JPH07124682A - チャンファ付きスプラインを有する鍛造品の製造方法 - Google Patents

チャンファ付きスプラインを有する鍛造品の製造方法

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JPH07124682A
JPH07124682A JP27381793A JP27381793A JPH07124682A JP H07124682 A JPH07124682 A JP H07124682A JP 27381793 A JP27381793 A JP 27381793A JP 27381793 A JP27381793 A JP 27381793A JP H07124682 A JPH07124682 A JP H07124682A
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tooth
spline
coining
intermediate product
chamfer
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JP27381793A
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Masataka Oota
昌貴 太田
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スプライン歯のチャンファを圧印加工によっ
て成形する際の欠肉の発生を回避し、正確な形状のチャ
ンファを得る。 【構成】 熱間鍛造による中間品30の各スプライン歯
38の歯端部40をスプライン軸部34の端面42より
軸方向外側に突出させ、その歯端面44を歯端部40の
先端部である歯先側端部46から中心側に向かって俯角
を有して傾斜するように形成する。歯端面44を歯底面
48より中心側まで延長して傾斜面50を形成する。こ
の歯端部40に圧印型を軸方向外側から内側に向けて押
し付けて圧印加工を行うことにより欠肉の少ないチャン
ファを得る。スプライン穴部のスプライン歯のチャンフ
ァの形成にも適用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チャンファ付きスプラ
インのチャンファを精度良く形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スプライン軸部とスプライン穴部との嵌
合を案内させるために、例えば、車両のシンクロ機構付
き変速機においてクラッチギアに形成されたスプライン
軸部とスリーブに形成されたスプライン穴を形成するス
プライン穴部との嵌合を案内させるために、スプライン
歯の端部にチャンファが設けられる。
【0003】このチャンファの形成方法の一つに鍛造に
よるものがあり、その一例が特公昭49−11543号
公報に記載されている。この公報には、スプライン部の
歯端面が、スプライン軸部の外周側から内周側に進むに
従って軸方向の内側に向かう向きに傾斜する一テーパ面
(このテーパ面はスプライン部の中心線に面する内向き
に傾斜しているという意味で内向きテーパ面と称するこ
ととする)に接する中間品を鍛造により製造し、その歯
端面を圧印加工により軸方向内向きに押圧しつつ歯端面
にチャンファを形成する方法が記載されている。スプラ
イン部の歯端面は内向きテーパ面に、例えば、図18〜
図21に示すように、面状あるいは線状に接する形状と
される。図18,図19に示すように、スプライン歯1
の歯端面2がその歯端面2の歯先側から歯末側に進むに
従って軸方向内側に向かう内向きに傾斜している場合、
その歯端面2の傾斜が全て均一であると、その歯端面2
が一つの内向きテーパ面と面状に接する。図20,図2
1に示すように、スプライン歯4の歯端面5が、隣接す
るスプライン部6の端面7より軸方向外向きに段状に突
出させられており、その突出した位置から歯端面5がさ
らに傾斜を有して軸方向外側に延び出させられている場
合、歯端面5のスプライン部6の半径方向と直交する切
断平面による断面形状が円弧状であると、スプライン部
6の半径方向に連なる円弧の上端を結んだ線、すなわち
歯端面5の稜線が一つの内向きテーパ面上に位置し、歯
端面5は内向きテーパ面と線状に接することとなるので
ある。上記公報記載の発明を具体的に説明する。図22
および図23に示すように、中間品10のスプライン軸
部11の各スプライン歯12の歯端部14に、一つの内
向きテーパ面と線状に接する歯端面16が形成される。
図20,図21に示した場合と同様に、歯端面16のス
プライン軸部11の半径方向と直交する切断平面による
断面形状が円弧状であるため、その歯端面16は、スプ
ライン軸部11と同心の内向きテーパ面と線状に接する
のである。この歯端面16が圧印加工により押圧されて
