JP2014204504A - 回転電機の回転子、回転電機、回転子の積層コアの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
永久磁石埋め込み型回転子に用いられる積層コアは、電磁鋼板をプレス打ち抜きして形成した複数のコア片を、積層させて、例えば、抜きカシメにより固定することで得られる。
永久磁石埋め込み型回転子において、モータの性能を向上させるために、挿入した永久磁石の磁極面の端部に非磁性層を設けたものがある(例えば、特許文献1)。
これにより、周方向に隣り合う永久磁石間に流れる磁束(漏れ磁束)を低減し、固定子に鎖交する磁束が増加することでモータの特性を向上することができる。
一方、回転子の軸方向に貫通する複数の永久磁石収容孔が設けられた磁性体よりなる板材を複数積層した積層コアと、永久磁石収容孔に挿入固定された永久磁石とからなる磁石埋め込み型回転子であって、板材の一部は、異なる磁極の永久磁石間で少なくとも一部で分離するようにしたものがある。
板材は、一体コア片と分割コア片からなる。
このような、異なる永久磁石間で少なくとも一部を分離するだけの簡単な構成で、永久磁石間の漏れ磁束を低減することができる(例えば、特許文献2)。
また、特許文献2では、回転子のコア片が一体コア片と分割コア片から構成されるため、一体コア片と分割コア片のそれぞれを打ち抜く金型が必要となることや、一体コア片を打ち抜くために大きなサイズの金型が必要となるため設備費が増加するという課題があった。
環状の積層コアと、積層コアの周方向に等間隔に、積層コアの軸方向に挿入された永久磁石とを備えた回転電機の回転子において、
積層コアは、
複数の扇型のコア片と、コア片の回転子の径方向の一端の周方向の端部同士を、一端と反対側に開放する永久磁石挿入溝部を形成するように結合するコア片結合部とを有する複合コアを、複数個、隣り合う各複合コアとの間に永久磁石を回転子の軸方向に挿入する空隙を確保して、環状に配置した環状複合コアを有し、
環状複合コアを複数個、回転子の軸方向に積層して構成し、
複数個の環状複合コアは、
回転子の軸方向に隣り合う各環状複合コアのうち一方の環状複合コアを構成する1つの複合コアが、他方の環状複合コアを構成する複合コアのうちの隣り合う2つの複合コアのコア片にまたがって積層されたものである。
この発明に係る回転電機は、上記の回転電機の回転子を備えるものである。
環状の積層コアと積層コアの周方向に等間隔に、積層コアの軸方向に挿入された永久磁石とを備えた回転子の積層コアの製造方法において、
1枚の帯状の電磁鋼板から、複数の扇型のコア片と、コア片の積層コアの径方向の一端の周方向の端部同士を、一端と反対側に開放する永久磁石挿入溝部を形成するように結合するコア片結合部とを有する複合コア片を、複合コア片の形とした上型と、環状の積層コアの形とした下型とを有するプレス金型により連続して所定の枚数を打ち抜く型抜工程と、
型抜工程の後に、下型の内側に複合コア片を積層コアの軸方向に積層させて複合コアを形成させる積層工程と、
積層工程の後、下型を、複合コアと、次に下型の内側で積層する複合コアとの間に永久磁石を挿入する空隙を設けるように、積層コアの周方向に回転させる第1回転工程と、
複数の複合コアを環状に配置した後、下型を、複合コア片が下層の隣り合う2つの複合コアのコア片にまたがって積層されるように、積層コアの周方向に回転させる第2回転工程とを備えたものである。
複合コア片のみを用いて積層コアを製造することができるので、金型サイズや電磁鋼板のサイズを小さくでき、設備費や材料費を低減することができる。
また、回転子の内周側に発生する漏れ磁束の低減と、周方向に回転して積層させることにより圧延方向と非圧延方向における磁気抵抗差を解消できる配置が可能となるため、モータの特性の良好な回転子を得ることができる。
また、回転子の周方向に隣り合う複合コア同士は連結していないが、軸方向に隣り合う複合コア同士は連結された一体型積層コアとしてプレス金型から取り出すことができるので、その後の工程での取り扱いが容易となり、加工費の低減が期待できる。
複合コア片のみを用いて積層コアを製造することができるので、金型サイズや電磁鋼板のサイズを小さくでき、設備費や材料費を低減することができる。
また、回転子の内周側に発生する漏れ磁束の低減と、周方向に回転して積層させることにより圧延方向と非圧延方向における磁気抵抗差を解消できる配置が可能となるため、モータ特性の良好な回転子を得ることができる。
