JP2014201851A - 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物と炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法 - Google Patents

炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物と炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリジメチルシロキサンを主成分とする油剤組成物による操業性や工業的な生産性の低下の問題と、同剤の含有率を低減した油剤組成物による融着防止性、前駆体繊維束の集束性、炭素繊維束の機械的物性の低下の問題とを解決することを課題とする。【解決手段】 ポリジメチルシロキサンを2種類以上含有し、そのうちのいずれの2種間でも下記式(1)が成り立つ炭素繊維駆体アクリル繊維用油剤組成物である。ηH/ηL≧5(ηHは粘度が高い方のポリジメチルシロキサンの粘度、ηLは粘度が低い方のポリジメチルシロキサンの粘度[mm2/s、25℃における])【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物と炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法に関する。
従来、炭素繊維束の製造方法として、炭素繊維前駆体アクリル繊維束(以下、「前駆体繊維束」とも表記する。)を200〜400℃の酸素存在雰囲気下で加熱処理して耐炎化繊維束に転換し(耐炎化工程)、引き続いて1000℃以上の不活性雰囲気下で炭素化して(炭素化工程)、炭素繊維束を得る方法が知られている。この方法で得られた炭素繊維束は、優れた機械的物性により、特に複合材料用の強化繊維として工業的に広く利用されている。
しかし、炭素繊維束の製造過程において、耐炎化工程では単繊維間に融着が発生し、耐炎化工程およびそれに続く炭素化工程(以下、耐炎化工程と炭素化工程を総合して「焼成工程」とも表記する。)では繊維束の毛羽発生や束切れといった工程障害が発生する場合があった。耐炎化工程での単繊維間の融着を防止する方法としては、前駆体繊維束の表面に油剤組成物を付与する方法(油剤組成物付与処理)が知られており、多くの油剤組成物が検討されてきた。
油剤組成物としては、これまでポリジメチルシロキサンを主成分とするポリジメチルシロキサン系油剤が一般的に用いられている。ポリジメチルシロキサンとしては、前駆体繊維束との馴染み易さ、定着性の観点から、アミノやエポキシ、ポリエーテル等の反応性基を有する変性ポリジメチルシロキサンが一般的に用いられている。
しかし、変性ポリジメチルシロキサン系油剤は加熱により架橋反応が進行して高粘度化し、粘着物が前駆体繊維束の製造工程や耐炎化工程で使用される繊維搬送ローラーやガイドなどの表面に堆積しやすかった。そのため、前駆体繊維束や耐炎化繊維束が繊維搬送ローラーやガイドに巻き付いたり引っかかったりして束切れするなどの工程障害が発生し、操業性低下を招くことがあった。
そこで、ポリジメチルシロキサンの含有率を低減した油剤組成物が提案されている。例えば、多環芳香族化合物を50〜100重量%含有する乳化剤を40〜100重量%含有させ、ポリジメチルシロキサン含有量を低減させた油剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。
また、ビスフェノールAのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物の両末端高級脂肪酸エステル化物を80〜95質量%含有させ、ポリジメチルシロキサン含有量を低減させた油剤組成物が提案されている(特許文献2参照)。また、飽和脂肪族ジカルボン酸とビスフェノールAの酸化エチレンおよび/または酸化プロピレン付加物のモノアルキルエステルとの反応生成物を含有させ、ポリジメチルシロキサン含有量を低減させた油剤組成物が提案されている(特許文献3参照)。
また、空気中250℃で2時間加熱した後の残存率が80質量%以上である耐熱樹脂と、ポリジメチルシロキサンとを組み合わせた油剤組成物が提案されている(特許文献4参照)。
さらに、反応性官能基を有する化合物を10質量%以上含み、ポリジメチルシロキサン化合物を含有しないか、またはポリジメチルシロキサン化合物を含有する場合はケイ素質量に換算して2質量%を超えない範囲とする油剤組成物が提案されている(特許文献5参照)。
また一方で、ポリジメチルシロキサン含有量を低減させた油剤組成物において、ポリジメチルシロキサン系化合物と非ポリジメチルシロキサン系化合物とに親和性を持たせて混和することを目的として相溶化剤を含有した油剤組成物が提案されている(特許文献6および7参照)。
分子内に3個以上のエステル基を有するエステル化合物とポリジメチルシロキサン系化合物とを必須成分とした油剤組成物が提案されている(特許文献8参照)。該油剤組成物によれば、エステル化合物によってポリジメチルシロキサン含有量を低減させ、かつ炭素繊維製造における単繊維間の融着防止と安定した操業性とを両立させることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の油剤組成物は、乳化剤の含有量が多いため乳化物の安定性は高くなるものの、この油剤組成物が付着した前駆体繊維束は、集束性が低下しやすく、高い生産効率で製造するには適しておらず、機械的物性に優れた炭素繊維束が得られにくいという問題があった。
また、特許文献2、3に記載の油剤組成物は、耐熱樹脂としてビスフェノールA系の芳香族エステルを用いているので耐熱性は極めて高いものの、単繊維間の融着を防止する効果が十分ではなく、機械的物性に優れた炭素繊維束が安定して得られにくいという問題があった。
