JP2014200864A - ワイヤ電極張力制御機能を有するワイヤ放電加工機 - Google Patents

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Abstract

【課題】テーパ加工時のワイヤ電極の発振を抑制するワイヤ電極張力制御機能を有するワイヤ放電加工機を提供する。【解決手段】ワーク5の上下でワイヤ電極1を支持する上,下ワイヤガイド2,3と、ワーク5にワイヤ電極1を供給・送り出しモータ6,7と、ワイヤ電極1の張力を検出する張力検出装置4と、ワイヤ電極1の張力を制御する制御装置13とを備え、上,下ワイヤガイド2,3を移動してワイヤ電極1を傾斜させることができる放電加工機において、制御装置13のメモリにワイヤ電極の張力の制御ゲインをワイヤ電極の傾斜角度θに対応付けて記憶し、放電加工時にワイヤ電極の傾斜角度θに対応するワイヤ電極1の張力の制御ゲインを読み出し、読み出した制御ゲインを制御パラメータとして設定し、設定した制御ゲインに従ってモータ6,7の速度制御を行い、ワイヤ電極1の張力を調節する制御を行う。【選択図】図5

Description

本発明は、ワイヤ放電加工機に関し、特に、テーパ加工時のワイヤ電極の発振を抑制するワイヤ電極張力制御機能を有するワイヤ放電加工機に関する。
ワイヤ放電加工機は、ワイヤボビンにワイヤ電極が巻き上げられており、ワイヤ電極はワイヤボビンから所定のワイヤ経路を経由して所定の速度、ワイヤ張力を保って繰り出される。ワイヤ放電加工は、ワイヤ電極を、上ワイヤガイドと下ワイヤガイドの間を所定の張力を付与させた状態で走行させ、上,下ワイヤガイド間のワイヤ電極をワークに微小間隙を隔てて対向させ、微小間隙に加工液を介在させた状態で休止時間を有する電圧パルスを印加し、繰り返し発生する放電により加工を行うものである。
ワイヤ電極に付与される張力が一定に制御されず加工中に変動すると、加工面に筋の発生、加工寸法および加工精度の低下、及びワイヤ電極の断線の発生の原因となる。
そこで、特許文献1には、光学式のワイヤ張力測定装置を用いて上,下ガイド間を移動するワイヤ電極の張力変動の検出精度を高め、且つワイヤ電極の張力を応答性よく検出することにより、張力制御を精密に高応答で安定的に制御する方法が開示されている。
特許文献2には、使用するワイヤ電極の種類及び線径が変化する場合、ワイヤ電極からの張力検出信号と張力設定信号とを差分して得た補償信号を、フィルタを介して速度指令信号と加算処理させた値を出力させてワイヤ電極の張力制御を行い、ワイヤ電極の張力変動を低減する方法が開示されている。
特許文献3には、ワイヤ放電加工機の移動軸(X,Y,Z,U,V)を移動させた時に、ワイヤ電極の走行経路長が増減変化する場合、ワイヤ電極の張力制御装置のワイヤ電極の張力制御方法、及びワイヤ電極の張力制御回路のフィルタの決定・調整方法について開示されている。
特開平5−312657号公報 特開平10−309631号公報 特許第3883690号公報
特許文献1の方法により、常に高応答でワイヤ張力を制御すると、ワイヤ電極を保持する上,下ワイヤガイドの相対位置をずらしてテーパ加工を行う時、テーパ角度がある値を超えると、ワイヤ電極の上,下ワイヤガイドへの当たり方が変化し、かつワイヤ電極がワイヤガイドに強く当たることによってワイヤ電極が発振し、加工精度が悪化するという欠点がある。
特許文献2に開示される方法では、テーパ加工時に発生するワイヤの発振を抑制できない。
