して感光/硬化させる(工程3)。次に、PEB(Post Exposure Bake)を100℃、10分間行った後、所望の現像液、例えば、2.38wt% テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)液に60秒程度浸漬することにより現像を行い、次に純水で洗浄する。その後、最終のキュア処理として窒素雰囲気で180℃2時間オーブンを用いて熱処理して硬化させることにより本願組成物の硬化膜からなる流路パターンを有する流路パターン付シリコン基板[42]を得る(工程4)。
一方、平坦性の良い、例えばシリコン基板[43]上にスピン塗布法などにより本発明の組成物を例えば厚さ1μmから10μm程度になるように塗布して当該組成物の塗布膜[44]を形成して、接着剤塗布膜付基材[45]を得る(工程5)。
工程4で得られた流路パターン付シリコン基板[42]の流路パターン凸部平面と工程5で得られた接着剤塗布膜付基材[45]の組成物の塗布膜面を密着させる(工程6)。次に再び接着剤塗布膜付基材[45]と流路パターン付シリコン基板[42]を剥離させることにより、前記流路パターンの上部平面上に前記組成物の塗膜[44]の一部を転写する(工程7)。この時の転写された組成物の膜厚はおおよそ1μm程度になっている。工程7で得られた流路パターン付シリコン基板[42]の流路パターン面上に形成された組成物の塗膜と、必要に応じて、例えば抗体となるバイオマーカーを付けた適切なタンパク質を所望の領域に例えばスポッターなどを利用して形成したシリコン基板[46]とを密着させる。その後、二つの相対するシリコン基板([41]及び[46])の間に位置する本願組成物の硬化膜の側面から、本発明組成物の硬化膜を導波路に用いて、例えば波長365nmのi線等の紫外線を2,000mJ/cm2程度になるよう照射する(工程8)。紫外線は、シリコン基板の複数の周辺部から照射することが好ましい。このようにすることにより、紫外線を透過しない不透明なシリコン基板同士でも本願発明の組成物からなる接着剤を用いて低温で接着することができる。
本実施態様の製造方法を用いることにより、このような製造方法を用いることにより、流路の所望の領域に固定化された抗体等のタンパク質等を破壊することなく、40℃程度の低温で接着することがでる。
また、本実施態様の変形として、流路パターンを形成したシリコン基板[41]側に抗体等のタンパク質等を形成し、その後、本発明の組成物を用いてシリコン基板同士を40℃程度の低温で接着することもできる。このようにすることにより、マイクロ流路の内面にタンパク質から構成されるバイオマーカー付の抗体を持ちバイオセンサーを内蔵するシリコン基板同士を接着することができる。
<第5の実施態様>
図5に示した第5の実施態様の製造方法を用いることにより、本発明の組成物を接着剤及び流路形成材料として用いて、シリコン基板に形成した流路部とバイオセンサーや抗体などを形成したシリコン基板が接着された別の態様のマイクロ流路が得られる。
本実施態様の工程1から工程5までは、図4に示した第4の実施態様と同一である。工程5で得られた接着剤塗布膜付基材[45]を切断して複数の接着剤塗布膜付シリコンチップ[51]を取り出す。以下の工程は、接着剤塗布膜付基材[45]に替えて接着剤塗布膜付シリコンチップ[51]を用いる他は、第4の実施態様と同一である。
本実施態様の製造方法を用いることにより、紫外線照射距離の短い接着剤塗布膜付シリコンチップ[51]の形で行うことにより、紫外線硬化をより確実に行うようにできる。
<第6の実施態様>
図6に示した第6の実施態様の製造方法を用いることにより、本発明の組成物を接着剤、流路形成材料等として用いて、注入口及び排出口を有する層を本発明の組成物の硬化物で構成したマイクロ流路を製造することができる。
第6の実施態様の製造方法を用いることにより、流路パターンと蓋となるカバー層をリソグラフィー技術により連続して一体形成することができる。まず、例えばシリコン基板などの表面に離形層として働く材料を20μm程度の膜厚で塗布して離型層付シリコン基板[61]を形成しておく(離型層は図示されていない)。離形層には、例えばLucera Sシリーズ(JSR製)の易剥離性ポリイミド材料膜を用いることができる。離型層付シリコン基板[61]上に、例えばスリットコーター法や塗布法などにより膜厚100μmから200μm程度の膜厚となるように本発明の組成物を塗工して本発明の組成物からなる塗膜を形成する。直径1〜2mmの注入口及び排出口となる貫通穴を形成するための所望のパターンを有するマスク[62]を介して例えば波長365nmのi線等の紫外線を1000mJ/cm2から3000mJ/cm2程度の露光量になるよう所望の領域のみ露光/硬化する(工程2)。本発明の組成物からなるカバー層硬化膜[63]を形成し、カバー層硬化膜付シリコン基板[64]を得る(工程3)。
