JP2015101033A - 遮熱シート状物および遮熱方法 - Google Patents

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Yoshio Aoki
美男 青木
潔 谷津
Kiyoshi Yatsu
潔 谷津
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Yasuo Suzuki
康夫 鈴木
孝 神谷
Takashi Kamiya
孝 神谷
猛裕 松永
Takehiro Matsunaga
猛裕 松永
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Abstract

【課題】防水シートなどの可撓性を有する樹脂製シート状物の表面に形成された塗膜の膨れや剥離、ひび割れなどの発生が抑制された遮熱シート状物を提供すること。【解決手段】可撓性を有する樹脂製シート状物の片面または両面に遮熱塗料による塗膜が形成されている遮熱シート状物であって、遮熱塗料は、樹脂、エポキシアルコキシシラン、酸化チタン粉末を含む遮熱シート状物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、遮熱シート状物および遮熱方法に関する。
従来より、屋上からの熱を遮断して屋内の温度上昇を抑制するために、屋上に断熱材を敷き詰め、その上に防水シートを敷設する断熱防水工法が行われている。この断熱防水工法によれば断熱効果は高いが、断熱材が外部からの熱を遮断するため、断熱材がない非断熱防水工法と比べて防水シートの表面温度が10〜15℃ほど高くなってしまう。そのため断熱防水工法では、逆に防水シートの熱劣化が促進され防水シートの耐久性が短くなってしまう。
そこで、特許文献1では、ガラス転移点が−20〜20℃の範囲にある熱可塑性樹脂に顔料を添加することにより、700〜2100nmの波長域における日射反射率が20%以上とされた防水シート用遮熱塗料が提案されている。
特開2004-156003号公報
しかしながら、特許文献1の防水シート用遮熱塗料においても、可撓性を有するシート物に対しての密着性、柔軟性(伸び率)は必ずしも十分であるとは言い難く、硬化後の塗膜に膨れや剥離が発生してしまう場合や、遮熱塗料シートの伸縮や動きに追従できずに塗膜にひび割れが発生してしまう場合がある。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、例えば防水シートなどの可撓性を有する樹脂製シート状物の表面に形成された遮熱塗料の塗膜の膨れや剥離、ひび割れなどの発生が抑制された遮熱シート状物、およびこの遮熱シート状物を利用した遮熱方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の遮熱シート状物は、可撓性を有する樹脂製シート状物の片面または両面に遮熱塗料による塗膜が形成されている遮熱シート状物であって、遮熱塗料は、樹脂、エポキシアルコキシシラン、酸化チタン粉末を含むことを特徴としている。
この遮熱シート状物では、遮熱塗料に含まれる樹脂が、アクリル系エマルジョンを含むことが好ましい。
この遮熱シート状物では、遮熱塗料に含まれるエポキシアルコキシシランが、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリイソプロピルシランのうちの1種または2種以上であることが好ましい。
この遮熱シート状物では、遮熱塗料は、さらに、アミノ酸金属塩を含むことが好ましい。
この遮熱シート状物では、アミノ酸金属塩の金属は、銀、亜鉛、チタンのうちの1種または2種以上であることが好ましい。
この遮熱シート状物では、アミノ酸金属塩のアミノ酸は、L−ピロリドンカルボン酸であることが好ましい
この遮熱シート状物では、遮熱塗料は、さらに、チタネート系カップリング剤を含むことが好ましい。
この遮熱シート状物では、樹脂製シート状物は、防水シート、テント、カーテン、ブラインド、窓ガラスフィルムのうちのいずれかであることが好ましい。
本発明の遮熱方法は、外部から対象物への熱伝導を抑制する遮熱方法であって、対象物に前記遮熱シート状物を配設することを特徴としている。
本発明の遮熱シート状物では、例えば防水シートなどの可撓性を有する樹脂製シート状物の表面に形成された塗膜の膨れや剥離、ひび割れなどの発生が抑制されるとともに、優れた遮熱効果が実現される。
本発明の遮熱シート状物は、可撓性を有する樹脂製シート状物の表面に、本発明の遮熱塗料による塗膜が形成されている。
樹脂性シート状物は、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコン樹脂などの合成樹脂を例示することができる。樹脂性シート状物の形態、用途は特に限定されず、防水シート、テント、カーテン、ブラインド、窓ガラスフィルム、不織布などを例示することができる。
樹脂製シート状物の表面に塗布される遮熱塗料は、樹脂、エポキシアルコキシシラン、酸化チタン粉末を含む。
