JP2014209207A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結着樹脂および着色剤を含有するコア粒子に少なくとも2種類以上のシェル粒子をカプセル化することにより製造され、前記シェル粒子の少なくとも1つが金属酸化物微粒子である静電荷像現像用トナーであって、前記金属酸化物微粒子のζ電位が正帯電である状態で前記コア粒子に前記金属酸化物をカプセル化することにより製造されることを特徴とする静電荷像現像用トナーにより上記課題を解決できる。
【選択図】なし
Description
静電荷像現像用トナーとしては、通常、結着樹脂及び着色剤に、必要に応じて帯電制御剤、離型剤、磁性体等を乾式混合した後、押出機等で溶融混練し、次いで粉砕、分級する、いわゆる溶融混練粉砕法により得られたトナー粒子に、流動性等の各種性能を付与することを目的として、例えばシリカ等の固体微粒子を外添剤として表面に付着させた形態のものが用いられている。
溶融混練粉砕法よりも粒径および粒度分布を制御しやすい懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法などの重合法が提案されている。
近年、複写機やプリンター等の普及に伴い、画像品質への要求に加え、特に高速印刷および低エネルギー定着性に優れたトナーが望まれるようになり、トナーの低温定着性の改善が試みられている。低温定着を達成する為には、結着樹脂のガラス転移点を低くしたり、結晶性樹脂を併用する方法が多く用いられているが、低温定着性と耐ブロッキング性や耐高温オフセット性とは、二律背反の関係にあり、両立を図ることが望まれている。
低温定着と耐ブロッキング性を両立する為の最も効果的形態とは、シェル粒子が、低温定着に適用するコア粒子の表面に、より高い被覆率(カプセル効率)で、より薄く均一に付着し、しかもコア粒子表面に留まりやすいカプセル構造である。
その際、2種類以上のシェル粒子を用い、且つ、シェル粒子の1つに金属酸化物微粒子を用いることにより、シェル粒子が表面に留まり易く、均一なカプセル構造が実現できる。
金属酸化物微粒子のζ電位が負帯電になるpH条件下で用いれば、同様に正帯電のコア粒子と正帯電のシェル粒子を用いて正帯電カプセルトナーを作成することができる。
コア粒子や樹脂からなるシェル粒子は樹脂の官能基等によりζ電位を正負にコントロー
ルできるが、正帯電性の樹脂は種類が限られる上に安全性に問題がある場合も多い。樹脂粒子は一般には負帯電なので、先ず負帯電のコア粒子を作成し、引き続き金属酸化物微粒子のζ電位が正帯電になる条件でコア粒子に金属酸化物微粒子を均一にカプセル化し、ζ電位を正帯電化した後に、負帯電の樹脂微粒子である第2のシェル粒子をカプセル化する方がコアおよびシェルからなる結着樹脂の選択肢が広く、トナーの性能もコントロールし易い。
また、均一にカプセル化する為には、樹脂微粒子からなる第2のシェルのζ電位はできるだけ高い方が良い。
2.金属酸化物微粒子がアルミナであることを特徴とする1.に記載の静電荷像現像用トナー。
3.アルミナがγアルミナであることを特徴とする1.または2.に記載の静電荷像現像用トナー。
4.金属酸化物微粒子のシェルの上にスルホン酸またはスルホン酸塩を含有する樹脂微粒
子をカプセル化することを特徴とする1.乃至3.のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有し、その他必要に応じて、ワックス、帯電制御剤などを含有していても良い。結着樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、負帯電制御樹脂等、公知の樹脂が使用できる。
また、本発明のコア粒子は、粉砕法、或いは湿式重合法によって製造され、水中でのζ電位が負帯電になる様に設計する。
粉砕法としては、公知の方法が使用可能であり、結着樹脂、着色剤及びワックスなどを高温で溶融混練する工程、粉砕工程及び分級工程を経て得ることができる。得られたコア粒子を公知の方法で水中に分散し、後述のカプセル化方法によりカプセル化する。
湿式重合法としては、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶融懸濁法等の方法が挙げられる。
懸濁重合法は、通常、結着樹脂モノマーに着色剤、ワックスを溶解させた後、そのモノマー溶液を水性媒体中で機械的せん断力によりモノマー滴として懸濁させ、重合を行って得られる。
溶融懸濁法としては、通常、溶媒中に結着樹脂、ワックス等を溶解して油相を得、その油相を水系媒体中に油滴として懸濁させた後、溶媒を除去して得られる。
