JP2016074796A - ホットメルト接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、低温での塗布が可能で且つ耐ブロッキング性に優れ、更に、加熱安定性、接着性及び耐熱クリープ性といった特性においても優れたホットメルト接着剤を提供する。
【解決手段】 本発明のホットメルト接着剤は、メルトフローレイトが500g/10分以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部と、C9系石油樹脂50〜400質量部と、ワックス50〜100質量部とを含むことを特徴とするので、低温での塗布が可能で且つ耐ブロッキング性に優れ、更に、加熱安定性、接着性及び耐熱クリープ性といった特性においても優れている。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明のホットメルト接着剤は、メルトフローレイトが500g/10分以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部と、C9系石油樹脂50〜400質量部と、ワックス50〜100質量部とを含むことを特徴とするので、低温での塗布が可能で且つ耐ブロッキング性に優れ、更に、加熱安定性、接着性及び耐熱クリープ性といった特性においても優れている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ホットメルト接着剤に関する。
ホットメルト接着剤は、無溶剤であり、瞬間接着及び高速接着が可能である。従って、ホットメルト接着剤は、接着工程及び経済性において利点を備えているため、包装、製本、木工などの分野を中心に大量に用いられている。
ホットメルト接着剤は、塗布時に通常、175〜180℃に加熱され、場合によっては、180〜190℃まで加熱される。ホットメルト接着剤の塗布時の加熱によって、ホットメルト接着剤から大量の揮発分が発生し、又は、ホットメルト接着剤の熱劣化に起因したアプリケーターの汚染が発生するといった問題点がある。
そこで、低温においても塗布が可能なホットメルト接着剤の開発が行われている。このようなホットメルト接着剤として、特許文献1には、熱可塑性樹脂100重量部、粘着性付与樹脂50〜200重量部及びワックス2〜100重量部が含有されて成り、且つ、上記熱可塑性樹脂のメルトインデックスの指数平均が300以上であるホットメルト接着剤組成物が提案されている。
上記ホットメルト接着剤組成物は、上記のような高い温度への加熱は必要ではないものの、塗布時の加熱温度の更なる低温化が望まれている。
また、ホットメルト接着剤は、紙袋などの収納容器に収納して貯蔵した場合、常温付近の温度であっても、ホットメルト接着剤同士が合着してブロッキングを生じるという問題も有している。
特に、アプリケーターのホッパーに投入されたホットメルト接着剤は、時間の経過と共に互いに合着し、ブロッキングがより起こりやすくなっている。
ホットメルト接着剤同士のブロッキングを抑制するために、特許文献2には、ホットメルト接着剤成形物の表面にワックスパウダーが塗布されてなることを特徴とするホット
メルト接着剤が提案されている。
メルト接着剤が提案されている。
特許文献3には、ホットメルト接着剤の樹脂組成物を金型より連続して押出成形し、押出成形物を表面に凹凸のあるベルトコンベヤで冷却工程へ搬送して冷却した後、所定の長さに切断するホットメルト接着剤の製造方法において、冷却工程で流動性のある押出成形物に冷却水を噴霧して、表面に凹凸模様を形成するホットメルト接着剤の製造方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1のホットメルト接着剤は、収納容器に収納して貯蔵した場合には、常温付近の温度であっても、ホットメルト接着剤のブロッキングを生じるという問題がある。
また、特許文献1、2で提案されているホットメルト接着剤は、その表面にワックスパウダーを塗布し又は表面に凹凸を形成しているが、耐ブロッキング性は十分ではないという問題点を有している。
本発明は、低温での塗布が可能で且つ耐ブロッキング性に優れ、更に、加熱安定性、接着性及び耐熱クリープ性といった特性においても優れたホットメルト接着剤を提供する。
本発明のホットメルト接着剤は、メルトフローレイトが500g/10分以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部と、C9系石油樹脂50〜400質量部と、ワックス50〜100質量部とを含むことを特徴とする。
