JP6992494B2 - 近赤外線カットフィルタガラス及び近赤外線カットフィルタ - Google Patents

近赤外線カットフィルタガラス及び近赤外線カットフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP6992494B2
JP6992494B2 JP2017247493A JP2017247493A JP6992494B2 JP 6992494 B2 JP6992494 B2 JP 6992494B2 JP 2017247493 A JP2017247493 A JP 2017247493A JP 2017247493 A JP2017247493 A JP 2017247493A JP 6992494 B2 JP6992494 B2 JP 6992494B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
cut filter
infrared cut
cation
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017247493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018106171A (ja
Inventor
明 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Publication of JP2018106171A publication Critical patent/JP2018106171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6992494B2 publication Critical patent/JP6992494B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

本発明は、デジタルスチルカメラやカラービデオカメラなどの色補正フィルタに使用され、特に可視域の光の透過性に優れた近赤外線カットフィルタガラス及びそれを用いた近赤外線カットフィルタに関する。
デジタルスチルカメラ等に使用されるCCDやCMOSなどの固体撮像素子は、可視領域から1200nm付近の近赤外領域にわたる分光感度を有している。したがって、そのままでは良好な色再現性を得ることができないので、赤外線を吸収する特定の物質が添加された近赤外線カットフィルタガラスを用いて視感度を補正している。この近赤外線カットフィルタガラスは、近赤外域の波長を選択的に吸収し、かつ高い耐候性を有するように、フツリン酸塩系ガラスにCuOを添加した光学ガラスが開発され使用されている。これらガラスとしては、特許文献1~特許文献4に組成が開示されている。
特開平1-219037号公報 特開2004-83290号公報 特開2004-137100号公報 国際公開第2015/156163号
固体撮像素子を用いたカメラ等は、小型化・薄型化が進展している。それに伴い撮像デバイス及びその搭載機器も同様に小型化・薄型化が求められている。フツリン酸塩系ガラスにCuOを添加した近赤外線カットフィルタガラスを薄板化する場合、光学特性に影響を与えるCu成分の濃度を高める必要がある。しかしながら、ガラス中のCu成分の濃度を高めると、近赤外線側の光学特性は所望となるものの、可視域の光の透過率が低下してしまうという問題があった。
本発明は、ガラスの薄板化に伴いガラス中のCu成分の濃度が高くなっても、失透しづらく、且つ所望の光学特性を得ることができる近赤外線カットフィルタガラス及びそれを用いた近赤外線カットフィルタの提供を目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、フツリン酸ガラスにおいてMgを実質的に含有せず、Ba、Ca、Srの含有比率を所定範囲とすることで、失透しづらく且つ可視域の透過率が高い近赤外線カットフィルタガラスが得られることを見出した。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、P、F、O、Cuを必須成分として含有し、Mgを実質的に含有せず、カチオン%におけるBa2+の含有量/ΣR2+(ΣR2+はBa2+、Sr2+、Ca2+の合計量をいう)が0.05~0.2である。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、カチオン%におけるCa2+の含有量/ΣR2+が0.35~0.7、Sr2+の含有量/ΣR2+が0.2~0.45が好ましい。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、カチオン%でP5+を20~50%、Al3+を5~20%、ΣR´(ΣR´はLi、Na、Kの少なくとも1種以上の合量である)を15~35%、Ca2+を3~15%、Sr2+を3~10%、Ba2+を0.1~10%、Cu2+を0.5~25%、アニオン%でFを10~40%、O2-を60~90%、を含有することが好ましい。