JP2014208577A - 光学素子及び光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子及び光学素子の製造方法 Download PDF

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淳 笹井
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Abstract

【課題】リン酸塩ガラスにより形成される光学素子において、水や湿気に強く、光学的特性の低下が抑制される光学素子を提供する。【解決手段】リン酸塩ガラス基板と、前記リン酸塩ガラス基板の全面に形成された透明膜とを有する光学素子であって、前記透明膜が、酸化物、窒化物、酸窒化物または炭化物のうちのいずれかを主成分として含有する透明材料膜を1以上有することを特徴とする光学素子を提供することにより上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子及び光学素子の製造方法に関する。
デジタルカメラ等の電子機器には、画像を撮像するためのCCD(charge‐coupled device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子が使用されている。これらの固体撮像素子は、近紫外域から波長が1200nm近傍の近赤外域において分光感度を有しているため、そのまま撮像した場合には、良好な色再現性のある画像を得ることができない。このため、固体撮像素子を使用する場合には、赤外光を吸収する特定の物質を含有する近赤外線カットフィルタと呼ばれる光学素子が、同時に使用されている。これにより、固体撮像素子に入射する光のうち、近赤外域の波長の光を選択的に吸収し、固体撮像素子への入射光を人の視感度に近似する補正がなされている。
このような、近赤外線カットフィルタとしては、例えば、CuO等を含有するリン酸塩ガラス基板により形成されているものが知られている。このような近赤外線カットフィルタの製造方法は、一例として、所望のガラス組成となるように原料を混合し、白金ルツボに収容して蓋をし、800℃〜1300℃の温度で溶融し、攪拌・清澄後、徐冷し、切断・研磨することにより平板状に形成するものがある。
特開平1−242439号公報 特開平4−139035号公報 特開2011−8076号公報
ところで、リン酸塩ガラスは、主成分であるPが吸湿性を持つために、水や湿気に弱く、これらによりヤケ等が生じやすい。よって、CuO等を含有するリン酸塩ガラス基板により形成される近赤外線カットフィルタである光学素子は、水や湿気により光学的な特性が低下する場合がある。
このため、リン酸塩ガラス基板により形成される光学素子において、水や湿気に強く、耐久性を高めることができ、光学的特性の低下が抑制される光学素子が求められている。
本実施の形態の一観点によれば、リン酸塩ガラス基板と、前記リン酸塩ガラス基板の全面に形成された透明膜とを有する光学素子であって、前記透明膜が、酸化物、窒化物、酸窒化物または炭化物のうちのいずれかを主成分として含有する透明材料膜を1以上有することを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、リン酸塩ガラス基板を形成する工程と、前記リン酸塩ガラス基板の全面に、原子層堆積により透明膜を成膜する工程と、を有し、前記透明膜は、酸化物、窒化物、酸窒化物または炭化物を含有する透明材料膜を1以上有することを特徴とする。
本発明により、リン酸塩ガラス基板を有する光学素子において、水や湿気に強く、耐湿性を高めることができ、光学的特性の低下を抑制することができる。
第1の実施の形態における光学素子の構造図 真空蒸着等の成膜方法により膜を成膜した光学素子の構造図 第1の実施の形態における光学素子の製造方法の説明図 第2の実施の形態における光学素子の説明図
発明を実施するための形態について、以下に説明する。なお、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
(光学素子)
第1の実施の形態における光学素子は、リン酸塩ガラス基板と、前記リン酸塩ガラス基板の全面に透明膜とを有する。また、前記透明膜が、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:以下、ALDと略す)により形成された酸化物、窒化物、酸窒化物または炭化物のうちのいずれかを主成分として含有する膜であることが好ましい。
