JP2014201918A - 定荷重ばねユニットの連結構造、および定荷重ばねユニットを備えている引戸の開閉支援装置 - Google Patents

定荷重ばねユニットの連結構造、および定荷重ばねユニットを備えている引戸の開閉支援装置 Download PDF

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Abstract

【課題】定荷重ばねユニットのばね帯体の繰出し端における連結構造を改良して、衝突音、変形音などの騒音の発生を解消できる定荷重ばねユニットの連結構造を提供する。
【解決手段】固定部材1と移動部材2とが定荷重ばねユニット10を介して連結してある。定荷重ばねユニット10は、スプール22と金属製のばね帯体23とを備えている。ばね帯体23の繰出し端は、固定部材1に固定した連結ベース30に連結板31を介して連結する。スプール22は移動部材2で回転自在に支持する。連結板31の基端は1個の第1締結体44で連結ベース30に連結し、連結板31の突端は1個の第2締結体45でばね帯体23の繰出し端に連結する。連結板31の少なくとも突端側が傾斜する状態で、連結板31を連結ベース30に連結する。これにより、ばね帯体23の繰出し端の初期膨らみを連結板31で促進して、ばね帯体23の繰出し端を連結ベース30に密着させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、定荷重ばねユニットの連結構造と、定荷重ばねユニットを備えている引戸の開閉支援装置に関する。
定荷重ばねユニットを備えている引戸の開閉支援装置に関して、例えば、本出願人の提案に係る引戸用の自動閉止装置が特許文献1に開示してある。そこでは、戸パネルとガイドレールとの間に設けられて、開放位置にある戸パネルを閉じ操作する定荷重ばねユニットと、定荷重ばねユニットの操作力に抗して戸パネルの閉じ動作を制動するエアーダンパーなどで自動閉止装置を構成している。定荷重ばねユニットは、そのスプールが戸パネルの閉じ端側に配置してあり、スプールから繰出されたばね帯体の繰出し端がガイドレールの閉じ端寄りに固定してある。
上記の自動閉止装置においては、定荷重ばねユニットのスプールを、閉じ端側のランナーに固定したホルダーで回転自在に支持し、スプールの上面側から繰出したばね帯体の繰出し端を、ガイドレールの上壁に固定したブラケットに、リベットでかしめ固定して連結してある。ブラケットとばね帯体の繰出し端とは、リベットで挟持固定されて互いに密着しているため、両者が相対回動することはない。
本発明に係るC型の定荷重ばねユニット(市販品)は、スプールに長尺のばね帯体を渦巻状に巻装して構成してある。この種の定荷重ばねユニットは、戸パネルの重量が一定以上になると、1個の定荷重ばねユニットのみではばね出力が不足するため、戸パネルを円滑に閉じ操作し、あるいは開放操作することができなくなる。ばね出力は、ばね帯体の幅寸法あるいは厚み寸法を増すことで増加できる。しかし、定荷重ばねユニットの適用個所に寸法上の制限がある場合、例えば特許文献1の自動閉止装置のように、一定幅のガイドレール内に定荷重ばねユニットを配置するような場合には、ばね帯体の幅寸法を大きくすることができない。さらに、ばね帯体の厚み寸法を増した場合には、厚みが小さなばね帯体に比べて、寿命時間が著しく短くなるため実用上問題がある。こうした実用上の制限を解消するために、戸パネルの重量が一定以上になる場合には、厚みが小さなばね帯体を複数枚重ねてスプールに巻装した多重構造のばねユニットを用いて、充分なばね出力と寿命時間とを確保できるようにしている。また、繰出しストロークが大きなばね帯体が必要である場合には、複数組の定荷重ばねユニットから繰出したばね帯体を重ねた多重構造のばねユニットを用いることがあり、この場合にも、充分なばね出力と寿命時間とを確保できる。
特開2004−076432号公報(段落番号0024〜0025、図1)
上記のように、定荷重ばねユニットを動力源にして、戸パネルの閉じ動作を支援する支援装置においては、戸パネルを開閉するときいくつかの騒音が発生する。ひとつは、戸パネルの開放初期や閉じ終期に、ばね帯体がガイドレールの上壁、あるいは上壁に固定した連結ベースに衝突するときの衝突音(パチッ)である。元来、定荷重ばねユニットは、ばね帯体をスプールから2分の1巻き以上繰出した状態からでないとばね力を発揮できず、この繰出し状態においては、ばね帯体の繰出し端がスプールの外縁よりも膨らみ出てしまう特性がある。そのため、スプールとガイドレールの上壁との間隔が先の膨らみ寸法より小さいと、ばね帯体がガイドレールの上壁や連結ベースに衝突してしまうのである。スプールとガイドレールの上壁との間隔を大きくすると、先の衝突音の発生を防止できるが、その場合にはガイドレールの上下寸法が大きくなり、そのコストが嵩むうえ、ガイドレールの内部に大きなデッドスペースが形成されるのを避けられない。
ふたつ目の騒音は、戸パネルが開放位置から閉じ端近くまで移動してきた閉じ終期に、ばね帯体のねじれが戻るときの変形音(パキッ)である。この変形騒音は、緩やかに湾曲する板ばねを、湾曲方向と逆向きに強制的に変形させたときの変形音(パキッあるいはぺキッ)と同じである。定荷重ばねユニットが、多重構造のばねユニットで構成してある場合には、先の騒音とは異なる騒音が発生する。多重構造のばねユニットでは、2枚のばね帯体が厚み方向に重なる状態でスプールから繰り出されるが、戸パネルが大きく開放操作された状態では、2枚のばね帯体がスプールから長く引出されて自重で垂下がる。そのため、垂下がったばね帯体どうしが互いに擦れあって摺接音(シャリシャリ)を発生する。
上記の各騒音は、定荷重ばねユニットを利用した装置の開発に携わっている技術者にとって、以前から明確に認識されていた。しかし、その原因が追究されることはなく、むしろ定荷重ばねユニットを使用する際に、避けられないものとして放置されていた。本発明者は、上記の各騒音の発生原因を追究しつつ研究を重ねた結果、ばね帯体の繰出し端における連結構造に問題があることを解明し、本発明を提案するに至ったものである。
