JP2014204054A - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩留まりを向上させることができる電子部品及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】コア12は、平板状の底部12a、及び、該底部12aの上面から上方に突出する柱状の巻芯部12bを含む。巻線14は、巻芯部12bに巻きつけられていると共に、その端部が底部12aの底面に引き出されている。巻線14において底部12aの底面に引き出されている部分は、該底面に減り込んでいる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子部品及びその製造方法に関し、例えば、巻線型の電子部品及びその製造方法に関する。
従来の電子部品に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載のコイル部品が知られている。図9は、特許文献1に記載のコイル部品510の断面構造図である。
コイル部品510は、コア512、磁性外装514、コイル516及び外部端子517a,517bを備えている。コア512は、板状部512a及び柱状部512bを含んでいる。柱状部512bは、板状部512aの上面から上方に突出している。
コイル516は、柱状部512bの周囲に配置されている。外部端子517aは、導体膜518a,520aを含んでいる。導体膜518aは、板状部512aの側面及び底面に跨って形成されており、L字状の断面構造を有している。外部端子517bは、導体膜518b,520bを含んでいる。導体膜518bは、板状部512aの側面及び底面に跨って形成されており、L字状の断面構造を有している。コイル516の両端はそれぞれ、導体膜518a,518bに接続されている。
磁性外装514は、コア512及びコイル516を覆っている。ただし、コア512の底面の一部は磁性外装514から露出している。
導体膜520aは、磁性外装514の側面及び底面に跨って形成されており、L字状の断面構造を有している。また、導体膜520aは、導体膜518aに接続されている。導体膜520bは、磁性外装514の側面及び底面に跨って形成されており、L字状の断面構造を有している。また、導体膜520bは、導体膜518bに接続されている。
ところで、特許文献1に記載のコイル部品510では、断線が発生しやすいという問題がある。より詳細には、コイル部品510では、コイル516の両端は、外部端子517a,517bの導体膜518a,518b上に熱溶着接合によって接続されている。そして、コイル516の両端が導体膜518a,518b上に接続された状態で、磁性体ペーストをコア512及びコイル516上にセットして加熱処理及び加圧処理を施して、磁性外装514を成形している。そのため、磁性外装514の成形時の圧力によって、コイル516の両端が導体膜518a,518bから外れてしまうおそれがある。すなわち、特許文献1に記載のコイル部品510では、歩留まりが悪い。
特開2012−234868号公報
そこで、本発明の目的は、歩留まりを向上させることができる電子部品及びその製造方法を提供することである。
本発明の一形態に係る電子部品は、平板状の底部、及び、該底部の上面から上方に突出する柱状の巻芯部を含むコアと、前記巻芯部に巻きつけられていると共に、その端部が前記底部の底面に引き出されている巻線と、を備えており、前記巻線において前記底面に引き出されている部分は、該底面に減り込んでいること、を特徴とする。
本発明の一形態に係る電子部品の製造方法は、熱硬化性樹脂を含有する未硬化のコアであって、平板状の底部、及び、該底部の上面から上方に突出する柱状の巻芯部を含むコアを準備する準備工程と、巻線が前記巻芯部の周囲を周回し、かつ、該巻線の端部が前記底部の底面に引き出されるように、該巻線を前記コアに取り付ける取り付け工程と、加熱処理及び加圧処理を前記コアに対して施すことによって、該コアを硬化させると共に、前記巻線において前記底面に引き出されている部分を該底面に減り込ませる硬化工程と、を備えていること、を特徴とする。
本発明によれば、歩留まりを向上させることができる。
一実施形態に係る電子部品の外観斜視図である。 図1の電子部品のA−Aにおける断面構造図である。 電子部品に内蔵されているコアの外観斜視図である。 電子部品に内蔵されている巻線の外観斜視図である。 電子部品の製造時の工程断面図である。 電子部品の製造時の工程断面図である。 電子部品の製造時の工程断面図である。 電子部品の製造時の工程断面図である。 特許文献1に記載のコイル部品の断面構造図である。
以下に、本発明の実施形態に係る電子部品及びその製造方法について説明する。
(電子部品の構成)
