JP6357644B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は冷凍室と冷蔵室にまたがって冷却室を設けた冷蔵庫に関するものである。
一般に家庭用冷蔵庫は、冷蔵庫本体内に温度帯域の異なる複数の貯蔵室、例えば、冷蔵室、野菜室、冷凍室を設けて構成してある。そして、このような複数の貯蔵室を有する冷蔵庫の中には、ユーザが最も使用しやすい冷蔵庫本体の上下略中央部分に野菜室を配置したものが見られる(例えば、特許文献1参照)。
図21は特許文献1記載の冷蔵庫の縦断面図、図22は冷蔵庫背面の概略構成を示す正面断面図を示す。冷蔵庫本体100の上部に冷蔵室101、下部に冷凍室102を設け、これら両室の間となる冷蔵庫本100の上下略中央部分に野菜室103が配置してある。そして冷蔵庫本体100の冷凍室102と野菜室103とにまたがってその背面に冷却室104を設け、この冷却室104に冷却器105と冷却ファン106を配置して、当該冷却器105で生成した冷気を前記冷却ファン106により冷蔵室101、野菜室103、冷凍室102に供給し循環させ、これら各室に貯蔵されている食品を冷却保存するようになっている。なお、上記野菜室101は冷蔵室104を冷却した後の冷気が供給されて野菜室内に収納した野菜を冷却保存するようになっている。野菜室103に導かれた冷気は収納ケース202,204の周囲を通過して後、戻り口を介して戻り通路512から冷媒循環系へ戻される。
特開平9−113109号公報
上記特許文献1に記載されている冷蔵庫、すなわち冷凍室102が冷蔵庫本体100の最下段に配置されている冷蔵庫は、上下中央のもっとも出し入れしやすい貯蔵室に、保存期間が短く使用頻度の高い野菜などの冷蔵食品を保存できるため重宝されている。
しかしながら、このような冷蔵庫は、野菜室103の背面にも冷却室104が位置するため、冷却室内の冷気が野菜室内へ流れ込み、野菜室内に結露が生じたり、野菜室内を凍結させたりすることがあり、そのような場合この中に収納している野菜等を劣化させてしまうという課題があった。
特に、冷蔵庫本体100の最下段に冷凍室102が設けてあるボトムフリーザタイプの冷蔵庫は、野菜室103は戻り通路512によって冷却室104と直接連通しているため、冷却ファン106が停止し冷却室104内が負圧でなくなる際には冷却室104内の冷気が野菜室103へ向かって戻り通路512を逆流してくることにより、戻り口周辺が冷凍温度になり野菜室内に結露や凍結が発生して野菜等を劣化させてしまうことが起こりやすかった。
この結露問題は、特開平11−118314号公報に開示されているように冷却室を冷凍室の背面のみに設けて野菜室の背面部分には位置させないようにすることによって解決することが考えられる。しかしながら、このような構成にすると、冷却室に設ける冷却器の大きさが限定されて冷却能力に制約が生じ、大能力の大型冷蔵庫には応用できず、よっ
て大型冷蔵庫では冷却室からの冷輻射で生じる結露による野菜劣化問題を解消することができないことになる。すなわち、この結露問題は、冷却室を大きくして冷却室104が野菜室背面部分にまで位置することになる大型の冷蔵庫においては避けがたい問題となっていた。
本発明はこのような点に鑑みてなしたもので、結露によって野菜室の野菜が劣化することを防止することを目的としたものである。
本発明は、上記従来の課題を解決するために、却器と冷却ファンとを収める冷却室と、冷蔵室と、野菜とを少なくとも有する冷蔵庫であって前記冷蔵室の冷気を前記冷却室に戻す戻り風路に、前記野菜室に冷気を供給するための開口部を設け、前記開口部の下端は前記冷却ファンの下端よりも上方にあり、前記開口部を形成する部材に、結露を前記戻り風路に流すための傾斜部材を設けることを特徴とする冷蔵庫である。
本発明の冷蔵庫は、結露によって野菜室の野菜が劣化することを防止できる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図 同実施の形態1における冷蔵庫の扉を開いた時の正面図 同実施の形態1における冷蔵庫を示す図2のA−A断面図 同実施の形態1における冷蔵庫を示す図2のB−B断面図 同実施の形態1における冷蔵庫の半裁斜視図 同実施の形態1における冷蔵庫の冷気流れを説明するための概略断面図 同実施の形態1における冷蔵庫の冷気流れを説明する概略正面図 同実施の形態1における冷蔵庫の冷却室背面部分の冷気流れを説明する斜視図 同実施の形態1における冷蔵庫を示す図3の要部拡大断面図 同図9における冷気流れを説明するための概略断面図 同実施の形態1における冷蔵庫を示す図4の要部拡大断面図 同図11における冷気流れを説明するための概略断面図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室と冷凍室を示す拡大正面図 野菜室の背面壁部分を構成する奥面仕切壁ブロックの斜視図 同図14に示す野菜室の背面壁部分を構成する奥面仕切壁ブロックの分解斜視図 同図15に示すC部詳細図 同実施の形態1における冷蔵庫の貯蔵室と野菜室を仕切る仕切板と冷却ファンの斜視図 同図17における仕切板と冷却ファンの分解斜視図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜収納ケースを示す斜視図 同実施の形態1における冷蔵庫の制御ブロック図 従来の冷蔵庫の概略断面図 従来の冷蔵庫の冷蔵庫背面の概略構成を示す正面断面図
