JP2014234411A - マイクロ流路形成用嫌気硬化性樹脂組成物およびマイクロ流路 - Google Patents

マイクロ流路形成用嫌気硬化性樹脂組成物およびマイクロ流路 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロ流路の形成用材料として好適な特性、特に、低い屈折率と安定した透明性、良好な塗布性、ガラス基材等との密着性、強度・柔軟性に優れた嫌気硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)エチレン性不飽和基とフッ素原子を有し、数平均分子量が1000〜500000である共重合体、(B)エチレン性不飽和基を有する(A)以外の化合物、(C)有機過酸化物、及び(D)重合促進剤を含有するマイクロ流路形成用嫌気硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、マイクロ流路形成用嫌気硬化性樹脂組成物、マイクロ流路及びマイクロ流路の製造方法に関する。
チップ基板内に液体や気体等からなる流体の微細な流路、バルブ、流体の導入口、排出口等を形成した小型デバイスであるマイクロ流路(用途等によっては、マイクロ流路チップ、マイクロリアクター等とも呼ばれる。)が開発され、多様な物質の分離分析、センサー、化学反応等の多様な用途への応用が図られつつある。
最近、マイクロ流路を利用して、タンパク質、DNAやRNA等の核酸、糖鎖などの生体関連物質の分離分析や合成を行うことにより、医薬品や農薬等のハイスループットスクリーニングへの応用が注目されている。
マイクロ流路は、例えば、ガラスやポリシロキサン、合成樹脂等からなる基板内に幅、深さ共に10〜100μm程度の流路が形成された構造を有している(非特許文献1、特許文献1)。このような流路は、基板上に断面が矩形またはU字型等の上部が開放された溝を形成し、必要に応じて他の基板を用いて蓋を設けることにより上部が閉じた流路を形成することにより形成される。溝を形成した基板と蓋となる基板は、接着剤により接着され、又は熱等により溶着される場合が多い。
合成樹脂からなる基板(基板フィルムを含む)を用いてマイクロ流路を形成する場合には、例えば、射出成形等の方法により流路を形成することが可能であり、経済的にマイクロ流路を形成することができる。溝を形成した基板と蓋となる基板や基板フィルムは、熱プレス、超音波溶着、接着剤等の方法により接着される。
マイクロ流路が微細化するにつれ、また、複雑な構造になるにつれ、その形成技術として、フォトリソグラフィー技術を応用したMEMS(micro electro mechanical systems)技術が用いられるようになっている。MEMS技術により形成されるマイクロ流路には、シリコン基板の上にフォトレジスト等の光硬化性材料を用いて流路が形成されている。バイオセンサーなどに使われるマイクロ流路の場合、蓋を接着する前に抗体等のタンパク質等を流路の一部に形成しておくことが多いので、40℃以下の低温で接着できる接着剤が求められている。低温接着のためには一般にUV硬化型の接着剤が提案されている。
マイクロリアクター技術の最前線 前一廣著、シーエムシー出版(2012年)ISBN:978−4781305875
特開2009−047438号公報
しかしながら、シリコン基板のような光を透過しない一組の基板で挟持された流路を有するマイクロ流路の場合には、紫外線等の硬化光を到達させることが困難であるため、光硬化性接着材料の適用には困難が伴う。また、マイクロ流路に生体関連物質を形成した構造に、硬化光を照射すると生体関連物質が硬化光により劣化してしまう場合があり、微量の生体関連物質の抗体抗原反応を用いたバイオセンサーの検出感度などが低下する問題があった。
このように、マイクロ流路の製造に紫外線硬化型の接着剤を用いた場合、シリコン基板等の紫外線を透過しない基板で挟持された流路を有するマイクロ流路の場合には、紫外線を接着剤層に到達させることが困難であり、少なくとも一方の基板を紫外線を透過する透明基板とする等の構造上の制限があった。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、タンパク質などの生体関連物質を劣化させることが少ないマイクロ流路の形成材料を提供するものである。
そこで、本願発明者は、エチレン性不飽和基とフッ素原子を有し、特定分子量の共重合体と、エチレン性不飽和基とフッ素原子を有する化合物、有機過酸化物、及び重合促進剤を含有する嫌気硬化性樹脂組成物が、上記の目的を達成できることを見出した。
本発明は、(A)エチレン性不飽和基とフッ素原子を有し、数平均分子量が1000〜500000である共重合体、(B)エチレン性不飽和基を有する(A)以外の化合物、(C)有機過酸化物、及び(D)重合促進剤を含有するマイクロ流路形成用嫌気硬化性樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、流路パターンを有する基板に蓋となる基板が接着されてなるマイクロ流路であって、流路パターンを有する基板と蓋となる基板が、前記組成物を用いて形成された接着剤層を介して接着されてなるマイクロ流路を提供するものである。
また、本発明は、流路パターンを有する基板に蓋となる基板が一体形成されてなるマイクロ流路であって、流路パターンを有する基板と蓋となる基板が、前記組成物を用いて形成された接着剤層を介して接着されてなるマイクロ流路を提供するものである。
また、本発明は、流路パターンを有する基板に蓋となる基板が接着されてなるマイクロ流路の製造方法であって、流路パターンを有する基板と蓋となる基板との間に、前記組成物を用いて接着剤層を形成する工程、および当該流路パターンを有する基板と当該蓋となる基板とを接着する工程を有するマイクロ流路の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、流路パターンを有する基板に蓋となる基板が一体形成されてなるマイクロ流路の製造方法であって、流路パターンを有する基板と蓋となる基板との間に、前記組成物を用いて接着剤層を形成する工程、および当該流路パターンを有する基板と当該蓋となる基板とを接着する工程を有するマイクロ流路の製造方法を提供するものである。
本発明の嫌気硬化性樹脂組成物は、有機溶剤を実質的に含まないため、揮発性物質が発生せず環境負荷が小さく、室温で扱いやすい粘度を有しており、抗体等のタンパクを不活性化させない40℃以下程度の低温でも硬化が可能である。また、本発明の嫌気硬化性樹脂組成物を接着剤として用いて形成されるマイクロ流路は、基板に対する接着力が高いため液漏れ等がなく、耐久性に優れたマイクロ流路を得ることができる。
このため、流路の内面に抗体等のタンパク質等を固定化した場合であっても、そのタンパク質等を劣化させることなく、バイオセンサーを内蔵する基板同士を40℃程度の低温で接着してマイクロ流路を得ることができる。
なお、本願明細書において、流路パターンとは、上面が開放されている流路溝である。流路パターンの上面に蓋を設けることによって、上面が閉じた流路が形成される。また、マイクロ流路とは、流路を有するチップあるいはデバイスをいう。
図1は、本発明の組成物を用いてバイオセンサーとしても用いることができるマイクロ流路を形成する方法の第1の実施態様を示す図である。 図2は、本発明の組成物を用いてバイオセンサーとしても用いることができるマイクロ流路を形成する方法の第2の実施態様を示す図である。
嫌気硬化性組成物は、(メタ)アクリル酸エステル等のエチレン性不飽和基を有する化合物を主成分とする硬化性組成物であり、酸素と接触している間は長期間液状状態で安定に保たれ、酸素が遮断もしくは排除されると常温で急速に硬化する性質を有する(特開2003−313206号公報、特開2003−165806号公報)。
本発明の嫌気硬化性樹脂組成物は、必須成分として、(A)エチレン性不飽和基とフッ素原子を有し、数平均分子量が1000〜500000である共重合体、(B)エチレン性不飽和基を有する(A)以外の化合物、(C)有機過酸化物、及び(D)重合促進剤を含有する。
<成分(A)>
本発明の組成物に用いられるエチレン性不飽和基とフッ素原子を有し、数平均分子量が1000〜500000である共重合体(以下、「エチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体」という。)は、ポリビニル構造、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリウレタン構造、ポリエーテル構造、ポリエステル構造、ポリエポキシ構造、ポリアミド構造、ポリイミド構造からなる群から選択される一種または二種以上の構造を有することが好ましい。成分(A)である共重合体には、オリゴマーを含むものとする。
