JP5326642B2 - 回転電機及び回転電機の製造方法 - Google Patents

回転電機及び回転電機の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転電機及び回転電機の製造方法に関し、特に、複数の固定子片を組み合わせて構成される分割型固定子を有する回転電機に用いて好適なものである。
一般に、電動機等の回転電機は、固定子と、当該固定子の内周側に設けられた回転子と、焼き嵌め、冷やし嵌め、及び圧入等により当該固定子をその外周側から締め付けて密着固定するケースと有する。
このような固定子を一体で形成すると、固定子に対する巻線を容易に行うことができないことや、スロットの巻線占積率が低くなることや、固定子の歩留まりが悪くなること等から、これらの不都合を解消したい場合には分割型固定子が用いられる。
この分割型固定子を形成する際には、まず、稼働時に内部に形成される磁路を切断するように分割された固定子片の部分毎の形状で電磁鋼板を打ち抜き、打ち抜いた電磁鋼板を積層させて固定子片を形成する。そして、複数の固定子片を周方向に組み合わせて分割型固定子を形成する。
このような分割型固定子をケースに固定子を収める際には当該ケースが収縮するので、分割型固定子(の各固定子片)がその外周方向から締め付けられる。よって、分割型固定子(の各固定子片)には大きな圧縮応力が発生し、この圧縮応力により分割型固定子の鉄損が大きくなり、電動機の効率が低下する虞がある。
そこで、特許文献1では、分割型固定子の各固定子片の連結面(分割面)の相対的に外周側の領域を、相対的に内周側の領域よりも突出させるようにし、各固定子片の外周側端部の中央部分に張力付加スリットを形成するようにしている。
特開2005−51941号公報
しかしながら、前述した技術では、嵌め合い加工によって分割型固定子を固定する際に当該分割型固定子に発生する、周方向の圧縮応力の総量は略不変(一定)である。したがって、分割型固定子(の各固定子片の)径方向のある領域における圧縮応力をスリットにより低減させると、その他の領域の圧縮応力が大きくなる。このため、分割型固定子(の各固定子片)における鉄損を小さくすることが容易でないという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、ケースに分割型固定子を固定する際に当該分割型固定子に発生する、周方向の圧縮応力を従来よりも低減して、分割型固定子の鉄損を従来よりも低減できるようにすることを目的とする。
本発明の回転電機は、周方向に延在するヨーク部と、当該ヨーク部から径方向に延在するティース部とを夫々が備える複数の固定子片を前記周方向に組み合わせることにより形成される分割型固定子と、前記分割型固定子の内周側に配置された回転子と、前記周方向に組み合わされた前記複数の固定子片の外周から当該複数の固定子片に密接し当該複数の固定子片を固定するケースと、を有する回転電機であって、相互に隣接する2つの前記固定子片のヨーク部の相互に対向する2つの対向面のそれぞれは、当該固定子片の外周に繋がり、且つ、前記周方向に対して傾斜している最外周対向面を含み、相互に対向する2つの前記最外周対向面のうち、当該最外周対向面が属する固定子片の外周面とのなす角度が相対的に小さい一方の最外周対向面の外周側の端部に応力が集中するように、当該端部が、他方の最外周対向面の外周側の端部よりも、前記ケース側に迫り出していることを特徴とする。
本発明の回転電機の製造方法は、前記回転電機の製造方法であって、相互に対向する2つの前記最外周対向面のうち、外周側の端部のみを相互に接触させた状態で、前記複数の固定子片を前記周方向に組み合わせる第1の工程と、前記第1の工程によって前記周方向に組み合わせられた前記複数の固定子片を前記ケースに固定する第2の工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、相互に隣接する2つの固定子片のヨーク部の相互に対向する2つの対向面のそれぞれに、当該固定子片の外周に繋がり、且つ、前記周方向に対して傾斜している最外周対向面を形成し、相互に対向する2つの最外周対向面のうち、当該最外周対向面が属する固定子片の外周面とのなす角度が相対的に小さい一方の最外周対向面の外周側の端部に応力が集中するように、当該端部が、他方の最外周対向面の外周側の端部よりも、前記ケース側に迫り出すようにした。したがって、ケースに分割型固定子を固定する際に当該分割型固定子に発生する、周方向の圧縮応力を、前記ケース側に迫り出している部分において外周方向に逃がすことができる。よって、ケースに分割型固定子を固定する際に当該分割型固定子に発生する、周方向の圧縮応力を従来よりも低減して、分割型固定子の鉄損を従来よりも低減できる。
本発明の第1の実施形態を示し、電動機の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、固定子片の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、相互に隣接する2つの固定子片が組み合わさる様子の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、電動機の構成の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、固定子片の構成の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、相互に隣接する2つの固定子片が組み合わさる様子の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示し、電動機の構成の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示し、固定子片の構成の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示し、固定子片を構成する2種類の電磁鋼板の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示し、相互に隣接する2つの固定子片が組み合わさる様子の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示し、固定子片を構成する電磁鋼板の変形例を示す図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、回転電機の適用例である電動機の構成の一例を示す図である。
