JP2014202122A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン1への基本的な機能要求を物理量調停によってバランス良く満たすとともに、制御の演算負荷を徒に増大させることなく燃料噴射に関わる要求を好適に調停し、かつ、始動時など特定の状態におけるスロットルなどの制御との同時性を確保する。【解決手段】要求発生階層510と、物理量調停階層520と、制御量設定階層530とを備える。制御量設定階層530の下位に、要求発生階層510から物理量調停階層520を介さずに伝達される要求値を調停する制御量調停階層540を備える。制御量調停階層540には噴射機能調停部543を備え、第1の調停部543a(噴射制御調停部)では、少なくとも燃料の噴射回数の調停を行って、エンジン1が特定の状態にあることの識別数とともに、2つ以上の数値の組として出力する。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の各種の機能に関する要求を複数のアクチュエータの協調制御によって実現する制御装置に関する。
内燃機関の制御装置に関して、例えば特許文献1や特許文献2に開示されるように階層型の制御構造を備えて、上位の階層から下位の階層へ一方向に信号を伝達するようにしたものは知られている。前記各文献に記載の例では、最上位の要求発生階層においてドライバビリティ、排気ガスおよび燃費という、車両用の内燃機関における基本的な3つの機能の要求を、トルク、効率および空燃比という3種の物理量で表現した要求値を生成する。
そして、その要求値の信号を下位の物理量調停階層に伝達し、ここではトルク、効率および空燃比のそれぞれに要求値を集約して、予め定められた規則に従って1つずつの要求値に調停する。こうして調停したトルク、効率および空燃比それぞれ1つずつの要求値の信号を下位の制御量設定階層に伝達し、ここでは各要求値を相互の関係に基づいて調整した上で、個々のアクチュエータの制御量を設定する。
このように内燃機関への要求をトルク、効率および空燃比という3種の物理量の組み合わせによって表現し、調停することによって、アクチュエータの特性や種類に拠らず、その制御によって実現すべき内燃機関全体としての動作が決まり、ドライバビリティ、排気ガスおよび燃費という内燃機関の基本的な要求がバランス良く満たされるような好適な制御を実現できる。
特開2009−47101号公報 特開2009−47102号公報
ところで、気筒内へ燃料を直接、噴射する筒内噴射用の燃料噴射弁が備わる内燃機関では、噴射制御の自由度が高いことを活かして、気筒内における良好な混合気形成のために燃料噴射の態様を適宜、変更したいという要求がある。しかし、噴射の態様というのは燃料噴射弁の動作そのものであるから、これを一旦、トルクや効率など物理量に変換して調停した上で再度、制御量に計算し直すのは、余計な演算負荷を生じさせる。
そこで、噴射の態様については物理量ではなく、燃料噴射弁の制御量(噴射制御量)として表現して調停することも考えられるが、この場合には具体的にどのように表現するかが問題になる。すなわち、噴射の態様を表す制御量は、例えば噴射回数や各回の噴射時期、噴射割合など幾つもあるので、これらを全てまとめて調停しようとすると、ロジックが非常に複雑になってしまうからである。
特に、前記筒内噴射用の燃料噴射弁の他に一般的なポート噴射用の燃料噴射弁も備える場合は、それら種類の異なる燃料噴射弁によってそれぞれ噴射された燃料の混合気を形成する過程が大きく異なることから、どちらの燃料噴射弁によって何回、燃料を噴射するかが混合気分布やその燃焼性に大きな影響を及ぼすことになる。
また、内燃機関の始動時には運転中に比べて混合気形成が難しく、燃焼状態も悪化し易いので、望ましい燃料噴射の態様は運転中とは異なるものとなるし、これに伴い吸入空気量や点火時期の制御についても通常の運転中とは異なる要求が発生する。このような特定の状態では、燃料の噴射制御とスロットルや点火などの制御との同時性を確保する必要がある。
かかる諸点に鑑みて本発明の目的は、内燃機関への基本的な要求を物理量調停によってバランス良く満たすようにした階層構造を有する制御装置において、制御演算の負荷を徒に増大させることなく、燃料噴射に関わる各種の要求を好適に調停できるようにするとともに、始動時など特定の状態におけるスロットルなど他のアクチュエータの制御との同時性を確保することにある。
前記の目的を達成するために本発明では、燃料噴射弁の制御量(噴射制御量)で表現された要求値が物理量調停階層を介さずに伝達される調停階層を設けて、噴射制御量として調停するとともに、この調停結果を燃料噴射弁の種類および内燃機関が特定の状態にあることを識別可能な数値の組として出力するようにした。
具体的に本発明は、内燃機関の各種の機能に関する要求を、当該内燃機関の動作に関わる複数のアクチュエータを協調制御して実現する内燃機関の制御装置を対象として、前記内燃機関の機能に関する要求値を出力する要求発生階層と、この要求発生階層の下位に設けられ、前記要求値のうち所定の物理量で表現されたものを集約し調停する物理量調停階層と、この物理量調停階層の下位に設けられ、前記の調停された要求値に基づいてアクチュエータの制御量を設定する制御量設定階層とを備え、前記要求発生階層、物理量調停階層および制御量設定階層の順に上位の階層から下位の階層へ一方向に信号が伝達される階層型の制御構造を有している。
さらに前記制御量設定階層の下位には、前記要求発生階層から出力される要求値のうち前記アクチュエータの制御量で表現されたものが、前記物理量調停階層を介さずに伝達される制御量調停階層を設けて、ここに伝達される要求値を集約して調停する。そして、この制御量調停階層には、前記アクチュエータの1つである燃料噴射弁の動作に関する噴射制御量の調停を行う噴射制御調停部を設けて、前記噴射制御量の調停結果を、前記燃料噴射弁の種類および内燃機関が特定の状態にあることを識別可能な数値の組として出力するようにした。
前記のように構成された内燃機関の制御装置では、まず、内燃機関の各種の機能に関する要求が所定の物理量(例えばトルク、効率、空燃比など)によって表現されて調停され、この調停された要求値に基づいて各アクチュエータの制御量が設定される。これにより複数のアクチュエータが協調制御され、内燃機関の基本的な機能要求(例えばドライバビリティ、排気ガス、燃費など)がバランス良く満たされるようになる。
その際に燃料噴射弁の動作に関する要求は、例えば噴射回数、各回の噴射時期および噴射割合など、各種の噴射制御量で表現されて前記要求発生階層から物理量調停階層や制御量設定階層を介さずに、その下位の制御量調停階層に伝達される。そして、噴射制御調停部において調停されて、燃料噴射弁の制御量に反映される。つまり、噴射制御量が物理量調停を介さずに調停されて、内燃機関の制御に反映されるようになり、物理量に変換するための演算負荷が生じない。
その上さらに前記噴射制御調停部からは、前記噴射制御量の調停結果が、前記燃料噴射弁の種類(例えば筒内噴射用かポート噴射用かなど)および内燃機関が始動時など特定の状態にあることを識別可能な数値の組として出力される。燃料噴射を行う燃料噴射弁の種類は混合気形成に及ぼす影響が大きいので、これについて出力することで、各種要求を好適に燃焼状態に反映させることが可能になる。
また、前記特定の状態の識別については、例えば内燃機関の通常の運転中を「1」とし、これとは要求の異なる触媒の急速暖機中などを「2」、機関始動時などを「3」、というように特定の状態に対応づけて予め設定しておけば、内燃機関が始動など特定の状態にあることが識別できるので、これらの特定の状態においてそれぞれ燃料噴射制御と協調させるスロットル制御や点火制御との同時性を確保することが可能になる。
換言すれば前記特定の状態とは、燃料の噴射制御と、例えばスロットルバルブやイグナイタなど他のアクチュエータの制御とを同調させなくてはならないものであって、例えば成層燃焼状態での始動、触媒の急速暖機および気筒休止(複数の気筒の幾つかを休止させる制御)などが挙げられる。
ところで、内燃機関においては前記燃料噴射弁として、気筒内に直接、燃料を噴射するように配設された第1噴射弁と、気筒毎の吸気ポートに燃料を噴射するように配設された第2噴射弁との両方を備えることがある。この場合、2種類の燃料噴射弁の各々の噴射回数などが変更可能であるから、噴射制御の自由度が一層、高くなる反面、噴射態様の表現は一層、複雑になる。
これに対し、前記噴射制御調停部は、前記噴射制御量の1つとして少なくとも、前記第1噴射弁および第2噴射弁による燃料の噴射回数の調停を行い、この調停結果を、前記第1噴射弁による燃料の噴射回数、前記第2噴射弁による燃料の噴射回数、および内燃機関が特定の状態にあることを識別するための識別数と、をそれぞれの桁で表現した3桁の数値として出力することが好ましい。こうすれば、第1および第2噴射弁による噴射回数を簡潔なフォーマットで表現できる。
