JP2014208372A - 鍛造品の成形方法及び鍛造用金型 - Google Patents
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Abstract
Description
まず、図15(c)に示すように、歯形成部分103の先端(下端)にダレ106ができた。
この理由は、金型100の形状に沿って歯形成部103を張り出し成形しようとしても、実際には、本体部102から最も遠い外周側の先端(下端)への流入が不足し、ダレ106が発生したと考えられる。極めて大きな成形荷重をかければ先端まで肉を充填し、先端の欠肉を解消できる可能性があるが、金型の強度を考えると非現実的である。
このような第1鍛造品101に、本成形を施しても図15(d)に示すように、スプライン歯105に欠肉107が残る。本成形で余肉部分103aを圧縮しても、第1鍛造品101のダレ106の丸みが完全には解消されずに残ったためと思われる。この欠肉107は、機械加工で除去可能であるが、鍛造工程に機械加工が加わるため、加工費が嵩む。
第1金型を用いて、第1鍛造品を形成する第1工程と、
第2金型を用いて、前記第1鍛造品の余肉部を圧縮してサイジングする第2工程とを備え、
前記第1金型は、素材が摺動する第1摺動面と、前記素材を押圧する第1押圧面とを含み、その第1押圧面は、少なくとも1の特定摺動面に対し、その特定摺動面に近付くほど、前記素材が金型に入っていく方向に対して後退する向きに傾斜しており、
前記第2金型は、第2摺動面と第2押圧面とを含み、この第2摺動面で前記第1鍛造品の外周面を拘束しつつ、前記第2押圧面で端部を圧縮し、前記第2押圧面の特定摺動面に対する傾きが、前記第1押圧面の特定摺動面に対する傾きと異なっていることを特徴とする。
第1金型を用いて、第1鍛造品を形成する第1工程と、
第2金型を用いて、前記第1鍛造品の余肉部を圧縮してサイジングする第2工程とを備え、
前記第1金型は、素材が摺動する第1摺動面と、前記素材を押圧する第1押圧面とを含み、その第1押圧面は、少なくとも1の特定摺動面に対し、その特定摺動面に近付くほど、前記素材が金型に入っていく方向に対して後退する向きに湾曲しており、
前記第2金型は、前記第1鍛造品が摺動する第2摺動面と、前記第1鍛造品を押圧する第2押圧面とを含み、その第2押圧面は、少なくとも1の特定摺動面に対し、その特定摺動面に近付くほど、前記第1鍛造品が金型に入っていく方向に対して後退する向きに湾曲し、
前記第1押圧面と前記第2押圧面とは、湾曲形状が互いに異なっていることを特徴とする。
前記第1金型は、素材が摺動する第1摺動面と、前記素材を押圧する第1押圧面とを含み、その第1押圧面は、少なくとも1の特定摺動面に対し、その特定摺動面に近付くほど、前記素材が金型に入っていく方向に対して後退する向きに傾斜しており、
前記第2金型は、第2摺動面と第2押圧面とを含み、この第2摺動面で前記第1鍛造品の外周面を拘束しつつ、前記第2押圧面で端部を圧縮し、前記第2押圧面の特定摺動面に対する傾きが、前記第1押圧面の特定摺動面に対する傾きと異なっていることを特徴とする。
前記第1金型は、素材が摺動する第1摺動面と、前記素材を押圧する第1押圧面とを含み、その第1押圧面は、少なくとも1の特定摺動面に対し、その特定摺動面に近付くほど、前記素材が金型に入っていく方向に対して後退する向きに湾曲しており、
前記第2金型は、前記第1鍛造品が摺動する第2摺動面と、前記第1鍛造品を押圧する第2押圧面とを含み、その第2押圧面は、少なくとも1の特定摺動面に対し、その特定摺動面に近付くほど、前記第1鍛造品が金型に入っていく方向に対して後退する向きに湾曲し、
前記第1押圧面と前記第2押圧面とは、湾曲形状が互いに異なっていることを特徴とする。