本発明において、結着樹脂を製造する為に用いる単量体成分としては、従来トナーの結着樹脂を製造する際に用いられている単量体を適宜用いることができるが、ζ電位が負帯電になる必要がある。
スチレン−アクリル樹脂の場合、酸性基を有する重合性単量体(以下、単に酸性単量体と称すことがある)を使用することが好ましい。
0,000〜80,000であり、且つ、分子量ピークが10,000〜50,000であることがより好ましい。
本発明において、結着樹脂を乳化重合法で重合する場合、用いる乳化剤としては公知のものが使用できるが、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の中から選ばれる一種又は二種以上の乳化剤を併用して用いることができる。
が好ましい。
更に、トナー中に好適な分散粒径でワックスを分散させる為には、乳化重合時にワックスをシードとして添加する、所謂シード重合とすることが好ましい。シードとして添加することにより、ワックスがトナー中に微細かつ均一に分散する為、トナーの帯電性や耐熱性の悪化を抑制することができる。
また、ワックスをステアリルアクリレートなどの長鎖重合性単量体と予め水系分散媒体中で分散し得られるワックス・長鎖重合性単量体分散液を予め調製し、ワックス・長鎖重合性単量体の存在下において重合性単量体を重合することもできる。
凝集体とする。着色剤は、乳化剤の存在下で水中に分散した状態で用いるのが好ましく、着色剤粒子の体積平均粒径が0.01以上、より好ましくは0.05μm以上であり、3μm以下、より好ましくは1μmである。
2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
本発明においては、上述の凝集処理後の粒子凝集体表面に、必要に応じて樹脂微粒子を付着または固着した粒子を形成することもできる。粒子凝集体表面に性状を制御した樹脂微粒子を付着または固着することにより、得られるトナーの帯電性や耐熱性を向上できる場合があり、さらには、本発明の効果を一層顕著とすることができる。
樹脂微粒子は、通常、界面活性剤により水または水を主体とする液中に分散した分散液として用いるが、帯電制御剤を凝集処理後に加える場合には、粒子凝集体を含む分散液に帯電制御剤を加えた後に樹脂微粒子を加えることが好ましい。
基の種類と量により調整する。
本発明においてコア粒子表面に被覆させるシェル粒子は、樹脂微粒子と金属酸化物微粒子からなり、そのうち少なくとも1つが金属酸化物微粒子である。
コア粒子に金属酸化物微粒子をカプセル化した後に1種類以上の樹脂微粒子をカプセル化する。
金属酸化物微粒子は特に制限なく使用でき、ζ電位がpHによって変化するのでそれぞれの金属酸化物微粒子に応じた適正なpH条件を選べば良い。
金属酸化物微粒子としては、好ましくは、アルミナ、チタニア、シリカ、酸化亜鉛が用いられるが、特に好ましくはアルミナが用いられる。また、アルミナの中でもγアルミナが特に好ましい。
金属酸化物微粒子の粒径は、本発明の効果を損なわない限り特に限定はないが、一次粒子径は、下限が、通常10nm以上であり、好ましくは50nm以上であり、一方、上限が、通常1μm以下であり、好ましくは500nm以下であり、より好ましくは300nm以下である。
金属酸化物微粒子の添加量は、特に限定はないが、コア粒子に対して、下限は、通常0.1室量部以上であり、好ましくは0.5質量部以上であり、より好ましくは1.0質量部以上であり、一方、上限は、通常10質量部以下であり、好ましくは7質量部以下であり、より好ましくは5.0質量部以下である。添加量が少ないとシェル粒子の埋まり込み防止効果が少なくなり、添加量が多いと定着性が悪化する。
樹脂微粒子のζ電位は、−30〜−150mVが好ましく、更に好ましくは−40〜−150mV、特に好ましくは−60〜−150mVである。ζ電位の絶対値が低過ぎるとシェル粒子同士の凝集が生じ易く、高過ぎるとシェル粒子の付着量が少なくなり耐ブロッキング性能や耐久性が悪化する。更には環境特性、特に高温高湿時の帯電特性や帯電安定性が悪化する。
ルホン酸またはスルホン酸塩を含有する樹脂微粒子は、この弊害が少ない。
樹脂微粒子の樹脂成分は特に限定されず、コア粒子と同様の樹脂が使用できる。例えばスチレン系、アクリル系、エステル系など一般的トナーバイダー樹脂で使われる樹脂、或いはそれらの共重合系、ブレンド系でも良い。それらの樹脂微粒子は、樹脂から直接乳化するか、乳化重合、懸濁重合など重合法より作成できる。粒子径制御及び微粒子化のしやすさの観点から、重合法が望ましく、微粒子の粒子径そして粒度分布制御の観点から、乳化重合法が更に好ましい。
