JP2012110163A - 回転電機のロータコア - Google Patents

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広明 三治
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Abstract

【課題】遠心力に基づきコアプレート片のかしめ部に生じる応力集中を低減し、回転強度を高めることが可能な回転電機のロータコアを提供する。
【解決手段】ロータコアは、各コアプレート片3がレンガ状に積層されて構成され、積層方向で位置が一致した貫通孔6に永久磁石7が貫通するように埋設される。また、コアプレート片3に形成されたかしめ部10の凸部11及び凹部12の嵌め合いは、半径方向では締り嵌めで、円周方向では隙間dを存する隙間嵌めとなる。そして、永久磁石7の端面7aと貫通孔6の側面6aとの間の両側の隙間dの合計距離2・dを隙間dよりも小さくする。遠心力で重なり合うコアプレート片3同士が離れようとする際、凸部11及び凹部12が当接するよりも先に永久磁石7とコアプレート片3とが当接し、かしめ部10に発生する遠心力に基づく応力が低減される。
【選択図】図6

Description

本発明は、複数のコアプレートが積層されて構成された回転電機のロータコアに係り、詳しくは、それらコアプレートのそれぞれをコアプレート片を連結して構成すると共に各コアプレート片が他層のコアプレート片にかしめ部でかしめて構成した回転電機のロータコアに関する。
一般に、渦電流の発生を低減するために電磁鋼板を打ち抜いたコアプレートを積層して形成された回転電機のロータコアが知られている。従来、このような複数のコアプレート(鉄心用抜き板9)を積層したロータコア(回転子鉄心8)において、コアプレート9にポンチによって円形のかしめ部16を複数形成し、積層されたコアプレート同士をダボかしめによってかしめるものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上記特許文献1のようにコアプレートを積層してロータコアを形成するには、複数のコアプレートが必要となるが、コアプレートの形状が円環形状であると、母材からコアプレートを打ち抜く際に円環の中心部を使用できず、歩留まりが低くなる。そのため、このコアプレートを複数の円弧状のコアプレート片を連結して形成すると共に、コアプレート片の継ぎ目の位置(円周方向の位相)がずれるようにコアプレートを積層して(いわゆるレンガ積み)、円周方向に複数形成された各コアプレート片のダボかしめ(かしめ部)同士をかしめて連結することで、ロータコアを形成することが考えられる。このようにコアプレート片をレンガ積みしてロータコアを形成すると共に、かしめ部によってコアプレート同士をかしめると、歩留まりが高く、かつ単体でその形状を保持可能なロータコアを形成することができる。
特開2010−142114号公報
しかしながら、コアプレート片をレンガ積みしてロータコアを形成したものでは、ロータコアが回転した際に各コアプレート片のそれぞれに遠心力が作用するが、その遠心力の作用する方向がそれぞれ放射方向であるため、隣り合うコアプレート片が離れる方向として作用する。すると、それらコアプレート片を連結しているかしめ部に対して、上記遠心力に基づく応力集中が発生し易いという問題がある。
上記遠心力に基づく応力集中にも耐え得るかしめ部を構成するためには、かしめ部における噛み合い面積を増やすことが考えられる。即ち、円形のかしめ部の直径を大きくして円周方向の距離を大きくすることで上記噛み合い面積を増やすか、コアプレート片の肉厚を厚くしてかしめ部の厚み方向の距離を大きくすることで上記噛み合い面積を増やすことが考えられる。
しかしながら、かしめ部の直径を大きくすると、コアプレート片の半径方向の長さを大きくする必要が生じ、それによりロータコアの直径が大きくなって、モータ全体として大型化を招いてしまうという問題がある。また、コアプレート片の肉厚を厚くすると、上記渦電流が大きくなり、モータの効率が下がってしまうという問題がある。