しかも、燃料噴射弁の数が異なり、例えば第2噴射弁を備えていない、第1噴射弁のみの内燃機関においても、3桁の数値のいずれかの桁を零(0)にするだけでよく、噴射態様のフォーマットを変更する必要がない。よって、異なる仕様の内燃機関にも共通の制御プログラムを容易に適用可能であり、仕様の変化に対しても制御プログラムの変更箇所が少なく済む。
なお、気筒毎に前記第2噴射弁を2つずつ設けることもあり得るが、この場合は、それぞれの噴射回数を表現するために4桁の数値とすればよいし、前記識別数で識別する内燃機関の特定の状態が多くなって1桁では表せなくなれば、これを2桁で表し、前記第1および第2噴射弁のそれぞれの噴射回数と併せて、4桁または5桁の数値とすればよい。
好ましくは前記噴射制御調停部に、内燃機関の所定の運転状態における燃料の噴射回数を、基本噴射回数として予め設定しておいてもよい。所定の運転状態とは、通常の車両などにおいて最も使用頻度の高い、内燃機関のいわば定格の運転状態であって、予め実験などによって設定される。この運転状態における燃料の噴射回数(基本噴射回数)を予め噴射制御調停部に設定しておけば、通常の運転状態では要求発生階層から噴射回数の要求値の信号を出力する必要がなくなり、処理の簡略化が図られる。
本発明によれば、まず、ドライバビリティ、排気ガスおよび燃費などの内燃機関の基本的な機能要求を物理量で表現し、物理量調停階層で調停することにより、その基本的な要求がバランス良く満たされるような好適な制御を実現可能である。また、燃料噴射弁の動作に関わる要求は、物理量調停を介さずに噴射制御量として調停することによって、演算負荷を徒に増大させることなく内燃機関の制御に好適に反映させることができる。
その際、前記噴射制御量の調停結果を、例えば筒内噴射用、ポート噴射用などの燃料噴射弁の種類、および機関の特定の状態を識別可能な数値の組として出力することで、噴射制御に関わる各種の要求を好適に調停し、スロットルや点火など他の制御との同時性を確保しながら好適な燃料噴射制御を実現できる。
本発明の実施の形態に関わる内燃機関の一例を示す構成図である。 実施の形態に関わるECUの一例を示す構成図である。 実施の形態としての制御装置の階層構造を示すブロック図である。 噴射機能調停部における噴射制御量の調停について示すブロック図である。 インジェクタ駆動制御部の構成の一例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態では、本発明の制御装置を自動車に搭載される内燃機関(以下、エンジンという)、特に、火花点火式のエンジンに適用した場合について説明する。
[エンジンの構成例]
以下に、まず図1を参照して、実施形態に関わる火花点火式エンジン1の構成の一例を説明する。図にはエンジン1の本体部分における1つの気筒2の構成のみを示しているが、エンジン1は例えば直列4気筒エンジンであって、シリンダブロック1aに形成された気筒2内には、図の上下方向に往復動するようにピストン3が収容されている。シリンダブロック1aの上部にはシリンダヘッド1bが組み付けられ、その下面とピストン3の上面との間が燃焼室となる。
ピストン3はコネクティングロッド4を介してクランクシャフト5に連結されていて、クランクシャフト5は、シリンダブロック1aの下部のクランクケースに収容されている。クランクシャフト5にはロータ301aが取り付けられ、その側方近傍には例えば電磁ピックアップからなるクランクポジションセンサ301が配設されている。クランクポジションセンサ301は、ロータ301aの外周の歯が通過する際にパルス信号を出力する。この信号からエンジン回転数を算出することができる。
また、シリンダブロック1aの側壁には気筒2を取り囲むようにウォータジャケットが形成され、ここにはエンジン冷却水wの温度を検出するように水温センサ303が配設されている。シリンダブロック1aの下部は下方に向かって拡大されてクランクケースの上半分を構成し、その下方には、クランクケースの下半分を構成するようにオイルパン1cが取り付けられている。オイルパン1cには、エンジン各部に供給される潤滑油(エンジンオイル)が貯留されている。
一方、シリンダヘッド1bには気筒2内の燃焼室に臨むように点火プラグ6が配設されていて、その電極にはイグナイタ7から高電圧が供給されるようになっている。こうして高電圧を供給し点火プラグ6に通電するタイミング、即ちエンジン1の点火時期はイグナイタ7によって調整される。つまり、イグナイタ7は、エンジン1の点火時期を調整可能なアクチュエータであり、後述するECU(Electronic Control Unit)500によって制御される。
また、シリンダヘッド1bには、気筒2内の燃焼室に臨んでそれぞれ開口するように、吸気ポート11aおよび排気ポート12aが形成されている。吸気ポート11aには吸気マニホールド11bが連通していて、吸気通路11における吸気の流れの下流側を構成している。また、排気ポート12aには排気マニホールド12bが連通していて、排気通路12における排気ガスの流れの上流側を構成している。
吸気通路11の上流側には、図示は省略のエアクリーナの近傍に、吸入空気量を検出するエアフロメータ304(図2を参照)が配設され、その下流側に吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ8が配設されている。また、吸気通路11(吸気マニホールド11b)には、エンジン1に吸入される前の空気の温度(吸気温)を検出する吸気温センサ307(図2を参照)も配設されている。
この例ではスロットルバルブ8は、図外のアクセルペダルとの機械的な連結が切り離されていて、電動のスロットルモータ8aにより駆動されて、その開度が調整される。スロットル開度を検出するスロットル開度センサ305からの信号は、後述するECU500に送信される。ECU500は、エンジン1の運転状態に応じて好適な吸入空気量が得られるように、スロットルモータ8aを制御する。つまり、スロットルバルブ8は、エンジン1の吸入空気量を調整する(内燃機関の動作に関わる)アクチュエータである。
前記のように燃焼室に臨む吸気ポート11aの開口は吸気バルブ13によって開閉され、これにより吸気通路11と燃焼室とが連通または遮断される。同様に排気ポート12aの開口は排気バルブ14によって開閉され、これにより排気通路12と燃焼室とが連通または遮断される。これら吸排気バルブ13,14の開閉駆動は、クランクシャフト5の回転がタイミングチェーンなどを介して伝達される吸気および排気の各カムシャフト15,16によって行われる。
この例では吸気カムシャフト15の近傍に、特定の気筒2のピストン3が圧縮上死点に達したときにパルス信号を発生するカムポジションセンサ302が設けられている。カムポジションセンサ302は例えば電磁ピックアップからなり、前記のクランクポジションセンサ301と同様に、吸気カムシャフト15に設けられたロータの回転に伴いパルス信号を出力する。
また、排気通路12において排気マニホールド12bの下流には、一例として三元触媒からなる触媒17が配設されている。この触媒17においては、気筒2内の燃焼室から排気通路12に排気された排気ガス中のCO、HCの酸化およびNOxの還元が行われ、それらを無害なCO2、H2O、N2とすることで排気ガスの浄化が図られる。
この例では触媒17の上流側の排気通路12に、排気温センサ308と空燃比(A/F)センサ309とが配設され、触媒17の下流側の排気通路12にはO2センサ310が配設されている。
−燃料噴射系−
次に、エンジン1の燃料噴射系について説明する。
エンジン1の各気筒2には、それぞれ燃焼室内に直接、燃料を噴射するように筒内噴射用インジェクタ21(第1噴射弁)が配設されている。4つの気筒2のそれぞれの筒内噴射用インジェクタ21は共通の高圧燃料用デリバリパイプ20に接続されている。また、エンジン1の吸気通路11には、各吸気ポート11a内に燃料を噴射するようにポート噴射用インジェクタ22(第2噴射弁)が配設されている。ポート噴射用インジェクタ22も4つの気筒2にそれぞれ設けられ、共通の低圧燃料用デリバリパイプ23に接続されている。
前記高圧燃料用デリバリパイプ20および低圧燃料用デリバリパイプ23への燃料供給は、燃料ポンプである低圧ポンプ24および高圧ポンプ25(以下、単に燃料ポンプ24,25ともいう)によって行われる。低圧ポンプ24は、燃料タンク26内の燃料を汲み上げて、低圧燃料用デリバリパイプ23および高圧ポンプ25に供給する。高圧ポンプ25は、供給される低圧の燃料を所定以上の高圧にまで加圧して、高圧燃料用デリバリパイプ20に供給する。
この例では高圧燃料用デリバリパイプ20に、筒内噴射用インジェクタ21に供給する高圧燃料の圧力(燃圧)を検出するための高圧燃料用燃圧センサ311(図2を参照)が配設され、低圧燃料用デリバリパイプ23には、ポート噴射用インジェクタ22に供給する低圧燃料の圧力(燃圧)を検出するための低圧燃料用燃圧センサ312(図2を参照)が配設されている。