また、特許文献4に記載の油剤組成物は、250〜300℃において、繊維表面に皮膜を形成するため、耐炎化工程における繊維内部への酸素の拡散が阻害され、耐炎化が均一に行われず、その結果機械的物性に優れた炭素繊維束が安定して得られにくいという問題があった。さらに、特許文献4に記載の油剤組成物は、耐熱性が高いことにより、耐炎化工程において炉内や搬送ローラーへ油剤組成物、あるいはこれらの変性物が堆積するなどして工程障害となる問題があった。
さらに、特許文献5に記載の油剤組成物は、100〜145℃における油剤粘度を上げることで油剤付着性を高めることができるが、粘度が高いがため、油剤付与後の前駆体繊維束が繊維搬送ローラー等に巻き付くなどの工程障害を引き起こし、操業性が低下することがあった。
また一方で、特許文献6、7に記載の相溶化剤を用いた油剤組成物では、一定の相溶化効果は得られるものの、該相溶化剤はポリジメチルシロキサン系化合物への親和性に劣るため、10質量%以上含有させる必要があった。さらには焼成行程において相溶化剤の分解生成物がタール化するなどして行程障害となる場合があった。
また、特許文献8に記載の油剤組成物を付与した前駆体繊維は、操業性は安定するものの、油剤組成物の耐熱性が低いために耐炎化工程において繊維束の集束性が不十分であった。また、特許文献8に記載の油剤組成物は、ポリジメチルシロキサンを主成分とするポリジメチルシロキサン系油剤に比べて、得られる炭素繊維束の機械的物性が劣る傾向にあった。
このように、ポリジメチルシロキサンの含有率を低減した上記油剤組成物は、ポリジメチルシロキサン系油剤に比べて、油剤付与された前駆体繊維束の操業性低下を招くことがあったり、融着防止性、集束性が低下したり、炭素繊維束の機械的物性が劣ったりする傾向にあった。そのため、高品質な炭素繊維束を安定して得ることが困難であった。
一方、従来から広く利用されているポリジメチルシロキサン系油剤は、高粘度化による操業性の低下が問題であった。
つまり、ポリジメチルシロキサンを主成分とする油剤組成物による操業性や工業的な生産性の低下の問題と、ポリジメチルシロキサンの含有率を低減した油剤組成物による融着防止性、前駆体繊維束の集束性、炭素繊維束の機械的物性の低下の問題とは表裏一体の関係にあり、従来技術では両者の課題を全て解決できていない。
特開2005−264384号公報 特開2002−266239号公報 特開2003−55881号公報 特開2000−199183号公報 特開2005−264361号公報 特開2004−149937号公報 特開2004−169198号公報 国際公開第07/066517号パンフレット
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、炭素繊維束製造工程における単繊維間の融着を効果的に防止すると共に、操業性低下を抑制し、かつ集束性が良好な炭素繊維前駆体アクリル繊維束および機械的物性に優れた炭素繊維束を生産性よく得ることができる炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物とその分散液、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法の提供を課題とする。
本発明者が鋭意検討した結果、動粘度の異なるポリジメチルシロキサンを所定の範囲内の割合で混合することにより、変性ポリジメチルシロキサンを主成分とする油剤組成物の問題と、ポリジメチルシロキサンの含有率を低減した油剤組成物の問題とを共に解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物は、動粘度の異なるポリジメチルシロキサンを2種類以上含有することを特徴とする。
また、前記ポリジメチルシロキサンにおいて、そのうちのいずれの2種間でも下記式(1)が成り立つことが好ましい。
η/η≧5 ・・・(1)
(ηは粘度が高い方のポリジメチルシロキサンの粘度、ηは粘度が低い方のポリジメチルシロキサンの粘度[mm/s、いずれも25℃の測定値])
前記ポリジメチルシロキサンが、アミノ基で修飾された構造を持つポリジメチルシロキサンである。
さらに、本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物は、前記ポリジメチルシロキサンにおいて、下記式(2)が成り立つ。
/W≧4 ・・・(2)
(Wは粘度の低い方、Wは粘度が高い方の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物中の含有率)
また、本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液は、前記炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物が、水または溶剤に分散していることを特徴とする。ここで、前記炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液がエマルションである場合、平均粒子径が0.01〜0.50μmのミセルを形成していることが好ましい。
