JP2014201171A - 車体側部構造 - Google Patents

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省二 山崎
Seiji Yamazaki
省二 山崎
洋人 杉山
Hiroto Sugiyama
洋人 杉山
重之 永井
Shigeyuki Nagai
重之 永井
裕輔 高山
Hirosuke Takayama
裕輔 高山
謙一郎 曽山
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謙一郎 曽山
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Kenji Abe
健志 阿部
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佳寿美 原
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Abstract

【課題】側突時に、所定の位置でセンタピラーを確実に折ることができる車体側部構造を提供すること。
【解決手段】車体側部構造は、車両Cの側部1aに設けられると共にセンタピラー13と隣接するドア開口部1b,1cと、ドア開口部1b,1cを開閉するドアDと、ドアDの内部に設けられたドアビーム4,5と、を備えている。ドアビーム4,5の一端部は、車両側方から見て前記センタピラー13とラップする位置に設けられ、ドアビーム4,5の一端部に、センタピラー13の延在方向と交差する方向に所定の長さで延びると共に、ドアビーム4,5の車内側面4c,5cよりも車内側に突出する突出部を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、車体側方から他車等が自車に側面衝突(以下適宜「側突」という。)した際に、センタピラーの予め設定した所定位置を折曲することができる車体側部構造に関する。
図7は、従来の車体側部構造をした車両が側突したときの状態を示す図であり、(a)は車両が側突する寸前の状態を示す要部概略図、(b)は車両が側突したときの状態を示す要部概略図である。
図7(a)、(b)に示すように、従来、車体側方から他車C200が自車C100に側突すると、サイドドアD100及びセンタピラーB110の上部B111が車室R側に変形する。側突の際は、センタピラーB110の変形に伴い、車体B100の上部のルーフアーチB120も変形する。
図7(b)に示すように、センタピラーB110の上部B111が変形すると、乗員Mの上半身への衝突荷重が大きくかかるので、側突の際に、乗員Mの上半身にかかる衝突荷重を少なくさせる車体側部構造が望まれる。
側突の際に、センタピラーを折曲させるようにしたセンタピラー構造としては、例えば、特許文献1に開示された車両用Bピラー下部構造が知られている。車両用Bピラー下部構造は、フロントサイドドアに内設されたインパクトビームの後端が、側突時に、Bピラー部に設けたリアドアヒンジの前端部下面より下方において車室内方へ移動し、フロントサイドドアの車室内側部を介してBピラーに当接する。
このため、側突の際には、インパクトビームの後端部がBピラーに沿って上方へ移動しようとしても、この移動をリアサイドドアヒンジの前端部によって抑制することができる。その結果、大きな重量増加を伴うこと無く、リヤサイドドアヒンジ取付部の下方に位置する意図した折れ位置でBピラーを確実に折曲させることができる。
特許第3446655号公報
しかし、前記特許文献1のような車体側部構造では、リアインパクトビームの後端の上方向への位置をリアドアヒンジで規制し、側突の際に、Bピラーを意図した折れ位置で折曲させることができるものの、リアドアヒンジの近傍が、ヒンジ自体やリアドアヒンジブラケット等の影響で剛性が高くなっているので、その位置でBピラーを折曲させるのが困難であるという問題点があった。
また、リアドアヒンジの取付位置は、リアドアの支持剛性や、リアドアへのハーネス・ドアチェッカーのレイアウト等の影響を受けて限定されるため、側突時に、Bピラーの折れ位置の設定自由度が低いという問題点があった。