図2に示すように、第1金型20は、センターピン21及び凹部22を有する第1ダイ23と、この第1ダイ23に進入する第1パンチ24とからなる。熱間鍛造温度に加熱されたピアス品16を、凹部22に収納する。この際に、ピアス品16の中央穴15にセンターピン21を貫通させる。
図6(a)に示すように、第1ダイ23にセットしたピアス品16を第1パンチ(図2、符号24)で押し下げる(白抜き矢印)。ピアス品16は、第1パンチで押し下げられるため、下方への流動と水平方向への流動が起こる。ここで、第1摺動面25と素材との間には摩擦が発生するから、第1摺動面25(特定摺動面27を含む)に近いほど、肉の流動が遅い。
結果、図6(b)に示すように、第1押圧面26に肉が充満した形態の第1鍛造品30が得られる。すなわち、パンチ圧が低くても、特定摺動面27と第1押圧面26との間の隅29まで肉を十分に充填させることができる。
図8に示すように、第2金型40の第2ダイ41は、縦壁状の第2摺動面42と、底面であって第1先端部(図7、符号33)の余肉を圧縮してサイジングする第2押圧面43とを備える。第2摺動面42は、左右の摺動面42L、42Rと奥の特定摺動面44とからなる。
このθ2が3°で、図4に示すθ1が15°であるから、第2押圧面43の特定摺動面27に対する傾きθ2が、第1押圧面の特定摺動面に対する傾きθ1より小さい。すなわちθ2はθ1と異なっている。
図11(a)に示すように、第1鍛造品30に、相手部材に噛み合う歯状の噛み合い部である第1噛み合い部32が形成される。この第1噛み合い部32は、図6、図7で説明したように、先端(下端)にダレや欠肉が認められない。
第1工程と第2工程とがある場合に、第1工程での造形が不十分であっても第2工程でリカバーできるという成形思想がある。
しかし、本発明では、第1工程での造形を十分に行うことに力点を置いた。第1工程での造形を十分に行うことで、第2工程の負担を軽減し、併せて良好な鍛造品を得ることに成功したものである。
ダイ23に、凹部57が設けられ、この凹部57に、ドグクラッチの回転方向において噛み合い開始点となる稜線34を明瞭に成形できるよう、押圧面26を1の特定摺動面27に対して傾ければよい。押圧面26と特定摺動面27とが鈍角をなす隅29を形成する。この隅29に肉が到達し、噛み合いの開始点となる稜線34が明瞭に形成される。
図4で説明した第1押圧面26は、角度θ1だけ傾斜している斜面であった。このような第1押圧面26は、非湾曲面の他、湾曲面とすることもできる。その具体例を図13で説明する。
図13に示すように、第1金型20Bの要部である第1ダイ23Bでは、特定摺動面27Bの下端から曲率半径R1で湾曲した第1押圧面26Bが第1ダイ23Bの中心に向かって延びている。
このような第1ダイ23Bを採用することで、図7に示す稜線34が湾曲している第1鍛造品を得ることができる。
図14に示すように、第2金型40Bの要部である第2ダイ41Bでは、特定摺動面44Bの下端から曲率半径R2で湾曲した第2押圧面43Bが第1ダイ41Bの中心に向かって延びている。
このような第2ダイ41Bを採用することで、図11(c)に示す稜線54が湾曲している鍛造品を得ることができる。
好ましくは、曲率半径R2<曲率半径R1に設定する。すなわち、第1金型20Bを用いて実施する第1工程では、比較的緩やかに稜線34を湾曲させ、第2金型40Bを用いて実施する第2工程では、比較的強く湾曲させた稜線54を得る。湾曲形状を異ならせたことにより、好ましく湾曲した稜線54を得ることができる。
Claims (8)
- 鍛造品の成形方法であって、
第1金型を用いて、第1鍛造品を形成する第1工程と、
第2金型を用いて、前記第1鍛造品の余肉部を圧縮してサイジングする第2工程とを備え、