また、エチレン性不飽和基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、プロペニル基(アリル基ともいう。)等があげられ、本発明の硬化性樹脂組成物をより容易に硬化させることができることから、(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。
成分(A)の分子量は、1,000〜500,000であることが好ましい。数平均分子量が1,000未満になると、硬化物の機械的強度が低下してマイクロ流路の強度が低下する場合があり、数平均分子量が500,000を超えると、組成物の粘度が高くなり、塗布が困難となる場合がある。成分(A)の数平均分子量は、5,000〜200,000であることがより好ましく、10,000〜100,000であることがさらに好ましい。
成分(A)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定されるポリスチレン換算数平均分子量である。詳細には、HPLCシステム(HLC−8220GPC:東ソー製)に以下の順番で連結した複合カラムを用い、テトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒として、流速1ml/minの条件下で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。
TSKgel G4000H XL、TSKgel G3000H XL、TSKgel G2000H XL、TSKgel G2000H XL、TSKgel G4000H XL、TSKgel G3000H XL。
<ポリビニル構造を有する(A)エチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体>
ポリビニル構造を有する(A)エチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体としては、エチレン性不飽和基とフッ素原子を有するビニル重合体であれば、特に限定されない。ここで、ビニル重合体とは、ビニル基を有するモノマーの重合体である。
エチレン性不飽和基とフッ素原子を有するビニル重合体は、例えば、活性水素基を有する含フッ素ビニル重合体と、エチレン性不飽和基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物とを反応させて得られる。活性水素基とは、活性水素を有する基である。活性水素基としては、特に限定されないが、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基等があげられる。また、活性水素基と共有結合を形成する基としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート基、ハロゲン化カルボニル基、エポキシ基、グリシジル基等があげられる。
(1)エチレン性不飽和基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物:
エチレン性不飽和基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物としては、分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和基と少なくとも1個の活性水素基と共有結合を形成する基とを含有している化合物であれば特に制限されるものではない。
このような化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルクロライド、無水(メタ)アクリル酸、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等が挙げられる。
尚、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば昭和電工社製、商品名 カレンズMOI、AOI、BEI等が挙げられる。
また、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートは、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて合成することもできる。
ジイソシアネートの例としては、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンが好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレートの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
尚、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、大阪有機化学社製、商品名 HEA;日本化薬社製、商品名 KAYARAD DPHA、PET−30;東亞合成社製、商品名 アロニックス M−215、M−233、M−305、M−400等として入手することができる。
(2)活性水素基を有する含フッ素ビニル重合体:
活性水素基を有する含フッ素ビニル重合体は、好ましくは、下記構造単位(a)、(b)及び(c’)を含んでなる。
(a)下記式(1)で表される構造単位。
(b)下記式(2)で表される構造単位。
(c’)下記式(7)で表される構造単位。
Figure 2014234411
[式(1)中、R1はフッ素原子、フルオロアルキル基又は−OR2で表される基(R2はアルキル基又はフルオロアルキル基を示す)を示す]
Figure 2014234411
[式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4はアルキル基、−(CH2x−OR5若しくは−OCOR5で表される基(R5はアルキル基、グリシジル基又はアミノアルキル基を示し、xは0又は1の数を示す)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基又はヒドロキシチオアルコキシ基を示す]
Figure 2014234411
[式(7)中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12は水素原子又はヒドロキシアルキル基を示し、vは0又は1の数を示す]
(i)構造単位(a):
上記式(1)において、R1及びR2のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基等の炭素数1〜6のフルオロアルキル基が挙げられる。また、R2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
構造単位(a)は、含フッ素ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような含フッ素ビニル単量体としては、少なくとも1個の重合性不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子とを有する化合物であれば特に制限されるものではない。このような例としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン等のフルオロオレフィン類;アルキルパーフルオロビニルエーテル又はアルコキシアルキルパーフルオロビニルエーテル類;パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの中でも、ヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)がより好ましく、これらを組み合わせて用いることがさらに好ましい。
尚、構造単位(a)の含有率は、活性水素基含有含フッ素ビニル重合体中の構造単位(a)〜(c’)の合計量を100モル%としたときに、20〜70モル%であるのが好ましく、25〜65モル%とするのがより好ましく、30〜60モル%とするのがさらに好ましい。
(ii)構造単位(b):
式(2)において、R4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ラウリル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられ、ヒドロキシチオアルコキシ基としては、ヒドロキシチオメトキシ基、ヒドロキシチオエトキシ基等が挙げられる。