また、本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法は、前記炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物を水または溶剤に分散させた油剤組成物分散液(ミセルを形成する場合にはその平均粒子径0.01〜0.50μm)を水膨潤状態の前駆体繊維束に付与する工程と、炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液が付与された前駆体繊維束を乾燥緻密化する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、炭素繊維束製造工程における単繊維間の融着を効果的に防止すると共に、操業性低下を抑制し、かつ集束性が良好な炭素繊維前駆体アクリル繊維束および機械的物性に優れた炭素繊維束を生産性よく得ることができる炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物とその分散液、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、操業性低下を抑制でき、かつ炭素繊維前駆体アクリル繊維束の集束性が良好であるので、炭素繊維束の工業的な生産性を高め、安定して高品質な炭素繊維束を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物]
本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物(以下、「油剤組成物」とも表記する。)は、後述の油剤組成物付与前の炭素繊維前駆体アクリル繊維束へ付与されるものであり、動粘度の異なるポリジメチルシロキサン系化合物を2種類以上含有して成る。
ポリジメチルシロキサン系化合物は、後述の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の耐炎化工程において、融着防止、集束性付与に極めて有効である。
本発明においては、動粘度の異なるポリジメチルシロキサンを2種以上混合して用いる。これらのポリジメチルシロキサンは、いずれの2種間でも下記式(3)が成り立つことが好ましい。
η/η≧5 ・・・(3)
(ηは粘度が高い方のポリジメチルシロキサンの粘度、ηは粘度が低い方のポリジメチルシロキサンの粘度[mm/s、25℃])
前記ポリジメチルシロキサンには、アミノ基で修飾されて構造を持つ変性ポリジメチルシロキサンが好適である。アミノ基を有するポリジメチルシロキサンは、前駆体繊維束との馴染みが良く、油剤組成物の前駆体繊維束との親和性および耐熱性の向上に有効である。
しかし、アミノ基を導入した部分は熱分解反応の開始点となり、加熱下において油剤成分の樹脂化を促進する弊害がある。上記式(3)の範疇に入っていれば、アミノ基を有することによる前駆体繊維束との親和性を保ちつつ、樹脂化の開始点となる弊害を抑えることが可能となる。
前記ポリジメチルシロキサンにおいて、いずれの2種間においても下記式(4)が成り立つことが好ましい。
/W≧4 ・・・(4)
(Wは粘度の低い方、Wは粘度が高い方の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物中の含有率)
上記式(4)が成立すれば、アミノ基含有量が多いポリジメチルシロキサンを用いた場合でもゲル化速度を遅延させる効果があり、紡糸工程の乾燥ロールを汚染の低減、焼成工程でのロール巻き付き低減が可能である。
本発明の油剤組成物は、前駆体繊維束に均一に付与できれば、他の成分を加える必要はないが、前駆体繊維束に付着させるための設備や使用環境によって、操業性を向上させたり、油剤組成物の安定性や付着特性を向上させたりすることを目的として、界面活性剤、相溶化剤、帯電防止剤、酸化防止剤および抗菌剤などの他の成分を、本発明の効果を阻害しない範囲でさらに含有することができる。
油剤組成物が界面活性剤を含有すれば、油剤組成物が水または溶剤に容易に分散でき、前駆体繊維束に均一に付与し易くなる。
なお、本発明において、油剤組成物が水または溶剤に分散した液を炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液(以下、「油剤組成物分散液」とも表記する。)と呼ぶ。
界面活性剤;
界面活性剤としては、公知の様々な物質を用いることができるが、非イオン系の界面活性剤が好ましい。
非イオン系の界面活性剤としては、例えば高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪族エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪族エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪族アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物などのポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤;グリセロールの脂肪族エステル、ペンタエリストールの脂肪族エステル、ソルビトールの脂肪族エステル、ソルビタンの脂肪族エステル、ショ糖の脂肪族エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミドなどの多価アルコール型非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
これら界面活性剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
帯電防止剤;