図1において、電動機10は、分割型固定子(ステータ)11と、回転子(ロータ)12と、ケース13とを有している。
分割型固定子11は、複数の固定子片11a〜11lを有している。複数の固定子片11a〜11lは、その周方向の端面同士が隣接するように、環状に(周方向に)組み合わせられる。このようにして複数の固定子片11a〜11lを組み合わせることにより分割型固定子11が形成される。尚、固定子片の数は12に限定されるものではない。
ケース13は、焼き嵌め、冷やし嵌め、又は圧入等を行うことにより、その内周面を、環状に組み合わせられた複数の固定子片11a〜11lの外周側に密接し、複数の固定子片11a〜11lを固定する。ケース13は、例えば、鉄等の磁性体あるいはアルミニウム等の非磁性体により構成される。
尚、以下の説明では、焼き嵌め、冷やし嵌め、圧入等を行って、ケース13を分割型固定子11(固定子片11a、11b)に密着させ、分割型固定子11をケース13に固定することを、必要に応じて嵌め合い加工と称する。
回転子12は、その外周面が、各固定子片11a〜11lのティース部22(図2を参照)の先端面(すなわち分割型固定子11の内周面)と所定の間隔を有して相互に対向し、且つ、その軸心(回転軸)が分割型固定子11の軸心と一致する位置に配置される。
図2は、固定子片11aの構成の一例を示す図である。具体的に図2(a)は、固定子片11aを俯瞰した図であり、図2(b)は、固定子片11aの正面図である。尚、固定子片11a〜11lは、全て同じ構成を有しているので、ここでは、固定子片11b〜11lについての詳細な説明を省略する。
図2において、固定子片11aは、同一形状の複数枚の電磁鋼板が積層されることにより形成される。固定子片11aは、周方向に延在するヨーク部21と、ヨーク部21から径方向に延在するティース部22とを有している。尚、図1、図2では図示を省略しているが、各固定子片11a〜11lのティース部22には、分布巻きまるいは集中巻きによる巻線が施されている。
本実施形態では、ヨーク部21の周方向の両端面が特徴の一つである。そこで、まず、ヨーク部21の周方向の一端面の構成について説明する。
本実施形態では、ヨーク部21の周方向の一端面を4つの面(端面21a〜21d)で構成している。そして、これら4つの面(端面21a〜21d)のうち、最も外周側の面(固定子片11aの外周面に繋がっている面、端面21a)は、ヨーク部21の外周側よりも内周側の方が突出するように、ヨーク部21の周方向に対して傾斜している。すなわち、最も外周側の面(端面21a)の、ヨーク部21の周方向に対する傾斜角度θ1が、0°を上回り、且つ90°を下回るようにしている(0°<θ1<90°)。ここで、面の周方向に対する角度とは、当該周方向を向く曲線の、当該面との交点における接線と、当該面の面方向との角度をいう。
また、端面21aの内周側の端部に繋がっている面(端面21b)は、端面21aよりも内周側で、分割型固定子11の径方向に延在している(すなわち、分割型固定子11の周方向と略90°の角度を有している)。
また、端面21bの内周側の端部に繋がっている面(端面21c)は、端面21bよりも周方向の内側で、分割型固定子11の周方向に延在している(すなわち、分割型固定子11の径方向と略90°の角度を有している)。
さらに、端面21cの周方向の内側の端部に繋がっている面(端面21d)は、端面21cよりも内周側で、分割型固定子11の径方向に延在している(すなわち、分割型固定子11の周方向と略90°の角度を有している)。
次に、ヨーク部21の周方向の他端面の構成について説明する。
本実施形態では、ヨーク部21の周方向の他端面も一端面と同様に、4つの面(端面21e〜21h)で構成している。そして、これら4つの面(端面21e〜21h)のうち、最も外周側の面(固定子片11aの外周面に繋がっている面、端面21e)は、ヨーク部21の内周側よりも外周側の方が突出するように、ヨーク部21の周方向に対して傾斜している。すなわち、最も外周側の面(端面21e)の、ヨーク部21の周方向に対する傾斜角度θ2が、0°を上回り、且つ90°を下回るようにしている(0°<θ2<90°)。
また、端面21eの内周側の端部に繋がっている面(端面21f)の面は、端面21eよりも内周側で、分割型固定子11の径方向に延在している(すなわち、分割型固定子11の周方向と略90°の角度を有している)。ただし、本実施形態では、傾斜角度θ2を、前述した傾斜角度θ1よりも(少し)小さくしている。尚、端面21fの大きさは、端面21bの大きさと同じである。
また、端面21fの内周側の端部に繋がっている面(端面21g)は、端面21fよりも周方向の外側で、分割型固定子11の周方向に延在している(すなわち、分割型固定子11の径方向と略90°の角度を有している)。尚、端面21gの大きさは、端面21cの大きさと同じである。
さらに、端面21gの周方向の外側の端部に繋がっている面(端面21h)は、端面21gよりも内周側で、分割型固定子11の径方向に延在している(すなわち、分割型固定子11の周方向と略90°の角度を有している)。尚、端面21hの大きさは、端面21dの大きさと同じである。
本実施形態では、以上のようにして、ヨーク部21の周方向の一端面を構成する4つの面(端面21a〜21d)のうちの3つの面(端面21a〜21c)により、ヨーク部21の周方向の一端面の相対的に外周側の領域に突出部23を形成するようにしている。また、ヨーク部21の周方向の他端面を構成する4つの面(端面21e〜21h)のうちの3つの面(端面21e〜21g)により、ヨーク部21の周方向の他端面の相対的に外周側の領域に陥没部24を形成するようにしている。
そして、相互に隣接する2つの固定子片のうち、一方の固定子片のヨーク部21の周方向における他端面に形成されている陥没部24に、他方の固定子片のヨーク部21の周方向における一端面に形成されている突出部23を合わせるようにしてこれら2つの固定子片を組み合わせることにより、複数の固定子片11a〜11lは、そのヨーク部21の周方向の端面同士が隣接するように、環状に(周方向に)組み合わせられる。