以下に、一実施形態に係る電子部品10の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る電子部品10の外観斜視図である。図2は、図1の電子部品10のA−Aにおける断面構造図である。図3は、電子部品10に内蔵されているコア12の外観斜視図である。図4は、電子部品10に内蔵されている巻線14の外観斜視図である。以下では、電子部品10の高さ方向を上下方向と定義し、電子部品10を上側から平面視したときに長辺が延在する方向を左右方向と定義し、電子部品10を上側から平面視したときに短辺が延在する方向を前後方向と定義する。
電子部品10は、図1及び図2に示すように、コア12、巻線14、外部電極16a,16b及びカバー18を備えている。
コア12は、磁性体材料の粉末(例えば、Fe−Si系粉末、Fe−Si−Al系粉末、Fe系アモルファス粉末等の軟磁性金属粉末)及び熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ)を含有する材料により作製され、図1ないし図3に示すように、底部12a及び巻芯部12bを含んでいる。底部12aは、上側から平面視したときに長方形状をなす板状部材である。ただし、底部12aでは、長辺の中央が前後方向に張り出している。巻芯部12bは、底部12aの上面の中央(対角線の交点)から上方に突出している柱状部材である。巻芯部12bは、上側から平面視したときに長円状をなしている。底部12aと巻芯部12bとは一体成形されている。
巻線14は、巻芯部12bの周囲に巻きつけられており、かつ、その端部ta,tbが底部12aの底面に引き出されており、コイルを構成している。巻線14は、断面が長方形状又は長円状をなし、かつ、表面に絶縁処理が施されている平角線である。巻線14は、図1、図2及び図4に示すように、コイル下部14a、コイル上部14b及び引き出し部14c,14dを含んでいる。
コイル下部14aは、巻芯部12bの周囲を周回しており、より具体的には、上側から平面視したときに、反時計回りに周回しながら中心に向かう渦巻状をなしている。また、コイル下部14aの内周側の端部は、上方に引き出されている。
コイル上部14bは、コイル下部14aよりも上側に設けられており、巻芯部12bの周囲を周回しており、より詳細には、上側から平面視したときに、反時計回りに周回しながら外側に向かう渦巻状をなしている。コイル上部14bの内周側の端部は、コイル下部14aの内周側の端部と接続されている。
引き出し部14cは、コイル下部14aの外周側の端部に接続されており、底部12aの上面及び底部12aの後ろ側の側面に沿っていると共に、底部12aの底面における左右方向の中央よりも右側に引き出されている。また、引き出し部14cは、底部12aの後ろ側の長辺の中央部分(すなわち、突出している部分)を通過していない。更に、引き出し部14cにおいて底部12aの底面に引き出されている部分は、底面に減り込んでおり、底面と一つの平面を形成している。すなわち、底部12aの底面の一部に窪みが形成されており、該窪みに引き出し部14cがはまり込んでいる。
引き出し部14dは、コイル上部14bの外周側の端部に接続されており、底部12aの上面及び底部12aの後ろ側の側面に沿って延在すると共に、底部12aの底面における左右方向の中央よりも左側に引き出されている。また、引き出し部14dは、底部12aの後ろ側の長辺の中央部分(すなわち、突出している部分)を通過していない。更に、引き出し部14dにおいて底部12aの底面に引き出されている部分は、底面に減り込んでおり、底面と一つの平面を形成している。すなわち、底部12aの底面の一部に窪みが形成されており、該窪みに引き出し部14dがはまり込んでいる。
外部電極16aは、図1及び図2に示すように、引き出し部14cにおいて底部12aの底面に引き出されている部分の一部を覆うように、底部12aの底面上に設けられている。外部電極16aは、長方形状をなしており、例えば、Agからなる下地電極上にNiめっき及びSnめっきが施されることにより作製されている。
外部電極16bは、図1及び図2に示すように、引き出し部14dにおいて底部12aの底面に引き出されている部分の一部を覆うように、底部12aの底面上に設けられている。外部電極16aは、長方形状をなし、例えば、Agからなる下地電極上にNiめっき及びSnめっきが施されることにより作製されている。
カバー18は、磁性体材料の粉末(例えば、Fe−Si系粉末、Fe−Si−Al系粉末、Fe系アモルファス粉末等の軟磁性金属粉末)及び熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ)を含有する材料により作製され、図1及び図2に示すように、コア12及び巻線14を覆っている。ただし、底部12aの底面は、カバー18から露出している。コア12とカバー18とは、組み合わさることによって直方体状をなしている。
(コイル部品の製造方法)
次に、電子部品10の製造方法について図面を参照しながら説明する。図5ないし図8は、電子部品10の製造時の工程断面図である。
まず、未硬化のコア12を準備する。未硬化のコア12とは、図3に示す形状を保持するように磁性体材料の粉末及び熱硬化性樹脂の粉末が押し固められたものである。