帯電防止剤としては、公知の物質を用いることができる。帯電防止剤はイオン型と非イオン型に大別され、イオン型としてはアニオン系、カチオン系及び両性系があり、非イオン型ではポリエチレングリコール型及び多価アルコール型がある。帯電防止の観点からイオン型が好ましく、中でも脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキシド付加物硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキシド付加物硫酸リン酸エステル塩、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、高級アルコールエチレンオキシド付加物ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルなどが好ましく用いられる。これら帯電防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤;
酸化防止剤としては公知の様々な物質を用いることができるが、フェノール系や硫黄系の酸化防止剤が好適である。
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等が挙げられる。
硫黄系の酸化防止剤の具体例としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート等が挙げられる。
これら酸化防止剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
抗菌剤;
本発明の油剤組成物を水または溶剤に分散し油剤組成物分散液とした際は、本発明の油剤組成物が抗菌剤を含有すると、油剤組成物分散液の劣化を防止することができ好ましい。
抗菌剤としては、公知の物質を用いることができる。例えば5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどのイソチアゾリン系化合物;2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、ヘキサブロモジメチルスルホンなどの有機臭素系化合物;ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、o−フタルアルデヒドなどのアルデヒド系化合物;3−メチル−4−イソプロピルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、o−フェニルフェノール、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルなどのフェノール系化合物;8−オキシキノリン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、(2−ピリジルチオ−1−オキシド)ナトリウムなどのピリジン系化合物;N,N',N''−トリスヒドロキシエチルヘキサヒドロ−S−トリアジン、N,N',N''−トリスエチルヘキサヒドロ−S−トリアジンなどのトリアジン系化合物;3,4,4’−トリクロロカルバニリド、3−トリフルオロメチル−4,4’−ジクロロカルバニリドなどのアニリド系化合物;2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンズイミダゾールなどのチアゾール系化合物;2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルなどのイミダゾール系化合物;1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、(RS)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ヘキサン−2−オール、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、α−(クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル−1H−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール系化合物;2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリルなどのニトリル系化合物;4,5−ジクロロ−1,2−ジチオラン−3−オン、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどの有機塩素系化合物;3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、ジヨードメチル−p−トリルスルホン、2,3,3−トリヨードアリルアルコールなどの有機ヨード系化合物等が挙げられる。これらの中でもイソチアゾリン系の抗菌剤が好ましい。これら抗菌剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
以上説明した本発明の油剤組成物は、動粘度の異なるポリジメチルシロキサンを2種類以上含有することで、耐炎化工程での集束性を維持しつつ、油剤成分の熱変質であるゲル化を抑制し、安定した操業性を確保できる。油剤本来の役割である単繊維間の融着も効果的に防止できる。その結果、機械的物性に優れた炭素繊維束を、安定な連続操業によって得ることを可能とする。
このように、本発明の油剤組成物によれば、従来のポリジメチルシロキサンを主成分とする油剤組成物の問題と、ポリジメチルシロキサンの含有率を低減した油剤組成物の問題を共に解決でき、安定した操業性と、安定した炭素繊維性能の発現を可能とする。
[炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法]
本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法においては、上述した本発明の油剤組成物を、水膨潤状態の前駆体繊維束に付与する工程(油剤組成物付与処理)を行い、ついで油剤組成物付与処理された前駆体繊維束を乾燥緻密化する工程を行う。