そこで、本発明は、側突時に、所定の位置でセンタピラーを確実に折ることができる車体側部構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る車体側部構造は、車両の側部に設けられると共にセンタピラーと隣接するドア開口部と、前記ドア開口部を開閉するドアと、前記ドアの内部に設けられたドアビームと、を備え、前記ドアビームの一端部は、車両側方から見て前記センタピラーとラップする位置に設けられ、前記ドアビームの一端部には、前記センタピラーの延在方向と交差する方向に所定の長さで延びると共に、前記ドアビームの車内側面よりも車内側に突出した突出部が備えられていることを特徴とする。
かかる構成によれば、車体側部構造は、センタピラーにラップするドアビームの一端部に、センタピラーの延在方向(上下方向)と交差する方向に所定の長さで延びると共に、ドアビームの車内側面よりも車内側に突出した突出部を備えていることによって、側突時に、センタピラーの延在方向と交差する方向の所定の長さの部位に集中して作用させることができる。このため、その部位を起点としてセンタピラーを確実に折ることができる。また、車体側部構造は、センタピラーの構造の影響やレイアウトの影響を受け難いので、側突時に、センタピラーを折るための折れ位置の設定自由度を向上させることができる。
また、前記ドアビームは、当該ドアビームの延在方向に延びる上フランジ及び下フランジと、前記上フランジと前記下フランジとの間で車外側に向かって凸となる凸形状部と、からなる断面ハット形状部と、当該断面ハット形状部とは別体で、前記上フランジと前記下フランジとを連結する連結部材と、を備え、前記突出部は、前記連結部材に設けられることが好ましい。
かかる構成によれば、車体側部構造は、ドアビームが、断面ハット形状に形成された断面ハット形状部と、ドアビームの上フランジと下フランジを連結する連結部材と、を備えて形成されていることにより、断面凹形状部分を有する断面ハット形状部が連結部材によって閉断面を形成するので、強度を向上させて、変形し難い形状にすることができる。これにより、ドアビームは、断面ハット形状部が、上フランジと下フランジが近づいたり、遠ざかったりする方向へ開き変形及び閉じ変形するのを連結部材によって防止することができる。また、その連結部材は、突出部が形成されているので、その突出部を形成するために新たな部材を設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
また、ドアビームは、連結部材によってドアビームの一端に閉断面形状部分を形成することができるため、剛性を高めることができる。その結果、ドアビームは、その一端の変形を防止して、側突時の衝突荷重を確実にセンタピラーに伝えることができるため、車体が変形する変形モードをコントロールすることが可能となる。
また、前記連結部材は、前記上フランジに取り付けられる第1取付面と、当該第1取付面の端部を車内側に折り曲げた第1折曲部と、からなる第1L字板部材と、前記下フランジに取り付けられる第2取付面と、当該第2取付面の端部を車内側に折り曲げた第2折曲部と、からなる第2L字板部材と、を備え、前記突出部は、前記第1折曲部と前記第2折曲部を重ね合わせて接合することで形成されていることが好ましい。
かかる構成によれば、ドアビームは、平板部材を折り曲げて形成した第1L字板部材及び第2L字板部材を2枚用いるだけで、連結部材と突出部とを形成しているので、構造が簡素で、部品点数及び製造工数が少ないため、製造コストを抑えることができる。
また、突出部は、第1L字板部材の第1折曲部と、第2L字板部材の第2折曲部との2つの板部材が、2枚重ね合わせて接合されて形成されているので、剛性が高い。このため、突出部は、側突時に、センタピラーを押圧することによって、より確実にセンタピラーを折って、予め設定したセンタピラーの所望部位で衝突荷重を吸収させることができる。
また、前記連結部材は、前記ドアビームと前記センタピラーとを車両側方から見て、両者がラップする位置に設けられていることが好ましい。
かかる構成によれば、連結部材は、ドアビームとセンタピラーとが車両側方から見てラップする位置に設けられていることによって、側突時に、センタピラーを折るために、最低限必要な部分に連結部材が設けられているので、重量及び部品コストを抑制することができる。
また、連結部材は、センタピラーに連結されるドアビームの一端部にのみ設けられているので、ドアビームの中央部をセンタピラーの外側に配置する場合に比べて、断面ハット形状部の変形をより効果的に抑制することができる適所に設けることができる。