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、カチオン%でLiを0.1~35%を含有することが好ましい。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、カチオン%でNaを0.1~35%を含有することが好ましい。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、カチオン%でKを0.1~35%を含有することが好ましい。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、カチオン%でZn2+ 1~25%を含有することが好ましい。
本発明の近赤外線カットフィルタは、本発明の近赤外線カットフィルタガラスと、該近赤外線カットフィルタガラスの少なくとも1面に設けられた光学多層膜と、を有し、前記近赤外線カットフィルタガラスと前記光学多層膜の間に密着強化膜を有することが好ましい。
本発明の近赤外線カットフィルタは、前記密着強化膜がフッ素及び/又は酸素を含むことが好ましい。
本発明の近赤外線カットフィルタは、前記密着強化膜がフッ化マグネシウム及び/又は酸化チタンを含むことが好ましい。
本発明の近赤外線カットフィルタは、前記光学多層膜がIRカット膜、UV/IRカット膜、UVカット膜、反射防止膜、及びこれらの組合せから選ばれることが好ましい。
本発明によれば、失透しづらいことにより、低温溶融が可能で、且つ可視域の光の透過率が高い近赤外線カットフィルタガラス及びそれを用いた近赤外線カットフィルタを得ることができる。また、本発明によればガラスの強度も高いので、薄板化もしやすくなる。
本発明の実施例及び比較例における透過率のグラフを示す。
本発明の近赤外線カットフィルタガラス(以下、単に「ガラス」ともいう。)は、P、F、O、Cuを必須成分として含有し、Mgを実質的に含有せず、カチオン%におけるBa2+の含有量/ΣR2+(ΣR2+はBa2+、Sr2+、Ca2+の合計量をいう)が0.05~0.2である。
本明細書において、「カチオン%」および「アニオン%」とは、以下のとおりの単位である。まず、ガラスの構成成分をカチオン成分とアニオン成分とに分ける。そして、「カチオン%」とは、ガラス中に含まれる全カチオン成分の合計含有量を100モル%としたときに、各カチオン成分の含有量をモル百分率で表記した単位である。「アニオン%」とは、ガラス中に含まれる全アニオン成分の合計含有量を100モル%としたときに、各アニオン成分の含有量をモル百分率で表記した単位である。
本発明のガラスは、P、F、O、Cuを必須成分とする、銅含有フツリン酸ガラスである。Pを主成分とするガラスであれば、近赤外領域のカット性を高める効果を有する。また、Fを含有することで耐候性を向上させることができる。さらに、近赤外カット性をもたせるためにCuを含有する。Cuはガラスを青色に呈色させ、赤外線を吸収することができる。
また、本発明のガラスはMgを実質的に含有しないことが好ましい。Mgは、ガラスの強度を高めるなどのための成分である。しかし、Mgはガラスを不安定にし、失透性を悪化させる傾向があり、含有しないことが好ましい。ここで、「実質的に含有しない」とは、原料として意図して用いないことを意味しており、近赤外線カットフィルタガラス中のMgの含有量が0.1%以下を意味する。
また、本発明のガラスはカチオン%におけるBa2+の含有量/ΣR2+(ΣR2+はBa2+、Sr2+、Ca2+の合計量をいう)を0.05~0.2とする。0.05未満では耐候性が悪化するおそれがある。好ましくは0.07以上、より好ましくは0.09以上である。また、0.2超では強度が低下する等のおそれがある。好ましくは0.18以下、より好ましくは0.16以下である。
また、本発明のガラスはカチオン%におけるCa2+の含有量/ΣR2+(ΣR2+はBa2+、Sr2+、Ca2+の合計量をいう)を0.35~0.7とする。0.35未満では耐候性が悪化するおそれがある。好ましくは0.37以上、より好ましくは0.39以上である。また、0.7超では強度が低下する等のおそれがある。好ましくは0.68以下、より好ましくは0.65以下である。
また、本発明のガラスはカチオン%におけるSr2+の含有量/ΣR2+(ΣR2+はBa2+、Sr2+、Ca2+の合計量をいう)を0.2~0.45とする。0.2未満では耐候性が悪化するおそれがある。好ましくは0.23以上、より好ましくは0.25以上である。また、0.45超では強度が低下する等のおそれがある。好ましくは0.44以下、より好ましくは0.435以下である。
本発明のガラスを構成する各成分の含有量(カチオン%、アニオン%表示)を限定した理由を以下に説明する。以下の説明において、本発明のガラスの含有成分の含有量「%」は、特に断りのない限りカチオン成分についてはカチオン%であり、アニオン成分についてはアニオン%である。
(カチオン成分)
