JP2014201683A - 融雪塗料およびこれを利用した施工方法、融雪システム - Google Patents

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孝 神谷
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Abstract

【課題】安定で優れた融雪効果を奏し、融雪、融氷のためのコストを抑制することができる融雪塗料を提供すること。【解決手段】樹脂と、ニッケル粉と、アミノ酸またはセルロースのうちの少なくともいずれかとを含有し、乾燥状態の抵抗率が10-3〜10-1Ω・cmである融雪塗料とする。【選択図】なし

Description

本発明は、融雪塗料およびこれを利用した施工方法、融雪システムに関する。
従来より、積雪地域において、屋根に積もった雪の融雪を目的として様々な屋根材が提案されている。具体的には、例えば、特許文献1には、アルミニウムまたは合金からなる屋根材であって、その上側表面に伝熱面積を増大させるための凹凸面が形成され、かつ、その下側表面にセラミックス溶射層または黒色系塗料の被膜層を有する融雪用屋根材が記載されている。
さらに、特許文献2には、膜構造建造物の室内側の膜の表面に、プライマーを塗布した被塗膜面に合成樹脂エマルジョン組成物に黒鉛質炭素及び感熱電気抵抗組成物をフィラーにした発熱塗料を塗布して発熱塗膜層を積層し、この上に同種合成樹脂エマルジョン組成物に圧縮強度600kgf/cm以上で嵩比重0.3〜0.5g/cm、融点1500℃以上のセラミック微細中空粒子を配合してなる断熱塗料を塗布して断熱層を形成せしめ、この表面に上塗り塗料を塗布して表面保護塗膜層とし、発熱塗膜層に通電することを特徴とする膜構造、鉄骨構造建造物等の融雪方法が記載されている。
特開平9-228575号公報 特開2006-169929号公報
しかしながら、特許文献1のような屋根材は特殊な形状、被膜組成であるため、汎用性に欠け、コストを抑制することが難しいという問題がある。
一方、特許文献2の融雪方法の場合、発熱塗膜層の発熱が不安定になる場合があり、必ずしも十分な融雪効果が得られないという問題があった。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、安定で優れた融雪効果を奏し、融雪のためのコストを抑制することができる融雪塗料を提供することを課題としている。また、このような融雪塗料を利用した施工方法、融雪システムを提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の融雪塗料は、樹脂と、ニッケル粉と、アミノ酸またはセルロースのうちの少なくともいずれかとを含有し、乾燥状態の抵抗率が10-3〜10-1Ω・cmであることを特徴としている。
この融雪塗料では、樹脂は、アクリルシリコン樹脂であることが好ましい。
この融雪塗料では、さらに、銀化合物を含むことが好ましい。
この融雪塗料では、さらに、銅粉を含むことが好ましい。
この融雪塗料では、さらに、カーボンナノ材料を含むことが好ましい。
この融雪塗料では、さらに、シリカを含むことが好ましい。
この融雪塗料では、さらに、酸化チタンを含むことが好ましい。
本発明の施工方法は、所望の対象物に融雪効果を付与するための施工方法であって、以下の工程:融雪効果を付与すべき対象物の表面に遮熱塗料を塗布して、プライマー層を形成する工程;前記プライマー層の表面に、請求項1から7のいずれかの融雪塗料を塗布して、発熱塗膜層を形成する工程;および前記発熱塗膜層の表面に遮熱塗料を塗布して、コーティング層を形成する工程を含むことを特徴としている。
この施工方法では、プライマー層およびコーティング層を形成する遮熱塗料は、アミノ酸金属塩、エポキシアルコキシシラン、チタン粉末およびアクリル系エマルジョンを含有することが好ましい。
この施工方法では、プライマー層、発熱塗膜層およびコーティング層の塗膜厚が、それぞれ50μm〜300μmであることが好ましい。
この施工方法では、融雪効果を付与すべき対象物が傾斜面を有し、この傾斜面にプライマー層、発熱塗膜層およびコーティング層を形成することが好ましい。
本発明の融雪システムは、遮熱塗料によって形成されたプライマー層と、請求項1から7のいずれかの融雪塗料によって形成された発熱塗膜層と、遮熱塗料によって形成されたコーティング層とを含む融雪積層塗膜、および、前記発熱塗膜層に通電可能な通電手段を含むことを特徴としている。
本発明の住宅建材は、前記融雪塗料が塗布されていることを特徴としている。
本発明の融雪塗料によれば、安定で優れた融雪効果を奏し、融雪、融氷のためのコストを安く抑えることができる。
滑落時間(t)と電圧(V)との関係を示した図である。