次に、カバー層硬化膜付シリコン基板[64]を現像液に浸漬することにより現像を行い未露光部の未硬化塗膜を除去して所望のパターンを有するパターン付シリコン基板[65]を形成する(工程3)。さらに、パターン付シリコン基板[65]のパターン面上に本発明の組成物を例えば50μmから100μmの膜厚になるように塗布形成して、流路パターンを形成するための所望のマスクを用いて露光/硬化し(工程4)、有機溶剤の現像液に浸漬することにより未硬化部分を除去してカバー層が流路パターン上に一体形成されたシリコン基板[66]を形成する(工程5)。
次に、平坦性の良い、例えばシリコン基板[61]上にスピン塗布法などにより本発明の組成物を例えば厚さ1μmから10μm程度塗布して当該組成物の塗布膜[67]を表面に形成して、接着剤塗布膜付きシリコン基材を形成し、工程5で得られた流路パターン付シリコン基板[66]の流路パターン凸部平面部と接着剤塗布膜付き基材の組成物の塗布膜面を密着させる(工程6)。そして、接着剤塗布膜付きシリコン基材と流路パターン付シリコン基板[66]を剥離させることにより、前記流路パターンの上部平面上に前記組成物の塗膜の一部を選択的に転写する(工程7)。工程7で得られたシリコン基板上に形成した前記流路パターンの上部平面上の形成された組成物の塗膜と、必要に応じて、例えばバイオマーカーとなる抗体等のタンパク質等を所望の領域に例えばスポッターなどを利用して形成してバイオセンサーなどを形成したシリコン基板[68]を接着する(工程8)。流路パターン付シリコン基板[66]とシリコン基板[68]との間の側面等から紫外線を照射して、組成物の塗膜を硬化させる。次に離型層付シリコン基板[61]を剥離してマイクロ流路[600]を形成することができる(工程9)。
本実施態様の製造方法を用いることにより、抗体等の構造を破壊することなく40℃程度の低温で形成することができる。また、注入口及び排出口となる貫通穴を有する層も一体的に形成することが可能となる。
本実施例の組成物の屈折率はガラスに近く、透過率も高いので、従来と同じようにカバー層側から可視光を入射することによりバイオマーカーにつけた蛍光マーカーの蛍光強度を測定することにより、付着した物質の種類と付着した量の推定が可能となる。
<第7の実施態様>
図7に示した第7の実施態様の製造方法を用いることにより、多層構造を有するマイクロ流路を形成することができる。
シリコン基板またはガラス基板等の第1のサポート基板[71]などの表面に離形層[72]としての役割を持つ材料を例えば10μm程度の膜厚塗布する(工程1)。この離形層[72]には、例えばJSR製のLucera Sシリーズの易剥離性の特徴を持つポリイミド膜を用いるのが望ましい。
サポート基板[71]上に、例えばスリットコーター法や塗布法などにより膜厚50μm程度の膜厚の本発明の組成物[73]を塗工する(工程2)。この時、シリコン基板のエッジ部に延在している膜は次の露光工程で、露光ステージの汚染やパーティクル増加の原因となるのでシンナーなどの有機溶剤で除去しておくことが望ましい。そして、所望のパターンを有するマスクを介して、例えば波長365nmのi線等の紫外線を用いて、例えば1,000mJ/cm2程度の露光量を用いて所望の領域のみ露光して感光、硬化させた後、有機溶剤液に浸漬することにより現像を行い未露光部の未硬化領域を除去して上下のチャネル層をつなぐ所望のVia(貫通穴)パターンを複数有するチャネル分離カバー層[74]を形成する(工程3)。通常このViaパターンのサイズは上下の流路チャネルをつなぐ役目なので流路チャネル幅よりも少し小さい程度に設定する。例えば50μmから100μm程度であることが多い。
本発明の組成物[73]を再度全面に例えば50μm程度の膜厚になるように塗布形成して、今度は流路パターンを形成するように所望のマスクを用いて露光し、硬化させたシリコン基板を有機溶剤に浸漬することにより未硬化部分を除去し流路パターンを有する第一の流路層[75]を形成する(工程4)。
第2のサポート基板[76]の表面にも、第1のサポート基板[71]の場合と同様にして、剥離層[72]を形成した後、所望のViaパターンを持った例えば100μmから200μm程度の膜厚のチャネル分離層[74]となる構造体を形成する。剥離層[72]は、フッ素系のフィルムを用いて形成してもよい。工程4で形成した第一の流路パターンの突起部(凸部)表面に選択的に本発明の組成物からなる接着層[77]を第1の実施態様における工程5〜工程9と同様の方法を用いて形成して、第2のサポート基板[76]上のカバー層[74]と接着させる(工程5)。そしてサポート基板[71]を剥離して第一の流路とVia層、カバー層を有する構造体[78]を得る(工程6)。このカバー層には複数のViaパターンが形成されている。カバー層は最終的にはマイクロ流路チャネルの最上部層のカバー層となるので適切な強度を持つような膜厚に設定する必要がある。200μm程度の膜厚が望ましい。このVia径は1−2mm径の大きな穴が複数個形成されている。