筒内噴射用インジェクタ21およびポート噴射用インジェクタ22は、いずれも所定電圧が印加されたときに開弁して燃料を噴射する電磁駆動式のアクチュエータである。また、高圧ポンプ25および低圧ポンプ24は、インジェクタ21,22に燃料を供給するアクチュエータである。インジェクタ21,22の動作、即ちそれぞれの燃料噴射回数(噴射モード)やその各回で噴射を開始する時期、および各回の噴射量など、並びに燃料ポンプ24,25の吐出量、吐出圧などは、後述するECU500によって制御される。
そして、筒内噴射用インジェクタ21およびポート噴射用インジェクタ22のいずれか一方または両方のインジェクタからの燃料噴射により、気筒2内の燃焼室には空気と燃料ガスとの混合気が形成される。この混合気が点火プラグ6によって点火されて燃焼・爆発するときに生じた高温高圧の燃焼ガスにより、ピストン3が押し下げられてクランクシャフト5を回転させる。燃焼ガスは、排気バルブ14の開弁に伴い排気通路12に排出されて排気ガスとなる。
−ECU−
ECU500は、図2に模式的に示すように、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、および、バックアップRAM504などを備えている。
ROM502は、各種制御プログラム、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップなどが記憶されている。CPU501は、ROM502に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM503は、CPU501での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM504は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU501、ROM502、RAM503およびバックアップRAM504は、バス507を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース505および出力インターフェース506と接続されている。
入力インターフェース505には、クランクポジションセンサ301、カムポジションセンサ302、水温センサ303、エアフロメータ304、スロットル開度センサ305、アクセル開度センサ306、吸気温センサ307、排気温センサ308、空燃比センサ309、O2センサ310、高圧燃料用燃圧センサ311、および、低圧燃料用燃圧センサ312などの各種センサ類が接続されている。
また、入力インターフェース505にはイグニッションスイッチ313も接続されており、このイグニッションスイッチ313がオン操作されると、スタータモータ(図示せず)によるエンジン1のクランキングが開始されるようになっている。一方、出力インターフェース506には、点火プラグ6のイグナイタ7、スロットルバルブ8のスロットルモータ8a、筒内噴射用インジェクタ21、ポート噴射用インジェクタ22、低圧ポンプ24、および高圧ポンプ25などが接続されている。
そして、ECU500は、前記した各種センサ301〜312やスイッチ313からの信号などに基づいて、前記イグナイタ7による点火プラグ6の通電制御、スロットルバルブ8(スロットルモータ8a)の駆動制御、インジェクタ21,22およびポンプ24,25の駆動制御などを含むエンジン1の各種制御を実行する。
これによってエンジン1の動作が、ドライバビリティ、排気ガスおよび燃費という基本的な機能要求がバランス良く満たされるよう、好適に制御される。つまり、ECU500は、エンジン1の各種の機能に関する要求を複数のアクチュエータ(イグナイタ7、スロットルバルブ8、インジェクタ21,22、ポンプ24,25など)の協調制御によって実現するものである。ECU500により実行される制御プログラムによって、本発明の実施形態としての内燃機関の制御装置が実現する。
[制御装置の階層構造]
次に、制御装置の構成について詳細に説明する。図3は、制御装置の各要素をブロックで示し、ブロック間の信号の伝達を矢印で示している。この例では制御装置は、5つの階層510〜550からなる階層型の制御構造を有し、最上位には要求発生階層510が、その下位には物理量調停階層520および制御量設定階層530が、さらにその下位には制御量調停階層540が設けられ、最下位に制御出力階層550が設けられている。
前記の5つの階層510〜550間では信号の流れは一方向であり、最上位の要求発生階層510から下位の物理量調停階層520へ、物理量調停階層520から下位の制御量設定階層530へ、さらに制御量設定階層530から下位の制御量調停階層540へ、と信号が伝達される。また、図示は省略するが、それらの階層510〜550とは独立して各階層510〜550にそれぞれ共通の信号を並列に配信する共通信号配信系統が設けられている。
階層510〜550間を伝達される信号と、共通信号配信系統により配信される信号とには次のような違いがある。階層510〜550間を伝達される信号はエンジン1の機能に関する要求を信号化したものであり、最終的にはアクチュエータ7,8,…の制御量に変換される信号である。これに対し、共通信号配信系統によって配信される信号は、要求を発生させたり制御量を演算したりする上で必要な情報を含んだ信号である。
具体的には、共通信号配信系統により配信される信号は、エンジン1の運転条件や運転状態に関する情報(エンジン回転数、吸入空気量、推定トルク、現時点の実点火時期、冷却水温度、運転モードなど)であり、その情報源はエンジン1に設けられた各種のセンサ301〜312や制御装置内部の推定機能などである。これらの情報は各階層510〜550で共通に利用される共通エンジン情報であるので、各階層510〜550に並列に配信することとすれば、階層510〜550間の通信量を削減できるだけでなく、階層510〜550間における情報の同時性を保つこともできる。
−要求発生階層−
以下、各階層510〜550の構成と、そこで行われる処理について上位の階層から順に説明する。まず、要求発生階層510には、複数の要求出力部511〜519が配置されている。ここでいう要求とはエンジン1の機能に関する要求(エンジン1に求められている性能とも言える)であり、要求出力部511〜519はエンジン1の機能毎に設けられている。エンジン1の機能は種々多様であり、エンジン1に何を求めるか、何を優先するかによって、要求発生階層510に配置する要求出力部の内容は異なってくる。
本実施形態では、エンジン1を車両のドライバの運転操作に応じて効率良く運転するとともに、自然環境の保護という要請にも応えるべく、基本的な機能としてドライバビリティ、排気ガス、燃費をバランス良く満たすことを制御の前提としている。このため要求発生階層510には、まず、ドライバビリティに関する機能に対応して要求出力部511が設けられ、排気ガスに関する機能に対応して要求出力部512が設けられ、燃費に関する機能に対応して要求出力部513が設けられている。
また、本実施形態では、前記3つの基本的な機能要求以外に、例えばインジェクタ21,22のそれぞれによる噴射動作の回数や時期など、基本的な噴射機能の要求があり、それ以外にもF/C(燃料カット)前の燃圧低減、触媒17の急速暖機、成層燃焼状態での始動(成層始動)、アイドリングストップであるS&S停止等々、特定の状態で発生する各種要求があることも考慮している。よって、図3に表れているように要求発生階層510には、前記のような要求にそれぞれ対応する要求出力部514〜519も設けられているが、これらの要求出力部514〜519について詳しくは後述する。
前記の要求出力部511〜513は、エンジン1のドライバビリティ、排気ガスおよび燃費という基本的な機能要求を数値化して出力する。アクチュエータ7,8,…の制御量は、以下に説明するように演算によって決定されるので、要求を数値化することでアクチュエータ7,8,…の制御量に要求を反映させることが可能になる。本実施形態では、前記の基本的な機能要求については、エンジン1の動作に関わる物理量で表現する。
その物理量としてはトルク、効率および空燃比の3種のみを用いる。エンジン1の出力(広義の出力)は主としてトルク、熱、排気ガス(熱と成分)ということができ、これらの出力は上述のドライバビリティ、排気ガス、燃費といった機能に関係している。そして、これらの出力を制御するためにはトルク、効率および空燃比の3種の物理量を決めればよいので、これら3種の物理量を用いて要求を表現し、アクチュエータ7,8,…の動作を制御することで、エンジン1の出力に要求を反映させることが可能になる。
図3では、一例として要求出力部511が、ドライバビリティに関する要求(ドラビリ要求)をトルクや効率で表現した要求値として出力している。例えば、要求が車両の加速であれば、その要求はトルクによって表現することができる。要求がエンストの防止であれば、その要求は効率(効率アップ)によって表現することができる。
