JP2014209098A - X線分析装置 - Google Patents

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幸雄 迫
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Abstract

【課題】ピークシフトが起こっても、迅速かつ適切に補正できて、短時間に正確な分析ができるX線分析装置を提供する。
【解決手段】計数手段10A,10Bで求めた計数率の総計に基づいて、計数手段10A,10Bで得たエネルギースペクトルにおけるピーク位置を推定し、その推定したピーク位置を基準位置に一致させるためのゲイン値である初期値を出力する第1補正手段と、計数手段10A,10Bで得たエネルギースペクトルにおいて、基準位置を含む所定のエネルギー範囲でピーク位置を検出し、その検出したピーク位置を基準位置に一致させるためのゲイン値であるダイナミックゲイン補正値を出力する第2補正手段とを併せ備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、いわゆるピークシフトを補正するX線分析装置に関する。
従来、例えば波長分散型蛍光X線分析装置においては、試料に1次X線を照射し、試料から発生する蛍光X線を分光素子で分光し、分光された蛍光X線を検出器で検出してパルスを発生させる。このパルスの電圧すなわち波高値は蛍光X線のエネルギーに応じたものであり、具体的には、比例関係にあると考えられている。また、パルスの単位時間あたりの数は蛍光X線の強度に応じたものである。そこで、パルスのうち所定の電圧の範囲(上限値および下限値で規定され、ウィンドウと呼ばれる)のものを波高分析器で選別して、その計数率(単位時間あたりのパルス数)をX線強度としてスケーラ等の計数手段で求めている。
しかし、例えば検出器として比例計数管を用いる場合に、検出器に高強度の蛍光X線が入射した場合、波高分析器へ送られるパルスの電圧すなわち波高値が、例えば数秒で急激に数10%低下したり、場合によってはさらにその後例えば十数分間、数%程度の範囲で不安定になったりすることが知られている。この現象は、ピークシフト、波高値のドリフトなどと呼ばれており、ピークシフトが起こると、目的の波長に対してずれた不適切な設定のウィンドウで測定を行うことになり、正確な分析ができない(特許文献1〜4参照)。この問題は、波長分散型蛍光X線分析装置以外のX線分析装置でも起こり、また、程度の差はあるが、比例計数管以外の検出器を用いる場合にも起こり得る(特許文献3、4参照)。
そこで、ピークシフトを補正するための第1の従来の技術として、予備測定において計数手段で求めたX線強度に基づいてピーク位置を推定し、本測定において、推定したピーク位置を本来の波高値に相当する基準位置に一致させるように、検出器からのパルスのゲインを変更する装置がある(特許文献1、2参照)。ここで、計数手段で求めたX線強度とエネルギースペクトルにおいて低下して安定したピーク位置との関係は、あらかじめ実験で求めておく。また、ピークシフトを補正するための第2の従来の技術として、計数手段でエネルギースペクトルを得て、基準位置を含む所定のエネルギー範囲でピーク位置を検出し、その検出したピーク位置を基準位置に一致させるように、検出器からのパルスのゲインをダイナミックに(リアルタイムで)変更する装置がある(特許文献3、4参照)。
特開昭58−187885号公報 特開2005−9861号公報 特開平6−130155号公報 特公昭62−12475号公報
しかし、ピークシフトにより低下するピーク位置が安定するには、短い場合でも数秒はかかるため、安定する前に第1の従来の技術を適用して、ピーク位置を推定し、ゲインの変更によりピーク位置を補正して本測定を開始すると、ピーク位置が低下して安定するまでの間は、補正されたピーク位置が本来の波高値に相当する基準位置よりも高くなり、正確な分析ができない。かといって、正確な分析のために、本測定の開始をピークシフトにより低下するピーク位置が安定するまで遅らせると、短くても数秒は待たねばならず、それだけ分析に時間がかかる。波高値が急激に低下した後に十数分間不安定になるような場合には、短時間に正確な分析を行うことはさらに困難である。また、計数手段で求めたX線強度とエネルギースペクトルにおいて低下して安定したピーク位置との関係は、個々のX線分析装置において微妙に異なるので、正確な分析のためには、それぞれのX線分析装置においてあらかじめ実験で求めておく必要があり、個々のX線分析装置においても検出器を交換した際には、交換後の検出器について求める必要がある。