次いで、第3のサポート基板[79]の上に第2の実施態様の工程1〜工程5と同様にして流路チャネルパターンを形成したのち、抗体等のタンパク質等を固定化する。一方、平坦性の良い、例えば第4のサポート基板[710]上にスピン塗布法などにより本発明の組成物[720]を例えば厚さ1μmから10μm程度塗布して塗布膜を形成し、第3のサポート基板[79]上の第二の流路パターンと密着させる(工程7)。そして第4のサポート基板[710]を剥離させることにより、第3のサポート基板[79]上の第二の流路パターンの上部平面上に前記組成物の塗膜の一部を転写する(工程8)。次に、工程8で得られたシリコン基板上に形成した前記流路パターンの上部平面上の形成された組成物の塗膜と、工程6で得られた構造体[78]を接着する(工程9)。第2のサポート基板[76]を通して紫外線を照射し、組成物を硬化させて接着する。
次に剥離層を有する第2のサポート基板[76]を剥離して第一と第二の流路及びVia層とカバー層をもつ2層流路構造体[700]が完成する(工程10)。
このようにすることにより、所望の領域にタンパク質からなる抗体を持つ2層のマイクロ流路構造体とカバー層(従来はガラス基板)を持つ構造体を、基板に形成しているタンパク質である抗体の構造を破壊することなく、40℃程度の低温で形成できる。また、外部から液体を注入するための複数の穴を持つカバー層も最上層に同時に一体形成することが可能となり、シリコン基板に形成したバイオセンサーにバイオ溶液(液体)を供給するための2層のマイクロ流路構造体を一体的に連続的に形成することができる。
本実施例の組成物の屈折率はガラスに近く、透過率も高いので、従来と同じようにカバー材料側から可視光を入射することによりバイオマーカーにつけた蛍光マーカーの蛍光強度を測定することにより、付着した物質の種類と付着した量の推定が可能となる。ここでは2層のマイクロ流路形成について説明したが、この方法を繰り返すことにより多層のマイクロチャネル構造体を得ることができる。
本実施例のポイントは、流路パターンとカバー材を連続形成して、構造体の上面部のみに低温接着剤を選択形成し、硬化、接着させる、最後にサポート材から剥離することを繰り返すことにより多層のマイクロ流路構造体を形成することにある。この実施例の場合にJSR製の剥離層を用いた例を示したが、剥離層はこれに限定されないで他の剥離層を使用することも可能である。マイクロ流路のチャネル材、カバー層の材料の本実施例のように本発明の組成物を使う場合だけでなく、他の材料を使うことも可能である。流路チャネルの突起部上部面に選択的に本発明の組成物を形成して、硬化/接着させることがポイントである。
<第8の実施態様>
図8に示した第8の実施態様の製造方法を用いることにより、流路上面の平面性に優れたマイクロ流路を製造することができる。
工程1〜工程2は、図1に示す第1の実施態様と同一である。次に、平坦性の良いダミーシリコン基板[81]を前記組成物の表面に設置する(工程3)。次に所望のマスクを介して透明なガラス基板面から、例えば波長365nmのi線等の紫外線を500mJ/cm2から1000mJ/cm2程度になるように照射して所望の領域のみ露光して感光/硬化させる(工程4)。次に、ダミーシリコン基板[81]を取り除き、流路パターンを形成したガラス基板を得る(工程5)。工程6〜工程9は、図1に示した第1の実施態様と同一である。
この剥離にはガラスとの接着力とシリコン基板との接着力の差があることを利用して行う。ダミーシリコン基板側に離形のための層を形成しても良い。
このようにすると、ガラス基板の貫通穴に入り込んだ塗布膜を現像時に除去でき、貫通穴をふさぐことなく流路パターンを形成できると共に、ダミーシリコン基板[81]により均一な膜厚の流路パターンが得られる。また、組成物が酸素から遮断されるために光開始剤の種類によって発生する酸素阻害の影響を回避することができる。
<第9の実施態様>
図9に示した第9の実施態様の製造方法を用いることにより、PDMS基材を用いたマイクロ流路を製造することができる。