また、回転子の周方向に隣り合う複合コア同士は連結していないが、軸方向に隣り合う複合コア同士は連結された一体型積層コアとしてプレス金型から取り出すことができるので、その後の工程での取り扱いが容易となり、加工費の低減が期待できる。
以下、この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子、回転電機、回転子の積層コアの製造方法を図に基づいて説明する。
まず、回転子1の概略について説明する。
図1は、回転子1の斜視図である。
回転子1は、積層コア70と、永久磁石20、シャフト10とを備えている。
永久磁石20は、回転子1の周方向に等間隔に、積層コア70の溝部70aに回転子1の軸方向に挿入されている。
また、永久磁石20は、積層コア70との間に僅かな隙間を介して内包されており、その隙間に接着剤が介在することで積層コア70に固着している。
シャフト10は、積層コア70の内周側に、積層コア70の積層方向に貫通するように圧入によって挿入し、固定される。
なお、接着や焼嵌めにより固定されていてもよい。
積層コア70は、複合コア片(特許請求の範囲に記載の鉄心部材に相当)を回転子1の軸方向に積層して、複合コアを形成し、その複合コアを、複数個、環状に配置させて環状複合コアを形成し、その環状複合コアを回転子1の軸方向に積層して構成されるものである。
まず、複合コア片の構成について説明する。
図2(a)は、複合コア片5の平面図である。
図2(b)は、複合コア50の斜視図である。
複合コア片5は、2つの扇型のコア片5aと、コア片結合部5bと、第1凸部5cと、第2凸部5dと、第3凸部5eとを有する。
コア片結合部5bは、それぞれのコア片5aの回転子1の内周側となる端部同士を結合している。
そして、回転子1の内周側と反対側に開放する永久磁石挿入溝部5fを形成する。
第1凸部5cは、コア片結合部5bの両端部に、回転子1の径方向かつ外周側に向かって突出している。
第2凸部5dは、永久磁石挿入溝部5fの縁に、回転子1の周方向に突出している。 第3凸部5eは、複合コア片5の、回転子1の外周側かつ回転子1の周方向の両端部に、回転子1の周方向に突出している。
また、複合コア片5は、回転子1の周方向に隣り合う複合コア片と永久磁石20を介して隣り合うことから、第3凸部5eは、永久磁石を押さえるためのものである。
このような複合コア片5を、回転子1の軸方向に2枚以上積層固定して、図2(b)に示す複合コア50を形成する。
図3(a)は、環状複合コア60の斜視図である。
図3(b)は、環状複合コア60の平面図である。
環状複合コア60は、4つの複合コア50を、それぞれの複合コア50との間に永久磁石20を回転子1の軸方向に挿入することになる空隙50aを確保して、環状に配置して形成される。
そして、複数の環状複合コア60を向きを変えて回転子1の軸方向に積層して構成されるのが積層コア70である。
積層コア70の回転子1の軸方向に隣り合う環状複合コア60の積層状態については、後述する。
図4(a)は、積層工程時の積層コア製造装置9の斜視図とプレス金型の下型の内部の積層物を示す図である。
図4(b)は、第1回転工程時の積層コア製造装置9斜視図とプレス金型の下型の内部の積層物を示す図である。
図4(c)は、第2回転工程時の積層コア製造装置9の斜視図とプレス金型の下型の内部の積層物を示す図である。
図4(d)は、第2回転工程後の積層工程時の積層コア製造装置9の斜視図とプレス金型の下型の内部の積層物を示す図である。
図5は、積層コア70の斜視図である。
積層コアの製造には、図4に示す積層コア製造装置9を用いる。
積層コア製造装置9は、プレス金型91と、回転制御部材92と、タイミングベルト93とから構成される。
プレス金型91は、1枚の帯状の電磁鋼板8を2つの扇型のコア片5aを有する複合コア片5の形に打ち抜くものである。
プレス金型91は、複合コア片5の形をした上型91a1を有する上型保持部材91aと、円筒状の下型91bとを有する。
下型91bは、積層コア70の形をしたものであり、周方向に8つの溝型91b1、91b2、91b3、91b4、91b5、91b6、91b7、91b8を有する。
これらは、永久磁石挿入溝部5fを打ち抜くと同時に、複合コア50の積層ガイドとなり、打ち抜かれた複合コア片5をこれに沿って収容することができる。
回転制御部材92は、タイミングベルト93で下型91bと連結しており、所定のタイミングで下型91bの回転子1の周方向の回転角度を制御するものである。
図示しない送り装置は、帯状の電磁鋼板8を一定の速度で、上型保持部材91aの上型91a1と下型91bの溝型91b1との間に送る。
