JP2014202411A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷蔵空間と冷凍空間を交互に冷却する冷蔵庫であって、冷蔵空間の冷却中における冷凍空間の温度上昇を防ぐことができる冷蔵庫を提供することである。【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、冷蔵空間と、冷凍空間と、冷気を発生させる蒸発器とを備え、前記蒸発器で発生した冷気により前記冷蔵空間と前記冷凍空間を交互に冷却する冷蔵庫において、前記冷凍空間内の温度を測る冷凍温度センサと、前記蒸発器の温度を測る蒸発器温度センサとを備え、前記冷蔵空間の冷却中であって、前記冷凍空間の温度が前記蒸発器の温度より高い時は、前記冷蔵空間の冷却に加えて前記冷凍空間の冷却が開始されることを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
蒸発器を1つだけ備え、そこで発生する冷気で冷蔵空間と冷凍空間の両方を冷却する冷蔵庫がある。この冷蔵庫の冷蔵空間と冷凍空間の冷却方法は、主に2つある。
1つめの方法は、発生した冷気を、冷蔵空間と冷凍空間に同時に送る方法である。この方法の場合、冷蔵空間から蒸発器の周囲へ戻った空気により蒸発器が温められ、蒸発器で発生する冷気の温度が上がり、温度が上がった冷気が冷凍空間へ送られることになる。そのため、冷凍空間が冷却されにくいという問題があった。
2つめの方法は、蒸発器で発生した冷気を、冷蔵空間と冷凍空間に交互に送り、両空間を交互に冷却する方法である(例えば特許文献1)。この方法では、冷蔵空間の冷却中に冷凍空間の温度が上昇した場合に、直ちに冷凍空間の温度を低下させることができないという問題があった。
この問題を解決するために、冷蔵空間の冷却中に、冷凍空間に多くの物が収納された場合や、冷凍空間の扉の開閉が頻繁にされた場合は、冷凍空間の冷却も実施することが提案されている。しかし、このことは、上記の1つめの方法を実施することと同じであるため、上記の1つめの方法と同じ問題を抱えている。
本発明が解決しようとする課題は、冷蔵空間と冷凍空間を交互に冷却する冷蔵庫であって、冷蔵空間の冷却中における冷凍空間の温度上昇を防ぐことができる冷蔵庫を提供することである。
実施形態の冷蔵庫は、冷蔵空間と、冷凍空間と、冷気を発生させる蒸発器とを備え、前記蒸発器で発生した冷気により前記冷蔵空間と前記冷凍空間を交互に冷却する冷蔵庫において、前記冷凍空間内の温度を測る冷凍温度センサと、前記蒸発器の温度を測る蒸発器温度センサとを備え、前記冷蔵空間の冷却中であって、前記冷凍空間の温度が、前記蒸発器の温度に予め定められた固定温度を加えた温度より高い時は、前記冷蔵空間の冷却に加えて前記冷凍空間の冷却が開始されることを特徴とする。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(冷蔵庫の構成)
本実施形態に係る冷蔵庫10は、図1及び図2に示すように、外郭を形成する外箱と貯蔵空間を形成する内箱との間に発泡断熱材を充填した断熱箱体からなる冷蔵庫本体11を備え、貯蔵空間を断熱仕切壁12によって上方の冷蔵空間20と下方の冷凍空間40とに区画している。
本実施形態に係る冷蔵庫10は、図1及び図2に示すように、外郭を形成する外箱と貯蔵空間を形成する内箱との間に発泡断熱材を充填した断熱箱体からなる冷蔵庫本体11を備え、貯蔵空間を断熱仕切壁12によって上方の冷蔵空間20と下方の冷凍空間40とに区画している。
冷蔵空間20は、冷蔵温度(例えば、2〜3℃)に冷却される空間であって、内部がさらに仕切板21によって上下に区画され、上部空間に複数段の載置棚を設けた冷蔵室22が設けられ、下部空間に引き出し式の収納容器25を配置する野菜室24が設けられている。また、冷蔵空間20内には、図示しない冷蔵温度センサが備えられている。