金型等を用いて形成した流路パターン付PDMS基材[91]をガラス基板等の透明基板[92]に密着させることにより粘着させる。(工程1)。次に、平坦性の良い例えばシリコン基板上[93]にスピン塗布法などにより本発明の組成物を例えば厚さ1μmから10μm程度になるよう塗布して当該組成物の塗布膜[94]を形成して、接着剤塗布膜付き基材[95]を流路パターン付PDMS基材[91]の流路パターン表面と接着剤塗布膜付き基材[95]の塗布膜面を密着させる(工程2)。そして接着剤塗布膜付き基材[95]を剥離させることにより、流路パターンの凸部平面上に前記組成物の塗膜の一部を転写する(工程3)。次に、当該流路パターンの上部平面上の形成された組成物の塗膜と、抗体等のタンパク質等を固定化してなるバイオセンサーなどが形成されているシリコン基板[96]とを密着させる。その後透明なガラス基板[92]側から透明なPDMSを通して、例えば波長365nmのi線等の紫外線を1000mJ/cm2程度、全面に照射することにより流路パターン付PDMS基材[91]とシリコン基板[96]を接着する(工程4)。最後に、透明基板[92]を剥離してマイクロ流路を形成することができる。
なお、PDMSに替えてSU−8などの厚膜レジスト材料などで形成したマイクロ流路チャネルの場合にも同様に形成することができる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれら実施例に限定されるものではない。
[組成物の調製および物性評価]
製造例1(水酸基含有含フッ素共重合体の合成):
内容積2.0Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル400g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(FPVE)53.2g、エチルビニルエーテル(EVE)36.1g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)44.0g、過酸化ラウロイル1.00g、上記式(10)で表されるアゾ基含有ポリジメチルシロキサン(VPS1001、和光純薬工業社製)6.0g及びノニオン性反応性乳化剤(NE−30、旭電化工業社製)20.0gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次いで、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)120.0gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は5.3×105Paを示した。その後、70℃で20時間攪拌下に反応を継続し、圧力が1.7×105Paに低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出してオートクレーブを開放し、固形分濃度26.4%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入しポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い220gの水酸基含有含フッ素重合体を得た。これを「水酸基含有含フッ素重合体1」とする。
得られた水酸基含有含フッ素重合体1について、GPCによるポリスチレン換算数平均分子量を測定したところ、約70000であった。また、アリザリンコンプレクソン法によるフッ素含量の測定結果、1H−NMR、13C−NMRの両NMR分析結果および元素分析結果から、水酸基含有含フッ素重合体1を構成する各単量体成分の割合を決定したところ、ヘキサフルオロプロピレン由来の構造単位、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)由来の構造単位、エチルビニルエーテル由来の構造単位、ヒドロキシエチルビニルエーテル由来の構造単位が、これら4種類の構造単位の合計量を100モル%として、それぞれ、25:25:25:25モル%であった。
製造例2((A)放射線反応性基含有含フッ素共重合体1の合成):
電磁攪拌機、ガラス製冷却管及び温度計を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに、製造例1で得られた水酸基含有含フッ素重合体1を41.0g、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルメチルフェノール0.01g、希釈溶剤として2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート41.0g、及びネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート17.0gを仕込み、50℃で水酸基含有含フッ素重合体1が溶解して、溶液が透明、均一になるまで攪拌を行った。