また、前記突出部は、前記ドアビームの延在方向に沿って延設されていることが好ましい。
かかる構成によれば、突出部は、ドアビームの延在方向に沿って延設されていることによって、センタピラーから突出部を通じてドアビームに反力が作用した場合、最も折れ難いドアビームの延在方向に延設されているため、ドアビームの意図しない変形を抑制することができる。
また、前記センタピラーは、下部を上部よりも強度の弱い部材で形成し、前記突出部は、前記車両が側面衝突した際に、前記センタピラーの下部を車室側に押圧する位置に設置されていることが好ましい。
かかる構成によれば、突出部は、センタピラーの上部よりも強度が弱い部材で形成されたセンタピラーの下部を車室側に押圧することができるので、車両が側面衝突した際に、センタピラーの下部が折れて衝突荷重を吸収する変形モードにすることができる。このため、側突時には、乗員の胸部よりも低い位置であるセンタタピラーの下部が折れて、車体の下部が変形するように変形モードをコントロールすることができる。
本発明に係る車体側部構造は、側突時に、センタピラーの予め設定した所定の位置を確実に折ることができる。
本発明の実施形態に係る車体側部構造を示す要部概略側面図である。 センタピラーの下部の設置状態を示す概略拡大縦断面図である。 ドアビームに設けられた連結部材の取付状態を示す要部拡大概略斜視図である。 図1に示すフロントドア側のドア開口部の拡大図である。 リアドアに設けられたドアビームの後端部の取付状態を示す要部拡大概略側面図である。 本発明の実施形態に係る車体側部構造を示す図であり、(a)は側突する寸前の車両の状態を示す要部概略図、(b)は側突したときの車両の状態を示す要部概略図である。 従来の車体側部構造をした車両が側突したときの状態を示す図であり、(a)は側突する寸前の車両の状態を示す要部概略図、(b)は側突したときの車両の状態を示す要部概略図である。
以下、図1〜図6に基づき本発明の実施形態に係る車体側部構造の一例を説明する。
なお、車両Cの進行方向を「前」、後退方向を「後」、「鉛直上方側を「上」、鉛直下方側を「下」、車幅方向を「左」、「右」として説明する。
≪車両の構成≫
まず、本発明の実施形態に係る車体側部構造を説明する前に、本発明が適用される車両Cについて説明する。図1に示すように、車両Cは、車体1の側部1aにドアDと、センタピラー13と、を有する自動車であれば、その形式及び種類は特に限定されない。以下、車体1の側部1aにフロントドア2とリアドア3を有する乗用車を例に挙げて本発明を説明する。
≪車体の構成≫
車体1には、例えば、左右の側部1aにそれぞれフロントドア2(ドアD)を設置するためのドア開口部1bと、リアドア3(ドアD)を設置するためのドア開口部1cが形成されている。車体1は、左右対称形状に形成されているので、以下、左側の側部1aを説明して、右側の側部1aの説明は省略する。
車体1の側部1aには、例えば、前側にフロントピラー11(Aピラー)及びフロントピラーロア12、中央部にセンタピラー13(Bピラー)、後側にリアピラー14(Cピラー)が、それぞれ上下方向に向けて延設されている。また、車体1の側部1aには、上端部にルーフサイドレール15、下端部にサイドシル16が、それぞれ前後方向に向いて延設されている。
前側のドア開口部1bは、フロントピラー11とフロントピラーロア12とセンタピラー13とルーフサイドレール15とサイドシル16とによって、四角形の開口部に形成されている。後側のドア開口部1cは、センタピラー13とリアピラー14とルーフサイドレール15とサイドシル16とによって、四角形の開口部に形成されている。前側のドア開口部1bと後側のドア開口部1cとは、その間にセンタピラー13が設けられて、センタピラー13が互いに隣接して配置されている。
フロントピラー11、フロントピラーロア12及びルーフサイドレール15は、圧延鋼板からなるそれぞれ不図示のアウタパネル材とインナパネル材とを中空の柱形状に接合して形成されている。
<センタピラーの構成>