構造単位(b)は、上述の置換基を有するビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このようなビニル単量体の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル類;エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル等のアリルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
尚、構造単位(b)の含有率は、活性水素基含有含フッ素ビニル重合体中の構造単位(a)〜(c’)の合計量を100モル%としたときに、10〜70モル%であるのが好ましく、20〜60モル%とするのがより好ましく、30〜60モル%とするのがさらに好ましい。
(iii)構造単位(c’):
式(7)において、R12のヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基等が挙げられる。
構造単位(c’)は、水酸基含有ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような水酸基含有ビニル単量体の例としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類;アリルアルコール等が挙げられる。
また、水酸基含有ビニル単量体としては、上記以外にも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を用いることができる。
尚、構造単位(c’)の含有率は、活性水素基含有含フッ素ビニル重合体中の構造単位(a)〜(c’)の合計量を100モル%としたときに、5〜70モル%であるのが好ましく、5〜40モル%とするのがより好ましく、5〜30モル%とするのがさらに好ましい。
(iv)構造単位(d)及び構造単位(e):
活性水素基を有する含フッ素ビニル重合体は、さらに下記構造単位(d)を含んで構成することもできる。
(d)下記式(6)で表される構造単位。
Figure 2014234411
[式(6)中、R9及びR10は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す]
式(6)において、R9及びR10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が、ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基等の炭素数1〜4のフルオロアルキル基等が、アリール基としてはフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等がそれぞれ挙げられる。
構造単位(d)は、前記式(6)で表されるポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物を用いることにより導入することができる。このようなアゾ基含有ポリシロキサン化合物の例としては、下記式(8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014234411
[式(8)中、R13〜R16は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基又はシアノ基を示し、R17〜R20は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を示し、p、qは1〜6の数、r、sは0〜6の数、tは1〜200の数、uは1〜20の数を示す]
式(8)で表される化合物を用いた場合には、構造単位(d)は、構造単位(e)の一部として活性水素基含有含フッ素ビニル重合体に含まれる。
(e)下記式(9)で表される構造単位。
Figure 2014234411
[式(9)中、R13〜R16、R17〜R20、p、q、r、s及びtは、上記式(8)と同じである]
式(8)および(9)において、R13〜R16のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、R17〜R20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。
本発明において、上記式(8)で表されるアゾ基含有ポリシロキサン化合物としては、下記式(10)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2014234411
[式(10)中、t及びuは、上記式(8)と同じである]
尚、構造単位(d)の含有率は、活性水素基含有含フッ素ビニル重合体中の構造単位(a)〜(c’)の合計量を100モル%としたときに、0〜10モル%とすることが好ましく、0.1〜5モル%とするのがより好ましく、0.1〜3モル%とするのがさらに好ましい。同じ理由により、構造単位(e)の含有率は、その中に含まれる構造単位(d)の含有率を上記範囲にするよう決定することが望ましい。
(v)構造単位(C):
活性水素基含有含フッ素ビニル重合体は、さらに下記構造単位(C)を含んで構成することも好ましい。
(C)下記式(11)で表される構造単位。
Figure 2014234411
[式(11)中、R21は、下記式(12)で表される基である。
Figure 2014234411
[式(12)中、nは1〜20の数、mは0〜4の数、kは3〜50の数を示す]]
構造単位(C)は、反応性乳化剤を重合成分として用いることにより導入することができる。このような反応性乳化剤としては、下記式(13)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014234411
[式(13)中、n、m及びkは、上記式(12)と同じである]
尚、構造単位(C)の含有率は、活性水素基含有含フッ素重合体中の構造単位(a)〜(c’)の合計量を100モル%としたときに、0.1〜5モル%とすることが好ましい。この理由は、含有率が0.1モル%以上になると、活性水素基含有含フッ素重合体の溶剤への溶解性が向上し、一方、含有率が5モル%以内であれば、硬化性樹脂組成物の粘着性が過度に増加せず、取り扱いが容易になり、コート材等に用いても耐湿性が低下しないためである。
また、このような理由により、構造単位(C)の含有率を、活性水素基含有含フッ素ビニル重合体の全体量に対して、0.1〜3モル%とするのがより好ましく、0.2〜3モル%とするのがさらに好ましい。
(3)エチレン性不飽和基含有含フッ素ビニル重合体:
エチレン性不飽和基含有含含フッ素ビニル重合体は、活性水素基を有する含フッ素ビニル重合体が有する活性水素基と、エチレン性不飽和基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物が有する活性水素と共有結合を形成する基とが反応することにより得られる。なお、この場合、活性水素基1.0当量に対して、活性水素基と共有結合を形成する基を0.5〜1.0当量とすることが好ましい。
<ポリ(メタ)アクリル構造を有する(A)エチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体>
ポリ(メタ)アクリル構造を有する(A)エチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体としては、エチレン性不飽和基とフッ素原子を有する(メタ)アクリル重合体であれば、特に限定されない。ここで、(メタ)アクリル重合体とは、(メタ)アクリル酸エステルの重合体である。
エチレン性不飽和基とフッ素原子を有する(メタ)アクリル重合体は、例えば、活性水素基を有する含フッ素(メタ)アクリル重合体と、エチレン性不飽和基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物とを反応させて得られる。活性水素基としては、特に限定されないが、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基等があげられる。また、活性水素基と共有結合を形成する基としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート基、ハロゲン化カルボニル基、エポキシ基、グリシジル基等があげられる。