図3は、相互に隣接する2つの固定子片11a、11bが組み合わさる様子の一例を示す図である。具体的に、図3の上図は、ケース13に固定される前の固定子片11a、11bの様子の一例を示す図であり、図3の下図は、ケース13に固定された後の固定子片11a、11bの様子の一例を示す図である。尚、図3では、2つの固定子片11a、11bが組み合わさる部分のみを示している。また、他の固定子片11c〜11lも固定子片11a、11bを組み合わせるのと同じようにして組み合わせることができるので、固定子片11a、11b以外の固定子片11c〜11lを組み合わせる方法の詳細な説明を省略する。
図3の上図に示すように、本実施形態では、ケース13に固定される前においては、固定子片21aの陥没部24の外周側の端部と、固定子片11bの突出部23の外周側の端部とが相互に接触すると共に、固定子片11aの陥没部24の「周方向に延在している面(図2の端面21g)」と、固定子片21bの突出部23の「周方向に延在している面(図2の端面21c)」の一部とが相互に接触するように、固定子片11a、11bを組み合わせるようにしている。さらに、本実施形態では、突出部23及び陥没部24を形成する面のうち、その他の相互に対向する面の間には、隙間31a、31bが形成されるように、固定子片11a、11bを組み合わせるようにしている。
この隙間31a、31bは、ケース13と分割型固定子11との締め代(嵌め合い加工を行う前のケース13の内周に対応する半径と分割型固定子11の外周に対応する半径との差の絶対値、焼き嵌めを行った場合には焼き嵌め代)に2πを乗算した値を、分割型固定子11を構成する固定子片の数(図1に示す例では「12」)で割った値(基準値)により定まる。ただし、隙間31aのうち、周方向に対して傾斜している面の間の隙間は一定ではない。そこで、例えば、この周方向に対して傾斜している面の径方向における中心部に生じている隙間を、前記基準値にすることができる。同様に、この周方向に対して傾斜している面の径方向における隙間の周方向の最大値を、前記基準値にすることができる。そして、本実施形態では、このようにして得られた隙間31a、31bが形成されるように、周方向に対して傾斜している面(端面21a、21e)の傾斜している辺の長さと傾斜角度θ1、θ2が設定される。
ここで、傾斜角度θ1の範囲は、10°以上、80°以下の範囲が好ましく、30°以上、60°以下の範囲がより好ましい。また、傾斜角度θ2の範囲は、前述のように傾斜角度θ1と設定した隙間に依存して決まる。傾斜角度θ1が小さい場合には、固定子片11a〜11lを組み合わせた後に、焼き嵌め、冷やし嵌め、又は圧入等を行う際に突出部23・陥没部24の最も外周側の傾斜している面(端面21a、21e)の間に作用する摩擦力が小さく、端面21eと外周部との間の突起部分が変形し易いが、傾斜角度θ1が小さすぎると端面21eと外周部との間の突起部分の剛性が弱く、固定子片11a〜11lを組み合わせたときに安定して分割型固定子11を環状に保つことが難しい。また、傾斜角度θ1が大きい場合には、端面21eと外周部との間の突起部分の剛性は強く、固定子片11a〜11lを組み合わせたときに安定して分割型固定子11を環状に保つことが容易となるが、固定子片11a〜11lを組み合わせた後に、焼き嵌め、冷やし嵌め、又は圧入等を行う際に端面21aと端面21eとの間に作用する摩擦力が大きく、端面21eと外周部との間の突起部分が変形し難い。
以上のようにして固定子片11a〜11lを組み合わせた後に、焼き嵌め、冷やし嵌め、又は圧入等を行って、ケース13を分割型固定子11に密着させると、図3の下図に示すように、固定子片11aの陥没部24の外周側の端部32が変形し、突起部23の外周側の端部よりもケース13側に迫り出す。これにより、固定子片11aの陥没部24の外周側の端部32に応力が集中する。また、このようにして分割型固定子11をケース13に固定すると、図3の上図に示した隙間31a、31bが可及的に塞がれる。ここで、隙間31a、31bを完全に塞ぐようにすれば、固定子片11a、11bの間の磁気抵抗を低減することができるので好ましいが、必ずしも隙間31a、31bが完全に塞がれるようにする必要はない。
前述したように本実施形態では、固定子片11aの陥没部24の周方向の面(図2の端面21g)と固定子片21bの突出部23の周方向の面(図2の端面21c)とが相互に接触した状態で嵌め合い加工が行われるので、固定子片11a、11bの相対的に内周側の領域が変形することを可及的に防止することができると共に、嵌め合い加工によって、固定子片11a、11bの位置が径方向にずれてしまうことを可及的に防止することができる。
以上のように本実施形態では、固定子片11a〜11lのヨーク部21の周方向の一端面の相対的に外周側の領域に突出部23を形成し、突出部23の最も外周側の面(端面21a)を、周方向に対して傾斜させると共に、突出部23の相対的に内周側の面の1つ(端面21c)を、周方向に延在させるようにした。一方、固定子片11a〜11lのヨーク部21の周方向の他端面の相対的に外周側の領域に陥没部24を形成し、陥没部24の最も外周側の面(端面21e)を、周方向に対して傾斜させると共に、陥没部24の相対的に内周側の面の1つ(端面21g)を、周方向に延在させるようにした。
そして、相互に隣接する2つの固定子片のうちの一方の固定子片の突出部23の外周側の端部と、他方の固定子片の陥没部24の外周側の端部とが相互に接触すると共に、一方の固定子片の突出部23の内周側の径方向に延在する面(端面21c)と、他方の固定子片の陥没部24の内周側の径方向に延在する面(端面21g)とが相互に接触し、且つ、突出部23と陥没部24とのその他の対向領域に隙間31a、31bが形成された状態で嵌め合い加工を行う。
したがって、嵌め合い加工によって分割型固定子11の周方向に発生する圧縮応力を、固定子片の突出部23の外周側の端部32において外周方向に逃がすことができる(図3の下図の矢印の方向)。よって、嵌め合い加工によって分割型固定子11の周方向に発生する圧縮応力を従来よりも低減することができ、嵌め合い加工による鉄損の増加を従来よりも低減することができる。
また、本実施形態では、嵌め合い加工が行われた際に、固定子片の突出部23の外周側の端部32がケース13側に迫り出すようにしたので、分割型固定子11とケース13とが結合する力を従来よりも大きくすることができる。よって、嵌め合い加工時に締め代を小さくし、分割型固定子11に与える力(例えば焼き嵌め力)を従来よりも低減しても、分割型固定子11のケース13への固定が緩むことを可及的に防止することができる。