野菜室24の下方に配置した冷凍空間40は、冷凍温度(例えば、−18℃以下)に冷却される空間であって、比較的小容積の自動製氷機を備えた製氷室42と図示しない小型冷凍室とが左右に併設され、その下方に冷凍室46が設けられている。また、冷凍空間40内には、図示しない冷凍温度センサが備えられている。
冷蔵室22の開口部は、冷蔵庫本体11の一側部の上下に設けられたヒンジにより回動自在に枢支された冷蔵室扉22aにより閉塞されている。
野菜室24、製氷室42、及び冷凍室46の開口部は、それぞれ引き出し式扉24a,42a,46aにより閉塞されている。各引き出し式扉24a,42a,46aの裏面側に固着した左右一対の支持枠には、収納容器25,45,47が保持されており、開扉動作とともに庫外に引き出されるように構成されている。
冷凍空間40の背面下部にある機械室57には、圧縮機56と、圧縮機56に連結された凝縮器55が収納されている。図6に示すように、凝縮器55は絞り装置50に連結され、絞り装置50は蒸発器53に連結され、蒸発器53は圧縮機56に連結されている。圧縮機56、凝縮器55、絞り装置50、蒸発器53を備えるループの中を冷媒が流れる。蒸発器53は、蒸発器ファン58とともに冷凍空間40背面に設けられた蒸発器室61内に収納されている。
蒸発器53は、冷媒が通るパイプと、該パイプの外径側に該パイプの延長方向に対して垂直に設けられた複数の板状のフィンとを備える。パイプの外径面のうち、冷媒の最も下流側のフィンより冷媒下流側の部分には、蒸発器温度センサ71が設けられている。蒸発器温度センサ71は、蒸発器53の冷媒の出口の温度を測定している。
圧縮機56で加圧され高温・高圧の気体となった冷媒が、凝縮器で放熱し、高圧のまま外気温近くの温度まで下がり液化する。高圧の冷媒は、絞り装置を通過後に減圧され、沸点が下がり、蒸発器53で気化するとともに吸熱する。この吸熱により、蒸発器53とその周囲の空気との間で熱交換が行われ、蒸発器53の周辺に冷気が発生する。発生した冷気は、蒸発器ファン58によって冷凍空間40及び冷蔵空間20へ送風される。
冷蔵空間20と蒸発器室61との間には、冷蔵空間20と蒸発器室61とを連通する吹出流路34a及び図示しない吸込流路が設けられている。吹出流路34aは蒸発器室61で発生した冷気を冷蔵空間20に供給する流路である。吸込流路は冷蔵空間20の冷気を蒸発器室61へ戻す流路である。吹出流路34aの蒸発器室61側の端部、すなわち蒸発器室61から吹出流路34aへ冷気が吹き出す吹出口34に、吹出口34を開閉する第1の吹出ダンパ35が設けてある。なお、吹出流路34aは冷蔵空間20の背面の一部に沿うように設けられていて、中途には複数の吹出口27が設けてある。
冷凍空間40と、冷凍空間40の背後上部にある蒸発器室61は、壁62により仕切られている。壁62には、冷凍空間40と蒸発器室61とを連通する吹出流路30a及び吸込流路32aが設けられている。吹出流路30aは蒸発器室61で発生した冷気を冷凍空間40に供給する流路である。吸込流路32aは冷凍空間40の冷気を蒸発器室61へ戻す流路である。吹出流路30aの冷凍空間40側の端部、すなわち吹出口30には、吹出口30を開閉する第2の吹出ダンパ31が設けられている。壁62の製氷室42および冷凍室46の間の高さに位置する箇所に吹出口30が設けられ、壁62における冷凍室46の高さ方向中央部に吸込口32が設けられている。
(冷蔵庫の運転)
(第1の実施形態)
上記の構成の冷蔵庫10では、冷蔵空間20と冷凍空間40とが交互に冷却される。冷蔵空間20の冷却中は、冷蔵空間20への第1の吹出ダンパ35が開いた状態となり、冷凍空間40への第2の吹出ダンパ31が閉じた状態となる。これにより、蒸発器室61で発生した冷気が冷蔵空間20にのみ導入され、冷蔵空間20のみが冷却される。冷凍空間40の冷却中は、冷凍空間40への第2の吹出ダンパ31が開いた状態となり、冷蔵空間20への第1の吹出ダンパ35が閉じた状態となる。これにより、蒸発器室61で発生した冷気が冷凍空間40にのみ導入され、冷凍空間40のみが冷却される。
(第1の実施形態)