次いで、この系に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート0.90gを添加し、溶液が均一になるまで攪拌した後、ジブチルチンジラウレート0.015gを添加して反応を開始し、系の温度を55〜65℃に保持し5時間攪拌を継続することにより、放射線反応性基含有含フッ素重合体を得た。得られた放射線反応性基含有含フッ素重合体を「放射線反応性基含有含フッ素重合体1」とする。
[組成物および硬化物の評価]
実施例1〜9、比較例1〜4
表1に示す組成の各成分を、攪拌機を備えた反応容器に仕込み、液温度を50℃に制御しながら1時間攪拌し、液状硬化性樹脂組成物を得た。
Figure 2014210865
表1において、
ビスコート13F;2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート(大阪有機化学工業社製)。
Irgacure184;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)。
Lucirin TPO;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製)。
カイナーADS;VDF/TFE/HFPフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンお
よびヘキサフルオロプロピレンの共重合体(アルケマ社製)。
試験例1
前記実施例及び比較例で得た液状硬化性樹脂組成物を、以下のような方法で硬化させて試験片を作製し、下記の各評価を行った。結果を表1に併せて示す。
1.粘度:
実施例および比較例で得られた組成物の25℃における粘度を、B型粘度計を用いて測定した。
2.ヤング率:
250μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布し、これを窒素下で1J/cm2のエネルギーの紫外線で照射して硬化させ、ヤング率測定用フィルムを得た。このフィルムから、延伸部が幅6mm、長さ25mmとなるよう短冊状サンプルを作成し、温度23℃、湿度50%で引っ張り試験を行った。引っ張り速度は1mm/minで2.5%歪みでの抗張力からヤング率を求めた。
3.破断強度および破断伸び:
引張試験器(島津製作所社製、AGS−50G)を用い、試験片の破断強度および破断伸びを下記測定条件にて測定した。
引張速度 :50mm/分
標線間距離(測定距離):25mm
測定温度 :23℃
相対湿度 :50%RH
4.屈折率:
ガラス板上に膜厚が200μmとなるようにアプリケーターバーを用いて樹脂組成物を塗布し、1.0J/cm2の紫外線を窒素下で照射し、試験片を作製した。JIS K7105に従い、アタゴ社製アッベ屈折計を用いて、25℃における屈折率を測定した。
5.透明性(ヘイズ):
硬化膜の全光線透過率を、カラーヘイズメーター(スガ試験機社製)を用い、JIS K7105に準拠して測定した。測定は、製造直後の硬化膜および120℃72時間放置後の硬化膜について、それぞれ行った。
6.密着力:
実施例および比較例で得られた組成物に関し、その硬化物の密着力安定性を測定した。液状組成物を381μm厚のアプリケーターを用いてスライドガラス上に塗布し、窒素雰囲気下で0.1J/cm2の紫外線を照射し、厚さ約200μmの硬化フィルムを得た。このスライドガラス上の硬化フィルムを、温度23℃、湿度50%下に24時間静置した。その後、この硬化フィルムから延伸部が幅10mmとなるように短冊状サンプルを作成した。このサンプルを引っ張り試験器を用いてJIS Z0237に準拠して密着力試験を行った。引張速度は50mm/minでの抗張力から密着力を求めた。
[マイクロ流路の製造]
実施例1〜9に挙げた各組成物を用いて、前述の第1〜第9の実施態様の製造方法によりマイクロ流路を製造した。これらの場合において、塗膜の厚み、紫外線の照射量は、各実施態様の説明に記載した数値または値の範囲の下限値を用いた。いずれも場合も、所望の構造を有するマイクロ流路を良好に形成することができた。

Claims (19)

  1. (A)放射線反応性基とフッ素原子を有し、数平均分子量が1000〜500000である共重合体、
    (B)放射線反応性基を有する(A)以外の化合物、及び
    (C)放射線重合開始剤を含有するマイクロ流路形成用放射線硬化性樹脂組成物。
  2. 組成物中の固形分全量に対するフッ素原子含有量が、25質量%以上である、請求項1に記載の組成物。
  3. 成分(A)が、ポリビニル構造、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリウレタン構造、ポリエーテル構造、ポリエステル構造、ポリエポキシ構造、ポリアミド構造、ポリイミド構造からなる群から選択される一種または二種以上の構造を有する、請求項1に記載の組成物。
