JP2014208812A - ホットメルト接着剤及び紙製包装用資材 - Google Patents
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本発明のホットメルト接着剤はエチレン−α−オレフィン共重合体を含んでいる。エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンの炭素数は、3〜20が好ましく、6〜8がより好ましい。α−オレフィンとしては、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オクテン等が挙げられる。なかでも、ホットメルト接着剤の耐寒接着性の向上の観点から、1−オクテンが好ましい。エチレン−1−オクテン共重合体によれば、ホットメルト接着剤の硬化物に適度な柔軟性を付与することができ、これにより低温環境下におけるホットメルト接着剤の硬化物の接着力の低下を抑制することができる。
商品名「アフィニティ EG8185」(MFR=30g/10分)
商品名「アフィニティ EG8200」(MFR=5g/10分)
商品名「アフィニティ GA1900」(MFR=1000g/10分)
商品名「アフィニティ GA1950」(MFR=500g/10分)
商品名「アフィニティ GA1875」(MFR=1250g/10分)及び
商品名「アフィニティ GA1000R」(MFR=1000g/10分)
本発明のホットメルト接着剤は、軟化点が80〜100℃であるポリプロピレンを含んでいる。このようなポリプロピレンを上述したエチレン−α−オレフィン共重合体と組み合わせて用いることにより、耐熱接着性及び耐寒接着性の双方に優れているホットメルト接着剤を得ることができる。
本発明のホットメルト接着剤は粘着付与剤を含んでいる。粘着付与剤としては、例えば、スチレン系ブロック共重合体、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン−フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。粘着付与剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
本発明のホットメルト接着剤はワックスを含んでいる。ワックスとしては、フィッシャートロプシュワックス、及びポリエチレンワックスなどの合成ワックス;パラフィンワックス、及びマイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス;木ロウ、カルバナワックス、蜜ロウ、及び植物ワックスなどの天然系ワックスが挙げられる。植物ワックスとしては、例えば、ひまわりやコメなどの植物に由来するワックスなどが挙げられる。ワックスは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
本発明のホットメルト接着剤は、酸化防止剤をさらに含んでいるのが好ましい。酸化防止剤を用いることにより、ホットメルト接着剤の熱安定性を向上させることができる。
エチレン−1−オクテン共重合体、ポリプロピレンA〜C、粘着付与剤A〜F、ワックス、及び酸化防止剤を、それぞれ表1に示す配合量で、撹拌混練機中に投入した後、180℃で60分間、溶融混練することによりホットメルト接着剤を得た。
エチレン−1−オクテン共重合体(1−オクテン成分含有量:35〜37モル%、MFR:1000g/10分、ダウケミカル社製 製品名「アフィニティGA1900」)
ポリプロピレンA(軟化点Sp:90℃、出光興産株式会社製 製品名「L−MODU S400」)
ポリプロピレンB(軟化点Sp:120℃、千葉ファインケミカル株式会社製 製品名「サンアタックM」)
ポリプロピレンC(軟化点Sp:157℃、レクスタック社製 製品名「RT2180」)
粘着付与剤A(軟化点Sp:125℃、石油樹脂の水素添加物、出光興産株式会社製 製品名「アイマーブP−125])
粘着付与剤B(軟化点Sp:130℃、石油樹脂の水素添加物、イーストマンケミカル社製 製品名「イーストタックH130W])
粘着付与剤C(軟化点Sp:115℃、石油樹脂の水素添加物、荒川化学工業株式会社製 製品名「アルコンP115])
粘着付与剤D(軟化点Sp:140℃、石油樹脂の水素添加物、出光興産株式会社製 製品名「アイマーブP−140])
粘着付与剤E(軟化点Sp:100℃、石油樹脂の水素添加物、出光興産株式会社製 製品名「アイマーブP−100])
粘着付与剤F(軟化点Sp:110℃、C5系石油樹脂(未水素添加物)、日本ゼオン株式会社製 製品名「クイントンRX110])
ワックス(フィッシャートロプシュワックス、融点:105℃、サゾール社製 製品名「サゾールH1」)
酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、BASF社製 製品名「IRGANOX 1010」)
実施例1〜13及び比較例1〜6で作製したホットメルト接着剤について、耐熱接着性、耐熱接着性、耐寒接着性、低温塗工性、及び熱安定性を、下記の要領に従ってそれぞれ評価した。結果を表1に示した。
まず、縦50mm×横50mmの平面正方形状の段ボール(坪量170g/m2、クラフトライナー Bフルート)を2枚用意した。次に、ホットメルト接着剤を180℃で60分間加熱することにより溶融させ、この溶融状態のホットメルト接着剤を、塗工装置(JTトーシ(株)製、製品名「ASM−15N」)により、一方の段ボールの一面にビード状(塗工量3g/m)に塗工した。塗工してから2秒後に、他方の段ボールを一方の段ボール上に積層し、これらを2kgfの荷重で2秒間プレスして積層体を得た。その後、この積層体を、温度20℃、相対湿度50%の雰囲気下で1時間保管することによりホットメルト接着剤を冷却硬化させて、試験片を得た。
耐熱接着性1の測定において、恒温槽の内部の温度を55℃としたこと以外は耐熱接着性と同様の要領で時間(時間)を計測した。
上述した耐熱接着性1と同様の要領に従って試験片を作製した。次に、試験片を、内部の温度が55℃である恒温槽中に12時間放置した。そして、上記恒温槽中で試験片中の一方の段ボールを他方の段ボールから引き剥がした後、段ボールの破壊率(%)を算出した。なお、段ボールの破壊率とは、2枚の段ボール同士が接着している面全体の面積に対する、段ボールが破壊した部分の面積の比率(百分率)とした。段ボールの破壊率が高いほど、ホットメルト接着剤の接着性が高いことを意味する。
上述した耐熱性試験1と同様の要領に従って試験片を作製した。次に、試験片を、内部の温度が−20℃である恒温槽中に12時間設置した。そして、上記恒温槽中で試験片中の一方の段ボールを他方の段ボールから引き剥がした後、上述した耐熱接着性2と同様の要領に従って段ボールの破壊率(%)を算出した。
ホットメルト接着剤を、ホットメルト塗工装置(ノードソン(株)社製 製品名「3400」)のタンク内で160℃で60分間加熱することにより、溶融させた。次に、ホットメルトガン(ノズル径16/1000インチ、ノードソン(株)社製 製品名「H−200」)の下方にベルトコンベヤを設置した。ホットメルトガンの先端とベルトコンベヤとの間隔は10cmとした。また、タンクとホットメルトガンとを接続するホース及びホットメルトガンを加熱して、これらの内部を通過するホットメルト接着剤の温度が160℃となるようにした。そして、ベルトコンベヤを20m/分の速度で走行させ、溶融状態のホットメルト接着剤をホットメルトガンからベルトコンベヤ上に、吐出圧力2.5kgf/cm2、100ms間隔で10ショット間欠塗工して10個の塗工物を得、これらの塗工物におけるフック現象の発生を目視により確認した。下記基準に基づいて評価した。
◎・・・全ての塗工物にフック現象の発生が無かった。
○・・・1〜3個の塗工物にフック現象の発生があった。
×・・・4個以上の塗工物にフック現象の発生があった。
ホットメルト接着剤50gをガラス瓶(内容積140cc)に投入し、ガラス瓶の開口部をアルミ箔によって蓋をした後、ガラス瓶を180℃の雰囲気下に1週間放置した。その後、ガラス瓶内部のホットメルト接着剤表面における炭化物の発生の有無を目視により確認した。表1において、炭化物の発生が全く無かったものを「○」とし、炭化物の発生が有ったものを「×」とした。
Claims (6)
- エチレン−α−オレフィン共重合体、軟化点が80〜100℃であるポリプロピレン、軟化点が110〜150℃である粘着付与剤、及びワックスを含むことを特徴とするホットメルト接着剤。
- エチレン−α−オレフィン共重合体が、エチレン−1−オクテン共重合体を含むことを特徴とする請求項1に記載のホットメルト接着剤。
- ポリプロピレンを、エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対して、25〜400重量部含むことを特徴とする請求項1に記載のホットメルト接着剤。
- 粘着付与剤を、エチレン−α−オレフィン共重合体及びポリプロピレンの合計100重量部に対して、50〜150重量部含むことを特徴とする請求項1に記載のホットメルト接着剤。
- ワックスを、エチレン−α−オレフィン共重合体及びポリプロピレンの合計100重量部に対して、25〜75重量部含むことを特徴とする請求項1に記載のホットメルト接着剤。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載のホットメルト接着剤を用いて形成されてなることを特徴とする紙製包装用資材。
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