特許文献3に開示される方法では、ワイヤ電極のワイヤガイドへの当たり方が変化し、ワイヤ電極のワイヤガイドへの当たる力の変化によるワイヤの発振を解決できず、加工精度に影響が出るという問題がある。また、異なる板厚でテーパ角度が異なる場合でもワイヤ電極の走行経路長が同じであれば、張力制御方法や張力制御回路のフィルタの決定・調整方法が同じである可能性があり、この場合に発生する可能性のあるワイヤ電極のワイヤガイドへの当たり方や当たる力の変化によるワイヤ電極の発振への対処方法については特許文献3に開示されていない。
そこで本発明の目的は、上記従来技術の問題点を鑑み、テーパ加工時のワイヤ電極の発振を抑制するワイヤ電極張力制御機能を有するワイヤ放電加工機を提供することである。
本願の請求項1に係る発明は、被加工物にワイヤ電極を供給するモータと、前記ワイヤ電極の張力を検出する張力検出手段と、前記ワイヤ電極の張力を制御する制御装置と、前記被加工物の上下で前記ワイヤ電極を保持する上,下ワイヤガイドと、前記上,下ワイヤガイドを移動して前記ワイヤ電極を傾斜させる上,下ワイヤガイド移動手段とを有し、前記ワイヤ電極を傾斜させ、前記被加工物と前記ワイヤ電極を相対移動させて前記被加工物の加工を行うワイヤ放電加工機において、前記ワイヤ電極の張力の制御ゲインをワイヤ電極の傾斜角度に対応付けて記憶した張力制御ゲイン記憶手段と、前記ワイヤ電極の傾斜角度を取得する傾斜角度取得手段と、前記張力制御ゲイン記憶手段から前記取得したワイヤ電極の傾斜角度に対応する張力制御ゲインを読み出して設定する張力制御ゲイン設定手段と、前記設定されたゲインで前記ワイヤ電極の張力を制御する制御手段、とを有することを特徴とするワイヤ電極張力制御機能を有するワイヤ放電加工機である。
請求項2に係る発明は、前記制御ゲインは、前記ワイヤ電極の径、材質、前記上,下ワイヤガイドの材質の何れか1つまたは何れかの組み合わせと、前記ワイヤ電極の傾斜角度とに対応付けて前記張力制御ゲイン記憶手段に記憶されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機である。
請求項3に係る発明は、前記傾斜角度取得手段は、前記上,下ワイヤガイドの相対位置を変更した時、または前記ワイヤ電極の傾斜角度を変更した時、または所定時刻ごと、または所定時間ごとに前記ワイヤ電極の傾斜角度を取得し、張力制御ゲイン設定手段は、前記取得した前記ワイヤ電極の傾斜角度に対応する張力制御ゲインを前記張力制御ゲイン記憶手段から読み出して設定することを特徴とする請求項1または2の何れか1つに記載のワイヤ放電加工機である。
本発明により、テーパ加工時のワイヤ電極の発振を抑制するワイヤ電極張力制御機能を有するワイヤ放電加工機を提供できる。
本発明の一実施形態のワイヤ放電加工機の構成を説明する図である。 張力制御ゲイン記憶手段に記憶されている第1の例である。 張力制御ゲイン記憶手段に記憶されている第2の例である。 張力制御ゲイン記憶手段に記憶されている第3の例である。 本発明に係るワイヤ電極張力制御の処理を説明するフロー図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は本発明の一実施形態のワイヤ放電加工機の構成を説明する図である。ワイヤ放電加工機は制御装置13によって各部のモータなどの駆動制御が行われる。ワイヤボビン12にはワイヤ電極1が巻回されている。ワイヤボビン12はワイヤ電極1の送り出しに伴い引っ張られて回転するようになっている。ワイヤボビン12が回り過ぎてワイヤ電極1が弛まないように図示しないトルクモータあるいは摩擦ブレーキにより適度な抵抗が付与されている。該適度な抵抗は、電気的に制御された抵抗(トルクモータによる)、あるいは機械的な抵抗(摩擦ブレーキ等)と捉えることができる。
