JP2014202275A - チェーンガイドおよびチェーン伝動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガイドベースにより回転自在に支持されたローラによってタイミングチェーンの移動を転がり案内するチェーンガイドにおいて、組立てコストの低減を図ること、側板部の摩耗を完全に防止できるようにすることである。
【解決手段】ローラ軸31にローラ41およびそのローラ41より大径の一対のワッシャ51を装着し、ローラ軸31に一対のワッシャ51を回り止めして組立品Uを形成し、その組立品Uにおける一対のワッシャ51を、その対向する内側面が樹脂成形されるガイドベース21の側板部22の内側面と同一面を形成するよう上記ガイドベース21に一体成形して、ガイドベース21の成形と同時にチェーンガイドが形成されるようにする。
【選択図】図3
【解決手段】ローラ軸31にローラ41およびそのローラ41より大径の一対のワッシャ51を装着し、ローラ軸31に一対のワッシャ51を回り止めして組立品Uを形成し、その組立品Uにおける一対のワッシャ51を、その対向する内側面が樹脂成形されるガイドベース21の側板部22の内側面と同一面を形成するよう上記ガイドベース21に一体成形して、ガイドベース21の成形と同時にチェーンガイドが形成されるようにする。
【選択図】図3
Description
この発明は、チェーンの張力調整用として、あるいは、チェーンの移動案内用として使用されるチェーンガイドおよびそのチェーンガイドを用いたチェーン伝動装置に関する。
クランク軸に取付けられた駆動スプロケットとカム軸に取付けられた従動スプロケット間にタイミングチェーンを掛け渡したカム軸駆動用のチェーン伝動装置においては、タイミングチェーンの弛み側チェーンの一側方に揺動可能なチェーンガイドを設け、そのチェーンガイドの揺動側端部にチェーンテンショナの調整力を負荷してタイミングチェーンを緊張させ、チェーンの緩みやバタツキを防ぐようにしている。
また、タイミングチェーンの張り側チェーンにチェーンガイドを固定し、その固定のチェーンガイドによってタイミングチェーンの移動を案内してバタツキを抑制するようにしている。
ここで、タイミングチェーンの張力調整用や移動案内用のチェーンガイドとして、タイミングチェーンを滑り接触によって面案内する形式のものが知られているが、タイミングチェーンの移動抵抗が大きく、伝達トルクロスが大きいという問題がある。
そのような問題点を解決するため、本件出願人においては、特許文献1において、タイミングチェーンの移動方向に長く延びる合成樹脂製のガイドベースによって曲線状に配置された複数のローラ軸の両端部を支持し、その複数のローラ軸のそれぞれによってころ軸受からなるローラを回転自在に支持し、その複数のローラによってタイミングチェーンを移動自在に案内するようにしたチェーンガイドを提案している。
上記のチェーンガイドにおいては、タイミングチェーンの案内が複数のローラの転がりによる案内であるため、タイミングチェーンの移動抵抗が小さく、伝達トルクロスが小さいという特徴を有している。
ところで、特許文献1に記載のチェーンガイドにおいては、ローラとガイドベースの側板部間にワッシャを介在し、そのワッシャによりローラが側板部の内側面に接触回転するのを防止して、側板部の耐摩耗性の向上を図るようにしているが、軸とワッシャの関係については、軸にワッシャを装着し、と記載されているのみであって、ワッシャの具体的な支持について何も言及されていない。このため、ワッシャをローラ軸に圧入する支持であると組立てに手間がかかり、また、ローラ軸に対してルーズに嵌合する支持であると、ローラがワッシャと接触する状態で回転した際にワッシャが連れ回りし、側板部の内側面に対するワッシャの接触回転によって、側板部の内側面を摩耗させるおそれがあり、いずれの支持においても問題がある。
また、上記チェーンガイドにおいては、ガイドベースの側板部の内側面にローラ軸の軸端部を支持する凹部が形成されている場合、複数のローラ軸のそれぞれにローラおよびワッシャを装着して組立品を形成し、その組立品の複数をガイドベースに組付ける必要があり、また、側板部にローラ軸の軸端部が挿入される軸挿入孔が形成されている場合には、対向する側板部間にローラおよびワッシャを配置する状態で一方の側板部の外側から軸挿入孔にローラ軸を挿入し、そのローラ軸をワッシャおよびローラ内に挿入する必要があるため、チェーンガイドの組立てに非常に手間がかかり、組立てコストの低減を図る上において改善すべき点が残されていた。