(原子層堆積)
最初に、ALDについて説明する。ALDとは、成膜される材料の原料ガスを供給することにより、原子層ごとに成膜する成膜方法である。これにより、ALDでは、後述するように、リン酸塩ガラス基板の周囲全面、すなわち、表面、側面および裏面に成膜できる。さらに、略均一に成膜でき、ピンホールフリーの膜を成膜できる。そのため、以下に説明するとおり、リン酸塩ガラス基板の耐湿性を向上できる。
図1は、本実施の形態における光学素子であり、リン酸塩ガラス基板にALDにより透明膜を成膜した光学素子の構造を示す断面図である。また、図2は、リン酸塩ガラス基板に真空蒸着等により透明膜を成膜した光学素子の構造を示す断面図である。
図1に示されるように、本実施の形態における光学素子においては、リン酸塩ガラス基板10の全面に、透明膜20が成膜される。ALDでは、供給源30から供給された原料ガスが、リン酸塩ガラス基板10の側面や裏面に回り込むため、側面や裏面にも成膜でき、リン酸塩ガラス基板10の全面を成膜することができる。これにより、水分等の侵入を低減できる。
これに対し、図2に示されるように、リン酸塩ガラス基板910に真空蒸着等により透明膜920を成膜した光学素子では、供給源930から供給された蒸着粒子は、リン酸塩ガラス基板910の側面には、僅かに回り込むものの、裏面には殆ど回り込むことができないため、透明膜920は、リン酸塩ガラス基板910の裏面及び側面には殆ど成膜されず、主にリン酸塩ガラス基板910の表面に成膜される。
また、ALDは、原子層ごとに成膜できるため略均一に成膜でき、ピンホールの形成を抑制できる。これにより、ピンホールからリン酸塩ガラス基板10への水分等の侵入を防ぐことができ、光学的な特性の低下を抑制することができる。
これに対し、真空蒸着等により成膜された膜においてはピンホールが形成されやすく、水分等がピンホールより侵入し、リン酸塩ガラスにおいてヤケが生じ、光学的な特性を低下させるおそれがある。
(透明膜20)
本願明細書において、透明膜とは、膜のみの可視光領域における透過率が80%以上である膜をいう。前記した透過率は、例えば、成膜していないガラスの透過率と、成膜後のガラスの透過率との差分から算出できる。
本実施の形態において、透明膜20は、透明材料膜を1以上有し、前記した光学特性を示す。透明材料膜は、酸化物、窒化物、酸窒化物または炭化物のうちいずれかを主成分として含有する。本願明細書において、主成分とは、80質量%以上で含有する成分をいう。すなわち、本実施の形態においては、酸化物、窒化物、酸窒化物または炭化物のうちいずれかの合量は、透明膜20の質量100%に対して80%以上である。
前記透明材料膜は、酸化物、窒化物、酸窒化物または炭化物のうちいずれかからなることが好ましい。なお、本願明細書において、「からなる」場合とは、不可避不純物の混入を避けるものではない。
前記酸化物としては、Al、TiO、ZrO、Y、SiOまたはHfO等が挙げられる。前記窒化物としては、AlNまたはSi等が挙げられる。前記酸窒化物としては、SiON、AlON、またはTiON等が挙げられる。前記炭化物としては、SiC等があげられる。
ALDによる成膜の容易性の観点から、前記透明材料膜は、酸化物、窒化物または酸窒化物のいずれかを主成分として含有することが好ましい。また、前記透明材料膜は、Al、TiO、ZrO、SiO、AlN、Si、TiONまたはAlONのうちのいずれかを主成分として含有することがより好ましい。さらに、前記透明材料膜は、Al、TiO、ZrO、SiO、AlN、Si、TiONまたはAlONのうちのいずれかからなることが特に好ましい。
本実施の形態において、透明膜20の厚さは、0.1〜250nmであることが好ましい。透明膜20は、基板上に原子層が少なくとも1層以上形成されていないと、本実施の形態の効果を得ることができない。また、膜を厚く形成した場合には、光学的な特性に影響を与えるおそれがある。また、透明膜20の厚さの下限は、0.5nmがより好ましく、1nmがさらに好ましい。透明膜20の厚さの上限は、225nmがより好ましく、200nmがさらに好ましい。
本実施の形態において、透明膜20が透明材料膜を2以上有してなる場合、隣接する透明材料膜は、互いに含有する材料が異なるものであることが好ましい。このような構成にすることにより、ピンホールの発生をさらに抑制して成膜することができる。なお、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