本発明の目的は、定荷重ばねユニットのばね帯体の繰出し端における連結構造を改良して、衝突音、変形音の発生を解消できる定荷重ばねユニットの連結構造を提供することにある。
本発明の目的は、定荷重ばねユニットが多重構造のばねユニットで構成してある場合の摺接音の発生を解消できる定荷重ばねユニットの連結構造を提供することにある。
本発明の目的は、戸パネルの開閉時に、ばね帯体の衝突音、変形音、摺接音の発生を解消できる定荷重ばねユニットを備えている引戸の開閉支援装置を提供することにある。
本発明に係る定荷重ばねユニットの連結構造においては、固定部材1と移動部材2とが定荷重ばねユニット10を介して連結してある。定荷重ばねユニット10は、スプール22と、スプール22に巻装される金属製のばね帯体23とを備えている。ばね帯体23の繰出し端は、固定部材1と移動部材2のいずれか一方の部材に連結した連結板31に連結され、スプール22は残る他方の部材で回転自在に支持されている。連結板31の少なくとも基端側が連結対象に近付く向きに傾斜する状態で、連結板31を連結対象に連結する。これにより、ばね帯体23の繰出し端の近傍を連結板31の連結対象に密着させることを特徴とする。なお、連結板31の連結形態には、図1に示すように連結ベース30を介してガイドレール(固定部材)1に連結する場合と、図12に示すように、連結板31を直接的にガイドレール(固定部材)1に連結する場合とがある。
連結板31は、連結ベース30を介して固定部材1と移動部材2のいずれか一方の部材に連結する。
図1に示すように、連結ベース30に連結板31を連結するための締結座33を傾斜する状態で形成する。平板状に形成した連結板31を締結座33に第1締結体44で連結する。
図7に示すように、連結ベース30に連結板31を連結するための締結座33を、装着面36から離れた状態で水平に形成する。連結板31に、水平の基端接合座48と、傾斜する突端接合座49とを設ける。連結板31の基端接合座48を、連結ベース30の締結座33に第1締結体44で連結する。さらに、連結板31の突端接合座49に、ばね帯体23の繰出し端を第2締結体45で連結する。
図8に示すように、連結ベース30に連結板31を連結するための締結座33を水平に形成する。連結板31に、水平の基端接合座48と、傾斜する突端接合座49とを設けて、両接合座48・49を段壁50を介して連続させる。連結板31の突端接合座49に、ばね帯体23の繰出し端を第2締結体45で連結する。
定荷重ばねユニット10は、複数のばね帯体23が厚み方向に重なる状態でスプール22から繰り出される多重構造のばねユニットで構成する。なお、多重構造の定荷重ばねユニット10としては、図1に示すように、複数のばね帯体23が1個のスプール22に巻装してある場合と、図11に示すように、複数のばね帯体23が複数のスプール22に巻装してある場合とがある。
連結板31は、1個の第1締結体44で連結ベース30に対して、連結板31の厚み方向に僅かなクリアランスC1が存在する状態で、相対回動可能に連結する。
ばね帯体23の繰出し端は、1個の第2締結体45で連結板31に対して、ばね帯体23の厚み方向に僅かなクリアランスC2が存在する状態で、相対回動可能に連結する。
本発明に係る別の定荷重ばねユニットの連結構造においては、図13に示すように、固定部材1と移動部材2とが定荷重ばねユニット10を介して連結してある。定荷重ばねユニット10は、複数のばね帯体23が厚み方向に重なる状態でスプール22から繰り出される多重構造のばねユニットで構成してある。ばね帯体23の繰出し端は、固定部材1と移動部材2のいずれか一方の部材に連結した連結板31に連結され、スプール22は残る他方の部材で回転自在に支持されている。ばね帯体23の繰出し端が、1個の第2締結体45で連結板31に対して、ばね帯体23の厚み方向に僅かなクリアランスC2が存在する状態で相対回動可能に連結されていることを特徴とする。
図13に示すように、連結板31は、連結ベース30を介して固定部材1と移動部材2のいずれか一方の部材に連結する。連結板31は、1個の第1締結体44で連結ベース30に対して、連結板31の厚み方向に僅かなクリアランスC1が存在する状態で、相対回動可能に連結する。
図14に示すように、連結板31は、ディスタンスカラー52を介して第1締結体44で固定部材1に対して、連結板31の厚み方向に僅かなクリアランス(C1)が存在する状態で、相対回動可能に連結する。
本発明に係る定荷重ばねユニットを備えている引戸の開閉支援装置は、ガイドレール1と戸パネル2との間に設けられて、戸パネル2を移動操作する定荷重ばねユニット10と、定荷重ばねユニット10の移動操作力に抗して戸パネル2の移動動作を制動するダンパー11とを備えている。定荷重ばねユニット10は、ガイドレール1と戸パネル2に対して、上記した定荷重ばねユニットの連結構造のいずれか一つで連結することができる。
本発明では、定荷重ばねユニット10のばね帯体23の繰出し端を、例えば固定部材1に連結した連結板31に連結し、連結板31の少なくとも突端側が、連結対象に近付く向きに傾斜する状態で、連結板31を連結対象に連結するようにした。このように、連結板31の傾斜する突端側にばね帯体23の繰出し端を連結すると、スプール22から繰出されたばね帯体23の初期膨らみを傾斜する連結板31で促進して、ばね帯体23の繰出し端の近傍を、例えば連結ベース30やガイドレール1に強制的に密着させることができる。そのため、ばね帯体23の繰出し動作や、スプール22への巻戻し動作に伴って、スプール22の外に位置するばね帯体23が膨らみ変形しようとしても、連結ベース30やガイドレール1に受止められて弾性変形するだけで、衝突する余地が皆無となる。従って、ばね帯体23が連結ベース30やガイドレール1に衝突するときの衝突音(パチッ)の発生を一掃して静音性を向上できる。