次に、図5に示すように、未硬化のコア12の巻芯部12bの周囲を周回するように巻線14を取り付ける。本工程では、巻線14の引き出し部14c,14dは、折り曲げられておらず下方に向かって延在している。
次に、図6に示すように、引き出し部14c,14dを折り曲げて、巻線14の端部ta,tbを底部12aの底面に引き出す。本工程では、巻線14において底部12aの底面上に引き出されている部分は、該底面に減り込んでいない。
次に、図7に示すように、巻線14が取り付けられたコア12を上方が開口した雌型Xに投入する。更に、カバー18の材料である磁性体材料の粉末及び熱硬化性樹脂の粉末からなる材料をコア12及び巻線14上に投入する。カバー18の材料の熱硬化性樹脂の割合は、コア12の材料の熱硬化性樹脂の比率よりも高い。これは、後述する、加熱処理及び加圧処理において、カバー18を所定の形状に成形しやすくするためである。
次に、図8に示すように、未硬化のコア12及びカバー18の材料に対して加熱処理及び加圧処理を施す。具体的には、雄型Yを雌型Xの上方の開口から挿入し、カバー18の材料を上側から押し付ける。これにより、底部12aの底面に対して垂直に加圧処理が施される。また、雌型Xには、ヒータが設けられている。これにより、加熱処理が施される。加熱処理及び加圧処理時に、巻線14において底部12aの底面に引き出された部分が図2に示すように該底面に減り込む。加熱処理及び加圧処理の条件は、例えば、150℃の加熱及び1t/cm2である。
次に、引き出し部14c,14dにおいて底部12aの底面上に引き出されている部分に対して、レーザビームを照射して、引き出し部14c,14dの被膜を除去する。更に、底部12aの底面上にAgを主成分とする導電性ペーストを塗布して外部電極16a,16bの下地電極を形成する。最後に、外部電極16a,16b上にNiめっき及びSnめっきを施す。以上の工程により、電子部品10が完成する。
(効果)
以上のような電子部品10及びその製造方法によれば、歩留まりを向上させることができる。より詳細には、電子部品10では、引き出し部14c,14dにおいて、底部12aの底面に引き出されている部分は、底面に減り込んでいるので、底部12aに強固に保持されている。よって、引き出し部14c,14dが底部12aの底面から容易に外れない。そのため、引き出し部14c,14dが底部12aの底面から外れることによって、外部電極16a,16bが底部12aの底面から剥離することが抑制される。すなわち、巻線14と外部電極16a,16bとの間で断線が発生することが抑制される。以上より、電子部品10の歩留まりが向上する。
また、電子部品10の製造方法によれば、歩留まりを向上させることができる。より詳細には、加熱処理及び加圧処理を未硬化のコア12に対して施すことによって、コア12を硬化させると共に、引き出し部14c,14dにおいて底部12aの底面に引き出されている部分を底面に減り込ませている。そのため、外部電極16a,16bの形成工程において、引き出し部14c,14dが底部12aの底面から外れることが抑制される。その結果、巻線14と外部電極16a,16bとの間で断線が発生することが抑制され、歩留まりが向上する。
また、電子部品10では、巻線14と外部電極16a,16bとの間の断線を容易に発見できる。より詳細には、特許文献1に記載のコイル516の両端と導体膜518a,518bとの接続部分は、磁性外装514により覆われているので、コイル516と導体膜518a,518bとの間の断線を目視により発見することが困難である。
一方、電子部品10では、外部電極16a,16bはそれぞれ、引き出し部14c,14dを覆うように設けられている。よって、引き出し部14c,14dと外部電極16a,16bとの間で断線が発生した場合には、目視によって確認することが可能である。
また、電子部品10の製造方法では、未硬化のコア12に対して巻線14を取り付けた後に、加熱処理及び加圧処理によってコア12を硬化させている。そのため、加熱処理及び加圧処理において、巻線14の周囲に形成された空洞にコア12の材料が入り込むようになる。
また、電子部品10の製造方法では、未硬化のコア12に対して加熱処理及び加圧処理を施して、引き出し部14c,14dを底部12aの底面に減り込ませている。そのため、引き出し部14c,14dが底部12aの底面に減り込む際に、コア12に割れが発生することが抑制される。
また、電子部品10では、直流抵抗値の低減を図ることができる。より詳細には、特許文献1に記載のコイル部品510では、コイル516の両端はそれぞれ、コイル部品510内において導体膜518a,518bと接続されている。そして、導体膜518a,518b及び導体膜520a,520bによって、外部端子517a,517bがコイル部品510の表面に引き出されている。ここで、導体膜518a,518b,520a,520bは、Ag等の比較的に高い抵抗値を有する材料により作製されている。そのため、コイル部品510では、直流抵抗値が高くなってしまう。