(1)エチレン性不飽和基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物は、ポリビニル構造を有するエチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体の製造方法に用いられるエチレン性不飽和基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物と同一である。
(2)活性水素基を有する含フッ素(メタ)アクリル重合体:
活性水素基を有する含フッ素(メタ)アクリル重合体は、活性水素基とフッ素原子を含有する(メタ)アクリル重合体であれば特に限定されないが、特に、下記構造単位(a)、(b)及び(c’)を含んでなる、水酸基含有含フッ素(メタ)アクリル重合体が好ましい。
(a)下記式(21)で表される構造単位。
(b)下記式(22)で表される構造単位。
(c’)下記式(26)で表される構造単位。
構造単位(a):
Figure 2014234411
[式(21)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは1〜8を示し、nは1〜20を示す]
構造単位(b):
Figure 2014234411
[式(22)中、R2は水素原子またはメチル基を示し、R3は活性水素基を有さない1価の有機基を示す]
構造単位(c’)
Figure 2014234411
[式(26)中、R7は水素原子またはメチル基を示し、vは1〜20の数を示す]
(i)構造単位(a):
上記式(21)において、mは1〜8であり、好ましくは1〜4であり、更に好ましくは2である。nは1〜20であり、好ましくは3〜12であり、更に好ましくは4〜8であり、最も好ましくは6である。
構造単位(a)は、下記式(27)で表される化合物を重合成分として用いることにより導入することができる。このような化合物の典型例としては、パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Figure 2014234411
[式(27)中、R1、mおよびnは、式(21)中のR1、mおよびnとそれぞれ同一である]
水酸基含有含フッ素(メタ)アクリル重合体中の構造単位(a)の含有量は、構造単位(a)、(b)及び(c’)の合計量を100モル%として、20〜70モル%であるのが好ましく、30〜60モル%であるのがより好ましく、35〜60モル%であるのがさらに好ましい。
(ii)構造単位(b):
上記式(22)中のR3は、活性水素基を有さない1価の有機基である。R3は活性水素を有さない1価の有機基であれば特に限定されないが、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物のヤング率と屈折率のバランスが好適となるため、特に脂環式構造を有する1価の有機基が好ましい。ここで脂環式構造には、複素環構造を含むものとする。
構造単位(b)は、下記式(28)で表される化合物を重合成分として用いることにより導入することができる。特に好適な化合物としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Figure 2014234411
[式(28)中、R2およびR3は、式(22)中のR2およびR3とそれぞれ同一である。]
水酸基含有含フッ素(メタ)アクリル重合体中の構造単位(b)の含有量は、構造単位(a)、(b)及び(c’)の合計量を100モル%として、10〜70モル%であるのが好ましく、20〜60モル%であるのがより好ましく、20〜55モル%であるのがさらに好ましい。構造単位(b)の含有量が70モル%を越えると、水酸基含有含フッ素(メタ)アクリル重合体の屈折率が増大する副作用がある。一方、20モル%未満では、水酸基含有含フッ素(メタ)アクリル重合体の溶解性低下の副作用がある。
(iii)構造単位(c’):
構造単位(c’)は、下記式(29)で表される化合物を重合成分として用いることにより導入することができる。このような化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を用いることができる。
Figure 2014234411
[式(29)中、R7およびvは、式(26)中のR7およびvとそれぞれ同一である。]
水酸基含有含フッ素(メタ)アクリル重合体中の構造単位(c’)の含有量は、構造単位(a)、(b)及び(c’)の合計量を100モル%として、5〜70モル%であるのが好ましく、10〜40モル%であるのがより好ましく、10〜20モル%であるのがさらに好ましい。構造単位(c’)の含有量が70モル%を越えると、フッ素重合体の屈折率が増大する副作用がある。一方、5モル%未満では、エチレン性不飽和基が十分に導入されない可能性が生じるという副作用がある。
(3)エチレン性不飽和基含有含フッ素(メタ)アクリル重合体:
エチレン性不飽和基含有含含フッ素(メタ)アクリル重合体は、活性水素基含有含フッ素(メタ)アクリル重合体中の活性水素基と、エチレン性不飽和基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物中の活性水素基と共有結合を形成する基とが反応することにより得られる。
なお、この場合、エチレン性不飽和基および活性水素基と共有結合を形成する基とを含有する化合物中の活性水素基と共有結合を形成する基のモル数が、活性水素基含有含フッ素(メタ)アクリル重合体中の活性水素基のモル数の0.5〜1.0倍であることが好ましい。
<ポリウレタン構造を有する(A)エチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体>
ポリウレタン構造を有する(A)エチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体としては、エチレン性不飽和基とフッ素原子を有するポリウレタン化合物であれば、特に限定されない。ここで、ポリウレタン化合物とは、複数のウレタン結合を有する化合物である。
エチレン性不飽和基とフッ素原子を有するポリウレタン化合物は、例えば、含フッ素ポリオールと、ジイソシアネートと、水酸基とエチレン性不飽和基とを有する化合物とを反応させることにより得られる。特に、含フッ素ポリオールと、ジイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるものが好ましい。
ポリウレタン構造を有するエチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体は、基本的には、含フッ素ポリオール、ジイソシアネート及び水酸基とエチレン性不飽和基とを有する化合物を反応させることにより形成される。すなわち、ジイソシアネートのイソシアネート基を、ポリオールの水酸基及び水酸基とエチレン性不飽和基とを有する化合物中の水酸基と、それぞれ反応させることにより形成される。
この反応としては、例えばポリオール、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法;ポリオール及びジイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法;ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させる方法;ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法などが挙げられる。
ここで用いるフッ素含有ポリオールとしては、下記式(31)で表されるパーフルオロポリエーテルが挙げられる。
Z−CF2−〔(OCF2CF2p−(OCF2q〕−O−CF2−Z (31)
(式(31)中、Zは同一又は異なって、−CH2(OCH2CH2nOH(nは0〜10、好ましくは1〜7である。)を示し、pは1〜40の数を示し、qは1〜70の数を示す)
式(31)で表されるパーフルオロポリエーテルの分子量は、1000〜5000、特に1000〜3000であるのが好ましい。
また、市販品としては、フルオロリンク E(ソルベイ ソレクシス社製)等を使用することができる。
ジイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。
これらのうち、脂肪族ジイソシアネートが好ましく、特に、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等が好ましい。