図3に示す定荷重ばねユニット10の連結構造においては、ばね帯体23の繰出し端が連結してある連結板31の下方にエアーダンパー11、ランナーホルダー18、あるいはローラ19などが配置してある。そのため、連結板31を例えば固定部材1に対して直接的に連結しようとしても、先の各部材が邪魔になって連結板31を連結することができない。こうした場合に、定荷重ばねユニット10の連結構造の組付け作業を簡便に行うために、連結板31を連結ベース30に連結し、連結ベース30の締結部分を定荷重ばねユニット10の外側方に位置させている。つまり、連結ベース30を併用するのは、定荷重ばねユニット10の支持構造と、定荷重ばねユニット10の連結構造とが上下に重なる場合であって、図12に示すように、連結板31の下方が開放された空間である場合には、連結ベース30を省略することができる。
連結ベース30に傾斜する締結座33を形成し、平板状に形成した連結板31を締結座33に第1締結体44で連結すると、連結板31の構造を簡素化することができる。また、平板状の連結板31にばね帯体23を連結すればよいので、連結板31とばね帯体23の連結作業を簡便に行える利点もある。
図7に示すように、連結ベース30に水平の締結座33を形成し、連結板31に水平の基端接合座48と傾斜する突端接合座49とを設けると、突端接合座49と連結ベース30との対向間隔を大きくしながら、ばね帯体23の初期膨らみを連結板31で促進できる。従って、ばね帯体23がスプール22から繰出され、あるいはスプール22に巻込まれるとき、第2締結体45が連結ベース30に接当するのを確実に防止できる。
図8に示すように、連結板31に水平の基端接合座48と、傾斜する突端接合座49とを設けると、連結ベース30の締結座33を平坦な面壁30aと面一になる状態で水平に形成することができる。つまり、連結ベース30に締結座33を折曲げ形成する必要がないので、連結ベース30の形成誤差の影響を排除して、突端接合座49の傾斜角度をより正確に設定できる。また、連結ベース30の加工に要する手間を省いて、そのコストを削減できる。
定荷重ばねユニット10が多重構造のばねユニットで構成してあると、定荷重ばねユニット10のばね出力を充分に大きくでき、さらに寿命に達するまでの時間を長期化できる。従って、移動部材2の重量が大きい場合でも、ばねユニットの耐久性を損なうことなく移動部材2を的確に移動操作することができる。
連結板31が連結ベース30に対して、1個の第1締結体44で相対回動可能に連結すると、第1締結体44と連結板31の径方向の隙間、および厚み方向のクリアランスC1の分だけばね帯体23の繰出し端が傾動してねじれ変形を吸収できる。これに伴い、スプール22から繰出されたばね帯体23が大きくねじられるのを解消できるので、戸パネル2が開放位置から閉じ端近くまで移動してきた場合に、ばね帯体23が自己の弾性力でねじれ戻されて変形騒音(パキッ)が発生するのを防止できる。
ばね帯体23の繰出し端が連結板31に対して、1個の第2締結体45で相対回動可能に連結してあると、第2締結体45とばね帯体23の径方向の隙間、および厚み方向のクリアランスC2の分だけ、内外のばね帯体23が遊動して前後中心のずれを吸収できる。例えば、内側のばね帯体23が前側へ遊動し、外側のばね帯体23が後側へ遊動するなど、先のずれを柔軟に吸収できる。従って、内外のばね帯体23がスプール22から繰出されるときに、ばね帯体23に無理な力が加わって相対移動するのを防いで、摺接音(シャリシャリ)の発生を防止できる。
本発明に係る別の定荷重ばねユニットの連結構造においては、ばね帯体23の繰出し端を連結板31を介して固定部材1と移動部材2のいずれか一方の部材に連結した。具体的には、ばね帯体23の繰出し端を、1個の第2締結体45で連結板31に対して、ばね帯体23の厚み方向に僅かなクリアランスC2が存在する状態で相対回動可能に連結した。この連結構造によれば、内外のばね帯体23の前後中心がずれている場合、あるいは、内外のばね帯体23の姿勢が異なっている場合でも、内外のばね帯体23の前後ずれや姿勢のずれを、連結穴42と第2締結体45との間の隙間、および厚み方向のクリアランスC2によって柔軟に吸収することができる。従って、内外のばね帯体23がスプール22から繰出されるとき、あるいはスプール22に巻き戻されるときに、ばね帯体23に無理な力が加わって相対移動するのを防いで、摺接音(シャリシャリ)の発生を防止できる。
図13に示すように、連結板31を1個の第1締結体44で連結ベース30に対して、連結板31の厚み方向に僅かなクリアランスC1が存在する状態で、相対回動可能に連結すると、連結板31と連結ベース30の連結部分においても、前後中心のずれや姿勢のずれを吸収することができる。従って、内外のばね帯体23の前後中心のずれや姿勢のずれが大きくなる場合であっても、連結板31の両端の連結部において両ずれを的確に吸収して、ばね帯体23の相対移動に伴う摺接音(シャリシャリ)の発生をさらに確実に防止できる。
図14に示すように、連結板は31をディスタンスカラー52を介して第1締結体44で固定部材1に直接的に締結すると、連結ベース30を省略できるので、その分だけ連結構造を簡素化してそのコストを削減できる。また、内外のばね帯体23の前後中心のずれ、あるいは姿勢のずれがある場合でも、内外のばね帯体23の姿勢の変化や軌跡差を、ばね帯体23と第2締結体45との連結部において吸収して摺接音の発生を防止できる。
本発明に係る引戸の開閉支援装置では、定荷重ばねユニット10をガイドレール1と戸パネル2に対して、先に説明した定荷重ばねユニットの連結構造のいずれか一つで連結することにより、戸パネル2の開閉時にばね帯体23の衝突音、変形音、あるいは摺接音が発生するのを解消して静音性を向上できる。