この発明の課題は、ガイドベースにより回転自在に支持されたローラによってタイミングチェーンの移動を転がり案内するチェーンガイドにおいて、組立てコストの低減を図ること、側板部の摩耗を完全に防止できるようにすることである。
上記の課題を解決するために、この発明に係るチェーンガイドにおいては、タイミングチェーンの外周一部に配置されて、そのタイミングチェーンの移動方向に長く延びる対向一対の側板部を有する樹脂成形されたガイドベースと、前記対向一対の側板部により両端部が支持されて、その側板部の長さ方向に間隔をおいて設けられた複数のローラ軸と、その複数のローラ軸のそれぞれに回転自在に支持されたチェーン案内用の複数のローラと、前記ローラ軸に嵌合されてローラの両側に配置される組込みとされた一対のワッシャからなり、前記一対のワッシャによりローラが側板部と接触回転するのを防止するようにしたチェーンガイドにおいて、前記ローラ軸に一対のワッシャおよびローラを装着して組立品を形成し、前記一対のワッシャのそれぞれ内側面が前記側板部の内側面に露出するようにして前記ガイドベースの成形と共に前記ワッシャを一体成形した構成を採用したのである。
また、この発明に係るチェーン伝動装置においては、駆動スプロケットと従動スプロケット間にタイミングチェーンを掛け渡し、そのタイミングチェーンの弛み側チェーンの一側部に、タイミングチェーンの移動を案内する揺動可能なチェーンガイドを設け、そのチェーンガイドの揺動側端部にチェーンテンショナの調整力を負荷して、その揺動側端部をタイミングチェーンに押し付けるようにしたチェーン伝動装置において、前記チェーンガイドとして、この発明に係る上記のチェーンガイドを採用したのである。
上記の構成からなるチェーン伝動装置において、タイミングチェーンの張り側チェーンの一側方に、タイミングチェーンの移動を案内する固定のチェーンガイドを設け、その固定チェーンガイドとして、この発明に係る上記のチェーンガイドを採用することによってタイミングチェーンのバタつきを効果的に抑制することができる。
この発明に係るチェーンガイドにおいては、上記のように、ローラ軸に一対のワッシャおよびローラを装着して組立品を形成し、その組立品における一対のワッシャをガイドベースに一体成形する構成であるため、ガイドベースの成形と同時にチェーンガイドが形成されることになり、ガイドベースの成形後におけるローラ軸やローラ、ワッシャの組付け作業を不要とすることができる。
また、一対のワッシャを側板部の内側面に露出するようにしてそれぞれのワッシャを側板部のそれぞれに一体成形することにより、ローラがローラ軸の軸方向に移動すると、ローラの端面がワッシャに接触するため、ローラが側板部の内側面に接触する状態で回転するのを防止することができ、側板部の摩耗を防止することができる。
この発明に係るチェーンガイドにおいて、ワッシャをローラ軸に回り止めしておくと、ワッシャの一体成形によってローラ軸も回り止めすることができ、ローラの回転によってローラ軸が連れ回りするのを防止することができる。ワッシャの回り止めに際して、そのワッシャをローラ軸の外径面に圧入してもよく、あるいは、ワッシャの内周に形成された平面をローラ軸の軸端部の外周に形成された軸方向面に面係合させるようにしてもよい。
ここで、ガイドベースに埋設されるワッシャの外周に平面を設けておくと、側板部の成型時に溶融樹脂が上記平面に係合してワッシャを回り止めすることになるため、ワッシャを完全固定することができる。
また、ワッシャの外側面を側板部で覆うことにより、ワッシャの軸方向の移動を完全に防止することができる。
この場合、ローラ軸の軸端部をワッシャの外側面より突出させ、その軸端部を側板部に一体成形して側板部内に埋設し、その埋設される軸端部の外周に、軸心を含む平面に平行する軸方向面と、軸心を含む平面に直交してワッシャの外側面と同一面を形成する径方向面とを設けると、ローラ軸を回り止めし、かつ、軸方向への移動を防止することができ、ローラ軸の安定した支持状態を得ることができる。
さらに、ローラ軸の軸端面を側板部で覆うことにより、ローラ軸の軸方向への移動を確実に防止することができる。
また、ローラ軸の軸端面をワッシャの外側面に一致させ、そのローラ軸の軸端部に、軸心を含む平面に平行する軸方向面と、前記軸心を含む平面に直交して前記ワッシャの内側面に係合する径方向面を形成し、上記軸方向面をワッシャの内周に形成された平面に係合してワッシャを回り止めすることにより、ワッシャを確実に回り止めすることができると共に、ローラ軸の軸方向への移動も確実に防止することができる。
さらに、ワッシャに設けられたローラ軸の挿入部を凹部としてローラ軸の軸端面をワッシャで覆うことにより、ローラ軸の軸方向への移動を確実に防止することができる。