樹脂微粒子の体積平均粒径は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、20nm以上が好ましく、50nm以上が更に好ましい。また、通常500nm以下であり、好ましくは150nm以下である。
耐ブロッキング性効果を高める観点から、樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)はコア粒子の結着樹脂のガラス転移温度(Tg)より高いことが好ましい。この時、樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)はコア粒子のガラス転移温度(Tg)+5℃以上がより好ましく、コア粒子のガラス転移温度(Tg)+10℃以上が更に好ましい。一方、コア粒子のガラス転移温度(Tg)+50℃以下が好ましく、コア粒子のガラス転移温度(Tg)+30℃以下がより好ましく、コア粒子のガラス転移温度(Tg)+20℃以下が更に好ましい。
樹脂微粒子の含有率はトナー母粒子100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.3〜10質量部である。
以降、コア粒子をシェル粒子で被覆する工程をカプセル工程と称することがある。また、コア粒子をシェル粒子で被覆する為の制御をカプセル制御と称することがある。
コアシェル構造を有するカプセルトナーの製造法は、従来の方法である、コア粒子形成工程の後半にシェル粒子成分を混合することによりカプセル構造を形成する方法と、本発明のトナー母粒子を製造するように、コア粒子製造工程と別に、完成したコア粒子の表面にシェル層を形成するカプセル工程によりカプセル構造を形成する方法がある。
従来の方法である前者の場合は、コア粒子の形成中であり、特にコア粒子表面が安定な状態ではない為、シェル粒子がコア粒子層に埋まり込みやすく、コア粒子へのシェル粒子の付着強度が強いが、その一方、コア粒子表面へのシェル粒子の埋まり込みより、コア粒子成分がトナー母粒子表面に出やすく、コア粒子をシェル粒子により完全に被覆(カプセル)する為に、より多くのシェル粒子が必要となる。
コア粒子の表面にシェル粒子のカプセル工程によりカプセル構造を形成する為、シェル粒子はコア粒子の表面に留まりやすく、より少ないシェル粒子で均一のカプセル構造を形成することができる。カプセル効率が高い為、コア粒子成分のトナー表面への露出を防ぐことができる。
コア粒子をシェル粒子で被覆することにより得られたトナー母粒子は、水系溶媒から分離され洗浄、乾燥され、必要に応じて外添処理などが施されて静電荷像現像用トナーに供
される。
続き行われる乾燥工程における取り扱いの面で好ましい。
<5.外添剤(外添微粒子)> 本発明のトナーには、トナーの流動性向上や帯電制御性向上のために、必要により外添剤を添加することができ、そのような外添剤としては、各種無機または有機微粒子の中から適宜選択して使用することができる。
グ剤等の処理剤によって疎水化等の表面処理が施されているものを使用することもできる。該処理剤は二種以上を併用することもできる。
また、外添剤は、異なる二種以上を併用することもでき、表面処理されたものと表面処理されていないものを併用することや、異なる表面処理がされたものを併用することもでき、正帯電性のものと負帯電性のものを適宜組み合わせて使用することもできる。
外添剤の添加方法としては、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌機を用いる方法や、圧縮剪断応力を加えることのできる装置による方法等が挙げられる。
更に、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタニア等の無機微粉末等を添加することができる。これらの添加剤の使用量は所望する性能により適宜選定すればよく、通常トナー粒子100質量部に対し0.05質量部以上10質量部以下が好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナーをキャリアとともに用いる二成分系現像剤、又は、キャリアを使用しない磁性もしくは非磁性一成分系現像剤のいずれの形態で用いてもよい。二成分系現像剤として用いる場合、キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質またはそれらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性キャリア等公知のものを用いることができる。樹脂コーティングキャリアの被覆樹脂としては一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの混合物等が利用できる。
