JP2014210830A - タイヤサイドウォール用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤサイドウォールに求められる諸特性を悪化させることなく、白色化による外観不良の発生を防止可能なタイヤサイドウォール用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、ワックスを1〜2.5質量部、脂肪酸金属石鹸を0.5〜2質量部配合してなり、前記脂肪酸金属石鹸の炭素数が、前記ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数よりも16から20小さいことを特徴とするタイヤサイドウォール用ゴム組成物と、該タイヤサイドウォール用ゴム組成物をサイドウォールに用いた空気入りタイヤ空気入りタイヤ。【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤサイドウォール用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、タイヤサイドウォールに求められる諸特性を悪化させることなく、白色化による外観不良の発生を防止可能なタイヤサイドウォール用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
従来、タイヤサイドウォール用ゴム組成物においては、オゾンによるゴムのクラック発生を防止するために通常、炭化水素系ワックスが配合されている。しかし、このようなワックスを配合すると、長期の使用に当たって徐々にゴムの表面に溶出(ブリード)して固化し、その結果、ゴム表面が白色化し、外観が悪化するという問題がある。
このため、例えば下記特許文献1には、ジエン系ゴム100重量部に対し15〜100重量部の光触媒を含み、かつワックスを含まないゴム組成物が開示されている。また、特許文献2には、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴムからなる群より選ばれたゴム成分およびワックスを芯剤とし、芯剤の表面を融点が120〜180℃の熱可塑性樹脂でコーティングしてなるマイクロカプセルをワックスとして含むゴム組成物が開示されている。
しかし昨今のタイヤ品質向上が厳しく要求されている当業界において、タイヤサイドウォールの外観不良の問題点を更に解決し得る技術が求められている。
しかし昨今のタイヤ品質向上が厳しく要求されている当業界において、タイヤサイドウォールの外観不良の問題点を更に解決し得る技術が求められている。
本発明の目的は、タイヤサイドウォールに求められる諸特性を悪化させることなく、白色化による外観不良の発生を防止可能なタイヤサイドウォール用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の組成のゴム成分にワックスの特定量および特定の炭素数を有する脂肪酸金属石鹸の特定量を配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、ワックスを1〜2.5質量部、脂肪酸金属石鹸を0.5〜2質量部配合してなり、
前記脂肪酸金属石鹸の炭素数が、前記ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数よりも16から20小さいことを特徴とするタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
2.前記脂肪酸金属石鹸が、水素よりイオン化傾向の低い卑金属の塩であることを特徴とする前記1に記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
3.前記脂肪酸金属石鹸が、亜鉛塩またはカルシウム塩であることを特徴とする前記2に記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
4.前記脂肪酸金属石鹸の炭素数が、12〜16であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
5.前記1〜4のいずれかに記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物をサイドウォールに用いた空気入りタイヤ。
前記脂肪酸金属石鹸の炭素数が、前記ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数よりも16から20小さいことを特徴とするタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
2.前記脂肪酸金属石鹸が、水素よりイオン化傾向の低い卑金属の塩であることを特徴とする前記1に記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
3.前記脂肪酸金属石鹸が、亜鉛塩またはカルシウム塩であることを特徴とする前記2に記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
4.前記脂肪酸金属石鹸の炭素数が、12〜16であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
5.前記1〜4のいずれかに記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物をサイドウォールに用いた空気入りタイヤ。