以下、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法における各工程について詳しく説明する。
(紡糸)
本発明に用いる、油剤組成物付与処理前の前駆体繊維束としては、公知技術により紡糸されたアクリル繊維束を用いることができる。具体的には、アクリロニトリル系重合体を紡糸して得られるアクリル繊維束が挙げられる。
アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリルを主な単量体とし、これを重合して得られる重合体である。アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリルのみから得られるホモポリマーであってもよく、主成分であるアクリロニトリルに加えて他の単量体を併用したアクリロニトリル系共重合体であってもよい。
アクリロニトリル系共重合体におけるアクリロニトリル単位の含有量は、96.0〜98.5質量%であることが焼成工程での繊維の融着防止、共重合体の耐熱性、紡糸原液の安定性、および炭素繊維にした際の品質の観点でより好ましい。アクリロニトリル単位が96質量%以上の場合は、炭素繊維に転換する際の焼成工程で繊維の融着を招くことなく、炭素繊維の優れた品質および性能を維持できるので好ましい。また、共重合体自体の耐熱性が低くなることもなく、前駆体繊維を紡糸する際、繊維の乾燥あるいは加熱ローラーや加圧水蒸気による延伸のような工程において、単繊維間の接着を回避できる。一方、アクリロニトリル単位が98.5質量%以下の場合には、溶剤への溶解性が低下することもなく、紡糸原液の安定性を維持できると共に共重合体の析出凝固性が高くならず、前駆体繊維の安定した製造が可能となるので好ましい。
共重合体を用いる場合のアクリロニトリル以外の単量体としては、アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体から適宣選択することができ、耐炎化反応を促進する作用を有するアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、または、これらのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩、アクリルアミド等の単量体から選択すると、耐炎化を促進できるので好ましい。
アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有ビニル系単量体がより好ましい。アクリロニトリル系共重合体におけるカルボキシル基含有ビニル系単量体単位の含有量は0.5〜2.0質量%が好ましい。これらビニル系単量体は、1種単独で用いても良よく、2種以上を併用してもよい。
紡糸の際には、アクリロニトリル系重合体を、溶剤に溶解し紡糸原液とする。このときの溶剤には、ジメチルアセトアミドあるいはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤、または塩化亜鉛やチオシアン酸ナトリウム等の無機化合物水溶液等、公知のものから適宜選択して使用することができる。これらの中でも、生産性向上の観点から凝固速度が早いジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドおよびジメチルホルムアミドが好ましく、ジメチルアセトアミドがより好ましい。
また、緻密な凝固糸を得るためには、紡糸原液の重合体濃度がある程度以上になるように紡糸原液を調整することが好ましい。具体的には、紡糸原液中の重合体濃度が17質量%以上になるように調整することが好ましく、より好ましくは19質量%以上である。
なお、紡糸原液は適正な粘度・流動性を必要とするため、重合体濃度は25質量%を超えない範囲が好ましい。
紡糸方法は、上述した紡糸原液を直接凝固浴中に紡出する湿式紡糸法、空気中で凝固する乾式紡糸法、および一旦空気中に紡出した後に浴中凝固させる乾湿式紡糸法など公知の紡糸方法を適宜採用できるが、より高い性能を有する炭素繊維束を得るには湿式紡糸法または乾湿式紡糸法が好ましい。
湿式紡糸法または乾湿式紡糸法による紡糸賦形は、紡糸原液を円形断面の孔を有するノズルより凝固浴中に紡出することで行うことができる。凝固浴としては、紡糸原液に用いられる溶剤を含む水溶液を用いるのが溶剤回収の容易さの観点から好ましい。
凝固浴として溶剤を含む水溶液を用いる場合、水溶液中の溶剤濃度は、ボイドがなく緻密な構造を形成させ高性能な炭素繊維束を得られ、かつ延伸性が確保でき生産性に優れる等の理由から、50〜85質量%、凝固浴の温度は10〜60℃が好ましい。
(延伸処理)
重合体あるいは共重合体を溶剤に溶解し、紡糸原液として凝固浴中に吐出して繊維化して得た凝固糸には、凝固浴中または延伸浴中で延伸する浴中延伸を行うことができる。あるいは、一部空中延伸した後に、浴中延伸してもよく、延伸の前後あるいは延伸と同時に水洗を行って水膨潤状態の前駆体繊維束を得ることができる。
浴中延伸は、通常50〜98℃の水浴中で1回あるいは2回以上の多段に分割するなどして行い、空中延伸と浴中延伸の合計倍率が2〜10倍になるように凝固糸を延伸するのが、得られる炭素繊維束の性能の点から好ましい。
(油剤組成物付与処理)
前駆体繊維束への油剤組成物の付与には、本発明の油剤組成物を水または溶剤に分散させた油剤組成物分散液を用いる。油剤組成物分散液がエマルションである場合は、その平均粒子径が0.01〜0.50μmのミセルを形成させた油剤組成物分散液を用いる。
ミセルの平均粒子径が上記範囲内であれば、前駆体繊維束の表面に油剤組成物を均一に付与できる。
なお、油剤組成物分散液中のミセルの平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、商品名:LA−920)を用いて測定することができる。