そこで本発明は、遠心力に基づきコアプレート片のかしめ部に生じる応力集中を低減し、もって大型化の防止や回転電機の効率低下の防止を図ることが可能な回転電機のロータコアを提供することを目的とする。
本発明は(例えば図1乃至図6参照)、円環状のコアプレート(2)が複数積層されて構成されていると共に、前記コアプレート(2)を均等に分割した円弧状のコアプレート片(3)が連結されて前記コアプレート(2)の一層が形成され、かつ前記コアプレート片(3)が連結される継ぎ目(D,D)の円周方向の位置が所定層数ごとに交互に異なるように構成された回転電機のロータコア(1)であって、
前記コアプレート片(3)は、複数形成された貫通孔(6)を有し、前記貫通孔(6)の位置が、積層方向に重なる前記コアプレート(2)同士で一致することで、永久磁石(7)が前記コアプレート(2)を貫通するように埋設される磁石埋設部(6A)が構成される回転電機のロータコア(1)において、
前記コアプレート片(3)は、積層方向一方側の面に形成された凸部(11)と、他方側で前記凸部(11)と同じ位置に形成され、前記コアプレート片(3)が積層された際に前記他方側の面と接する他層のコアプレート片(3)の凸部(11)と嵌合する凹部(12)と、を有するかしめ部(10)を、前記コアプレート(2)の円周方向に複数備え、前記かしめ部(10)の凸部(11)及び凹部(12)の嵌め合いを、前記コアプレート(2)の半径方向(R)では締り嵌めとすると共に、前記コアプレート(2)の円周方向(C)では両側にそれぞれ第1距離(d)の隙間を存する隙間嵌めとし、
前記永久磁石(7)の前記円周方向(C)の端面(7a)と前記貫通孔(6)の側面(6a)との間に生じる前記円周方向(C)の両側の隙間(d)の合計である第2距離(2・d)を、前記第1距離(d)よりも小さくしたことを特徴とする。
また、本発明は(例えば図6参照)、前記貫通孔(6)は、前記永久磁石(7)の前記半径方向(R)の内周側の端面(7c)と対向する内周面(6c)と、前記永久磁石(7)の前記円周方向(C)の端面(7a)と対向する側面(6a)と、前記内周面(6c)と前記側面(6a)とを繋ぐ内周側隅部(6e)と、を有し、前記内周側隅部(6e)が少なくとも前記内周面(6c)よりも内周側に凹む凹形状に形成されたことを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、かしめ部の凸部及び凹部の嵌め合いを、コアプレートの半径方向では締り嵌めとすると共に、コアプレートの円周方向では両側にそれぞれ第1距離の隙間を存する隙間嵌めとし、永久磁石の円周方向の端面とコアプレート片の貫通孔の側面との間に生じる円周方向の両側の隙間の合計である第2距離を第1距離よりも小さくしたので、ロータコアが回転し、コアプレート片が離れる方向に遠心力が作用した際に、かしめ部の隙間嵌め部分が当接するよりも先に永久磁石とコアプレート片とが当接し、該永久磁石があたかもピンのような役目をして、該永久磁石によって遠心力を受圧することができる。これにより、遠心力に基づきコアプレート片のかしめ部に生じる応力集中を低減することができ、かしめ部に締り嵌めによる残留応力と遠心力による応力との両方が作用することの防止を図ることができると共に、かしめ部における噛み合い面積を増やすことが不要となるので、ロータコアの大型化の防止や回転電機の効率低下の防止を図ることができる。また、特定のかしめ部(特に他層のコアプレートの継ぎ目に隣接するかしめ部)に応力が集中して発生することもないので、総じてロータコアの回転強度を高めることができる。
請求項2に係る本発明によると、コアプレート片の貫通孔における内周面と側面とを繋ぐ内周側隅部が、少なくとも該内周面よりも内周側に凹む凹形状に形成されているので、遠心力によってコアプレート片の貫通孔の側面に作用する永久磁石からの応力を、該内周側隅部の凹形状で分散することができる。これにより、コアプレート片における部分的な応力集中の発生を抑えることができ、さらにロータコアの回転強度を高めることができる。