第1の発明は、冷気を生成する冷却器と、前記冷却器で生成された冷気を強制的に循環させる冷却ファンと、前記冷却器および冷却ファンとを収める冷却室と、前記冷却室の一部を背面に備える低温貯蔵室と、前記低温貯蔵室の上方に前記低温貯蔵室より高い温度に保たれた少なくとも一つの高温貯蔵室と、前記高温貯蔵室と前記冷却室を連通する高温戻り通路を備える冷蔵庫において、前記高温戻り通路に設けた開口部は前記高温貯蔵室と前記高温戻り通路とを連通し、前記開口部の下端は前記冷却ファンの下端よりも上方にあることを特徴とする。
これにより、この冷蔵庫では冷却ファン高さまで逆流する冷凍温度帯の冷気が開口部を通り高温貯蔵室へ流れ込むことを抑制することができる。従って高温貯蔵室内の結露発生を防止することができるとともに、この結露発生を防止しつつ冷気生成用の冷却器を大型化することもできる。
第2の発明は、第1の発明において、前記高温戻り通路は前記高温貯蔵室側に水切り形状を有する構成としてある。
これにより、高温戻り通路内に逆流した冷気により高温戻り通路の高温貯蔵室側の表面に結露が生じた際に結露の高温貯蔵室内への流出を防ぐことができるため貯蔵食品等の劣化を防止することができる。
第3の発明は、第1〜第2の発明において、高温戻り通路は少なくとも一部を断熱部材により構成されている。
これにより、高温戻り通路内に逆流した冷気により高温戻り通路表面の特に開口部周辺に結露が発生することを抑制できるため貯蔵食品等の劣化を防止することができる。
第4の発明は、第1〜第3の発明において、高温貯蔵室用ファンを前記開口部の投影面内に備える構成としてある。
これにより、高温貯蔵室ファンの風路面積を拡大し風路抵抗を小さくすることができるため高温貯蔵室ファンの風量を増加させ高温貯蔵室内の均温化を促進すると共に、高温貯蔵室内の冷気の淀みを低減することができるため高温貯蔵室庫内の結露を抑制することができ貯蔵食品等の劣化を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図、図2は同実施の形態1における冷蔵庫の扉を開いた時の正面図、図3は同実施の形態1における冷蔵庫を示す図2のA−A断面図、図4は同実施の形態1における冷蔵庫を示す図2のB−B断面図、図5は同実施の形態1における冷蔵庫の半裁斜視図、図6は同実施の形態1における冷蔵庫の冷気流れを説明するための概略断面図、図7は同実施の形態1における冷蔵庫の冷気流れを説明する概略正面図、図8は同実施の形態1における冷蔵庫の冷却室背面部分の冷気流れを説
明する斜視図、図9は同実施の形態1における冷蔵庫を示す図3の要部拡大断面図、図10は同図9における冷気流れを説明するための概略断面図、図11は同実施の形態1における冷蔵庫を示す図4の要部拡大断面図、図12は同図11における冷気流れを説明するための概略断面図、図13は同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室と冷凍室を示す拡大正面図、図14は野菜室の背面壁部分を構成する奥面仕切壁ブロックの斜視図、図15は同図14に示す野菜室の背面壁部分を構成する奥面仕切壁ブロックの分解斜視図、図16は図15に示すC部詳細図、図17は同実施の形態1における冷蔵庫の貯蔵室と野菜室を仕切る仕切板と冷却ファンの斜視図、図18は同図17における仕切板と冷却ファンの分解斜視図、図19は同実施の形態1における冷蔵庫の野菜収納ケースを示す斜視図、図20は同実施の形態1における冷蔵庫の制御ブロック図である。
まず、冷蔵庫の全体構成について説明する。
<冷蔵庫本体構成>
図1〜図6において、本実施の形態に係る冷蔵庫は、前方を開口した冷蔵庫本体1を備え、この冷蔵庫本体1は、図3等に示すように主に鋼板を用いた外箱2と、ABSなどの硬質樹脂で成型された内箱3と、前記外箱2と内箱3との間に充填された硬質発泡ウレタン等の発泡断熱材4とから構成されている。冷蔵庫本体1は、仕切板5.6によって複数の貯蔵室に区分されており、冷蔵庫本体1の最上部には冷蔵室7、その冷蔵室7の下部に野菜室8、そして最下部に冷凍室9が配置されていて、真ん中野菜室タイプの冷蔵庫となっている。前記各貯蔵室の前面開口部は、扉10、扉11、扉12によって開閉可能に閉塞されている。
冷蔵庫本体1の上部後方領域には機械室14が設けられている。機械室14には、圧縮機15、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側構成部品が収容されている。
また、冷蔵庫本体1の背面には冷気を生成する冷却室16が設けられている。この冷却室16は冷凍室9の背面から野菜室8の下部背面に渡って形成されており、野菜室8との間は発泡スチロール等によって断熱性を持たせた奥面仕切壁体17を設けて断熱仕切りしている。
冷却室16内には冷却器18が配設されており、冷却器18の上部には冷却ファン19が配置されている。前記冷却ファン19は、冷却器18により冷却された冷気を冷蔵室7、野菜室8、冷凍室9に強制循環させて各室を冷却するものである。例えば、冷蔵室7は食品が凍らない程度の温度通常1℃〜5℃に冷却し、野菜室8は冷蔵室7と同等もしくは若干高めの温度2℃〜7℃に冷却している。また、冷凍室9は冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃の冷凍温度帯に冷却しており、場合によっては冷凍保存状態向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温に冷却することもある。