本発明によれば、特定の組成のゴム成分にワックスの特定量および特定の炭素数を有する脂肪酸金属石鹸の特定量を配合したのでタイヤサイドウォールに求められる諸特性を悪化させることなく、白色化による外観不良の発生を防止可能なタイヤサイドウォール用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)を必須成分とする。NRの配合量は、本発明の効果の観点から、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、30〜50質量部が好ましい。なお、NR以外にも他のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)を必須成分とする。NRの配合量は、本発明の効果の観点から、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、30〜50質量部が好ましい。なお、NR以外にも他のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(ワックス)
本発明で使用されるワックスとしては、特に制限されず、従来からゴムのクラック発生を防止する目的で使用されるワックスをいずれも使用することができ、例えば、パラフィン系ワックス、パラフィン系合成ワックス、ポリエチレン系ワックスなどの炭化水素系ワックスが挙げられる。なお、これらワックスは、通常、炭素数20〜50の炭化水素を含有している。
本発明で使用されるワックスとしては、特に制限されず、従来からゴムのクラック発生を防止する目的で使用されるワックスをいずれも使用することができ、例えば、パラフィン系ワックス、パラフィン系合成ワックス、ポリエチレン系ワックスなどの炭化水素系ワックスが挙げられる。なお、これらワックスは、通常、炭素数20〜50の炭化水素を含有している。
(脂肪酸金属石鹸)
本発明で使用される脂肪酸金属石鹸は、その炭素数が前記ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数よりも16から20小さいものが使用される。ワックス成分を表面に密着させるために金属石鹸を配合してワックスの結晶化を阻害させるが、効率良く結晶化を阻害する脂肪酸金属石鹸の炭素数が上記のワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数よりも16から20小さいものと考えられる。
ここで、「前記ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数」は、例えばガスクロマトグラフにより得られるクロマトグラムの炭素数分布のピークトップから求めることができる。
例えばガスクロマトグラフィー条件としては:
ガスクロマト装置:GC-8A(島津製作所社製)
カラム:OV-1
キャリアガス:N2
オーブン温度:250℃
検出器:FID
検出器温度:250℃
が挙げられる。
本発明で使用される脂肪酸金属石鹸は、その炭素数が前記ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数よりも16から20小さいものが使用される。ワックス成分を表面に密着させるために金属石鹸を配合してワックスの結晶化を阻害させるが、効率良く結晶化を阻害する脂肪酸金属石鹸の炭素数が上記のワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数よりも16から20小さいものと考えられる。
ここで、「前記ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数」は、例えばガスクロマトグラフにより得られるクロマトグラムの炭素数分布のピークトップから求めることができる。
例えばガスクロマトグラフィー条件としては:
ガスクロマト装置:GC-8A(島津製作所社製)
カラム:OV-1
キャリアガス:N2
オーブン温度:250℃
検出器:FID
検出器温度:250℃
が挙げられる。
脂肪酸金属石鹸における脂肪酸としては、例えばワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数が32である場合(下記の実施例参照)、炭素数12〜16の脂肪酸が挙げられ、具体的にはラウリン酸(炭素数12)、トリデシル酸(炭素数13)、ミリスチン酸(炭素数14)、ペンタデシル酸(炭素数15)、パルミチン酸(炭素数16)のような炭素数12〜16の飽和脂肪酸が挙げられる。
また、脂肪酸金属石鹸における金属としては、水素よりイオン化傾向の低い卑金属が挙げられ、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛等が挙げられ、本発明の効果の観点から、亜鉛、カルシウムが好ましい。
また、脂肪酸金属石鹸における金属としては、水素よりイオン化傾向の低い卑金属が挙げられ、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛等が挙げられ、本発明の効果の観点から、亜鉛、カルシウムが好ましい。
本発明者の検討によれば、脂肪酸金属石鹸は、サイドウォール表面にブリードしたワックスの結晶化を抑制して表面に密着させることによってサイドウォール表面が白色化しないように作用するものであると推測される。
(充填剤)
本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物は、上記以外に各種充填剤を配合することができる。充填剤としてはとくに制限されず、用途により適宜選択すればよいが、例えばカーボンブラック、シリカ、無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物は、上記以外に各種充填剤を配合することができる。充填剤としてはとくに制限されず、用途により適宜選択すればよいが、例えばカーボンブラック、シリカ、無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
(タイヤサイドウォール用ゴム組成物の配合割合)