水酸基とエチレン性不飽和基を有する化合物としては、分子中に少なくとも1個の水酸基と少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物であれば特に限定されないが、水酸基含有(メタ)アクリレートが好ましい。水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、下記化学式(32)又は式(33)
CH2=C(R2)−COOCH2CH2−(OCOCH2CH2CH2CH2CH2m−OH
(32)
CH2=C(R2)−COOCH2CH(OH)CH2−O−(C65) (33)
(式(32)および式(33)中、R2は水素原子又はメチル基を示し、mは1〜15の数を示す)
で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も使用することができる。これら水酸基含有(メタ)アクリレートのうち、特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
ポリオール、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートの使用割合は、ポリオールに含まれる水酸基1当量に対してジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が1〜3当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.2〜1.5当量となるようにするが、ポリオール及びアクリレート中の水酸基の当量とジイソシアネート中のイソシアネート基の当量はほぼ等しくするのが好ましい。
これらの化合物の反応においては、通常ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ラウリル酸ジn−ブチルスズ、チタンテトラアルコキシド、ジルコニウムテトラアルコキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート等のウレタン化触媒を、反応物の総量100質量部に対して0.01〜1質量部用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常10〜90℃、特に30〜80℃で行うのが好ましい。
<ポリエーテル構造を有する(A)エチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体>
ポリエーテル構造を有する(A)エチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体としては、エチレン性不飽和基とフッ素原子を有するポリエーテル化合物であれば特に限定されない。ここで、ポリエーテル化合物とは、複数個のエーテル結合を有する化合物である。但し、含フッ素ポリエーテルポリオールを原料に用いて合成されたポリウレタン構造及びポリエーテル構造を有するエチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体は、ポリウレタン構造を有するエチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体に分類するものとする。
ポリエーテル構造を有する(A)エチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体は、例えば、含フッ素ポリオールと、エチレン性不飽和基および水酸基とエーテル結合を形成する基とを有する化合物とを反応させることで得られる。水酸基とエーテル結合を形成する基としては、例えば、ハロゲン元素、ハロゲン化アルキル基、エポキシ基、ハロゲン化カルボニル基等が挙げられる。すなわち、含フッ素ポリエーテルポリオール中の水酸基と、エチレン性不飽和基および水酸基とエーテル結合を形成する基とを有する化合物中の水酸基とエーテル結合を形成する基とを反応させることにより、エチレン性不飽和基含有含フッ素ポリエーテルを形成することができる。
ここで用いるフッ素含有ポリオールとしては、ポリウレタン構造を有するエチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体の製造に用いられる含フッ素ポリオールと同一である。
エチレン性不飽和基および水酸基とエーテル結合を形成する基とを有する化合物としては、少なくとも1個のエチレン性不飽和基と、少なくとも1個の水酸基とエーテル結合を形成する基とを有する化合物であれば特に限定されないが、アクリル酸クロライド、アクリル酸ブロマイド、メタクリル酸クロライド、メタクリル酸ブロマイド等が好ましい。
含フッ素ポリオールと、水酸基とエーテル結合を形成する基とエチレン性不飽和基とを有する化合物の使用割合は、含フッ素ポリエーテルポリオール中の水酸基1当量に対して、エチレン性不飽和基および水酸基とエーテル結合を形成する基とを有する化合物中の水酸基とエーテル結合を形成する基が0.5〜1.0当量となるようにする。
これら(A)成分であるエチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体は、組成物全量に対して、通常10〜80質量%配合されるが、好ましくは20〜60質量%配合され、特に好ましくは30〜60質量%配合される。
<成分(B)>
本発明の組成物に用いられる成分(B)は、エチレン性不飽和基を有する成分(A)以外の化合物である。また、エチレン性不飽和基としては、嫌気性条件下において直接または開始剤を介して重合反応を行う官能基であれば特に制限されないが、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、プロペニル基(アリル基ともいう。)等があげられる。
成分(B)は、フッ素原子を有することが好ましい。成分(B)がフッ素原子を有することによって、本発明の組成物の屈折率をより低減することができ、光透過性に優れるマイクロ流路を形成することができる。
フッ素原子を有する成分(B)(以下、「成分(B1)」ともいう。)の具体例としては、例えば、下記式(41)〜(45)で表される化合物を挙げることができる。
CH2=CR1−COO(CH2m(CF2n2 (41)
[式(41)において、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は水素原子またはフッ素原子を示し、mは1〜2を示し、nは2〜8を示す。]
CR3 2=CR3−(CF2pF (42)
[式(42)において、R3は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を示し、pは2〜8を示す。]
CR4 2=CR4−O−(CF2qF (43)
[式(43)において、R4は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を示し、qは2〜8を示す。]
Figure 2014234411
[式(44)において、R5は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を示し、R6は酸素原子または硫黄原子を示し、rは2〜8を示す。]
Figure 2014234411
[式(45)において、R7は酸素原子または硫黄原子を示し、sは2〜8を示す。]
これらの中で、反応性が高い点で、上記式(41)に記載の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が特に好ましい。2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート等をあげることができる。これらの市販品としては、ビスコート13F、17F,4F,8F等(大阪有機化学工業社製)等を挙げることができる。これらの中でも、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレートが、成分(A)を溶解するために好適であり、また入手も容易である点で好ましい。
成分(B1)は、組成物全量に対して、通常10〜70質量%配合されるが、好ましくは25〜65質量%であり、特に好ましくは30〜65質量%である。
フッ素原子を有しない成分(B)としては、(B2)芳香族構造および極性基を有さず、エチレン性不飽和基を2以上有する化合物、(B3)芳香族構造及び極性基を有さず、エチレン性不飽和基を1個有する化合物、(B4)(B2)成分および(B3)成分以外の、エチレン性不飽和基を有する化合物を挙げることができる。