図1に示すように、センタピラー13は、主に、センタピラーアウタ131とセンタピラーインナ132(図2参照)とを中空の柱状に接合してなる。センタピラー13は、ルーフサイドレール15の中央部から下側に向けて突出形成されたセンタピラー上部接合部15aと、サイドシル16の中央部に形成されたセンタピラー下部接合部16bとの間に上下方向に向けて延設される。センタピラー13のセンタピラーアウタ131の下部13dの車外側には、前側にドアビーム4の後端部4aが配置され、後側にドアビーム5が前端部5aが配置されている。
図1に示すように、センタピラーアウタ131は、一般鋼板133によって形成された下部13dと、高張力鋼板134によって形成された上部13eとを接合して形成されている。このため、センタピラー13の下部13dは、下側に向かって前後方向の幅が広くなるように形成されているものの、強度が、上部13eの強度と比較して弱い脆弱部を形成している。
なお、センタピラー13の下部13dは、センタピラーアウタ131のみを一般鋼板133で形成してもよく、また、センタピラーアウタ131及びセンタピラーインナ132の両方を一般鋼板133で形成してもよい。
一般鋼板133は、一般構造用圧延鋼材によって形成された鋼板であり、例えば、引張強さが590Mpa程度の鉄鋼材からなる。この一般鋼板133は、ドアビーム4,5の一端部が固定されるセンタピラー13の下部13dに、高張力鋼板134よりも脆弱な脆弱部を形成するための部材である。
高張力鋼板134は、一般鋼板133よりも引張強さを大きい鋼板であり、例えば、引張強度が1,500MPa程度の圧延鋼板からなる。高張力鋼板134には、リアドア3を開閉自在に保持する上下一対のヒンジ部材82が設けられている。
このため、センタピラー13は、下部13dの強度が上部13eよりも弱く、他車C2が自車C1に重度の側突したとき(以下、適宜単に「側突時」という)に、下部13dが衝突荷重によって上部13eよりも折れ曲がって衝撃荷重を吸収し易いように形成されている。
図2に示すように、センタピラー13の下部13dのセンタピラーアウタ131には、フロントドア2の後端、及び、リアドア3の前端が対向配置される外側中央部13aと、フロントドア2のインナパネル21の突出部配置部21cが対向配置される被押圧部13bと、リアドア3のインナパネル31の突出部配置部31cが対向配置される被押圧部13cと、が形成されている。
外側中央部13aは、センタピラー13において、最も車外側に配置される部位であり、上下前後方向に平らに形成されている。
被押圧部13bは、側突時に、インナパネル21の突出部配置部21cを介在して連結部材6の突出部6aに押圧される部位であり、外側中央部13aから前側へ一段右方向へ寄った位置に段差状に形成されている。
被押圧部13cは、側突時に、インナパネル31の突出部配置部31cを介在して連結部材7の突出部7aに押圧される部位であり、外側中央部13aから後側へ一段右方向へ寄った位置に段差状に形成されている。
<サイドシルの構成>
図1に示すように、サイドシル16は、車体1の側部1aにおいて、ドア開口部1b,1cの下側部位を形成する部材であり、主にサイドシルアウタ16aとサイドシルインナ(図示省略)とを管状に接合してなる。サイドシル16は、前側のドア開口部1bの前側下端部から後側のドア開口部1cの後側下端部に向けて前後方向に延設されている。サイドシル16は、センタピラー13を接合するセンタピラー下部接合部16b付近が、高張力鋼板161で形成されている。
高張力鋼板161は、前記高張力鋼板134と同じ部材であり、例えば、引張強度が1,500MPaの圧延鋼板からなる。高張力鋼板161は、センタピラー13の下部13dを形成する一般鋼板133の下端部に接合されている。
≪ドアの構成≫
図1に示すように、ドアD(フロントドア2、リアドア3)は、ドア開口部1b,1cを開閉する扉体である。ドアDは、例えば、車体1の左右側面に配置されるヒンジ式ドア、スライド式ドア、あるいは、ガルウイング式ドア等からなる。なお、このドアDは、ドアビーム4,5を有するものであれば、その形式は特に限定しない。以下、ヒンジ後開き式のドアD(フロントドア2、リアドア3)を例に挙げて、前席左側配置されるフロントドア2を主に後席左側のリアドア3について説明する。
図2に示すように、ドアD(フロントドア2、リアドア3)は、車室R側に設置されドア本体を構成するインナパネル21,31と、このインナパネル21,31の車室外側に設置されるアウタパネル22,32と、窓ガラスが昇降自在に設けられるサッシ23,33(図1参照)と、インナパネル21,31に設けられるドアビーム4,5と、ドアDを車体1に回動可能に取り付けるためのヒンジ部材81,82(図1参照)と、を主に備えている。