チャンファが形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報記載
の発明では、圧印加工によるチャンファ形成時に歯端部
の肉が一部不足する欠肉を生じ、正確な形状のチャンフ
ァが得られない場合がある。このような欠肉は、圧印加
工前の中間品10の鍛造時に歯端部14、特に、歯先側
の端部である歯先側端部18へ材料が十分に行き渡ら
ず、良好な圧印加工を行うのに必要な中間品形状が得ら
れないことにより生じ、あるいは、圧印加工時に歯先側
端部18に材料を供給するのに必要な内部圧力が得られ
ないことにより生ずる。
【0005】図24に示すように、鍛造の際に材料20
に図中上方から力が加えられて材料20が歯端部14を
形成する鍛造型22の凹部24に押し込まれる。しか
し、歯端面16が内向きテーパ面に接する場合、凹部2
4の側面と底面とのなす角αは鋭角となるため、材料2
0を凹部24に隙間無く充填するには極めて大きな内部
圧力が必要となり、実際にそのような隙間をなくすこと
が困難である。それ故、中間品10の鍛造時に鍛造型2
2の歯先側端部18を形成する部分に材料20が行き渡
りにくく、良好な圧印加工を行うのに必要な中間品形状
を得にくいため、圧印加工後においても欠肉を生ずるこ
とになるのである。
【0006】次に、圧印加工時における内部圧力の不足
について説明する。図25乃至図32に、鍛造された中
間品10(歯先側端部18まで良好に材料が充填された
もの)が圧印加工される過程を示す。図25,26で、
圧印型26により歯端面16への軸方向内向きの押圧が
開始される。図25において矢印Aの方向に見た場合の
歯端面16の形状は、図26に示すように、鍛造時の成
形性を考慮して円弧状とされている。そのため、初期に
おける圧印型26と歯端面16との当接は円弧の両端部
近傍で生じ、中間品10の歯先側端部18は、圧印型2
6の歯先側端部18に対応する部分とは当接しない。
【0007】圧印型26に押圧力が加えられると、内部
圧力が発生して歯端部14が変形し、図27,28に示
すように、圧印型26と歯端面16との間の空間27を
埋め始める。しかし、歯端部14は図27中に矢印で示
すように、右方と左方とに変形可能であるため、歯先側
端部18において圧印型26との空間27を埋めるに十
分な内部圧力が得られない場合が多く、歯先側端部18
と圧印型26との間の空間27があまり埋められないま
ま圧印加工が進行し易い。さらに圧印型26に押圧力が
加えられて図29乃至図32の如く圧印加工が進行する
と、図29に示すように内部圧力の加わる部分の左方の
空間がなくなるため、図中左方への変形がなくなり、空
間27を埋める方向に変形が起こり易くなって、空間2
7が有効に縮小される。しかし、完全に消滅するには至
らず、空間27が残存する場合が多く、チャンファの歯
先側端部に欠肉を生じる原因の一つになるのである。歯
先側端部18まで良好に材料が充填されていない中間品
10を用いて圧印加工を行うと、その傾向が一層強くな
る。
【0008】同様な問題は、スプライン穴部の歯の端面
が外向きテーパ面(スプライン穴部の内周側から外周側
に進むに従って軸方向の内側に向かう向きに傾斜するテ
ーパ面)に接する中間品を鍛造により製造し、圧印加工
によりチャンファを形成する場合にも起こる。
【0009】そこで、本発明は、圧印加工時の欠肉の発
生を回避し、正確な形状のチャンファを形成することを
課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、スプライン部の端面の歯の部分が、歯先
側から歯末側に進むに従って軸方向内側に向かう向きに
傾斜した一テーパ面に接する中間品を鍛造により製造
し、その中間品のスプライン部の歯端面を圧印加工によ
り軸方向内向きに押圧しつつ歯端面にチャンファを形成
するチャンファ付きスプラインを有する鍛造品の製造方
法において、中間品のテーパ面をスプライン部の歯底面
より歯先とは反対側の位置まで延長したことを要旨とす
る。
【0011】
【作用】一テーパ面と接するスプライン部の端面がスプ
ライン部の歯底面より歯先とは反対側の位置まで延長さ
れた中間品、すなわち、スプライン部がスプライン軸部
である場合にはスプライン部の端面が歯底面より中心側
の位置まで延長された中間品、スプライン部がスプライ
ン穴部である場合にはスプライン部の端面が歯底面より
外周側の位置まで延長された中間品は、鍛造時に材料が
その端面に沿って流動し易いため、中間品の歯先側端部
にまで良好に充填される。
【0012】中間品の鍛造の際、鍛造型にセットされた
材料には内部圧力が発生し、この発生した内部圧力によ
って材料が流動して鍛造型の隅にまで充填される。例え
ば、図33に示すように、その鍛造型にスプライン部の
歯端面を形成する凹部aが形成されており、その凹部a
の歯先を形成する面とは反対側の側面bがその側面bと
隣接するスプライン部の端面を形成する端面形成面cと