上記冷却ファン19は図17に示すように野菜室8と冷凍室9とを仕切る仕切板6に組み付けてあり、この状態で冷却ファン19は図9に示すように野菜室8の背面と対向する部分に位置し、野菜室8との間を仕切る奥面仕切壁体17に向けて冷気を送風し、野菜室下部背面に強い冷輻射をもたらす。
上記仕切板6と冷却ファン19は図18の分解斜視図に示すように構成されている。すなわち、仕切板6は上面部材6aと下面部材6bとの間に発泡断熱材4(この図18では図示せず)を充填して構成されていて、奥部側に開口20が形成されている。この開口20の上部に前記した冷却ファン19が組み付けられており、下方には前記冷却室16の冷却器18が位置している。図中24は開口20の開口縁前方部分を覆う断熱性遮壁で、発
泡スチロール等で構成されており、その一側部片には仕切板6に設けられている冷気戻り通路用開口25と対応する通路開口26が形成されている。通路開口26は冷気戻り通路用開口25よりも小さく、仕切り板6上方から見たとき冷気戻り通路用開口25の中に通路開口26の4辺が見えるよう構成される。このとき冷気戻り通路用開口25の縁から通路開口26の縁までは10mm以上あることが望ましい。また、仕切板6の冷気戻り通路用開口25と反対側部分には冷凍室9に設けられる製氷装置への水供給用のタンク設置部27が形成されている。
また、前記冷却器18の下部空間には、図9等に示すように冷却器18やその周辺に付着する霜や氷を除霜する除霜ヒータ28が配置されている。除霜ヒータ28の下部には除霜時に生じる除霜水を受けるためのドレンパン29が配置され、除霜水はドレンパン29の最深部から図示しないドレンチューブを介して庫外の蒸発皿に排出するようになっている。
次に冷気循環構成について説明する。
<冷気循環通路構成>
冷気を生成する冷却室16は、図9等に示すように前記した奥面仕切壁体17と冷蔵庫本体1との間に形成されている冷却室冷気搬送路30に冷却ファン19の下流が開口しており、この冷却室冷気搬送路30を介して各室に冷気を送風する。
冷却室冷気搬送路30の上部は図7、図8、図10、特に図10に示すように冷蔵室ダンパ31を介して冷蔵室7の背面略中央部に形成されている冷蔵冷気往き通路32と連通している。冷蔵冷気往き通路32の側方には図7、図8に示すように冷蔵室7からの冷蔵冷気戻り通路33が隣接設置されていて、その下部は野菜室8、冷却室16に連通している。
冷蔵室7には図7に示すようにその奥壁上部適所に冷蔵冷気往き通路32の冷蔵冷気入口35が設けてあり、同奥壁下部適所には前記冷蔵冷気戻り通路33へ開口する冷蔵冷気戻り口36が設けられていて、冷却室16からの冷気は冷蔵室ダンパ31を介して冷蔵冷気往き通路32に供給され、その冷蔵冷気入口35から冷蔵室7に供給される。一方、冷蔵室冷却後の冷気は冷蔵冷気戻り口36から冷蔵冷気戻り通路33を介して野菜室8に供給され、かつ冷却室16へと循環する。また、この冷蔵室7には後述するようにその下部にパーシャル室が設けられていて、当該パーシャル室には図8に示すようにパーシャル室ダンパ31a、パーシャル室冷気往き通路32a、パーシャル室冷気入口35aを介して供給されるようになっている。
この実施の形態では、同図8から明らかなように、前記奥面仕切壁体17と仕切板6の背面に、前記冷却室冷気搬送路30と冷蔵冷気往き通路32及びパーシャル室冷気往き通路32aとを連絡する往き通路37と、冷蔵冷気戻り通路33と野菜室8、冷却室16とを連絡する戻り通路38が形成されていて、前記冷蔵室ダンパ31はこの往き通路37に設けられている。
そして、前記冷蔵冷気往き通路32と冷蔵冷気戻り通路33との間に連通路39が形成されていて、冷蔵冷気往き通路32を流れる低温冷気の一部が冷蔵冷気戻り通路33に混入するように構成されている。
また、冷凍室9の背面には図8に示すように前記冷却室16及び冷却器18の側方を下向きに延びる冷気戻り通路40が設けられており、この冷気戻り通路40の上部が上記戻り通路38を介して野菜室8に連通するとともにその下部が冷却室16の下部近傍に開口
していて、前記野菜室8冷却後の冷気が冷気戻り通路40を介してその下部開口から冷却室16へと循環するように構成されている。
一方、冷凍室9は図10に示すようにその背面壁体41の上部に前記奥面仕切壁体17背面の冷却室冷気搬送路30下部に連通する冷凍冷気入口42が、下部に前記冷却室16の下部に開口する冷凍冷気戻り口43が形成されていて、冷却室16からの冷気が冷却室冷気搬送路30下部から冷凍冷気入口42を介して供給され、冷凍室冷却後の冷気が冷凍冷気戻り口43を介して冷却室16へと循環する。
<野菜室構成>
野菜室8は奥面仕切壁体17により、後述する野菜収納ケース48を備える貯蔵空間と冷却室冷気搬送路30や冷却室16などの冷気循環空間に分かれて構成される。
図15は上記奥面仕切壁体17の分解斜視図である。奥面仕切壁体17は前仕切板17aと発泡スチロールなどの断熱材で構成された中仕切板17bと冷却室冷気搬送路30に面した後仕切板(図示せず)とを重合させて構成される。本実施の形態では前記戻り通路38は冷却室冷気搬送路30の右側方に位置し、中仕切板17bの右に突出した断熱突片17cと内箱3の間に構成される。右壁は前仕切板17aにより構成されている。
断熱突片17cは仕切板6内の断熱性遮壁24に設けた通路開口26の縁にウレタンフォーム(図示せず)等のシール材を介して当接し、冷気が隙間から漏れないように構成されている。