ここで、ワッシャは、金属であってもよく、合成樹脂であってもよい。また、ワッシャは、側板部の内側面と同一面を形成する一体成形であってもよく、あるいは、側板部の内側面から内方に一部が膨出する一体成形であってもよい。同一面を形成する一体成形の場合、ワッシャとして、その外径がローラの外径以上とされたものを採用し、また、一部が膨出する一体成形の場合は、ワッシャはローラの外径より小径のものを採用してもよい。
この発明においては、上記のように、ローラ軸に一対のワッシャおよびローラを装着して組立品を形成し、その組立品における一対のワッシャをガイドベースに一体成形したことにより、ガイドベースの成形と同時にチェーンガイドを形成することができ、ガイドベースの成形後におけるローラ軸やローラ、ワッシャの組付け作業を不要とし、組立てコストの低減を図ることができる。
また、一対のワッシャを、側板部の内側面に露出するようにして一体成形したことにより、ローラとの接触によってワッシャが連れ回りにより回転するということがなく、側板部の摩耗を確実に防止することができ、しかも、ローラ軸やワッシャはガイドベースの補強部材となるため、強度的に優れたチェーンガイドを得ることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、カム軸駆動用のチェーン伝動装置を示し、クランク軸1の軸端部に取付けられた駆動スプロケット2とカム軸3の軸端部に取付けられた従動スプロケット4間にはタイミングチェーン5が掛け渡されている。
タイミングチェーン5はローラチェーンであっても、サイレントチェーンであってもよい。
クランク軸1は、図1の矢印で示す方向に回転する。そのクランク軸1の回転により、タイミングチェーン5が同図の矢印で示す方向に移動し、上方に向けて移動する部分が弛み側チェーン5aとされ、下向きに向けて移動する部分が張り側チェーン5bとされ、上記弛み側チェーン5aの一側部にチェーンガイドA1が設けられている。
チェーンガイドA1は、タイミングチェーン5の移動方向に長く延び、その上端部がエンジンブロックから突設する支点軸10により支持されて、その支点軸10を中心に揺動可能とされ、下側の揺動側端部には、チェーンテンショナ11の調整力が負荷されて弛み側チェーン5aに向けて押圧されている。
タイミングチェーン5における張り側チェーン5bの他側部にはチェーンガイドA2が設けられている。このチェーンガイドA2は、揺動可能なチェーンガイドA1と同様に、タイミングチェーン5の移動方向に長く延び、その両端部がエンジンブロックにねじ込まれるボルト12の締め付けにより固定されて、タイミングチェーン5の移動を案内するようになっている。
ここで、揺動可能なチェーンガイドA1と固定のチェーンガイドA2とは、ほぼ同一の構成とされ、揺動可能なチェーンガイドA1が一端部に軸挿入用の挿入孔が形成されているのに対し、固定のチェーンガイドA2が両端部にボルト挿入用の挿入孔が形成されている点が相違している。
そのため、ここでは、揺動可能なチェーンガイドA1の構成について以下に説明し、固定配置のチェーンガイドA2については同一の部分に同一の符号を付して説明を省略する。
図2乃至図4に示すように、チェーンガイドA1は、タイミングチェーン5の移動方向に長く延びるガイドベース21と、そのガイドベース21の長さ方向に間隔をおいて設けられた複数のローラ軸31と、その複数のローラ軸31のそれぞれに回転自在に支持されたチェーン案内用の複数のローラ41と、上記ローラ軸31に嵌合されてローラ41の軸方向両側に配置された一対のワッシャ51からなっている。
ガイドベース21は、対向一対の側板部22間に複数の間隔保持板23を長さ方向に間隔をおいて設けた構成とされている。一対の側板部22は弓形状をなし、その上端部に支点軸10が挿入される挿入孔24が形成されている。
上記ガイドベース21は、合成樹脂の成形品とされている。合成樹脂として耐油性、耐候性および強度的に優れた樹脂を用いるのが好ましい。そのような樹脂として、ポリアミド46(PA46)やポリアミド66(PA66)を挙げることができる。機械的強度をさらに向上させるために、それらの樹脂に強化ガラス繊維を混入するのが好ましい。
図3および図4に示すように、ローラ軸31は、ストレート形状をなし、SUJ2やSC材を素材としている。このローラ軸31は、耐摩耗性を向上させるため、熱処理されて硬度が高められている。熱処理として、ここでは、光輝焼入れを採用しているが、高周波焼入れしてもよく、浸炭焼入れしてもよい。あるいは、浸炭窒化処理してもよい。