90度に近い角度で交差していると、その凹部aへの、
凹部aの底面に沿った方向の材料の流れが、両面b,c
で規定される凸部dにより妨げられ、不十分となるので
あるが、図34に示すように、本発明に従って傾斜面が
延長された鍛造型の凹部eでは、端面形成面cと凹部e
との間の凸部fがごく小さいため、材料の流れが妨げら
れるとが少なく、材料の充填が行われ易いのである。
【0013】また、上記凹部eの底面に沿った方向の材
料の流れは、スプライン部の中心線に平行な方向の力の
底面に平行な方向の分力に基づいて生じ、この分力は底
面の傾斜角度が同じであれば底面の面積が大きいほど大
きくなる。したがって、スプライン部の傾斜した端面が
延長されることにより、材料が一層凹部eの歯先側端部
を形成する部分に充填され易くなる。
【0014】その上、スプライン部の端面の延長は圧印
加工にも好影響を及ぼす。スプライン部の端面を歯底面
より歯先とは反対側の位置まで延長した中間品の歯端面
を軸方向内向きに押圧しつつ圧印加工すると、圧印代分
の材料が歯先方向と歯末方向とに逃げようとするが、歯
末方向の逃げは、歯底面より歯先とは反対方向に形成さ
れたスプライン部の端面の盛り上がりによって防止され
る。そのため、上記スプライン部の端面の盛り上がりが
なかった従来に比較して、圧印加工時における材料の歯
末方向へ逃げが生じにくくなり、その分、内部圧力が大
きくなってスプライン部の歯先側端部における中間品と
圧印型との間の空間に材料が充填され易くなる。そのた
め、圧印の早い段階で、歯先側端部における中間品と圧
印型との間の空間がほぼ埋められ、成形後のチャンファ
の欠肉がほとんどなくなる。
【0015】なお、テーパ面と接するスプライン部の端
面の傾斜が大きいほうが鍛造時に鍛造型の凹部の底面に
沿った方向の分力は大きくなるが、この傾斜が大きすぎ
ると鍛造型の強度確保が困難になるのみならず、凹部の
底面と歯先側の側面との成す角度が小さくなって材料の
充填が困難になる。また、テーパ面と接するスプライン
部の端面の傾斜が大きいと圧印加工時の材料の歯末方向
への逃げが起こりやすくなって、スプライン部の歯先側
端部における中間品と圧印型との間の空間に材料が充填
されにくくなる。そこで、鍛造時に上記テーパ面と接す
るスプライン部の端面の傾斜の効果を十分に享受し、か
つ、得られた中間品の圧印加工時に材料の逃げを良好に
防止するために、スプライン部の中心線に直角な平面と
テーパ面との成す角度を15〜45°とすることが好ま
しく、15〜30°とすることが特に好ましい。また、
圧印加工時における材料の逃げを防止する効果を一層有
効なものとするため、スプライン部の中心線に直角な平
面へのスプライン部の傾斜面の投影面の長さ、すなわち
傾斜面とテーパ面との接線の上記平面への投影長さを、
スプライン歯の全歯たけで割った比が1.2以上である
ことが好ましく、1.5以上であることが特に好まし
い。
【発明の効果】このように、スプライン部の端面と接す
るテーパ面をスプライン部の歯底面より歯先とは反対側
の位置まで延長することにより、鍛造時に中間品の歯先
側端部に欠肉が生じにくくなり、圧印加工により形成さ
れるチャンファにも欠肉が生じにくくなるため、正確な
形状のチャンファを得ることができる。
【0016】
【実施例】図1および図2に示す中間品30が熱間鍛造
によって形成される。中間品30の中心には、軸方向の
貫通孔32を有する主軸部33が形成されており、その
主軸部33の外側に同心にスプライン軸部34が形成さ
れ、さらにその外側に、最終的に歯車とされる歯車形成
部36が形成されている。スプライン軸部34に設けら
れている各スプライン歯38の歯端部40は、スプライ
ン軸部34の端面42より軸方向外側に突出しており、
その歯端面44は歯端部40の先端部である歯先側端部
46から中心側に向かっておよそ20度の俯角で傾斜し
ている。
【0017】また、歯端部40の中心側に隣接して歯端
面44と連続する盛上り面47を有する盛上り部48が
連続的に形成されており、歯端部40と盛上り部48と
で傾斜端部49を成し、歯端面44と盛上り面47とで
傾斜面50を成している。傾斜面50はスプライン軸部
34の歯底面51より中心側に延長されてスプライン軸
部34の端面42に達しており、これらのスプライン歯
38毎に形成された傾斜面50がスプライン軸部34と
同心の一テーパ面に接している。このテーパ面はスプラ
イン軸部34の外周側から内周側に進むに従って軸方向
の内側に向かう向きに傾斜してスプライン軸部34の中
心線に面する内向きのテーパ面である。このテーパ面と
スプライン軸部34の中心線に直角な平面との成す角度
は、上記俯角に等しく、およそ20度であり、傾斜面5
0とテーパ面との接線の、スプライン軸部34の中心線
に直角な平面への投影線の長さをスプライン歯38の全
歯たけで割った比はおよそ2.5である。