なお、その他にこのドアD(フロントドア2、リアドア3)には、それぞれ不図示のドア施錠・解錠用のドアロック装置30(図5参照)と、インナパネル21,31の車室内側に設置されるライニングと、インナパネル21,31に設置され、窓ガラスを昇降させるウインド装置と、アウタパネル22,32から挿入してライニングに固定されるインサイドハンドルと、ウインド装置やハーネス類等の電装品と、ドアDの全周に設置されるゴム枠等と、を備えている。
≪インナパネルの構成≫
図2に示すように、インナパネル21,31は、フロントドア2、リアドア3の骨格を構成するドアインナであり、例えば、略四角形状に形成された圧延鋼板からなる。インナパネル21,31は、外周縁部に、アウタパネル22,33の周縁部がヘミング加工と溶接とによって取り付けられている。インナパネル21,31は、前端部側が車体1(フロントピラーロア12、センタピラー13)に上下一対のヒンジ部材81,82(図1参照)を介在してボルト、ナット等の機械的結合手段である締結部材T1,T2によってドア開口部1b,1cに開閉自在に連結され、後端部側がドアロック手段(図示せず)によってドア閉状態に保持される。インナパネル21,31には、ドアDを補強するためのドアビーム4,5と、前記サッシ23,33(図1参照)等が溶接される。
<フロントドアのインナパネルの構成>
フロントドア2のインナパネル21の後端部のドアビーム4の設置付近には、後端部側からアウタパネル取付部21aと、ドアビーム4の後端部4aが溶接手段等によって固定されたビーム取付部21bと、ドアビーム4の後端部4aに溶接手段等によって固定された連結部材6の突出部6aに隙間Sを介して対向配置される突出部配置部21cと、突出部配置部21cとビーム取付部21bとの間に形成された段差部21dと、が形成されている。
フロントドア2のインナパネル21の後端部において、アウタパネル取付部21aは、前記したアウタパネル22がヘミング加工と溶接とを併用して取り付けられる部位であり、センタピラー13の外側中央部13aの外側に配置されている。
ビーム取付部21bは、アウタパネル22、ドアビーム4及びセンタピラー13の外側中央部13aに対して平行に配置されて、前後方向に向けて平らに形成されている。
突出部配置部21cは、側突時に、この突出部配置部21cを介在して連結部材6の突出部6aに押圧される被押圧部13bに隙間S2を介して対向配置されている。突出部配置部21cと段差部21dとは、平面視して突出部6aの車室R側を覆うように配置されている。
段差部21dは、突出部6aが、ドアビーム4の車内側面4cから車室R側に突出して形成されているのに伴って、突出部配置部21cを外側中央部13aから突出部6aの車室R側に配置するために形成された部位である。
<リアドアのインナパネルの構成>
図2に示すように、リアドア3のインナパネル31の前端部のドアビーム5設置付近は、前記したフロントドア2のインナパネル21の後端部に対して略対称形状に形成されている。つまり、リアドア3のインナパネル31の前端部のドアビーム5設置付近には、前端部側からアウタパネル取付部31aと、ドアビーム5の前端部5aが溶接手段等によって固定されるビーム取付部31bと、ドアビーム5の前端部5aに溶接手段等によって固定された連結部材7の突出部7aに隙間S3を介して対向配置される突出部配置部31cと、突出部配置部31cとビーム取付部31bとの間に形成された段差部31dと、が形成されている。
リアドア3のインナパネル31の後端部において、アウタパネル取付部31aは、前記したアウタパネル32がヘミング加工と溶接とによって取り付けられる部位である。アウタパネル取付部31aは、センタピラー13の外側中央部13aの外側において、フロントドア2の前記アウタパネル取付部21aの近傍に配置される。
ビーム取付部31bは、アウタパネル32、ドアビーム5及びセンタピラー13の外側中央部13aに対して平行に配置されて、前後方向に向けて平らに形成されている。