本発明の融雪塗料は、樹脂と、ニッケル粉と、アミノ酸またはセルロースのうちの少なくともいずれかとを含有する。
融雪塗料に含まれる樹脂は、混和性などの他、作業効率や使用条件などを考慮して適宜選択することができる。
具体的には、樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ホットメルト型樹脂系(スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレンゴム(SIS))、スチレン・イソプレン・ブタジエン・スチレンゴム(SIBS)、スチレン・ブタジエン・スチレンゴム(SBS)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、メチルメタアクリレート・ブタジエンゴム(MBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンゴム(SEPS)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンゴム(SEBS)、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレンゴム(SEEPS)、ポリアミド樹脂、溶剤型樹脂系(アクリル樹脂)、酢酸ビニル或いは酢酸ビニルとアクリル酸エステル、ベオバ、などが共重合された酢ビ系樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニル、エチレン、アクリル酸エステルなどが共重合された塩化ビニル系樹脂、スチレンとアクリル酸エステルなどが共重合されたスチレン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、変性シリコン樹脂、水分散型樹脂系(合成ゴム系ラテックスの具体例としてはスチレン・ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、メチルメタアクリレート・ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどのカルボキシル変性したもの、湿気硬化型樹脂である変性シリコン樹脂、シアノアクリレート樹脂、ウレタン樹脂などを例示することができる。
また、樹脂には、合成樹脂系エマルジョンである各種アクリル酸エステルなどのアクリル系モノマーを使用して調製されたアクリル酸エステル樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル或いは酢酸ビニルとアクリル酸エステル、ベオバなどのコモノマーとを共重合した酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、塩化ビニルと酢酸ビニル、エチレン、アクリル酸エステルなどコモノマーとが重合された塩化ビニル樹脂系エマルジョン、スチレンとアクリル酸エステルなどコモノマーとが共重合されたスチレン樹脂系エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル共重合系エマルジョンなども含まれる。
なかでも、アクリルシリコン樹脂は、安価で、安定性、耐光性に優れているため、融雪塗料に特に好ましく使用することができる。この場合、必要に応じて界面活性剤や水溶性ポリマーを添加し、ニッケル粉などの導電性金属粉の水分散性を高めることができる。界面活性剤は、導電性金属粉の分散性を考慮して、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性のなかから適宜選択することができる。
さらに、樹脂には、重合触媒、硬化剤などが配合される。
重合触媒としては、過酸化物、アゾビス化合物等が挙げられ、過酸化物としては、例えば過酸化ジブチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、クメンハイドロ過酸化物等、アゾビス化合物としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライドなどを例示することができる。