本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、ワックスを1〜2.5質量部、前記脂肪酸金属石鹸を0.5〜2質量部配合してなることを特徴とする。
前記ワックスの配合量が1質量部未満であると、オゾンによるゴムのクラック発生を防止できない。逆に2.5質量部を超えると著しく外観が悪化する。
前記脂肪酸金属塩の配合量が0.5質量部未満であると配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に2質量部を超えると外観不良が発生する。
本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、ワックスを1〜2.5質量部、前記脂肪酸金属石鹸を0.5〜2質量部配合してなることを特徴とする。
前記ワックスの配合量が1質量部未満であると、オゾンによるゴムのクラック発生を防止できない。逆に2.5質量部を超えると著しく外観が悪化する。
前記脂肪酸金属塩の配合量が0.5質量部未満であると配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に2質量部を超えると外観不良が発生する。
本発明に係るタイヤサイドウォール用ゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、充填剤、老化防止剤、可塑剤などのタイヤサイドウォール用ゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また、本発明のゴム組成物は、従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤのサイドウォールに導入することができる。
また、本発明のゴム組成物は、従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤのサイドウォールに導入することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜6および比較例1〜9
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、約150℃でミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物に加硫促進剤および硫黄を加えてオープンロールにて混練し、タイヤサイドウォール用ゴム組成物を得た。次に得られたタイヤサイドウォール用ゴム組成物を所定の金型中で170℃、10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、約150℃でミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物に加硫促進剤および硫黄を加えてオープンロールにて混練し、タイヤサイドウォール用ゴム組成物を得た。次に得られたタイヤサイドウォール用ゴム組成物を所定の金型中で170℃、10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
外観:40℃のオーブン中で2週間静置する事により、目視にて下記の基準で評価した。
点数1:全体的に白色に変色
点数2:面積で全体の3割程度が白色に変色
点数3:全体的にくすんでいる。
点数4:面積で3割程度がくすんでいる。
点数5:不変
点数1:全体的に白色に変色
点数2:面積で全体の3割程度が白色に変色
点数3:全体的にくすんでいる。
点数4:面積で3割程度がくすんでいる。
点数5:不変
耐オゾン性: 40%伸張、50pphm、40℃、48時間で、JIS K6259に準じた試験条件にて耐オゾン性を試験し、目視にて下記の基準で評価した。
点数1:3mm以上の亀裂または切断
点数2:亀裂が深くて大きいもの(1〜3mm未満)
点数3:亀裂が深くて比較的大きいもの(1mm未満)
点数4:肉眼では見えないが10倍の拡大鏡では確認できるもの
点数5:肉眼および10倍の拡大鏡で亀裂確認なし
点数1:3mm以上の亀裂または切断
点数2:亀裂が深くて大きいもの(1〜3mm未満)
点数3:亀裂が深くて比較的大きいもの(1mm未満)
点数4:肉眼では見えないが10倍の拡大鏡では確認できるもの
点数5:肉眼および10倍の拡大鏡で亀裂確認なし
結果を表1に併せて示す。
*1:NR(TSR20)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:カーボンブラック(新日化カーボン(株)製ニテロン#10S)
*4:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*5:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸YR)
*6:老化防止剤−1(FLEXSYS製SANTOFLEX 6PPD)
*7:老化防止剤−2(住友化学工業(株)製アンチゲンRD−G)
*8:ワックス−1(大内新興化学工業(株)製サンノック。ガスクロマトグラフィーで求めた最も多く含まれる炭化水素の炭素数=32)
*9:ワックス−2(日本精鑞(株)製Hi-mac-1080。ガスクロマトグラフィーで求めた最も多く含まれる炭化水素の炭素数=45)
*10:オイル(出光興産(株)製ダイアナプロセスオイルAH−20)
*11:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*12:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
*13:脂肪酸金属石鹸−1(パルミチン酸亜鉛)
*14:脂肪酸金属石鹸−2(ステアリン酸亜鉛)
*15:脂肪酸金属石鹸−3(パルチミン酸カルシウム)