前記第1金型は、素材が摺動する第1摺動面と、前記素材を押圧する第1押圧面とを含み、その第1押圧面は、少なくとも1の特定摺動面に対し、その特定摺動面に近付くほど、前記素材が金型に入っていく方向に対して後退する向きに傾斜しており、
前記第2金型は、第2摺動面と第2押圧面とを含み、この第2摺動面で前記第1鍛造品の外周面を拘束しつつ、前記第2押圧面で端部を圧縮し、前記第2押圧面の特定摺動面に対する傾きが、前記第1押圧面の特定摺動面に対する傾きと異なっていることを特徴とする鍛造品の成形方法。 - 鍛造品の成形方法であって、
第1金型を用いて、第1鍛造品を形成する第1工程と、
第2金型を用いて、前記第1鍛造品の余肉部を圧縮してサイジングする第2工程とを備え、
前記第1金型は、素材が摺動する第1摺動面と、前記素材を押圧する第1押圧面とを含み、その第1押圧面は、少なくとも1の特定摺動面に対し、その特定摺動面に近付くほど、前記素材が金型に入っていく方向に対して後退する向きに湾曲しており、
前記第2金型は、前記第1鍛造品が摺動する第2摺動面と、前記第1鍛造品を押圧する第2押圧面とを含み、その第2押圧面は、少なくとも1の特定摺動面に対し、その特定摺動面に近付くほど、前記第1鍛造品が金型に入っていく方向に対して後退する向きに湾曲し、
前記第1押圧面と前記第2押圧面とは、湾曲形状が互いに異なっていることを特徴とする鍛造品の成形方法。 - 前記第1金型及び前記第2金型により、相手部材に噛み合う歯状の噛み合い部を成形することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鍛造品の成形方法。
- 前記第1押圧面及び前記第2押圧面により、前記噛み合い部に、相手部材との噛み合いの際に噛み合い開始点として機能する先端部を形成することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の鍛造品の成形方法。
- 鍛造により第1鍛造品を得る第1金型と、前記第1鍛造品を本成形する第2金型とからなる鍛造用金型であって、
前記第1金型は、素材が摺動する第1摺動面と、前記素材を押圧する第1押圧面とを含み、その第1押圧面は、少なくとも1の特定摺動面に対し、その特定摺動面に近付くほど、前記素材が金型に入っていく方向に対して後退する向きに傾斜しており、
前記第2金型は、第2摺動面と第2押圧面とを含み、この第2摺動面で前記第1鍛造品の外周面を拘束しつつ、前記第2押圧面で端部を圧縮し、前記第2押圧面の特定摺動面に対する傾きが、前記第1押圧面の特定摺動面に対する傾きと異なっていることを特徴とする鍛造用金型。 - 前記第2押圧面の特定摺動面に対する傾きは、前記第1押圧面の特定摺動面に対する傾きより小さいことを特徴とする請求項5記載の鍛造用金型。
- 前記第1押圧面は、稜線を挟む複数の面からなり、前記稜線は、当該稜線の一端に接続する前記摺動面に近づくほど、前記素材が入っていく方向に対して後退することを特徴とする請求項5又は請求項6記載の鍛造用金型。
- 鍛造により第1鍛造品を得る第1金型と、前記第1鍛造品を本成形する第2金型とからなる鍛造用金型であって、
前記第1金型は、素材が摺動する第1摺動面と、前記素材を押圧する第1押圧面とを含み、その第1押圧面は、少なくとも1の特定摺動面に対し、その特定摺動面に近付くほど、前記素材が金型に入っていく方向に対して後退する向きに湾曲しており、
前記第2金型は、前記第1鍛造品が摺動する第2摺動面と、前記第1鍛造品を押圧する第2押圧面とを含み、その第2押圧面は、少なくとも1の特定摺動面に対し、その特定摺動面に近付くほど、前記第1鍛造品が金型に入っていく方向に対して後退する向きに湾曲し、
前記第1押圧面と前記第2押圧面とは、湾曲形状が互いに異なっていることを特徴とする鍛造用金型。
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