本発明に係る定荷重ばねユニットの連結構造を示す縦断正面図である。 本発明に係る閉じ支援装置を備えた引戸の正面図である。 本発明に係る閉じ支援装置の縦断正面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 図1におけるB−B線断面図である。 定荷重ばねユニットのばね帯体が引き出された状態を示す縦断正面図である。 定荷重ばねユニットの連結構造の別の実施例を示す縦断正面図である。 定荷重ばねユニットの連結構造のさらに別の実施例を示す縦断正面図である。 定荷重ばねユニットの連結構造のさらに別の実施例を示す縦断正面図である。 定荷重ばねユニットの連結構造のさらに別の実施例を示す縦断正面図である。 定荷重ばねユニットの別の実施例を示す縦断側面図である。 定荷重ばねユニットの連結構造のさらに別の実施例を示す縦断正面図である。 定荷重ばねユニットの連結構造のさらに別の実施例を示す縦断正面図である。 定荷重ばねユニットの連結構造のさらに別の実施例を示す縦断正面図である。
(実施例) 図1ないし図6は、本発明に係る定荷重ばねユニットを引戸の閉じ支援装置に適用した実施例を示している。なお、本発明における前後、左右、上下とは、図2および図3に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2において符号1は戸枠の上枠に固定したガイドレール(固定部材)、符号2は戸パネル(移動部材)、符号3は床面側に配置した振止ローラーであり、このローラー3で戸パネル2の下端に設けた振止溝4を受け止めている。戸パネル2は、その上端の左右に装着したランナー5を介してガイドレール1に吊持されており、ガイドレール1に沿って開閉移動できる。符号6は戸パネル2を開閉操作する把手である。図5においてガイドレール1は、下向きに開口する断面がコ字状のアルミニウム条材からなり、その開口面の側にランナー5およびローラー19を案内する前後一対のレール壁7が設けてある。
閉じ位置から任意の開放位置まで開放操作された戸パネル2を、自動的に閉じ操作するために、ガイドレール1の内部に閉じ支援装置(開閉支援装置)を設けている。図3において閉じ支援装置は、戸パネル2を閉じ操作する定荷重ばねユニット10と、定荷重ばねユニット10の閉じ操作力に抗して戸パネル2の移動動作を制動して減速させ、戸パネル2を緩やかに閉止させるエアーダンパー(ダンパー)11とからなる。
図3において、エアーダンパー11は、シリンダー12と、シリンダー12に対して出退するピストンロッド13、およびピストン14と、シリンダー12の右端に配置される速度コントローラー15などで構成する。シリンダー12の閉じ端側は、ランナー5のボディに連結してあり、シリンダー12の開放端側のランナーホルダー18には、シリンダー12の往復移動を円滑に行うためのローラー19が軸支してある。また、ピストンロッド13の突端に固定したホルダーには永久磁石16が固定してあり、ガイドレール1の閉じ端には永久磁石16で吸着される鉄板17が配置してある。
閉じ位置にある戸パネル2を開放操作すると、シリンダー12は戸パネル2に同行して開放移動するが、ピストンロッド13は永久磁石16を介して鉄板17に吸着保持されているため移動しない。シリンダー12の移動に伴って、定荷重ばねユニット10のばね帯体23が引き出され、同時に吸気弁が開弁されて外部の空気がシリンダー12内へ抵抗なく流入する。戸パネル2に加えられていた開放操作力がなくなると、定荷重ばねユニット10の閉じ操作力がシリンダー12を介して戸パネル2に作用するので、戸パネル2は閉じ側へ移動する。このとき、シリンダー12内の空気の排出量が速度コントローラー15で制御されるので、戸パネル2をゆっくりと閉じ移動できる。
定荷重ばねユニット10は、ランナーホルダー18に固定したブラケット21で回転自在に支持したスプール22と、スプール22に巻装されるステンレス製(金属製)のばね帯体23とを備えている。この実施例では、内外2重のばね帯体23がスプール22に巻装された多重構造のばねユニットで定荷重ばねユニット10を構成して、定荷重ばねユニット10のばね出力と寿命時間の仕様とを充分なものとした。スプール22は、中央にボス24を備えたドラム25と、ドラム25の前後に張り出される円形のフランジ26とを一体に備えている。ボス24はブラケット21に固定したスプール軸27で軸支されており、これによりスプール22の全体が回転自在に支持してある。ばね帯体23の繰出し端は、ガイドレール1の上壁に固定した連結ベース(連結対象)30に対して、平板状の連結板31を介して連結してある。
上記のように構成した引戸の閉じ支援装置において、定荷重ばねユニット10のばね帯体23による騒音の発生を解消するために、ばね帯体23の繰出し端における連結構造を次のように構成している。
連結ベース30は帯状の鋼板からなり、図1に示すように、その閉じ端側に折曲げ角度が大きな傾斜壁32を形成し、この傾斜壁32に連続して連結板31を締結するための締結座33を折曲げ形成している。締結座33は、傾斜壁32の側から閉じ端側へ向かって下り傾斜しており、この傾斜角度、即ち締結座33と平坦な板面30aが挟む角度θは5度とした。締結座33の前後中央には連結穴34が形成してある。連結ベース30は、締結座33が閉じ端側を指向する状態でガイドレール1の上壁に接合され、その開放端側が2個のビス35で締結固定してある(図3参照)。この実施例における連結ベース30の装着面36は、ガイドレール1の上壁の内面となる。
図4に示すように、連結板31は鋼板を長方形状に打抜いて形成してあり、その基端側および突端側の前後中央のそれぞれに、連結穴40・41が形成してある。同様に、ばね帯体23の繰出し端の前後中央には、連結穴41に対応する連結穴42が形成してある。連結ベース30と連結板31、および連結板31とばね帯体23とは、それぞれ第1リベット(第1締結体)44、および第2リベット(第2締結体)45で連結する。
