JP2014205385A - タイヤ - Google Patents

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JP2014205385A JP2013082864A JP2013082864A JP2014205385A JP 2014205385 A JP2014205385 A JP 2014205385A JP 2013082864 A JP2013082864 A JP 2013082864A JP 2013082864 A JP2013082864 A JP 2013082864A JP 2014205385 A JP2014205385 A JP 2014205385A
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Yuya Sawamura
裕也 澤村
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Abstract

【課題】タイヤのエッジ効果を高めつつ、排水性を高め、ウェット時の制動性を高めることができるタイヤを提供する。【解決手段】タイヤは、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝22と、周方向溝を挟んで配置される一対の溝壁22A、22Bと、を有する。周方向溝の溝底22Cは、トレッド幅方向に所定の振幅を有するジグザグ状であって、周方向溝の溝幅W22は、一方の溝壁が他方の壁に向かって突出する突出領域RPにおいて、タイヤ径方向Rにおいて変化し、溝底よりも接地面の方が長い。【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤに関する。
タイヤの接地面には、タイヤ周方向に延びる複数の溝が形成されている。例えば、特許文献1には、タイヤ幅方向中央に位置し、直線状にタイヤ周方向に延びる溝と、当該溝よりもタイヤ幅方向外側に位置し、ジグザグ状にタイヤ周方向に延びる溝と、が形成されたタイヤが開示されている。タイヤ周方向に対して傾斜するジグザグ状の溝が形成されていることにより、エッジ効果を発揮し、特にウェット時のタイヤ制動性が向上する。
特開2006−160195号公報
しかし、上述のタイヤには、以下の問題点があった。
ジグザグ状にタイヤ周方向に延びる溝は、直線状にタイヤ周方向に延びる溝と比較して、溝内に入り込んだ水がタイヤ周方向に移動し難い。よって、特許文献1のタイヤは、直線状にタイヤ周方向に延びる溝を有するタイヤと比較して、溝外に抜け難く、排水性が低い。排水性の低下によって、ウェット時のタイヤ制動性を十分に高めることができないことがある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、タイヤのエッジ効果を高めつつ、排水性を高め、ウェット時の制動性を高めることができるタイヤを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示に係るタイヤは、路面に接地する接地面を有するトレッド部と、前記トレッド部に形成され、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝と、前記周方向溝を挟んで配置される一対の溝壁と、を有するタイヤであって、前記周方向溝の溝底は、トレッド幅方向に所定の振幅を有するジグザグ状であって、前記周方向溝の溝幅は、一方の溝壁が他方の溝壁に向かって突出する突出領域において、前記タイヤ径方向において変化し、前記溝底よりも接地面の方が長いことを要旨とする。
本発明の特徴によれば、タイヤのエッジ効果を高めつつ、排水性を高め、ウェット時の制動性を高めることができるタイヤを提供することができる。
本実施の形態に係るタイヤのトレッド部に設けられるパターンの展開図である。 図1に示すタイヤの一部断面図である。図2(a)は、A−A断面の模式断面図であり、図2(b)は、B−B断面の模式断面図であり、図2(c)は、C−C断面の模式断面図である。 実施の形態に係るタイヤの変形例を示す断面図である。 変形例に係るタイヤのトレッド部に設けられるパターンの展開図である。 図4に示すタイヤの一部断面図である。図5(a)は、D−D断面の模式断面図であり、図5(b)は、E−E断面の模式断面図であり、図5(c)は、F−F断面の模式断面図である。