上記の構成の冷蔵庫10では、冷蔵空間20と冷凍空間40とが交互に冷却される。冷蔵空間20の冷却中は、冷蔵空間20への第1の吹出ダンパ35が開いた状態となり、冷凍空間40への第2の吹出ダンパ31が閉じた状態となる。これにより、蒸発器室61で発生した冷気が冷蔵空間20にのみ導入され、冷蔵空間20のみが冷却される。冷凍空間40の冷却中は、冷凍空間40への第2の吹出ダンパ31が開いた状態となり、冷蔵空間20への第1の吹出ダンパ35が閉じた状態となる。これにより、蒸発器室61で発生した冷気が冷凍空間40にのみ導入され、冷凍空間40のみが冷却される。
また、以下に説明するように、一定の条件の下、冷蔵空間20の冷却中に冷凍空間40の冷却も行われる。その場合は、第1の吹出ダンパ35と第2の吹出ダンパ31が共に開いた状態となる。
まず、冷蔵空間20の冷却が開始されると(図2のS1)、蒸発器温度センサ71が蒸発器53の温度を、冷凍温度センサが冷凍空間40の温度を、それぞれ測定する(S2)。次に、蒸発器53の温度と冷凍空間40の温度とが比較される(S3)。そして、蒸発器53の温度が冷凍空間40の温度より低い場合は(S3のYes)、冷凍空間40の冷却が開始される(S4)。一方、蒸発器53の温度と冷凍空間40の温度とが同じであるか、冷凍空間40の温度の方が低い場合は(S3のNo)、冷凍空間40の冷却は開始されない。
冷蔵空間20の冷却中に冷凍空間40が冷却される場合、蒸発器53の温度と冷凍空間40の温度との差が大きい程、冷凍空間40への吹出ダンパ31の開度が大きくなるように制御されることが望ましい。
この実施形態によれば、蒸発器53の温度が冷凍空間40の温度より低い場合に、冷蔵空間20と冷凍空間40の同時冷却が開始される。そのため、冷蔵空間20の冷却中に、冷凍空間40の温度が上昇することを防ぐことができる。一方、冷蔵空間20から蒸発器53に戻った空気によって蒸発器53が温められた等の理由によって、蒸発器53の温度と冷凍空間40の温度とが同じになっているか、冷凍空間40の温度の方が低くなっている場合は、冷蔵空間20と冷凍空間40の同時冷却が開始されない。そのため、冷凍空間40に温度の高い空気が混入することを防ぐことができる。従って、冷凍空間40の温度が上昇することを防ぐことができる。
ここで、蒸発器温度センサ71は、蒸発器53の冷媒の出口の温度を測定するが、このことには次の理由がある。蒸発器53では、蒸発器53の周囲を循環する空気の温度と冷媒の温度とが同一になるように熱交換が行われる。そして、熱交換が実施された後の冷媒が、蒸発器53の冷媒の出口を通る。従って、蒸発器53の冷媒の出口の温度は、蒸発器53の他の部分の温度と比較して、蒸発器53で発生し冷凍空間40へ送られる冷気の温度に近い。そのため、蒸発器53の冷媒の出口の測定温度は、蒸発器53の周囲において発生した冷気を冷凍空間40へ送ることによって、冷凍空間40を冷却可能か否かの判断を行うための測定温度として、適切である。
また、蒸発器53の温度と冷凍空間40の温度との差が大きい場合は、冷凍空間40への吹出ダンパ31の開度が大きくなり、多くの冷気が冷凍空間40へ送られるため、冷凍空間40を十分冷却することができる。
一方、蒸発器53の温度と冷凍空間40の温度との差が小さい場合は、冷凍空間40への吹出ダンパ31の開度が小さくなるため、蒸発器53の周囲において循環する空気の量が減る。そのため、蒸発器53で交換される熱量が少なくなり、蒸発器53の温度の上昇が小さくなる。そのため、蒸発器53の冷凍空間40を冷却する能力が、長時間失われない。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の冷蔵庫の構成は、第1の実施形態の冷蔵庫の構成と同じである。
第2の実施形態の冷蔵庫の構成は、第1の実施形態の冷蔵庫の構成と同じである。