硬化剤としては、ジシアンジアミド系化合物、酸無水化合物(テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二水和物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、ドデセ二ル無水コハク酸、脂肪族二塩基酸ポリ酸無水物、クロレンド酸無水物)、フェノール系化合物(フェノールノボラック、キシリレンノボラック、ビスAノボラック、オルソクレゾールノボラック、アミノトリアジンノボラック、トリフェニルメタンノボラック、ビフェニルノボラック、ジシクロペンタジエンフェノールノボラックテルペンフェノールノボラック)、イミダゾール系化合物(2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−〔2−メチルイミダゾリル−(1)〕エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾリン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔1,2−a〕ベンズイミダゾール)、イソシアネート系化合物などを例示することができる。
融雪塗料中のニッケル粉の配合量は、塗料全体の1〜20%であることが好ましい。ニッケル粉は、導電性を有し、電気抵抗を調節することができるため、融雪効果を高めることができる。
さらに、融雪塗料には、例えば、銅粉、銀粉、銀メッキ銅粉などの金属フィラーを配合することができる。特に、銅粉は安価であるため、融雪効果を確保しつつ、コストを抑制することができる。
金属フィラーの配合量は、融雪塗料全体に対して5〜50%(重量%)の範囲を例示することができ、この範囲であると、融雪塗料のコストを抑えつつ、確実に融雪効果を発揮させることができる。
また、融雪塗料に、銅化合物を配合することもできる。銅化合物は、融雪塗料内で銅イオンの形態で存在することが好ましく、これによって融雪効果を高めることができる。
さらに、融雪塗料には、硝酸銀などの銀化合物を配合することもできる。銀化合物は、融雪塗料中の銀イオンの濃度が100〜1000ppmの範囲となるように調製されることが好ましい。銀イオンの濃度がこの範囲であると、優れた融雪効果を発揮することができる。
融雪塗料に配合することができるアミノ酸としては、銀、銅などの金属(イオン)と反応して錯化合物(アミノ酸金属塩)を形成することのできる中性アミノ酸、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸、含硫アミノ酸、芳香属アミノ酸及び異節環状アミノ酸などを例示することができる。具体的には、好ましいアミノ酸の例としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ルイシン、セリン、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、オキシプロリン、ヒドロキシプロテイン等、及びそれらのエステル類が挙げることができる。なかでも、L−システインは、銀イオンや銅イオン、金属フィラーとの分子間結合力に優れているため特に好ましい。
さらに、融雪塗料には、セルロースを配合することができる。セルロースは、アミノ酸と同様に、ニッケルイオン、銀イオン、銅イオン、金属フィラーとの分子間結合力を有しており、融雪効果を一層高めることができる。
また、融雪塗料には、カーボンナノ材料を配合することができる。融雪塗料に導電性を有するカーボンナノ材料を配合することで、融雪効果を一層高めることができる。
カーボンナノ材料としては、導電性を有する公知の種々カーボンナノ材料を用いることができ、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラファイトナノファイバー、カーボンナノファイバーなどを挙げることができる。
カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素6員環が連なったグラファイトの1層(グラフェンシート)を丸めた円筒状の物質で、CNTには、1層のみからなる単層CNT(single−walledCNT:SWCNT)と、何層もが同心筒状になった多層CNT(multi−walledCNT:MWCNT)があり、一般に、外径2〜70nmで、長さが直径の10倍以上である円筒状の中空繊維状のものであって、炭素含有ガスの気相分解反応や、炭素棒・炭素繊維等を用いたアーク放電法等によって得られるものである。また、その末端形状は、必ずしも円筒状である必要はなく、例えば円錐状等変形していてもよい。さらに末端は、閉じた構造でも開いた構造のどちらでもよい。
カーボンナノホーンは、カーボンナノチューブに類似した一種であって、特に先端を細く尖らせたものである。これは、両末端の直径が異なり、大きい部分と小さい部分に挟まれた円錐あるいは円錐台状の構造を言うが、製造方法、内包化の方法もカーボンナノチューブに準じて実施することができ、カーボンナノチューブの変形として位置付けることができる。
また、中空形状であるカーボンナノチューブに代えて、グラフェンが中心まで詰まっているカーボンナノファイバーや、コイル形状のカーボンナノコイルを用いてもよい。
このようなカーボンナノ材料は導電性を有しており、融雪塗料に配合することで、融雪効果を確実に高めることができる。