【0018】中間品30は、図3に示す鍛造型の上型5
2と下型53とを用いて熱間鍛造によって成形される。
棒材が適当な長さに切り出された素材が高温に加熱され
た状態で上型52と下型53との間にセットされ、図示
しないプレス装置でプレスされて鍛造が行われるのであ
る。ここで、図4に示すように、鍛造時において材料5
4が中間品30の傾斜面50を成形する傾斜面成形面5
6に沿った形状に成形される際、材料54に発生する内
部圧力によって、傾斜面成形面56の先端付近では図に
示す矢印Bの方向に材料54が流動させられる。その結
果、材料54が傾斜面成形面56の先端まで良好に充填
され、中間品30の歯先側端部46には欠肉がほとんど
ない状態となる。
【0019】このようにして形成された中間品30に、
ショットブラストによるスケール除去が施され、表面の
潤滑処理が施された後、図5に示す圧印型60で圧印が
施される。圧印型60には、中間品30の形状に沿った
段付きの有底穴62が形成されており、その有底穴62
の入口近傍部であって中間品30のスプライン歯38の
歯端面44と対応する位置に、中間品30のスプライン
歯38にチャンファを圧印成形するためのチャンファ成
形部64が形成されている。圧印型60には、図示しな
いプレス装置で発生させられる加圧力が図中上方から加
えられ、この加圧力によって中間品30のスプライン軸
部34が圧印加工される。加圧力が加わって圧印型60
が下降し、中間品30のスプライン歯38とチャンファ
形成部64とが嵌合した後、さらに圧印型60が下降し
てスプライン歯38の歯端部40が圧印成形され、チャ
ンファが形成されるのである。
【0020】図6乃至図13にスプライン軸部34が圧
印加工される様子を示す。図6,7で、圧印型60によ
り歯端面44への軸方向内向きの押圧が開始される。図
6において矢印Cの方向から見た場合の歯端面44の形
状は、図7に示すように、鍛造時の成形性を考慮して円
弧状とされているため、初期における圧印型60と歯端
面44との当接は円弧の両端部近傍で生じ、中間品30
の歯先側端部46は、圧印型60の歯先側端部に対応す
る部分とは当接しない。
【0021】図8,9に示すように、圧印型60に押圧
力が加えられると、内部圧力が生じて歯端部40が変形
し、圧印型60と歯端面44との間の空間66が埋まり
始める。この際、内部圧力による変形が図8に矢印で示
すように空間66を埋める方向に作用し、空間66を小
さくする。引き続き圧印型60に押圧力が加えられて図
10乃至図13の如く圧印成形が進行すると、内部圧力
がさらに大きくなり、残存していた空間66がより小さ
くなって圧印加工が終了する。図10乃至図13に示す
段階において空間66が縮小される状況は歯端面のみが
傾斜させられていた従来と大きく変わることはないが、
図8,図9に示す段階で空間66が有効に小さくなって
いるため、最終的な空間66は十分に小さなものとな
る。
【0022】このように、傾斜面50をスプライン軸部
34の歯底面51より中心側の位置まで延長した中間品
30を熱間鍛造で製造し、その中間品に圧印加工を施す
ことにより、チャンファの欠肉が少なく、正確な形状の
チャンファを得ることができる。本実施例によって得た
製品では、従来の方法で製造した製品に比べて図14に
示す歯先側端部に形成された欠肉部の寸法lが半分以下
になった。
【0023】また、熱間鍛造用の下型53の製造は放電
加工によって行われるのであるが、本発明の中間品を製
造するための金型には、図24に示すような凹部24を
形成する必要がないため、放電加工時の電極の消耗が少
なくてすみ、金型製造コストが低下する。図15に示す
ように、従来の方法で用いる金型の製造においては、歯
端部を形成する際に、図中m,nのエッジ部分の消耗が
激しく、金型を製造する毎にそのエッジが消耗した部分
を除去しなければならず、そのために電極全体を図中斜
線で示す分だけ削り込まなければならなかったので電極
の無駄が多かった。それに対し、本実施例の金型では、
図16に斜線で示すように削り込む量が少なくて済むた
め電極の無駄が少なくてすみ、金型の製造コストが低下
するのである。
【0024】なお、本実施例は、スプライン軸部に本発
明を適用したものであるが、本発明は、例えば図17に
示す中間品70に形成されるスプライン穴部72につい
ても適用することができる。スプライン穴部72のスプ
ライン歯74の歯先側端部76がスプライン穴部72の
端面78より軸方向外側に突出し、その歯端面80が歯
底面82より外周側の位置まで延びてスプライン穴部7
2と同心で外向きの一テーパ面に接する形状の中間品7
0を鍛造により製造し、その後、歯端面80を圧印加工
してチャンファを形成するのである。本実施例におい
て、テーパ面とスプライン軸部34の中心線に直角な平
面とのなす角度をおよそ20度とし、傾斜面50とテー
パ面との接線のスプライン軸部34の中心線に直角な平