尚、本実施形態では、突出部23・陥没部24の最も外周側の傾斜している面(端面21a、21e)と、突出部23の相対的に内周側の周方向に延在している面(端面21c、21g)との間に、径方向に延在している面(端面21b、21g)を設けるようにした。しかしながら、必ずしも径方向に延在している面(端面21b、21g)を設ける必要はない。
また、以上のように本実施形態では、電動機10が「回転電機」の一例である。また、周方向で相互に隣接する2つの固定子片のうちの一方の固定子片の端面21a〜21dと、他方の固定子片の端面21e〜21hとが「対向面」の一例である。また、端面21a、21eが「最外周対向面」の一例である。また、本実施形態では、4つの面により「対向面」が形成される。また、陥没部24の外周側の端部が、「相互に対向する2つの最外周対向面のうち、当該最外周対向面が属する固定子片の外周面とのなす角度が相対的に小さい一方の最外周対向面の外周側の端部」の一例である。一方、突起部23の外周側の端部が、「(相互に対向する2つの最外周対向面のうち、当該最外周対向面が属する固定子片の外周面とのなす角度が相対的に大きい)他方の最外周対向面の外周側の端部」の一例である。また、端面21c、21gが、「最外周対向面よりも内周側で周方向に延在する内周対向面」の一例である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、各固定子片の周方向の端面の一部の領域(最も外周側の面)を、周方向に対して傾斜させた場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、各固定子片の周方向の端面の全ての領域を、周方向に対して傾斜させるようにする。このように、本実施形態と前述した第1の実施形態とは、各固定子片の周方向の端面に係る部分が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図3に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図4は、回転電機の適用例である電動機の構成の一例を示す図である。
図4において、電動機40は、分割型固定子(ステータ)41と、回転子(ロータ)12と、ケース13とを有している。
分割型固定子41は、複数の固定子片41a〜41lを有している。複数の固定子片41a〜41lは、その周方向の端面同士が隣接するように、環状に(周方向に)組み合わせられる。このようにして複数の固定子片41a〜41lを組み合わせることにより分割型固定子41が形成される。尚、固定子片の数は12に限定されるものではない。
図5は、固定子片41aの構成の一例を示す図である。具体的に図5(a)は、固定子片41aを俯瞰した図であり、図5(b)は、固定子片41aの正面図である。尚、固定子片41a〜41lは、全て同じ構成を有しているので、ここでは、固定子片41b〜41lについての詳細な説明を省略する。
図5において、固定子片41aは、同一形状の複数枚の電磁鋼板が積層されることによる形成される。固定子片41aは、周方向に延在するヨーク部51と、ヨーク部51から径方向に延在するティース部52とを有している。尚、図4、図5では図示を省略しているが、各固定子片41a〜41lのティース部52には、分布巻きあるいは集中巻きによる巻線が施されている。
本実施形態でも、ヨーク部51の周方向の両端面が特徴の一つである。そこで、まず、ヨーク部51の周方向の一端面の構成について説明する。
本実施形態では、ヨーク部51の周方向の一端面を2つの面(端面51a、51b)で構成している。そして、これら2つの面(端面51a、51b)のうち、相対的に外周側の面(端面51a)は、ヨーク部51の外周側よりも内周側の方が突出するように、ヨーク部51の周方向に対して傾斜している。すなわち、相対的に外周側の面(端面51a)の、ヨーク部51の周方向に対する傾斜角度θ3が、0°を上回り、且つ90°を下回るようにしている(0°<θ3<90°)。
また、ヨーク部51の周方向の一端面を構成する2つの面(端面51a、51b)のうち、相対的に内周側の面(端面51b)は、ヨーク部51の内周側よりも外周側の方が突出するように、ヨーク部51の周方向に対して傾斜している。すなわち、相対的に内周側の面(端面51b)の、ヨーク部51の周方向に対する傾斜角度θ4が、0°を上回り、且つ90°を下回るようにしている(0°<θ4<90°)。
以上のようにしてヨーク部51の周方向の一端面には突出部53が形成される。
次に、ヨーク部51の周方向の他端面の構成について説明する。
本実施形態では、ヨーク部51の周方向の他端面も、一端面と同様に2つの面(端面51c、51d)で構成している。そして、これら2つの面(端面51c、51d)のうち、相対的に外周側の面(端面51c)は、ヨーク部51の内周側よりも外周側の方が突出するように、ヨーク部51の周方向に対して傾斜している。すなわち、相対的に外周側の面(端面51c)の、ヨーク部51の周方向に対する傾斜角度θ5が、0°を上回り、且つ90°を下回るようにしている(0°<θ5<90°)。
また、ヨーク部51の周方向の他端面を構成する2つの面(端面51c、51d)のうち、相対的に内周側の面(端面51d)は、固定子片41aの外周側よりも内周側の方が突出するように、ヨーク部51の周方向に対して傾斜している。すなわち、相対的に内周側の面(端面51d)の、ヨーク部51の周方向に対する傾斜角度θ6が、0°を上回り、且つ90°を下回るようにしている(0°<θ6<90°)。
以上のようにしてヨーク部51の周方向の他端面には陥没部54が形成される。
そして、相互に隣接する2つの固定子片のうち、一方の固定子片のヨーク部51の周方向における他端面に形成されている陥没部54に、他方の固定子片のヨーク部51の周方向における一端面に形成されている突出部53を合わせるようにしてこれら2つの固定子片を組み合わせることにより、複数の固定子片41a〜41lは、その周方向の端面同士が隣接するように、環状に(周方向に)組み合わせられる。