ワイヤ電極1は供給モータ(第一のモータ)6によって駆動されるガイドローラ11を経て供給ローラ8に到る。供給ローラ8とピンチローラ9を経て送り出されたワイヤ電極1は、上ワイヤガイド2、ワーク5、下ワイヤガイド3、ガイドローラ11を経て、送り出しモータ(第二のモータ)7によって駆動される送り出しローラ10に到り、図示しない廃棄ワイヤ電極回収箱に回収される。張力検出装置4は、走行中のワイヤ電極1の張力を一定の値に制御するために、ワイヤ放電加工する領域のワイヤ電極1の走行中の張力を検出する検出手段である。
ガイドローラ11を駆動する供給モータ(第一のモータ)6と送り出しモータ(第二のモータ)7によって駆動される送り出しローラ10の速度またはトルクを制御することによって、加工領域(上ワイヤガイド2と下ワイヤガイド3の間)のワイヤ電極1に加工に適する所定の大きさの張力を付与する。張力検出装置4で検出したワイヤ電極1の張力が設定した値になるように、供給モータ(第一のモータ)6と送り出しモータ(第二のモータ)7の速度を制御しながらワーク5の放電加工を行う。この実施形態では、送り出しモータ(第二のモータ)7の回転速度を一定に制御し、供給モータ(第一のモータ)6の回転速度を張力検出装置4で検出した張力が設定した値となるように制御するようにしている。
上ワイヤガイド2と下ワイヤガイド3は、図示省略した駆動手段によりワーク5に対して水平2軸方向(X軸方向,Y軸方向)に相対的に移動するとともに、上ワイヤガイド2はX軸に平行なU軸とY軸に平行なV軸方向に移動可能であり、下ワイヤガイド3に対して移動することによって、ワーク5のテーパ加工を行える。ワイヤ電極1には図示省略した給電子が摺接され、図示省略した電源装置からパルス状の電圧が印加される。このパルス状の電圧によりワイヤ電極1とワーク5との間に放電を発生しワーク5の放電加工を行う。以上は公知のワイヤ放電加工機が備えている構成である。
上述したワイヤ放電加工機において、テーパ角度θの大きさによってワイヤ電極1の上,下ワイヤガイド2,3への当たり方と当たる力が異なるので、テーパ角度θに応じてワイヤ電極1の張力の制御ゲインの値を変更する。ここでのワイヤ張力の制御ゲインとは、ワイヤ電極の目標張力値と実際の張力値との差分値を制御装置にフィードバックさせて入力電流値(=ワイヤ電極の張力値を調整する、供給モータや送り出しモータへの入力電流値)を決定する時の、フィードバック時の重み係数である。
ワイヤ電極位置を決定する上,下ワイヤガイド2,3の位置を移動させることの出来る移動軸(例えば、上ワイヤガイド2をU軸方向,V軸方向に移動させ)を移動させてテーパ加工を行う時、テーパ角度θがある値を超えた場合には、ワイヤ電極1の張力の制御ゲインを下げてワイヤ電極1の発振を抑える制御を制御装置13によって行う。
具体例を以下に示す。
<例1>
(1)加工中に上,下ワイヤガイド2,3を移動させてワーク5のテーパ加工を行わない時、もしくはテーパ角度θが所定の値よりも小さい場合はワイヤ電極1が発振しないので、ワイヤ電極1の張力の制御ゲインは変更しない。
(2)上,下ワイヤガイド2,3間のテーパ角度θがある値を上回った時、ワイヤ電極1の上,下ワイヤガイド2,3への当たり方が変化し、ワイヤ電極1の上,下ワイヤガイド2,3へ当たる力が強くなるので、ワイヤ電極1の張力の制御ゲインを下げてワイヤ電極1の発振を抑える。