また、カーボンナノ材料の配合量は、例えば、融雪塗料の全体量に対して0.01〜10.0%程度の範囲であることが好ましい。カーボンナノ材料の配合量がこの範囲であると、より確実に融雪効果を発揮することができる。
また、本発明の融雪塗料には、必要に応じて、塗料分野で使用されている各種の添加物を添加することができる。例えば、リン酸水素ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンや低分子ハロゲン化合物等の分子量調整剤、キレート化剤、可塑剤、有機溶剤等を樹脂混合の前期・中期・後期に添加することができる。
また、ロジン系、ロジン誘導体系、テルペン樹脂系、テルペン誘導体系等の天然系タッキファイヤーや、石油樹脂系、スチレン樹脂系、クマロンインデン樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系の合成樹脂系のタッキファイヤー、液状ニトリルゴム、シリコンゴム等のゴム成分、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ、二酸化チタン、三酸化アンチモン等の体質顔料の他、(殺菌剤、防腐剤、消泡剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、pH調整剤、界面活性剤、着色顔料、体質顔料、防錆顔料等)を添加してもよい。さらに、耐光性向上を目的として各種の酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加しても良い。
また、本発明の融雪塗料には、必要に応じて、カーボンナノ材料や金属フィラーの分散性を高めるための分散剤を添加することも好ましい。
さらに、本発明の融雪塗料には、シリカを配合することもできる。シリカを配合することで耐酸化性を高めることができるため、融雪塗料への添加物として好ましく使用することができる。また、分子間の結合性の観点から、シリカは不整形で多孔質なものが好ましい。
さらに、本発明の融雪塗料には、二酸化チタンを配合することもできる。二酸化チタンは、光触媒作用によって有機物の分解を促進するため、融雪塗料に配合することで抗菌・防汚効果を付与することができるとともに、遮熱効果、融雪効果をも高めることができる。二酸化チタンは、例えば、ルチル(金紅石)、ブルカイト(板チタン石)、アナテース(鋭錐石)の粉砕品などを適宜使用することができるが、なかでも、ルチル(金紅石)は、ブルカイト(板チタン石)、アナテース(鋭錐石)と比較して体積が大きいため安価であり、また、他の物質(例えば銀イオンなど)との結合性が強いため特に好ましい。さらに、酸化チタンを配合する場合には、シリカとともに配合することで酸化力を制御することができるため、両者を併用することが特に好ましい。また、酸化チタンによって、融雪塗料に親水性を付与することができるため、塗布した融雪塗料の表面に水膜を形成することもでき、防汚効果を高めることができる。
本発明の融雪塗料は、特に、ニッケル粉、アミノ酸および/またはセルロースなどが配合されていることで、電気抵抗、熱伝導性が調整されている。本発明の融雪塗料は、塗布後の乾燥状態の抵抗率が10-3〜10-1Ω・cmであり、特に10-2Ω・cmであることが好ましい。融雪塗料の抵抗率がこの範囲であることで、通電によって安定に融雪塗料の温度を2〜20℃程度に上げることができる。したがって、例えば、建物の屋根、橋梁、広告看板、信号機、鉄塔、鉄道レールなどに融雪塗料を塗布して通電することで、これらに積もった雪や氷を溶解させることができる。例えば、家庭用の屋根に本発明の融雪塗料を施工する場合には、家庭用電源に接続して、20Aの電流で通電することが考慮される。
本発明の融雪塗料は、特に、傾斜面を有する対象物(傾斜屋根を有する建物など)に塗布することが好ましい。傾斜面の傾斜角度は、15〜45°の範囲が好ましく例示される。例えば、建物の傾斜屋根(傾斜面)に融雪塗料を塗布して傾斜屋根に積もった雪を融雪する場合、傾斜屋根(融雪塗料)と接する部分の雪を一部溶かすことで、屋根の傾斜に沿って積雪した雪の全体を滑落させることができるため、省エネルギーで効率的に傾斜屋根の雪を取り除くことができる。
また、本発明の融雪塗料は、例えば、瓦などの屋根材や外壁材などの住宅建材に塗布することもできる。
本発明の融雪塗料によれば、冬場の雪下ろしなどの作業負担が軽減され、また、これらの作業に伴う人的コストも大幅に低減される。なお、融雪塗料の発熱によって建物の屋根や橋梁に積もった雪をすべて溶かす必要はなく、融雪塗料と近接する雪が部分的に溶解すれば、積もった雪の大部分を下方に滑落させることができる。