ホットメルト接着剤にはエチレン−酢酸ビニル共重合体が含有されている。エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイトは、500g/10分以上であり、800g/10分以上が好ましく、900g/10分以上がより好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイトが500g/10分以上であると、ホットメルト接着剤の低温塗布性に優れる。
ホットメルト接着剤を構成しているエチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイトは、2500g/10分以下が好ましく、2000g/10分以下がより好ましく、1800g/10分以下が更に好ましく、1500g/10分以下が特に好ましく、1250g/10分以下が最も好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイトが2500g/10分以下であると、ホットメルト接着剤は、低温塗布性、接着性及び耐熱クリープ性に優れる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイトは、JIS K7210に準拠して190℃、荷重21.18Nの条件下にて測定された値をいう。なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体が複数種類の混合物である場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイトとは、それぞれのエチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイトではなく、複数種類のエチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物全体のメルトフローレイトをいう。
エチレン−酢酸ビニル共重合体中における酢酸ビニル単位の含有量は、18〜35モル%が好ましく、26〜33モル%がより好ましく、28〜33モル%が特に好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体中における酢酸ビニル単位の含有量が18モル%以上であると、ホットメルト接着剤は優れた接着性を有する。エチレン−酢酸ビニル共重合体中における酢酸ビニル単位の含有量が35モル%以下であると、ホットメルト接着剤は耐熱クリープ性に優れている。
ホットメルト接着剤には粘着付与剤としてC9系石油樹脂が含有されている。C9系石油樹脂とは、ナフサの熱分解によって副生されたC9留分を重合して得られる樹脂をいう。なお、C9系石油樹脂の物性を損なわない範囲内において、C9留分にフェノール類が含有されていてもよい。C9系石油樹脂は、マレイン酸などのカルボン酸、無水マレイン酸などの酸無水物で変性されていてもよい。C9系石油樹脂は、不飽和結合が水素付加したいわゆる水添物であっても、未水添物であってもよいが、耐熱接着性を高める観点から、水添物のC9系石油樹脂全体に対する割合は、50質量%以下であることが好ましい。
C9留分としては、例えば、スチレン、そのアルキル誘導体であるα−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン及びそのアルキル誘導体などに代表される炭素数8〜10のビニル芳香族炭化水素類;ジシクロペンタジエン及びその誘導体等に代表される環状不飽和炭化水素類;その他炭素数10以上のオレフィン類、炭素数9以上の飽和芳香族類などが挙げられる。
ホットメルト接着剤中におけるC9系石油樹脂の含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して50〜400質量部であり、60〜300質量部が好ましく、70〜250質量部がより好ましく、80〜200質量部が更に好ましく、100〜150質量部が特に好ましい。C9系石油樹脂の含有量が50質量部以上であると、ホットメルト接着剤は、優れた耐熱クリープ性及び耐熱接着性を有する。C9系石油樹脂の含有量が400質量部以下であると、ホットメルト接着剤は、優れた柔軟性を有し、低温における接着性に優れている。
ホットメルト接着剤には、C9系石油樹脂以外の粘着付与剤が含有されていてもよい。C9系石油樹脂以外の粘着付与剤としては、特に限定されず、例えば、ロジン系粘着付与剤、C9系石油樹脂を除く石油樹脂系粘着付与剤、テルペン系粘着付与剤、フェノール系粘着付与剤、スチレン系粘着付与剤、エポキシ系粘着付与剤、クマロン−インデン系粘着付与剤、ポリアミド粘着付与剤、エラストマー系粘着付与剤、ナフテンオイル系粘着付与剤、及びケトン系粘着付与剤などが挙げられる。