また、要求出力部512は、排気ガスに関する要求を効率や空燃比で表現した要求値として出力している。例えば、要求が触媒17の暖機であれば、その要求は効率(効率ダウン)によって表現することができるし、空燃比によっても表現することができる。効率ダウンによれば、排気ガス温度を高めることができ、空燃比によれば、触媒17で反応がしやすい雰囲気にすることができる。
さらに、要求出力部513は、燃費に関する要求を効率や空燃比で表現した要求値として出力している。例えば、要求が燃焼効率の上昇であれば、その要求は効率(効率アップ)によって表現することができる。要求がポンピングロスの低減であれば、その要求は空燃比(リーンバーン)によって表現することができる。
なお、各要求出力部511〜513からそれぞれ出力される要求値は、各物理量につき1つには限定されない。一例として、要求出力部511からは、ドライバからの要求トルク(アクセル開度から計算されるトルク)だけでなく、VSC(Vehicle Stability Control system)、TRC(Traction Control System)、ABS(Antilock Brake System)、トランスミッション等の車両制御にかかる各種デバイスから要求されるトルクも同時に出力されている。効率に関しても同様である。
要求発生階層510には共通信号配信系統から共通エンジン情報が配信されている。各要求出力部511〜513では、共通エンジン情報を参照して出力すべき要求値を決定している。エンジン1の運転条件や運転状態によって要求の内容が変わるからである。例えば排気温センサ308により触媒温度が測定されている場合、要求出力部512では、その温度情報に基づいて触媒17の暖機の必要性を判定し、判定結果に応じて効率要求値や空燃比要求値を出力する。
さて、上述のように、要求発生階層510の要求出力部511〜513からは、トルク、効率或いは空燃比で表現された複数の要求が出力されるが、それらの要求を全て同時に且つ完全に実現することはできない。複数のトルク要求があったとしても実現できるトルクは1つだからである。同様に、複数の効率要求に対して実現できる効率は1つであり、複数の空燃比要求に対して実現できる空燃比は1つである。このため、要求の調停という処理が必要となる。
−物理量調停階層−
物理量調停階層520では、要求発生階層510から出力される要求値の調停が行なわれる。物理量調停階層520には、要求の分類である物理量毎に調停部521〜523が設けられている。調停部521はトルクで表現された要求値を集約して1つのトルク要求値に調停する。調停部522は効率で表現された要求値を集約して1つの効率要求値に調停する。そして、調停部523は空燃比で表現された要求値を集約して1つの空燃比要求値に調停する。
これらの各調停部521〜523は、予め定められた規則に従って調停を行なう。ここでいう規則とは、例えば最大値選択、最小値選択、平均、或いは重ね合わせなど、複数の数値から1つの数値を得るための計算規則であり、それら複数の計算規則を適宜に組み合わせたものとすることもできる。但し、どのような規則とするかは設計に委ねられるものであって、本発明に関しては規則の内容に限定はない。また、物理量調停階層520にも共通信号配信系統から共通エンジン情報が配信されており、各調停部521〜523において共通エンジン情報を利用することは可能である。
なお、調停部521〜523においては、エンジン1が実際に実現することができる上限トルクや下限トルクを調停に加味していない。また、他の調停部521〜523の調停結果も調停に加味していない。つまり、各調停部521〜523はそれぞれ、エンジン1の実現可能範囲の上下限や他の調停部の調停結果は加味せずに調停を行なっている。このことも制御の演算負荷の軽減に寄与している。
以上のように各調停部521〜523にて調停が行なわれることで、物理量調停階層520からは1つのトルク要求値と、1つの効率要求値と、1つの空燃比要求値とが出力される。そして、その下位の階層である制御量設定階層530では、これら調停されたトルク要求値、効率要求値および空燃比要求値に基づいて各アクチュエータ7,8,…の制御量が設定される。
−制御量設定階層−
本実施形態では、制御量設定階層530に1つの調整変換部531が設けられ、まず、物理量調停階層520にて調停されたトルク要求値、効率要求値および空燃比要求値の大きさを調整する。前述のように物理量調停階層520ではエンジン1の実現可能範囲は調停に加味されていないため、各要求値の大きさによっては、エンジン1を適正に運転できない可能性がある。そこで、調整変換部531は、エンジン1の適正運転が可能になるように各要求値を相互の関係に基づいて調整する。
制御量設定階層530よりも上位の階層では、トルク要求値、効率要求値および空燃比要求値はそれぞれが独立に演算され、演算に関わる要素間で演算値が相互に使用されたり参照されたりすることはなかった。つまり、制御量設定階層530において初めてトルク要求値、効率要求値、空燃比要求値が相互に参照されることになる。調整対象はトルク要求値、効率要求値および空燃比要求値の3つに限定されるので、調整に要する演算負荷は小さくて済む。
前記の調整をどのように行なうかは設計に委ねられるものであって、本発明に関しては調整の内容に限定はない。但し、トルク要求値、効率要求値および空燃比要求値の間に優先順位がある場合には、より優先順位の低い要求値を調整(修正)するのが好ましい。例えば、優先順位が高い要求値は、できるだけそのままアクチュエータ7,8,…の制御量に反映し、優先順位が低い要求値は調整した上でアクチュエータ7,8,…の制御量に反映する。
こうすれば、エンジン1の適正運転が可能な範囲内で、優先順位が高い要求を十分に実現しつつ、優先順位が低い要求も或る程度は実現することができる。一例として、トルク要求値が最も優先順位が高い場合には、効率要求値と空燃比要求値とを修正し、そのうちより優先順位が低いほうの修正度合いを大きくする。エンジン1の運転条件等によって優先順位が変わるのであれば、共通信号配信系統から配信される共通エンジン情報に基づいて優先順位を判定し、どの要求値を修正するのか決定すればよい。
また、制御量設定階層530では、物理量調停階層520から入力される要求値と、共通信号配信系統から配信される共通エンジン情報とを用いて新たな信号を生成する。例えば、調停部521にて調停されたトルク要求値と、共通エンジン情報に含まれる推定トルクとの比が除算部(図示せず)にて演算される。推定トルクは、現在の吸入空気量および空燃比のもと点火時期をMBTとした場合に出力されるトルクである。推定トルクの演算は制御装置の別のタスクにて行なわれている。
詳しい説明は省略するが、前記のようにトルク要求値の優先順位が最も高い場合には、以上の処理の結果として制御量設定階層530において、トルク要求値、修正された効率要求値、修正された空燃比要求値、およびトルク効率が算出される。これらの信号のうちトルク要求値および修正された効率要求値からスロットル開度が算出(変換)されて、制御量調停階層540に伝達される。
具体的には、まず、修正された効率要求値でトルク要求値が除算される。修正された効率要求値は1以下の値なので、これによりトルク要求値を除算すれば、トルク要求値は嵩上げされることになる。こうして嵩上げされたトルク要求値が空気量に変換され、空気量からスロットル開度が演算される。なお、トルク要求値の空気量への変換、および空気量からのスロットル開度の演算は、予め設定したマップを参照して行われる。
また、点火時期については主にトルク効率から算出(変換)される。この際、トルク要求値や修正された空燃比要求値も参照信号として用いられる。具体的にはトルク効率からマップを参照して、MBTに対する遅角量が演算される。トルク効率が小さいほど遅角量は大きい値になり、結果、トルクダウンが行われることになる。前記のトルク要求値の嵩上げは、遅角によるトルクダウンを補償するための処理である。
本実施形態では、トルク効率に基づく点火時期の遅角と、効率要求値に基づいたトルク要求値の嵩上げとによって、トルク要求値と効率要求値の双方の実現を可能にしている。なお、前記のトルク要求値および修正された空燃比要求値は、トルク効率を遅角量に変換するためのマップの選定に用いられる。そして、遅角量とMBT(或いは基本点火時期)とから最終的な点火時期が演算される。
以上の処理の結果として、本実施形態において制御量設定階層530(調整変換部531)から制御量調停階層540に伝達される信号は、スロットル開度の要求値(トルク要求に対応する第1の要求値)、点火時期の要求値および空燃比の要求値となる。これらの信号はそれぞれ、制御量調停階層540の調停部541,542,543に入力されて、詳しくは後述するが、要求発生階層510から直接的に伝達される他の要求値とともに調停される。
−制御量調停階層−