  4. 成分(B)が、下記式(41)〜(45)のいずれかで表される化合物から選択される1種または2種以上を含有する、請求項1に記載の組成物。
    CH2=CR1−COO(CH2m(CF2n2 (41)
    [式(41)において、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は水素原子またはフッ素原子を示し、mは1〜2を示し、nは2〜8を示す。]
    CR3 2=CR3−(CF2pF (42)
    [式(42)において、R3は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を示し、pは2〜8を示す。]
    CR4 2=CR4−O−(CF2qF (43)
    [式(43)において、R4は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を示し、qは2〜8を示す。]
    Figure 2014210865
    [式(44)において、R5は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を示し、R6は酸素原子または硫黄原子を示し、rは2〜8を示す。]
    Figure 2014210865
    [式(45)において、R7は酸素原子または硫黄原子を示し、sは2〜8を示す。]
  5. 流路の内面の少なくとも一部が、請求項1に記載された組成物を用いて形成されたマイクロ流路。
  6. 流路パターンを有する基板に蓋となる基板が接着されてなるマイクロ流路であって、流路パターンを有する基板と蓋となる基板が、請求項1に記載された組成物を用いて形成された接着剤層を介して接着されてなるマイクロ流路。
  7. 流路パターンを有する基板に蓋となる基板が一体形成されてなるマイクロ流路であって、流路パターンを有する基板と蓋となる基板が、請求項1に記載された組成物を用いて形成された接着剤層を介して接着されてなるマイクロ流路。
  8. 被接着基板と対向するマイクロ流路の面に請求項1に記載された組成物からなる塗布膜が形成されていることを特徴とするマイクロ流路。
  9. 流路パターンの蓋となる基板が、請求項1に記載された組成物を用いて形成されたマイクロ流路。
  10. 請求項1に記載された組成物を用いて形成された多層の流路構造を有するマイクロ流路。
  11. 流路の内面の少なくとも一部を請求項1に記載された組成物を用いて形成する工程を有するマイクロ流路の製造方法。
  12. 流路パターンを有する基板に蓋となる基板が接着されてなるマイクロ流路の製造方法であって、流路パターンを有する基板と蓋となる基板との間に請求項1に記載された組成物を用いて接着剤層を形成する工程、および当該流路パターンを有する基板と当該蓋となる基板とを接着する工程を有するマイクロ流路の製造方法。
  13. 流路パターンを有する基板に蓋となる基板が一体形成されてなるマイクロ流路の製造方法であって、流路パターンを有する基板と蓋となる基板との間に請求項1に記載された組成物を用いて接着剤層を形成する工程、および当該流路パターンを有する基板と当該蓋となる基板とを接着する工程を有するマイクロ流路の製造方法。
  14. 請求項1に記載された組成物からなる接着層を被接着基板と対向する流路の表面に選択的に形成する工程を有するマイクロ流路の製造方法。
  15. ロールを使って前記接着層を形成することを特徴とする、請求項14に記載のマイクロ流路の製造方法。
  16. 流路パターンを有する基板に蓋となる基板が接着されてなるマイクロ流路の製造方法であって、本願組成物の硬化膜からなる流路パターンを有する基板と蓋となる基板との間に請求項1に記載された組成物を用いて接着剤層を形成する工程、および本願組成物の硬化膜を導波路に用いて放射線を照射することにより当該流路パターンを有する基板と当該蓋となる基板とを接着する工程を有するウェーハレベル及びチップレベルのマイクロ流路の製造方法。
  17. 流路パターンの蓋となる基板を請求項1に記載された組成物を用いて形成する工程を有するマイクロ流路の製造方法。
  18. 請求項1に記載された組成物を用いて多層の流路構造を形成する工程を有するマイクロ流路の製造方法。
  19. 少なくとも一方が透明である一対の平坦な基板により挟持された請求項1に記載された組成物からなる塗布層に、一方の透明な基板側から放射線を照射して硬化させる工程を有するマイクロ流路の製造方法。
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