本実施の形態に係るロータコアを示す模式図。 本実施の形態に係るコアプレート片を示す模式図。 本実施の形態に係るかしめ部の形状を説明する模式図であって、(a)かしめ部の平面図、(b)かしめ部のA−A断面図、(c)かしめ部のB―B断面図。 本実施の形態に係るコアプレート片のかしめ部に掛る残留応力を説明する模式図であって、(a)コアプレート片を積層する前の状態を示す図、(b)コアプレート片を積層した後の状態を示す図、(c)図4(b)の要部拡大図。 本実施の形態に係るコアプレート片のかしめ部に掛る遠心力に基づく応力を説明する模式図であって、(a)異なる層のコアプレート片に生じる遠心力を説明する模式図、(b)図5(a)の要部拡大図。 コアプレート片の貫通孔と永久磁石との隙間及びかしめ部の隙間の関係を示す図で、(a)ロータコアの一部拡大図、(b)かしめ部のB−B断面図。
以下、本発明の実施形態に係る回転電機のロータコアについて、図面に基づいて説明をする。なお、以下の説明中において、締り嵌めとは、嵌め合わす凸部の幅を凹部の幅よりも少し大きくした形式の嵌め合いのことを言い、隙間嵌めとは、凸部と凹部との間に所定の隙間を有した形式の嵌め合いのことを言う。
図1及び図2に示すように、IPMモータ(回転電機)用のロータコア1は、円環状のコアプレート2が複数積層されて形成されている。該コアプレート2は、電磁鋼板の母材から打ち抜かれた板状の部材であり、歩留まりの向上を図るために、該コアプレート2を均等に分割(本実施形態では5分割)した円弧状のコアプレート片3を連結して一層のコアプレート2が形成されている。
具体的には、このコアプレート片3の円周方向の一端部には、円周方向に隣接するコアプレート片3と連結するための突起部5aが形成されていると共に、他端部には、上記コアプレート片3の突起部5aが嵌め込まれる嵌め込み部5bが形成されている。1つのコアプレート2には、これらコアプレート片同士の継ぎ目D,D、即ち突起部5aと嵌め込み部5bとの接合箇所がコアプレート片3の数と同数だけ形成されている。
上記コアプレート2は、どの層のコアプレート2も同じ形状のコアプレート片3を結合して円環状に形成されているが、積層方向に重なる(隣接する)コアプレート2に対してコアプレート片3の継ぎ目D,Dの円周方向Cの位置(円周方向の位相)を交互にずらすレンガ積みによって積層されている。即ち、コアプレート2の継ぎ目D,Dの位置が、積層方向に重なる前記コアプレート同士で交互に異なるように構成されている。例えば図1において、便宜的にロータコア1の底部から数えて積層されたコアプレート2を奇数層と、偶数層とに分けると、偶数層のコアプレート片3は、その端部位置(継ぎ目D)が奇数層のコアプレート片3の端部位置(継ぎ目D)に対して位置が所定角度ずれるように配設されている。
また、図2に示すように、上記コアプレート片3には、ネオジウム磁石などの希土類永久磁石7が槓子して嵌挿される貫通孔6と、積層された複数のコアプレート2同士を締結するかしめ部10〜10がその円周方向に複数(8箇所)形成されている。このかしめ部10〜10は、貫通孔6の両端部の内周側にそれぞれ設けられており、コアプレート2が仮組された後にこれらかしめ部10〜10をかしめることによって、図1に示すように、ロータコア1は、各コアプレート2がばらばらにならずに、その形状を保持できるようになっている。なお、以下の説明において、これら8箇所のかしめ部10〜10を区別する必要がない場合は、単に「かしめ部10」という。
このように、各コアプレート片3がかしめられてロータコア1の形状が保持されると、各コアプレート片3に複数(4箇所)形成された貫通孔6が、積層方向に重なるコアプレート2同士で位置が一致することで、詳しくは後述する永久磁石7がコアプレート2を貫通するように埋設される磁石埋設部6Aが構成される。
ついで、上記かしめ部10について詳しく説明をする。図3(b)及び(c)に示すように、かしめ部10は、プレス成型によってコアプレート片を一方側の面に突出させた凸部(ダボ)11と、この凸部11が形成されることにより、コアプレート片3の凸部11の裏面(他方側の面の同じ位置)に形成される凹部12と、から構成されており、この凹部12に他のコアプレート片3の凸部11が嵌合することによって、ダボかしめされるようになっている。