(B2)芳香族構造および極性基を有さず、エチレン性不飽和基を2以上有する化合物:
成分(B2)は、極性基を有しないため、成分(B1)と併用することにより、成分(A)の溶解性を高めて均一な組成物を与える。また、成分(B2)が芳香族構造を有さないことにより、低い屈折率を有する硬化物を与える。
ここで、極性基とは、カルボキシル基やアミノ基等の解離性基のほか、カルボニル基や炭素数3以下のアルキレンオキシド基等の分極性基が含まれるが、水酸基は除かれる。成分(B2)は、前記要件を満たす構造であれば特に限定されない。
成分(B2)の具体例としては、例えば、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族構造含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
以上に挙げた成分(B2)の中では、単官能又は多官能の脂肪族構造含有(メタ)アクリレートが好ましく、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート又はネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。成分(B2)は、1種類単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
成分(B2)は、組成物全量に対して、通常0〜40質量%配合されるが、好ましくは0〜35質量%であり、特に好ましくは0〜20質量%である。
(B3)芳香族構造及び極性基を有さず、エチレン性不飽和基を1個有する化合物:
成分(B3)の具体例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム;ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドt−オクチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド類;イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の脂肪族構造含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
成分(B3)は、組成物全量に対して、通常0〜30質量%配合されるが、好ましくは0〜25質量%であり、特に好ましくは0〜20質量%である。
(B4)(B2)成分および(B3)成分以外の、エチレン性不飽和基を有する化合物:
成分(B4)の具体例としては、芳香族構造含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基やアルキレンオキシド構造等の極性基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。成分(B4)は、芳香族構造含有(メタ)アクリレートのように硬化物の屈折率を増大させる傾向がある他、極性基含有(メタ)アクリレートのように、成分(A)の溶解性を減少させる傾向があるため、成分(B4)の配合量は、組成物全量を100質量%として、5質量%以下とすることが好ましい。
これら成分(B4)の市販品として、例えば、ユピマーUV、SA1002(以上、三菱化学社製)、アロニックスM−215、M−315、M−325(以上、東亞合成社製)、サートマーCN4000(サートマー・カンパニー・インク製)、アローニックスTO−1210(東亞合成社製)等を挙げることができる。
これら成分(B)は、組成物全量に対して、通常10〜70質量%配合されるのが好ましく、より好ましくは25〜65質量%であり、特に好ましくは30〜65質量%である。フッ素原子を有する成分(B1)の配合量は、成分(B)の全量に対して30〜100質量%であることが好ましく、50〜100質量%であることがさらに好ましい。
<成分(C)>
本発明の組成物に用いられる(C)有機過酸化物は、嫌気硬化反応の重合開始剤である。成分(C)の具体例としては、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のジアリルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、メチルシクロヘキサンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、アセチルパーオキシド等のジアシルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物等が挙げられる。これらの有機過酸化物は単独で或いは二種以上の混合物として用いることができる。
(C)有機過酸化物は、組成物全量に対して、0.1〜10質量%配合するのが好ましく、特に0.3〜7質量%配合するのが好ましい。0.1質量%よりも少ないと重合反応を生じさせるのに不十分である場合があり、10質量%よりも多いと、嫌気硬化性組成物の安定性が低下する場合がある。
本発明の組成物に用いられる成分(D)重合促進剤は、嫌気硬化反応の促進剤である。(D)重合促進剤としては、アミン類、有機酸類、無機酸類、アミド類、イミド類等が挙げられる。
成分(D)であるアミン類としては、例えば、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン等の脂肪族アミン類;アニリン、N−エチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−O−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族アミン類;1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、ピペリジン、ピリジン、N−メチルピロリドン、ピペラジン、ピリミジン、ピロリン、ピロール、ピロリジン等の複素環式アミン類等が挙げられる。
成分(D)である有機酸類としては、酢酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸、安息香酸、サリチル酸、オルトニトロ安息香酸、フエノール、p−ニトロフエノール、ピクリン酸、マロン酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、シユウ酸、スルホサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、アスコルピン酸、スルフアミン酸、クエン酸、没食子酸等の成分(E)以外の有機酸が挙げられる。
成分(D)である無機酸類としては、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられる。
成分(D)であるアミド類としては、ベンズアミド、ホルムアミド等が挙げられる。
成分(D)であるイミド類としては、フタルイミド、サクシンイミド、o−ベンゾイックスルフイミド(又は、3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,2−ベンゾイソチアゾール1,1−ジオキシド、又はサッカリンとも言い、下記式で表される化合物である。)等が挙げられる。
Figure 2014234411
これらの成分(D)は一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、イミド類が好ましく、o−ベンゾイックスルフイミドが特に好ましい。
(D)重合促進剤は、組成物全量に対して、0.01〜10質量%、さらに0.1〜5質量%、特に0.2〜3質量%配合するのが好ましい。0.1質量%よりも少ないと重合反応を生じさせるのに不十分である場合があり、10質量%よりも多いと、嫌気硬化性組成物の安定性が低下する場合がある。
本発明の組成物には、更に、(E)(メタ)アクリル酸又はその2量体を配合することができる。成分(E)を配合することにより、ガラス、石英、シロキサン系材料との密着性を改善することができる。
成分(E)は、組成物全量に対して、通常0〜10質量%配合されるが、好ましくは1〜7質量%である。10質量%を越えると組成物の保存安定性を損なう場合がある。
本発明の組成物を、嫌気硬化反応に加えて、紫外線等の放射線の照射により硬化する場合には、(F)放射線重合開始剤を配合することが望ましい。放射線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