各粒子径及び円形度、電気伝導度、熱特性等は次のように測定した。
1ミクロン未満の中位径(D50)を有す粒子の中位径(D50)は、日機装株式会社製型式MicrotracNanotrac150(以下ナノトラックと略す)および同社解析ソフトMicrotrac ParticleAnalyzer Ver10.1.2-019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水
を溶媒とし、溶媒屈折率:1.333、測定時間:600秒、測定回数:1回の測定条件で取り扱い説明書に記載された方法で測定した。その他の設定条件は、粒子屈折率:1.59、透過性:透過、形状:真球形、密度:1.04とした。
1ミクロン以上の体積中位粒径(Dv50)を有す粒子の体積中位粒径(Dv50)は、ベックマン・コールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm:以下、マルチサ
イザーと略す)を用い、同社アイソトンIIを分散媒として、分散質濃度0.03%になるように分散させて測定した。
平均円形度は、分散質を分散媒(セルシース:シスメックス社製)に5720〜7140個/μlとなるように分散させ、フロー式粒子分析装置(FPIA3000:シスメックス社製)を用いて、HPF分析量0.35μl、HPF検出量2000〜2500個の条件下でHPFモードにより測定した。
電気伝導度の測定は、導電率計(アズワン株式会社製のCyberScanCON100)を用いて行なった。
<重量平均分子量(Mw)>
重合体一次粒子分散液のTHF可溶成分を、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置:東ソー社製GPC装置 HLC−8020、カラム:ポリマーラボラトリー 社製PL−gel Mixed−B 10μ、溶媒:THF、試料濃度:0.1重量%、検量線:標準ポリスチレン
コア粒子、シェル粒子として用いられる樹脂粒子およびトナーのガラス転移温度(Tg)は以下のようにして測定することにより求めた。
セイコー電子工業(株)社製熱分析装置DSC220CUを用い、同社の取り扱い説明書に記載された方法で1回目の昇温として−20℃から100℃まで10℃/minの速度で昇温させた後、1回目の降温として100℃から−20℃まで10℃/minの速度で降温させた後、さらに2回目の昇温として−20℃から100℃まで10℃/minの速度で昇温させた。この際に得られたDSC曲線より、各々のガラス転移温度(Tg)を求めた。
ζ電位の測定は、ゼータサイザー ナノ(マルバーン社製)を用い、純水でコア粒子分散液および金属酸化物微粒子分散液、シェル粒子分散液をそれぞれ1/1000に希釈して測定した。
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、トルエン抽出液の紫外線吸光度が0.02であり、真密度が1.8g/cm3のファーネス法で製造されたカーボンブラック(三菱化学社
製、三菱カーボンブラックMA100S)20部、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンS−20A)1部、非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)4部、導電率が2μS/cmのイオン交換水75部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。プレミックス後の分散液中カーボンブラックの体積累積50%径Dv50は約90μmであった。上記プレミックス液を原料スラリーとして湿式ビーズミルに供給し、ワンパス分散を行った。なお、ステータの内径は120mmφ、セパレータの径が60mmφ、分散用のメディアとして直径が50μmのジルコニアビーズ(真密度6.0g/cm3)を用いた。ステータの有効内容積は約2リットルであり、メデイアの充填容積は1
.4リットルとしたので、メディア充填率は70%である。ロータの回転速度を一定(ロータ先端の周速が約11m/sec)として、供給口より前記プレミックススラリを無脈動定量ポンプにより供給速度約40リットル/hrで供給し、所定粒度に達した時点で排出口より製品を取得した。なお、運転時にはジャケットから約10℃の冷却水を循環させながら行い、着色剤分散液を得た。