油剤組成物分散液の調整方法は、ポリジメチルシロキサンが分散媒に分散できれば公知の手法を用いることができる。
油剤組成物分散液は、例えば以下のようにして調製できる。混合するポリジメチルシロキサンを混合攪拌しながら、そこに非イオン系界面活性剤を加えて分散し、さらに水または溶剤を加えることで油剤組成物が水中に分散した油剤組成物分散液が得られる。
溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メトキシブタノール、ブチルセロソルブ等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等、または塩化亜鉛やチオシアン酸ナトリウム等の無機化合物水溶液などが挙げられる。
酸化防止剤を添加させる場合は、酸化防止剤を予めポリジメチルシロキサン混合物に溶かしておくことが好ましい。また、帯電防止剤および/または抗菌剤を添加させる場合は、油剤組成物にイオン交換水を加えて油剤組成物分散液とした後に添加攪拌することが好ましい。
各成分の混合または水中分散は、プロペラ攪拌、ホモミキサー、ホモジナイザー等を使って行うことができる。特に、150MPa以上に加圧可能な超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。
油剤組成物分散液中の油剤組成物の濃度は、2〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、20〜30質量%が特に好ましい。油剤組成物の濃度が2質量%以上であれば、油剤組成物を所定の濃度に希釈することが可能であり、油剤組成物分散液の保管量、輸送量が少なくてすむ。一方、油剤組成物の濃度が40質量%以下であれば、油剤組成物分散液が安定となりミセルの破壊が起こりにくくなる。
本発明の油剤組成物を水膨潤状態の前駆体繊維束に付与する際、前記油剤組成物分散液は、さらにイオン交換水を加えて所定の濃度に希釈して用いることが好ましい。
なお、「所定の濃度」とは油剤組成物が前駆体繊維束に適正量付着させるために油剤組成物付与時の前駆体繊維束の状態によって調整される濃度である。
本発明において、水膨潤状態の前駆体繊維束に付与する、油剤組成物分散液を所定の濃度に希釈した液を「油剤」と呼ぶ。
油剤組成物の前駆体繊維束への付与は、上述した浴中延伸後の水膨潤状態の前駆体繊維束に、油剤を付与することにより行うことができる。
浴中延伸の後に洗浄を行う場合は、浴中延伸および洗浄を行った後に得られる水膨潤状態の繊維束に油剤を付与することもできる。
油剤組成物を水膨潤状態の前駆体繊維束に付与する方法としては、油剤組成物が水中に分散した油剤組成物分散液を、さらにイオン交換水を加えて所定の濃度に希釈して油剤とした後、水膨潤状態の前駆体繊維束に付着させる手法を用いることができる。
油剤を水膨潤状態の前駆体繊維束に付着させる方法としては、ローラーの下部を油剤に浸漬させ、そのローラーの上部に前駆体繊維束を接触させるローラー付着法、ポンプで一定量の油剤をガイドから吐出し、そのガイド表面に前駆体繊維束を接触させるガイド付着法、ノズルから一定量の油剤を前駆体繊維束に噴射するスプレー付着法、油剤の中に前駆体繊維束を浸漬した後にローラー等で絞って余分な油剤を除去するディップ付着法等の公知の方法を用いることができる。
これらの方法の中でも、均一付着の観点から、前駆体繊維束に十分に油剤を浸透させ、余分な処理液を除去するディップ付着法が好ましい。より均一に付着するためには油剤付与工程を2つ以上の多段にし、繰り返し付与することも有効である。
(乾燥緻密化処理)
油剤が付与された前駆体繊維束は、続く乾燥工程で乾燥緻密化される。乾燥緻密化の温度は、繊維のガラス転移温度を超えた温度で行う必要があるが、実質的には含水状態から乾燥状態によって異なることもある。例えば温度が100〜200℃程度の加熱ローラーによる方法にて緻密乾燥化するのが好ましい。このとき加熱ローラーの個数は、1個でもよく、複数個でもよい。
(二次延伸処理)
乾燥緻密化した前駆体繊維束には、更に延伸処理を施すのが好ましい。延伸方法としては、加圧あるいは常圧水蒸気による水蒸気延伸、熱盤延伸、加熱ローラーによる延伸等、公知の延伸技術を用いることができる。
上記の中でも、安定した均一延伸が可能な加熱ローラーによる延伸処理が好ましい。該延伸処理により、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維束の緻密性や配向度をさらに高めることができる。特に、加熱ローラーにより緻密乾燥化した前駆体繊維束を搬送させながら、ローラー速度を変えることで、1.1〜4.0倍に延伸することで、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維束の緻密性や配向度をより向上できる。
加熱ローラーの温度としては150〜200℃程度が好ましい。加熱ローラーの温度が150℃以上であると、延伸をかけた際に毛羽の発生を抑制しやすく、続く炭素化工程で繊維束がローラーに巻き付く工程障害による操業性の低下を抑制しやすくなる。一方、加熱ローラーの温度が200℃以下であると、酸化反応や分解反応などが抑制しやすく、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を焼成して得られる炭素繊維束の品質の低下を抑制しやすくなる。
乾燥緻密化処理および二次延伸処理を経て得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維束は、室温のロールを通し、室温まで冷却した後にワインダーでボビンに巻き取られる、あるいはケンスに振込まれて収納される。