野菜室8は図7、図12に示すように奥壁左右いずれか一方寄り部分、この実施の形態では正面から見て右側部分の下部であって前記冷蔵冷気戻り通路33からの戻り通路38を構成する断熱突片17cに開口した野菜室冷気入口44が設けられ、この野菜冷気入口44の略上方位置部分に前記戻り通路38に開口して冷却室16へとつながる野菜冷気戻り口46が設けられている。野菜室冷気入口44の下端は図8に示す通り冷却ファン19の下端よりも高い位置に配置してある。ここで、冷却ファン19の下端とはファンリングの開口部の下端を意図する。
図16に示すように断熱突片17cは野菜室冷気入口44より下方には、右下がりの凸形状17dを有し、凸形状17dの先には戻り通路38へ通じる切欠き17eを有する。
さらにこの野菜室8には、特に図12に示すように当該野菜室8背面の奥面仕切壁体17を利用して前記冷気の戻り通路38の前面位置に上下方向に野菜室通路部50が縦設形成されている。この野菜室通路部50はその上部が前記野菜冷気戻り口46に連通し、下部は野菜冷気入口44と連通していて、この野菜冷気入口44と連通する部分にプロペラファン等からなる野菜室ファン53が配置してある。
野菜室ファン53は野菜室冷気入口44の前方に位置し、前から見て野菜室ファン53と野菜室冷気入口44が重なるように設置される。なお、野菜室8の冷却量が大きく必要な場合は野菜室入口44の開口面積を大きく、冷却量が小さくてよい場合は野菜室入口44の開口面積を小さくすることが有効であるが、いずれの場合も野菜室入口44の下端は野菜室ファン53の上端より低い位置に設け、前後に重なるように設置する。
さらにまた、この野菜室8には上記野菜室通路部50と野菜冷気戻り口46とにつながるよう野菜室上面に前方に向かって第一の通路47aが形成されていて、その前方部分には第一の野菜冷気吸込み口47が設けられている。
加えてこの実施の形態の野菜室8には図13、図14等に示すようにその奥の面となる奥面仕切壁体17の上部であって前記野菜冷気入口44の対角位置となる部分、この実施の形態では左奥側上部に、第二の野菜冷気吸込み口51が設けられており、この第二の野菜冷気吸込み口51を備えた第二の通路51aも図12に示すように前記野菜室通路部50の上部と野菜冷気戻り口46に連通している。
図15に示すとおり、野菜室通路部50は前仕切板17aと中仕切板17bとの間に形成されており、その上端部分50aは図12に示すように前記野菜冷気戻り口46に開口している。さらにこの野菜室通路部50の下部には既に述べたように野菜室ファン53が組み込まれており、その吹出口54は野菜室8内に開口していて、野菜冷気入口44からの冷気と第一の野菜冷気吸込み口47及び第二の野菜冷気吸込み口51からの野菜室冷気を野菜室8内に送風するようになっている。上記野菜室ファン53の吹出口54は後述する下段野菜収納ケース49aの後面に向かって開口しており、当該野菜室ファン53と対向する前記下段野菜収納ケース49aの後下部は下方ほど前方に位置する傾斜面55となっていて、野菜室ファン53からの冷気が下段野菜収納ケース49aの下面空間へと集中的に流れる様に構成されている。
なお、上記野菜室8には、図11等に示すように野菜収納ケース48が配置されており、この野菜収納ケース48は扉11のフレームに載置された下段野菜収納ケース49aと、下段野菜収納ケース49aの上に載置された上段野菜収納ケース49bとから構成されている。そして上記野菜室8は上記野菜収納ケース48とその下の仕切板6及び野菜室8の内周壁面との間に空間が設けられ、当該空間は前記野菜冷気入口44からの冷気が流れる風路を構成している。
また、上記野菜収納ケース48の上段野菜収納ケース49bの上部開口縁は野菜室8上部の仕切板6と近接した部分に位置するとともに前記野菜冷気入口44より上方部分に位置していて、野菜冷気入口44からの冷気が野菜収納ケース48の上段野菜収納ケース49b及び下段野菜収納ケース49a内に直接入り込むことがないように構成されている。上段野菜収納ケース49bの上部開口にこれを閉塞する蓋を設けて冷気の野菜収納ケース48内への侵入をより確実に防止するようにしてもよい。
また、下段野菜収納ケース49aは図19に示すようにケース仕切板58によって左右に分割されており、前記野菜冷気入口44と対向する側、この実施の形態では右側部分を一段深くしてペットボトルやパック等の非野菜収納部(以下、ペットボトル等収納部と称す)59としてある。なお、このペットボトル等収納部59は野菜室8内を前後に仕切ってその前側部分をペットボトル等収納部としてもよい。
<冷蔵室構成>
冷蔵室7は図4等に示すように内部に複数の収納棚60を有するとともに、準冷凍温度帯に冷却できるパーシャル室61を備え、それぞれの適所に既に述べた冷蔵冷気入口35及び冷蔵冷気戻り口36(いずれも図7参照)が設けられている。そして、冷蔵室7の側壁適所には各室の庫内温度設定や製氷および急速冷却などの設定を行う操作部62が配置されている。
<冷凍室構成>
また。冷凍室9は既に図10を用いて述べたようにその奥壁上部に前記奥面仕切壁体17背面の冷却室冷気搬送路30下部と連通する冷凍冷気入口42が形成され、さらに奥壁下部に前記冷凍室9に連通する冷凍冷気戻り口43が形成されている。そして構造図には図示していないが、冷却室16から冷凍室9への通路の適所にも冷凍室ダンパが組み込まれている。なお、この冷凍室9にも、図4等に示すようにその扉12のフレームに載置さ