また、基本的な運転の方法も、第1の実施形態の場合と同じである。しかし、冷凍空間40の冷却が開始された後、その冷却が停止されることがある点で異なる。具体的には、冷蔵空間20の冷却中に冷凍空間40の冷却も開始された場合(図3のS4)、さらに継続して蒸発器53の温度と冷凍空間40の温度が測定される(S5)。そして、蒸発器53の温度と冷凍空間40の温度とが同じになるか、冷凍空間40の温度の方が低くなった場合は(S6のNo)、冷凍空間40の冷却が停止される(S7)。
この実施形態によれば、冷凍空間40の冷却が開始された後に、蒸発器53の温度と冷凍空間40の温度とが同じになるか、冷凍空間40の温度の方が低くなった場合は、冷凍空間40の冷却が停止されるため、冷凍空間40に温度の高い空気が混入することを防ぐことができる。そのため、冷凍空間40の温度が上昇することを防ぐことができる。また、蒸発器53の周囲で循環する暖かい空気が増えることにより、蒸発器53の温度がさらに上昇することを、防ぐことができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の冷蔵庫の基本的な構成は、第1の実施形態の冷蔵庫の構成と同じである。ただし、蒸発器53における、冷媒の最も上流側のフィンより冷媒上流側のパイプの外径面には、該パイプの温度を測定する入口側温度センサ72が設けられている。入口側温度センサ72は、蒸発器53の冷媒の入口の温度を測定する。
第3の実施形態の冷蔵庫の基本的な構成は、第1の実施形態の冷蔵庫の構成と同じである。ただし、蒸発器53における、冷媒の最も上流側のフィンより冷媒上流側のパイプの外径面には、該パイプの温度を測定する入口側温度センサ72が設けられている。入口側温度センサ72は、蒸発器53の冷媒の入口の温度を測定する。
そして、以下に説明するように、一定の条件の下、冷蔵空間20の冷却中に冷凍空間40の冷却も行われる。
まず、冷蔵空間20の冷却が開始されると(図4のS1)、蒸発器温度センサ71が蒸発器53の温度を、冷凍温度センサが冷凍空間40の温度を、入口側温度センサ72が蒸発器53の冷媒の入口の温度を、それぞれ測定する(S2)。ここで、先に述べたように、蒸発器温度センサ71は、蒸発器53の冷媒の出口の温度を測定している。次に、蒸発器53の温度と冷凍空間40の温度とが比較される(S3)。また、蒸発器53の冷媒の出口の温度から入口の温度を引いた値と、下で説明する許容値とが比較される(S3)。その結果、蒸発器53の温度が冷凍空間40の温度より低く、かつ、蒸発器53の冷媒の出口の温度から入口の温度を引いた値が許容値より小さい場合は(S3のYes)、冷凍空間40の冷却が開始される(S4)。一方、それ以外の場合は(S3のNo)、冷凍空間40の冷却が開始されない。
ここで許容値とは、次の考え方に基づいて定められる値である。蒸発器53の入口における冷媒は主として液体であるが、蒸発器53の出口における冷媒は主として気体である。そして、蒸発器53の内部では、蒸発器53に流入した時に液体であった冷媒が、気化熱を吸収して気化している。ここで、蒸発器53に流入した時の冷媒における液体の割合が低い程、冷媒が気化熱として吸収できる熱量が少ない。そのため、蒸発器53の周囲から吸収される熱量の多くが冷媒の温度上昇に用いられ、蒸発器53の出口における冷媒の温度が、入口における冷媒の温度と比較して大幅に高くなる。この状態で、冷蔵空間20の冷却に加えて冷凍空間40の冷却を開始すると、冷凍空間40から蒸発器53の周囲へ、温度が上昇した空気が戻るため、蒸発器53の周囲において循環する暖かい空気の量が増える。しかし、冷媒が気化熱として吸収できる熱量が少ないため、蒸発器53の冷媒の温度がさらに上昇し、蒸発器53の温度が上昇し、蒸発器53で発生する冷気の温度が高くなる。そのため、冷凍空間40を冷却できなくなる上に、冷蔵空間20の冷却も十分にできなくなる可能性がある。このような状況となることを防ぐため、蒸発器53の出口と入口における冷媒の温度の差が一定値以上となる場合は、冷凍空間40の冷却を開始しないこととする。許容値とは、この一定値のことである。