具体的には、樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ホットメルト型樹脂系(スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレンゴム(SIS))、スチレン・イソプレン・ブタジエン・スチレンゴム(SIBS)、スチレン・ブタジエン・スチレンゴム(SBS)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、メチルメタアクリレート・ブタジエンゴム(MBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンゴム(SEPS)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンゴム(SEBS)、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレンゴム(SEEPS)、ポリアミド樹脂、溶剤型樹脂系(アクリル樹脂)、酢酸ビニル或いは酢酸ビニルとアクリル酸エステル、ベオバ、などが共重合された酢ビ系樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニル、エチレン、アクリル酸エステルなどが共重合された塩化ビニル系樹脂、スチレンとアクリル酸エステルなどが共重合されたスチレン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、変性シリコン樹脂、水分散型樹脂系(合成ゴム系ラテックスの具体例としてはスチレン・ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、メチルメタアクリレート・ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどのカルボキシル変性したもの、湿気硬化型樹脂である変性シリコン樹脂、シアノアクリレート樹脂、ウレタン樹脂などを例示することができる。
また、樹脂には、合成樹脂系エマルジョンである各種アクリル酸エステルなどのアクリル系モノマーを使用して調製されたアクリル酸エステル樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル或いは酢酸ビニルとアクリル酸エステル、ベオバなどのコモノマーとを共重合した酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、塩化ビニルと酢酸ビニル、エチレン、アクリル酸エステルなどコモノマーとが重合された塩化ビニル樹脂系エマルジョン、スチレンとアクリル酸エステルなどコモノマーとが共重合されたスチレン樹脂系エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル共重合系エマルジョンなども含まれる。なかでも、アクリル系エマルジョンを好ましく例示することができる。そして、アクリルシリコン樹脂は、安価で、安定性、耐光性に優れているため、遮熱塗料に特に好ましく使用することができる。
さらに、樹脂には、重合触媒、硬化剤などが配合される。
重合触媒としては、過酸化物、アゾビス化合物等が挙げられ、過酸化物としては、例えば過酸化ジブチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、クメンハイドロ過酸化物等、アゾビス化合物としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライドなどを例示することができる。
硬化剤としては、ジシアンジアミド系化合物、酸無水化合物(テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二水和物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、ドデセ二ル無水コハク酸、脂肪族二塩基酸ポリ酸無水物、クロレンド酸無水物)、フェノール系化合物(フェノールノボラック、キシリレンノボラック、ビスAノボラック、オルソクレゾールノボラック、アミノトリアジンノボラック、トリフェニルメタンノボラック、ビフェニルノボラック、ジシクロペンタジエンフェノールノボラックテルペンフェノールノボラック)、イミダゾール系化合物(2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−〔2−メチルイミダゾリル−(1)〕エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾリン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔1,2−a〕ベンズイミダゾール)、イソシアネート系化合物などを例示することができる。