図6は、相互に隣接する2つの固定子片11a、11bが組み合わさる様子の一例を示す図である。具体的に、図6の上図は、ケース13に固定される前の固定子片41a、41bの様子の一例を示す図であり、図6の下図は、ケース13に固定された後の固定子片41a、41bの様子の一例を示す図である。尚、図6では、2つの固定子片41a、41bが組み合わさる部分のみを示している。また、他の固定子片41c〜41lも固定子片41a、41bを組み合わせるのと同じようにして組み合わせることができるので、固定子片41a、41b以外の固定子片41c〜41lを組み合わせる方法の詳細な説明を省略する。
図6の上図に示すように、本実施形態では、ケース13に固定される前においては、固定子片41aの陥没部54の外周側の端部と、固定子片41bの突出部53の外周側の端部とが相互に接触すると共に、固定子片41aの陥没部54の内周側の端部と、固定子片41bの突出部53の内周側の端部とが相互に接触するように、固定子片11a、11bを組み合わせるようにしている。さらに、本実施形態では、突出部53及び陥没部54を形成する面のうち、その他の相互に対向する面の間には、隙間61が形成されるように、固定子片41a、41bを組み合わせるようにしている。
この隙間61は、ケース13と分割型固定子41との締め代に2πを乗算した値を、分割型固定子41を構成する固定子片の数(図4に示す例では「12」)で割った値(基準値)により定まる。ただし、隙間61は一定ではないので、例えば、隙間61のうち、突出部53の最も突出している部分(陥没部54の最も陥没している部分)よりも、固定子片41a、41bの外周側に位置している隙間の周方向の最大値を、前記基準値にすることができる。同様に、隙間61のうち、突出部53の最も突出している部分と陥没部54の最も陥没している部分に生じている隙間を、前記基準値にすることができる。そして、本実施形態では、このようにして得られた隙間61が形成されるように、周方向に対して傾斜している面(端面51a〜51d)の傾斜している辺の長さと傾斜角度θ3〜θ6が設定される。
ここで、傾斜角度θ3の範囲は、10°以上、80°以下の範囲が好ましく、30°以上、60°以下の範囲がより好ましい。また、傾斜角度θ4の範囲は、前述のように傾斜角度θ3と設定した隙間に依存して決まる。傾斜角度θ3が小さい場合には、固定子片41a〜41lを組み合わせた後に、焼き嵌め、冷やし嵌め、又は圧入等を行う際に突出部53・陥没部54の最も外周側の傾斜している面(端面51a、51c)の間に作用する摩擦力が小さく、端面51cと外周部との間の突起部分が変形し易いが、傾斜角度θ3が小さすぎると端面51cと外周部との間の突起部分の剛性が弱く、固定子片41a〜41lを組み合わせたときに安定して分割型固定子41を環状に保つことが難しい。また、傾斜角度θ3が大きい場合には、端面51cと外周部との間の突起部分の剛性は強く、固定子片41a〜41lを組み合わせたときに安定して分割型固定子41を環状に保つことが容易となるが、固定子片41a〜41lを組み合わせた後に、焼き嵌め、冷やし嵌め、又は圧入等を行う際に端面51aと端面51cとの間に作用する摩擦力が大きく、端面51cと外周部との間の突起部分が変形し難い。
以上のようにして固定子片41a〜41lを組み合わせた後に、焼き嵌め、冷やし嵌め、又は圧入等を行って、ケース13を分割型固定子41に密着させると、図6の下図に示すように、固定子片41aの陥没部54の外周側の端部62が変形し、突起部53の外周側の端部よりもケース13側に迫り出す。また、固定子片41aの陥没部54の内周側の端部63は変形して、突起部53の内周側の端部よりも分割型固定子41の内周側に迫り出す。このようにして、固定子片41aの陥没部54の外周側の端部62と内周側の端部63に応力が集中する。また、分割型固定子41をケース13に固定すると、図6の上図に示した隙間61が可及的に塞がれる。ここで、隙間61を完全に塞ぐようにすれば、固定子片41a、41bの間の磁気抵抗を低減することができるので好ましいが、必ずしも隙間61が完全に塞がれるようにする必要はない。
さらに、分割型固定子41をケース13に固定すると、突出部53の最も突出している部分と、陥没部54の最も陥没している部分とが、分割型固定子41の軸心と同じ軸心の円筒面64上に位置するようにするのが好ましく、これらが相互に接触するようにするのがより好ましい。このようにすれば、嵌め合い加工によって、固定子片が径方向にずれてしまうことをより確実に防止することができるからである。
以上のように本実施形態では、固定子片41a〜41lの周方向の一端面(全体)に突出部53を形成し、突出部53の相対的に外周側の面(端面51a)と内周側の面(端面51b)とのそれぞれを、周方向に対して傾斜させるようにした。一方、固定子片41a〜41lの周方向の他端面(全体)に陥没部54を形成し、陥没部54の相対的に外周側の面(端面51c)と内周側の面(端面51d)とのそれぞれを、周方向に対して傾斜させるようにした。
そして、相互に隣接する2つの固定子片のうちの一方の固定子片の突出部53の外周側の端部と他方の固定子片の陥没部54の外周側の端部とが相互に接触すると共に、一方の固定子片の突出部53の内周側の端部と他方の固定子片の陥没部54の内周側の端部とが相互に接触し、且つ、突出部53と陥没部54とのその他の対向領域に隙間61が形成された状態で嵌め合い加工を行う。
したがって、嵌め合い加工によって分割型固定子41の周方向に発生する圧縮応力を、固定子片の突出部53の外周側の端部62・内周側の端部63において、外周方向・内周方向に逃がすことができる(図6の下図の矢印の方向)。よって、嵌め合い加工によって分割型固定子41の周方向に発生する圧縮応力を従来よりも低減することができ、嵌め合い加工による鉄損の増加を従来よりも低減することができる。
また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、嵌め合い加工が行われた際に、固定子片の突出部53の外周側の端部62がケース13側に迫り出すようにしたので、分割型固定子41とケース13とが結合する力を従来よりも大きくすることができる。よって、嵌め合い加工時に締め代を小さくし、分割型固定子41に与える力(例えば焼き嵌め力)を従来よりも低減しても、分割型固定子41のケース13への固定が緩むことを可及的に防止することができる。