5+は、ガラスを形成する主成分(ガラス形成酸化物)であり、近赤外領域のカット性を高めるための必須成分であるが、20%未満ではその効果が十分得られず、50%を超えるとガラスが不安定になり、耐候性が低下するため好ましくない。P5+の含有量は、好ましくは22~48%、より好ましくは25~46%、さらに好ましくは30~44%である。
Al3+は、ガラスを形成する主成分(ガラス形成酸化物)であり、耐候性を高めるなどのための成分であるが、5%未満ではその効果が十分得られず、20%を超えるとガラスが不安定になり、また近赤外線カット性が低下するため好ましくない。Al3+の含有量は、好ましくは6~18%、より好ましくは6.5~15%、さらに好ましくは7~13%である。
Li、Na及びKは、これらのうち少なくとも1種以上を含有することが好ましく、溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。ΣR´(ΣR´はLi、Na、Kの合計量である)は、15%未満ではその効果が十分に得られず、35%を超えると、ガラスが不安定になるため好ましくない。ΣR´の含有量は、好ましくは、18~33%、より好ましくは19~31%、さらに好ましくは20~30%である。
Liは、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。Liを含有する場合、0.1%未満ではその効果が十分得られず、35%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。Liの含有量は、好ましくは、1~33%、より好ましくは、3~31%、さらに好ましくは5~30%である。
Naは、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。Naを含有する場合、0.1%未満ではその効果が十分得られず、35%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。Naの含有量は、好ましくは1~33%、より好ましくは3~31%、さらに好ましくは5~30%である。
は、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、などのための成分である。Kを含有する場合、0.1%未満ではその効果が十分得られず、35%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。Kの含有量は、好ましくは1~33%、より好ましくは3~31%、さらに好ましくは5~30%である。
Ca2+は、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させる、ガラスの強度を高めるなどのための成分である。Ca2+を含有する場合、3%未満ではその効果が十分得られず、15%を超えるとガラスが不安定となり失透性が悪化するため好ましくない。Ca2+の含有量は、好ましくは4~13%、より好ましくは5~12%である。
Sr2+は、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。Sr2+を含有する場合、3%未満ではその効果が十分得られず、10%を超えるとガラスが不安定となり失透性が悪化する、ガラスの強度が低下するため好ましくない。Sr2+の含有量は、好ましくは3.5~9%、より好ましくは4~8.5%である。
Ba2+は、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための必須成分である。Ba2+を含有する場合、0.1%未満ではその効果が十分得られず、10%を超えるとガラスが不安定となり失透性が悪化する、ガラスの強度が低下するため好ましくない。Ba2+の含有量は、好ましくは0.5~8%、より好ましくは1~7%である。
Zn2+は、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスの化学的耐久性を高めるなどの効果がある。Zn2+を含有する場合、1%未満ではその効果が十分得られず、30%を超えるとガラスが不安定となり失透性が悪化する、ガラスの溶解性が悪化するため好ましくない。Zn2+の含有量は、好ましくは1~25%、より好ましくは1~20%である。
Cu2+は、近赤外線カットのための必須成分であり、含有量は0.5%以上25%未満が好ましい。該含有量が0.5%未満であるとガラスの肉厚を薄くした際にその効果が十分に得られず、25%以上であると可視域透過率が低下するため好ましくない。Cu2+の含有量は、好ましくは0.7~24%、より好ましくは0.9~23%、さらに好ましくは1.0~22%である。
本発明のガラスは、任意のカチオン成分としてSb3+を0~1%含有してもよい。Sb3+は、必須成分ではないものの、可視域透過率を高める効果がある。Sb3+を含有する場合、1%を超えるとガラスの安定性が低下するため好ましくない。Sb3+の含有量は、好ましくは0.01~0.8%、より好ましくは0.05~0.5%、さらに好ましくは、0.1~0.3%である。