遮熱塗料に含まれるエポキシアルコキシシランとしては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリイソプロピルシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのうちの1種または2種以上を例示することができる。
なかでも、架橋剤として、親水性の高いγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、疎水性を示すγ−アミノプロピルトリメトキシシランとを組み合わせて使用することが特に好ましい。これによって、遮熱効果を一層高めることができる。
また、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの場合、配合量は、遮熱塗料の全量に対して、0.05%〜15%であることが好ましく、0.05%〜5.0%であることがより好ましい。同様に、γ−アミノプロピルトリメトキシシランの場合、配合量は、遮熱塗料の全量に対して、0.05%〜15%であることが好ましく、0.05%〜5.0%であることがより好ましい。
酸化チタン粉末(二酸化チタン)の配合量は、遮熱塗料の全量に対して、0.1%〜30%であることが好ましく、15%〜20%であることがより好ましい。また、酸化チタン粉末の平均粒径は、例えば、0.1μm〜100μmの範囲を例示することができる。
酸化チタン粉末を構成する二酸化チタンは、光触媒作用によって有機物の分解を促進するため、遮熱塗料に配合することで抗菌・防汚効果を付与することができるとともに、遮熱効果も高めることができる。二酸化チタンは、例えば、ルチル(金紅石)、ブルカイト(板チタン石)、アナテース(鋭錐石)の粉砕品などを適宜使用することができるが、なかでも、ルチル(金紅石)は、ブルカイト(板チタン石)、アナテース(鋭錐石)と比較して体積が大きいため安価であり、また、他の物質(例えば銀イオンなど)との結合性が強いため特に好ましい。さらに、二酸化チタンを配合する場合には、シリカとともに配合することで酸化力を制御することができるため、両者を併用することが特に好ましい。また、二酸化チタンによって、遮熱塗料に親水性を付与することができるため、塗布した遮熱塗料の表面に水膜を形成することもでき、防汚効果を高めることができる。
さらに、遮熱塗料は、アミノ酸金属塩を含むことが好ましい。遮熱塗料にアミノ酸金属塩を配合することで、遮熱塗料に優れた抗菌性・消臭性を付与することができる。
アミノ酸金属塩のアミノ酸の具体例としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トレオニン、トリプトファン、メチオニン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジンピドール酸、L−システイン、L−グルタミン酸、L−グルチム酸、L−グルチミン酸、L−グルタミン酸ラクタム、L−グルチミニン酸、L−ピロリドンカルボン酸、L−ピログルタミン酸、オキソプロリンのうちの1種または2種以上を例示することができる。これらの中でも、L−ピロリドンカルボン酸は、遮熱効果に優れているためより好ましい。
アミノ酸金属塩の金属としては、例えば、銀、銅、亜鉛、錫、アルミニウム、チタンなどを例示することができる。アミノ酸金属は分散し、金属がイオン化した状態となる。特に、銀イオン、亜鉛イオンは抗菌・消臭効果に優れているため好ましい。
アミノ酸金属塩として亜鉛塩を例にとって示すと、グリシン亜鉛、グルタミン酸亜鉛、アラニン亜鉛、バリン亜鉛、メチオニン亜鉛、リジン亜鉛などを例示することができる。
さらに、この遮熱塗料は、このようなアミノ酸金属塩を単独で配合してもよく、または2種以上を配合することができる。結合する金属の種類が異なるアミノ酸金属塩を2種以上混合することによって、遮熱効果、抗菌効果、消臭効果を高めることができる。具体的には、アミノ酸銀、アミノ亜鉛の両方を混合して使用することが特に好ましい。
また、アミノ酸金属塩は、遮熱塗料の全量の0.0001%〜12%(重量%)、好ましくは、2%〜0.01%配合される。配合量が0.0001%以下である場合、遮熱効果を得ることが難しい。
遮熱塗料には、酸化チタン粉末が含まれるが、さらに、その他の金属粉末を含むことができる。具体的には、金属粉末は、例えば熱反射性を有するものであって、アルミニウム、金、銀、亜鉛、インジウム、銅およびこれらの酸化物などの粉末が例示される。また、厳密な意味では金属ではないが、本発明では、表面に金属光輝層を形成し熱反射性を有する、シリカ、ガラス、マイカ、タルクなどの粉末、バリウム鉱石も金属粉末に含むものとする。金属粉末の形状は特に限定されないが、例えば、球状、鱗片状などの形状を例示することができる。さらに、遮熱性を確保するためには、金属およびこれらの酸化物粉末は、遮熱塗料中に20質量%以上含まれていることが好ましい。特に、遮熱塗料はシリカが配合されていることが好ましく、これによって遮熱効果を高めることができる。
また、遮熱塗料には、銅化合物を配合することもできる。銅化合物は、遮熱塗料内で銅イオンの形態で存在することが好ましく、これによって遮熱効果を高めることができる。