本発明の融雪塗料は、上記の形態に限定されることはない。例えば、樹脂、銀化合物、銅粉、アミノ酸およびカーボンナノ材料、その他の添加物の配合量などは、融雪塗料を使用する対象、用途に応じて適宜設計することができる。
さらに、本発明の融雪塗料を利用した、施工方法および融雪システムについて説明する。
本発明の施工方法は、所望の対象物に融雪効果を付与するための施工方法である。対象物は特に限定されず、建物の屋根、橋梁、広告看板、信号機、鉄塔、鉄道レールなど適宜な対象物を選択することができる。
そして、本発明の施工方法は、具体的には、以下の工程:
(1)融雪効果を付与すべき対象物の表面に遮熱塗料を塗布して、プライマー層を形成する工程、
(2)前記プライマー層の表面に、請求項1から3のいずれかの融雪塗料を塗布して、発熱塗膜層を形成する工程;および
(3)前記発熱塗膜層の表面に遮熱塗料を塗布して、コーティング層を形成する工程
を含む。
工程(1)では、融雪効果を付与すべき対象物の表面に遮熱塗料を塗布して、プライマー層を形成する。遮熱塗料によるプライマー層を形成することで、対象物に融雪塗料(発熱塗膜層)の熱が及ぶのを抑制することができ、対象物の不具合などを抑制することができる。
プライマー層を形成する遮熱塗料は、水性塗料、有機溶媒型塗料、粉体塗料のいずれの形態であってもよいが、溶媒又は分散媒を含む液状塗料であることが望ましい。具体的には、例えば、遮熱塗料は、ビヒクルと、ビヒクルを溶解又は分散する液状媒体と、金属粉末とを含むことができる。
ビヒクルとしては、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、熱可塑性エラストマなどの熱可塑性樹脂、BR、SBR、NBR、CR、EPDM、フッ素ゴムなどのゴム類など、溶媒又は分散媒が蒸発することで被膜を形成するものを用いることができる。場合によっては、ポリオールとイソシアネートからなるウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることもできる。
ビヒクル及び液状媒体としては、水系エマルジョンを用いることが特に好ましい。水系エマルジョンとしては、アクリルエマルジョン、シリコンアクリルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、ウレタンアクリルエマルジョン、SBRエマルジョン、エポキシエマルジョンなどが例示され、また、水ガラス、コロイダルシリカなどの無機バインダも用途に応じて各種選択して用いることができる。
金属粉末は、熱反射性を有するものであって、チタン、アルミニウム、金、銀、インジウム、銅およびこれらの酸化物などの粉末が例示される。また、厳密な意味では金属ではないが、本発明では、表面に金属光輝層を形成し熱反射性を有する、シリカ、ガラス、マイカ、タルクなどの粉末も金属粉末に含むものとする。金属粉末の形状は特に限定されないが、例えば、球状、鱗片状などの形状を例示することができる。さらに、遮熱性を確保するためには、金属粉末は、遮熱塗料中に20質量%以上含まれていることが好ましい。特に、遮熱塗料はシリカが配合されていることが好ましく、これによって絶縁効果を高めることができる。
なかでも、遮熱塗料は、アミノ酸金属塩、エポキシアルコキシシラン、チタン粉末およびアクリル系エマルジョンを含有していることが特に好ましく、このような遮熱塗料は特に優れた遮熱効果を発揮する。
アミノ酸金属塩のアミノ酸の具体例としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トレオニン、トリプトファン、メチオニン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジンピドール酸、L−グルタミン酸、L−グルチム酸、L−グルチミン酸、L−グルタミン酸ラクタム、L−グルチミニン酸、L−ピロリドンカルボン酸、L−ピログルタミン酸、オキソプロリンのうちの1種または2種以上を例示することができる。これらの中でも、L−ピロリドンカルボン酸は、遮熱効果に優れているためより好ましい。
アミノ酸金属塩の金属としては、例えば、銀、銅、亜鉛、錫、アルミニウム、チタンなどを例示することができる。アミノ酸金属は分散し、金属がイオン化した状態となる。特に、銀イオン、亜鉛イオンは遮熱効果に優れているため好ましい。
アミノ酸金属塩として亜鉛塩を例にとって示すと、グリシン亜鉛、グルタミン酸亜鉛、アラニン亜鉛、バリン亜鉛、メチオニン亜鉛、リジン亜鉛などを例示することができる。
さらに、この遮熱塗料は、このようなアミノ酸金属塩を単独で配合してもよく、または2種以上を配合することができる。結合する金属の種類が異なるアミノ酸金属塩を2種以上混合することによって、遮熱効果を高めることができる。具体的には、アミノ酸銀、アミノ亜鉛の両方を混合して使用することが特に好ましい。