本発明のガラスは、さらに任意のカチオン成分として、S、Si、B等のフツリン酸ガラスが通常含有するその他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で含有できる。これらの成分の含有量は合計で5%以下が好ましい。
(アニオン成分)
2-は、ガラスを安定化させるため、可視域透過率を高めるため、強度や硬度や弾性率といった機械的特性を高めるため、紫外線透過率を低下させるための必須成分であり、含有量は60~90%が好ましい。O2-の含有量が、60%未満であるとその効果が十分得られず、90%を超えるとガラスが不安定となるため、耐候性が低下するため好ましくない。O2-の含有量は、より好ましくは65~88%、さらに好ましくは70~86%である。
は、ガラスを安定化させるため、耐候性を向上させるための必須成分であるが、10%未満であるとその効果が十分得られず、40%を超えると強度や硬度や弾性率といった機械的特性が低下する、揮発性が高くなり脈理が増加する、などのおそれがあるため好ましくない。Fの含有量は、好ましくは11~35%、より好ましくは13~30%である。
本発明のガラスは、さらに任意のアニオン成分として、Cl、Br、I等のフツリン酸ガラスが通常含有するその他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で含有できる。これらの成分の含有量は合計で5%以下が好ましい。
次いで、本発明の上記各成分以外の任意成分であるその他成分の含有量について説明する。なお、本明細書において、実質的に含有しない、とは、原料として意図して用いないことを意味しており、原料成分や製造工程から混入する不可避不純物については含有していないとみなす。
本発明のガラスは、PbO、As、V、YbF、及びGdFのいずれも実質的に含有しないことが好ましい。PbOは、ガラスの粘度を下げ、製造作業性を向上させる成分である。また、Asは、幅広い温度域で清澄ガスを発生できる優れた清澄剤として作用する成分である。しかし、PbO及びAsは、環境負荷物質であるため、できるだけ含有しないことが望ましい。Vは、可視領域に吸収をもつため、可視域透過率が高いことが要求される固体撮像素子用近赤外線カットフィルタガラスにおいては、できるだけ含有しないことが望ましい。YbF、GdFは、ガラスを安定化させる成分であるものの、原料が比較的高価であり、コストアップにつながるので、できるだけ含有しないことが望ましい。これらの成分について、「実質的に含有しない」とは、原料として意図して用いないことを意味しており、近赤外線カットフィルタガラス中の各成分の含有量がそれぞれ0.1%以下を意味する。
本発明のガラスは、ガラスを形成する陽イオンをもった硝酸塩化合物や硫酸塩化合物を、酸化剤あるいは清澄剤として添加することができる。酸化剤は、ガラス中のCu全量におけるCu2+イオンの割合を増加させることで可視透過率の向上、および近赤外線のカット性を向上させる効果がある。硝酸塩化合物や硫酸塩化合物の添加量は、原料混合物に対し外割添加で0.5~10質量%が好ましい。添加量が0.5質量%未満では透過率改善の効果が出にくく、10質量%を超えるとガラスの形成が困難になりやすい。より好ましくは1~8質量%であり、一層好ましくは3~6質量%である。
硝酸塩化合物としては、Al(NO、LiNO、NaNO、KNO、Ca(NO、Sr(NO、Ba(NO、Zn(NO、Cu(NO等がある。硫酸塩化合物としては、Al(SO・16HO、LiSO、NaSO、KSO、CaSO、SrSO、BaSO、ZnSO、CuSO等がある。
本発明のガラスは、ビッカース硬度が430Hv以上であることが好ましい。ビッカース硬度が430Hv未満では、薄板化した場合に割れやすくなる、研磨工程で傷が発生しやすくなる等の問題が生じるため、光学機器に本ガラスを使用する場合、破損するおそれがある。好ましくは435Hv以上である。
また、本発明のガラスは、肉厚0.1~0.3mmにした場合の、波長450~600nmの光の平均透過率が80%以上であることが好ましい。80%以上にすることで、可視域の光を十分に透過することができ、撮像装置に用いた際に明瞭な画像を表示することが可能となる。
また、本発明のガラスは肉厚0.1~0.3mmにした場合、透過率50%となる波長が600~650nmであることが好ましい。このような条件とすることで、薄型が要求されるセンサーにおいて所望の光学特性を実現することが可能となる。さらに、肉厚0.03~0.3mmにした場合、波長450nmの光の透過率が80%とすることで、より優れた光学特性を有した近赤外線カットフィルタとなる。
透過率の値は、肉厚0.1~0.3mmの場合の値となるように換算を行った。透過率の換算は、以下の式1を用いて行った。なお、Ti1は、測定サンプルの内部透過率(表裏面の反射ロスを除いたデータ)、tは、測定サンプルの肉厚(mm)、Ti2は、換算値の透過率、tは、換算する肉厚(本発明の場合0.1~0.3mm)を指す。
Figure 0006992494000001