ところで、これら凸部11及び凹部12からなるかしめ部10には、かしめられる際に発生する残留応力が作用する。該残留応力は、かしめ部10が締り嵌めされることによって生じる応力であり、図4に示す互いに積層されるA〜C層L,L,Lのコアプレート片3,3,3を例に取って説明すると、かしめ部10は、図3(a)に示す締り嵌めとなる部分10aにおいて、図3(b)に示すように凸部11の幅Wr2が締め代d分だけ凹部12の幅Wr1よりも大きくなるように形成されている。
図4(b)に示すように、コアプレート片3,3,3は、凸部11が締め代d分だけ幅狭な凹部12に圧入されて締り嵌めされることによって、その積層方向に連結されるが、図4(c)のコアプレート片3のように、凸部11が他の層(C層L)のコアプレート片3の凹部12に圧入されると、圧入された凸部11は、C層Lの凹部12の壁部12aから圧縮する方向(C層Lの凹部からB層Lの凸部11に向かう方向)の応力Tcを受ける。
一方、凹部12に他の層(A層L)の凸部が圧入されると、その凹部12には、A層Lの凸部11の壁部11aから拡大する方向(A層Lの凸部11からB層Lの凹部12向かう方向)に応力Ttが作用する。そして、これら凸部11及び凹部12を接続するB層Lの接続部Iでは、互いに反対方向に向かって働く上記応力Tc,Ttが掛り、これら凸部側及び凹部側からの応力Tc,Ttが釣り合って、上述した引っ張りの残留応力が発生する。
また、例えば『永久磁石7が貫通孔6(磁石埋設部6A)に挿入されていない状態』として仮定すると、かしめ部10には遠心力に基づき発生する応力の全てを受けることになる。具体的に、遠心力に基づく応力は、ロータコア1が回転することによってかしめ部10に発生することになる。即ち、ロータコア1が回転すると、図5(a)に示すように、重なり合うコアプレート片3,3のそれぞれには遠心力F,Fが作用する。
これら重なり合うコアプレート片3,3に作用する遠心力F,Fを、コアプレート片3,3の円周方向成分FEX,FOXと半径方向成分FEY,FOYとに分けて考えると、図5(b)に示すように、半径方向成分FEY,FOYは、どちらもコアプレート2の中心から外径側に向かう方向に作用するため、重なり合うコアプレート片3,3間で互いに反力を受けることができず、層の異なるコアプレート片3,3同士を連結するかしめ部10には、ほとんど力が作用しない。
一方、遠心力F,Fの円周方向成分FOX,FEXは、重なり合うコアプレート片3,3間でその作用方向が異なるため、これらコアプレート片3,3を連結するかしめ部10で互いに反力を受けることになってしまう。即ち、コアプレート片3の端部に形成されたかしめ部10に着目すると、重なり合うコアプレートが円周方向に沿って反対側に移動しようとすることによって、かしめ部10には、コアプレート2の円周方向に遠心力に基づく応力が発生することになる。なお、遠心力F,Fの半径方向成分FEY,FOYは、その力をコアプレート2全体のかしめ部で分散して受けるが、特に他層のコアプレート片3の継ぎ目D,Dの近くのかしめ部に大きな力が作用する。
そこで、かしめ部10は、上述した図3(a)に示すように、これら遠心力に基づく応力と、引っ張りの残留応力とが同じ場所に生じないように構成されており、上記残留応力が生じる締り嵌めとなる部分10aと、隙間(第1距離)dを有して隙間嵌めとなる部分10bと、が別々に分かれて構成されている。
具体的には、かしめ部10は、凸部11及び凹部12のコアプレート2の円周方向(コアプレート片3の接線方向)Cの壁部11a,12aを直線状に形成した直線部10aと、これら凸部11及び凹部12のコアプレート2の半径方向Rの壁部11b,12bを所定の曲率の円弧状に形成した円弧部10bと、を有し、上記直線部10a間を円弧部10bによって結んだ長円形状をしており、この直線部10aによってかしめ部10の締り嵌めとなる部分を形成している。