一例として図3に示すように制御量調停階層540には、要求の分類であるアクチュエータ7,8,…の制御量に対応して調停部541〜543(543a〜543i)が設けられている。図示の例では調停部541は、スロットル開度の要求値を集約して1つの要求値に調停する。また、調停部542は、点火時期の要求値を集約して1つの要求値に調停する。
さらに調停部543は、燃料噴射に関連する複数の制御量の要求値を一括して調停する。図示の例では調停部543は、インジェクタ21,22の動作を表す7つの噴射制御量をそれぞれ調停する第1〜第7の調停部543a〜543gと、低圧ポンプ24の吐出量(ポンプ制御量)を調停する第8の調停部543hと、高圧ポンプ25の吐出圧(ポンプ制御量)を調停する第9の調停部543iとが一体的に組み合わされた噴射機能調停部である。
このようにインジェクタ21,22、低圧ポンプ24、高圧ポンプ25といった複数のアクチュエータに関わる複数の制御量を互いに関連づけて一体的に調停するために、噴射機能調停部543は、例えば制御プログラムの同じ処理ステップにおいて9個の調停部543a〜543iの機能を実現するように構成されている。こうすると、インジェクタ21,22や燃料ポンプ24,25の制御量の調停の同時性を確保することができる。
前記の各調停部541〜543(543a〜543i)も、物理量調停階層520の各調停部521〜523と同様に、予め定められた規則に従って調停を行なう。その規則については設計に委ねられるもので、本発明に関しては規則の内容に限定はない。なお、制御量調停階層540にも共通信号配信系統から共通エンジン情報が配信されており、各調停部541〜543において共通エンジン情報を利用することができる。
以上の各調停部541〜543(543a〜543i)においてそれぞれ、各種要求の調停が行なわれて、制御量調停階層540からは個々のアクチュエータ7,8,…の制御量の要求値、即ちスロットル開度要求値と、点火時期要求値と、インジェクタ21,22の動作に関わる後述の7つの噴射制御量の要求値と、低圧ポンプ24の吐出量および高圧ポンプ25の吐出圧、即ち2つのポンプ制御量の要求値と、が出力される。
−制御出力階層−
制御量調停階層540の下位の階層である制御出力階層550では、前記のように調停された要求値からアクチュエータ7,8,…のそれぞれの制御出力が算出される。図示の例では最下位の制御出力階層550には、前記制御量調停階層540から伝達される信号に対応して制御出力部551〜555が設けられている。制御出力部551(スロットル駆動制御部)には、前記スロットル開度の要求値の調停部541からスロットル開度要求値が伝達され、これに応じてスロットル駆動信号が出力される。
また、制御出力部552(イグナイタ通電制御部)には、前記制御量調停階層540の点火時期の要求値の調停部542から点火時期要求値が伝達され、これに応じてイグナイタ通電信号が出力される。制御出力部553(噴射弁駆動制御部であるインジェクタ駆動制御部)には、前記噴射機能調停部543の第1〜第7の調停部543a〜543gから噴射制御量の要求値が伝達され、これに応じてインジェクタ駆動信号が出力される。
さらに、制御出力部554(低圧ポンプ駆動制御部)には、噴射機能調停部543の第8の調停部543hから燃料の吐出量の要求値が伝達され、これに応じて低圧ポンプ駆動信号が出力される。制御出力部555(高圧ポンプ駆動制御部)には、噴射機能調停部543の第9の調停部543iから燃料の吐出圧の要求値が伝達され、これに応じて高圧ポンプ駆動信号が出力される。
なお、前記の制御出力部551におけるスロットル駆動信号の生成、制御出力部552におけるイグナイタ通電信号の生成、並びに制御出力部554,555における低圧ポンプおよび高圧ポンプ駆動信号の生成に際して、制御出力部553に伝達される噴射制御量の要求値のうち、後述する噴射モードの要求値が参照されて、これに含まれる識別数からエンジン1が例えば成層始動や触媒急速暖機などの特定の状態にあることが識別される。
−噴射機能要求の調停−
以下では、上述した制御量調停階層540におけるアクチュエータの制御量の調停について、特に、本実施形態の特徴とする噴射機能要求の調停について、図3の他に図4、5も参照して詳細に説明する。
まず、上述したように本実施形態の制御装置では、ドライバビリティ、排気ガスおよび燃費というエンジン1の基本的な機能要求をトルク、効率および空燃比という3種の物理量の組み合わせによって表現し、物理量調停階層520にて調停するようにしているが、燃料の噴射回数や各回の噴射時期、噴射割合(噴射量の割合)などはインジェクタ21,22の動作そのものの態様であるから、これを一旦、トルクや効率など物理量に変換して調停した上で再度、制御量を計算し直すというのでは余計な演算負荷が生じてしまう。
そこで、本実施形態では、上述したように制御量設定階層530の下位に制御量調停階層540を設けて、インジェクタ21,22の動作に関わる噴射制御量の要求値が物理量調停階層520を介さずに伝達され、調停されるようにした。なお、詳しい説明は省略するが本実施形態では、燃料ポンプ24,25の動作に関わるポンプ制御量の要求値についても、同様に制御量調停階層540で調停される。
まず、図3に表れているように要求発生階層510には、エンジン1を適切に運転するために最小限、必要な基本的な噴射機能の要求を出力する要求出力部514を設けるとともに、例えばF/C前燃圧低減、触媒急速暖機、成層始動、S&S停止およびインジェクタ保護など、必要に応じて優先度の高い機能要求をそれぞれ出力する要求出力部515〜519も設けている。
これらの要求出力部514〜519からはそれぞれ要求が物理量ではなく、アクチュエータ7,8,…の制御量で表現された要求値として出力され、図3に示すように物理量調停階層520や制御量設定階層530を介さず、直接的に制御量調停階層540に伝達される。そして、これらの要求値が、上述したように制御量設定階層530から制御量調停階層540に伝達されるスロットル開度、点火時期および空燃比の要求値とともに各制御量毎に集約されて、制御量調停階層540の各調停部541〜543により制御量毎に1つの要求値に調停される。
具体的には、要求発生階層510の基本噴射機能の要求出力部514からの信号は、詳しくは図4も参照して後述するように7つの噴射制御量で表現されて、制御量調停階層540の噴射機能調停部543(図4を参照して後述する543b〜543dなど)へ伝達される。例えば、基本噴射機能要求としては、2つのインジェクタ21,22のそれぞれによる燃料の噴射回数(噴射モード)や各回の噴射時期、噴射割合などが挙げられる。
一例として、基本噴射の要求出力部514a(図4を参照)からは、エンジン1の高負荷側の所定運転領域において、燃料噴霧の分散性を高めて燃費低減を図るべく、いわゆるマルチ噴射(筒内噴射用およびポート噴射用の両方のインジェクタ21,22を動作させて、1回の燃焼サイクル中に複数回に分けて行う燃料噴射)のための噴射時期などの要求値が出力される。
なお、本実施形態では要求出力部514に、部品保護やノック防止などのための燃料の増量要求を出力する要求出力部514b〜514dが含まれている。詳しくは後述するが、このように燃料は増量するものの噴射モードなどは変更しない要求については、以下に述べる触媒急速暖機などのように噴射モードも変更する要求に比べると、混合気の燃焼性に及ぼす影響は小さいので、基本噴射機能の要求出力部514に含めている。
前記要求出力部514からの信号と同じように、F/C(燃料カット)前の燃圧低減の要求出力部515からの信号も噴射機能調停部543へ伝達される。これは、エンジン1の燃料カット制御が行われている間に高圧燃料用デリバリパイプ20内の燃料の温度が上昇して、その圧力(燃圧)が高くなり過ぎることがないように、予め燃料カット制御を開始する直前に筒内噴射用インジェクタ21を動作させ、少量の燃料を噴射させる制御である。そのために、要求出力部515からは筒内噴射用インジェクタ21を動作させるような要求値の信号が出力されて、制御量調停階層540の調停部543に伝達される。
一方、触媒急速暖機の要求出力部516および成層始動の要求出力部517からの信号はそれぞれ、制御量調停階層540のスロットル開度の要求値の調停部541と、点火時期の要求値の調停部542と、噴射機能調停部543とへ伝達される。触媒17の急速暖機というのは、エンジン1の冷間始動後などに最短時間で触媒17を暖機するために、排気温を最大限に上昇させる特殊な制御を行うことである。
具体的には、例えば、排気の昇温のために点火時期をTDC以後まで遅角させるとともに、スロットルバルブ8を開いて空気量を増大させ、排気熱量を可及的に増大させる。また、圧縮行程での燃料噴射時期を遅角させて、点火プラグ6の周りの混合気濃度を高める。そのために、要求出力部516からはスロットル開度を増大させる要求値、点火遅角の要求値、圧縮行程噴射の要求値および燃圧上昇の要求値の信号が出力される。