尚、本実施形態では、ヨーク部51の径方向の中央よりも内周側に、突出部53の最も突出している部分と、陥没部54の最も陥没している部分とが位置するようにした。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。突出部53の最も突出している部分と、陥没部54の最も陥没している部分とが、ヨーク部51の径方向の中央に位置するようにしたり、ヨーク部51の径方向の中央よりも外周側に位置するようにしたりしてもよい。
また、以上のように本実施形態では、電動機40が「回転電機」の一例である。また、周方向で相互に隣接する2つの固定子片のうちの一方の固定子片の端面51a、51bと、他方の固定子片の端面51c、51dとが「対向面」の一例である。また、端面51a、51cが「最外周対向面」の一例である。また、本実施形態では、2つの面により「対向面」が形成される。また、陥没部54の外周側の端部が、「相互に対向する2つの最外周対向面のうち、当該最外周対向面が属する固定子片の外周面とのなす角度が相対的に小さい一方の最外周対向面の外周側の端部」の一例である。一方、突起部53の外周側の端部が、「(相互に対向する2つの最外周対向面のうち、当該最外周対向面が属する固定子片の外周面とのなす角度が相対的に大きい)他方の最外周対向面の外周側の端部」の一例である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。前述した第1、第2の実施形態では、相互に隣接する固定子片の周方向の端面(対向面)が相互にオーバラップしないようにした場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、相互に隣接する固定子片の周方向の端面(対向面)が相互にオーバラップするようにする。このように、本実施形態と前述した第1、第2の実施形態とは、各固定子片の周方向の端面に係る部分が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1、第2の実施形態と同一の部分については、図1〜図6に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図7は、回転電機の適用例である電動機の構成の一例を示す図である。
図7において、電動機70は、分割型固定子(ステータ)71と、回転子(ロータ)12と、ケース13とを有している。
分割型固定子71は、複数の固定子片71a〜71lを有している。複数の固定子片71a〜71lは、その周方向の端面同士が隣接するように、環状に(周方向に)組み合わせられる。このようにして複数の固定子片71a〜71lを組み合わせることにより分割型固定子71が形成される。尚、固定子片の数は12に限定されるものではない。
図8は、固定子片71aの構成の一例を示す図である。具体的に図8は、固定子片71aを俯瞰した図である。また、図9は、固定子片71aを構成する2種類の電磁鋼板の一例を示す図である。具体的に図9は、電磁鋼板の正面図である。尚、固定子片71a、71c、71e、71g、71i、71kは、同じ構成を有しており、固定子片71b、71d、71f、71h、71j、71lは、固定子片71a、71c、71e、71g、71i、71kと、2種類の電磁鋼板を積み重ねる順序が異なるだけである。そこで、ここでは、固定子片71b〜71lについての詳細な説明を省略する。
図8において、固定子片71aは、周方向に延在するヨーク部81と、ヨーク部81から径方向に延在するティース部82とを有している。尚、図7、図8では図示を省略しているが、各固定子片71a〜71lのティース部82には、分布巻きあるいは集中巻きによる巻線が施されている。
図9(a)に示す第1の電磁鋼板91は、固定子片71a、71c、71e、71g、71i、71kについては、図7の手前側から見て奇数枚目に配置され、固定子片71b、71d、71f、71h、71j、71lについては、図7の手前側から見て偶数枚目に配置される。一方、図9(b)に示す第2の電磁鋼板92は、固定子片71a、71c、71e、71g、71i、71kについては、図7の手前側から見て偶数枚目に配置され、固定子片71b、71d、71f、71h、71j、71lについては、図7の手前側から見て奇数枚目に配置される。
図9(a)に示すように、第1の電磁鋼板91のヨーク部81に対応する領域の周方向における両端面は、当該ヨーク部81に対応する領域の外周側よりも内周側の方が突出するように、当該ヨーク部81に対応する領域の周方向に対して傾斜している。すなわち、第1の電磁鋼板91のヨーク部81に対応する領域の周方向における両端面の、当該ヨーク部81に対応する領域の周方向に対する傾斜角度θ7が、0°を上回り、且つ90°を下回るようにしている(0°<θ7<90°)。
一方、図9(b)に示すように、第2の電磁鋼板91のヨーク部81に対応する領域の周方向における両端面は、当該ヨーク部81に対応する領域の内周側よりも外周側の方が突出するように、当該ヨーク部81に対応する領域の周方向に対して傾斜している。すなわち、第2の電磁鋼板92のヨーク部81に対応する領域の周方向における両端面の、当該ヨーク部81に対応する領域の周方向に対する傾斜角度θ8が、0°を上回り、且つ90°を下回るようにしている(0°<θ8<90°)。
以上のような第1の電磁鋼板91と第2の電磁鋼板92とを、図7の手前側(図8の上側)から見て、第1の電磁鋼板91、第2の電磁鋼板92、第1の電磁鋼板91、第2の電磁鋼板92、・・・の順序で1枚ずつ交互に同じ枚数積み重ねることにより固定子片71aが形成される。
このように第1の電磁鋼板91と、第2の電磁鋼板92とを積み重ねることにより、固定子片71aのヨーク部81の周方向における端面83、84には、図7の手前側から、内周側が外周側よりも突出する傾斜、外周側が内周側よりも突出する傾斜の順序で、これらの傾斜が、電磁鋼板91、92の厚みに相当する厚み毎に交互に存在するようになる。 一方、固定子片71aと相互に隣接する固定子片71b、71lのヨーク部81の周方向における端面には、図7の手前側から、外周側が内周側よりも突出する傾斜、内周側が外周側よりも突出する傾斜の順序で、これらの傾斜が、電磁鋼板91、92の厚みに相当する厚み毎に交互に存在するようになる。