即ち、かしめ部10は、図3(c)に示すように、直線形状の壁部11a,11a間の幅である凸部11のコアプレート2の半径方向Rの幅Wr2を、直線状の壁部12a,12a間の幅である凹部12のコアプレート2の半径方向Rの幅Wr1よりも大きくし(Wr2>Wr1)、これら凸部11及び凹部12の半径方向Rの嵌め合いを締り嵌めとしている。
また、隣り合うコアプレート片3には、それぞれ円周方向に遠心力F,Fに基づく応力が作用するため(図5(a)参照)、上記円弧部10bは、円弧形状の壁部11b,12b間に所定の隙間dを有する隙間嵌めとなっている。即ち、この円弧部10bによりかしめ部10の隙間嵌めとなる部分を形成しており、円弧状の壁部11b,11b間の幅に相当する凸部11のコアプレート2の円周方向Cの幅Wc2が、円弧状の壁部12b,12b間の幅に相当する凹部12のコアプレート2の円周方向の幅Wc1よりも小さくなっている(Wc1>Wc2)。
なお、この隙間dは、詳しくは後述するように永久磁石7と貫通孔6との隙間dの2倍よりも大きく形成されているため、遠心力F,Fの円周方向成分FEX,FOXがかしめ部10の円弧部10bに作用することはないが、『永久磁石7が貫通孔6(磁石埋設部6A)に挿入されていない状態』として仮定すると、各かしめ部10の円弧部10bに遠心力F,Fの円周方向成分FEX,FOXが作用することになる。
ついで、本発明に係る永久磁石7及び貫通孔6の構造について説明する。上述したようにコアプレート片3には永久磁石7が貫通して埋設される貫通孔6が形成されている。永久磁石7は、磁石埋設部6Aに埋設される形状からなり、つまり断面が略々矩形状で、コアプレート2の積層方向に対して長い板状からなる。詳細には、図6(a)に示すように、永久磁石7は、コアプレート2の円周方向C両側の端面7aと、コアプレート2の半径方向Rの外周側の端面7bと、コアプレート2の半径方向Rの内周側の端面7cと、端面7aと端面7bとを繋ぐ傾斜面7dと、端面7aと端面7cとを繋ぐ傾斜面7eと、によって囲まれた断面形状を有しており、特に外周側の端面7bは、僅かに外周側に膨らむ円弧状からなる。
貫通孔6は、上記永久磁石7の円周方向C両側の端面7aにそれぞれ隙間dを存して対向する側面6aと、上記永久磁石7の外周側の端面7bに対向する外周面6bと、上記永久磁石7の内周側の端面7cに密着する内周面6cと、上記永久磁石7の傾斜面7dに密着する押付面6dと、を有する略々矩形状からなる。また、側面6aと内周面6cとを繋ぐ隅部分には、該内周面よりも半径方向Rの内周側に凹む凹形状に形成された内周側隅部6eを有している。
ついで、本発明の実施形態に係るロータコア1の作用について説明をする。作業者は、ロータコア1を作成するにあたり、図1に示すように、保持器(不図示)にコアプレート片3を環状に並べてコアプレート2を形成すると共に、このコアプレート上に次のコアプレート片3を積層して行く。この時、保持器はコアプレートの層が変わる度に所定角度だけ回転させられるため、上記コアプレート2は、積層方向に隣接するコアプレート2とコアプレート片3の継ぎ目D,Dの位置が一層ずつ交互にずれるように積層される。また、このコアプレート2の層が変わる際にはプレスによってダボかしめされるため、積層されたコアプレート2が積層方向に連結される。そして、このコアプレート2が規定枚数積層されてロータコア1が形成される。
即ち、仮組されたコアプレート2がプレスされると、かしめ部10の直線部10aが締り嵌めによって嵌合し、コアプレート片3を積層方向に連結すると共に、これら積層された複数のコアプレート2によって1つのロータコア1が形成される。
これにより、図6(b)に示すように、コアプレート片3のかしめ部10の凹部12には、他層のコアプレート片3のかしめ部10の凸部11がかしめられ、さらに、そのかしめ部10の凹部12には、他層のコアプレート片3のかしめ部10の凸部11がかしめられ、さらに、そのかしめ部10の凹部12には、他層のコアプレート片3のかしめ部10の凸部11がかしめられ、・・・のようにかしめ部10が多重にかしめられており、それらの凹部12と凸部11との円周方向Cの両側には、それぞれ隙間dが形成されている。