ホットメルト接着剤にはワックスが含有されている。ワックスとしては、特に限定されず、例えば、フィッシャートロプシュワックス及びポリエチレンワックスなどの合成系ワックス、精製パラフィンワックスなどのパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然系ワックスなどが挙げられるが、ホットメルト接着剤が、耐熱クリープ性、耐熱接着性及び耐寒接着性に優れていることから、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックスが好ましく、ホットメルト接着剤が耐熱クリープ性に優れているので、フィッシャートロプシュワックスがより好ましい。なお、ワックスは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ワックスの融点は、ホットメルト接着剤が耐熱クリープ性及び耐熱接着性に優れていることから、60〜120℃が好ましい。なお、ワックスの融点は、JIS K7121に準拠して測定された値をいう。具体的には、ワックスの融点は、島津製作所社から商品名「DSC−60」にて市販されている示差走査熱量計を用いて、昇温速度5℃/分にて30℃から150℃に加熱したときに測定された値をいう。
ホットメルト接着剤中におけるワックスの含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して50〜100質量部であり、60〜90質量部が好ましく、70〜90質量部がより好ましい。ホットメルト接着剤中におけるワックスの含有量が50質量部以上であると、ホットメルト接着剤の塗布性が向上し固化速度も速くなり、ホットメルト接着剤を高速ラインに好適に適用することができる。ホットメルト接着剤中におけるワックスの含有量が100質量部以下であると、ホットメルト接着剤は優れた接着性を有する。
ホットメルト接着剤は、低密度ポリエチレンを含有していてもよい。ホットメルト接着剤が低密度ポリエチレンを含有していると、ホットメルト接着剤の糸曳きが効果的に抑制され好ましい。ホットメルト接着剤の糸曳きを抑制することによって、周辺装置又は被着体の汚染を防止し、センサーの誤作動又は印字ミスなどの事態を抑制することができる。なお、低密度ポリエチレンとは、メルトフローレイトが3〜100g/10分、融点が100〜115℃、密度が0.91〜0.93g/cm3の物性を有するポリエチレンをいう。
低密度ポリエチレンの融点は105〜115℃が好ましく、110〜115℃がより好ましい。低密度ポリエチレンの融点が105℃以上であると、ホットメルト接着剤の糸曳きが効果的に抑制され好ましい。低密度ポリエチレンの融点が115℃以下であると、ホットメルト接着剤は優れた加熱安定性を有する。低密度ポリエチレンの融点は、JIS K7121に準拠して測定された値をいう。
低密度ポリエチレンのメルトフローレイトは、3〜50g/10分が好ましく、3〜20g/10分がより好ましい。低密度ポリエチレンのメルトフローレイトが3g/10分以上であると、ホットメルト接着剤は優れた加熱安定性を有する。低密度ポリエチレンのメルトフローレイトが100g/10分以下であると、ホットメルト接着剤の糸曳きが効果的に抑制され好ましい。低密度ポリエチレンのメルトフローレイトは、JIS K7210に準拠して190℃、荷重21.18Nの条件下にて測定された値をいう。
ホットメルト接着剤中における低密度ポリエチレンの含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、C9系石油樹脂及びワックスの合計量100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましく、1〜8質量部がより好ましく、1.5〜5質量部が特に好ましい。低密度ポリエチレンの含有量が0.5質量部以上であると、ホットメルト接着剤は優れた糸曳き防止性を有する。低密度ポリエチレンの含有量が10質量部以下であると、ホットメルト接着剤は優れた塗布性及び加熱安定性を有していると共に、ベース樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体と低密度ポリエチレンとの均一分散性に優れている。