許容値は、蒸発器53の大きさ、冷蔵庫に用いられている冷媒の量、その他の冷蔵庫の構造等によって定められる。また、許容値は、蒸発器ファン58の回転数が大きい程、大きくなるように、自動的に変化することが望ましい。その理由は次の通りである。蒸発器ファン58の回転数が多い程、蒸発器53とその周囲の空気との間で交換される熱量が多い。そのため、蒸発器ファン58の回転数が多い程、蒸発器53の冷媒の出口における冷媒の温度が、入口における冷媒の温度よりも高くなり易い。この場合の温度差は、蒸発器53に流入する冷媒における液体の割合が小さいことが原因で生じたものではない。この場合は、圧縮機56及び凝縮器55は十分に機能しているため、蒸発器53で気化した冷媒は、圧縮機56及び凝縮器55を通過して液化され、再び液体の状態で蒸発器53へ送られる。従って、冷蔵空間20の冷却に加えて冷凍空間40の冷却を開始して特に問題はない。そのため許容値を大きくしても問題が無い。逆に、蒸発器ファン58の回転数が多い場合に許容値が小さいと、冷凍空間40の冷却の開始の条件が満たされにくくなり、冷凍空間40の冷却が開始されにくくなる。従って、許容値は、蒸発器ファン58の回転数が大きい程、大きくなるように、自動的に変化することが望ましい。
この実施形態によれば、蒸発器53に流入する冷媒における液体の割合が低い時に、冷凍空間40の冷却が開始されることを防ぐことができる。これにより、蒸発器53により冷蔵空間20や冷凍空間40を冷却できなくなることを防ぐことができる。
また、蒸発器ファン58の回転数が大きい程、許容値が大きくなる。そのため、蒸発器ファン58の回転数が大きいことが原因で、蒸発器53の冷媒の出口における冷媒の温度が、入口における冷媒の温度よりも高くなった場合に、冷凍空間40の冷却が開始されなくなることを防ぐことができる。
(その他の実施形態)
第1〜3の実施形態を含めた、冷蔵空間20の冷却中の冷凍空間40の冷却の開始条件と停止条件の組み合わせのパターンを、表1にまとめる。また、表1における記号の意味を表2にまとめる。
第1〜3の実施形態を含めた、冷蔵空間20の冷却中の冷凍空間40の冷却の開始条件と停止条件の組み合わせのパターンを、表1にまとめる。また、表1における記号の意味を表2にまとめる。
一度冷凍空間40の冷却が開始された後、冷蔵庫の状態(特に、冷凍空間40の温度や、蒸発器53の冷媒の入口及び出口の温度)の変化にかかわらず冷凍空間40の冷却を継続すると、蒸発器53や冷凍空間40の温度が上昇するおそれがある。そのため、冷凍空間40の冷却の停止条件が設けられていることが望ましい。ここで、表2のB’を停止条件の1つとすると、蒸発器の温度上昇を防止することができるため、望ましい。
また、表1のパターン2〜5及び7〜10において、冷凍空間40の冷却の開始と停止は、1回の冷蔵空間20の冷却中に、条件が満たされる限り何度も繰り返されることが望ましい。冷蔵庫の状態の変化に合わせて、冷凍空間40の冷却の開始と停止がこまめに実施されることによって、冷凍空間40の温度上昇が防止される一方で、蒸発器53の温度が上昇することも防止されるからである。
ただし、冷凍空間40の冷却の開始と停止の繰り返しの回数に制限が設けられていても良い。例えば、冷凍空間40の冷却の開始と停止が、最大で1回ずつしか行われなくても良い。
(変更例)
上記の実施形態では、蒸発器53の温度が冷凍空間40の温度より低い場合に、冷凍空間40の冷却が開始されるが、蒸発器53の温度に予め定められた固定温度を加えた温度が、冷凍空間40の温度より低い場合に、冷凍空間40の冷却が開始されるようにしても良い。
上記の実施形態では、蒸発器53の温度が冷凍空間40の温度より低い場合に、冷凍空間40の冷却が開始されるが、蒸発器53の温度に予め定められた固定温度を加えた温度が、冷凍空間40の温度より低い場合に、冷凍空間40の冷却が開始されるようにしても良い。