図1に示すように、第1リベット44は大径軸部44aと、小径軸部44bとを一体に備えており、大径軸部44aの軸端とかしめ頭部44cとが、締結座33を上下に挟持する状態でかしめ固定してある。この状態の、連結板31の連結穴40は大径軸部44aに対して僅かな隙間を介して係合している。さらに、大径軸部44aの軸長は連結板31の厚みより僅かに大きく設定してあって、連結板31の厚み方向に僅かなクリアランスC1が存在する状態で、連結板31が連結ベース30に連結してある。このように、連結板31は連結ベース30に対して相対回動自在に連結してある。この実施例におけるばね帯体23の最大繰出し長さは1200mmであるが、その場合の連結穴40と大径軸部44aとの径方向の隙間は0.5mmとし、厚み方向のクリアランスC1は0.5mmとした。
同様に、第2リベット45は大径軸部45aと、小径軸部45bとを一体に備えており、大径軸部45aの軸端とかしめ頭部45cとが、連結板31を上下に挟持する状態でかしめ固定される。この状態の、ばね帯体23の連結穴42は大径軸部45aに対して僅かな隙間を介して係合している。さらに、大径軸部45aの軸長は上下に重なるばね帯体23の厚みより僅かに大きく設定してあって、ばね帯体23の厚み方向に僅かなクリアランスC2が存在する状態で、ばね帯体23を連結板31に連結している。このように、ばね帯体23の繰出し端は、連結板31に対して相対回動自在に連結してある。この実施例における連結穴42と大径軸部45aとの径方向の隙間は0.5mmとし、厚み方向のクリアランスC2は0.5mmとした。
上記のように、ばね帯体23と連結板31と連結ベース30を連結したのち、連結ベース30をガイドレール1に固定した状態では、連結板31は、その突端側が連結ベース30の装着面36に近付く状態で上り傾斜している。このように、連結板31をスプール22の上部の繰出し位置へ向かって上り傾斜させると、連結板31とスプール22との間のばね帯体23の初期膨らみを促進して、ばね帯体23の繰出し端の近傍を連結ベース30の下面に面接触状に密着させることができる。この密着状態は、ばね帯体23の繰出し長さとは無関係に常に維持されるので、戸パネル2の開放初期や、閉じ終期にばね帯体23が連結ベース30に衝突して衝突音(パチッ)が発生するのを解消できる。
連結ベース30と、連結板31と、低荷重ばねユニット10を、ガイドレール1と戸パネル2との間に組込んだ状態において、連結板31の前後中心線とばね帯体23の前後中心線とに前後ずれが生じ、あるいは両中心線が交差していることがある。また、ランナー5の走行姿勢が前後に揺れ動くことによっても、先の前後中心線にずれを生じることがある。このように、連結板31の前後中心線とばね帯体23の前後中心線とにずれがあると、スプール22から繰出されたばね帯体23にねじり力が作用するため、ばね帯体23が前後いずれかへねじれてしまう。そのため、戸パネル2が開放位置から閉じ端近くまで移動してきたとき、ばね帯体23が自己の弾性力でねじり戻されて変形音(パキッ)が発生する。
しかし、先に説明したように、連結板31の基部が連結ベース30に対して1個の第1リベット44で相対回動自在に連結してあると、連結穴40と大径軸部44aとの間の隙間、および厚み方向のクリアランスC1の分だけ、ばね帯体23の繰出し端が傾動してねじれ変形を吸収できる。これに伴い、スプール22から繰出されたばね帯体23が大きくねじられるのを解消できるので、戸パネル2が開放位置から閉じ端近くまで移動してきた場合に、ばね帯体23が自己の弾性力でねじれ戻されて変形騒音(パキッ)が発生するのを防止できる。
従来の定荷重ばねユニットにおいては、ばね帯体の繰出し端を連結板に対して2個のリベットでかしめ連結しており、この連結形態は多重構造のばねユニットにおいても踏襲されている。このように、ばね帯体の繰出し端が2個のリベットで拘束された状態において、内外のばね帯体23の前後中心線がずれており、あるいは両中心線が交差した状態で連結板31に連結してある場合には、内外のばね帯体23を同じ姿勢で繰出すことができなくなる。前後中心がずれている分だけ、ばね帯体23が前後いずれかへ傾動しようとするからである。また、内外のばね帯体23の繰出し軌跡は僅かに異なっているため、図6に示すように、2枚のばね帯体23がスプール22から長く引出されて自重で垂下がった状態では、先の軌跡の違いが集積されて、各ばね帯体23の姿勢が異なりやすい。結果、内外のばね帯体23の傾動や姿勢の違いによって、ばね帯体23どうしが互いに擦れあって摺接音(シャリシャリ)を発生する。
しかし、先に説明したように、ばね帯体23の繰出し始端が連結ベース30に対して1個の第2リベット45で相対回動自在に連結してあると、連結穴42と大径軸部45aとの間の隙間、および厚み方向のクリアランスC2の分だけ、内外のばね帯体23が遊動して前後中心のずれを吸収できる。例えば、内側のばね帯体23が前側へ遊動し、外側のばね帯体23が後側へ遊動するなど、先の中心線のずれを柔軟に吸収することができる。また、内外のばね帯体23の繰出し軌跡の違いに基づく繰出し長さの集積差を、連結穴42と大径軸部45aとの間の隙間、および厚み方向のクリアランスC2の分だけ吸収することができる。加えて、連結穴40と大径軸部44aとの間の隙間、および厚み方向のクリアランスC1の分だけ、ばね帯体23の自由度が増すことも、中心線のずれや繰出し長さの集積差の吸収に役立つ。従って、内外のばね帯体23がスプール22から繰出されるとき、あるいはスプール22に巻き戻されるときに、ばね帯体23に無理な力が加わって相対移動するのを防いで、摺接音(シャリシャリ)の発生を防止できる。