なお、ホットメルト接着剤は、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、充填剤、増量剤、粘度調整剤、揺変性付与剤、軟化剤( 可塑剤) 、プロセスオイル、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤、糸引き抑制剤など各種添加剤が含有されていてもよい。なお、添加剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ホットメルト接着剤の製造方法としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、C9系石油樹脂及びワックスなどの各成分を120〜190℃で加熱溶融させ、均一に撹拌混練する方法などが挙げられる。
ホットメルト接着剤の塗工方法としては、従来公知の方法が好ましく用いられる。例えば、ホットメルト接着剤を溶融タンク内で加熱溶融させた後、溶融タンクからホースを介してノズルへ送り、ノズルから連続的又は間欠的に吐出させて被接着物の接着面に塗工する方法などが用いられる。本発明のホットメルト接着剤は、塗工温度が低温であっても塗工することができる。したがって、溶融タンク内のホットメルト接着剤の加熱溶融温度は、120〜170℃が好ましく、130〜150℃がより好ましい。また、ホースやノズルの温度も、120〜190℃が好ましく、120〜150℃がより好ましく、130〜150℃が特に好ましい。
本発明のホットメルト接着剤は、包装、製本、木工、繊維加工など広い範囲の用途に使用することができ、種々の被着体を接着することができる。被着体を構成する材料としては、例えば、アルミニウムなどの金属;ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ABS樹脂などの合成樹脂;セルロース系材料;皮革などが挙げられる。セルロース系材料からなる被着体としては、例えば、紙、ボード、段ボール、及びセロハンなどが挙げられる。本発明は、特に、包装用、製本用又は木工用のホットメルト接着剤として好適に用いられる。
本発明のホットメルト接着剤は、上述の如き構成を有しているので、低温での塗布が可能で且つ耐ブロッキング性に優れ、更に、加熱安定性、接着性及び耐熱クリープ性といった特性においても優れている。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
先ず、後述する実施例及び比較例においてホットメルト接着剤の製造に用いた各成分の詳細について記載する。
[エチレン−酢酸ビニル共重合体]
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(1)(東ソー社製 商品名「ウルトラセン725」、メルトフローレイト:1000g/10分、酢酸ビニル含有量:28モル%)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(2)(三井化学社製 商品名「EV205W」、メルトフローレイト:800g/10分、酢酸ビニル含有量:28モル%)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(3)(三井化学社製 商品名「V577」、メルトフローレイト:800g/10分、酢酸ビニル含有量:20モル%)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(4)(三井化学社製 商品名「V5772ETWR」、メルトフローレイト:400g/10分、酢酸ビニル含有量:33モル%)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(1)(東ソー社製 商品名「ウルトラセン725」、メルトフローレイト:1000g/10分、酢酸ビニル含有量:28モル%)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(2)(三井化学社製 商品名「EV205W」、メルトフローレイト:800g/10分、酢酸ビニル含有量:28モル%)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(3)(三井化学社製 商品名「V577」、メルトフローレイト:800g/10分、酢酸ビニル含有量:20モル%)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(4)(三井化学社製 商品名「V5772ETWR」、メルトフローレイト:400g/10分、酢酸ビニル含有量:33モル%)
[エチレン−1−オクテン共重合体]
・エチレン−1−オクテン共重合体(ダウケミカル社製 商品名「アフィニティGA1900」、メルトフローレイト:1000g/10分)