なお、本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、撮像デバイスやその搭載機器の小型化・薄型化に対応するため、ガラスの肉厚が薄い状態であっても良好な分光特性が得られる。ガラスの肉厚としては、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.8mm以下、さらに好ましくは0.6mm以下、最も好ましくは0.4mm以下である。またガラスの肉厚の下限値は特に限定はされないが、ガラス製造時や撮像装置に組み込む際の搬送において破損しがたい強度を考慮すると、好ましくは0.03mm以上、より好ましくは0.05mm以上、さらに好ましくは0.07mm以上、最も好ましくは0.1mm以上である。
本発明のガラスは、所定の形状に成形された後、ガラスの少なくとも一面に光学多層膜を設けて、近赤外線カットフィルタとしてもよい。光学多層膜としては、IRカット膜、UV/IRカット膜(紫外線及び近赤外線を反射する膜)、UVカット膜、反射防止膜などがあげられる。これらの光学薄膜は、蒸着法やスパッタリング法などの公知の方法により形成することができる。
前記ガラスと光学多層膜の間に密着強化膜を設けてもよい。密着強化膜を設けることで、ガラスと光学多層膜の密着性が向上し、膜剥がれを抑制することが可能となる。密着強化膜としては、例えば、酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、ランタンチタン酸塩(LaTi)、酸化アルミニウム(Al)、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウム(ZrO)との混合物、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化ストロンチウム(SrF)、フッ素シリコーン等があげられる。フッ素又は酸素を含む物質であればより密着性が高く、特にフッ化マグネシウム及び/又は酸化チタンはガラスや膜との密着性が高くなるため、密着強化膜として好ましい。密着強化膜は、単層でもよく、2層以上でもよい。2層以上の場合、複数の物質を組み合わせてもよい。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、次のようにして作製することができる。まず得られるガラスが上記組成範囲になるように原料を秤量、混合する(混合工程)。この原料混合物を白金ルツボに収容し、電気炉内において700~950℃の温度で加熱溶解する(溶解工程)。十分に撹拌・清澄した後、金型内に鋳込み、切断・研磨して所定の肉厚の平板状に成形する(成形工程)。
上記製造方法の溶解工程において、ガラス溶解中のガラスの最も高い温度を950℃以下にすることが好ましい。ガラス溶解中のガラスの最も高い温度が上記温度を超えると、透過率特性が悪化する、及びフッ素の揮散が促進されガラスが不安定になるためである。上記温度は、より好ましくは930℃以下、さらに好ましくは900℃以下、より一層好ましくは880℃以下である。
また、上記溶解工程における温度は低くなりすぎると、溶解中に失透が発生する、溶け落ちに時間がかかるなどの問題が生じるため、好ましくは700℃以上、より好ましくは750℃以上である。
本発明の実施例と比較例とを表1、表2に示す。例1~5、例9~14は本発明の実施例であり、例6~8は本発明の比較例である。
[ガラスの作製]
これらガラスは、溶融成形後のガラス成分が表1、表2に示す組成(カチオン%、アニオン%)となるよう原料を秤量・混合し、内容積約1Lの白金ルツボ内に入れて、800~950℃の温度で2時間溶融、清澄、撹拌後、およそ50~500℃に予熱した縦50mm×横50mm×高さ20mmの長方形のモールドに鋳込み後、約1℃/分で徐冷してサンプルとした。次いで、表裏面を光学研磨し、表1、表2記載の板厚のガラスを得た。
なお、各ガラスの原料は、P5+の場合はHPO及びAl(POから選ばれる1種を、Al3+の場合はAlF、Al(PO及びAlから選ばれる1種を、Liの場合はLiF、LiNO、LiCO及びLiPOから選ばれる1種を、Sr2+の場合はSrF、SrCO及びSr(POから選ばれる1種を、Ba2+の場合はBaF、BaCO及びBa(POから選ばれる1種を、NaはNaCl、NaBr、NaI、NaF及びNa(PO)から選ばれる1種を、K、Ca2+の場合はフッ化物、炭酸塩及びメタリン酸塩から選ばれる1種を、Cu2+、Cuの場合はCuOを、それぞれ使用した。
[評価]
分光光度計(日立社製、U-4100)により波長450~600nmの光の透過率を測定した。表1に波長450~600nmの光の平均透過率および450nmの光の透過率を示した。なお、透過率が50%になる波長を645nmとして算出した。
失透性は以下の手順により評価した。まずガラスを900℃で2時間溶解した後、溶解温度を800℃に下げ1時間溶解した。その後、成形したガラスブロックを目視で確認し、異物が見られたものは×、見られなかったものは○と示した。
ビッカース硬度は以下の手順により評価した。測定装置として、ビッカース硬度計(フューチュアテック社製、FLC-ARS9000F)を用いた。ガラスに100gfの圧子を入れ、圧痕の長さからHvを算出した。15点測定した結果の平均値を表1に記載した。