そして、作業者は、このロータコア1のそれぞれの磁石埋設部6Aに、例えば接着剤等を表面に塗布した永久磁石7を挿入していく。すると、図6(a)に示すように、貫通孔6の押付面6dに傾斜面7dが密着すると共に、その傾斜方向に基づき、貫通孔6の内周面6cに永久磁石7の内周側の端面7cが押し付けられ、これによって、磁石埋設部6Aに対して永久磁石7が嵌挿されて、埋設が完了する。このような磁石埋設部6Aに対する永久磁石7の嵌挿が、全ての磁石埋設部6Aに対して行われることで、ロータコア1が構成され、該ロータを組み込んで回転電機が作成される。
ところで、回転電機に電力が供給されて上記ロータが回転すると、上述したようにロータコア1のコアプレート片3には、それぞれロータの回転速度に応じた遠心力が発生する。この遠心力が発生すると、図5(a)に示すように、各コアプレート片3は、重なり合うコアプレート片3,3がコアプレート2の円周方向Cに離れる方向(例えば、コアプレート片3の場合、図中M方向)に移動しようとする。
すると、永久磁石7に対してコアプレート片3,3のそれぞれ貫通孔6が円周方向Cに離れる方向に相対移動するため、永久磁石7の端面7aとコアプレート片3の貫通孔6の側面6aとの間にある隙間d(図6(a)参照)が狭まって、該端面7aと該側面6aとが当接すると共に、永久磁石7の円周方向反対側の端面7aとコアプレート片3の貫通孔6の側面6aとの間にある隙間d(図6(a)参照)が狭まって、該端面7aと該側面6aとが当接することになる。
この際、図6(b)に示すコアプレート片3のかしめ部10の凹部12とコアプレート片3のかしめ部10の凸部11との間に、或いは、コアプレート片3のかしめ部10の凹部12とコアプレート片3のかしめ部10の凸部11との間には、それぞれ隙間dが形成されており、この隙間(第1距離)dは、上記永久磁石7と貫通孔6との隙間dの2倍(第2距離)より大きく、言い換えると、隙間dの2倍(第2距離)が隙間(第1距離)dよりも小さく形成されている。このため、遠心力によって永久磁石7とコアプレート片3とが先に当接し、各かしめ部10の凹部12と凸部11とにおける円弧部10bの部分は永久磁石7とコアプレート片3とが当接した後に当接する。
従って、上述した例えば『永久磁石7が貫通孔6(磁石埋設部6A)に挿入されていない状態』として仮定した際に、かしめ部10の円弧部10bに生じるはずの遠心力F,Fの円周方向成分FEX,FOXは、永久磁石7の端面7aとコアプレート片3の貫通孔6の側面6aとの当接によって受圧され、各かしめ部10の円弧部10bには、遠心力F,Fの円周方向成分FEX,FOXは軽減されて作用する。
また、上述したように遠心力F,Fの円周方向成分FEX,FOXは、永久磁石7の端面7aとコアプレート片3の貫通孔6の側面6aとの当接によって受圧される。そのため、それぞれの側面6aには円周方向成分FEX,FOXが作用し、応力集中が発生することになる。ここで、該側面6aの内周側にある内周側隅部6eは、内周側に凹む凹形状(R形状)となっているので、その曲面によって応力集中が分散され、しかも、内周側隅部6eは円周方向Cに凹むのではなく、内周面6cより半径方向Rの内周側に凹んでいるため、円周方向Cに作用する遠心力F,Fの円周方向成分FEX,FOXと凹み方向が不一致となり、該遠心力が貫通孔6の内周面6c側に向けて分散されて、側面6aに対する応力集中が緩和される。
以上説明したように、かしめ部10同士の凸部11及び凹部12の嵌め合いを、コアプレート2の半径方向Rでは締り嵌めとすると共に、コアプレート2の円周方向Cでは両側にそれぞれ第1距離の隙間dを存する隙間嵌めとし、永久磁石7の円周方向Cの端面7aとコアプレート片3の貫通孔6の側面6aとの間に生じる円周方向Cの両側の隙間dの合計である第2距離(2・d)を第1距離(d)よりも小さくしたので、ロータコア1が回転し、コアプレート片3が離れる方向に遠心力が作用した際に、かしめ部10の隙間嵌め部分(円弧部10b)が当接するよりも先に永久磁石7とコアプレート片3とが当接し、該永久磁石7があたかもピンのような役目をして、該永久磁石7によって遠心力を受圧することができる。