れた冷凍室ケース63が設けられており、更にその冷凍室ケース63の上部には製氷装置64が組み込まれている。
次にこの冷蔵庫の制御構成について説明する。
<制御構成>
図20は本実施の形態の冷蔵庫における制御ブロック図を示し、65は冷蔵室温度検知手段、66は野菜室温度検知手段、67は冷凍室温度検知手段で、いずれもサーミスタで形成してあり、それぞれ冷蔵室7、野菜室8、冷凍室9の適所に設置されている。68は冷蔵庫全体を統括制御する制御部で、マイクロコンピュータ等によって構成してあり、前記冷蔵室温度検知手段65、冷凍室温度検知手段67からの出力に基づきあらかじめ組み込まれた制御ソフトにしたがって冷蔵室ダンパ31、冷凍室ダンパ34を開閉制御するとともに、圧縮機15、冷却ファン19を駆動して各室を設定温度に制御する。さらにこの制御部68は冷蔵室温度検知手段65及び野菜室温度検知手段66からの出力に基づき野菜室8の野菜室通路部50に組み込んだ野菜室ファン53の運転を制御するようになっている。具体的には冷蔵室温度検知手段65及び野菜室温度検知手段66が検出する温度がそれぞれの設定温度よりも高い温度をいずれか一方が検知すると野菜室ファン53を駆動するようになっている。
さらにまた、冷蔵室温度検知手段65及び野菜室温度検知手段66が検出する温度が常に低く、一定時間以上連続して冷蔵室ダンパ34が開かないときにも野菜室ファン53を駆動するようになっている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、冷凍サイクルの動作について説明する。
庫内の設定された温度に応じて制御部68からの信号により冷凍サイクルが動作し冷却運転が行われる。圧縮機15の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器(図示せず)である程度凝縮液化し、さらに冷蔵庫の側面や背面、また冷蔵庫の前面間口に配設された冷媒配管(図示せず)などを経由し冷蔵庫の結露を防止しながら凝縮液化し、キャピラリーチューブ(図示せず)に至る。その後、キャピラリーチューブでは圧縮機15への吸入管(図示せず)と熱交換しながら減圧されて低温低圧の液冷媒となって冷却室の冷却器18に至る。ここで、前記冷却器18内の冷媒は蒸発気化し、当該冷却器18を有する冷却室16で各貯蔵室を冷却するための冷気が生成される。
次に冷気循環による冷却動作について説明する。
冷却室16内で生成された低温の冷気は、冷却ファン19によって、冷却室冷気搬送路30から冷蔵室7と冷凍室9に送られ、冷蔵室7に供給された冷気は冷蔵室7を冷却した後、野菜室8に供給され、それぞれの室が設定温度に冷却される。そして、各室を冷却したのちの冷気は、再び冷却室16に戻って冷却器18により冷却され、冷却ファン19で各室に循環していく。また、上記各室への冷気供給は、制御部68が冷蔵室温度検知手段65及び冷凍室温度検知手段67の検出温度に基づき圧縮機15と冷却ファン19を運転/停止、及び冷蔵室ダンパ31、冷凍室ダンパ34を開・閉制御され、それぞれの室が設定温度帯に維持されるようになっている。
次に、野菜室8の冷却動作について説明する。
野菜室8は冷蔵冷気戻り通路33からの冷蔵室冷却後の冷気が図12に示すように冷気
の戻り通路38に設けられている野菜冷気入口44から供給されて冷却される。この冷気は冷却ファン19の送風圧によって野菜冷気入口44から野菜室通路部50を介して緩やかに野菜室8に流れ込み、野菜収納ケース48の下段野菜収納ケース49a及び上段野菜収納ケース49bと野菜室8の内周壁との間の空間を流れ、この野菜収納ケース48内に収納されている野菜やペットボトル等をケース外周から間接的に冷却し、野菜冷気戻り口46から冷蔵冷気戻り通路33を経由して冷気戻り通路40から冷却室16へと循環する。
ここで、この実施の形態で示す冷蔵庫では図12で示したように野菜室8の野菜室通路部50に野菜室ファン53が設けられており、野菜室ファン53が回転すると、戻り通路38を流れる戻り冷気の多くが前記野菜冷気入口44から野菜室通路部50内へと吸引され、
野菜室ファン53の吹出口54より野菜室8内の下段野菜収納ケース49a後面に向かって供給されることになる。
野菜室8の下段野菜収納ケース49aに向かって供給された冷気は、下段野菜収納ケース49a及び上段野菜収納ケース49bと野菜室8の底面及び内周壁との間の空間を前記冷却ファン19の送風圧によって循環する際の流れよりも早く流れ、野菜冷気戻り口46から戻り通路38を介して冷却室16へと戻り循環する。その際、冷却室16へと戻り循環する冷気以外の冷気は野菜室8の上部に設けた第一の野菜冷気吸込み口47及び第二の野菜冷気吸込み口51より第一の通路47a及び第二の通路51aに吸引され、これらの通路と連通している野菜室通路部50の上部開口から野菜室ファン53に吸引されて当該野菜室ファン53の吹出口54から再び野菜室8内の下段野菜収納ケース49aに向けて供給され、野菜室8内を拡散及び循環する。
次に、野菜室8の結露防止について説明する。
野菜室8は前記のようにして冷却されるが、その背面に位置している冷却室16及び下方に位置する冷凍室9からの冷輻射を受け、従来と同様その背面下部近傍が低温化しやすい。特に冷却室16からの冷輻射が強く、野菜室8背面への冷輻射は、冷却室16自体はもちろん冷却室16から冷蔵室ダンパ31に至るまでの冷却室冷気搬送路30帯域がこの冷却室16と同じ極低温帯の冷却室温度域となっていてこの冷蔵室ダンパ31までの冷却室温度帯域と対向する部分で強い冷輻射を受け、この部分が低温化しやすい。