次に、本発明に係るタイヤの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
本実施形態においては、(1)トレッド部の全体構成、(2)周方向溝の詳細構成、(3)作用・効果、(4)その他の実施形態、及び(5)実施例について説明する。
(1)トレッド部の全体構成
図1は、実施形態に係るタイヤ1を構成するトレッド部12の展開図である。図1に示すタイヤの一部断面図である。図2(a)は、A−A断面の模式断面図であり、図2(b)は、B−B断面の模式断面図であり、図2(c)は、C−C断面の模式断面図である。
タイヤ1は、路面に接地する接地面12Aを有するトレッド部12を備える。トレッド部12には、タイヤ周方向Cに延びる5本の周方向溝が形成されている。トレッド部12は、周方向溝によってトレッド幅方向に区画され、トレッド幅方向に隣接する複数のリブを有する。複数の周方向溝は、接地面12Aからタイヤ径方向R内側に向かって凹んでおり、タイヤ周方向Cに曲がりつつ連続して形成されている。各周方向溝の溝底は、トレッド部12の平面視においてジグザグ形状である。
周方向溝は、トレッド部12のトレッド幅方向Wの中心に配置された第1周方向溝21と、第1周方向溝21よりもトレッド幅方向外側にそれぞれ位置する第2周方向溝22及び第3周方向溝23と、第2周方向溝22よりもトレッド幅方向外側に位置する第4周方向溝24と、第3周方向溝23よりもトレッド幅方向外側に位置する第5周方向溝25と、を有する。
第1周方向溝21は、タイヤ赤道線CL上に配置される。なお、タイヤ赤道線は、タイヤ1のトレッド幅方向Wの中心を通り、タイヤ周方向に延びる線である。周方向溝は、隣接するリブの壁面である溝壁及び溝底によって囲まれた空間である。例えば、第2周方向溝を隔成する溝壁は、図1において第1周方向溝よりも左側に位置する第1溝壁22Aと、第1周方向溝よりも右側に位置する第2溝壁22Bと、を有する。
なお、周方向溝は、トレッド部12が接地してリブが圧縮変形しても溝が閉じることがないように溝幅が設定されている。また、これらの周方向溝は、ウェット路面走行時の排水性を確保するために、トレッド部12において最も溝深さが深くなるように設定されている。
なお、図中の符号12Eは、トレッド部12の巾方向最外側の端部であるトレッド端を示している。このトレッド端12Eは、タイヤ1をJATMA YEAR BOOK(2009年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときのトレッド幅方向最外の接地部分を指す。使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
(2)周方向溝の詳細構成
第1周方向溝21、第2周方向溝22、及び第3周方向溝23は、一方の溝壁が他方の溝壁に向かって突出する突出領域RPにおいて、周方向溝のトレッド幅方向における長さである溝幅がタイヤ径方向において変化している。突出領域RPとは、第1溝壁が、第1溝壁と対向して配置される第2溝壁に向かって突出する領域、及び第2溝壁が、第2溝壁と対向して配置される第1溝壁に向かって突出する領域であり、図1に示すトレッド部の平面視において溝壁の形状が山形状の領域である。図1において、突出領域RPの一部に斜線を付して示す。なお、以下の説明において、第1周方向溝21、第2周方向溝22及び第3周方向溝23の構造は、略同等であるため、説明の便宜上、第2周方向溝について例示的に説明する。
突出領域RPは、タイヤ周方向において間隔を空けて位置する。図2(a)は、タイヤ周方向において突出領域と突出領域との間の領域(突出領域間の領域)の第2周方向溝22の断面図である。突出領域間の領域において、第2周方向溝を挟んで配置される第1溝壁22A及び第2溝壁22Bは、タイヤ径方向に沿って直線状に延びている。突出領域間の領域において、第2周方向溝22の溝幅W22は、タイヤ径方向Rにおいて溝底に行くほど狭くなる。