また、成層始動というのは、始動時間の短縮とスムーズなエンジン回転の立ち上がりとを両立するために、成層燃焼状態で始動する制御であり、筒内噴射用インジェクタ21により気筒2の圧縮行程で燃料を噴射させる(ポート噴射用インジェクタ22からも燃料を噴射させるようにしてもよい)。そのために要求出力部517からもスロットル開度や点火遅角の要求値とともに、圧縮行程噴射の要求値および燃圧上昇の要求値の信号が出力される。
さらに、S&S停止の要求出力部518からの信号も調停部541〜543へ伝達される。S&S停止というのは、車両の停車に伴い所定の条件下でエンジン1の運転を自動停止させるアイドリングストップ制御のことであり、要求出力部518からはエンジン1の停止時の振動を抑制するためのスロットル閉の要求値と、点火を停止させる要求値と、燃料噴射および低圧ポンプ24の動作をそれぞれ停止させる要求値と、がそれぞれ出力される。
また、インジェクタ保護の要求出力部519からの信号は調停部543のみへ伝達される。この例ではインジェクタ保護の要求として具体的に、筒内噴射用インジェクタ21のOリングの保護のために、高圧燃料用デリバリパイプ20内の燃料圧力(燃圧)を低下させるようにしており、そのために要求出力部519からは高圧ポンプ25の吐出圧を低下させる要求値が出力される。
なお、本実施形態では、前記のように物理量調停階層520を介さずに制御量調停階層540に伝達される要求出力部514〜519からの信号に、予め優先順位が設定されており、以下に説明するように、その優先順位に基づいて調停が行われる。具体的な優先順位については設計に委ねられるもので特に限定はないが、一例として要求出力部515〜519からの要求は、要求出力部514からの基本噴射機能の要求よりも優先順位が高く設定されている。
−噴射制御量の調停−
以下では図4、5を参照して、噴射機能調停部543における噴射制御量の調停について詳しく説明する。上述したように噴射機能調停部543には、インジェクタ21,22の動作を表す7つの噴射制御量をそれぞれ調停する第1〜第7の調停部543a〜543gと、燃料ポンプ24,25の動作を表すポンプ制御量を調停する第8、第9の調停部543h,543iとが設けられ、それら噴射制御量とポンプ制御量とを一括して調停するようになっている。
第1の調停部543aは、噴射制御量の1つとして噴射モード、即ちインジェクタ21,22のそれぞれによる燃料の噴射回数を調停する。具体的に第1の調停部543aには要求発生階層510の要求出力部515〜518のそれぞれから、即ち、燃圧低減、触媒急速暖機、成層始動、S&S停止のそれぞれの要求に対応する噴射モードとして、各インジェクタ21,22の噴射回数と、それぞれの要求の優先度を表す識別数と、からなる3桁の数値の信号が伝達される。
この噴射モードの3桁の数値について詳しくは後述するが、一例として、触媒急速暖機のために1回の燃焼サイクルにおいて筒内噴射用インジェクタ21を1回と、ポート噴射用インジェクタ22を1回との都合、2回の噴射が行われる場合、その噴射の順番にポート噴射の回数「1」と、筒内噴射の回数「1」と、触媒急速暖機の識別数「2」と、からなる3桁の数値(112)が伝達される。
なお、3桁目の識別数は、噴射モードの要求値が対応する制御を識別して、その要求の優先順位を表すものであり、表1を参照して後述するように、要求出力部515〜518からの信号の要求にはそれぞれ予め優先順位が設定されており、調停部543aにおいては、いずれかの信号が入力されれば、そのうちの最も優先順位の高い1つの信号の要求値を選択(調停)する。但し限定されるものではなく、優先順位の高い要求値に大きな重み付けをしながら、優先順位の低い要求値も反映されるよう、加重平均などによって要求値を算出することもできる。
また、本実施形態では制御処理の簡略化のために、基本噴射機能の要求出力部514からは噴射モードの要求値の信号が伝達されないようになっている。基本噴射機能の要求に対応する噴射モードは、一例としてポート噴射の回数「1」、筒内噴射の回数「0」および通常運転(通常の車両などにおいて最も使用頻度の高い、エンジン1のいわば定格の運転状態)の識別数「1」の3桁の数値(101)が、基本モードとして予め噴射機能調停部543に設定されている。
前記第1の調停部543aと同様に第2の調停部543bは、噴射制御量の1つとしてインジェクタ21,22のそれぞれによる燃料の噴射時期(噴射開始時期)を調停する。第2の調停部543bには、要求発生階層510の要求出力部514(514a),516,517からそれぞれ、基本噴射、触媒急速暖機、成層始動のそれぞれの要求に対応する噴射時期の要求値として、各インジェクタ21,22のそれぞれの噴射開始時期を表す要求値の信号が伝達される。
例えば、前記のように筒内噴射用インジェクタ21を1回と、ポート噴射用インジェクタ22を1回との都合、2回の噴射動作を行うのであれば、その各回の噴射動作の開始時期をクランク角で表現した要求値の信号が伝達される。そして、前記第1の調停部543aと同様に予め定められた規則に従って調停が行われる。なお、噴射時期の要求値は、噴射モードで表された各回の噴射動作に順番に割り当てられるので、筒内噴射用インジェクタ21とポート噴射用インジェクタ22とを区別しなくてよい。
また、第3の調停部543cは噴射制御量の1つとして、エンジン1の始動時におけるインジェクタ21,22のそれぞれによる燃料噴射量を調停する。第3の調停部543cには、要求発生階層510の要求出力部514(514a),517からそれぞれ、基本噴射および成層始動のための噴射要求に対応する各回の燃料噴射量を表す要求値の信号が伝達される。
一例として成層始動のために筒内噴射用インジェクタ21を1回と、ポート噴射用インジェクタ22を1回との都合、2回の噴射動作を行うのであれば、その各回の噴射量を表す要求値の信号が伝達される。また、寒冷地などで均一燃焼状態で始動する場合は、ポート噴射用インジェクタ22による1回分の燃料噴射量の要求値が伝達される。そして、前記第1、第2の調停部543a、543bと同様に予め定められた規則に従って調停が行われる。
このように始動時の燃料噴射量を運転状態と分けて調停するのは、始動時に気筒2への空気の充填量を精度良く算出することができないからである。エンジン1の運転中は、後述するように空気充填量と目標空燃比とから燃料噴射量を算出するが、始動時には空気の充填量を精度良く算出できないので、燃料噴射量は予め適合した値を設定しておかなくてはならない。そこで、成層燃焼での始動や均一燃焼での始動など、始動時のエンジン1の状態にマッチした燃料噴射量を予め設定しておき、その中から選択(調停)する。
第4の調停部543dは噴射制御量の1つとして、前記のような始動制御の完了を判定する基準値についての調停を行う。第4の調停部543dには、要求発生階層510の要求出力部514(514a),517から、均一燃焼の始動および成層始動のそれぞれの場合の始動完了判定のための判定値の信号が伝達される。そして、予め定められた規則に従って調停が行われる。
例えば、基本噴射による均一燃焼での始動の場合は、予め設定されているエンジン回転数(判定回転数)以上になれば始動完了と判定するが、成層始動の場合は比較すれば発生するトルクが小さいので、より高いエンジン回転数になってから始動完了と判定するように、判定回転数の選択(調停)が行われる。また、ハイブリッド自動車の場合、電動モータで走行しながらエンジンを始動することがあるので、さらに高い回転数になってから始動完了と判定するようにしてもよい。
すなわち、ハイブリッド自動車において電動モータで走行しながらエンジンを始動する場合は、始動制御の開始時点で既にエンジン回転数が通常の始動の判定回転数よりも高くなっていることがある。この場合に通常の判定回転数で始動完了と判定すると、始動制御の開始と同時に始動後の燃料噴射量が採用されてしまい、実際には1度も燃料噴射が行われていない気筒に過剰な燃料が噴射されることがあるからである。
第5の調停部543eは、噴射制御量の1つとして、エンジン1の運転中におけるインジェクタ21,22のそれぞれによる燃料噴射量の割合、即ち噴き分け率を調停する。第5の調停部543eには、要求発生階層510の要求出力部516,517からそれぞれ、触媒急速暖機および成層始動の要求に対応する噴き分け率の要求値として、各インジェクタ21,22による各回の噴射割合を表す要求値の信号が伝達される。
一例として筒内噴射用インジェクタ21を2回と、ポート噴射用インジェクタ22を1回との都合、3回の噴射動作を行うのであれば、その噴射動作の順番にポート噴射の1回と筒内噴射の最初の1回とのそれぞれの噴射割合(例えば40%、40%)の要求値が伝達され、予め定められた規則に従って選択(調停)される。
なお、筒内噴射の2回目については残りの噴射割合(例えば20%)が割り当てられる。また、本実施形態では基本噴射機能の要求出力部514からは、噴き分け率の要求値の信号は伝達されない。基本噴射機能の要求に対応する噴き分け率は、基本モードによる1回のポート噴射に対応する基本値(即ち100%)が、図4に示すように噴射機能調停部543に予め記憶されている。