一方、電子部品10では、比較的に低い抵抗値を有する材料からなる引き出し部14c,14dが底部12aの底面まで引き出され、該引き出し部14c,14dを覆うように外部電極16a,16bが設けられている。これにより、電子部品10では、コイル部品510に比べて、直流抵抗値の低減が図られる。
また、電子部品10及びその製造方法では、電子部品10を容易に作製できる。より詳細には、特許文献1に記載のコイル部品510では、外部端子517aは、導体膜518a,520aを含んでおり、外部端子517bは、導体膜518b,520bを含んでいる。そのため、コイル部品510の製造の際には、導体膜518a,518bを形成する工程及び導体膜520a,520bを形成する工程が必要になる。
一方、電子部品10では、外部電極16a,16bは、外部端子517a,517bのように2つの導体膜を含んでいない。よって、外部電極16a.16bの形成工程は、外部端子517a,517bの形成工程よりも簡単である。以上より、電子部品10及びその製造方法では、電子部品10をコイル部品510よりも容易に作製できる。
また、電子部品10では、引き出し部14c,14dは、底部12aの後ろ側の長辺の中央部分(すなわち、突出している部分)を通過していない。これにより、底部12aの後ろ側の長辺の中央部分によって、引き出し部14c,14dが左右方向にスライドすることが規制されるようになる。
(その他の実施形態)
本発明に係る電子部品は、前記電子部品10に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
なお、電子部品10において、外部電極16a,16bは必須ではない。引き出し部14c,14dが底部12aの底面に引き出されている部分が外部電極として用いられてもよい。この場合、引き出し部14c,14dが底部12aの底面に引き出されている部分にNiめっき及びSnめっきが施されていることが好ましい。この場合においても、引き出し部14c,14dは、底面に減り込んでいるので、底部12aから容易に外れない。よって、電子部品10の歩留まりが向上する。
また、電子部品10において、外部電極16a,16bはそれぞれ、引き出し部14c,14dにおいて底部12aの底面に引き出されている部分の全体を覆っていてもよい。
以上のように、本発明は、電子部品及びその製造方法に有用であり、特に、歩留まりを向上できる点で優れている。
10 電子部品
12 コア
12a 底部
12b 巻芯部
14 巻線
14a コイル下部
14b コイル上部
14c,14d 引き出し部
16a,16b 外部電極
18 カバー

Claims (7)

  1. 平板状の底部、及び、該底部の上面から上方に突出する柱状の巻芯部を含むコアと、
    前記巻芯部に巻きつけられていると共に、その端部が前記底部の底面に引き出されている巻線と、
    を備えており、
    前記巻線において前記底面に引き出されている部分は、該底面に減り込んでいること、
    を特徴とする電子部品。
  2. 前記巻線において前記底面に引き出されている部分の少なくとも一部を覆うように設けられている外部電極を、
    更に備えていること、
    を特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記コアは、磁性材料及び熱硬化性樹脂を含む材料により作製されていること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の電子部品。
  4. 熱硬化性樹脂を含有する未硬化のコアであって、平板状の底部、及び、該底部の上面から上方に突出する柱状の巻芯部を含むコアを準備する準備工程と、
    巻線が前記巻芯部の周囲を周回し、かつ、該巻線の端部が前記底部の底面に引き出されるように、該巻線を前記コアに取り付ける取り付け工程と、
    加熱処理及び加圧処理を前記コアに対して施すことによって、該コアを硬化させると共に、前記巻線において前記底面に引き出されている部分を該底面に減り込ませる硬化工程と、
    を備えていること、
    を特徴とする電子部品の製造方法。
  5. 前記硬化工程では、熱硬化性樹脂を含有するカバーを、前記巻線を覆うように取り付けて、該カバー及び前記コアに加熱処理及び加圧処理を施すこと、
    を特徴とする請求項4に記載の電子部品の製造方法。
  6. 前記カバーの材料に含まれる熱硬化性樹脂の割合は、前記コアの材料に含まれる熱硬化性樹脂の割合よりも高いこと、
    を特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  7. 前記底面において前記巻線の端部を覆う外部電極を形成する形成工程を、
    更に備えていること、
    を特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
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