成分(F)である放射線ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォフフィンオキシド;IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61;Darocure1116、1173(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製);LucirinTPO(BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
(F)放射線ラジカル重合開始剤は、組成物全量に対して、0.1〜10質量%、特に0.3〜7質量%配合するのが好ましい。
本発明の組成物には、必要に応じて、本発明の特性を損なわない範囲で各種添加剤、例えば、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を配合することができる。
本発明の組成物に含まれるフッ素原子の含有量は、組成物全量に対して、20〜50質量%が好ましく、25〜40質量%がさらに好ましい。
本発明の組成物の粘度は、25℃において、0.5〜10Pa・sであることが好ましく、1〜6Pa・sであることが特に好ましい。
なお、本発明の組成物は、嫌気性条件下において硬化される。ここで嫌気性条件とは、組成物中の酸素濃度が1容積%以下のガス雰囲気が好ましく、0.1容積%以下がさらに好ましく、0.01容積%以下が特に好ましい。本発明の組成物を嫌気硬化させる場合には、例えば、窒素ガス雰囲気下で0〜50℃で1分〜24時間反応させることが好ましい。反応時間としては、5分〜6時間がさらに好ましく、10分〜60分が特に好ましい。
マイクロ流路は、本発明の組成物を用いて、例えば、以下のような方法により形成することができる。
<第1の実施態様>
図1に示す第1の実施態様の製造方法を用いることにより、本発明の組成物を接着剤として用いて、紫外線を透過しない一組の基板に挟持されたマイクロ流路を形成することができる。
紫外線を透過しない例えばシリコン基板などからなる第1の基板[10]の上に、必要に応じて、例えばCMOSセンサー及びバイオセンサー等を形成しておくことができる(工程1)。
基板[10]の上に、例えば塗布法により感光性樹脂材料、例えば、アクリル樹脂系の感光性樹脂材料(例えば、JSR製)、エポキシ系厚膜レジスト(SU−8;日本化薬製)、又は、本出願人による特許出願(特願2013−88241)に係るマイクロ流路形成用放射線硬化性樹脂組成物(以下、「特定マイクロ流路形成用放射線硬化性樹脂組成物」という。)等を厚さ30μmから100μm程度塗布してレジスト層[20]を形成する(工程2)。基板[10]の端部及び裏面に回り込んだレジスト層[20]は次の露光工程で露光ステージの汚染、汚染粒子等の原因となるのでシンナーなどの有機溶剤で除去しておくことが好ましい。
所望のパターンを有するマスク[5]を介して例えば波長365nmのi線等の紫外線を、例えば1,000mJ/cm2程度の露光量になるようレジスト層[20]側から所望の領域に照射することによりレジスト層[20]を所望のパターンに硬化させる(工程3)。
感光性樹脂材料がアクリル樹脂系のフォトレジストである場合には、PEB(Post Exposure Bake)を100℃、10分間行った後、所望の現像液、例えば、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)液により現像を行う。次に純水でリンスを行う。その後、最終のキュア処理として、例えば200℃で窒素雰囲気のオーブン中で60分から120分程度熱処理して熱硬化させることにより流路パターンを形成して、流路パターン付基板[11]を得る。感光性樹脂材料が特定マイクロ流路形成用放射線硬化性樹脂組成物である場合には、所望の有機溶剤に60秒浸漬することにより現像を行い、次に純水でリンスを行い、その後リンス工程を行うことで流路パターンを形成して、流路パターン付基板[11]を得る(工程4)。
必要に応じて、流路パターン付基板[11]の所望の領域に抗体等のタンパク質等[6]を固定化することもできる(工程5)。
次に、紫外線を透過しない例えばシリコン基板などからなる第2の基板[20]の所望の表面に本発明の組成物を塗布し、接着剤層[30]を形成する(工程6)。
工程4で得られた流路パターン付基板[11]の流路パターン面側と工程6で基板[20]上に形成した接着剤層[30]を密着させてマイクロ流路積層体[40]を得る(工程7)。
その後、酸素濃度を1容積%以下に保った雰囲気中に工程7で得られたマイクロ流路積層体[40]を設置し、常温で10分〜60分程度静置することにより接着剤層[30]を硬化させてマイクロ流路[100]が得られる。
工程2において、感光性樹脂材料に替えてポリジメチルシロキサン(PDMS)等を用いて成型法により流路パターンを得ることもできる。その場合には、工程3及び工程4を省略することができる。
なお、特定マイクロ流路形成用放射線硬化性樹脂組成物は、本発明の(A)成分、(B)成分及び公知の放射線重合開始剤を必須成分として含む樹脂組成物である。
<第2の実施態様>
図2に示す第2の実施態様の製造方法を用いることにより、本発明の組成物を接着剤として用いて、紫外線を透過しない一組の基板に挟持されたマイクロ流路を形成することができる。
工程1から工程6は、第1の実施態様と同様であるので、図2中には図示しない。
工程4で得られた流路パターン付基板[11]の流路パターン面側と工程6で基板[20]上に形成した接着剤層[30]を密着させ(工程7)、再び流路パターン付基板[11]と基板[20]を剥離させることにより、前記流路パターンの上部に、選択的に接着剤層[30]の一部を転写する(工程8)。転写された接着剤層[31]の膜厚は1μmから5μmが好ましい。
前記転写された接着剤層[31]と紫外線を透過しない例えばシリコン基板などからなる第3の基板[50]とを密着させてマイクロ流路積層体[40]を得る。(工程9)。
その後、酸素濃度を1容積%以下に保った雰囲気中に工程9で得られたマイクロ流路積層体[40]を設置し、常温で10分〜60分程度静置することにより転写された接着剤層[31]を硬化させてマイクロ流路[100]が得られる。
なお、工程5において、抗体等のタンパク質等[6]を流路パターン付き基板[11]側に替えて第3の基板[50]側に固定化しても良い。第3の基板[50]側に固定化した場合は、流路パターン付き基板[11]と第3の基板[50]のアライメントを行って工程7を行うことが好ましい。
<第3の実施態様>
第1の実施態様又は第2の実施態様において、各基板(第1の基板、第2の基板、第3の基板)としてシリコン基板を用い、第1又は第2の実施態様に示した工程を用いて、一枚のシリコン基板の上に2個以上のマイクロ流路を形成した後に、シリコン基板を切断して各マイクロ流路をチップ状に切り出すことにより、複数個のマイクロ流路を効率的に製造することもできる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれら実施例に限定されるものではない。
[組成物の調製]
製造例1(水酸基含有含フッ素共重合体の合成):
内容積2.0Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル400g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(FPVE)53.2g、エチルビニルエーテル(EVE)36.1g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)44.0g、過酸化ラウロイル1.00g、上記式(10)で表されるアゾ基含有ポリジメチルシロキサン(VPS1001、和光純薬工業社製)6.0g及びノニオン性反応性乳化剤(NE−30、旭電化工業社製)20.0gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次いで、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)120.0gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は5.3×105Paを示した。その後、70℃で20時間攪拌下に反応を継続し、圧力が1.7×105Paに低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出してオートクレーブを開放し、固形分濃度26.4%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入しポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い220gの水酸基含有含フッ素重合体を得た。これを「水酸基含有含フッ素重合体1」とする。