本実施形態では、以上のようにして第1の電磁鋼板91と、第2の電磁鋼板92とを積み重ねることにより、各固定子片71a〜71lを形成する。そして、積み重ねる順序が異なる2つの固定子片(例えば、固定子片71a、71b)のヨーク部81の周方向における端面を合わせるようにしてこれら2つの固定子片を組み合わせることにより、複数の固定子片71a〜71lは、その周方向の端面同士が隣接するように、環状に(周方向に)組み合わせられる。
図10は、相互に隣接する2つの固定子片71a、71bが組み合わさる様子の一例を示す図である。具体的に、図10(a)は、図7の手前側から奇数枚目の電磁鋼板が組み合わさる様子の一例を示し、図10(b)は、図7の手前側から偶数枚目の電磁鋼板が組み合わさる様子の一例を示す図である。また、図10の上図は、ケース13に固定される前の様子の一例を示す図であり、図10の下図は、ケース13に固定された後の様子の一例を示す図である。尚、図10では、2つの固定子片71a、71bが組み合わさる部分のみを示している。また、他の固定子片71c〜71lも固定子片71a、71bを組み合わせるのと同じようにして組み合わせることができるので、固定子片71a、71b以外の固定子片71c〜71lを組み合わせる方法の詳細な説明を省略する。
図10(a)の上図及び図10(b)の上図に示すように、固定子片71aのヨーク部81の周方向における端面83、84に形成されている傾斜の外周側の端部と、固定子片71bのヨーク部81の周方向における端面に形成されている傾斜の外周側の端部とが相互に接触し、当該傾斜のその他の領域には隙間101、102が形成されるように、固定子片71a、71bを組み合わせるようにしている。
この隙間101、102は、ケース13と分割型固定子71との締め代に2πを乗算した値を、分割型固定子71を構成する固定子片の数(図7に示す例では「12」)で割った値(基準値)を用いて定めることができる。例えば、固定子片71a、71bのヨーク部81の周方向における端面の径方向における中心部に生じている隙間を前記基準値とすることができる。同様に、固定子片71a、71bのヨーク部81の周方向における端面に生じている隙間の最大値を前記基準値とすることができる。そして、本実施形態では、このようにして得られた隙間101、102が形成されるように、第1の電磁鋼板91及び第2の電磁鋼板92のヨーク部81に対応する領域の周方向における両端面に形成される傾斜の長さと傾斜角度θ7、θ8が設定される。
ここで、傾斜角度θ7の範囲は、10°以上、80°以下の範囲が好ましく、30°以上、60°以下の範囲がより好ましい。また、傾斜角度θ8の範囲は、前述のように傾斜角度θ7と設定した隙間に依存して決まる。傾斜角度θ7が小さい場合には、固定子片71a〜71lを組み合わせた後に、焼き嵌め、冷やし嵌め、又は圧入等を行う際に隣接する固定子片の端面の間に作用する摩擦力が小さく、傾斜角度θ8を挟む端面と外周部との間の突起部分が変形し易いが、傾斜角度θ7が小さすぎると傾斜角度θ8を挟む端面と外周部との間の突起部分の剛性が弱く、固定子片71a〜71lを組み合わせたときに安定して分割型固定子71を環状に保つことが難しい。また、傾斜角度θ7が大きい場合には、傾斜角度θ8を挟む端面と外周部との間の突起部分の剛性は強く、固定子片71a〜71lを組み合わせたときに安定して分割型固定子71を環状に保つことが容易となるが、固定子片71a〜71lを組み合わせた後に、焼き嵌め、冷やし嵌め、又は圧入等を行う際に隣接する固定子片の端面の間に作用する摩擦力が大きく、傾斜角度θ8を挟む端面と外周部との間の突起部分が変形し難い。
以上のようにして固定子片71a〜71lを組み合わせた後に、焼き嵌め、冷やし嵌め、又は圧入等を行って、ケース13を分割型固定子71に密着させると、図10(a)及び図10(b)の下図に示すように、第2の電磁鋼板92の第1の電磁鋼板91と接触している部分(第2の電磁鋼板92におけるヨーク部81に対応する領域の周方向における両端面の外周側の部分)103、104が変形し、第1の電磁鋼板91の第2の電磁鋼板92と接触している部分よりもケース13側に迫り出す。このようにして、第2の電磁鋼板92におけるヨーク部81に対応する領域の周方向における両端面の外周側の部分103、104に応力が集中する。また、分割型固定子71をケース13に固定すると、図10(a)及び図10(b)の上図に示した隙間101、102が可及的に塞がれる。ここで、隙間101、102を完全に塞ぐようにすれば、固定子片71a、71bの間の磁気抵抗を低減することができるので好ましいが、必ずしも隙間101、102が完全に塞がれるようにする必要はない。
以上のように本実施形態では、各固定子片のヨーク部81の周方向における端面を、内周側が外周側よりも突出する傾斜と、外周側が内周側よりも突出する傾斜とが、電磁鋼板91、92の厚みに相当する厚み毎に交互に存在するようにした。そして、相互に隣接する2つの固定子片のヨーク部81の周方向における端面に形成されている傾斜の外周側の端部同士を相互に接触し、当該傾斜のその他の領域には隙間101、102が形成されるように、固定子片71a〜71lを組み合わせた状態で嵌め合い加工を行う。
したがって、嵌め合い加工によって分割型固定子71の周方向に発生する圧縮応力を、第2の電磁鋼板92におけるヨーク部81に対応する領域の周方向における両端面の外周側の部分103、104において、外周方向に逃がすことができる(図10(a)及び図10(b)の下図の矢印の方向)。よって、嵌め合い加工によって分割型固定子71の周方向に発生する圧縮応力を従来よりも低減することができ、嵌め合い加工による鉄損の増加を従来よりも低減することができる。更に、本実施形態では、相互に隣接する固定子片の周方向の端面(対向面)が相互にオーバラップするようにしたので、相互に隣接する固定子片の間に生じる磁気抵抗を、より一層低減することができ、嵌め合い加工による鉄損の増加をより一層低減することができる。
また、本実施形態でも、第1、第2のの実施形態と同様に、嵌め合い加工が行われた際に、第2の電磁鋼板92におけるヨーク部81に対応する領域の周方向における両端面の外周側の部分103、104がケース13側に迫り出すようにしたので、分割型固定子71とケース13とが結合する力を従来よりも大きくすることができる。よって、嵌め合い加工時に締め代を小さくし、分割型固定子71に与える力(例えば焼き嵌め力)を従来よりも低減しても、分割型固定子71のケース13への固定が緩むことを可及的に防止することができる。