これにより、遠心力に基づきコアプレート片3のかしめ部10に生じる応力集中を低減することができ、かしめ部10に締り嵌めによる残留応力と遠心力による応力との両方が作用することの防止を図ることができると共に、かしめ部10における噛み合い面積を増やすことが不要となるので、ロータコアの大型化の防止や回転電機の効率低下の防止を図ることができる。また、特定のかしめ部10(特に他層のコアプレートの継ぎ目に隣接するかしめ部10,10)に応力が集中して発生することもないので、総じてロータコア1の回転強度を高めることができる。
また、コアプレート片3の貫通孔6における内周面6cと側面6aとを繋ぐ内周側隅部6eが、少なくとも該内周面6cよりも内周側に凹む凹形状に形成されているので、遠心力によってコアプレート片3の貫通孔6の側面6aに作用する永久磁石7からの応力を、該内周側隅部6eの凹形状で分散することができる。これにより、コアプレート片3における部分的な応力集中の発生を抑えることができ、さらにロータコア1の回転強度を高めることができる。
なお、本実施の形態においては、かしめ部10(特にかしめ部10,10)を直線部10aと円弧部10bとにより、円周方向に長い形状としたが、単純に円形状のものであってもよい。この際は、凸部11の円周方向の円弧部分を削るか、凹部の円周方向の円弧部分を削るかして、隙間dを設けることが望ましい。
また、本実施の形態においては、コアプレート片3の継ぎ目D,Dが一層ずつ交互に位置するようにレンガ状に積層したものを説明したが、これに限らず、複数層ずつで継ぎ目D,Dが交互となるように積層しても構わず、つまり継ぎ目が所定層数(一層又は複数層)ごとに交互に異なるようにコアプレートを積層したものであれば本発明を適用し得る。
1 ロータコア
2 コアプレート
3 コアプレート片
6 貫通孔
6a 側面
6c 内周面
6e 内周側隅部
6A 磁石埋設部
7 永久磁石
7a 円周方向の端面
7c 内周側の端面
10 かしめ部
11 凸部
12 凹部
C 円周方向
,D 継ぎ目
R 半径方向
第1距離(隙間)
2・d 第2距離(隙間)

Claims (2)

  1. 円環状のコアプレートが複数積層されて構成されていると共に、前記コアプレートを均等に分割した円弧状のコアプレート片が連結されて前記コアプレートの一層が形成され、かつ前記コアプレート片が連結される継ぎ目の円周方向の位置が所定層数ごとに交互に異なるように構成された回転電機のロータコアであって、
    前記コアプレート片は、複数形成された貫通孔を有し、前記貫通孔の位置が、積層方向に重なる前記コアプレート同士で一致することで、永久磁石が前記コアプレートを貫通するように埋設される磁石埋設部が構成される回転電機のロータコアにおいて、
    前記コアプレート片は、積層方向一方側の面に形成された凸部と、他方側の面で前記凸部と同じ位置に形成され、前記コアプレート片が積層された際に前記他方側の面と接する他層のコアプレート片の凸部と嵌合する凹部と、を有するかしめ部を、前記コアプレートの円周方向に複数備え、前記かしめ部の凸部及び凹部の嵌め合いを、前記コアプレートの半径方向では締り嵌めとすると共に、前記コアプレートの円周方向では両側にそれぞれ第1距離の隙間を存する隙間嵌めとし、
    前記永久磁石の前記円周方向の端面と前記貫通孔の側面との間に生じる前記円周方向の両側の隙間の合計である第2距離を、前記第1距離よりも小さくした、
    ことを特徴とする回転電機のロータコア。
  2. 前記貫通孔は、前記永久磁石の前記半径方向の内周側の端面と対向する内周面と、前記永久磁石の前記円周方向の端面と対向する側面と、前記内周面と前記側面とを繋ぐ内周側隅部と、を有し、前記内周側隅部が少なくとも前記内周面よりも内周側に凹む凹形状に形成された、
    ことを特徴とする請求項1記載の回転電機のロータコア。
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