そして、上型91a1が積層コアの軸方向に下降し、帯状の電磁鋼板8から複合コア片5を打ち抜き(型抜工程)、このまま下型91bの内側に溝型91b1に沿って落とす。
同様に連続して複合コア片5を所定の枚数打ち抜き、下型91bの内側で軸方向に積層させる(積層工程)。
このようにして、図4(a)に示すように、複合コア50が形成される。
つまり、この時は、溝型91b2は、とばして溝型91b3を、上型91a1の下にくるようにY方向に回転させる。
その後、型抜工程と積層工程を行い、新たな複合コア50を形成する。
同様に、溝型91b5、91b7を使用して、図4(b)に示すように、下型91bの内側には環状複合コア60が形成される。
つまり、この時は、溝型91b7の隣りの溝型91b8を、上型91a1の下にくるようにY方向に回転させる。
そうすると、次に打ち抜かれる複合コア片5が下層の隣り合う2つの複合コア50のコア片5aにまたがって積層される。
その後、型抜工程と積層工程により、図4(c)に示すような下層の隣り合う2つの複合コア50のコア片5aにまたがって積層された複合コア50を形成する。
そして、第1回転工程と型抜工程と積層工程により、図4(d)に示すように、下型91bの内側に新たな環状複合コア60を形成する。
積層コア70は、回転子1の周方向に等間隔に、軸方向に延在する溝部70aを有する。
この溝部70aは、回転子1の軸方向に隣り合う環状複合コア60のうち、一方の複合コア片5の永久磁石挿入溝部5fと、他方の空隙50aとが回転子1の軸方向に重なってできる溝部である。
以下に、抜きカシメ方法について説明する。
抜きカシメ方法に用いるカシメダボの形状には、丸カシメ5a1、5b隣り合う1と、Vカシメ5a2、5b2などがある。
図6(a)は、各コア片5aと、コア片結合部5bの3箇所に丸カシメ5a1、5b1を形成した複合コア片5の平面図である。
図6(b)は、各コア片5aにVカシメ5a2を、コア片結合部5bに丸カシメ5b1を形成した複合コア片5の平面図である。
図6(c)は、各コア片5aと、コア片結合部5bの3箇所にVカシメ5a2、5b2を形成した複合コア片5の平面図である。
これらのカシメダボは、例えば、積層工程の前に、複合コア片5の積層面に、プレス加工により形成される。
このように、カシメダボを、コア片結合部5bと、コア片5aに配置することで、磁気抵抗を高め、フラックスバリアとして用いることができ、より漏れ磁束の少ない、良好な特性を有する回転子1を得ることが期待できる。
また、抜きカシメによる締結の代わりに、接着や溶接でもよい。
このような製造方法を用いることで、金型サイズをさらに縮小でき、設備費の抑制が期待できる。
積層コア70の完成後、接着剤を塗布した永久磁石20を、回転子1の周方向に等間隔かつ軸方向に延在する8つの溝部70aに挿入し、固着させる。
そして、シャフト10を積層コア70の内周側に圧入することにより図1に示すように回転子1が得られる。
図7は、回転子1の側面図である。
図8(a)は、図8のA−A線で切断した回転子1の断面図である。
図8(b)は、図8のB−B線で切断した回転子1の断面図である。
図8(a)と、図8(b)の断面図は、軸方向に隣り合う環状複合コアの断面図である。
図8に示すように、4つの複合コア50を互いに接触せずに、永久磁石20を介して環状に配置している。
そして、軸方向に隣り合う各環状複合コア60のうち、上層の1つの複合コア50が、下層の隣り合う2つの複合コア50のコア片5aにまたがって積層されている。
すなわち、回転子1の軸方向に隣り合う複合コア50は、回転子1の周方向(図8に示すZ方向)に、45度(コア片5aの1枚分)ずれた状態で積層されている。
図9(a)は、永久磁石20を挿入した複合コア50の要部拡大図である。
図に示すように、第1凸部5cは、永久磁石20の結合側の側面の回転子1の周方向の両端部を、回転子1の径方向に支持している。
したがって、永久磁石20の結合側の中央部とコア片結合部5bとの間には、回転子1の軸方向に延在する隙間70b1を有している。
このように、隙間70b1を設けることで、回転子1の内周側の磁気抵抗が増加するため、回転子1の内周側で永久磁石20から発生する漏れ磁束を低減することができる。
また、図9(b)に示すように、コア片結合部5bと永久磁石20の結合側の端部との間に、隙間70b2を有するようにして、それらの部分が互いに接触しないように複合コア片5を形成してもよい。
ただし、精度良く永久磁石20を積層コア70の溝部70aに挿入固定するためには、複合コア50の第2凸部5dへ押し当てるようにして位置を決めて固定する必要がある。