図2(b)及び図2(c)は、突出領域を含む領域の第2周方向溝22の断面図である。突出領域において、第2周方向溝22を挟んで配置される第1溝壁22A及び第2溝壁22Bの一方は、タイヤ径方向に沿って直線状に延びる部分と、トレッド幅方向に延びる部分と、を有しており、断面視において段差が形成されている。
より詳細には、第2周方向溝22は、溝底22Cからタイヤ径方向外側に向かう所定範囲に位置する第1領域R1と、第1領域R1よりもタイヤ径方向R外側に位置する第2領域R2と、を有する。第2領域R2の溝幅WR2は、第1領域の溝幅WR1よりも長い。この第1領域の溝幅と第2領域の溝幅の違いによって、第2周方向溝22に段差が形成されている。第2周方向溝の溝底を含む第1領域の溝幅は、タイヤ周方向において一定であり、第2周方向溝の接地面を含む第2領域の溝幅は、突出領域と突出領域以外の部分とにおいて異なる。
換言すると、第2周方向溝は、突出領域において底上げされている。底上げされた領域は、トレッド部の平面視において、溝壁の山形状の部分とタイヤ周方向に延びる仮想線FL1とによって囲まれた領域である。
なお、図3に示すように、本実施の形態の第2周方向溝は、第2領域の溝壁が直線状に延びているが、第2領域の溝壁が第1領域の溝壁に向かう傾斜面であってもよい(図3(a)参照)。また、第2周方向溝の溝壁は、第1領域と第2領域の境界で変化せず、接地面から溝底に向かう傾斜面であってもよい(図3(b)参照)。図3(a)及び(b)は、図2(b)の断面を基準とした変形例である。当該変形例に示すように、周方向溝は、突出領域において、少なくとも接地面の溝幅が溝底の溝幅よりも長く構成されていればよい。
(3)作用・効果
周方向溝をジグザグ状にすることにより、タイヤのエッジ効果を高め、タイヤの制動性を高めることができる。しかし、ジグザグ状の振幅を大きくすると、周方向溝においてタイヤ周方向に直線状に延びる空間が狭くなることがある。例えば、図1に示すように、周方向溝の溝底において、第1壁部と第2壁部との間で直線状に延びる空間の幅X1は、第1壁部の山形の頂点と第2壁部の山形の頂点の間の幅となる。幅X1は、周方向溝の溝幅よりも短く、溝内に入り込んだ水がタイヤ周方向に流れにくく、排水性を確保し難いことがある。
しかし、周方向溝の溝幅は、突出領域において、タイヤ径方向において変化し、溝底よりも接地面の方が長い。よって、周方向溝の接地面において、第1壁部と第2壁部との間で直線状に延びる空間の幅X2は、幅X1よりも長く、溝内に入り込んだ水がタイヤ周方向に流れ易くなり、排水性を確保することができる。よって、タイヤのエッジ効果を維持しつつ、排水性を高め、ウェット時の制動性を高めることができる。
また、タイヤのエッジ効果を確保しつつ、タイヤの排水性を高めるためには、周方向溝のジグザグ形状を維持した状態で溝幅を長くする(第1溝壁と第2溝壁との間の距離を長くする)ことが考えられる。しかし、周方向溝の全体にわたって溝幅を長くすると、トレッド部を構成するゴムのボリュームが低下し、トレッド部の剛性が低下するおそれがある。しかし、周方向溝の全体の溝幅を変化させずに、突出領域、かつタイヤ径方向における一部の領域において周方向溝の溝幅を長くするため、トレッド部全体の剛性の低下を抑制しつつ、排水性を高めることができる。
(4)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
図4及びは、変形例に係るタイヤを示している。なお、以下の説明において、実施の形態と同様の構成については同符号を用いて説明を省略する。変形例に係るタイヤの第1周方向溝21、第2周方向溝22、及び第3周方向溝は、実施の形態のタイヤ同様に、一方の溝壁が他方の溝壁に向かって突出する突出領域において、溝のトレッド幅方向における長さである溝幅がタイヤ径方向において変化している。
変形例のタイヤの突出領域RPは、平面視における第1溝壁の山形の頂点から第1溝壁の谷形の底部にかけて設けられている。周方向溝の第1溝壁側と周方向溝の第2溝壁側のそれぞれにおいて、突出領域が隣接して配置されている。
図5(a)は、D−D断面の模式断面図であり、図5(b)は、E−E断面の模式断面図であり、図5(c)は、F−F断面の模式断面図である。溝壁は、タイヤ径方向に対して傾斜しており、溝底22Cから接地面12Aに向かって対向する溝壁から離間する方向に延びる。変形例に係るタイヤによっても、周方向溝内にタイヤ周方向に連続して延びる空間を広くし、排水性を高めることができる。よって、タイヤのエッジ効果を高めつつ、排水性を高め、ウェット時の制動性を高めることができる。