・エチレン−1−オクテン共重合体(ダウケミカル社製 商品名「アフィニティGA1900」、メルトフローレイト:1000g/10分)
[粘着付与樹脂]
・C9系石油樹脂(JX日鉱日石エネルギー社製 商品名「ネオポリマー120」)
・ロジンエステル(荒川化学社製 商品名「ペンセルGB−120」)
・C9系石油樹脂(JX日鉱日石エネルギー社製 商品名「ネオポリマー120」)
・ロジンエステル(荒川化学社製 商品名「ペンセルGB−120」)
[ワックス]
・フィッシャートロプシュワックス(サゾール社製 商品名「サゾールワックスH1」、融点:108℃)
・精製パラフィンワックス(日本精蝋社製 商品名「HNP−9」、融点:75℃ )
・フィッシャートロプシュワックス(サゾール社製 商品名「サゾールワックスH1」、融点:108℃)
・精製パラフィンワックス(日本精蝋社製 商品名「HNP−9」、融点:75℃ )
[低密度ポリエチレン]
・低密度ポリエチレン(三井化学社製 商品名「ミラソン16P」、メルトフローレイト:3.7g/10分、融点:111℃、密度:0.923g/cm3)
・低密度ポリエチレン(三井化学社製 商品名「ミラソン16P」、メルトフローレイト:3.7g/10分、融点:111℃、密度:0.923g/cm3)
[酸化防止剤]
・酸化防止剤( チバスペシャリティケミカルズ社製 商品名「イルガノックス1010」 )
・酸化防止剤( チバスペシャリティケミカルズ社製 商品名「イルガノックス1010」 )
(実施例1〜9、比較例1〜6)
表1に示した所定量のエチレン−酢酸ビニル共重合体(1)〜(4)、エチレン−1−オクテン共重合体、C9系石油樹脂、ロジンエステル、水添C9系石油樹脂、フィッシャートロプシュワックス、精製パラフィンワックス、低密度ポリエチレン及び酸化防止剤を160℃に保持した万能攪拌混練機( ダルトン社製 型式「2 5 A M 型」、攪拌具: フック) に供給して完全に加熱溶融させた後、回転数60rpmにて1時間に亘って攪拌混練してホットメルト接着剤を得た。
表1に示した所定量のエチレン−酢酸ビニル共重合体(1)〜(4)、エチレン−1−オクテン共重合体、C9系石油樹脂、ロジンエステル、水添C9系石油樹脂、フィッシャートロプシュワックス、精製パラフィンワックス、低密度ポリエチレン及び酸化防止剤を160℃に保持した万能攪拌混練機( ダルトン社製 型式「2 5 A M 型」、攪拌具: フック) に供給して完全に加熱溶融させた後、回転数60rpmにて1時間に亘って攪拌混練してホットメルト接着剤を得た。
得られたホットメルト接着剤について、140℃における溶融粘度、低温塗布性、接着性、耐熱クリープ性、加熱安定性及び耐ブロッキング性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。実施例1及び9で得られたホットメルト接着剤について、糸曳き防止性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(低温塗布性)
ホットメルト接着剤の溶融粘度をブルックフィールド社から商品名「B型粘度計デジタルレオメーターDVII(ローターNo27)」にて市販されているB型粘度計を用いて日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に準拠して温度140℃の条件下にて測定し、下記基準に基づいて評価した。
○:800mPa・s以上で且つ1500mPa・s未満であった。
△:500mPa・s以上で且つ800mPa・s未満であるか又は1500mPa・s
以上で且つ2000mPa・s未満であった。
×:500mPa・s未満であるか又は2000mPa・s以上であった。
△:500mPa・s以上で且つ800mPa・s未満であるか又は1500mPa・s
以上で且つ2000mPa・s未満であった。
×:500mPa・s未満であるか又は2000mPa・s以上であった。
(接着性)
ホットメルト接着剤の接着性を日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に準拠して測定した。具体的には、K−ライナー段ボール片を2枚用意した。一方のK−ライナー段ボール片の表面にホットメルト接着剤を140℃ 、塗布量3 g/mで塗布した。次に、上記K−ライナー段ボール片のホットメルト接着剤の塗布面上に、オープンタイム2 秒、セットタイム2秒、プレス圧7.8kPaの条件下にて他方のK−ライナー段ボール片を貼り合わせて試験体を作製した。