複数のローラ41は、複数のローラ軸31のそれぞれによって回転自在に支持されている。ローラ41として、ここでは、ころ軸受が採用されている。ころ軸受41は、外輪42と、その内側に組み込まれた複数のころ43と、そのころ43を保持する保持器44とからなる。
外輪42は、SPCやSCM等の金属板を絞り成形したシェル形であり、熱処理によって硬度が高められている。シェル形外輪42の両端部には、保持器44を抜止めする内向き鍔45が形成されている。内向き鍔45は、ころ軸受41の組立ての容易化を図るため、ころ43を保持する保持器44の組込み後において曲げ成形される。
なお、ころ軸受41は、針状ころ軸受であってもよく、円筒ころ軸受であってもよい。また、ころ軸受41は、保持器のない総ころタイプのものであってもよい。
ワッシャ51は、厚さがガイドベース21の側板部22の厚さと同一とされ、外径は、ローラ41の外径より大径とされている。ワッシャ51は、ローラ41を回転自在に支持するローラ軸31の軸端部にそれぞれ圧入され、ローラ軸31およびローラ41とで組立品Uを形成する状態においてガイドベース21に一体成形されている。
上記のように、ガイドベース21の成形と同時に組立品Uのワッシャ51を一体成形することにより、その成形と同時にチェーンガイドA1、A2を形成することができることになる。このため、ガイドベース21の成形後におけるローラ軸31やローラ41、ワッシャ51の組付け作業を不要とすることができ、組立てコストの低減を図ることができる。
ワッシャ51は、金属製のものであってもよく、樹脂製のものであってもよい。
実施の形態で示すチェーン伝動装置は上記の構造からなり、駆動スプロケット2と従動スプロケット4間に掛け渡されたタイミングチェーン5の移動によってクランク軸1の回転をカム軸3に伝達するトルク伝達状態において、負荷の変動によりタイミングチェーン5の張力が変化すると、チェーンテンショナ11が作動して、その張力変化を吸収する。このため、タイミングチェーン5は常に所定の張力状態に保持される。
クランク軸1の回転をカム軸3に伝達するトルク伝達時、揺動可能なチェーンガイドA1および固定のチェーンガイドA2のそれぞれに設けられたころ軸受からなるローラ41はタイミングチェーン5との接触により回転し、タイミングチェーン5は転がり案内される。
このように、タイミングチェーン5はローラ41の転がりによって案内されるため、その案内部での摩耗は少ない。また、タイミングチェーン5の移動抵抗も小さく、タイミングチェーン5はスムーズに移動し、ロスなくトルク伝達されることになる。
ここで、ローラ41が側板部22の内側面に接触する状態で回転すると、側板部22の内側面が接触摩耗することになる。しかし、側板部22にはワッシャ51が埋設され、そのワッシャ51の外径はローラ41の外径より大径であるため、上記ワッシャ51によって側板部22の内側面に対するローラ41の接触を完全に防止することができる。しかも、ワッシャ51は側板部22に一体成形されているため、ローラ41との接触によってワッシャ51が連れ回りにより回転するということがなく、側板部22の摩耗を確実に防止することができる。
図3および図4では、ワッシャ51として円形のものを示したが、ワッシャ51の形状は円形に限定されない。例えば、角形や楕円形等の非円形状のものであってもよい。非円形状のワッシャ51の採用においては、ワッシャ51を確実に回り止めすることができる。
図5(a)、(b)に示すように、ワッシャ51の外周に平面52を設けておくと、側板部22の成型時に溶融樹脂が上記平面52に係合するため、ワッシャ51を確実に回り止めとすることできる。
図6乃至図10は、この発明に係るチェーンガイドの他の例を示す。図6に示すチェーンガイドにおいては、ローラ軸31に圧入されて回り止めされた一対のワッシャ51のそれぞれを側板部22より薄肉として、それぞれのワッシャ51の外側面より外側方にローラ軸31の軸端部を突出させ、そのワッシャ51およびローラ軸31の軸端部を側板部22に一体成形して、ワッシャ51の内側面を除く全体およびローラ軸31の軸端部を側板部22内に埋設させるようにしている。
上記のように、ワッシャ51の内側面を除く全体を側板部22内に埋設することにより、ワッシャ51の軸方向の移動を完全に防止することができ、強固な組付け状態を得ることができる。
図7に示すチェーンガイドにおいては、ワッシャ51の外側面から外側方に突出して側板部22に一体成形されるローラ軸31の軸端部の外周に軸心を含む平面に平行する軸方向面32aと、軸心を含む平面に直交してワッシャ51の外側面と同一面を形成する径方向面32bを設けている点でのみ図6に示したチェーンガイドと相違している。