図4に基づき、透明膜20が透明材料膜を2以上有してなる光学素子について説明する。この場合、透明材料膜の膜数は特に限定されない。透明材料膜は、2種類の材料を使用することが好ましく、第1の透明材料膜21と第2の透明材料膜22とを交互に積層形成することにより形成されていることがより好ましい。
第1の透明材料膜21と第2の透明材料膜22の積層数は、交互にそれぞれ少なくとも1層形成、すなわち、合計で2層形成されていればよく、交互にそれぞれ5層以上が好ましく、合計で10層以上がより好ましい。なお、図4においては、積層される第1の透明材料膜21および第2の透明材料膜22は、一部省略されている。
透明膜20が多層膜である場合、第1の透明材料膜21および第2の透明材料膜22は、それぞれAl、TiO、ZrO、SiOおよびAlNからなる群から選ばれるいずれかであることが好ましい。第1の透明材料膜21および第2の透明材料膜22は、それぞれAlおよびTiOがより好ましい。
(リン酸塩ガラス基板)
次に、リン酸塩ガラス基板10について説明する。リン酸塩ガラス基板は、リン酸を主成分としたリン酸塩ガラスからなる基板である。リン酸塩ガラス基板は板厚が0.1〜4mmであることが好ましい。また、光学素子は可視光透過率が高いことが求められており、リン酸塩ガラス基板は、400〜600nmにおける平均透過率が60%以上であることが好ましい。
本実施の形態における光学素子においては、CuOを含有するリン酸塩ガラスからなるリン酸塩ガラス基板の使用が好ましい。このように、CuOを含有することにより、リン酸塩ガラス基板10は近赤外線カットフィルタの機能を発揮できる。リン酸塩ガラス中で、CuOの含有量は、酸化物基準で、1〜15重量%がより好ましい。
リン酸塩ガラス基板は、酸化物基準で、P 45〜85質量%、CuO 1〜15質量%、ZnO 0〜10質量%、KO 0〜10質量%、NaO 0〜10質量%、LiO 0〜10質量%、Al 1〜25質量%、B 0〜15質量%、BaO 0〜10質量%、CaO 0〜5質量%、MgO 0~15質量%含有し、SiO、ZrO、Sb、SrO、La、WO、およびNbからなる群から選ばれる1以上を0〜2質量%含有するガラスからなる基板がより好ましい。
また、リン酸塩ガラス基板は、酸化物基準で、P 36〜48質量%、CuO 1〜15質量%、B 4〜11質量%、LiO 3〜5質量%、BaO 15〜38質量%、CaO 2〜9質量%、MgO 0〜7質量%、SrO 0〜8質量%、Al 2〜4質量%含有し、ZnO、La、およびGdからなる群から選ばれる1以上を0〜4質量%含有するガラスからなる基板がより好ましい。
(光学素子の製造方法)
次に、本実施の形態における光学素子の製造方法について図3に基づき説明する。本実施の形態における光学素子は、最初に、ステップ102(S102)に示すように、CuOを含有するリン酸塩ガラスをダイシング等により切断することにより、リン酸塩ガラス基板10を形成する。次に、ステップ104(S104)に示すように、形成されたリン酸塩ガラス基板10の表面、側面および裏面に、ALDにより透明膜20を成膜する。
(透明膜20の成膜方法)
次に、透明膜20の成膜方法について説明する。本実施の形態において、一例として、透明膜20として、原子層堆積によりAlからなる透明材料膜を成膜する場合について説明する。
Alからなる透明材料膜の成膜は、リン酸塩ガラス基板10をALD装置のチャンバー内に設置して、真空排気し、所定の真空度に到達した後、原料ガスを供給することにより行われる。この際、リン酸塩ガラス基板10は所定の温度、例えば、200℃に加熱されている。なお、リン酸塩ガラスは、ガラス転位点が低いため、透明膜20を成膜する際の温度は、できるだけ低温であることが好ましい。例えば、リン酸塩ガラス基板10に、透明材料膜を成膜する際の基板温度は、300℃以下であることが好ましい。
本実施の形態においては、透明材料膜としてAlを成膜する際には、TMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH)とHOとを交互に供給することにより成膜する。
透明材料膜としてTiOを成膜する際には、例えば、リン酸塩ガラス基板10を約200℃に加熱し、TEMAT(テトラキスエチルメチルアミドチタニウム(IV)、Ti[N(C)(CH)]とHOとを交互に供給することにより成膜する。