パラフィンワックス(日本精蝋(株),HNP-9、融点82℃)100部、ステアリルアクリ
レート10.4部、20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20D、以下20%DBS水溶液と略す)7.0部、脱塩水253.0部
を90℃に加熱して、ホモミキサー(特殊機化工業社製 マークIIfモデル)を用い10分間攪拌した。次いで、90℃加熱下で、高圧乳化機を用いて20MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し中位径(D50)が500nm以下になる
まで分散して乳化液A2を作製した。中位径(D50)は、250nmであった。
ワックス分散体の体積中位径は、230nmであった。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にワックス分散液A1 35.8部、脱塩水260部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
[モノマー類]
スチレン 67.8部
アクリル酸ブチル 32.2部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.3部
[開始剤水溶液1]
8%過酸化水素水溶液 15.5部
8%L−(+)アスコルビン酸水溶液 15.5部
[開始剤水溶液2]
8%L−(+)アスコルビン酸水溶液 14.2部 重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液B1を得た。ナノトラックを用いて測定した中位径(D50)は 2
50nmであった。重量平均分子量(Mw)は、63000であった。
ワックス分散液A2を用いる以外は、B1と同様にして乳白色の重合体一次粒子分散液B2を得た。ナノトラックを用いて測定した中位径(D50)は230nmであった。重量
平均分子量(Mw)は、61000であった。
スチレン65.5部、アクリル酸ブチル34.5部を用いる以外は、B1と同様にして乳白色の重合体一次粒子分散液B3を得た。ナノトラックを用いて測定した中位径(D50
)は220nmであった。重量平均分子量(Mw)は、60000であった。
モノマー類として
スチレン 83.5部
アクリル酸ブチル 16.5部
トリクロロブロモメタン 4.0部
パラスチレンスルホン酸ナトリウム 12.5部
を用いる以外はB1と同様にして乳白色の重合体一次粒子分散液B4を得た。ナノトラックを用いて測定した中位径(D50)は100nmであった。重量平均分子量(Mw)は、
21,000であった。
モノマー類として
スチレン 79.0部
アクリル酸ブチル 21.0部
トリクロロブロモメタン 5・0部
パラスチレンスルホン酸ナトリウム 13.9部
を用いる以外はB1と同様にして乳白色の重合体一次粒子分散液B4を得た。ナノトラックを用いて測定した中位径(D50)は 90nmであった。重量平均分子量(Mw)は、
18,000であった。
モノマー類として
スチレン 79.0部
アクリル酸ブチル 21.0部
を用いる以外はB1と同様にして乳白色の重合体一次粒子分散液B4を得た。ナノトラックを用いて測定した中位径(D50)は 150nmであった。重量平均分子量(Mw)は
、25,000であった。
室温(約25℃)で、攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に重合体一次粒子分散液B1 100部(固形分)を仕込み、更に着色分散液6.0部(固形分)を5分かけて添加して均一に混合した後、0.5%硫酸アルミ溶液0.25部(固形分)を滴下した。更に100分かけて内温52
℃まで昇温した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位粒径(Dv50)を測定し、粒径は目標粒径6.5ミクロンを超えたら、20%DBS水溶液5.0部(固形分)を添加してから、50分かけて97℃まで昇温し、90分保持した。
マルチサイザーで測定した体積中位径(Dv50)は6.6μmであった。
重合体一次粒子分散液B2を用いる以外はコア粒子分散液C1と同様にしてコア粒子分散液C2を作成した。マルチサイザーで測定した体積中位径(Dv50)は6.7μmであった。
重合体一次粒子分散液B3を用いる以外はコア粒子分散液C1と同様にしてコア粒子分散液C3を作成した。マルチサイザーで測定した体積中位径(Dv50)は6.6μmであった。