この冷輻射による野菜室背面下部近傍の低温化は、この冷蔵庫では、まず、前記した野菜室ファン53の駆動によって野菜室8内を拡散及び循環する冷気により温度が分散され、低温化を抑制する。すなわち、野菜室ファン53によって野菜室8内の冷気は拡散及び循環され、この拡散及び循環する冷気は、野菜室8の背面に位置する冷却室温度帯域からの冷輻射および下方に位置する冷凍室9からの冷輻射によって低温化しやすい野菜室背面下部付近の温度を野菜室8内に拡散させ、野菜室8内の温度を下げて野菜室8内を冷却すると同時に、野菜室背面下部付近に極端な低温化や温度差が生じるのを抑制し、結露発生を防止する。
本実施の形態では野菜室冷気入口44の前方でかつ前から見て重なる位置に野菜室ファン53を有するため、野菜ファン53の吸込み側の風路面積を大きくすることができ野菜室ファン53の風路抵抗を小さくすることができる。これにより、野菜室8内のより多くの冷気を拡散及び循環させることができるため、結露発生の抑制効果を更に高めることができる。
一方、全ての室が設定温度を下回り圧縮機15及び冷却ファン19の動作が停止すると
、全ての冷気はそれまでの冷却ファン19により付いていた圧力差を解消し、温度の違いから生じる密度差による平衡状態へ流れ始める。冷却ファン19が動作している際は、冷却室冷気搬送路30に次いで冷凍室9内の圧力が高いため、冷凍室9内の冷気は圧力差が解消するまで広がり続ける。このとき、冷凍室9内及び冷却室16内の冷気は比較的低温で密度が高いため下方に溜まる性質があり、最も冷たい冷却室16の高さまで冷気が達することになる。従って、冷気戻り通路40を逆流して広がった冷気は冷却室16に溜まる冷気の上端、つまり冷却室16の上方に開口した冷却ファン19の下端高さまで達する。本実施の形態では、野菜室冷気入口44の下端は冷却ファン19下端高さよりも高く設置されているため、野菜室冷気入口44から逆流した冷気が野菜室8へ流入することを抑制できる。これにより、野菜室8が逆流冷気により局所的に冷却されることを抑制し、野菜室8内の結露や凍結、過冷を防止できるため、保存野菜の劣化を防止することができる。
また、断熱突片17cは仕切板6内の断熱性遮壁24に設けた通路開口26の縁にウレタンフォーム(図示せず)等のシール材を介して当接しているため、断熱突片17c下から冷気が漏れて野菜室8へ流入することを抑制できる。さらに、通路開口26は冷気戻り通路用開口25よりも小さく構成されているため、上面部材6aが逆流冷気にさらされ冷却されることも防止できる。そのため上面部材6aが局所的に冷却され結露や凍結が発生することを抑制できる。
断熱突片17cの野菜室冷気入口44より下方の背面まで逆流冷気が達することになり、断熱突片17cは局所的に冷却されるが、断熱突片17cは断熱材で構成されているため、野菜室8庫内との温度差によりその表面に結露が生じることを抑制できる。
しかしながら、夏場に一度に大量の野菜を投入した際など、野菜室8庫内が高温多湿である場合は結露が発生することがある。本実施の形態では断熱突片17cは野菜室冷気入口44より下方に、右下がりの凸形状17dを有するため発生した結露は右へ向かって流れる。さらに、凸形状17dの先には戻り通路38へ通じる切欠き17eを有するため、流れた結露は戻り通路38へ入りそのまま冷気戻り通路40を通りドレンパン29へ流れ落ちる。従って断熱突片17cで発生した結露の野菜室内への流出を防ぐことができるため野菜の劣化を防止することができる。

以上のようにしてこの冷蔵庫は冷却運転中と冷却停止中の何れの場合でも野菜室8の局部的な低温化による結露発生を防止するから、冷気生成用の冷却器18を大型化して冷却室16が冷凍室9と野菜室8にまたがる大きな大能力の大型冷蔵庫であっても、その冷却室16からの冷輻射に起因する結露を抑制することができる。したがって、小能力の小型冷蔵庫から大能力の大型冷蔵庫に至る全域の冷蔵庫において、その冷却室16からの冷輻射で生じる結露水による野菜劣化を抑制し、良好な状態で野菜を冷却保存することが可能となる。しかも、この冷蔵庫は、野菜室8を冷蔵室7と冷凍室9との間となる冷蔵庫本体1上下略中央部分に設けた真ん中野菜室タイプの冷蔵庫となっているから、前記した如く結露発生を防止して野菜を良好な状態に冷却保存しつつ、野菜等の出し入れを中心に使用されるユーザの使い勝手を高めることができ、効果的である。
なお、本実施の形態では野菜室冷気入口44を野菜室8の正面から見て右側部分の下部に設け、この野菜室冷気入口44の略上方位置部分に野菜室冷気戻り口46を設け、野菜室ファン53により冷気を野菜室内に循環した構成としているが、特許文献1記載の従来の冷蔵庫と同様に、野菜室にファンを設けず冷気を循環させる場合は、戻り通路38の上方に野菜室冷気入口と、下方に野菜室冷気戻り口を設けることで、冷却ファン19によって生じる戻り通路38内の圧力差を利用し野菜室に冷気を循環させることができる。このときは下方に設けた野菜室戻り口の下端を冷却ファンの下端よりも上方に設けることで、本実施の形態で得られる冷却停止中の逆流抑制効果を発現することが可能である。