一方、第2の従来の技術では、X線強度が急激に変化すると、ピーク位置を見失って正しく検出できないおそれがあり、その場合、正確な分析ができない。
そこで、本発明は、ピークシフトが起こっても、迅速かつ適切に補正できて、短時間に正確な分析ができるX線分析装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、入射されたX線のエネルギーに応じた波高のパルスを前記X線の強度に応じた数だけ発生させる検出器と、その検出器で発生したパルスをデジタル化する高速AD変換器と、その高速AD変換器からのパルスについて多数の連続した波高範囲ごとに分別して計数率を求めることにより、波高に対する計数率の分布であるエネルギースペクトルを得て、そのエネルギースペクトルに基づいて前記X線の強度を算出する計数手段と、前記高速AD変換器からのパルスについて、前記エネルギースペクトルにおけるピーク位置を安定化させるピーク位置安定化手段とを備えるX線分析装置である。
そして、前記ピーク位置安定化手段が、前記高速AD変換器からのパルスが入力されゲインを変更して出力する入力パルス乗算器と、前記計数手段で求めた計数率の総計に基づいて、前記エネルギースペクトルにおけるピーク位置を推定し、その推定したピーク位置を基準位置に一致させるためのゲイン値である初期値を出力する第1補正手段と、前記計数手段で得たエネルギースペクトルにおいて、前記基準位置を含む所定のエネルギー範囲でピーク位置を検出し、その検出したピーク位置を前記基準位置に一致させるためのゲイン値であるダイナミックゲイン補正値を出力する第2補正手段と、前記初期値および前記ダイナミックゲイン補正値が入力され、両方を加算して前記入力パルス乗算器に出力するゲイン加算器とを有する。
本発明によれば、計数手段としてマルチチャンネルアナライザーを備えるとともに、ピーク位置安定化手段において、計数手段で求めた計数率の総計に基づいて、計数手段で得たエネルギースペクトルにおけるピーク位置を推定し、その推定したピーク位置を基準位置に一致させるためのゲイン値である初期値を出力する第1補正手段と、計数手段で得たエネルギースペクトルにおいて、前記基準位置を含む所定のエネルギー範囲でピーク位置を検出し、その検出したピーク位置を前記基準位置に一致させるためのゲイン値であるダイナミックゲイン補正値を出力する第2補正手段とを併せ備え、ピークシフトが起こっても、極めて短時間で初期値を出力してそれにダイナミックゲイン補正値が加算されてフィードバックで修正されるので、本測定の開始をピークシフトにより低下するピーク位置が安定するまで待つ必要がなく、初期値が出力されることによりダイナミックゲイン補正値を求めるにあたりピーク位置を見失うことなく正しく検出できる。したがって、ピークシフトが起こっても、迅速かつ適切に補正できて、短時間に正確な分析ができる。
本発明においては、前記ピーク位置安定化手段が、前記計数手段で得たエネルギースペクトルにおいて、波高ゼロに対応するゼロ基準位置を含む所定のエネルギー範囲で信号がない時のレベルの頻度がピークとなるゼロピーク位置を検出し、その検出したゼロピーク位置を前記ゼロ基準位置に一致させるためのゼロ位置用ゲイン値を出力するゼロ位置補正手段と、前記高速AD変換器と前記入力パルス乗算器との間に配置されて、前記高速AD変換器からのパルスおよび前記ゼロ位置用ゲイン値が入力され、前記高速AD変換器からのパルスに前記ゼロ位置用ゲイン値を加算して前記入力パルス乗算器に出力するゼロ位置加算器とを有することが好ましい。この場合には、波高ゼロに対応するゼロ位置のずれについても補正されるので、より正確な分析ができる。