室温(約25℃)で、攪拌装置(アンカー翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に、撹拌しながらコア粒子分散液C1 100部を仕込み、続いて日本アエロジル(株)製AERODISP W440をコア粒子分散液の固形分100部に対しアルミナ固形分の添加量が3部になる様に添加して10分間保持した。続いて1N−HClにてpHが3.0になる様に調整し10分間保持後、重合体一次粒子B4をコア粒子分散液の固形分100部に対し重合体一次粒子固形分の添加量が3部になる様に添加して更に10分間保持した。引き続き45℃で2時間加温してカプセル化を完了した。
その後、再度5種Cの濾紙を用いてアスピレーターにより吸引濾過し、再度濾紙上に残った固形物を攪拌機(プロペラ翼)を備え、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水の入ったステンレス容器に移し、50rpmで攪拌する事により均一に分散させ、30分間攪拌したままとした。この工程を繰り返し、濾液の電気伝導度が2μS/cm以下となったところで洗浄を終了した。
ここで得られたケーキを40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥する事により、トナー母粒子D1を得た。
コア粒子分散液C2を用いる以外はトナー母粒子D1の製造と同様にしてトナー母粒子D2を得た。
コア粒子分散液C3を用いる以外はトナー母粒子D1の製造と同様にしてトナー母粒子D3を得た。
<トナー母粒子D4の製造>
重合体一次粒子B5を用いる以外はトナー母粒子D2の製造と同様にしてトナー母粒子D4を得た。
コア粒子分散液C3、日本アエロジル(株)製AERODISP W630を用いる以外はトナー母粒子D4の製造と同様にしてトナー母粒子D5を得た。
<トナー母粒子D6の製造>
コア分散液C1を洗浄し、濾液の電導度が2μS/cm以下となったところで洗浄を終了、得られたケーキを40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥する事により、トナー母粒子D6を得た。
室温(約25℃)で、攪拌装置(アンカー翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に、撹拌しながらコア粒子分散液C1 100部を仕込み、0.5%硫酸アルミ溶液0.25部(固形分)を滴下した。続いて重合体一次粒子B6
をコア粒子分散液の固形分100部に対し重合体一次粒子の固形分の添加量が5部となる様に添加して10分間保持し、その後45℃で2時間加温してカプセル化を完了した。
スラリーを抜き出し、5種C(東洋濾紙株式会社製 No.5C)の濾紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過をした。濾紙上に残ったケーキを攪拌機(プロペラ翼)を備えたステンレス容器に移し、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水を加え50rpmで攪拌する事により均一に分散させ、その後30分間攪拌したままとした。
ここで得られたケーキを40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥する事により、トナー母粒子D7を得た。
室温(約25℃)で、攪拌装置(アンカー翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に、撹拌しながらコア粒子分散液C2 100部を仕込み、続いて日本アエロジル(株)製AERODISP W440をコア粒子分散液の固形分100部に対しアルミナ固形分の添加量が3部になる様に添加して10分間保持した。続いて1N−HClにてpHが3.0になる様に調整し10分間保持した後に45℃で2時間加温してカプセル化を完了した。
その後、再度5種Cの濾紙を用いてアスピレーターにより吸引濾過し、再度濾紙上に残った固形物を攪拌機(プロペラ翼)を備え、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水の入ったステンレス容器に移し、50rpmで攪拌する事により均一に分散させ、30分間攪拌したままとした。この工程を繰り返し、濾液の電気伝導度が2μS/cm以下となったところで洗浄を終了した。
ここで得られたケーキを40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥する事により、トナー母粒子D8を得た。