Figure 0006992494000002
Figure 0006992494000003
また、例1、2、5及び8について、透過率が50%になる波長を645nmとして換算した透過率のグラフを図1に示した。
本発明の実施例において、例1、2、5においては失透しづらく、且つ強度の高いガラスを得た。また、例11、12においては、より低温(800℃)で溶融が可能であり、これにより波長400nmの透過率および波長400~600nmの平均透過率がそれぞれ非常に高いガラスが得られた。なお、比較例とした例6については、Ba2+を含有していないことにより、失透が生じた。また、例7においては、Ba2+/ΣR2+の値が大きいため、ビッカース硬度が低いガラスとなった。例8については、Mgを含有していることにより強度は高いが、失透が生じた。これにより、例8は例1、2、5のように低温(850~860℃)で溶融できず、透過率についても450nmにおいては、例1、2、5に比べて低い結果となった。
本発明によれば、薄板化に伴いCu成分の含有量が多い場合であっても、失透しづらいガラス組成であり、低温溶融できることにより可視域の光の透過率が高くなるため、小型化・薄型化する撮像デバイスの近赤外線カットフィルタ用途に極めて有用である。

Claims (10)

  1. P、F、O、Cuを必須成分として含有し、Mgを実質的に含有せず、カチオン%におけるBa2+の含有量/ΣR2+(ΣR2+はBa2+、Sr2+、Ca2+の合計量をいう)が0.05~0.2、Ca 2+ の含有量/ΣR 2+ が0.35~0.7、Sr 2+ の含有量/ΣR 2+ が0.2~0.45であることを特徴とする近赤外線カットフィルタガラス。
  2. カチオン%で
    5+ 20~50%、
    Al3+ 5~20%、
    ΣR´(ΣR´はLi、Na、Kの合計量である) 15~35%、
    Ca2+ 3~15%、
    Sr2+ 3~10%、
    Ba2+ 0.1~10%、
    Cu2+ 0.5~25%、
    アニオン%で
    10~40%、
    2- 60~90%、
    を含有することを特徴とする、請求項1記載の近赤外線カットフィルタガラス。
  3. カチオン%でLi 0.1~35%を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の近赤外線カットフィルタガラス。
  4. カチオン%でNa 0.1~35%を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の近赤外線カットフィルタガラス。
  5. カチオン%でK 0.1~35%を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の近赤外線カットフィルタガラス。
  6. カチオン%でZn2+ 1~25%を含有することを特徴とする請求項1~のいずれか1項記載の近赤外線カットフィルタガラス。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載の近赤外線カットフィルタガラスと、該近赤外線カットフィルタガラスの少なくとも1面に設けられた光学多層膜と、を有し、前記近赤外線カットフィルタガラスと光学多層膜の間に密着強化膜を有することを特徴とする近赤外線カットフィルタ。
  8. 前記密着強化膜は、フッ素及び/又は酸素を含むことを特徴とする請求項記載の近赤外線カットフィルタ。
  9. 前記密着強化膜は、フッ化マグネシウム及び/又は酸化チタンを含むことを特徴とする請求項記載の近赤外線カットフィルタ。
  10. 前記光学多層膜は、IRカット膜、UV/IRカット膜、UVカット膜、反射防止膜、及びこれらの組合せから選ばれることを特徴とする請求項のいずれか1項記載の近赤外線カットフィルタ。
JP2017247493A 2016-12-26 2017-12-25 近赤外線カットフィルタガラス及び近赤外線カットフィルタ Active JP6992494B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016250443 2016-12-26
JP2016250443 2016-12-26

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018106171A JP2018106171A (ja) 2018-07-05
JP6992494B2 true JP6992494B2 (ja) 2022-01-13

Family

ID=62787178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017247493A Active JP6992494B2 (ja) 2016-12-26 2017-12-25 近赤外線カットフィルタガラス及び近赤外線カットフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6992494B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110734222B (zh) * 2018-07-20 2022-07-29 白金光学科技(苏州)有限公司 氟磷酸盐玻璃