また、本実施の形態では、冷蔵庫本体1の最上部に冷蔵室7、その下に野菜室8、最下部に冷凍室9を配置した3室のレイアウトとなっているが、冷凍室の上方に冷蔵温度帯の貯蔵室が一つだけ配置された2室のレイアウトであっても、上側貯蔵室の戻り通路の開口部下端が冷却ファンの下端よりも上方にあれば、本実施の形態と同様に冷却停止時の逆流を抑制し、上側貯蔵室の結露を防止することが可能となる。さらに、最下部の貯蔵室が冷凍温度帯で無くても上側貯蔵室より低い温度(たとえばチルド温度)の場合や、冷凍室の更に下に貯蔵室がある場合でも、上側貯蔵室の戻り通路の開口部下端が冷却ファン19より上方に配置されていれば、本実施の形態と同様の効果を発現することができるため、あらゆるレイアウトの冷蔵庫に適用できる発明である。
以上のようにこの冷蔵庫は野菜室8内に生じる結露を防止して野菜等を良好な状態に冷却保存できるが、更にこの冷蔵庫は野菜室冷却に関しても種々の効果を有するものであるので、以下これを説明しておく。
まず、上記野菜室8に設けた野菜室ファン53は、野菜収納ケース48の下段野菜収納ケース49a及び上段野菜収納ケース49bの外周に向けて冷気を拡散及び循環させる構成としてあるから、野菜室ファン53によって拡散及び循環する冷気が下段野菜収納ケース49a及び上段野菜収納ケース49b内に入って野菜同士の間を流れることを抑制でき、野菜同士の間を冷気が流れることによって生じがちな野菜の乾燥劣化も防止して新鮮かつ良好な状態で野菜を冷却保存することができる。
特にこの実施の形態では上記下段野菜収納ケース49a及び上段野菜収納ケース49bで構成される野菜収納ケース48の上部に野菜室内を拡散または循環する冷気の吸込み口ともなる第一の野菜冷気吸込み口47及び第二の野菜冷気吸込み口51を設けているから、野菜室8内を拡散及び循環する冷気は下段野菜収納ケース49a及び上段野菜収納ケース49bからなる野菜収納ケース48内に入り込むことなくそのまま第一の野菜冷気吸込み口47及び第二の野菜冷気吸込み口51へと流れる様になり、より確実に野菜の乾燥劣化を防止して新鮮かつ良好な状態で野菜を冷却保存することができる。これは上段野菜収納ケー49スの上面開口縁を野菜室天井面ともなる仕切板5に近接させることでより高めることができるとともに、当該上面面開口を覆う蓋を設ければさらに効果的に高めることができる。
加えて、上記野菜室ファン53は下段野菜収納ケース49a及び上段野菜収納ケース49bで構成される野菜収納ケース48の上部開口縁より下方部分に位置しているから、野菜室ファン53から送風される冷気は野菜収納ケース48のうち、特にその下段野菜収納ケース49aの底面及び下部外周付近を拡散及び循環するようになる。したがって、この野菜室ファン53によって拡散及び循環する冷気はさらに野菜収納ケース48内に入り込みにくいものとなり、野菜収納ケース48内に冷気が入り込んで循環することにより生じる野菜の乾燥劣化をこの点からも確実に防止することができ、より新鮮かつ良好な状態で野菜を冷却保存することができる。
また、上記野菜室8は野菜冷気入口44に連通する野菜室通路部50を有し、この野菜室通路部50の下部に野菜室ファン53を備えているから、野菜室通路部50がスロートのような機能を発揮して冷気を効率よく野菜室8に取り込み拡散及び循環させることができ、これにより野菜室8内での結露発生をさらに効率よく抑制することができる。
加えて、この実施の形態では上記野菜収納ケース48はその下段野菜収納ケース49aの内部を左右に仕切ってその一方にペットボトルやパック等のペットボトル等収納部59を設け、このペットボトル等収納部59側の野菜室背面部分に野菜室ファン53を設けて
、当該ペットボトル等収納部59に向けて野菜室内の冷気を拡散及び循環させるように構成してあるから、野菜室ファン53からの冷気はペットボトル等収納部59の周りを集中的に循環するようになり、ペットボトル等収納部59に収納されているペットボトルやパック等を効率よく冷却することができる。特にペットボトル等収納部59に収納されているペットボトルやパック等の飲料水等は野菜よりも熱容量が大きくて冷えにくいことから効果的であり、これによってペットボトル等の収納による野菜室温度の上昇を効率よく抑制することができる。
またこの実施の形態では、野菜室ファン53とともに野菜室8に設けた第一の野菜冷気吸込み口47をも野菜収納ケース48のペットボトル等収納部59側の部分に設けた構成としてあるから、野菜室ファン53から野菜冷気戻り口46への冷気をペットボトル等収納部分にさらに効率よく集中的に循環させることができ、効果的である。
また、野菜室8内の冷気を循環させるためのもう一つの吸込み口ともなる第二の野菜冷気吸込み口51を野菜室ファン53と略対角位置の野菜室上部に設けた構成としてあるから、野菜室ファン53からの冷気は野菜収納ケース48のペットボトル等収納部59の底面部分を通って前方へと野菜室8内を斜めに縦断しながら拡散及び循環して野菜室上部の第二の野菜冷気吸込み口51へと流れる様になるので、下段野菜収納ケース49a及び上段野菜収納ケース49bからなる野菜室ケース内への冷気の入り込みを防止しつつ下段野菜収納ケース49a及び上段野菜収納ケース49bからなる野菜ケースの外周に広範囲に冷気を拡散及び循環させることができ、野菜及びペットボトル等を効果的に冷却することができる。