上記の連結構造の開発過程では、ガイドレール1の前後壁に観察窓を形成して、レール内におけるばね帯体23の状況を可視化するなどにより、騒音がどの時点でどのようにして発生しているかを観察し、騒音の発生のメカニズムと、発生している音の特徴を特定した。次に、騒音を防ぐにはどうすればよいかについて試行錯誤と考察を繰返し行った結果、上記の連結構造を見出したものである。試行の過程では、何らかの対策を施した試作品を製作するごとに騒音テストを行って結果の確認を行った。また、最終的に得られた上記の連結構造については、複数の作業者に連結構造の組立を依頼し、さらに騒音テストを行って、得られた連結構造の客観性を評価し確認した。その結果、いずれの場合にも衝突音、変形音、摺接音が生じることはなく、無音状態で戸パネル2を開閉することができ、3種類の騒音を解消するための技術を確立できたことを確認した。
図7ないし図12は、それぞれ定荷重ばねユニット10の連結構造の別実施例を示している。図7においては、連結ベース30の締結座33を水平に形成した。その代りに、連結板31を逆へ字状に折り曲げて、連結板31に連結ベース30に接合される基端接合座48と、ばね帯体23の繰出し端に接合される突端接合座49を設けるようにした。基端接合座48は、連結ベース30の締結座33に1個の第1リベット44で連結した。また、突端接合座49には、ばね帯体23の繰出し端を1個の第2締結体45で連結した。この実施例における連結板31では、突端接合座49の傾斜角度が図1で説明した連結板31の傾斜角度θより大きくなるので、ばね帯体23の繰出し端の初期膨らみをさらに促進できる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。以下の別実施例においても同じとする。
図8においては、連結ベース30を平板状に形成し、その水平の締結座33に連結板31を第1リベット44で締結した。連結板31は、水平の基端接合座48と、装着面36に向かって上り傾斜する突端接合座49と、両接合座48・49を繋ぐ垂直の段壁50とで構成して、突端接合座49ばね帯体23の繰出し端を第2締結体45で連結した。このように、連結板31の側に傾斜する突端接合座49を設けると、連結ベース30に締結座33を折曲げ形成する必要がないので、連結ベース30の形成誤差の影響を排除して、突端接合座49の傾斜角度をより正確に設定できる。
図9においては、連結ベース30を図1と同様に形成し、傾斜する締結座33に連結板31を第1リベット44で連結した。連結板31は、基端側を平坦面で形成し、突端側を緩やかに湾曲させた。この実施例から理解できるように、連結板31の少なくとも突端側を傾斜させるとは、傾斜面が平坦面である場合と、傾斜面が湾曲している場合のいずれをも含むこととする。
図10は、連結ベース30の開放端側に傾斜壁32と締結座33が形成してある場合を示している。この場合には、連結ベース30の閉じ端側の板面をビスでガイドレール1に締結固定するとよい。
図11は、同じ構造の定荷重ばねユニット10を左右に隣接配置して、両ユニット10のスプール22をブラケット21でスプール軸27を介して回転自在に支持し、各スプール22から繰出したばね帯体23の繰出し端を連結板31に第2リベット45で連結した。このように、2個の定荷重ばねユニット10を使用した多重構造のばねユニットの場合には、スプール22におけるばね帯体23の巻装長さが大きくなるので、戸パネル2の開閉ストロークが大きい場合でも問題なく対応できる。
上記の実施例では、連結板31を連結ベース30に第1リベット44で連結したうえで、連結ベース30の締結部分を定荷重ばねユニット10より開放端側へ露出させて、ビス35でガイドレール1に締結するようにしたが、その必要はない。例えば図12に示すように、連結ベース30を省略して、連結板31をディスタンスカラー52を介して第1ビス(第1締結体)44でガイドレール(連結対象)1の上壁に直接装着することができる。第1ビス44には、ディスタンスカラー52および連結板31を回転自在に軸支する軸部53が設けてあり、第1ビス44をガイドレール1および開口枠にねじ込んだ状態において、軸部53と連結穴40との間に径方向の隙間が確保され、ディスタンスカラー52の上面とガイドレール1の上壁との間にクリアランスC1(図示していない)が確保してある。また、ばね帯体23の繰出し始端は、図1で説明した連結構造と同様に、連結ベース30に対して1個の第2リベット45で相対回動自在に連結した。
本発明に係る引戸の開閉支援装置は、以下の態様で実施することができる。
ガイドレール1と戸パネル2との間に設けられて、戸パネル2を移動操作する定荷重ばねユニット10と、定荷重ばねユニット10の移動操作力に抗して戸パネル2の移動動作を制動するダンパー11とを備えている開閉支援装置であって、
定荷重ばねユニット10は、スプール22と、スプール22に巻装される金属製のばね帯体23とを備えており、
ばね帯体23の繰出し端は、ガイドレール1に固定した連結ベース30に連結板31を介して連結され、スプール22は戸パネル2側の部材で回転自在に支持されており、
連結板31の基端は1個の第1締結体44で連結ベース30に連結され、連結板31の突端は1個の第2締結体45でばね帯体23の繰出し端に連結されており、
連結板31の少なくとも突端側が、連結ベース30の装着面36に近付く向きに傾斜する状態で、連結板31が連結ベース30に連結されており、
ばね帯体23の繰出し端の初期膨らみを連結板31で促進して、ばね帯体23の繰出し端の近傍が連結ベース30ないし前記装着面36に密着させてあることを特徴とする定荷重ばねユニットを備えている引戸の開閉支援装置。