突出部配置部31cは、側突時に、この突出部配置部31cを介在して連結部材7の突出部7aに押圧される被押圧部13cに、隙間S4を介して対向配置されている。突出部配置部31cと段差部31dとは、平面視して突出部7aの車室R側を覆うように配置されている。
段差部31dは、突出部7aが、ドアビーム5の車内側面5cから車室R側に突出しているのに伴って、突出部配置部31cを外側中央部13aから突出部7aの車室R側に配置するために形成された部位である。
≪アウタパネルの構成≫
図2に示すように、フロントドア2及びリアドア3のアウタパネル22,32は、ドアDの外側に配置されるドアスキンであり、例えば、圧延鋼板をプレス加工してなる。アウタパネル22,32は、後端部側の近傍にドアハンドル(図示せず)が配設され、車両Cが側突時に、他車C2等が直接衝突する部材である。
図1に示すように、サッシ23,33は、窓ガラス(図示省略)の窓枠であり、前側下端部と後側下端部とが、インナパネル21,23の上側前端部と上側後端部に、それぞれ溶接によって連結されている。なお、サッシ23,33は、ハードトップのようになくても構わない。
≪ドアビームの構成≫
図1に示すように、ドアビーム4,5は、フロントドア2及びリアドア3の内部に前後方向に向けて斜めに架設された鋼材製の補強部材である。図3に示すように、このドアビーム4,5は、縦断面視してハット形状に形成されたドアビーム本体41,51と、このドアビーム本体41,51の一端部(後端部4a及び前端部5a)に設けられた連結部材6,7と、を備えて形成されている。ドアビーム4,5の一端部(後端部4a及び前端部5a)は、センタピラー13の下部13d(脆弱部)にラップする位置に配置されて、インナパネル21,31にボルト、ナット等の締結部材T3,T6、あるいは、スポット溶接等の溶接手段によって固定される。
図3に示すように、ドアビーム本体41,51は、このドアビーム本体41,51の延在方向に延びる上フランジ4e,5e及び下フランジ4f,5fと、上フランジ4e,5eと下フランジ4f,5fとの間から車外側に向かって凸となるように形成された凸形状部4g,5gと、この凸形状部4g,5gと凸形状部4g,5gの上側に形成された上フランジ4e,5eと凸形状部4g,5gの下側に形成された下フランジ4f,5fとから形成された断面ハット形状部4d,5dと、を有する。ドアビーム本体41,51には、このドアビーム本体41,51とは別体の部材から形成されて、ドアビーム本体41,51の一端部の上フランジ4e,5eと下フランジ4f,5fとに架設された連結部材6,7が接合されている。
<フロントドアのドアビームの構成>
図4に示すように、フロントドア2のドアビーム4の後端部4a(一端部)は、車両側方から見てセンタピラー13の下部13d(脆弱部)とラップする外側の位置に配置されて、インナパネル21(図2参照)の後端部下側に締結部材T3または溶接手段によって固定される。そのドアビーム4の前端部4b(他端部)は、インナパネル21の前側部上側にヒンジ取り付け用の締結部材T1と締結部材T2とによってブラケット9を介在して固定される。ドアビーム4の前端部4b(上端部)は、フロントドア2において、地面から630mm以上の位置に設置される。そして、ドアビーム4は、略四角形のインナパネル21の略対角線に設置されて、全体が後下がりに斜めに配設されている。
<リアドアのドアビームの構成>
リアドア3のドアビーム5の前端部5a(一端部)は、車両側方から見てセンタピラー13の下部13d(脆弱部)とラップする外側の位置に配置されて、インナパネル21の前端部下側に締結部材T6または溶接手段によって固定される。図5に示すように、そのドアビーム5の後端部5b(他端部)は、インナパネル31の後側部上側に締結部材T7または溶接手段によって固定される。ドアビーム5の後端部5b(上端部)は、リアドア3において、地面から630mm以上の位置に設置される。そして、ドアビーム5は、略四角形のインナパネル31の略対角線に設置されて、後上がりに斜めに配設されている。ドアビーム5は、側面視して前記フロントドア2のドアビーム4とで略V字形状を形成するように配置されている。
図5に示すように、リアドア3のドアビーム5の後端部5bには、ドアロック装置30のラッチ機構(図示省略)が締結部材T8によって固定されて、ラッチ機構が正対した状態に設置されている。
≪連結部材の構成≫