また、この冷蔵庫は、冷蔵冷気往き通路32と冷蔵冷気戻り通路33との間に連通路39が形成してあり、野菜室ファン53が回転するとその吸引力によって冷蔵冷気往き通路32内の低温な新鮮冷気が冷蔵冷気戻り通路33内に混入して戻り通路38を介し野菜冷気入口44から野菜室8内に供給される。すなわち、野菜室8は、冷蔵室7からの冷蔵室冷却後の比較的温度が高くなっている戻り冷気によって冷却されるが、この冷蔵庫では野菜室ファン53の回転により前記冷蔵室冷却後の冷気に低温の新鮮冷気が混入して低温化された冷気で野菜室8を冷却することになる。したがって野菜室8を効果的に冷却することができ、例えば、野菜やペットボトル等が一時的に多く収納された時などのように冷却負荷条件が悪いときでも、野菜室8を確実に冷却することができる。また、上記連通路39を介して取り込む低温の新鮮冷気の量は野菜室ファン53の回転数を上げることによって増加させることができ、夏場で熱容量の大きい常温のペットボトル等が大量に収納された時でも、これを確実に冷却することができる。しかも野菜室8を確実に冷却できるので、冷却室16からの冷輻射による結露発生も効率よく抑制でき、野菜を良好な状態で冷却保存することができる。
上記野菜室ファン53は、冷蔵室温度検知手段65からの出力によって冷蔵室ダンパ31を開いて冷蔵室7及び野菜室8を冷却しているときに作動し野菜室8内の冷気を拡散及び循環させるが、この実施の形態では野菜室8に設けた野菜室温度検知手段66の検出温度に基づいても制御するようにしてあるから、冷蔵室7の温度が高くて冷却動作を行なっていないときでも野菜室8の温度が設定温度以上になると回転し始め、野菜室8内に冷気を拡散及び循環させるようになる。したがって、野菜室温度が高くなって冷却室16からの冷輻射により大きな温度差が生じ結露が発生しやすい条件になると、野菜室ファン53が回転してこれを解消し、効果的に結露発生を防止することができる。
また、上記野菜室8の温度が、野菜室ファン53の回転にもかかわらず前記設定温度よりも若干高い温度に設定している第二設定温度より高くなるようなことがあれば、野菜室ファン53の回転数を上げて冷気の拡散及び循環量を増強し、更には低温の新鮮冷気の取
り込み混入量を増加させることができ、野菜室8を確実に冷却することができる。よって、夏場における冷却不足を解消し野菜等の良好な冷却保存を確実に実現して冷蔵庫の信頼性を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、上記実施の形態で説明した構成は本発明を実施する一例として示したものであり、本発明の目的を達成する範囲で種々変更可能なことは言うまでもない。
本発明にかかる冷蔵庫は、冷却能力が大きな冷蔵庫であっても高温貯蔵室内の結露発生を抑制し、良好な状態で貯蔵食品を冷却保存することができ、家庭用はもちろん業務用冷蔵庫にも幅広く適用することができる。
1 冷蔵庫本体
2 外箱
3 内箱
4 発泡断熱材
5,6 仕切板
7 冷蔵室(高温貯蔵室)
8 野菜室(高温貯蔵室)
9 冷凍室(低温貯蔵室)
10,11,12 扉
14 機械室
15 圧縮機
16 冷却室
17 奥面仕切壁体
17c 断熱突片
17d 凸形状(水きり形状)
17e 切欠き(水きり形状)
18 冷却器
19 冷却ファン
20 開口
22 上向き突片
23 第一のヒータ
24 断熱性遮壁
25 冷気戻り通路用開口
26 通路開口
27 タンク設置部
28 除霜ヒータ
29 ドレンパン
30 冷却室冷気搬送路
31 冷蔵室ダンパ
32 冷蔵冷気往き通路
33 冷蔵冷気戻り通路
34 冷凍室ダンパ
35 冷蔵冷気入口
36 冷蔵冷気戻り口
37 往き通路
38 戻り通路(高温戻り通路)
39 連通路
40 冷気戻り通路(高温戻り通路)
41 背面壁体
42 冷凍冷気入口
43 冷凍冷気戻り口
44 野菜冷気入口(開口部)
46 野菜冷気戻り口
47 第一の野菜冷気吸込み口
47a 第一の通路
48 野菜収納ケース
49a 下段野菜収納ケース
49b 上段野菜収納ケース
50 野菜室通路部
51 第二の野菜冷気吸込み口
51a 第二の通路
53 野菜室ファン(高温貯蔵室ファン)
54 吹出口
55 傾斜面
56 第二のヒータ
57 コネクタ
58 ケース仕切板
59 非野菜収納部(ペットボトル等収納部)
60 収納棚
61 パーシャル室
62 操作部
63 冷凍室ケース
64 製氷装置
65 冷蔵室温度検知手段
66 野菜室温度検知手段
67 冷凍室温度検知手段
68 制御部

Claims (5)

  1. 却器と冷却ファンとを収める冷却室と、冷蔵室と、野菜とを少なくとも有する冷蔵庫であって前記冷蔵室の冷気を前記冷却室に戻す戻り風路に、前記野菜室に冷気を供給するための開口部を設け、前記開口部の下端は前記冷却ファンの下端よりも上方にあり、前記開口部を形成する部材に、結露を前記戻り風路に流すための傾斜部材を設けることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記野菜室の冷気を前記冷却室に戻すための戻り口を前記戻り風路に設けることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記戻り口を前記開口部の上方に設けることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記野菜室の冷気を拡散及び循環するための野菜室ファンを前記開口部の前方設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の冷蔵庫。
  5. 冷凍室を更に有し、前記野菜室の上方に前記冷蔵室が、前記野菜室の下方に前記冷凍室が、前記冷凍室と前記野菜室の背面に前記冷却室が配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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