*16:脂肪酸金属石鹸−4(ミリスチン酸亜鉛)
*17:脂肪酸金属石鹸−5(ミリスチン酸カルシウム)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:カーボンブラック(新日化カーボン(株)製ニテロン#10S)
*4:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*5:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸YR)
*6:老化防止剤−1(FLEXSYS製SANTOFLEX 6PPD)
*7:老化防止剤−2(住友化学工業(株)製アンチゲンRD−G)
*8:ワックス−1(大内新興化学工業(株)製サンノック。ガスクロマトグラフィーで求めた最も多く含まれる炭化水素の炭素数=32)
*9:ワックス−2(日本精鑞(株)製Hi-mac-1080。ガスクロマトグラフィーで求めた最も多く含まれる炭化水素の炭素数=45)
*10:オイル(出光興産(株)製ダイアナプロセスオイルAH−20)
*11:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*12:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
*13:脂肪酸金属石鹸−1(パルミチン酸亜鉛)
*14:脂肪酸金属石鹸−2(ステアリン酸亜鉛)
*15:脂肪酸金属石鹸−3(パルチミン酸カルシウム)
*16:脂肪酸金属石鹸−4(ミリスチン酸亜鉛)
*17:脂肪酸金属石鹸−5(ミリスチン酸カルシウム)
上記の表1から明らかなように、実施例で調製されたタイヤサイドウォール用ゴム組成物は、特定の組成のゴム成分にワックスの特定量および特定の炭素数を有する脂肪酸金属石鹸の特定量を配合したので、白色化による外観不良の発生を防止し、耐オゾン性も良好であることが分かった。また、タイヤサイドウォールに求められる諸特性に悪影響を及ぼさないことも本発明者の検討により明らかとなった。
これに対し、比較例1〜2は、脂肪酸金属石鹸を配合していないので、外観または耐オゾン性が悪化した。
比較例3は、ワックスおよび脂肪酸金属石鹸を配合していないので、耐オゾン性が悪化した。
比較例4は、脂肪酸金属石鹸の炭素数(16)が、ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数(45)よりも29小さく、本発明の範囲外であるので、外観および耐オゾン性が悪化した。
比較例5は、脂肪酸金属石鹸の炭素数(16)が、ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数(45)よりも29小さく、本発明の範囲外であるので、脂肪酸金属石鹸を本発明で規定する配合量よりも多く配合しても、外観が悪化した。
比較例6は、脂肪酸金属石鹸の炭素数(18)が、ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数(32)よりも14小さく、本発明の範囲外であるので、外観オゾン性が悪化した。
比較例7、8および9は、ワックスの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、外観が悪化した。
これに対し、比較例1〜2は、脂肪酸金属石鹸を配合していないので、外観または耐オゾン性が悪化した。
比較例3は、ワックスおよび脂肪酸金属石鹸を配合していないので、耐オゾン性が悪化した。
比較例4は、脂肪酸金属石鹸の炭素数(16)が、ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数(45)よりも29小さく、本発明の範囲外であるので、外観および耐オゾン性が悪化した。
比較例5は、脂肪酸金属石鹸の炭素数(16)が、ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数(45)よりも29小さく、本発明の範囲外であるので、脂肪酸金属石鹸を本発明で規定する配合量よりも多く配合しても、外観が悪化した。
比較例6は、脂肪酸金属石鹸の炭素数(18)が、ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数(32)よりも14小さく、本発明の範囲外であるので、外観オゾン性が悪化した。
比較例7、8および9は、ワックスの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、外観が悪化した。
Claims (5)
- 天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、ワックスを1〜2.5質量部、脂肪酸金属石鹸を0.5〜2質量部配合してなり、
前記脂肪酸金属石鹸の炭素数が、前記ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数よりも16から20小さいことを特徴とするタイヤサイドウォール用ゴム組成物。 - 前記脂肪酸金属石鹸が、水素よりイオン化傾向の低い卑金属の塩であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
- 前記脂肪酸金属石鹸が、亜鉛塩またはカルシウム塩であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
- 前記脂肪酸金属石鹸の炭素数が、12〜16であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物をサイドウォールに用いた空気入りタイヤ。
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