多層膜である場合、第1の透明材料膜21となるAlを成膜する際には、TMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH)とHOとを交互に供給することにより成膜する。第2の透明材料膜22となるTiOを成膜する際には、例えば、リン酸塩ガラス基板10を約200℃に加熱し、TEMAT(テトラキスエチルメチルアミドチタニウム(IV)、Ti[N(C)(CH)])とHOとを交互に供給することにより成膜する。
次に、本実施の形態における実施例について説明する。例1〜4が本発明の実施例であり、例5が比較例である。
(例1)
リン酸塩ガラス基板として、P 60質量%、CuO 6質量%、Al 15質量%を含み、板厚が0.55mmの基板を使用した。
例1における光学素子は、該リン酸塩ガラス基板の全面に、Alを主成分として含有する透明材料膜を有する光学素子を作製した。
手順は、リン酸塩ガラス基板をALD装置のチャンバー内に設置した。チャンバー内を真空排気し、所定の真空度とした。その後、TMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH)とHOとを交互に供給して、リン酸塩ガラス基板の全面にAlを主成分として含有する透明材料膜を成膜した。この際、リン酸塩ガラス基板を200℃に加熱して行った。成膜された透明材料膜の膜厚は25nmであった。
(例2)
例2における光学素子は、例1において、成膜時間を増やす以外は同様にして、リン酸塩ガラス基板の全面にAlを主成分として含有する透明材料膜を成膜して光学素子を作製した。成膜された透明材料膜の膜厚は196nmであった。
(例3)
例3における光学素子は、例1と同じリン酸塩ガラス基板に、下記の手順でALD法によりAlを主成分として含有する透明材料膜とTiOを主成分として含有する透明材料膜の交互膜を有する光学素子を作製した。
手順は、リン酸塩ガラス基板をALD装置のチャンバー内に設置し、90℃に加熱した。チャンバー内を真空排気し、所定の真空度とした。その後、TMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH)とHOとを交互に供給して、リン酸塩ガラス基板の全面にAlを主成分として含有する透明材料膜を形成する。その後、TEMAT(テトラキスエチルメチルアミドチタニウム(IV)、Ti[N(C)(CH)])とHOとを交互に供給して、TiOを主成分として含有する透明材料膜を形成する。これを繰り返して、総厚みが19nmとなる透明材料膜の交互膜を得た。
(例4)
例4における光学素子は、例3において、交互に成膜する回数を増やす以外は同様にして、リン酸塩ガラス基板の全面にAlを主成分として含有する透明材料膜とTiOを主成分として含有する透明材料膜の交互膜であって、総厚みが96nmとなる交互膜を有する光学素子を作製した。
(例5)
例5における光学素子は、例1〜例4において、ALD法でAlおよびTiOを成膜することなく、リン酸塩ガラス自体を光学素子とした。
(評価1)
例1〜例5における光学素子を温度65℃湿度93%の試験槽に1000時間投入して、その前後の状態を確認した。結果を表1に示す。評価1では、透過率の変化が1%以下を◎、1%超で25%以下を○、25%超を×とした。
(評価2)
例1〜例5における光学素子を温度85℃湿度83%の試験槽に1000時間投入して、その前後の状態を確認した。結果を表1に示す。評価2では、透過率の変化が10%以下を◎、10%超で50%以下を○、50%超を×とした。
Figure 2014208577
(結果1)
例1および例3のリン酸塩ガラス基板に透明材料膜が成膜された光学素子は、リン酸塩ガラス基板の周辺部が白濁しており、それぞれ透過率が相対的に24%、2%低下した。例2のリン酸塩ガラス基板に透明材料膜が成膜された光学素子は白濁が発生せず、透過率の変化はなかった。例4のリン酸塩ガラス基板に透明材料膜が成膜された光学素子は白濁が発生せず、透過率が相対的に9%向上した。例4のリン酸塩ガラス基板に透明材料膜が成膜された光学素子では、表面に形成されたAlを主成分として含有する透明材料膜とTiOを主成分として含有する透明材料膜の交互膜の屈折率が、高温高湿下で湿変化して、反射および透過率が変化したためと考えられる。
例5のリン酸塩ガラス基板は、ガラス全面で白濁しており、透過率が相対的に30%低下した。該白濁はリン酸塩ガラス基板に含まれるアルカリ成分が水に溶けだしたものと考えられる。
以上から、リン酸塩ガラス基板の全面に透明材料膜を形成することで、耐湿性が向上することが分る。
(結果2)