尚、本実施形態のように、第1の電磁鋼板91と第2の電磁鋼板92とを1枚ずつ交互に積み重ねるようにすれば、電磁鋼板91、92の面方向に生じる渦電流をより確実に低減することができるので好ましいが、第1の電磁鋼板91と第2の電磁鋼板92とを複数枚(例えば2枚)ずつ交互に積み重ねるようにしてもよい。
また、本実施形態では、異なる形状の2種類の電磁鋼板91、92を交互に積み重ねるようにした場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。図11は、固定子片を構成する電磁鋼板の変形例を示す図である。例えば、図11に示すような電磁鋼板111の表裏を逆にして交互に積み重ねることによっても、本実施形態で説明したのと同じ作用・効果を奏することができる。
また、以上のように本実施形態では、電動機70が「回転電機」の一例である。また、周方向で相互に隣接する2つの固定子片のうちの一方の固定子片の端面(例えば端面83、84)と、他方の固定子片の端面とが「対向面」の一例である。また、端面を構成する電磁鋼板91、92の厚み部分のそれぞれが「最外周対向面」の一例である。また、本実施形態では、積み重ねる電磁鋼板91、92の数の「対向面」が形成される。また、第2の電磁鋼板92におけるヨーク部81に対応する領域の周方向における両端面の外周側の部分が、「相互に対向する2つの最外周対向面のうち、当該最外周対向面が属する固定子片の外周面とのなす角度が相対的に小さい一方の最外周対向面の外周側の端部」の一例である。一方、第1の電磁鋼板91におけるヨーク部81に対応する領域の周方向における両端面の外周側の部分が、「(相互に対向する2つの最外周対向面のうち、当該最外周対向面が属する固定子片の外周面とのなす角度が相対的に大きい)他方の最外周対向面の外周側の端部」の一例である。また、電磁鋼板91、92が、「磁性体製の薄板」の一例である。
尚、前述した各実施形態では、回転電機が電動機である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、分割型固定子11、41、71を例に挙げて示した分割型回転子、回転子12、及びケース13を有していれば、回転電機は電動機に限定されない。
また、前述した各実施形態では、各固定子片にティース部がそれぞれ1つずつ形成されているものを例に挙げて説明した。しかしながら、各固定子片に形成されるティース部は、2つ以上(複数)であってもよい。
更に、以上説明した本発明の実施形態及びその変形例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
10、40、70 電動機
11、41、71 分割型固定子
12 回転子
13 ケース
21、51、81 ヨーク部
21a〜21e 端面
22、52、82 ティース部
31a、31b 隙間
51a〜51d 端面
61 隙間
83、84 端面
91 第1の電磁鋼板
92 第2の電磁鋼板
101、102 隙間

Claims (6)

  1. 周方向に延在するヨーク部と、当該ヨーク部から径方向に延在するティース部とを夫々が備える複数の固定子片を前記周方向に組み合わせることにより形成される分割型固定子と、
    前記分割型固定子の内周側に配置された回転子と、
    前記周方向に組み合わされた前記複数の固定子片の外周から当該複数の固定子片に密接し当該複数の固定子片を固定するケースと、を有する回転電機であって、
    相互に隣接する2つの前記固定子片のヨーク部の相互に対向する2つの対向面のそれぞれは、当該固定子片の外周に繋がり、且つ、前記周方向に対して傾斜している最外周対向面を含み、
    相互に対向する2つの前記最外周対向面のうち、当該最外周対向面が属する固定子片の外周面とのなす角度が相対的に小さい一方の最外周対向面の外周側の端部に応力が集中するように、当該端部が、他方の最外周対向面の外周側の端部よりも、前記ケース側に迫り出していることを特徴とする回転電機。
  2. 前記対向面には、前記最外周対向面と、前記最外周対向面よりも内周側で前記周方向に延在する内周対向面とが含まれることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記固定子片は、内周側が外周側よりも突出する傾斜が前記周方向の端部に形成されている磁性体製の薄板と、外周側が内周側よりも突出する傾斜が前記周方向の端部に形成されている磁性体製の薄板とが、それらの厚み方向に1枚又は複数枚ずつ交互に積み重ねられることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  4. 請求項1に記載の回転電機の製造方法であって、
    相互に対向する2つの前記最外周対向面のうち、外周側の端部のみを相互に接触させた状態で、前記複数の固定子片を前記周方向に組み合わせる第1の工程と、
    前記第1の工程によって前記周方向に組み合わせられた前記複数の固定子片を前記ケースに固定する第2の工程と、を有することを特徴とする回転電機の製造方法。
  5. 前記対向面には、前記最外周対向面と、前記最外周対向面よりも内周側で前記周方向に延在する内周対向面とが含まれており、
    前記第1の工程は、相互に対向する2つの前記最外周対向面のうち、外周側の端部のみを相互に接触させると共に、相互に対向する前記内周対向面の一部を相互に接触させ、且つ、前記対向面のその他の領域を相互に接触させない状態で、前記複数の固定子片を前記周方向に組み合わせることを特徴とする請求項4に記載の回転電機の製造方法。
  6. 内周側が外周側よりも突出する傾斜が前記周方向の端部に形成されている磁性体製の薄板と、外周側が内周側よりも突出する傾斜が前記周方向の端部に形成されている磁性体製の薄板とを、それらの厚み方向に1枚又は複数枚ずつ交互に積み重ねることにより前記固定子片を形成する第3の工程を更に有し、
    前記第1の工程は、相互に対向する2つの前記最外周対向面のうち、外周側の端部のみを相互に接触させた状態で、前記第3の工程により形成された前記複数の固定子片を前記周方向に組み合わせることを特徴とする請求項4に記載の回転電機の製造方法。
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