ホットメルト接着剤の接着性を日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に準拠して測定した。具体的には、K−ライナー段ボール片を2枚用意した。一方のK−ライナー段ボール片の表面にホットメルト接着剤を140℃ 、塗布量3 g/mで塗布した。次に、上記K−ライナー段ボール片のホットメルト接着剤の塗布面上に、オープンタイム2 秒、セットタイム2秒、プレス圧7.8kPaの条件下にて他方のK−ライナー段ボール片を貼り合わせて試験体を作製した。
次に、試験体を−20℃又は60℃に設定された恒温槽中に12時間に亘って放置した後、この雰囲気下にてK−ライナー段ボール片同士を手で引き剥がした。材破率を下記式に基づいて算出し、下記基準に基づいて評価した。
材破率(%)
=100×(引き剥がした後の段ボール片同士が接着状態を維持している総面積)
/(引き剥がし前の段ボール片同士の接着総面積)
〇:60%以上であった。
△:30%以上で且つ60%未満であった。
×:30%未満であった。
材破率(%)
=100×(引き剥がした後の段ボール片同士が接着状態を維持している総面積)
/(引き剥がし前の段ボール片同士の接着総面積)
〇:60%以上であった。
△:30%以上で且つ60%未満であった。
×:30%未満であった。
(耐熱クリープ性)
ホットメルト接着剤の耐熱クリープ性を日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に準拠して測定した。具体的には、K−ライナー段ボール片を2枚用意した。一方のK−ライナー段ボール片の表面にホットメルト接着剤を140℃ 、塗布量3 g/mで塗布した。次に、上記K−ライナー段ボール片のホットメルト接着剤の塗布面上に、オープンタイム2 秒、セットタイム2秒、プレス圧7.8kPaの条件下にて他方のK−ライナー段ボール片を貼り合わせて試験体を作製した。
ホットメルト接着剤の耐熱クリープ性を日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に準拠して測定した。具体的には、K−ライナー段ボール片を2枚用意した。一方のK−ライナー段ボール片の表面にホットメルト接着剤を140℃ 、塗布量3 g/mで塗布した。次に、上記K−ライナー段ボール片のホットメルト接着剤の塗布面上に、オープンタイム2 秒、セットタイム2秒、プレス圧7.8kPaの条件下にて他方のK−ライナー段ボール片を貼り合わせて試験体を作製した。
次に、試験体を60℃に設定された恒温槽中において、試験体のK−ライナー段ボール片同士の接着面が垂直方向となるように、試験体の一方のK−ライナー段ボール片の上端部を支持した。
しかる後、試験体の他方のK−ライナー段ボール片の下端部に錘を吊下げ、K−ライナー段ボール片同士の接着界面に垂直方向に600g/cm2の剪断応力を加えた。試験体のK−ライナー段ボール片同士が完全に剥離するまでに要した剥離時間を測定した。
上述の要領で試験体を3個用意し、試験体毎に上記剥離時間を測定し、剥離時間の相加平均値を算出し、下記基準に基づいて評価した。
◎・・・6時間以上であった。
○・・・3時間以上で且つ6時間未満であった。
×・・・3時間未満であった。
◎・・・6時間以上であった。
○・・・3時間以上で且つ6時間未満であった。
×・・・3時間未満であった。
(加熱安定性)
ホットメルト接着剤50gを内容器140cm3のガラス瓶に供給し、ガラス瓶の開口部をアルミホイルによって蓋をした。次に、ガラス瓶を140℃の熱風循環式恒温槽中に200時間に亘って保管した後、ガラス瓶を熱風循環式恒温槽から取り出した。
ホットメルト接着剤50gを内容器140cm3のガラス瓶に供給し、ガラス瓶の開口部をアルミホイルによって蓋をした。次に、ガラス瓶を140℃の熱風循環式恒温槽中に200時間に亘って保管した後、ガラス瓶を熱風循環式恒温槽から取り出した。
ガラス瓶の開口端にリング状の炭化物が付着しているか否かを目視観察した。更に、ガラス瓶内のホットメルト接着剤の表面に炭化物の皮膜が付着しているか否かを目視観察した。加熱安定性を下記基準に基づいて評価した。
○・・・リング状の炭化物及び炭化物の皮膜は何れも確認できなかった。
×・・・リング状の炭化物又は炭化物の皮膜の何れかが確認できた。
○・・・リング状の炭化物及び炭化物の皮膜は何れも確認できなかった。
×・・・リング状の炭化物又は炭化物の皮膜の何れかが確認できた。
(糸曳き防止性)
図1に示したように、ホットメルトガンのノズル1先端から水平方向に20cm離れた位置に被着体2をそのホットメルト接着剤の塗布面21が垂直となるように配設する。ホットメルトガンのノズル1と被着体2との間に、ホットメルト接着剤の落下物31を捕獲するための受け皿3を配設した。