図1に示すフロントドア2に内設される連結部材6と、リアドア3に内設される連結部材7とは、略同一形状であるので、まとめて説明する。
図4に示すように、連結部材6,7は、側突時に、センタピラー13の下部13d(脆弱部)をインナパネル21,31(図2参照)を介して押圧するための突出部6a,7aを有する部材である。連結部材6,7は、ドアビーム4,5とセンタピラー13とを車両側方から見て、ドアビーム4,5とセンタピラー13とがラップする位置にのみ設けられている。
図3に示すように、連結部材6,7は、前後方向から見てL字状に形成された第1L字板部材61,71と、L字状に形成された第2L字板部材62,72との二つの山形鋼状の部材を背中合わせに接合して、全体がT字状に一体化されている。
第1L字板部材61,71は、上フランジ4e,5eに取り付けられる第1取付面61a,71aと、この第1取付面61a,71aの端部を車内側に直角に折り曲げた第1折曲部61b,71bと、からなる。
第2L字板部材62,72は、下フランジ4f,5fに取り付けられる第2取付面62a,72aと、この第2取付面62a,72aの端部を車内側に直角に折り曲げた第2折曲部62b,72bと、からなる。
連結部材6,7は、第1取付面61a,71aをドアビーム4,5の上側の車内側面4c,5cに接合し、第2取付面62a,72aをドアビーム4,5の下側の車内側面4c,5cに接合することによって、断面ハット形状部4d,5dとでドアビーム4,5に四角形の閉断面を形成する。
突出部6a,7aは、第1折曲部61b,71bと第2折曲部62b,72bとを背中合わせに重ねて接合することで、厚い矩形の平板状に形成されている。突出部6a,7aは、ドアビーム4,5の延在方向に沿って平行に設置されて、第1取付面61a,71a及び第2取付面62a,72aから車室R内方向に向けて突出した状態に形成されている。突出部6a,7aは、ドアビーム4,5の一端部(後端部4a、前端部5a)に、センタピラー13の延在方向(上下方向)と交差する方向に所定の長さ延設されると共に、ドアビーム4,5の車内側面4c,5cよりも車室内側に突出している。
≪作用≫
次に、図6(a)、(b)を主に各図を参照しながら本発明の実施形態に係る車体側部構造の作用を自車C1に他車C2が側突した場合を例に挙げて説明する。
図6(a)に示すように、他車C2が自車C1に重度の側突すると、他車C2が車外側から車室R内側に向けてフロントドア2、リアドア3に車室R内方向(矢印a方向)の衝突荷重がかかり、アウタパネル22,32を押圧する。そのアウタパネル22,32は、車室R内方向(矢印a方向)の衝突荷重がかかったことによって車室R内方向に変形し、ドアビーム4,5を車室R内側方向(矢印b方向)に押圧する。ドアビーム4,5は、フロントドア2、リアドア3の内部に斜めに設置されているので、他車C2が車高が高くても車室R内側方向に押圧される。
すると、ドアビーム4,5に設けられた連結部材6の突出部6a,7aが、インナパネル21を介してセンタピラー13の被押圧部13b,13cを局部的に押圧して、センタピラー13の一般鋼板133からなる下部13d(脆弱部)に食い込むように入り込んで、センタピラー13の下部13dを折り曲げる。
ドアビーム4,5は、連結部材6によってドアビーム4,5の一端に閉断面形状部分が形成されて、剛性が高くなっているので、側突時の衝突荷重を確実にセンタピラー13の下部13dに伝えることができる。そして、突出部6aは、側突時に、センタピラー13の上部13eよりも強度が弱い部材で形成されたセンタピラー13の下部13dを車室R側に押圧することができるので、乗員Mの胸部よりも低い位置であるセンタピラー13の下部13dが折れて変形して、衝突荷重を吸収する変形モードになるようにコントロールすることが可能となる。
センタピラー13は、連結部材6の突出部6aによりセンタピラー13の下部13dが車室R方向(矢印c方向)に折れ曲がるので、その下部13dに比較的変形し易い一般鋼板133が設置されて変形することによって、衝突荷重を緩衝して乗員Mを保護することができる。
この場合、センタピラー13は、下部13dが車室R内側に変形することにより、自車C1に乗車している乗員Mの腰付近の部位が変形するので、乗員Mが受ける衝突荷重を低く抑制させることができる。