第6の調停部543fは、噴射制御量の1つとして、燃料の総噴射量の補正係数を調停する。すなわち、本実施形態では基本噴射機能の要求出力部514に、基本噴射の要求以外に部品保護、ノック防止および未寄与分の補正などのための燃料増量補正係数の要求値をそれぞれ出力する要求出力部514b〜514dが含まれている。これらの要求値(信号)は増量プレ調停部543jに伝達されて、予め定められた規則に従って選択(プレ調停)される。
こうしてプレ調停されて、増量プレ調停部543jから出力される噴射量補正係数の要求値が第6の調停部543fに伝達される一方、図4の例では、要求出力部516からも触媒急速暖機のための噴射量補正係数の要求値が第6の調停部543fに伝達され、予め定められた規則に従って調停される。このように分けて調停するのは、それぞれの調停に好適なロジックが異なっているからである。
すなわち、部品保護やノック防止などのようにプレ調停する要求(第1種の要求)は、燃料の総噴射量は変更するものの噴射モードなどは変更しない要求であり、一方、触媒急速暖機などの要求(第2種の要求)では、燃料の総噴射量だけでなく噴射モードも変更するので、気筒2内の混合気の燃焼性に及ぼす影響が大きい。そこで、前記のように増量プレ調停部543jにおいて第1種の要求に好適なロジックで噴射量補正係数を調停した上で、第6の調停部543fにおいて第2種の要求に好適なロジックで噴射量補正係数を調停するのである。
第7の調停部543gは、噴射制御量の1つとして、筒内噴射用インジェクタ21により気筒2の圧縮行程で燃料を噴射する場合の上限値、即ち圧縮噴射上限値の調停を行う。すなわち、気筒2の圧縮行程での燃料噴射量が多くなり過ぎると、混合気の濃度の偏りが大きくなってしまい、例えば点火プラグの周りが過濃になって燃焼状態が悪化することがある。
そこで、一例として第7の調停部543gには、要求出力部516から触媒急速暖機制御の際の筒内噴射用インジェクタ21による圧縮行程での燃料噴射量の上限値の信号が伝達され、また、要求出力部517からは成層始動の際の圧縮行程での燃料噴射量の上限値の信号が伝達される。そして、予め定められた規則に従って選択(調停)される。
なお、本実施形態では基本噴射機能の要求出力部514からは、圧縮行程での燃料噴射量の上限値の信号は伝達されない。基本噴射機能の要求に対応する噴射モードは基本モードであって、筒内噴射用インジェクタ21による燃料の噴射は行われないからである。図4に示すように噴射機能調停部543には便宜上、基本値(最大値)が予め記憶されている。
以上のように、7つの噴射制御量が同時性を保って、言い換えると互いに関連づけて一体として調停されることで、エンジン1の運転中および始動時における各種要求に対して好適なインジェクタ21,22の動作制御を実現できる。なお、第1〜7の調停部543a〜543gが、インジェクタ21,22の動作に関する噴射制御量の調停を行う噴射制御調停部を構成している。
前記第1〜7の調停部543a〜543gからの信号は、図5に示すように、制御出力階層550の制御出力部553(インジェクタ駆動制御部)に伝達される。この制御出力部553は、インジェクタ21,22のそれぞれの燃料噴射量を算出する噴射量算出部553aを有しており、噴射機能調停部543の第1の調停部543aからの噴射モードの要求値と、第2の調停部543bからの噴射時期の要求値とが伝達されて、噴射モードに規定されている噴射動作のそれぞれの噴射量を算出する。
すなわち、前記噴射量算出部553aには、噴射機能調停部543の第5〜7の調停部543e〜543gからもそれぞれ噴き分け率、噴射量補正係数および圧縮噴射上限の要求値が伝達され、空燃比の目標値(基本値として予め理論空燃比が設定されている)と、気筒2内への空気の充填量(共通エンジン情報に含まれている)と、噴き分け率とから燃料の噴射量を算出する。また、噴射量算出部553aは、噴射量補正係数を乗算して燃料噴射量を補正するとともに、圧縮行程での噴射動作についてはその噴射量を上限値までに制限する。
そうして算出された燃料噴射量の要求値と、噴射機能調停部543の第3の調停部543cからの始動時の燃料噴射量の要求値とが、制御出力部553の噴射量選択部553bに入力されて、いずれかの要求値が選択される。すなわち、噴射量選択部553bには、噴射機能調停部543の第4の調停部543dからの始動完了判定値(例えばエンジン回転数)が伝達され、これが実際のエンジン回転数(共通エンジン情報に含まれている)未満であれば始動時の燃料噴射量が選択される。一方、実際のエンジン回転数が始動完了判定値以上になれば、前記のように噴射量算出部553aによって算出された燃料噴射量が選択される。
こうして選択された燃料噴射量の要求値と、現在の燃圧(共通エンジン情報に含まれている高圧燃料用デリバリパイプ20および低圧燃料用デリバリパイプ23の燃圧)と、各インジェクタ21,22の流量係数とに基づいて、噴射パルス算出部553cにより、それぞれのインジェクタ21,22による各回の燃料噴射期間、即ち噴射パルス巾が算出される。こうして算出されたパルス巾の噴射信号(インジェクタ駆動信号)がインジェクタ21,22へ出力される。
−噴射モード−
以下では、前記噴射機能調停部543の第1の調停部543aにおける噴射モードの表現の仕方について詳しく説明する。上述したように噴射機能調停部543では、インジェクタ21,22の動作に関わる7つの噴射制御量を調停し、それらを一体として制御出力階層550に出力する。インジェクタ21,22の動作に関わる各種要求を全てまとめて調停しようとするとロジックが非常に複雑になってしまうので、噴射モード(噴射回数)、噴射時期、噴き分け率などに分けて、それぞれ調停した上で一体として出力するのである。
ここで、ポート噴射用インジェクタ22によって吸気ポート11aに噴射された燃料は、予め空気と混合されて気筒2内に吸入される一方、筒内噴射用インジェクタ21によって気筒2内に直接、噴射された燃料の噴霧は、燃焼室において拡散しつつ濃度の高い混合気を形成する。このように、噴射された燃料が混合気を形成する過程が大きく異なるため、どちらのインジェクタ21,22によって何回、燃料を噴射するかが混合気分布やその燃焼性に大きな影響を及ぼすことになる。
つまり、燃料の噴射回数は、噴射時期や噴き分け率など各種噴射制御量の中でも特に混合気の燃焼性、換言すればエンジン1の運転状態に及ぼす影響が大きいので、本実施形態では、噴射の態様を表す制御量、即ち噴射モードとして、筒内噴射用インジェクタ21およびポート噴射用インジェクタ22のそれぞれの噴射回数を用いている。
また、上述したエンジン1の成層始動や触媒17の急速暖機など特定の状態では、通常の運転中とは異なる噴射制御が求められるとともに、併せてスロットルや点火などの制御についても通常の運転中とは異なる要求がある。そこで、このような特定の状態では、前記インジェクタ21,22の制御とスロットルバルブ8やイグナイタ7などの制御とを同調させるために、それらの制御の同時性を確保する必要がある。
このために本実施形態では前記の噴射モードとして、インジェクタ21,22のそれぞれの噴射回数に加えて、エンジン1が特定の状態にあることの識別数を含めた3桁の数値を採用している。具体的には以下の表1に示すように、例えばS&S停止などの要求に応じて燃料噴射を停止させる場合、「停止」という特定の場合の識別数を「0」とすれば、噴射モードの要求値は(000)となる。
Figure 2014202122
また、エンジン1の通常の運転状態における基本噴射機能の要求は、ポート噴射用インジェクタ22のみ1回、噴射させる(ポート1回噴射)基本モードであり、識別数を「1」とすれば、表1に表れているように要求値は(101)になる。通常の運転状態でも筒内噴射用インジェクタ21のみ1回、噴射させる(筒内1回噴射)場合の要求値は(011)であり、筒内噴射用およびポート噴射用のインジェクタ21,22を1回ずつ噴射させる(ポート1回+筒内1回噴射)マルチ噴射の場合は(111)になる。
さらに、同じ噴射回数であってもエンジン1の状態が異なれば識別数が異なるため、要求値も異なる。例えば触媒17の急速暖機の要求に応じてマルチ噴射を行う場合、触媒急速暖機の識別数を「2」とすれば、インジェクタ21,22を1回ずつ噴射させるマルチ噴射の要求値は、表1に表れているように(112)になるし、筒内噴射用インジェクタ21のみ2回、噴射させるのであれば要求値は(022)になる(触媒急速暖機時の筒内2回噴射)。
また、エンジン1の成層始動の識別数を「3」とすれば、表1に表れているように成層始動のための筒内1回噴射の要求値は(013)になり、マルチ噴射(ポート1回+筒内1回噴射)の要求値は(113)になり、筒内2回噴射の要求値は(023)になる。このように2つのインジェクタ21,22のそれぞれの噴射回数と、始動など特定の場合の識別数とからなる3桁の数値によって、噴射モードを簡潔なフォーマットで表現することができる。