面への投影線の長さをスプライン歯38の全歯たけで割
った比をおよそ2.5としたが、本発明は、これらの角
度および長さの比に限られず実施することができる。但
し、発明を良好に実施するためには、角度は15〜45
°とするのが好ましく、15〜30°とすることが特に
好ましい。また、長さの比は、1.2以上であることが
好ましく、1.5以上であることが特に好ましい。その
他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した態様で本発明を実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において製造される中間品の
正面断面図である。
【図2】上記中間品のX−X断面の一部を示す図であ
る。
【図3】図1の中間品を製造するための鍛造型の正面断
面図である。
【図4】上記中間品が成形される状況を示す正面断面図
である。
【図5】上記実施例における中間品と圧印型との圧印加
工前における位置関係を示す図である。
【図6】上記圧印型による上記中間品の圧印加工の一状
況を示す正面断面図である。
【図7】図6におけるY−Y断面図である。
【図8】図5の圧印型による図6とは異なる圧印加工状
況を示す正面断面図である。
【図9】図8におけるY−Y断面図である。
【図10】図5の圧印型による図6および8とは異なる
圧印加工状況を示す正面断面図である。
【図11】図10におけるY−Y断面図である。
【図12】図5の圧印型による図6,8および10とは
異なる圧印加工状況を示す正面断面図である。
【図13】図12におけるY−Y断面図である。
【図14】上記実施例で得られた製品の欠肉を説明する
図である。
【図15】従来方法に用いる金型を作製する際の電極の
消耗状況を示す図である。
【図16】本実施例に用いる金型を作製する際の電極の
消耗状況を示す図である。
【図17】本発明の別の実施例において製造される中間
品の一部を示す正面断面図である。
【図18】従来の方法で製造された中間品の一部を示す
正面図である。
【図19】図18の中間品の一部を示す正面断面図であ
る。
【図20】従来の方法で製造された別の中間品の一部を
示す正面図である。
【図21】図20の中間品の一部を示す正面断面図であ
る。
【図22】スプライン部を有する製品の従来の製造方法
における中間品の正面断面図である。
【図23】図22におけるX−X断面図である。
【図24】上記従来の製造方法において中間品が鍛造型
によって成形される状況を示す正面断面図である。
【図25】上記従来の製造方法における圧印型による中
間品の圧印加工の一状況を示す正面断面図である。
【図26】図25におけるY−Y断面図である。
【図27】図25の圧印型による図25とは異なる圧印
加工状況を示す正面断面図である。
【図28】図27におけるY−Y断面図である。
【図29】図25の圧印型による図25および27とは
異なる圧印加工状況を示す正面断面図である。
【図30】図29におけるY−Y断面図である。
【図31】図25の圧印型による図25,27および2
9とは異なる圧印加工状況を示す正面断面図である。
【図32】図31におけるY−Y断面図である。
【図33】従来の方法で用いられる鍛造型の一部を示す
正面断面図である。
【図34】本発明で用いられる鍛造型の例の一部を示す
正面断面図ある。
【符号の説明】
30 中間品 34 スプライン軸部 38 スプライン歯 40 歯端部 42 端面 44 歯端面 46 歯先側端部 60 圧印型 70 中間品 72 スプライン穴部 74 スプライン歯 78 端面 80 歯端面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプライン部の端面の歯の部分が、歯先
    側から歯末側に進むに従って軸方向内側に向かう向きに
    傾斜した一テーパ面に接する中間品を鍛造により製造
    し、その中間品のスプライン部の歯端面を圧印加工によ
    り軸方向内向きに押圧しつつ歯端面にチャンファを形成
    するチャンファ付きスプラインを有する鍛造品の製造方
    法において、 前記中間品の前記テーパ面を前記スプライン部の歯底面
    より歯先とは反対側の位置まで延長したことを特徴とす
    る製造方法。
JP27381793A 1993-11-01 1993-11-01 チャンファ付きスプラインを有する鍛造品の製造方法 Pending JPH07124682A (ja)

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JP27381793A JPH07124682A (ja) 1993-11-01 1993-11-01 チャンファ付きスプラインを有する鍛造品の製造方法

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