また、アミノ酸金属塩は、遮熱塗料の全量の0.0001%〜12%(重量%)、好ましくは、2%〜0.01%配合される。配合量が0.0001%以下である場合、遮熱効果を得ることが難しい。
そして、このようなプライマー層を形成する遮熱塗料としては、特に、アミノ酸金属塩、エポキシアルコキシシラン、チタン粉末およびアクリル系エマルジョンを含有するものが好ましく、このような遮熱塗料によれば、対象物に発熱塗膜層(融雪塗料)の熱が及ぶのを確実に抑制することができる。
このような遮熱塗料としては、遮熱効果、絶縁製効果に加え、有機物分解性を有し、抗菌・消臭効果に優れたものとして、n-tech株式会社「Blue on Tech」などを例示することができる。
また、プライマー層の塗膜厚は、乾燥時において50μm〜300μmであることが好ましい。これによって、コストを抑えつつも十分な遮熱効果を確保することができる。
工程(2)では、プライマー層の表面に、本発明の融雪塗料を塗布して、発熱塗膜層を形成する。
融雪塗料は上記の通りの特徴を有しており、ここでは説明は省略する。発熱塗膜層の塗膜厚は、乾燥時において50μm〜300μmであることが好ましい。これによって、コストを抑えつつも十分な融雪効果を確保することができる。
工程(3)では、発熱塗膜層の表面に遮熱塗料を塗布して、コーティング層を形成する。
コーティング層を形成する遮熱塗料は、プライマー層と同様の遮熱塗料を使用することができ、特に、アミノ酸金属塩、エポキシアルコキシシラン、チタン粉末およびアクリル系エマルジョンを含有するものが好ましい。このような遮熱塗料によれば、耐候性に優れるため、発熱塗膜層(融雪塗料)を保護することができ、長期に亘って融雪効果を維持することができる。
コーティング層の塗膜厚は、乾燥時において50μm〜300μmであることが好ましい。これによって、コストを抑えつつも十分な遮熱効果を確保し、発熱塗膜層を保護することができる。
本発明の施工方法によれば、プライマー層と、発熱塗膜層と、コーティング層とを含む融雪積層塗膜が形成され、発熱塗膜層に通電することで、安定に融雪塗料の温度を2〜20℃程度に上げることができる。したがって、例えば、建物の屋根や橋梁などの建築物に融雪積層塗膜を形成するように施工し、発熱塗膜層に通電することで、建物の屋根や橋梁に積もった雪や氷を溶解させることができる。さらに、プライマー層とコーティング層は、遮熱効果に優れているため、例えば、夏場の直射日光による室温上昇を抑制するこができる。すなわち、例えば、プライマー層と、発熱塗膜層と、コーティング層とを含む融雪積層塗膜を建物の屋根などに形成すれば、例えば、冬は発熱塗膜層に通電することで屋根に積もった雪を溶かすことができ、夏は遮熱効果で室内を涼しく快適に維持することができる。
さらに、プライマー層とコーティング層を形成する遮熱塗料は、シリカなどが配合されていることで絶縁性を有するため、融雪塗料への通電に際しての漏電が防止され、確実に安全性を確保することができる。
発熱塗膜層への通電の際の電圧、電流は、所望の発熱量が得られるように適宜設定することができる。具体的には、電圧は50〜400V、電圧は10〜100Aの範囲を例示することができ、例えば、一般家庭の屋根を対象とする場合は50〜100V、10〜50A、その他の大規模な対象物(鉄塔、鉄道レールなど)の場合は、100〜400V、30〜100Aの範囲から適宜設定することができる。
なお、融雪積層塗膜は、必ずしも建物の屋根などの全面に形成する必要はなく、融雪効果などを考慮して、格子状や縞状などのパターンとして部分的に形成することもできる。例えば、家屋の傾斜屋根に融雪積層塗膜を形成する場合、5m程度に区切って融雪積層塗膜を形成し、順次通電することができる。融雪積層塗膜(発熱塗膜層)の発熱によって、融雪積層塗膜と接する雪が一部溶けると(積雪量の1%程度)、屋根の傾斜に沿って、全体の雪が滑落するため、効率的に傾斜屋根の上の雪を除雪することができる。
また、本発明の融雪システムは、上記の融雪積層塗膜(プライマー層、発熱塗膜層、コーティング層)と、発熱塗膜層に通電可能な通電手段とを含む。
通電手段の構成は、特に限定されないが、例えば、電極、導電板、給電線、電力を調整するコントローラなどの公知の部材を含むことができる。また、通電手段は、例えば、通常の家庭用電源の電力を利用することもできるし、例えば、屋根などに配設された太陽光発電装置からの電力を利用することもできる。
本発明の融雪塗料、施工方法、融雪システムは、以上の実施形態に限定されることがなく、様々な態様が可能である。
以下、実施例とともに本発明の融雪塗料について説明するが、本発明の融雪塗料は、以下の実施例に何ら限定されるものではい。
1.融雪塗料の組成