(3)上,下ワイヤガイド2,3間のテーパ角度θがある値を下回った時、ワイヤ電極1の上,下ワイヤガイド2,3への当たり方が変化し、ワイヤ電極1の上,下ワイヤガイド2,3への当たり方が弱くなるので、ワイヤ電極1の張力の制御ゲインを上げる。
(4)上,下ワイヤガイド2,3間のテーパ角度θの増減変化に対応した、ワイヤ電極1の張力の制御ゲインを使用する。
テーパ加工を行う時のワイヤ張力の制御ゲインは、ワイヤ電極1の線径、ワイヤ電極1の材質、上,下ワイヤガイド2,3の材質とテーパ角度θに対応する、各々に対して予め決定しておいた値を制御装置13内のメモリ(図示せず)にパラメータとして保存し、その値を保存先から呼び出すことで使用する。
上述の例ではテーパ角度θに応じてワイヤ電極1の張力の制御ゲインを調整した。テーパ加工を行う時のワイヤ電極1の上,下ワイヤガイド2,3への当たり方は、ワイヤ電極1の線径、ワイヤ電極1の材質、上,下ワイヤガイド2,3の材質等によって異なり、ワイヤ電極1の張力の制御ゲインの値は、これらの条件に対応した値を使用する必要がある。そのため、テーパ加工を行う時のワイヤ電極1の張力の制御ゲインの値の決定には、テーパ角度θだけでなく、これらの事項(ワイヤ電極1線径、ワイヤ電極1の材質、上,下ワイヤガイド2,3の材質)も考慮する。
具体例を以下に示す。
<1>テーパ角度θを増加させ、かつワイヤ電極1の線径を標準線よりも太い物を使用する場合、ワイヤ電極1は発振しやすくなるので、ワイヤ電極1の張力の制御ゲインを下げる。逆にワイヤ電極1の線径が標準線よりも細い物を使用する時は、ワイヤ電極1は発振しにくくなるので、ワイヤ電極1の張力の制御ゲインを上げる。
<2>テーパ角度θを増加させ、かつワイヤ電極1の材質を標準線よりも軟らかい物を使用する場合、ワイヤ電極1は発振しやすくなるので、ワイヤ電極1の張力の制御ゲインを下げる。逆にワイヤ電極1の材質が標準線よりも硬い物を使用する時は、ワイヤ電極1は発振しにくくなるので、ワイヤ電極1の張力の制御ゲインを上げる。
<3>テーパ角度θを増加させ、かつ上,下ワイヤガイド2,3の材質を変更する時(例えば、単結晶ダイヤから多結晶ダイヤに変更する時)、多結晶の上、下ワイヤガイド2,3は材質に依存した固有の振動しやすい角度を持っているため、材質に対応してワイヤ電極1の張力の制御ゲインを増減させる。発振しやすい材質の上,下ワイヤガイド2,3を使用する時は制御ゲインを下げ、発振しにくい材質の上,下ワイヤガイド2,3を使用する時は制御ゲインを上げる。
上記<1>〜<3>のワイヤ電極1の制御ゲインの値は、ワイヤ電極1の線径、ワイヤ電極1の材質、上,下ワイヤガイド2,3の材質とテーパ角度θに対応して、予め実験で決定した値をパラメータとしてメモリ装置等の記憶手段に予め記憶しておく。そして、ワーク5の加工時に、ワイヤ電極1の線径、ワイヤ電極1の材質、上,下ワイヤガイド2,3の材質とテーパ角度θに対応したパラメータ(張力制御ゲイン)を自動的に呼び出して使用する。
ここで、記憶手段に記憶されるパラメータの具体例を図2,図3,図4に示す。図2は上,下ワイヤガイド2,3の材質が単結晶ダイヤ、ワイヤ電極1の材質が黄銅標準線の場合の例である。図3は上,下ワイヤガイド2,3の材質が単結晶ダイヤ、ワイヤ電極1の材質が黄銅軟線の場合の例である。図4は上,下ワイヤガイド2,3の材質が多結晶ダイヤ、ワイヤ電極1の材質が黄銅標準線の場合の例である。なお図4に示される例では、発振し易いテーパ角度θが20°の場合、予め記憶した制御ゲインのデータを予備実験で更に調整することを示している。上,下ワイヤガイド2,3の材質を多結晶ダイヤに変更した場合の、発振し易いテーパ角度は予備実験で確認を行う。