図1に示したように、ホットメルトガンのノズル1先端から水平方向に20cm離れた位置に被着体2をそのホットメルト接着剤の塗布面21が垂直となるように配設する。ホットメルトガンのノズル1と被着体2との間に、ホットメルト接着剤の落下物31を捕獲するための受け皿3を配設した。
20℃の無風雰囲気下にて下記の条件で交流電源シーケンサーを用いてホットメルト接着剤を600ショット/10分の条件で10分間に亘って被着体2の塗布面21に間欠塗布した。ホットメルト接着剤の間欠塗布の間に受け皿に溜まった落下物31を目視観察し、下記基準に基づいて評価した。
ホットメルトガン:ノードソン社製 商品名「H−200ガン」(ノズル径:18/10
00インチ、ノズル:3オリフィスノズル)
吐出エアー圧:294kPa
タンク、ホース及びノズルの温度:140℃
00インチ、ノズル:3オリフィスノズル)
吐出エアー圧:294kPa
タンク、ホース及びノズルの温度:140℃
○・・・粒子状の落下物であった。
△・・・粒子状の落下物と糸状の落下物とが混在していた。
×・・・糸状の落下物であった。
△・・・粒子状の落下物と糸状の落下物とが混在していた。
×・・・糸状の落下物であった。
(耐ブロッキング性)
図2に示したように、内径が100mmで且つ高さが100mmの金属製の円筒体4を用意した。上記円筒体4を水平板8上に起立状態に配設した。次に、円筒体4内にホットメルト接着剤200gを供給し、円筒体4内に供給されたホットメルト接着剤5の集合体の上部ができるだけ平坦となるように調節した。
図2に示したように、内径が100mmで且つ高さが100mmの金属製の円筒体4を用意した。上記円筒体4を水平板8上に起立状態に配設した。次に、円筒体4内にホットメルト接着剤200gを供給し、円筒体4内に供給されたホットメルト接着剤5の集合体の上部ができるだけ平坦となるように調節した。
しかる後、ホットメルト接着剤上に、直径が100mmの平面円形状の金属板6を配設し、更に、金属板6上に5kgの錘7を載置した状態で、30℃の恒温層内に24時間に亘って放置した。
次に、図3に示したように、錘7及び金属板6を取り除いた上で、円筒体4をゆっくりと垂直方向に持ち上げた。円筒体4の内面に付着した状態のホットメルト接着剤の総質量W1を測定し、下記式に基づいて残存質量分率を算出し、下記基準に基づいて評価した。
残存質量分率(質量%)=100×W1/200
〇:50質量%未満であった。
△:50質量%以上で且つ70質量%未満であった。
×:70質量%以上であった。
残存質量分率(質量%)=100×W1/200
〇:50質量%未満であった。
△:50質量%以上で且つ70質量%未満であった。
×:70質量%以上であった。
Claims (5)
- メルトフローレイトが500g/10分以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部と、C9系石油樹脂50〜400質量部と、ワックス50〜100質量部とを含むことを特徴とするホットメルト接着剤。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体、C9系石油樹脂及びワックスの合計量100質量部に対して低密度ポリエチレン0.5〜10質量部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のホットメルト接着剤。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体中における酢酸ビニル単位の含有量が18〜35モル%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホットメルト接着剤。
- ワックスの融点が60〜120℃であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のホットメルト接着剤。
- ワックスが、フィッシャートロプシュワックスを含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のホットメルト接着剤。
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- 2014-10-03 JP JP2014205217A patent/JP2016074796A/ja active Pending
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