このようにする理由は次の通りである。蒸発器53の温度が冷凍空間40の温度より低い場合であっても、蒸発器53で発生した冷気の、冷凍空間40へ導入された時点での温度が、冷凍空間40の温度より高い場合も考えうる。そのような場合、冷蔵空間20と冷凍空間40の同時冷却が行われても、冷凍空間40が冷却されない。そこで、蒸発器53で発生した冷気を冷蔵空間20と冷凍空間40へ送った場合に、冷凍空間40を冷凍温度まで冷却することが可能な、蒸発器53と冷凍空間40との温度差を固定温度とする。そして、蒸発器53の温度にこの固定温度を加えた温度が、冷凍空間40の温度より低い場合に、冷凍空間40の冷却が開始されるようにする。例えば、固定温度が5℃の場合、蒸発器53の温度が−25℃で、冷凍空間40の温度が−20℃以上であれば、冷凍空間40の冷却が開始されるようにする。固定温度は、蒸発器53の大きさ、蒸発器ファン58の大きさや平均的な回転数、蒸発器室61から冷凍空間40への吹出流路30aの長さ、その他の冷蔵庫の構造等に基づき、定められる。
また、蒸発器53の温度に固定温度を加えた温度と冷凍空間40の温度とが同じになるか、蒸発器53の温度に固定温度を加えた温度より冷凍空間40の温度の方が低くなった場合に、冷凍空間40の冷却が停止されるようにしても良い。
蒸発器温度センサは、蒸発器53のいずれかの部分の温度を直接的又は間接的に測定するものであれば良く、蒸発器53の冷媒の出口の温度を測定するものでなくても良い。蒸発器53の除霜完了を検出するために蒸発器53の周辺に温度センサが設けられている場合は、その温度センサを蒸発器温度センサとして用いても良い。また、第3の実施形態の冷蔵庫のように、蒸発器53に入口側温度センサが設けられている場合は、入口側温度センサを蒸発器温度センサとして用いても良い。
蒸発器温度センサで蒸発器53の冷媒の出口の温度を測定する場合、蒸発器温度センサが設けられる場所は、上記の実施形態に記載された場所に限られない。蒸発器温度センサが設けられる場所としては、蒸発器53の最も下流側のフィンから圧縮機までのパイプのいずれかの場所、蒸発器53の冷媒の最も下流側から数えて数枚分のフィン、蒸発器53のパイプのうちこれらのフィンが設けられている範囲の部分、等がありうる。また、蒸発器温度センサの測温部分が、これらのパイプやフィンの周囲の空気中に位置していても良い。
表1のパターン3〜10を実施する場合は、蒸発器53の冷媒の入口及び出口における冷媒の温度を測定する必要がある。その場合であって、蒸発器温度センサが蒸発器53の冷媒の出口における冷媒の温度を測定しないものである場合は、蒸発器温度センサの他に、蒸発器53の冷媒の出口の温度を測定する温度センサが設けられる。
入口側温度センサが設けられる場所は、上記の実施形態に記載された場所に限られない。蒸発器温度センサが設けられる場所としては、絞り装置から蒸発器53の最も上流側のフィンまでのパイプのいずれかの場所、蒸発器53の冷媒の最も上流側から数えて数枚分のフィン、蒸発器53のパイプのうちこれらのフィンが設けられている範囲の部分、等がありうる。また、入口側温度センサの測温部分が、これらのパイプやフィンの周囲の空気中に位置していても良い。
冷蔵空間20及び冷凍空間40への吹出ダンパ35、31の他に、冷蔵空間20から蒸発器室61への冷気の吸込流路及び、冷凍空間40から蒸発器室61への冷気の吸込流路32aに、それぞれ吸込ダンパを設けても良い。そして、冷蔵空間20への吹出ダンパ35が開又は閉となった場合に、冷蔵空間20からの吸込ダンパも開又は閉とする。また、冷凍空間40への吹出ダンパ31が開又は閉となった場合に、冷凍空間40からの吸込ダンパも開又は閉とする。このようにすれば、冷蔵空間20からの吸込流路と冷凍空間40からの吸込流路を通じて冷蔵空間20と冷凍空間40の冷気が混合することを防ぐことができる。