本発明において前記検出器がガスフロー型比例計数管である場合には、前記ピーク位置安定化手段が、前記検出器の温度を測定する温度センサーおよび/または前記検出器のガス圧を測定する圧力センサーと、前記温度センサーでの測定温度および/または前記圧力センサーでの測定圧力に基づいて、前記エネルギースペクトルにおけるピーク位置を推定し、その推定したピーク位置を基準位置に一致させるためのガス密度用ゲイン係数を出力するガス密度補正手段と、前記第1補正手段と前記ゲイン加算器との間に配置されて、前記初期値および前記ガス密度用ゲイン係数が入力され、前記初期値に前記ガス密度用ゲイン係数を乗算して前記ゲイン加算器に出力する初期値乗算器とを有することが好ましい。この場合には、ガスフロー型比例計数管である検出器のガス密度変化によるピーク位置のずれについて、つまり検出器温度および/または検出器のガス圧の変化によるピーク位置のずれについて、機械的なガス密度安定化機構を用いることなしに補正されて初期値が出力されるので、ダイナミックゲイン補正値を求めるにあたりいっそうピーク位置を見失うことなく正しく検出でき、簡便に、より正確な分析ができる。
本発明の一実施形態である波長分散型蛍光X線分析装置を示す概略図である。 同装置におけるピーク位置安定化手段を示すブロック図である。 同装置で得られるエネルギースペクトルの一例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態の波長分散型蛍光X線分析装置を図面にしたがって説明する。この装置は、図1に示すように、測定すべき蛍光X線等の2次X線7A,7Bの波長ごとに検出手段18A,18Bを備え、検出手段18A,18Bは、分光素子6A,6B、検出器8A,8B、高速AD変換器9A,9B、計数手段10A,10Bおよびピーク位置安定化手段11A,11Bを有している。すなわち、この装置は、波長分散型であって多元素同時分析型の蛍光X線分析装置である。なお、検出器8A,8Bと高速AD変換器9A,9Bとの間にプリアンプを備えてもよい。
より詳細には、この装置は、試料1が載置される試料台2と、試料1に1次X線3を照射するX線管であるX線源4と、試料1から発生した蛍光X線等の2次X線5A,5Bを分光する分光素子6A,6Bと、分光素子6A,6Bで分光された2次X線7A,7Bが入射されて、そのX線7A,7Bのエネルギーに応じた波高のパルスをX線7A,7Bの強度に応じた数だけ発生させるガスフロー型比例計数管である検出器8A,8Bと、検出器8A,8Bで発生したパルスをデジタル化する高速AD変換器9A,9Bとを備えている。
また、この装置は、高速AD変換器9A,9Bからのパルスについて多数の連続した波高範囲ごとに分別して計数率を求めることにより、波高に対する計数率の分布であるエネルギースペクトル(図3の右部)を得て、そのエネルギースペクトルに基づいて前記X線7A,7Bの強度を算出する計数手段、つまりマルチチャンネルアナライザーである計数手段10A,10Bと、高速AD変換器9A,9Bからのパルスについて、前記エネルギースペクトルにおけるピーク位置を安定化させるピーク位置安定化手段11A,11Bとを備えている。
そして、2次X線7Aに対応した方のピーク位置安定化手段11Aを例にとると、図2に示すように、ピーク位置安定化手段11Aは、入力パルス乗算器12A、第1補正手段13A、第2補正手段14Aおよびゲイン加算器15Aを有する。入力パルス乗算器12Aは、高速AD変換器9Aからのパルスが入力されゲインを変更して出力する。高速AD変換器9Aからの入力パルスは、本実施形態の装置では、後述するゼロ位置加算器17Aを経由している。
第1補正手段13Aは、いわゆる予備測定により計数手段10Aで求めた計数率の総計に基づいて、前記エネルギースペクトルにおけるピーク位置を推定し、その推定したピーク位置を基準位置に一致させるためのゲイン値である初期値を出力する。ここで、計数手段10Aで求めた計数率の総計は、検出器8Aに入射したX線7Aの強度の総計であり、例えば、図3右部に示すエネルギースペクトルと横軸との間の面積であるが、予備測定で用いるエネルギースペクトルはこのような微分曲線に限られず、いわゆる積分曲線を用いてもよい。エネルギースペクトルにおけるピーク位置とは、エネルギースペクトルにおける極大値であるピークの波高値であり、例えば、図3右部に示すPaが対象となる。基準位置とは、ピークシフトが起きていない場合の本来の波高値に相当する位置であり、図3右部では、ピーク位置Paに基準位置Saが対応する。