図13および図14は、それぞれ定荷重ばねユニット10の連結構造の別実施例を示している。図13においては、連結ベース30の締結座33を水平に形成し、この締結座33に水平の連結板31を1個の第1リベット44で連結した。さらに、ばね帯体23の繰出し端を連結板31に1個の第2リベット45で連結した。第1リベット44は大径軸部44aと、小径軸部44bとを一体に備えており、図1で説明した連結構造と同様に、大径軸部44aの軸端とかしめ頭部44cとが、締結座33を上下に挟持する状態でかしめ固定してある。この状態の、連結板31の連結穴40は大径軸部44aに対して僅かな隙間を介して係合している。さらに、大径軸部44aの軸長は連結板31の厚みより僅かに大きく設定してあって、連結板31の厚み方向に僅かなクリアランスC1が存在する状態で、連結板31が連結ベース30に対して相対回動自在に連結してある。この実施例における連結穴40と大径軸部44aとの径方向の隙間は0.5mmとし、厚み方向のクリアランスC1は0.5mmとした。
同様に、第2リベット45は大径軸部45aと、小径軸部45bとを一体に備えており、大径軸部45aの軸端とかしめ頭部45cとが、連結板31を上下に挟持する状態でかしめ固定される。この状態の、ばね帯体23の連結穴42は大径軸部45aに対して僅かな隙間を介して係合している。さらに、大径軸部45aの軸長は上下に重なるばね帯体23の厚みより僅かに大きく設定してあって、ばね帯体23の厚み方向に僅かなクリアランスC2が存在する状態で、ばね帯体23が連結板31に対して相対回動自在に連結してある。この実施例における連結穴42と大径軸部45aとの径方向の隙間は0.5mmとし、厚み方向のクリアランスC2は0.5mmとした。
以上のように、連結板31と連結ベース30を第1リベット44で、さらに、ばね帯体23の繰出し端と連結ベース30を第2リベット45で、それぞれ相対回転自在に連結すると、内外のばね帯体23の姿勢の変化や軌跡差を、両連結部において柔軟に吸収できる。詳しくは、内外のばね帯体23が遊動して前後中心がずれている場合、あるいは、繰出し軌跡の違いによって、内外のばね帯体23の姿勢が異なっている場合でも、前後中心のずれや姿勢のずれを、連結穴42と大径軸部45aとの間の隙間、および厚み方向のクリアランスC2によって柔軟に吸収することができる。さらに、連結板31と連結ベース30の連結部分においても、内外のばね帯体23の前後中心のずれや姿勢のずれを、連結穴40と大径軸部44aとの間の隙間、および厚み方向のクリアランスC1によって柔軟に吸収することができる。従って、内外のばね帯体23がスプール22から繰出されるとき、あるいはスプール22に巻き戻されるときに、ばね帯体23に無理な力が加わって相対移動するのを防いで、摺接音(シャリシャリ)の発生を防止できる。
図14においては、図12で説明した連結構造と同様に、連結ベース30を省略して、水平の連結板31をディスタンスカラー52を介して1個の第1ビス(第1締結体)44でガイドレール(連結対象)1の上壁に直接装着した。さらに、ばね帯体23の繰出し端を連結板31に1個の第2リベット45で連結した。第1ビス44には、ディスタンスカラー52および連結板31を回転自在に軸支する軸部53が設けてあり、連結板31の連結穴40は軸部53に対して僅かな隙間を介して係合している。さらに、ディスタンスカラー52の上面とガイドレール1の上壁との間にクリアランスC1が確保された状態で、連結板31がガイドレール1に対して相対回動可能に連結してある。ばね帯体23の連結穴42と第2リベット45との関係、およびばね帯体23の厚み方向に僅かなクリアランスC2を確保する点は、図13で説明した連結構造と同じとした。第1ビス44および第2リベット45における径方向の隙間の値、およびクリアランスC1・C2の値は、図13で説明した連結構造と同じとした。この実施例においては、ばね帯体23の連結板31との連結部の近傍、あるいは連結部の近傍と正対するガイドレール1の上壁のいずれか一方に、ゴムなどの弾性体を固定しておくことができる。
上記のように、連結板31をディスタンスカラー52を介して第1ビス44でガイドレール1に直接装着した場合でも、内外のばね帯体23の姿勢の変化や軌跡差を、第1ビス44による連結部と、第2リベット45による連結部とによって柔軟に吸収できる。従って、内外のばね帯体23がスプール22から繰出されるとき、あるいはスプール22に巻き戻されるときに、ばね帯体23に無理な力が加わって相対移動するのを防いで、摺接音(シャリシャリ)の発生を防止できる。また、連結ベース30を省略できるので、その分だけ連結構造のコストを削減できる。
図13の実施例においては、第1リベット44と第2リベット45による連結部のそれぞれにおいて、径方向の隙間と厚み方向のクリアランスC1・C2を確保して、内外のばね帯体23の自由度を充分に確保できるようにしたが、その必要はない。例えば、ばね帯体23の繰出しストロークが小さい場合には、少なくとも、ばね帯体23の繰出し端が、連結板31に対して第2リベット45で、径方向の隙間と厚み方向のクリアランスC2を確保した状態で連結してあればよい。その場合の連結板31は、連結ベース30の締結座33に対して第1リベット44で単にかしめ固定してあればよい。図14の実施例においても、連結板31はディスタンスカラー52とともに第1ビス44でガイドレール1に単にかしめ固定してあってもよい。
上記の実施例では、第1締結体44および第2締結体45が段付きリベットである場合について説明したが、その必要はない。例えば、各締結体44・45は、大径軸部とこれより小径のねじ軸を備えたボルトと、ねじ軸にねじ込まれるナットで構成することができる。また、通常のリベットで連結板31およびばね帯体23を相対回転可能に緩くかしめてあってもよい。必要があれば、ばね帯体23を戸パネル2の側に連結し、スプール22をガイドレール1の側に配置することができる。