本発明の遮熱塗料には、必要に応じて、塗料分野で使用されている各種の添加物を添加することができる。例えば、リン酸水素ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンや低分子ハロゲン化合物等の分子量調整剤、キレート化剤、可塑剤、有機溶剤等を樹脂混合の前期・中期・後期に添加することができる。
また、ロジン系、ロジン誘導体系、テルペン樹脂系、テルペン誘導体系等の天然系タッキファイヤーや、石油樹脂系、スチレン樹脂系、クマロンインデン樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系の合成樹脂系のタッキファイヤー、液状ニトリルゴム、シリコンゴム等のゴム成分、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ、二酸化チタン、三酸化アンチモン等の体質顔料の他、(殺菌剤、防腐剤、消泡剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、pH調整剤、界面活性剤、着色顔料、体質顔料、防錆顔料等)を添加してもよい。さらに、耐光性向上を目的として各種の酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加しても良い。
また、本発明の遮熱塗料には、必要に応じて、金属粉末の分散性を高めるための分散剤を添加することも好ましい。
さらに、この遮熱塗料には、チタネートカップリング剤を添加することもできる。チタネートカップリング剤としては、有機チタンアルコキシド、有機チタンキレート、有機チタンポリマー、有機チタンオリゴマー及び有機チタンアシレートなどを例示することができる。チタネートカップリング剤の含有量は、チタンの添加量などに応じて適宜設計することができる。より具体的には、特に好ましいチタネートカップリング剤として、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、トリス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネートなどの1種または2種以上を例示することができる。
その他、取り扱い性、保存性などを考慮して、その他各種の添加物を配合することもできる。具体的には、例えば、硫酸亜鉛七水和物、硫酸銅五水和物などの酸や水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウムなどを配合して、金属イオン濃度並びにpHを調整することもできる。
以上のような遮熱塗料は、伸び率が250%〜300%であり、引張係数(ft)=3.0N/mm2〜5.0N/mm2程度であり、付着力が1.2N/mm2〜2.0N/mm2であるため、可撓性を有する樹脂製シート状物に対しても優れた密着性、柔軟性を発揮する。このため、例えば、樹脂性シート状物の表面に、乾燥時の塗膜の厚さが0.15〜0.20mm程度になるように遮熱塗料を塗布することによって、可撓性を有する樹脂製シート状物の表面に形成された遮熱塗料の塗膜の膨れや剥離、ひび割れなどの発生が抑制され、防水シートなどの耐久性を確保しつつ、優れた遮熱効果が実現される。
さらに、本発明の遮熱シート状物は、シート状物の片面のみならず、その両面に遮熱塗料が塗布されていてもよい。両面に遮熱塗料が塗布されている場合には、遮熱効果はさらに向上する。
また、本発明の遮熱シート状物は、例えば、家庭用の窓ガラスに貼り付けることで、室温の遮熱効果を発揮して室温の上昇を抑制することができる。また、防水シートに上記遮熱塗料を塗布した本発明の遮熱シート状物は、例えば、建物の屋根、屋上や、タンクの表面などの適宜な場所に配設することで遮熱効果によって対象物の温度上昇を抑制することができるとともに、防水シートの劣化も抑制される。本発明の遮熱方法は、対象物に本発明の遮熱シート状物を配設することで、外部から対象物への熱伝導を抑制することができる。
本発明の遮熱シート状物および遮熱方法は、以上の形態に限定されることはなく、様々な態様が可能である。例えば、本発明の遮熱塗料の塗布対象は、可撓性を有する樹脂製シート状物に限定されず、紙や布地、金属箔などの対象物に塗布することでき、これによって優れた遮熱効果を実現することができる。
以下、本発明の遮熱シート状物、遮熱方法について実施例とともに、さらに詳しく説明するが、本発明の遮熱シート状物、遮熱方法は、以下の実施に限定されるものではない。
<1>遮熱塗料の組成
アクリルシリコン樹脂 30重量部
エポキシアルコキシシラン 0.1重量部
酸化チタン粉末 17重量部
シリカ粉末 10重量部
アミノ酸金属塩 0.01重量部
チタネートカップリング剤 0.01重量部
清水 42.88重量部
を配合し、遮熱塗料を作製した。
<2>遮熱シート状物