ピークシフトに関し、計数手段10Aで求めた計数率の総計(上述したように、微分曲線または積分曲線であるエネルギースペクトルに基づく)とエネルギースペクトルにおけるピーク位置との関係はあらかじめ求められ、第1補正手段13Aはその関係を記憶しているので、計数手段10Aで求めた計数率の総計に基づいて、エネルギースペクトルにおけるピーク位置Paを推定でき、その推定したピーク位置Paを基準位置Saに一致させるためのゲイン値である初期値を出力する。ここで、本発明においては、初期値に後述するダイナミックゲイン補正値が加算されてフィードバックで修正されるので、計数手段10Aで求めた計数率の総計とエネルギースペクトルにおけるピーク位置との関係について、厳密に個々のX線分析装置や個々の検出器において求めなくても、正確な分析ができる。
図2の第2補正手段14Aは、計数手段10Aで得た図3右部のエネルギースペクトルにおいて、基準位置Saを含む所定のエネルギー(波高)範囲でピーク位置Paを検出し、その検出したピーク位置Paを基準位置Saに一致させるためのゲイン値であるダイナミックゲイン補正値をリアルタイムで出力する。ここで、ピーク位置Paの検出範囲である所定のエネルギー範囲は、ピーク位置Paに対応した基準位置Saについて設定される。なお、ピーク位置Paを検出する際、エネルギースペクトルにおける極小値である谷の位置Pbを検出することにより、谷との位置関係から間接的に極大値であるピークの位置Paを検出してもよい。また、図示しないが、エネルギースペクトルにおいて明確に現れる、1次X線3の特性X線のトムソン散乱線のピーク位置を検出することにより、そのピーク位置との位置関係から間接的に測定対象の2次X線7Aのピーク位置Paを検出してもよい。
図2のゲイン加算器15Aは、第1補正手段13Aからの初期値および第2補正手段14Aからのダイナミックゲイン補正値が入力され、両方を加算して入力パルス乗算器12Aに出力する。ここで、第1補正手段13Aからの初期値は、本実施形態の装置では、後述する初期値乗算器22Aを経由して、ゲイン加算器15Aへ入力されている。入力パルス乗算器12Aは、入力されたゲイン値に基づいて高速AD変換器9Aからのパルスのゲインを変更することにより、ピーク位置を安定化させた出力パルスを計数手段10Aに送る。計数手段10Aは、その出力パルスからピーク位置が安定したエネルギースペクトルを得て、そのエネルギースペクトルに基づいて2次X線7Aの強度を算出する。例えば、測定対象の2次X線7Aが図3右部のピーク値Paに対応する場合には、ピーク位置Paが安定した状態において、つまりピーク位置Paが基準位置Saに一致した状態において、基準位置Saを含む所定のエネルギー(波高)範囲での、エネルギースペクトルと横軸との間の面積が2次X線7Aの強度となる。
2次X線7Bに対応した方のピーク位置安定化手段11Bも、同様に、入力パルス乗算器12Bと、第1補正手段13Bと、第2補正手段14Bと、ゲイン加算器15Bとを有する。
以上の本実施形態の装置の基本構成によれば、上述したような第1補正手段13A,13Bおよび第2補正手段14A,14Bを併せ備え、ピークシフトが起こっても、極めて短時間で初期値を出力してそれにダイナミックゲイン補正値が加算されてフィードバックで修正されるので、本測定の開始をピークシフトにより低下するピーク位置が安定するまで待つ必要がなく、初期値が出力されることによりダイナミックゲイン補正値を求めるにあたりピーク位置を見失うことなく正しく検出できる。したがって、ピークシフトが起こっても、迅速かつ適切に補正できて、短時間に正確な分析ができる。