JP7484935B2 (ja) 2019-12-23 2024-05-16 Agc株式会社 近赤外線カットフィルタおよび撮像装置
CN116710412A (zh) * 2020-12-25 2023-09-05 Agc株式会社 氟磷酸盐玻璃和近红外线截止滤光片

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4546379B2 (ja) 2005-09-30 2010-09-15 日本山村硝子株式会社 近赤外線カット用フィルターガラス
JP2013014066A (ja) 2011-07-04 2013-01-24 Tokai Rubber Ind Ltd 窓用透明遮熱積層体および窓用透明遮熱積層体の使用方法
JP2015178455A (ja) 2007-03-06 2015-10-08 Hoya株式会社 光学ガラス、プレス成形用プリフォーム、光学素子およびそれらの製造方法
JP5961498B2 (ja) 2012-09-18 2016-08-02 富士フイルム株式会社 熱線カットフィルムおよびその製造方法、合わせガラス並びに熱線カット部材

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4546379B2 (ja) 2005-09-30 2010-09-15 日本山村硝子株式会社 近赤外線カット用フィルターガラス
JP2015178455A (ja) 2007-03-06 2015-10-08 Hoya株式会社 光学ガラス、プレス成形用プリフォーム、光学素子およびそれらの製造方法
JP2013014066A (ja) 2011-07-04 2013-01-24 Tokai Rubber Ind Ltd 窓用透明遮熱積層体および窓用透明遮熱積層体の使用方法
JP5961498B2 (ja) 2012-09-18 2016-08-02 富士フイルム株式会社 熱線カットフィルムおよびその製造方法、合わせガラス並びに熱線カット部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018106171A (ja) 2018-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6332916B2 (ja) 着色ガラス
US20120241697A1 (en) Near infrared cut filter glass
JP5078272B2 (ja) 光学ガラス
JP7024711B2 (ja) 光学ガラスおよび近赤外線カットフィルタ
TWI637929B (zh) 光學玻璃、光學元件及預成形體
TW201335094A (zh) 光學玻璃及光學元件
CN105036550B (zh) 光学玻璃、光学元件以及预成型体
WO2010119964A1 (ja) 近赤外線カットフィルタガラス
JP2010528959A (ja) ガラス組成物、それを用いた光学部材及び光学機器
WO2011118724A1 (ja) 近赤外線カットフィルタガラスの製造方法
JP6992494B2 (ja) 近赤外線カットフィルタガラス及び近赤外線カットフィルタ
JP6962322B2 (ja) 近赤外線カットフィルタガラス
JP5596717B2 (ja) 光学ガラス
JP6687027B2 (ja) 近赤外線カットフィルタガラス
JP5251365B2 (ja) 近赤外線カットフィルタガラス
US10150693B2 (en) Near infrared cutoff filter glass
JP7722391B2 (ja) フツリン酸ガラス及び近赤外線カットフィルタ
TWI910294B (zh) 氟磷酸鹽玻璃及近紅外線截止濾波器
CN104926101B (zh) 光学玻璃、透镜预成型体及光学元件
TW201817691A (zh) 光學玻璃、預成形體以及光學元件
JP2006182584A (ja) 近赤外線カットフィルタガラス
JP7456563B2 (ja) 光学フィルタ用ガラス及び光学フィルタ
JP2003160358A (ja) 近赤外線カットフィルタガラス
TW202428534A (zh) 氟磷酸玻璃、近紅外線截止濾波器及攝像裝置
CN110267922A (zh) 光学玻璃、预成形材以及光学元件

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20190308

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6992494

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250