本発明に係る定荷重ばねユニットの連結構造は、引戸の開閉を支援する装置以外に、上げ下げ窓や、上下動する収納棚の上昇を支援する装置などにも広く適用することができる。また、戸パネル2などの移動部材が軽量で、大きな操作力が不必要である場合の定荷重ばねユニット10は、多重構造のばねユニットである必要はなく、1個のばね帯体23がスプール22に巻装してある、通常の定荷重ばねユニットを適用することができる。ダンパー11はエアーダンパー以外にオイルダンパーであってもよい。必要があれば、ばね帯体23の初期膨らみ部分の衝突面側や、初期膨らみ部分の衝突相手面側のいずれかに、衝突音の発生を防ぐゴムなどの弾性シートを固定しておくことができる。
1 ガイドレール(固定部材)
2 戸パネル(可動部材)
10 定荷重ばねユニット
11 ダンパー
22 スプール
23 ばね帯体
30 連結ベース
31 連結板
36 連結ベースの装着面
44 第1締結体
45 第2締結体

Claims (12)

  1. 固定部材(1)と移動部材(2)とが定荷重ばねユニット(10)を介して連結されており、
    定荷重ばねユニット(10)は、スプール(22)と、スプール(22)に巻装される金属製のばね帯体(23)とを備えており、
    ばね帯体(23)の繰出し端は、固定部材(1)と移動部材(2)のいずれか一方の部材に連結した連結板(31)に連結され、スプール(22)は残る他方の部材で回転自在に支持されており、
    連結板(31)の少なくとも突端側が、連結対象に近付く向きに傾斜する状態で、連結板(31)が連結対象に連結されており、
    ばね帯体(23)の繰出し端の近傍が連結板(31)の連結対象に密着させてあることを特徴とする定荷重ばねユニットの連結構造。
  2. 連結板(31)が、連結ベース(30)を介して固定部材(1)と移動部材(2)のいずれか一方の部材に連結してある請求項1に記載の定荷重ばねユニットの連結構造。
  3. 連結ベース(30)に連結板(31)を連結するための締結座(33)が傾斜する状態で形成されており、
    平板状に形成した連結板(31)が締結座(33)に第1締結体(44)で連結してある請求項2に記載の定荷重ばねユニットの連結構造。
  4. 連結ベース(30)に連結板(31)を連結するための締結座(33)が、装着面(36)から離れた状態で水平に形成されており、
    連結板(31)に、水平の基端接合座(48)と、傾斜する突端接合座(49)とが設けられており、
    連結板(31)の基端接合座(48)が、連結ベース(30)の締結座(33)に第1締結体(44)で連結され、
    連結板(31)の突端接合座(49)に、ばね帯体(23)の繰出し端が第2締結体(45)で連結してある請求項2に記載の定荷重ばねユニットの連結構造。
  5. 連結ベース(30)に連結板(31)を連結するための締結座(33)が水平に形成されており、
    連結板(31)に、水平の基端接合座(48)と、傾斜する突端接合座(49)とが設けられて、両接合座(48・49)が段壁(50)を介して連続しており、
    連結板(31)の突端接合座(49)に、ばね帯体(23)の繰出し端が第2締結体(45)で連結してある請求項2に記載の定荷重ばねユニットの連結構造。
  6. 定荷重ばねユニット(10)が、複数のばね帯体(23)が厚み方向に重なる状態でスプール(22)から繰り出される多重構造のばねユニットで構成してある請求項1から5のいずれかひとつに記載の定荷重ばねユニットの連結構造。
  7. 連結板(31)が、1個の第1締結体(44)で連結ベース(30)に対して、連結板(31)の厚み方向に僅かなクリアランス(C1)が存在する状態で、相対回動可能に連結してある請求項1から6のいずれかひとつに記載の定荷重ばねユニットの連結構造。
  8. ばね帯体(23)の繰出し端が、1個の第2締結体(45)で連結板(31)に対して、ばね帯体(23)の厚み方向に僅かなクリアランス(C2)が存在する状態で、相対回動可能に連結してある請求項6または7に記載の定荷重ばねユニットの連結構造。
  9. 固定部材(1)と移動部材(2)とが定荷重ばねユニット(10)を介して連結されており、
    定荷重ばねユニット(10)は、複数のばね帯体(23)が厚み方向に重なる状態でスプール(22)から繰り出される多重構造のばねユニットで構成されており、
    ばね帯体(23)の繰出し端は、固定部材(1)と移動部材(2)のいずれか一方の部材に連結した連結板(31)に連結され、スプール(22)は残る他方の部材で回転自在に支持されており、
    ばね帯体(23)の繰出し端が、1個の第2締結体(45)で連結板(31)に対して、ばね帯体(23)の厚み方向に僅かなクリアランス(C2)が存在する状態で相対回動可能に連結されていることを特徴とする定荷重ばねユニットの連結構造。
  10. 連結板(31)が、連結ベース(30)を介して固定部材(1)と移動部材(2)のいずれか一方の部材に連結されており、
    連結板(31)が、1個の第1締結体(44)で連結ベース(30)に対して、連結板(31)の厚み方向に僅かなクリアランス(C1)が存在する状態で、相対回動可能に連結してある請求項9に記載の定荷重ばねユニットの連結構造。
  11. 連結板(31)が、ディスタンスカラー(52)を介して第1締結体(44)で固定部材(1)に対して、連結板(31)の厚み方向に僅かなクリアランス(C1)が存在する状態で、相対回動可能に連結してある請求項9に記載の定荷重ばねユニットの連結構造。
  12. ガイドレール(1)と戸パネル(2)との間に設けられて、戸パネル(2)を移動操作する定荷重ばねユニット(10)と、定荷重ばねユニット(10)の移動操作力に抗して戸パネル(2)の移動動作を制動するダンパー(11)とを備えており、
    定荷重ばねユニット(10)が、ガイドレール(1)と戸パネル(2)に対して、請求項1から11のいずれかひとつに記載した定荷重ばねユニットの連結構造を介して連結してあることを特徴とする定荷重ばねユニットを備えている引戸の開閉支援装置。
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