得られた水酸基含有含フッ素重合体1について、GPCによるポリスチレン換算数平均分子量を測定したところ、約70000であった。数平均分子量は、HPLCシステム(HLC−8220GPC:東ソー製)に以下の順番で連結した複合カラムを用い、テトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒として流速1ml/minの条件下で測定した。
TSKgel G4000H XL、TSKgel G3000H XL、TSKgel G2000H XL、TSKgel G2000H XL、TSKgel G4000H XL、TSKgel G3000H XL。
また、アリザリンコンプレクソン法によるフッ素含量の測定結果、1H−NMR、13C−NMRの両NMR分析結果および元素分析結果から、水酸基含有含フッ素重合体1を構成する各単量体成分の割合を決定したところ、ヘキサフルオロプロピレン由来の構造単位、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)由来の構造単位、エチルビニルエーテル由来の構造単位、ヒドロキシエチルビニルエーテル由来の構造単位が、これら4種類の構造単位の合計量を100モル%として、それぞれ、25:25:25:25モル%であった。
製造例2((A)エチレン性不飽和基含有含フッ素共重合体1の合成):
電磁攪拌機、ガラス製冷却管及び温度計を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに、製造例1で得られた水酸基含有含フッ素重合体1を41.0g、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルメチルフェノール0.01g、希釈溶剤として2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート41.0g、及びネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート17.0gを仕込み、50℃で水酸基含有含フッ素重合体1が溶解して、溶液が透明、均一になるまで攪拌を行った。
次いで、この系に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート0.90gを添加し、溶液が均一になるまで攪拌した後、ジブチルチンジラウレート0.015gを添加して反応を開始し、系の温度を55〜65℃に保持し5時間攪拌を継続することにより、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体を得た。得られたエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体を「エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体1」とする。
[組成物および硬化物の調製および評価]
実施例1、比較例1
表1に示す組成の各成分を、攪拌機を備えた反応容器に仕込み、液温度を50℃に制御しながら1時間攪拌し、樹脂組成物を得た。
Figure 2014234411
表1において、
ビスコート13F;2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート;大阪有機化学工業社製。
クメンハイドロパーオキサイド;日油社製。
o−ベンゾイックスルフイミド;東京化成社製。
Lucirin TPO;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド;BASFジャパン社製。
試験例1
前記実施例及び比較例で得た樹脂組成物について、粘度を測定するとともに、以下のような方法で硬化させて試験片を作製し、屈折率、銅サンドウィッチ試験、ガラスサンドウィッチ試験の各評価を行った。結果を表1に併せて示す。
1.粘度:
実施例および比較例で得られた組成物の25℃における粘度を、B型粘度計を用いて測定した。
[マイクロ流路の製造]
実施例1に挙げた各組成物を用いて、前述の第1及び第2の実施態様の製造方法によりマイクロ流路を製造した。これらの場合において、塗膜の厚みは、各実施態様の説明に記載した数値または値の範囲の下限値を用いたほか、硬化条件は、窒素雰囲気下、25℃で60分とした。いずれも場合も、所望の構造を有するマイクロ流路を良好に形成することができた。

Claims (8)

  1. (A)エチレン性不飽和基とフッ素原子を有し、数平均分子量が1000〜500000である共重合体、(B)エチレン性不飽和基を有する(A)以外の化合物、(C)有機過酸化物、及び(D)重合促進剤を含有するマイクロ流路形成用嫌気硬化性樹脂組成物。
  2. 成分(A)が、ポリビニル構造、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリウレタン構造、ポリエーテル構造、ポリエステル構造、ポリエポキシ構造、ポリアミド構造、ポリイミド構造からなる群から選択される一種または二種以上の構造を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 成分(B)が、下記式(41)〜(45)のいずれかで表される化合物から選択される1種または2種以上を含有する、請求項1又は2に記載の組成物。
    CH2=CR1−COO(CH2m(CF2n2 (41)
    [式(41)において、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は水素原子またはフッ素原子を示し、mは1〜2を示し、nは2〜8を示す。]
    CR3 2=CR3−(CF2pF (42)
    [式(42)において、R3は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を示し、pは2〜8を示す。]
    CR4 2=CR4−O−(CF2qF (43)
    [式(43)において、R4は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を示し、qは2〜8を示す。]
    Figure 2014234411
    [式(44)において、R5は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を示し、R6は酸素原子または硫黄原子を示し、rは2〜8を示す。]
    Figure 2014234411
    [式(45)において、R7は酸素原子または硫黄原子を示し、sは2〜8を示す。]
  4. (D)重合促進剤が、アミン類、有機酸類、無機酸類、アミド類及びイミド類から選択される一種又は二種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 流路パターンを有する基板に蓋となる基板が接着されてなるマイクロ流路であって、流路パターンを有する基板と蓋となる基板が、請求項1〜4のいずれか1項に記載された組成物を用いて形成された接着剤層を介して接着されてなるマイクロ流路。
  6. 流路パターンを有する基板に蓋となる基板が一体形成されてなるマイクロ流路であって、流路パターンを有する基板と蓋となる基板が、請求項1〜4のいずれか1項に記載された組成物を用いて形成された接着剤層を介して接着されてなるマイクロ流路。
  7. 流路パターンを有する基板に蓋となる基板が接着されてなるマイクロ流路の製造方法であって、流路パターンを有する基板と蓋となる基板との間に請求項1〜4のいずれか1項に記載された組成物を用いて接着剤層を形成する工程、および当該流路パターンを有する基板と当該蓋となる基板とを接着する工程を有するマイクロ流路の製造方法。
  8. 流路パターンを有する基板に蓋となる基板が一体形成されてなるマイクロ流路の製造方法であって、流路パターンを有する基板と蓋となる基板との間に請求項1〜4のいずれか1項に記載された組成物を用いて接着剤層を形成する工程、および当該流路パターンを有する基板と当該蓋となる基板とを接着する工程を有するマイクロ流路の製造方法。
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