なお、複合コアは、複合コア片を積層させたものだけでなく、厚みのある1つの部材で形成してもよい。
図13は、回転電機100の断面図である。
固定子4は、フレーム13と、フレーム13の内周側に嵌合された固定子鉄心16と、固定子鉄心16に巻き回されたコイル11とを有する。
回転子1は、固定子4の内周側に挿入され、ベアリング14を介してフレーム13の両端の端板15に支持される。
また、下型を回転させて、環状複合コアの上に複合コアを軸方向に積層することにより、それぞれの複合コア片の圧延方向を回転子の軸に対して略放射状、あるいは略同心円状に統一することができる。
そうすることで、それぞれの複合コアの圧延方向の違いによる磁気抵抗差を低減して、回転子のコギングトルクを低減することができる。
そうすることで、積層コア成形後の工程での取り扱いが容易とない、加工費の低減が期待できる。
以下、この発明の実施の形態2に係る回転電機の回転子、回転電機、回転子の積層コアの製造方法について図に基づいて、実施の形態1と異なる部分について説明する。
実施の形態1では、1つの積層コアに永久磁石を8個用いる場合の積層コアの構成について述べたが、本実施の形態2では、1つの積層コアに永久磁石を12個用いる場合の積層コアの構成について説明する。
図10(a)は、3枚のコア片205aを有する複合コア片205を用いる環状複合コア260の斜視図である。
図10(b)は、図10(a)の平面図である。
図10(c)は、6つの複合コア50で形成される環状複合コア261の斜視図である。
図10(d)は、図10(c)の平面図である。
なお、それぞれ永久磁石20の図は、省略している。
図に示すように、1つの積層コアに用いる永久磁石20の数に応じて、コア片の枚数や環状複合コアを形成する複合コアの数を変化させてもよい。
図11(a)は、積層コアの軸方向に隣り合う上層の環状複合コア260Aの平面図である。
図11(b)は、図11(a)に軸方向に隣り合う下層の環状複合コア260Bの一例の平面図である。
図11(c)は、積層コアの軸方向に隣り合う上層の環状複合コア260Aの平面図である。
図11(d)は、図11(c)に軸方向に隣り合う下層の環状複合コア260Bの他の例の平面図である。
なお、永久磁石20の図は省略している。
図11(a)、(b)の関係では、下層の環状複合コア260Bが上層の環状複合コア260Aに対して、図12に示すZ方向(以下Z方向という)に30度(コア片205aの1枚分)にずれて積層されている。
また、図12(c)、(d)の関係では、下層の環状複合コア260Bが上層の環状複合コア260Aに対して、Z方向に60度(コア片205aの2枚分)ずれて積層されている。
このように、1つの複合コア片205に2枚のコア片205aを有している場合には、Z方向に、コア片205aの1枚分または2枚分にずらして積層することができる。
つまり、1つの複合コア片が有するコア片の枚数をN枚とした場合は、コア片の1枚分から(N−1)枚分までZ方向にずらして積層することができ、そのずらし方は、任意に選択してもよい。
また、1つの複合コア片が有するコア片の枚数により、回転子の軸方向に隣り合う環状複合コア間の周方向のずれ枚数を適度に変化させることができる。
このように形成することができる積層コアから構成されるため、回転子の内周側に派生する、永久磁石からの漏れ磁束を低減することができる。
以下、この発明の実施の形態3に係る回転電機の回転子、回転電機、回転子の積層コアの製造方法について図に基づいて、実施の形態1と異なる部分について説明する。
実施の形態1では、コア片結合部を、回転子の内周側に形成しているが、本実施の形態3では、コア片結合部を、回転子の外周側に形成している。
図12(a)は、回転子1の外周側にコア片結合部305bを形成した複合コア片305を用いて構成した積層コア370の斜視図である。
図12(b)は、図12(a)の平面図である。
複合コア片305の永久磁石挿入溝部305fの縁は、回転子1の周方向に突出する第2凸部305dを有する。
5a,205a コア片、5b,305b コア片結合部、5c 第1凸部、
5d,305d 第2凸部、5e 第3凸部、5f,305f 永久磁石挿入溝部、
5a1,5b1 丸カシメ、5a2,5b2 Vカシメ、8 電磁鋼板、
9 積層コア製造装置、10 シャフト、20 永久磁石、50 複合コア、
50a 空隙、60,260,260A,260B,261 環状複合コア、
70,370 積層コア、70a 溝部、70b1,70b2 隙間、
91 プレス金型、91a 上型保持部材、91a1 上型、91b 下型、