制御ゲインの値の呼び出しは、上,下ワイヤガイド2,3の相対位置を変更した時、ワイヤ電極1の傾斜角度を変更した時、ワイヤ電極1の線径を変更した時、ワイヤ電極1の材質を変更した時、上,下ワイヤガイド2,3の材質を変更した時に行う。所定時刻または所定時間ごとに行っても良い。
ワイヤ電極1の基準径に対して径の大きいワイヤ電極1を使用する場合、ワイヤ電極1は基準径の物と比較して発振し易くなるので、基準径の制御ゲインよりも小さな値の制御ゲインを呼び出す。逆に、ワイヤ電極の基準径に対して径の小さいワイヤ電極を使用する時、ワイヤ電極は基準径の物と比較して発振しにくくなるので、基準径の制御ゲインよりも大きな値の制御ゲインを呼び出す。
ワイヤ電極1の基準材質に対して軟らかいワイヤ電極1を使用する時、ワイヤ電極1は基準材質の物と比較して発振し易くなるので、基準材質の制御ゲインよりも小さな値の制御ゲインを呼び出す。逆に、ワイヤ電極1の基準材質に対して硬いワイヤ電極1を使用する時、ワイヤ電極1は基準材質の物と比較して発振しにくくなるので、基準材質の制御ゲインよりも大きな値の制御ゲインを呼び出す。
ワイヤ電極1を傾斜させる方法には、加工プログラムに従って傾斜角度を直接指令する方法、加工プログラムに従ってU軸あるいはV軸の移動を指令する方法、予め手動でU軸/V軸を動かしてから加工を開始する方法がある。上記制御ゲインを変更する時には、どの方法を用いてワイヤ電極1を傾斜させても良い。
ワイヤ電極1の傾斜角度の算出は、U軸/V軸を動かして上下ワイヤガイドの相対位置を変更した時等、ワイヤ電極1の傾斜角度を変更した時に行う。所定時刻または所定時間ごとに行っても良い。
ワイヤ電極1の傾斜角度は下記の方法で算出する。予めワイヤ電極1が垂直状態の時の上,下ワイヤガイド2,3のU軸およびV軸の座標を記憶する。上,下ワイヤガイド2,3が移動した時、上,下ワイヤガイド2,3それぞれの垂直状態からの相対座標と、Z軸の座標から上,下ワイヤガイド位置の相対角度を算出する。ワイヤ電極1は上,下ワイヤガイド2,3を通るので、上,下ワイヤガイド位置の相対角度はワイヤ電極1の傾斜角度(テーパ角度)θと同じであることから、上,下ワイヤガイド位置の相対角度はそのままワイヤ電極1の傾斜角度となる。
ワイヤ電極1の傾斜角度(テーパ角度)θの求め方は以下の通りである。
ワイヤ電極1と上ワイヤガイド2の接触位置の座標を(U,U,U)、ワイヤ電極1と下ワイヤガイド3の接触位置の座標を(L,L,L)とすると、数1式により求めることができる。
Figure 2014200864
なお、前述したように、ワイヤ電極1の張力制御は、ワーク5にワイヤ電極1を供給するモータと、ワーク5にワイヤ電極1を送り出すモータで構成され、一方のモータ(送り出しモータ(第二のモータ)7)で送り出しを行いながら他方のモータ(供給モータ(第一のモータ)6)でバックテンションを掛け、張力制御を行うことが多い。
図5は、本発明に係るワイヤ電極張力制御の処理を説明するフロー図である。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSA01]張力制御ゲインを決定するための条件である、ワイヤ電極の傾斜角度、ワイヤ電極径、ワイヤ電極の材質、ワイヤガイドの材質を取得する。