このように、本発明に係る車体側部構造は、ドアビーム4,5の一端部(後端部4a及び前端部5a)に、センタピラー13の下部13dの一般鋼板133を押圧する突出部6aを有する連結部材6を設けたことによって、側突時に、突出部6aがセンタピラー13の下部13dを折ることができるため、乗員Mの腰周りの車体側部を変形させて乗員Mに加わる衝突荷重を軽減させることができると共に、衝突時に加わる衝撃を吸収することができる。
[変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
前記実施形態では、ドアビーム4,5の一例として断面ハット形状の鋼材からなるものを例に挙げて説明したが、ドアビーム4,5は連結部材6,7が設置可能なものであれば、その形状及び材質は特に限定されない。
例えば、ドアビーム4,5は、円管状や角筒状等の管状部材で形成して、一端部に連結部材6,7を接合したり、連結部材取付用ブラケットを介在して接合したものであっても構わない。
また、ドアビーム4,5は、アルミ押し出しからなるアルミ角パイプ材、アルミ丸パイプ材あるいはアルミチャンネル材等であっても構わない。
ドアビーム4,5は、このように形成しても、前記実施形態と同じ作用効果がある。
1a 側部
1b,1c ドア開口部
2,3 ドア
4,5 ドアビーム
4a 後端部(一端部)
4c,5c 車内側面
4d,5d 断面ハット形状部
4e,5e 上フランジ
4f,5f 下フランジ
4g,5g 凸形状部
5a 前端部(一端部)
6,7 連結部材
6a,7a 突出部
13 センタピラー
13d 下部
13e 上部
61,71 第1L字板部材
61a,71a 第1取付面
61b,71b 第1折曲部
62,72 第2L字板部材
62a,72a 第2取付面
62b,72b 第2折曲部
C 車両
D ドア
R 車室

Claims (6)

  1. 車両の側部に設けられると共にセンタピラーと隣接するドア開口部と、
    前記ドア開口部を開閉するドアと、
    前記ドアの内部に設けられたドアビームと、を備え、
    前記ドアビームの一端部は、車両側方から見て前記センタピラーとラップする位置に設けられ、
    前記ドアビームの一端部には、前記センタピラーの延在方向と交差する方向に所定の長さで延びると共に、前記ドアビームの車内側面よりも車内側に突出した突出部が備えられていることを特徴とする車体側部構造。
  2. 前記ドアビームは、当該ドアビームの延在方向に延びる上フランジ及び下フランジと、前記上フランジと前記下フランジとの間で車外側に向かって凸となる凸形状部と、からなる断面ハット形状部と、
    当該断面ハット形状部とは別体で、前記上フランジと前記下フランジとを連結する連結部材と、を備え、
    前記突出部は、前記連結部材に設けられることを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。
  3. 前記連結部材は、前記上フランジに取り付けられる第1取付面と、当該第1取付面の端部を車内側に折り曲げた第1折曲部と、からなる第1L字板部材と、
    前記下フランジに取り付けられる第2取付面と、当該第2取付面の端部を車内側に折り曲げた第2折曲部と、からなる第2L字板部材と、を備え、
    前記突出部は、前記第1折曲部と前記第2折曲部を重ね合わせて接合することで形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車体側部構造。
  4. 前記連結部材は、前記ドアビームと前記センタピラーとを車両側方から見て、両者がラップする位置に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車体側部構造。
  5. 前記突出部は、前記ドアビームの延在方向に沿って延設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の車体側部構造。
  6. 前記センタピラーは、下部を上部よりも強度の弱い部材で形成し、
    前記突出部は、前記車両が側面衝突した際に、前記センタピラーの下部を車室側に押圧する位置に設置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の車体側部構造。
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