本実施形態の装置では、ピーク位置安定化手段11A,11Bが、さらに、ゼロ位置補正手段16A,16Bおよびゼロ位置加算器17A,17Bを有する。2次X線7Aに対応した方のピーク位置安定化手段11Aを例にとると、ゼロ位置補正手段16Aは、計数手段10Aで得た図3左部のエネルギースペクトルにおいて、波高ゼロに対応するゼロ基準位置Szを含む所定のエネルギー(波高)範囲で信号がない時のレベルの頻度がピークとなるゼロピーク位置Pzを検出し、その検出したゼロピーク位置Pzをゼロ基準位置Szに一致させるためのゼロ位置用ゲイン値を出力する。図2のゼロ位置加算器17Aは、高速AD変換器9A(図1)と入力パルス乗算器12Aとの間に配置されて、高速AD変換器9Aからのパルスおよびゼロ位置補正手段16Aからのゼロ位置用ゲイン値が入力され、高速AD変換器9Aからのパルスにゼロ位置用ゲイン値を加算して入力パルス乗算器12Aに出力する。このゼロ位置補正に関する追加の構成によれば、波高ゼロに対応するゼロ位置のずれについても補正されるので、より正確な分析ができる。
本実施形態の装置では、検出器8A,8B(図1)がガスフロー型比例計数管であるので、ピーク位置安定化手段11A,11Bが、さらに、検出器8A,8Bの温度を測定する温度センサー19A,19Bおよび検出器8A,8Bのガス圧を測定する圧力センサー21と、温度センサー19A,19Bでの測定温度および圧力センサー21での測定圧力に基づいて、エネルギースペクトル(図3右部)におけるピーク位置Paを推定し、その推定したピーク位置Paを基準位置Saに一致させるためのガス密度用ゲイン係数を出力するガス密度補正手段20A,20Bと、初期値乗算器22A,22Bとを有する。初期値乗算器22A,22Bは、第1補正手段13A,13Bとゲイン加算器15A,15Bとの間に配置されて、前記初期値および前記ガス密度用ゲイン係数が入力され、前記初期値に前記ガス密度用ゲイン係数を乗算してゲイン加算器15A,15Bに出力する。
ここで、温度センサー19A,19Bは、図1においては図示しないが、検出器8A,8Bに、または検出器8A,8Bの近傍に取り付けられる。圧力センサー21も図1においては図示しないが、検出器8A,8Bの内部に配置される。ただし、検出器8A,8B内のガス圧が大気圧と等しいとみなせる場合には、検出器8A,8Bのガス圧として大気圧を測定すべく、検出器8A,8Bが配置される真空雰囲気の分光室の外部における大気圧雰囲気中に、圧力センサー21を配置してもよい。また、ガスフロー型比例計数管である検出器8A,8Bのガス密度変化によるピーク位置のずれに関し、温度センサー19A,19Bでの測定温度および圧力センサー21での測定圧力と図3右部に示すエネルギースペクトルにおけるピーク位置Paとの関係はあらかじめ求められ、ガス密度補正手段20A,20Bはその関係を記憶しているので、温度センサー19A,19Bでの測定温度および圧力センサー21での測定圧力に基づいて、エネルギースペクトルにおけるピーク位置Paを推定できる。このガス密度補正に関する追加の構成によれば、ガスフロー型比例計数管である検出器8A,8Bのガス密度変化によるピーク位置のずれについても、機械的なガス密度安定化機構を用いることなしに補正されて初期値が出力されるので、ダイナミックゲイン補正値を求めるにあたりいっそうピーク位置を見失うことなく正しく検出でき、簡便に、より正確な分析ができる。
本実施形態の装置では、ガス密度補正に関する追加の構成において、検出器8A,8Bの温度を測定する温度センサー19A,19Bと検出器8A,8Bのガス圧を測定する圧力センサー21の両方を有し、温度センサー19A,19Bでの測定温度と圧力センサー21での測定圧力の両方に基づいて、エネルギースペクトル(図3右部)におけるピーク位置Paを推定するが、本発明において、検出器の温度と検出器のガス圧のいずれか一方が、別途制御されている等の理由で一定とみなせる場合には、ガス密度補正に関する追加の構成に、その一方を測定するセンサーは不要であり、他方のセンサーでの測定値のみに基づいて、エネルギースペクトルにおけるピーク位置を推定すればよい。
なお、ゼロ位置補正に関する追加の構成とガス密度補正に関する追加の構成のいずれか一方のみを追加の構成として備えてもよい。また、本発明の範疇からは逸脱するが、本実施形態の装置の基本構成から第1補正手段を取り去り、ガス密度補正に関する追加の構成のみを追加の構成として備えた応用例も考えられる。