酢酸エチルなどを含む有機溶媒に、ニッケル粉、アクリル樹脂を配合し、さらに微量のアミノ酸を添加した。ニッケル粉の配合量は、塗料全体に対して10wt%とし、アクリル樹脂は、塗料全体に対して3wt%とした。

2.融雪塗料の融雪効果の確認
(1)実験方法
融雪塗料の融雪効果の確認するため、簡易的な実験装置を作製した。具体的には、傾斜角約30度に傾斜させた板材(39.4cm×10cm)を用意した。
また、プライマー層として、「Blue on Tech」(n-tech株式会社製)を塗布し(塗膜厚:乾燥時で200μm)、このプライマー層の上に、発熱塗膜層として、前記組成の融雪塗料を塗布し(塗膜厚:乾燥時で200μm)、この発熱塗膜層の上に、コーティング層として、「Blue on Tech」(n-tech株式会社製)を塗布し(塗膜厚:乾燥時で200μm)、融雪積層塗膜が形成された塗装板を用意した。そして、この塗装板の表面に13cm×6cm×6cmの氷と小さい角状の氷を氷結させた。また、塗装板には電気接続のための銅板をクリップで固定した。塗装板への電力は、スライダックで電圧を調整し、スイッチを挟んで供給した。塗装板の電気抵抗は1.2Ωであった。
そして、板材の上に塗装板を配置し、融雪塗料に通電した際の、氷の滑落時間等を検討した。
(2)実験結果
測定値を表1に示す。 電圧の他は、電気抵抗を1.2Ωとした計算値である。
表1に示したように、融雪積層塗膜が形成された塗装板に通電することで、融雪積層塗膜は発熱し、氷を溶かして滑落させることができた。
また、図1は、滑落時間(t)と電圧(V)との関係を示した図である。滑落時間(t)は電圧(V)に反比例している。塗装板の電気抵抗(R)は1.2Ωで一定であるから電流(I)をI=V÷Rで計算する。入力エネルギーWをW=IVt(J)=0.24IVt(Cal)と計算すると(J:ジュール、Cal:カロリー、1J=0.24Cal)、Wは実験の誤差範囲内で一定である。このことは、電気入力が他に失われること無く氷の融解に使われることを示しており、融雪塗料の有効性を示している。

Claims (13)

  1. 樹脂と、ニッケル粉と、アミノ酸またはセルロースのうちの少なくともいずれかとを含有し、乾燥状態の抵抗率が10-3〜10-1Ω・cmであることを特徴とする融雪塗料。
  2. 樹脂は、アクリルシリコン樹脂であることを特徴とする請求項1の融雪塗料。
  3. さらに、銀化合物を含むことを特徴とする請求項1または2の融雪塗料。
  4. さらに、銅粉を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかの融雪塗料。
  5. さらに、カーボンナノ材料を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかの融雪塗料。
  6. さらに、シリカを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかの融雪塗料。
  7. さらに、酸化チタンを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかの融雪塗料。
  8. 所望の対象物に融雪効果を付与するための施工方法であって、以下の工程:
    融雪効果を付与すべき対象物の表面に遮熱塗料を塗布して、プライマー層を形成する工程;
    前記プライマー層の表面に、請求項1から7のいずれかの融雪塗料を塗布して、発熱塗膜層を形成する工程;および
    前記発熱塗膜層の表面に遮熱塗料を塗布して、コーティング層を形成する工程
    を含むことを特徴とする施工方法。
  9. プライマー層およびコーティング層を形成する遮熱塗料は、アミノ酸金属塩、エポキシアルコキシシラン、チタン粉末およびアクリル系エマルジョンを含有することを特徴とする請求項8の施工方法。
  10. プライマー層、発熱塗膜層およびコーティング層の塗膜厚が、それぞれ50μm〜300μmであることを特徴とする請求項8または9の施工方法。
  11. 融雪効果を付与すべき対象物が傾斜面を有し、この傾斜面にプライマー層、発熱塗膜層およびコーティング層を形成することを特徴とする請求項8から10のいずれかの施工方法。
  12. 遮熱塗料によって形成されたプライマー層と、
    請求項1から7のいずれかの融雪塗料によって形成された発熱塗膜層と、
    遮熱塗料によって形成されたコーティング層と、
    を含む融雪積層塗膜、および、前記発熱塗膜層に通電可能な通電手段を含むことを特徴とする融雪システム。
  13. 請求項1から7のいずれかの融雪塗料が塗布されていることを特徴とする住宅建材。


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