91b1,91b2,91b3,91b4,91b5,91b6,91b7,91b8 溝型、92 回転制御部材、93 タイミングベルト、100 回転電機、11 コイル、13 フレーム、14 ベアリング、15 端板、16 固定子鉄心。
Claims (13)
- 環状の積層コアと、前記積層コアの周方向に等間隔に、前記積層コアの軸方向に挿入された永久磁石とを備えた回転電機の回転子において、
前記積層コアは、
複数の扇型のコア片と、前記コア片の前記回転子の径方向の一端の周方向の端部同士を、前記一端と反対側に開放する永久磁石挿入溝部を形成するように結合するコア片結合部とを有する複合コアを、複数個、隣り合う各前記複合コアとの間に前記永久磁石を前記回転子の軸方向に挿入する空隙を確保して、環状に配置した環状複合コアを有し、
前記環状複合コアを複数個、前記回転子の軸方向に積層して構成し、
前記複数個の環状複合コアは、
前記回転子の軸方向に隣り合う各前記環状複合コアのうち一方の前記環状複合コアを構成する1つの前記複合コアが、他方の前記環状複合コアを構成する前記複合コアのうちの隣り合う2つの前記複合コアの前記コア片にまたがって積層された回転電機の回転子。 - 前記複合コアの前記コア片結合部を設けた側を結合側とし、
前記複合コアは、前記コア片結合部と前記永久磁石の前記結合側の端部との間に、隙間を有するように形成されている請求項1に記載の回転電機の回転子。 - 前記コア片結合部は、前記永久磁石の前記結合側の側面の一部分を前記回転子の径方向に支持する第1凸部を有する請求項2に記載の回転電機の回転子。
- 前記複合コアの前記コア片結合部の反対側を開放側とし、
前記複合コアの前記永久磁石挿入溝部の縁は、前記回転子の周方向に突出し、前記永久磁石の前記開放側の端面を、前記回転子の径方向に支持する第2凸部を有している請求項2又は請求項3に記載の回転電機の回転子。 - 前記複合コアは、前記回転子の外周側の前記回転子の周方向の両端部に、前記回転子の周方向に突出した第3凸部を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
- 前記複合コアの積層面は、前記回転子の軸方向に積層される前記複合コアを固定するカシメ部を有している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
- 前記カシメ部は、前記コア片結合部に形成されている請求項6に記載の回転電機の回転子。
- 前記カシメ部は、前記コア片に形成されている請求項7に記載の回転電機の回転子。
- 前記複合コアは、前記回転子の軸方向において鉄心部材が複数積層され、形成された請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
- 前記一端は、前記回転子の内周側の端部又は、前記回転子の外周側の端部である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
- 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の回転電機の回転子を備えた回転電機。
- 環状の積層コアと前記積層コアの周方向に等間隔に、前記積層コアの軸方向に挿入された永久磁石とを備えた回転子の積層コアの製造方法において、
1枚の帯状の電磁鋼板から、複数の扇型のコア片と、前記コア片の前記積層コアの径方向の一端の周方向の端部同士を、前記一端と反対側に開放する永久磁石挿入溝部を形成するように結合するコア片結合部とを有する複合コア片を、前記複合コア片の形とした上型と、環状の前記積層コアの形とした下型とを有するプレス金型により連続して所定の枚数を打ち抜く型抜工程と、
前記型抜工程の後に、前記下型の内側に前記複合コア片を前記積層コアの軸方向に積層させて複合コアを形成させる積層工程と、
前記積層工程の後、前記下型を、前記複合コアと、次に前記下型の内側で積層する複合コアとの間に前記永久磁石を挿入する空隙を設けるように、前記積層コアの周方向に回転させる第1回転工程と、
複数の前記複合コアを環状に配置した後、前記下型を、前記複合コア片が下層の隣り合う2つの前記複合コアの前記コア片にまたがって積層されるように、前記積層コアの周方向に回転させる第2回転工程とを備えた回転子の積層コアの製造方法。 - 前記複合コア片の積層面に、前記積層コアの軸方向に積層される前記複合コア片を固定するカシメ部を形成するカシメ形成工程を備えた請求項12に記載の回転子の積層コアの製造方法。
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