そして、その噴射モードについて第1の調停部543aから調停後の要求値が伝達される制御出力部553では、少なくともインジェクタ21,22のそれぞれの噴射回数に基づいて駆動信号が生成されることにより、基本噴射、成層始動、触媒急速暖機などの各種要求に対応した良好な混合気形成が実現可能になる。勿論、実際の駆動信号の生成には、上述したように噴射時期や噴き分け率など他の噴射制御量の調停結果も用いられる。
また、識別数から成層始動時や触媒急速暖機時など特定の状態であることが識別可能なので、燃料噴射制御と協調させるべきスロットル制御や点火制御との同時性を確保することが可能になる。すなわち、制御出力階層550においてスロットル駆動信号やイグナイタ通電信号が生成されるときに噴射モードの要求値が参照され、識別数からエンジン1の特定の状態が識別されるからである。
一例として触媒急速暖機時には、筒内噴射用インジェクタ21により気筒2の圧縮行程で燃料を噴射させるとともに、スロットル開度を増大させ、点火時期を遅角させることになる。このとき、噴射モードの調停結果に含まれる識別数「2」を参照して触媒急速暖機時であることが識別されるので、仮に制御出力階層550の制御出力部551,552において制御演算に誤りが生じたとしても、生成されるスロットル駆動信号やイグナイタ通電信号と、インジェクタ駆動信号との間に不整合が生じることを阻止できる。
−本実施形態の制御装置の奏する効果−
以上、説明したとおり本実施形態の制御装置では、まず、階層構造の最上位の要求発生階層510からその下位の物理量調停階層520、制御量設定階層530、制御量調停階層540を経て制御出力階層550まで一方向に信号が伝達されるので、制御演算負荷の低減が図られる。
しかも、ドライバビリティ、排気ガスおよび燃費というエンジン1の基本的な機能要求をトルク、効率および空燃比という3種の物理量の組み合わせによって表現し、物理量調停階層520にて調停するようにしているので、それらの基本的な要求をバランス良く満たした好適な状態でエンジン1を運転することができる。
一方、燃料の噴射態様の要求や成層始動、触媒急速暖機などの要求は、物理量調停を介さずに直接的に制御量調停階層540に伝達し、調停するようにしており、言い換えるとエンジン1の機能に関する各種の要求を物理量調停と制御量調停のうち、適したものに振り分けて処理することにより、制御の演算負荷を徒に増大させることなく、各種の機能要求をいずれも好適に実現することができる。
さらに、燃料噴射の制御量(噴射制御量)の1つである噴射モードの要求値は、各インジェクタ21,22の噴射回数と、エンジン1の特定の状態の識別数とからなる3桁の数値で簡潔に表現することができ、この要求値が伝達される制御出力階層550において、スロットルや点火など他の制御との同時性を確保しながら好適な燃料噴射制御を実現できる。
加えて、例えば筒内噴射用インジェクタ21を備えていないエンジンにおいては、3桁の数値の2番目の桁を零(0)にするだけでよく、3桁の数値という噴射態様のフォーマットを変更する必要はない。よって、異なる仕様のエンジンにも共通の制御プログラムを容易に適用可能であり、仕様の変化に対しても制御プログラムの変更箇所が少なく済む。
−その他の実施形態−
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば前記の実施形態ではエンジン1への基本的な機能要求としてドライバビリティ、排気ガスおよび燃費の3つを挙げており、これらをトルク、効率および空燃比の3つの物理量で表現して調停するようにしているが、これに限定されることはない。
また、前記3つの物理量ではなく、アクチュエータ7,8,…の制御量で表現して調停する機能要求も、前記実施形態で挙げているF/C前燃圧低減や成層始動、触媒急速暖機などの制御に限定されない。それ以外にも例えば、エンジン1の複数の気筒2の幾つかを休止させる気筒休止制御もあるし、フェールセーフ、OBDなどの各種機能要求も挙げられる。
また、前記の実施形態では、本発明の制御装置を、筒内噴射用インジェクタ21およびポート噴射用インジェクタ22を備えたエンジン1に適用した場合について説明したが、これにも限定されず、本発明は、筒内噴射用インジェクタ21またはポート噴射用インジェクタ22のいずれか一方のみを備えたエンジンの制御装置としても適用可能である。この場合は噴射モードの要求値は3桁でなく、いずれか一方のインジェクタ21,22の噴射回数と識別数との2桁の数値となる。
また、筒内噴射用インジェクタ21の他に気筒2毎にポート噴射用インジェクタを2つずつ設けたエンジンの場合は、それら3つのインジェクタの噴射回数と識別数とで、噴射モードの要求値は4桁の数値になる。また、識別数で表すエンジン1の特定の状態が多くなって1桁では足りなくなれば、これを2桁で表し、インジェクタの噴射回数と併せて、噴射モードの要求値は4桁または5桁の数値とすれればよい。
さらに、エンジン1のアクチュエータも前記実施形態のイグナイタ7、スロットルバルブ8、インジェクタ21,22、燃料ポンプ24,25などに限定されない。例えば、バルブタイミング可変装置(VVT)、バルブリフト量可変装置(VVL)、外部EGR装置を制御対象のアクチュエータとすることもできる。気筒停止機構や圧縮比可変機構を備えるエンジンでは、それらの機構も制御対象のアクチュエータとすることができる。
さらにまた、前記の実施形態では、本発明の制御装置を車両に搭載される火花点火式エンジン1に適用した場合について説明したが、本発明は火花点火式エンジン1以外のエンジン、例えばディーゼルエンジンにも適用可能であり、電動機も備えたハイブリッドシステムに備わるエンジンにも適用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
2 気筒
7 イグナイタ(アクチュエータ)
8 スロットルバルブ(アクチュエータ)
11a 吸気ポート
21 筒内噴射用インジェクタ(第1噴射弁、燃料噴射弁:アクチュエータ)
22 ポート噴射用インジェクタ(第2噴射弁、燃料噴射弁:アクチュエータ)
24 低圧ポンプ(燃料ポンプ:アクチュエータ)
25 高圧ポンプ(燃料ポンプ:アクチュエータ)
500 ECU
510 要求発生階層
520 物理量調停階層
530 制御量設定階層
540 制御量調停階層
543 噴射機能調停部
543a〜543g 第1〜7の調停部(噴射制御調停部)

Claims (3)

  1. 内燃機関の各種の機能に関する要求を、当該内燃機関の動作に関わる複数のアクチュエータを協調制御して実現する内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の機能に関する要求値を出力する要求発生階層と、
    前記要求発生階層の下位に設けられ、前記要求値のうち所定の物理量で表現されたものを集約し調停する物理量調停階層と、
    前記物理量調停階層の下位に設けられ、前記の調停された要求値に基づいて前記アクチュエータの制御量を設定する制御量設定階層と、を備え、
    前記要求発生階層、物理量調停階層および制御量設定階層の順に上位の階層から下位の階層へ一方向に信号が伝達される階層型の制御構造を有しており、
    さらに前記制御量設定階層の下位には、前記要求発生階層から出力される要求値のうち前記アクチュエータの制御量で表現されたものが、前記物理量調停階層を介さずに伝達され、この要求値を集約して調停する制御量調停階層が設けられ、
    前記制御量調停階層には、前記アクチュエータの1つである燃料噴射弁の動作に関する噴射制御量の調停を行う噴射制御調停部が設けられ、当該噴射制御調停部は、前記噴射制御量の調停結果を、前記燃料噴射弁の種類および内燃機関が特定の状態にあることを識別可能な数値の組として出力する、ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記燃料噴射弁として、気筒内に直接、燃料を噴射するように配設された第1噴射弁と、気筒毎の吸気ポートに燃料を噴射するように配設された第2噴射弁とを備え、
    前記噴射制御調停部は、前記噴射制御量の1つとして少なくとも、前記第1噴射弁および第2噴射弁による燃料の噴射回数の調停を行い、この調停結果を、前記第1噴射弁による燃料の噴射回数、前記第2噴射弁による燃料の噴射回数、および内燃機関が特定の状態にあることを識別するための識別数と、をそれぞれの桁で表現した3桁の数値として出力する、内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の内燃機関の制御装置において、
    前記噴射制御調停部には、内燃機関の所定の運転状態における燃料の噴射回数が基本噴射回数として予め設定されている、内燃機関の制御装置。
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