以上の実施形態は例示であり、発明の範囲はこれに限定されない。以上の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。以上の実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…冷蔵庫、11…冷蔵庫本体、12…断熱仕切壁、20…冷蔵空間、21…仕切板、22…冷蔵室、22a…冷蔵室扉、24…野菜室、24a…引き出し式扉、25…収納容器、27…吹出口、30…冷凍空間への吹出口、30a…冷凍空間への吹出流路、31…第2の吹出ダンパ、32…冷凍空間からの吸込口、32a…冷凍空間からの吸込流路、34…蒸発器からの吹出口、34a…冷蔵空間への吹出流路、35…第1の吹出ダンパ、40…冷凍空間、42…製氷室、42a…引き出し式扉、45…収納容器、46…冷凍室、46a…引き出し式扉、47…収納容器、50…絞り装置、53…蒸発器、55…凝縮器、56…圧縮機、57…機械室、58…蒸発器ファン、61…蒸発器室、62…壁、71…蒸発器温度センサ、72…入口側温度センサ
Claims (8)
- 冷蔵空間と、冷凍空間と、冷気を発生させる蒸発器とを備え、前記蒸発器で発生した冷気により前記冷蔵空間と前記冷凍空間を交互に冷却する冷蔵庫において、
前記冷凍空間内の温度を測る冷凍温度センサと、前記蒸発器の温度を測る蒸発器温度センサとを備え、
前記冷蔵空間の冷却中であって、前記冷凍空間の温度が前記蒸発器の温度より高い時は、前記冷蔵空間の冷却に加えて前記冷凍空間の冷却が開始されることを特徴とする冷蔵庫。 - 前記蒸発器が収納された蒸発器室と、前記蒸発器室から前記冷蔵空間へ冷気を吹出す流路に設けられた第1の吹出ダンパと、前記蒸発器室から前記冷凍空間へ冷気を吹出す流路に設けられた第2の吹出ダンパとを備え、
前記冷蔵空間のみの冷却中は前記第1の吹出ダンパが開いた状態となるとともに前記第2の吹出ダンパが閉じた状態となり、
前記冷凍空間のみの冷却中は前記第2の吹出ダンパが開いた状態となるとともに前記第1の吹出ダンパが閉じた状態となり、
前記冷蔵空間と前記冷凍空間の冷却中は前記第1及び第2の吹出ダンパが開いた状態となる
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。 - 前記冷蔵空間の冷却中に前記冷凍空間の冷却が開始された場合において、前記第2の吹出ダンパの開度が、前記蒸発器の温度と前記冷凍空間の温度との差が大きい程、大きいことを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
- 前記蒸発器温度センサは、前記蒸発器の冷媒の出口の温度を測ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
- 前記蒸発器の冷媒の入口の温度を測る温度センサと、出口の温度を測る温度センサが設けられ、
前記蒸発器の冷媒の出口の温度から前記蒸発器の冷媒の入口の温度を引いた値が、許容値以上である場合は、前記冷蔵空間の冷却中に冷凍空間の冷却が開始されない
ことを特徴とする請求項1〜4に記載の冷蔵庫。 - 蒸発器で発生した冷気を循環させるファンを備え、前記ファンの回転数が大きい程、前記許容値が大きくなることを特徴とする請求項5に記載の冷蔵庫。
- 前記冷蔵空間の冷却中であって、前記冷凍空間の冷却もなされている場合に、前記冷凍空間の温度が前記蒸発器の温度より高くなくなった時は、前記冷凍空間の冷却が停止されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
- 前記蒸発器の冷媒の入口の温度を測る温度センサと、出口の温度を測る温度センサが設けられ、
前記冷蔵空間の冷却中であって、前記冷凍空間の冷却もなされている場合に、
前記蒸発器の冷媒の出口の温度から前記蒸発器の冷媒の入口の温度を引いた値が許容値以上となった時は、
前記冷凍空間の冷却が停止されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
Priority Applications (2)
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JP2013078666A JP2014202411A (ja) | 2013-04-04 | 2013-04-04 | 冷蔵庫 |
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