以上において、本実施形態の装置は、波長分散型であって多元素同時分析型の蛍光X線分析装置として説明したが、本発明においては、それ以外のX線分析装置、例えば、波長分散型であって走査型の蛍光X線分析装置、エネルギー分散型の蛍光X線分析装置、X線回折装置などであってもよい。また、用いる検出器も、ガス密度補正に関する追加の構成を備える場合を除き、ガスフロー型比例計数管以外の検出器、例えば、密閉型比例計数管、シンチレーションカウンター、半導体検出器などであってもよい。
7A,7B 入射されたX線
8A,8B 検出器
9A,9B 高速AD変換器
10A,10B 計数手段
11A,11B ピーク位置安定化手段
12A,12B 入力パルス乗算器
13A,13B 第1補正手段
14A,14B 第2補正手段
15A,15B ゲイン加算器
16A,16B ゼロ位置補正手段
17A,17B ゼロ位置加算器
19A,19B 温度センサー
20A,20B ガス密度補正手段
21 圧力センサー
22A,22B 初期値乗算器
Pa ピーク位置
Pz ゼロピーク位置
Sa 基準位置
Sz ゼロ基準位置

Claims (3)

  1. 入射されたX線のエネルギーに応じた波高のパルスを前記X線の強度に応じた数だけ発生させる検出器と、
    その検出器で発生したパルスをデジタル化する高速AD変換器と、
    その高速AD変換器からのパルスについて多数の連続した波高範囲ごとに分別して計数率を求めることにより、波高に対する計数率の分布であるエネルギースペクトルを得て、そのエネルギースペクトルに基づいて前記X線の強度を算出する計数手段と、
    前記高速AD変換器からのパルスについて、前記エネルギースペクトルにおけるピーク位置を安定化させるピーク位置安定化手段とを備えるX線分析装置であって、
    前記ピーク位置安定化手段が、
    前記高速AD変換器からのパルスが入力されゲインを変更して出力する入力パルス乗算器と、
    前記計数手段で求めた計数率の総計に基づいて、前記エネルギースペクトルにおけるピーク位置を推定し、その推定したピーク位置を基準位置に一致させるためのゲイン値である初期値を出力する第1補正手段と、
    前記計数手段で得たエネルギースペクトルにおいて、前記基準位置を含む所定のエネルギー範囲でピーク位置を検出し、その検出したピーク位置を前記基準位置に一致させるためのゲイン値であるダイナミックゲイン補正値を出力する第2補正手段と、
    前記初期値および前記ダイナミックゲイン補正値が入力され、両方を加算して前記入力パルス乗算器に出力するゲイン加算器とを有する、X線分析装置。
  2. 請求項1に記載のX線分析装置において、
    前記ピーク位置安定化手段が、
    前記計数手段で得たエネルギースペクトルにおいて、波高ゼロに対応するゼロ基準位置を含む所定のエネルギー範囲で信号がない時のレベルの頻度がピークとなるゼロピーク位置を検出し、その検出したゼロピーク位置を前記ゼロ基準位置に一致させるためのゼロ位置用ゲイン値を出力するゼロ位置補正手段と、
    前記高速AD変換器と前記入力パルス乗算器との間に配置されて、前記高速AD変換器からのパルスおよび前記ゼロ位置用ゲイン値が入力され、前記高速AD変換器からのパルスに前記ゼロ位置用ゲイン値を加算して前記入力パルス乗算器に出力するゼロ位置加算器とを有する、X線分析装置。
  3. 請求項1または2に記載のX線分析装置において、
    前記検出器が、ガスフロー型比例計数管であり、
    前記ピーク位置安定化手段が、
    前記検出器の温度を測定する温度センサーおよび/または前記検出器のガス圧を測定する圧力センサーと、
    前記温度センサーでの測定温度および/または前記圧力センサーでの測定圧力に基づいて、前記エネルギースペクトルにおけるピーク位置を推定し、その推定したピーク位置を基準位置に一致させるためのガス密度用ゲイン係数を出力するガス密度補正手段と、
    前記第1補正手段と前記ゲイン加算器との間に配置されて、前記初期値および前記ガス密度用ゲイン係数が入力され、前記初期値に前記ガス密度用ゲイン係数を乗算して前記ゲイン加算器に出力する初期値乗算器とを有する、X線分析装置。
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