そして、炭素繊維前駆体アクリル繊維束は焼成工程に移され、炭素繊維束となる。
以上説明したように、本発明の油剤組成物を用いると、集束性に優れた炭素繊維前駆体アクリル繊維束を生産性よく製造できる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例に用いた各成分、および各種測定方法、評価方法は以下の通りである。
[成分]
<ポリジメチルシロキサン>
・A−1:
ジメチル、(アミノエチル・アミノプロピル)メチルシロキサン、粘度80mm/s(25℃)、(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:BY−205)
・A−2:
ジメチル、(アミノエチル・アミノプロピル)メチルシロキサン、粘度500mm/s(25℃)、(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名:TSF4702)
・A−3:
ジメチル、(アミノエチル・アミノプロピル)メチルシロキサン、粘度1000mm/s(25℃)、(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:FZ−3710)
・A−4:
ジメチル、(アミノプロピル)メチルシロキサン、粘度:1700mm/s(25℃)、(信越化学工業株式会社製、商品名:KF−864)
・A−5:
ジメチル、(アミノエチル・アミノプロピル)メチルシロキサン、粘度4000mm/s(25℃)、(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:FZ−3785)
<界面活性剤>
・B−1:
PO/EOブロック共重合型ポリエーテル(BASFジャパン株式会社製、商品名:Pluronic PE6800)
・B−2:
PO/EOブロック共重合型ポリエーテル(株式会社ADEKA製、商品名:アデカプルロニック L−44)
・B−3:
ノナエチレングリコールドデシルエーテル(日光ケミカルズ株式会社、商品名:NIKKOL BL−9EX)
[測定・評価]
<油剤付着量の測定>
油剤を付与し、乾燥緻密化、延伸して得た炭素繊維前駆体アクリル繊維束を約2g採取し、105℃で1時間乾燥した乾燥繊維質量wを測定した。その後、メチルエチルケトンによるソックスレー抽出法に準拠し、90℃のメチルエチルケトンに炭素繊維前駆体アクリル繊維束を8時間浸漬して付着した油剤を溶媒抽出し、105℃で1時間乾燥した乾燥繊維質量wを測定し、下記式(i)により油剤の付着量を求めた。
油剤付着量[質量%]=(w−w)/w×100 ・・・(i)
<操業性の評価>
炭素繊維前駆体アクリル繊維束を24時間連続して製造した時に、搬送ロールへ単糸が巻き付き、除去した頻度により、操業性の評価をした。評価基準は次の通りとした。
○:除去回数(回/24時間)≦1
△:除去回数(回/24時間)2〜5
×:除去回数(回/24時間)>5
<単繊維間融着数の測定>
炭素繊維束を長さ3mmに切断し、アセトン中に分散させ、10分間攪拌した後の全単繊維数と、単繊維同士が融着している数(融着数)を計算し、単繊維100本当たりの融着数を算出し、以下の評価基準にて評価した。
○:融着数(個/100本)≦1
×:融着数(個/100本)>1
<ストランド強度の測定>
炭素繊維束の製造を開始し、定常安定化した状態で炭素繊維束のサンプリングを行い、JIS−R−7608に規定されているエポキシ樹脂含浸ストランド法に準じて、炭素繊維束のストランド強度を測定した。なお、測定回数は10回とし、その平均値を評価の対象とした。
<油剤耐熱性評価>
アルミシャーレ(直径45mm、深さ10mm)に本発明の油剤組成物を30wt%の濃度でイオン交換水に分散させた油剤原体2.0gを精秤し、105℃で2時間予備乾燥後、空気中250℃で5時間加熱する。一定時間毎に観察を行い(目視)、ゲルが発生し始めるまでの時間(ゲル開始時間)と3時間経過後のゲル化した部位の割合(ゲル化度)を評価した。
[実施例1]
<油剤の調製>
ポリジメチルシロキサンを予め十分に混合した後に、界面活性剤を混合攪拌しながら、油剤組成物の濃度が30質量%になるようにイオン交換水をさらに加え、ホモミキサーで乳化した。この状態でのミセルの平均粒子径をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、装置名:LA−920)を用いて測定したところ、3μm程度であった。
その後、高圧ホモジナイザーにより、ミセルの平均粒子径が0.3μm以下になるまで分散し、油剤組成物分散液(エマルション)を得た。さらに、イオン交換水を加えて油剤組成物分散液の濃度が1.5質量%になるように油剤を調整した。
油剤組成物を構成する各成分の種類と配合量(質量部)を表1に示す。
<炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造>
油剤組成物を付着させる前駆体繊維束は、次の方法で調製した。アクリロニトリル系共重合体(組成比:アクリロニトリル/アクリルアミド/メタクリル酸=96.5/2.7/0.8(質量比))をジメチルアセトアミドに溶解し、紡糸原液を調製し、濃度60質量%、温度35℃のジメチルアセトアミド水溶液を満たした凝固浴中に孔径(直径)45μm、孔数60000の紡糸ノズルより吐出し凝固糸とした。凝固糸は水洗槽中で脱溶媒するとともに5.0倍に延伸して水膨潤状態の前駆体繊維束とした。
先に調整した油剤を満たした油剤処理槽に、前記水膨潤状態の前駆体繊維束を導き、油剤を付与させた。
その後、油剤が付与された前駆体繊維束を表面温度180℃のロールにて乾燥緻密化した後に、表面温度190℃のロールを用い2.0倍延伸を施し炭素繊維前駆体アクリル繊維束を得た。