上記のように、ローラ軸31の軸端部の外周に軸方向面32aと径方向面32bを設けることにより、軸方向面32aによりローラ軸31を回り止めすることができ、径方向面32bにより軸方向への移動を防止することができ、ローラ軸31の安定した強固な支持状態を得ることができる。
図8に示すチェーンガイドにおいては、ローラ軸31に圧入されたワッシャ51の外側面に上記ローラ軸31の軸端面を一致させ、そのローラ軸31の軸端面を側板部22で覆うようにしている。このように、ローラ軸31の軸端面を側板部22で覆うことにより、ローラ軸31の軸方向への移動を確実に防止することができる。
図9(c)、(d)に示すチェーンガイドにおいては、ローラ軸31の軸端部に軸心を含む平面に平行する軸方向面32aと、軸心を含む平面に直交してワッシャ51の内側面に当接する径方向面32bとを設け、その径方向面32bをワッシャ51の内周に形成された平面53に係合させるようにしている点で図8に示すチェーンガイドと相違している。
上記のように、ローラ軸31の軸端面をワッシャ51の外側面に一致させ、そのローラ軸31の軸端部に形成された軸方向面32aをワッシャ51の内周に形成された平面53に係合することにより、ローラ軸31を確実に回り止めすることができると共に、ローラ軸31の軸方向への移動も確実に防止することができる。
図10に示すチェーンガイドにおいては、側板部22より薄肉とされたワッシャ51の内側面に軸挿入部としての凹部54を形成し、その凹部54にローラ軸31の軸端部を圧入している。上記のように、凹部54にローラ軸31の軸端部を圧入して、ローラ軸31の軸端面をワッシャ51で覆うことにより、ローラ軸31の軸方向への移動を確実に防止することができる。
A1 チェーンガイド
A2 チェーンガイド
2 駆動スプロケット
4 従動スプロケット
5 タイミングチェーン
21 ガイドベース
22 側板部
31 ローラ軸
32a 軸方向面
32b 径方向面
41 ころ軸受(ローラ)
51 ワッシャ
52 平面
53 平面
54 凹部
A2 チェーンガイド
2 駆動スプロケット
4 従動スプロケット
5 タイミングチェーン
21 ガイドベース
22 側板部
31 ローラ軸
32a 軸方向面
32b 径方向面
41 ころ軸受(ローラ)
51 ワッシャ
52 平面
53 平面
54 凹部
Claims (8)
- タイミングチェーンの外周一部に配置されて、そのタイミングチェーンの移動方向に長く延びる対向一対の側板部を有する樹脂成形されたガイドベースと、前記対向一対の側板部により両端部が支持されて、その側板部の長さ方向に間隔をおいて設けられた複数のローラ軸と、その複数のローラ軸のそれぞれに回転自在に支持されたチェーン案内用の複数のローラと、前記ローラ軸に嵌合されてローラの両側に配置される組込みとされた一対のワッシャからなり、前記一対のワッシャによりローラが側板部と接触回転するのを防止するようにしたチェーンガイドにおいて、
前記ローラ軸に一対のワッシャおよびローラを装着して組立品を形成し、前記一対のワッシャのそれぞれ内側面が前記側板部の内側面に露出するようにして前記ガイドベースの成形と共に前記ワッシャを一体成形したことを特徴とするチェーンガイド。 - 前記ワッシャが、前記ローラより大径とされた請求項1に記載のチェーンガイド。
- 前記ローラ軸に前記ワッシャを回り止めした請求項1又は2に記載のチェーンガイド。
- 前記ワッシャが、少なくとも一つの平面を外周に有してなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載のチェーンガイド。
- 前記ワッシャの外側面を前記側板部で覆った請求項1乃至4のいずれか1項に記載のチェーンガイド。
- 前記ローラ軸の軸端部を前記ワッシャの外側面より突出させ、その軸端部を前記側板部に一体成形して側板部に埋設した請求項5に記載のチェーンガイド。
- 前記ローラ軸の軸端面を前記側板部で覆った請求項5に記載のチェーンガイド。
- 駆動スプロケットと従動スプロケット間にタイミングチェーンを掛け渡し、そのタイミングチェーンの弛み側チェーンの一側部に、タイミングチェーンの移動を案内する揺動可能なチェーンガイドを設け、そのチェーンガイドの揺動側端部にチェーンテンショナの調整力を負荷して、その揺動側端部をタイミングチェーンに押し付けるようにしたチェーン伝動装置において、
前記チェーンガイドが、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のチェーンガイドからなることを特徴とするチェーン伝動装置。
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