例1および例3、例4のリン酸塩ガラス基板に透明材料膜が成膜された光学素子は、リン酸塩ガラス基板の中央部を除いて白濁しており、それぞれ透過率が相対的に33%、14%、26%低下した。
例2のリン酸塩ガラス基板に透明材料膜が成膜された光学素子は白濁せず、透過率は相対的に2%低下した。
例5のリン酸塩ガラス基板は、ガラス全面で白濁しており、透過率が相対的に54%低下した。
以上から、リン酸塩ガラス基板の全面に透明材料膜を形成することで、耐湿性が向上することが分る。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
10 リン酸塩ガラス基板
20 透明膜
30 供給源
21 第1の透明材料膜
22 第2の透明材料膜

Claims (11)

  1. リン酸塩ガラス基板と、前記リン酸塩ガラス基板の全面に形成された透明膜とを有する光学素子であって、
    前記透明膜が、酸化物、窒化物、酸窒化物または炭化物のうちのいずれかを主成分として含有する透明材料膜を1以上有することを特徴とする光学素子。
  2. 前記透明膜が、原子層堆積により形成された酸化物、窒化物、酸窒化物または炭化物のうちのいずれかを主成分として含有する透明材料膜である請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記透明材料膜は、Al、TiO、ZrO、SiO、AlN、Si、TiONまたはAlONのうちいずれかを主成分として含有する請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記リン酸塩ガラス基板は、CuOを含有するリン酸塩ガラスからなる基板である請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子。
  5. 前記リン酸塩ガラス基板は、酸化物基準で、P 45〜85質量%、CuO 1〜15質量%、ZnO 0〜10質量%、KO 0〜10質量%、NaO 0〜10質量%、LiO 0〜10質量%、Al 1〜25質量%、B0〜15質量%、BaO 0〜10質量%、CaO 0〜5質量%、MgO 0~15質量%含有し、SiO、ZrO、Sb、SrO、La、WO、およびNbからなる群から選ばれる1以上を0〜2質量%含有するリン酸塩ガラスからなる基板である請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子。
  6. 前記リン酸塩ガラス基板は、酸化物基準で、P 36〜48質量%、CuO 1〜15質量%、B 4〜11質量%、LiO 3〜5質量%、BaO 15〜38質量%、CaO 2〜9質量%、MgO 0〜7質量%、SrO 0〜8質量%、Al 2〜4質量%、ZnO、La、およびGdからなる群から選ばれる1以上を0〜4質量%含有するリン酸塩ガラスからなる基板である請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子。
  7. 前記透明膜は、第1の透明材料膜と、第1の透明材料膜とは異なる材料により形成されている第2の透明材料膜とを有する請求項1〜6のいずれかに記載の光学素子。
  8. リン酸塩ガラス基板を形成する工程と、
    前記リン酸塩ガラス基板の全面に、原子層堆積により透明膜を成膜する工程と、
    を有し、
    前記透明膜は、酸化物、窒化物、酸窒化物または炭化物のうちいずれかを主成分として含有する透明材料膜を1以上有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  9. 前記リン酸塩ガラス基板が、CuOを含有するリン酸塩ガラスからなる基板である請求項8に記載の光学素子の製造方法。
  10. 前記透明膜を成膜する工程は、前記リン酸塩ガラス基板の温度を250℃以下とし、TMA(トリメチルアルミニウム)とHOとを交互に供給することにより前記透明膜を成膜するものである請求項8または9に記載の光学素子の製造方法。
  11. 前記透明膜を成膜する工程は、前記リン酸塩ガラス基板の温度を250℃以下とし、TMAとHOとを交互に供給することにより第1の透明材料膜を形成する工程と、TEMAT(テトラキスエチルメチルアミドチタニウム(IV))とHOとを交互に供給することにより第2の透明材料膜を形成する工程と、を交互に行うことより、前記透明膜を成膜するものであること請求項8または9に記載の光学素子の製造方法。
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