また、実施の形態及び変形例に係るタイヤは、第1周方向溝21、第2周方向溝22、及び第3周方向溝が、突出領域において溝幅がタイヤ径方向において変化しているが、この構成に限られない。例えば、第1周方向溝21、第2周方向溝22、及び第3周方向溝のみならず、全ての周方向溝が突出領域において溝幅がタイヤ径方向において変化するように構成されていてもよいし、タイヤ赤道線に位置する第1周方向溝のみが突出領域において溝幅がタイヤ径方向において変化するように構成されていてもよい。
(5)実施例
実施例1及び実施例2に係るタイヤと比較例1に係るタイヤを用いて、タイヤの制動性について評価した。タイヤの制動性の評価は、実施の形態に係るトレッドパターンを基本構造とし、サイズ145R12 6PRのタイヤを用いた。各タイヤの溝壁の振幅(溝壁の山形の頂点と谷形の底部とのトレッド幅方向における距離)は、3.6mmである。実施例1に係るタイヤは、突出領域の幅を2.6mmとし、実施例2に係るタイヤは、突出領域の幅を1.6mmとした。また、比較例に係るタイヤは、溝幅がタイヤ径方向において一定である。
タイヤ制動性の評価は、各タイヤを標準リムに組み込み内圧を車両設定条件のフロント260kPa,リア350kPaに調整したのち実車に装着し、乗員2名とした荷重条件(最大負荷能力の70%荷重)の下でウェット路面を走行し、比較例に係るタイヤの制動距離を100としたときの指数で表示し、その指数が大きいほど良好であることを示す。
Figure 2014205385
当該評価結果から、突出領域において溝幅を長くすることにより、制動性が高くなることがわかった。また、溝幅を長くする突出領域の幅が1.6mmのタイヤと、2.6mmのタイヤの制動距離(指数)が変化しないことから、溝壁の振幅が3.6mmのタイヤにおいては、接地面の溝幅を、溝底の溝幅よりも突出領域において1.6mm以上長くすることが好ましいことがわかった。更に、本出願人が種々検討した結果、突出領域の幅が1.0mm以上において効果を発揮できることがわかった。
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1:タイヤ、12:トレッド部、12A:接地面、12E:トレッド端、21:第1周方向溝、22:第2周方向溝、23:第3周方向溝、24:第4周方向溝、25:周方向溝、22A:第1溝壁、22B、第2溝壁、22C:溝底、C:タイヤ周方向、R:タイヤ径方向、W:トレッド幅方向

Claims (4)

  1. 路面に接地する接地面を有するトレッド部と、
    前記トレッド部に形成され、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝と、
    前記周方向溝を挟んで配置される一対の溝壁と、を有するタイヤであって、
    前記周方向溝の溝底は、トレッド幅方向に所定の振幅を有するジグザグ状であって、
    前記周方向溝の溝幅は、一方の溝壁が他方の溝壁に向かって突出する突出領域において、タイヤ径方向において変化し、前記溝底よりも接地面の方が長い、タイヤ。
  2. 前記溝壁は、前記タイヤ径方向に対して傾斜しており、前記溝底から前記接地面に向かって対向する溝壁から離間する方向に延びる、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記周方向溝は、前記溝底から前記タイヤ径方向外側に向かう所定範囲に位置する第1領域と、前記第1領域よりも前記タイヤ径方向外側に位置する第2領域と、を有し、
    前記第2領域の溝幅は、前記第1領域の溝幅よりも長く、
    前記タイヤ周方向に対して直交し、かつ前記トレッド幅方向に延びる断面視において、前記周方向溝には段差が形成されている、請求項1に記載のタイヤ。
  4. 前記周方向溝は、前記トレッド幅方向中央に配置されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載のタイヤ。
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