可撓性を有する樹脂製シート状物として市販のポリエステル製ロールスクリーン(株式会社フルネル社製「アルティス」)を使用し、このポリエステル製ロールスクリーンの片面に前記<1>で作成した遮熱塗料を塗布した遮熱シート状物(実施例1)、ポリエステル製ロールスクリーンの両面に前記<1>で作成した遮熱塗料を塗布した遮熱シート状物(実施例2)、ポリエステル製ロールスクリーンに何も塗布していないもの(比較例1)を用意した。
<3>遮熱効果の検討
上記実施例1、実施例2および比較例1のそれぞれについて、上方が開口したダンボールを上から覆うとともに、ダンボールの側面とポリエステル製ロールスクリーンとの間に、縦35cmの側面開口部または縦6cmの側面開口部を設けた。このダンボール内部の温度を屋外にて測定し、遮熱塗料による遮熱効果を検討した。
結果を表1に示す。
Figure 2015101033
表1に示したように、側面開口部35cmの場合、実施例1は、比較例1と比較して、ダンボール内の温度を5.0℃低く維持することができ、実施例2は、比較例1と比較して、ダンボール内の温度を6.3℃低く維持することができた。また、側面開口部6cmの場合、実施例1は、比較例1と比較して、ダンボール内の温度を6.0℃低く維持することができ、実施例2は、比較例1と比較して、ダンボール内の温度を8.8℃低く維持することができた。したがって、遮熱塗料、遮熱シート状物は優れた遮熱効果を発揮することが確認された。
また、実施例1、2の遮熱シート状物は、時間が経過しても、塗膜の膨れや剥離、ひび割れなどが発生することはなかった。実施例1、2の遮熱シート状物に塗布した遮熱塗料は、密着性、柔軟性(伸び率)に優れ、可撓性を有する樹脂製シートに好適に利用することができることが確認された。
<4>抗菌効果の検討
上記<1>で作製した遮熱塗料について、抗菌効果を検討した。抗菌性試験は、一般財団法人ボーケン品質評価機構において試験した。試験方法は、JIS Z2801:2010(フィルム密着法)に基づいて行った。試験菌株は大腸菌とし、大腸菌液接種量を0.4mL(被覆フィルムの表面積:16cm2)とした。また、対照区には、ポリエチレンフィルムを使用した。
試験結果を表2、表3に示す。
Figure 2015101033
Figure 2015101033
抗菌活性値は、U1−A1で計算した。抗菌性能評価基準は抗菌活性値で、2.0以上であることより、上記<1>で作製した遮熱塗料の抗菌効果が高いことが確認された。
<5>消臭効果の検討
上記<1>で作製した遮熱塗料について、消臭効果を検討した。消臭性試験は、一般社団法人ボーケン品質評価機構において実施した。
消臭性試験は以下の条件で行った。
・ガス測定方法 :検知管法
・試料の大きさ :100cm
・試験容器 :5リットルテドラーバッグ
・容器内のガス量:3リットル
・ガス初期濃度 :アンモニア・・・20ppm
酢酸 ・・・10ppm
・空試験 :容器に試料を入れないで同様に操作したもの。
結果を表4に示す
Figure 2015101033
表4に示したように、上記<1>で作製した遮熱塗料では、時間経過とともに、アンモニア濃度および酢酸濃度が減少することが確認された。上記<1>で作製した遮熱塗料には、優れた消臭効果があることが確認された。

Claims (9)

  1. 可撓性を有する樹脂製シート状物の片面または両面に遮熱塗料による塗膜が形成されている遮熱シート状物であって、遮熱塗料は、樹脂、エポキシアルコキシシラン、酸化チタン粉末を含むことを特徴とする遮熱シート状物。
  2. 遮熱塗料に含まれる樹脂が、アクリル系エマルジョンを含むことを特徴とする請求項1の遮熱シート状物。
  3. 遮熱塗料に含まれるエポキシアルコキシシランが、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリイソプロピルシランのうちの1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2の遮熱シート状物。
  4. 遮熱塗料は、さらに、アミノ酸金属塩を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかの遮熱シート状物。
  5. アミノ酸金属塩の金属は、銀、亜鉛、チタンのうちの1種または2種以上であることを特徴とする請求項4の遮熱塗料。
  6. アミノ酸金属塩のアミノ酸は、L−ピロリドンカルボン酸であることを特徴とする請求項4の遮熱塗料。
  7. 遮熱塗料は、さらに、チタネート系カップリング剤を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかの遮熱塗料。
  8. 樹脂製シート状物は、防水シート、テント、カーテン、ブラインド、窓ガラスフィルムのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1の遮熱シート状物。
  9. 外部から対象物への熱伝導を抑制する遮熱方法であって、対象物に請求項1から8のいずれかの遮熱シート状物を配設することを特徴とする遮熱方法。
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