●[ステップSA02]前回取得した張力制御ゲインを決定するための条件と今回取得した張力制御ゲインを決定するための条件は同じか否か判断し、条件が同じ場合(YES)にはステップSA05へ移行し、条件が同じではない場合(NO)にはステップSA03へ移行する。
●[ステップSA03]取得した条件に対応する張力制御ゲインを読み出す。
●[ステップSA04]読み出した張力制御ゲインを設定する。
●[ステップSA05]所定時間または所定時刻に達したか否か判断し、所定時間または所定時刻に達した場合(YES)にはステップSA01に戻る。
上記図5のフローチャートを補足して説明する。ワイヤ電極1の傾斜角度(テーパ角度)θの取得は、加工プログラムに直接指令されている傾斜角度を読み取っても良いし、上,下ワイヤガイド2,3の位置から算出して求めても良い。他のパラメータについても、加工プログラムに直接指令してもよいし、制御装置13のメモリに設定したデータを読み取るようにしてもよい。
なお、張力を制御する制御ゲインのパラメータをテーパ角度θのみに対応して制御装置13のメモリに格納しておき、加工中のテーパ角度θに対応して前記メモリから制御パラメータを読み出してもよい。
1 ワイヤ電極
2 上ワイヤガイド
3 下ワイヤガイド
4 張力検出装置
5 ワーク
6 供給モータ
7 送り出しモータ
8 供給ローラ
9 ピンチローラ
10 送り出しローラ
11 ガイドローラ
12 ワイヤボビン
13 制御装置

θ テーパ角度

Claims (3)

  1. 被加工物にワイヤ電極を供給するモータと、前記ワイヤ電極の張力を検出する張力検出手段と、前記ワイヤ電極の張力を制御する制御装置と、前記被加工物の上下で前記ワイヤ電極を保持する上,下ワイヤガイドと、前記上,下ワイヤガイドを移動して前記ワイヤ電極を傾斜させる上,下ワイヤガイド移動手段とを有し、前記ワイヤ電極を傾斜させ、前記被加工物と前記ワイヤ電極を相対移動させて前記被加工物の加工を行うワイヤ放電加工機において、
    前記ワイヤ電極の張力の制御ゲインをワイヤ電極の傾斜角度に対応付けて記憶した張力制御ゲイン記憶手段と、
    前記ワイヤ電極の傾斜角度を取得する傾斜角度取得手段と、
    前記張力制御ゲイン記憶手段から前記取得したワイヤ電極の傾斜角度に対応する張力制御ゲインを読み出して設定する張力制御ゲイン設定手段と、
    前記設定されたゲインで前記ワイヤ電極の張力を制御する制御手段、
    とを有することを特徴とするワイヤ電極張力制御機能を有するワイヤ放電加工機。
  2. 前記制御ゲインは、前記ワイヤ電極の径、材質、前記上,下ワイヤガイドの材質の何れか1つまたは何れかの組み合わせと、前記ワイヤ電極の傾斜角度とに対応付けて前記張力制御ゲイン記憶手段に記憶されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
  3. 前記傾斜角度取得手段は、前記上,下ワイヤガイドの相対位置を変更した時、または前記ワイヤ電極の傾斜角度を変更した時、または所定時刻ごと、または所定時間ごとに前記ワイヤ電極の傾斜角度を取得し、張力制御ゲイン設定手段は、前記取得した前記ワイヤ電極の傾斜角度に対応する張力制御ゲインを前記張力制御ゲイン記憶手段から読み出して設定することを特徴とする請求項1または2の何れか1つに記載のワイヤ放電加工機。
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