得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の油剤付着量を測定し、製造中の操業性を評価した。結果を表1に示す。
<炭素繊維束の製造>
得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束を、220〜260℃の温度勾配を有する耐炎化炉に通して耐炎化し、耐炎化繊維束とした。引き続き、該耐炎化繊維束を窒素雰囲気中で400〜1400℃の温度勾配を有する炭素化炉で焼成して炭素繊維束とした。得られた炭素繊維束の単繊維間融着数、ストランド強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2〜5]
油剤組成物を構成する各成分の種類と配合量を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして油剤を調製し、炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束を製造し、各測定および評価を実施した。結果を表1に示す。
[比較例1〜4]
油剤組成物を構成する各成分の種類と配合量を表2に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして油剤を調製し、炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束を製造し、各測定および評価を実施した。結果を表2に示す。
表1


表1から明らかなように、各実施例の場合、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造過程の操業性は良好であった。
各実施例で得られた炭素繊維束は、単繊維間の融着数が実質的に無く、ストランド強度が高い数値を示し、機械的物性に優れていた。
一方、比較的低粘度のA−1のみを含有した比較例1場合、ゲル化し難く、操業性も良好であったが、実施例と比較して得られた炭素繊維のストランド強度が低かった。また、A−1と比較して粘度が高いA−3,4,5のみを含有した比較例2〜4の場合、油剤組成物がゲル化しやすく、実施例のいずれと比較しても操業安定性に劣っていた。また、得られた炭素繊維の有着数も多く、ストランド強度の値も低かった。
本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物は、焼成工程での単繊維間の融着を効果的に抑制できる。さらに、ポリジメチルシロキサンを主成分とする油剤組成物を使用する場合に発生する操業性低下を抑制でき、かつ、集束性が良好な炭素繊維前駆体アクリル繊維束を得ることができる。該炭素繊維前駆体アクリル繊維束からは、機械的物性に優れた炭素繊維束を生産性よく製造できる。
本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維束から得られた炭素繊維束は、プリプレグ化したのち複合材料に成形することもできる。また、炭素繊維束を用いた複合材料は、ゴルフシャフトや釣り竿などのスポーツ用途、さらには構造材料として自動車や航空宇宙用途、また各種ガス貯蔵タンク用途などに好適に用いることができ、有用である。

Claims (6)

  1. ポリジメチルシロキサンを2種類以上含有し、そのうちのいずれの2種間でも下記式(1)が成り立つ炭素繊維駆体アクリル繊維用油剤組成物。
    η/η≧5 ・・・(1)
    (ηは粘度が高い方のポリジメチルシロキサンの粘度、ηは粘度が低い方のポリジメチルシロキサンの粘度[mm/s、25℃における])
  2. 前記ポリジメチルシロキサンが、アミノ基で修飾された構造を持つ変性ポリジメチルシロキサンである請求項1に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物。
  3. 前記ポリジメチルシロキサンにおいて、下記式(2)が成り立つ請求項1または2に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物。
    /W≧4 ・・・(2)
    (Wは粘度の低い方、Wは粘度が高い方の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物中の含有率)
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物が、水または溶剤に分散している、炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液。
  5. 前記炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物が、平均粒子径0.01〜0.50μmのミセルを形成している、請求項4に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物を水または溶剤に分散させて、平均粒子径0.01〜0.50μmのミセルを形成させた炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液を水膨潤状態の前駆体繊維束に付与する工程と、炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液が付与された前駆体繊維束を乾燥緻密化する工程とを有する、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法。
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