コア粒子分散液C2、重合体一次粒子B4を用いる以外はトナー母粒子D7の製造と同様にしてトナー母粒子D9を得た。
アズワン株式会社製サンプルミルLSMK内に、トナー母粒子D1 100部を投入し、続いてクラリアント社製H05TDシリカ0.5部を添加し6000rpmで2分間撹拌、混合した。その後、クラリアント社製H30TDシリカ0.5部し6000rpmで2分間撹拌、混合し、篩別する事により現像用トナーE1を得た。
トナー母粒子D1をそれぞれトナー母粒子D2〜D9に代える以外は、現像用トナーE1の製造と同様にして現像用トナーE2〜E9を得た。
pH3.0におけるコア粒子、アルミナ粒子、シェル粒子のζ電位を表1に示す。
実施例及び比較例で得られたトナー母粒子或いは現像用トナー粒子を用いて、以下の方法で評価した。
<定着試験>
<<定着温度領域の測定方法と定義>>
未定着のトナー像を担持した記録紙を用意し、加熱ローラの表面温度を100℃から215℃まで5℃刻みで変化させ、定着ニップ部に搬送し、150mm/secの速度で排出されたときの定着状態を観察した。 定着時に加熱ローラにトナーのオフセットあるいは用紙巻き付きが生じず、定着後の記録紙上のトナーが十分に記録紙に接着している温度領域を定着温度領域とする。定着機の加熱ローラは、離型層がPFA(テトラフルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)でできており、シリコーンオイルの塗布なしで評価した。
◎(良好) :定着温度+50℃以上でオフセットする。
○(実用可) :定着温度+40℃以上50℃未満でオフセットする。
△(不十分) :定着温度+30℃以上40℃未満でオフセットする。
×(使用不可):定着温度+30℃未満でオフセットする。
また、上記測定方法において、ローラ温度を130℃に設定して実写テストを実施し、得られた定着画像を一定の荷重をかけて擦り、擦り前後の濃度低下を目視で比較し、以下の基準で「低温定着性」の判定をした。
◎(良好) :濃度低下なし
○(実用可) :僅かに濃度低下がみられる
△(不十分) :濃度低下が目立つ
×(使用不可):ほとんど剥がれる
現像用トナー5gを内径3cm、高さ6cmの円筒形の容器に入れ、40gの荷重をのせ、温度50℃、湿度40%の環境下に24時間放置した後、トナーを容器から取り出し、上から荷重をかけることで凝集の程度を確認した。
◎(良好):200g未満の荷重で崩れる。
○(実用可):500g未満の荷重で崩れる。
×(使用不可):凝集しており、500g以上の荷重をかけないと崩れない。
得られたトナーを、印刷速度21ppm、非磁性一成分、保証枚数12000枚(5%印
字時)で現像ゴムローラー、金属ブレード、帯電ローラー(PCR)で帯電する有機感光体、熱定着方式を用いたローラ定着機を搭載した市販プリンタ(Microline9800)を用い
て、印字率5%で、印字を行った。
画像形成装置を用いて、印字前及び印字後の、それぞれの標準紙(OKIエクセレントホワイト)における白地部分の色差を、X−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、△Eの大きさにより下記の基準で判定した。
◎(良好) :△E<1.0
○(わずかに発生):1.0≦△E<1.5
×(発生) :1.5≦△E
評価結果を表2に示す。
Claims (4)
- 結着樹脂および着色剤を含有するコア粒子に少なくとも2種類以上のシェル粒子をカプセル化することにより製造され、前記シェル粒子の少なくとも1つが金属酸化物微粒子である静電荷像現像用トナーであって、前記金属酸化物微粒子のζ電位が正帯電である状態で前記コア粒子に前記金属酸化物微粒子をカプセル化することにより製造されることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 金属酸化物微粒子がアルミナであることを特徴とする前記請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記アルミナがγアルミナであることを特徴とする前記請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 金属酸化物微粒子のシェルの上にスルホン酸またはスルホン酸塩を含有する樹脂微粒子をカプセル化することを特徴とする前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
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